JPH09169390A - 槽構造体 - Google Patents

槽構造体

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JPH09169390A
JPH09169390A JP7328837A JP32883795A JPH09169390A JP H09169390 A JPH09169390 A JP H09169390A JP 7328837 A JP7328837 A JP 7328837A JP 32883795 A JP32883795 A JP 32883795A JP H09169390 A JPH09169390 A JP H09169390A
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JP
Japan
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tank
ribs
upper body
rib
partition plate
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JP7328837A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Nakatani
好孝 中谷
Hajime Naito
一 内藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浄化槽の外殻等を構成する槽構造体を、繊維
強化された発泡ポリウレタン樹脂によりつくり、それら
に特殊な形状のリブを配することにより、軽量で剛性に
優れた浄化槽を得る。かつ槽構造体の成形のさいに、現
場においてガラス繊維の飛散が少なく、かつ人体に有害
な揮発物質を出すことがなく、作業環境が改善された成
形方法により槽構造体を製造する。 【解決手段】 槽構造体は槽上部体1と槽下部体2と
が、互いの開口面を対向するように接合されており、か
つこれらは共に繊維強化発泡ポリウレタンからなる。槽
上部体1と槽下部体2の側壁1a,2aには、深さ方向
に渡って連続しかつ槽内方に向かって膨出した補強用膨
出リブ4,4が設けられている。各膨出リブ4の高さH
は6〜60mmであり、膨出リブ4の曲面部の曲率半径
RおよびR´は2mm以上から膨出リブ4の高さH以下
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば浄化槽の外
殻を構成する槽構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の浄化槽は、一般に、JIS A4
101(ガラス繊維強化プラスチック製浄化槽構成部
品)に規定されているように、ガラス繊維強化した不飽
和ポリエステル樹脂を用いてつくられていた。
【0003】また、成形方法としては、型にガラス繊維
を入れ、不飽和ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂原
料組成物を吹き付けるスプレーアップ法や、型にガラス
マットを積み重ねて導入し、かつガラスマット1枚毎に
上記樹脂原料組成物を塗布するハンドレイアップ法が用
いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂(FRP)によ
りつくられた浄化槽は重量が重く、組立作業時にはクレ
ーンやチェーンブロックなどを用いないと持ち上げられ
ず、非常に手間がかかるという問題があった。
【0005】また、従来の浄化槽の成形方法では、ガラ
ス繊維が空中に浮遊したり、スチレンモノマーが揮散し
たりして、作業環境が劣悪であったり、成形体の形状と
して小さな曲面取りやリブ立てが困難であるという問題
があった。
【0006】本発明者らは、上記の点に鑑み鋭意研究を
重ねた結果、ガラスマットに発泡性ポリウレタン樹脂組
成物を型内で含浸せしめて、硬化させ、特定の形状を有
するリブを設けることにより、軽量で優れた耐圧性を有
する槽構造体を得ることができることを見い出し、本発
明を完成したものである。
【0007】すなわち、本発明の目的は、軽量でかつリ
ブなどの構造設計が可能で、強度が大きい浄化槽の外殻
等を構成する槽構造体を提供することにある。しかも本
