JPH09166838A - 感放射線性乳剤 - Google Patents
感放射線性乳剤Info
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- JPH09166838A JPH09166838A JP8282193A JP28219396A JPH09166838A JP H09166838 A JPH09166838 A JP H09166838A JP 8282193 A JP8282193 A JP 8282193A JP 28219396 A JP28219396 A JP 28219396A JP H09166838 A JPH09166838 A JP H09166838A
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Abstract
真乳剤の提供。 【解決手段】 (a){100}主面を有し、(b)銀
量基準で50モル%を上回る塩化物を含有し、(c)総
粒子投影面積の30%を上回る面積を占め、(d)0.
3μm未満の平均厚さを示し、そして(e)5を上回る
平均アスペクト比を示す平板状粒子を含むハロゲン化銀
粒子と、前記ハロゲン化銀粒子に吸着した解こう剤を含
む分散媒とを含んでなる感放射線性乳剤において、前記
解こう剤が水分散性の酸化カチオンデンプンであること
を特徴とする感放射線性乳剤。
Description
より詳細には、本発明は、変性された解こう剤を含有す
る高塩化物{100}平板状粒子乳剤に関する。用語
「等価円直径」又は「ECD」は、ハロゲン化銀粒子と
同じ投影面積を有する円の直径を示すのに用いられる。
用語「アスペクト比」は、粒子ECDの粒子厚さ(t)
に対する比を意味する。用語「平板度」とは、ECD/
t2 (式中、ECD及びtは、両方とも測定単位はミク
ロン(μm)である)として定義される。
りも明らかに大きい2つの平行結晶面を有し且つアスペ
クト比が少なくとも2である粒子を示す。用語「平板状
粒子乳剤」とは、平板状粒子が総粒子投影面積の30%
を超える割合を占める乳剤を意味する。粒子及び乳剤に
関連した用語「高臭化物」又は「高塩化物」とは、それ
ぞれ臭化物又は塩化物が総銀量に対して50モル%を超
える濃度で存在することを意味する。二種以上のハロゲ
ン化物を含有する粒子及び乳剤に関して、ハロゲン化物
は、濃度が上昇する順序で命名する。用語「{100}
平板状」は、平板状粒子が{100}主面を有する平板
状粒子及び平板状粒子乳剤に言及するのに用いられる。
びゼラチン由来の解こう剤をさすために用いられる。用
語「特定の酸化カチオンデンプン解こう剤」及び「特定
の解こう剤」は、水分散性の酸化されたカチオンデンプ
ンをさすために用いられる。デンプンに関連した用語
「酸化された」とは、平均して、デンプン一分子当り少
なくとも一個のα−D−グルコピラノース反復単位が、
環位置2位から3位の炭素−炭素結合の開裂により開環
されたデンプンを示す。
は、デンプン分子が意図する用途のpHで正味の正電荷
を有することを示す。カチオンデンプンに関連した用語
「水分散性」とは、カチオンデンプンを水中で30分間
煮沸した後に、その水が、総カチオンデンプンの少なく
とも1.0重量%を少なくともコロイドのレベルで分散
して含有することを示している。用語「中間カルコゲ
ン」とは、イオウ、セレン及び/又はテルルを示す。
照する場合は、Chemical and Engineering News, 1985
年 2月 4日、第26頁に公表されておりAmerican Chemica
l Society によって採用されている周期律表のフォーマ
ットを基準とする。この形式では、従来の周期番号は保
持されているが、(米国と欧州とでは反対の意味を有す
る)A族とB族の名称は単に左側から右側へ1〜18の
族番号に置き換えられている。用語「第VIII族金属」と
は、第4、5又は6周期の第8〜10族に含まれる元素
を意味する。Research Disclosure
は、Kenneth MasonPublicatio
ns社(Dudley House, 12 Nort
hSt.,Emsworth, Hampshire
PO10 7DQ,英国)の刊行物である。
剤は、分散媒及び一般的に「粒子」と呼ばれるハロゲン
化銀微結晶を含む。粒子を水性媒体から析出させると、
一般に親水性コロイドである解こう剤が粒子表面に吸着
して粒子が凝集するのを防止する。続いて、バインダー
を乳剤に添加し、塗布後、乳剤を乾燥する。解こう剤と
バインダーは、まとめて、乳剤の写真ビヒクルと称され
る。
数のハロゲン化銀写真要素において、解こう剤とビヒク
ルの残部の主要部を形成している。ゼラチンについて
は、Mees著、The Theory of the
PhotographicProcess、改訂版、
Macmillan、1951年、第48頁及び第49
頁の記載から理解できる:「ゼラチンは、注目すべき歴
史を有する物質であり;その性質とその未来の動向は、
その過去と密接に関連している。ゼラチンは、にかわに
非常に似ている。西暦起源の始まりに、Plinyは、
「にかわを、雄ウシの皮から作る。」と書いている。こ
れは、今日の著者によっても等しく簡単に、「ある種の
動物の廃物の乾燥スープ又はコンソメ」と説明されてい
る。にかわ製造法は古くから知られており、ウシ及びブ
タの皮クリッピング又は骨を煮沸することから実質的に
なる。得られた汁を濾過して、冷却し固化してゼリー状
とする。このゼリーは、切断し網上で乾燥すると、選択
される原料及び製造方法によって、にかわシート又はゼ
ラチンシートとなる。にかわの製造においては、材料か
ら最終収量が得られるまで抽出を継続するが;ゼラチン
の場合には、抽出をもっと早く停止し且つもっと低温で
実施するので、ゼラチンには、にかわの特定の強力な接
着性があるが非ゼリー化性である成分は存在しない。し
たがって、