発明による槽構造体は、その成形のさいに、現場におい
てガラス繊維の飛散が少なく、かつ人体に有害な揮発物
質を出すことがなく、作業環境が改善された成形方法に
より製造することができるものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、まず請求項1記載の発明の槽構造体
は、下面が開口した槽上部体と上面が開口した槽下部体
とが、互いの開口面を対向するように接合されている槽
構造体であって、槽上部体と槽下部体とが共に繊維強化
発泡ポリウレタンからなり、槽上部体と槽下部体のそれ
ぞれ側壁に両者の深さ方向に渡って連続しかつ槽内方に
膨出した補強用膨出リブが設けられ、該膨出リブは側壁
の幅1mあたり1〜5個配置され、各膨出リブが下記の
条件およびを満たすことを特徴としている。
【0009】 6≦H≦60 2≦R≦H、2≦R´≦H ここで、Hは各膨出リブの槽側壁内面からの高さ(単位
mm)、Rは各膨出リブの側面部から頂面部に至る曲面
部の曲率半径(単位mm)、R´は槽側壁内面から各膨
出リブの側面部に至る立上がり曲面部の曲率半径(単位
mm)を意味する。
【0010】つぎに、請求項2記載の発明の槽構造体
は、下面が開口した槽上部体と上面が開口した槽下部体
とが、互いの開口面を対向するように接合され、かつ内
部が仕切板によって区分せられる槽構造体であって、槽
上部体と槽下部体とが共に繊維強化発泡ポリウレタンか
らなり、槽上部体と槽下部体のそれぞれ側壁の仕切板取
付け位置に、内方に突出した仕切板取付用凸形リブが設
けられ、各凸形リブが下記の条件およびを満たすこ
とを特徴としている。
【0011】 6≦H≦60 3≦t ここで、Hは各仕切板取付用凸形リブの槽側壁内面から
の高さ(単位mm)、tは凸形リブの肉厚(単位mm)
を意味する。
【0012】本発明による槽構造体の成形に用いられる
発泡性ウレタン樹脂原料組成物は、イソシアネート類、
ポリオール類、触媒、および発泡剤を含む。必要に応じ
て、架橋剤、充填剤などの添加剤が含まれるが、これら
は通常、ポリオール類側に投入される。
【0013】上記イソシアネート類としては、ポリメリ
ックMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、変
性MDIが使用される。
【0014】またポリオール類としては、ポリエーテ
ル、ポリエステルポリオール、アミンベースポリエーテ
ルポリオールが使用される。
【0015】主要ポリオールは、短鎖でかつ多官能基を
有し、その水酸基価は350〜700程度であるのが望
ましい。
【0016】触媒には、イソシアネートとポリオールの
反応においては、有機スズ化合物のような有機金属化合
物と第3級アミン(例えば、トリアルキルホスフィン、
ピリジン)が用いられる。またイソシアネートの三量体
化には、カリウム塩(例えば酢酸カリ、プロピオン酸カ
リ)、トリアジン触媒など用いられる。
【0017】触媒の添加量は、ポリオール成分100重
量部に対して、通常0.3〜3重量部である。
【0018】発泡剤は、通常、低沸点中性液が用いら
れ、例えばフロン11、フロン12のような塩化フッ化
炭素、メチレンクロライド、エチレンクロライドのよう
な塩化アルキレン、および水が用いられる。
【0019】発泡剤の添加量は、最終製品としての成形
体の発泡倍率によるが、イソシアネート100重量部に
対してフッ化炭素の場合は5〜20重量部、水では0.
2〜3重量部程度である。イソシアネートと水との反応
により、尿素と二酸化炭素が発生し、その二酸化炭素に
より発泡する。
【0020】本発明に用いられる繊維材料としては、ま
ず、材質としてガラス、カーボン、アラミド、金属が用
いられる。繊維の形態としては、コンティニュアススト
ランドマット、チョップドストランドマット、プリフォ
ームドマット、クロスなどが用いられる。
【0021】本発明の槽構造体の製造にあたっては、基
本的にS−RIM法を用いるが、目的とする槽構造体成
形品が得られる成形方法であれば、特に限定はない。
【0022】ここで、S−RIM(Structual Reaction
Injection Molding)法とは、例えば、強化繊維材を型
内に配した状態で、2種類以上の低分子かつ低粘度の液
状モノマーを、圧力下にミキシングヘッド中で混合する
と同時に、密閉型内に射出し、型内で重合反応を完結さ
せて成形品を得る成形法である。
【0023】本発明による槽構造体成形品には、実用上
その特性を維持または改良するために、種々の添加剤を
液状モノマーに配合することができるが、その場合、そ
の液中の成分と実用上差し支えない程度の反応でなけれ
ばならず、かつ、重合を阻害しないものでなければなら
ない。
【0024】どうしても上記の不都合がある場合には、
ポリオールとイソシアネートの混合液に、各種添加剤か
らなる第3液を混合する方法もある。
【0025】上記添加剤としては、顔料、整泡剤、難燃
剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0026】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。
【0027】図1〜図3を参照すると、本発明の請求項
1記載の槽構造体は、例えば浄化槽の外殻を構成するも
のであって、下面が開口した槽上部体(1) と上面が開口
した槽下部体(2) とが、互いの開口面を対向するように
組み合わせられ、槽上部体(1) の下面開口周縁部と、槽
下部体(2) の上面開口周縁部とに、それぞれ設けられた
フランジ部(3)(3)同士が接着剤およびリベット(図示
略)によって接合されることにより、槽上部体(1) およ
び槽下部体(2) が相互に結合される。
【0028】槽上部体(1) と槽下部体(2) とは、共に繊
維強化発泡ポリウレタンからなるものである。このよう
に、本発明の槽構造体は、発泡ポリウレタン樹脂をマト
リックスにしているため、従来の製品に比べて槽の重量
を軽減できるとともに、リブなどの構造設計が可能で、
強度が増大する。
【0029】ポリウレタン樹脂の密度の好ましい範囲は
0.5〜0.9g/cm3 である。ここで、ポリウレタ
ン樹脂の密度が、0.5g/cm3 未満に低いと、機械
的強度が低くなり、好ましくない。また0.9g/cm
3 を越えて高いと、ほとんど発泡しないことになり、重
くなる。
【0030】そして、槽上部体(1) と槽下部体(2) のそ
れぞれ側壁(1a)(2a)には、これらの深さ方向に渡って連
続しかつ槽内方に向かって膨出した補強用膨出リブ(4)
(4)が設けられている。このように、特定の形状をした
膨出リブ(4) を設けることにより、浄化槽が埋設されて
いるときにかかる土砂や地下水による荷重に対して初期
的にもまた長期的にも耐え得る構造とすることができ
る。
【0031】図3に補強用膨出リブ(4) の詳細な断面を
示す。
【0032】成形体すなわち槽上部体(1) と槽下部体
(2) のそれぞれ側壁(1a)(2a)表面からの膨出リブ(4) の
高さHは、6〜60mmであり、好ましくは8〜50m
m、さらに好ましくは12〜40mmである。ここで、
膨出リブ(4) の高さHが、6mm未満に小さいと、剛性
アップの効果が小さいので、好ましくない。また60m
mを越えて大きいと、運搬や施工時の取扱いが煩雑にな
ったり、槽内部の形状が複雑になり、浄化槽として使用
時に止水域が発生し、浄化処理能力の低下を招くことが
あるので、好ましくない。
【0033】また、補強用膨出リブ(4) の幅Wは、30
〜200mmであり、好ましくは50〜160mmであ
る。ここで、膨出リブ(4) の幅Wは、30mm未満に狭
くても、200mmを越えて広くても、槽の剛性に対し
て良くない。
【0034】膨出リブ(4) の曲面部の曲率半径Rおよび
R´は、それぞれ独立して2mm以上から膨出リブ(4)
の高さH以下である。
【0035】ここで、Rは各膨出リブ(4) の側面部(4a)
から頂面部(4b)に至る曲面部の曲率半径をいゝ、R´は
槽側壁(1a)(2a)内面から各膨出リブ(4) の側面部(4a)に
至る立上がり曲面部の曲率半径をいうものとする。
【0036】そして、これらの曲面部の曲率半径RとR
´が2mm未満では、ほとんど直角に近く折れ曲がって
いることになり、成形のさい、素材であるポリウレタン
樹脂と金型との密着性がよいため、脱型時に膨出リブ
(4) の曲面部が割れるおそれがあるので、好ましくな
い。また曲面部の曲率半径RとR´が、膨出リブ(4) の
高さHmmを越えて大きいと、なだらかになりすぎ、剛
性アップの効果が小さいので、好ましくない。両曲面部
の曲率半径RとR´は、それぞれ異なっていても、同じ
であっても良い。
【0037】成形体の平均厚さ(これは槽上部体(1) と
槽下部体(2) の側壁(1a)(2a)の平均厚さに相当する)は
3mm以上であり、好ましくは4〜10mmである。こ
こで、成形体の平均厚さが3mm未満であれば、剛性が
低いので、好ましくない。また成形体の平均厚さは厚く
なればなるほど剛性は上がるが、10mmを越えると、
重量が重くなり、適当ではない。
【0038】補強用膨出リブ(4)(4)は側壁(1a)(2a)の幅
1mあたり平均して1〜5個、好ましくは2〜4個施
す。膨出リブ(4)(4)が側壁(1a)(2a)の幅1mあたり1個
未満では槽の剛性アップが小さく、5個より多いと槽の
重量が重くなるのと、必要以上に形状が複雑になってし
まうので、好ましくない。これらの膨出リブ(4) は浄化
槽の槽側壁(1a)(2a)においてほぼ均等に配置することが
望ましいが、仕切板、および濾材などの浄化槽の内部構
造部品などを考慮して配置する必要がある。
【0039】また、上記特定形状の膨出リブ(4)(4)が複
数個施される場合には、それぞれの形状は同一でも、異
なっていても良い。
【0040】上記浄化槽の外殻を構成する槽上部体(1)
の上縁部には、3つのマンホール(6) が設けられてい
る。これらのマンホール(6) は、例えば浄化槽のメンテ
ナンス時に用いられる開口部であり、通常、平面よりみ
て円形であり、かつ円形の蓋(図示略)が被せられてい
る。
【0041】つぎに、図4〜図6を参照すると、本発明
の請求項2記載の槽構造体は、同様に浄化槽の外殻を構
成するものであって、下面が開口した槽上部体(1) と上
面が開口した槽下部体(2) とが、互いの開口面を対向す
るように組み合わせられ、槽上部体(1) の下面開口周縁
部と、槽下部体(2) の上面開口周縁部とに、それぞれ設
けられたフランジ部(3)(3)同士が接着剤およびリベット
(図示略)によって接合され、かつ内部が仕切板(8) に
よって区分せられるものである。
【0042】槽上部体(1) と槽下部体(2) とは、共に繊
維強化発泡ポリウレタンからなるものである。
【0043】そして、槽上部体(1) と槽下部体(2) のそ
れぞれ側壁(1a)(2a)の仕切板取付け位置に、内方に突出
した仕切板取付用凸形リブ(5)(5)が設けられている。
【0044】ここでいう凸形リブ(5) とは、板状のリブ
のことをいい、図6に詳しく示すように、各凸形リブ
(5) が浄化槽の槽上部体(1) と槽下部体(2) のそれぞれ
側壁(1a)(2a)に深さ方向に設けられている。
【0045】各仕切板取付用凸形リブ(5) の槽側壁(1a)
(2a)内面(成形体表面)からの高さHは、6〜60mm
であり、好ましくは8〜50mm、さらに好ましくは1
0〜45mm、より好ましくは20〜40mmである。
凸形リブ(5) の高さHが、6mm未満では、槽構造体の
剛性アップが少なく、60mmを越えて高いと、成形の
さい、素材であるポリウレタン樹脂と金型との密着性が
よいため、脱型時に凸形リブ(5) が割れるおそれがあ
る。また、槽構造体を例えば浄化槽として用いた場合、
その使用時に槽内に止水域が発生し、浄化処理能力の低
下を招くこともある。
【0046】また、この凸形リブ(5) の厚みtは、3m
m以上であり、好ましくは4mm以上、さらに好ましく
は6mm以上であり、厚ければ厚いほど槽構造体の剛性
は上がるが、原料コストが上昇することから、30mm
以下であるのが望ましい。
【0047】なお、凸形リブ(5) の厚みtは、凸形リブ
(5) の最小肉厚を示す。なぜならば、成形体の抜き勾配
は通常3°以上を取ることが必要であり、そうすると、
凸形リブ(5) の根元は先端に比べ肉厚になるからであ
る。
【0048】ここで、上記凸形リブ(5) を配する場所
は、浄化槽の仕切板(8) を取り付ける位置である。とい
うのは、浄化槽内部は、複数の部屋に分かれており、そ
れぞれの境界を仕切板(8) で仕切るが、この仕切板(8)
と槽構造体を結合するときに、上記凸形リブ(5) を設け
ておくと、該凸形リブ(5) が「位置決め」と「接合し
ろ」の役割を果たすので、仕切板(8) の取付けの作業性
が著しく改善されるからである。
【0049】この凸形リブ(5) は、1つ以上配される
が、複数配される場合もあり、その場合には、これらの
凸形リブ(5) の形状は、それぞれ異なっていても、同じ
であっても良い。
【0050】また、この凸形リブ(5) は、少なくとも仕
切板(8) の取付位置に配されるが、それ以外の場所に設
けられても良い。
【0051】図7と図8に詳しく示すように、仕切板
(8) は、浄化槽の各槽、例えば、小型合併浄化槽ならば
嫌気槽2槽、ばっ気槽、沈殿槽などを区切るために用い
られる板状物であり、これは通常、ハンドレイアップ法
やスプレイアップ法等の成形方法により、別途製作され
るものである。図示の仕切板(8) には、片面に膨出した
浅い膨出凸部(9) が3つ設けられている。
【0052】仕切板(8) の浄化槽の内部への取付けに
は、例えば図9に詳しく示すように、各凸形リブ(5) お
よび仕切板(8) の側縁部に貫通孔(10)(11)をあけ、これ
らの孔(10)(11)にリベット(7) を挿通して、結合する。
また仕切板(8) と凸形リブ(5)との連結部から水漏れが
無いように、ガラスマットに不飽和ポリエステルを含浸
させたシール材で該連結部を覆うことにより、シールを
施すのが、普通である。なお、仕切板(8) の浄化槽の内
部への取付けには、その他、接着剤あるいはボルト等の
適宜の結合手段を用いても良い。
【0053】(作用)例えば浄化槽の外殻を構成する槽
構造体を、繊維強化された発泡ポリウレタン樹脂により
つくるさいに、特殊な形状のリブを有するようにするこ
とにより、軽量で剛性に優れた浄化槽を得ることができ
る。浄化槽の外殻を構成する槽構造体の製造のさいに
は、成形型内でガラス繊維に発泡ポリウレタン樹脂原料
を含浸させ、樹脂の硬化を完了させることにより、槽構
造体製作時のガラス繊維の飛散や、人体に有害なモノマ
ーの揮発が無く、作業環境を改善することができる。
【0054】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を図面を参照して説
明する。
【0055】実施例1 図1と図2に示す浄化槽の外殻を構成する本発明の槽構
造体を製造した。
【0056】この槽構造体は、下面が開口した槽上部体
(1) と上面が開口した槽下部体(2)とよりなり、いずれ
も繊維強化発泡ポリウレタンからなるものである。
【0057】(原料)ここで、用いた樹脂原料は、ポリ
オール(商品名SBUポリオールH523、水酸基価6
10mgKOH/g、水分0.6%、住友バイエルウレ
タン社製)、イソシアネート(商品名SBUイソシアネ
ート0389、変性MDI:NCO含量28%、住友バ
イエルウレタン社製)であり、上記ポリオール100重
量部に対して、イソシアネート186重量部の割合で混
合した。上記槽構造体のマトリックス樹脂としての発泡
ポリウレタン樹脂の密度は、0.6g/cm3 であっ
た。
【0058】強化材としてはガラスコンティニュアスス
トランドマット(商品名M8609、600g/m2
旭ファイバーグラス社製)を用いた。
【0059】(型)図1と図2に示す製品形状に対応し
た雌雄2型からなるアルミニウム製の型を用いた。
【0060】これらの成形型により、槽上部体(1) と槽
下部体(2) のそれぞれ側壁(1a)(2a)には、これらの深さ
方向に渡って連続しかつ槽内方に向かって膨出する3つ
の補強用膨出リブ(4)(4)を設けるが、成形体すなわち槽
上部体(1) と槽下部体(2) のそれぞれ側壁(1a)(2a)表面
からの膨出リブ(4) の高さHは、30mmとした。
【0061】また膨出リブ(4) の幅Wは150mmと
し、膨出リブ(4) の曲面部の曲率半径RおよびR´を、
それぞれ独立して20mmとした。さらに槽上部体(1)
と槽下部体(2) の側壁(1a)(2a)の平均厚さは6mmとし
た。
【0062】(成形方法)アルミニウム製の雌雄型を7
0℃に加熱して温調し、雌雄型に離型剤を塗布した後、
雌型に上記ガラス繊維のコンティニュアスストランドマ
ットを、およその製品形状になるよう配した。雌雄型を
閉じたあと、30℃に温調した上記ポリオールとイソシ
アネートを所定の割合でミキシングヘッドにより混合し
ながら、該樹脂原料を型内に注入した。なお、樹脂原料
は、ポリオールとイソシアネートとを合わせて30kg
であった。注入完了後、10分間、発泡圧により雌雄両
型が開かないように、300トンの出力で型締め保持し
た。その後、型を開き、槽上部体(1) と槽下部体(2) と
よりなる成形体(重量70kg)を取り出した。
【0063】(浄化槽としての評価)こうして得られた
下面が開口した槽上部体(1) と上面が開口した槽下部体
(2)とを、互いの開口面を対向するように組み合わせ
て、槽上部体(1) の下面開口周縁部と槽下部体(2) の上
面開口周縁部とに設けられたフランジ部(3)(3)同士を接
着剤およびリベット(図示略)によって接合固定してな
る浄化槽を、JIS A4101の規定に基づいて剛性
試験、耐薬品性試験など各種評価した結果、いずれも合
格であった。
【0064】実施例2 図4と図5に示す浄化槽の外殻を構成する本発明の槽構
造体を製造した。
【0065】この槽構造体は、下面が開口した槽上部体
(1) と上面が開口した槽下部体(2)とよりなり、いずれ
も上記実施例1の場合と同じ繊維強化発泡ポリウレタン
からなるものである。
【0066】図4と図5に示す製品形状に対応した雌雄
2型からなるアルミニウム製の型を用いた。
【0067】これらの成形型により、槽上部体(1) と槽
下部体(2) のそれぞれ側壁(1a)(2a)の仕切板取付け位置
に、これらの深さ方向に渡って連続しかつ槽内方に向か
って突出した3つの仕切板取付用凸形リブ(5)(5)を設け
るが、各凸形リブ(5) の槽側壁(1a)(2a)内面(成形体表
面)からの高さHを40mmとし、また凸形リブ(5)の
肉厚tを10mmとした。
【0068】(成形方法)上記実施例1の場合と同様に
して、槽上部体(1) と槽下部体(2) とよりなる成形体
(重量70kg)を取り出した。
【0069】(浄化槽としての評価)得られた成形体の
槽上部体(1) と槽下部体(2) 内にFRP製仕切板(8) 3
枚を所定位置に配置し、各凸形リブ(5) および仕切板
(8) の側縁部とをリベット(7)により結合して、仕切板
(8) を取り付け、こうして得られた浄化槽を、上記実施
例1の場合と同様に、JIS A4101の規定に基づ
いて剛性試験、耐薬品性試験など各種評価した結果、い
ずれも合格であった。
【0070】比較例 比較のために、上記実施例2の場合と全く同様にして浄
化槽を製作するが、槽上部体(1) と槽下部体(2) のそれ
ぞれ側壁(1a)(2a)の仕切板取付け位置に設ける仕切板取
付用凸形リブ(5)(5)の高さHを、それぞれ100mmと
した。
【0071】その結果、槽上部体(1) と槽下部体(2) の
成形時の脱型のさいに、金型と成形体との密着力が強い
ため、凸形リブ(5) が割れてしまい、成形体の良品を得
ることができなかった。
【0072】
【発明の効果】本発明は、上述のように、請求項1記載
の槽構造体は、下面が開口した槽上部体と上面が開口し
た槽下部体とが、互いの開口面を対向するように接合さ
れ、槽上部体と槽下部体とは、共に繊維強化発泡ポリウ
レタンからなり、発泡ポリウレタン樹脂をマトリックス
にしているため、軽量であり、従来の製品に比べて槽構
造体の重量を大幅に軽減できる。また槽上部体と槽下部
体のそれぞれの側壁に、両者の深さ方向に渡って連続し
かつ槽内方に膨出した特定形状の補強用膨出リブが設け
られているから、本発明の槽構造体は、非常に高剛性で
あり、例えば浄化槽として使用した場合、これが埋設さ
れているときにかかる土砂や地下水による荷重に対して
初期的にもまた長期的にも充分耐え得る構造とすること
ができる。また槽構造体は、高剛性であるが、軽量なの
で、取扱いが容易である。
【0073】しかも本発明の槽構造体は、その成形のさ
いに、成形型内においてガラス繊維に発泡性ポリウレタ
ン樹脂原料を含浸し、硬化させるので、ガラス繊維の飛
散が少なく、かつポリオールとイソシアネートを含む発
泡性ポリウレタン樹脂原料は、その収納タンクから成形
型内に直接射出して導入できるので、作業者には一切触
れることがなく、従って成形作業現場においてガラス繊
維の飛散が少なく、かつ人体に有害な揮発物質を出すこ
とがなく、作業環境が改善された成形方法により製造す
ることができ、安全性が高いという効果を奏する。
【0074】また本発明の請求項2記載の槽構造体は、
下面が開口した槽上部体と上面が開口した槽下部体と
が、互いの開口面を対向するように接合され、かつ内部
が仕切板によって区分せられるものであって、槽上部体
と槽下部体とが共に繊維強化発泡ポリウレタンからな
り、発泡ポリウレタン樹脂をマトリックスにしているた
め、軽量であり、従来の製品に比べて槽構造体の重量を
大幅に軽減できる。
【0075】また、槽上部体と槽下部体のそれぞれ側壁
の仕切板取付け位置に、内方に突出した特定形状の仕切
板取付用凸形リブが設けられているから、請求項2記載
の槽構造体も、非常に高剛性であるうえに、これらの凸
形リブにより、仕切板の位置決めおよび取付けを簡単に
行ない得るので、組立作業が簡単であるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の本発明品の槽上部体と槽下部体の側
面図である。
【図2】同本発明品の槽上部体と槽下部体の正面図であ
る。
【図3】図1の槽上部体の側壁における補強用膨出リブ
の拡大断面図である。
【図4】実施例2の本発明品の槽上部体と槽下部体の側
面図である。
【図5】同本発明品の槽上部体と槽下部体の正面図であ
る。
【図6】図4の槽上部体の側壁における仕切板取付用凸
形リブの拡大断面図である。
【図7】実施例2の本発明品に取り付ける仕切板の概略
正面図である。
【図8】同仕切板の部分切欠き側面図である。
【図9】同本発明品における凸形リブと仕切板との取付
け部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
1:槽上部体 1a:槽側壁 2:槽下部体 2a:槽側壁 3:フランジ部 4:補強用膨出リブ 5:仕切板取付用凸形リブ 6:マンホール部 7:リベット 8:仕切板 H:槽側壁内表面からのリブの高さ W:膨出リブの幅 R、R´:膨出リブの曲面部の半径 t:凸形リブの厚み
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:08 B29L 22:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下面が開口した槽上部体と上面が開口し
    た槽下部体とが、互いの開口面を対向するように接合さ
    れている槽構造体であって、槽上部体と槽下部体とが共
    に繊維強化発泡ポリウレタンからなり、槽上部体と槽下
    部体のそれぞれ側壁に両者の深さ方向に渡って連続しか
    つ槽内方に膨出した補強用膨出リブが設けられ、該膨出
    リブは側壁の幅1mあたり1〜5個配置され、各膨出リ
    ブが下記の条件およびを満たすことを特徴とする槽
    構造体。 6≦H≦60 2≦R≦H、2≦R´≦H ここで、Hは各膨出リブの槽側壁内面からの高さ(単位
    mm)、Rは各膨出リブの側面部から頂面部に至る曲面
    部の曲率半径(単位mm)、R´は槽側壁内面から各膨
    出リブの側面部に至る立上がり曲面部の曲率半径(単位
    mm)を意味する。
  2. 【請求項2】 下面が開口した槽上部体と上面が開口し
    た槽下部体とが、互いの開口面を対向するように接合さ
    れ、かつ内部が仕切板によって区分せられる槽構造体で
    あって、槽上部体と槽下部体とが共に繊維強化発泡ポリ
    ウレタンからなり、槽上部体と槽下部体のそれぞれ側壁
    の仕切板取付け位置に、内方に突出した仕切板取付用凸
    形リブが設けられ、各凸形リブが下記の条件および
    を満たすことを特徴とする槽構造体。 6≦H≦60 3≦t ここで、Hは各仕切板取付用凸形リブの槽側壁内面から
    の高さ(単位mm)、tは凸形リブの肉厚(単位mm)
    を意味する。
JP7328837A 1995-12-18 1995-12-18 槽構造体 Withdrawn JPH09169390A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007196096A (ja) * 2006-01-24 2007-08-09 Fuji Clean Kogyo Kk 水処理装置

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JP2007196096A (ja) * 2006-01-24 2007-08-09 Fuji Clean Kogyo Kk 水処理装置

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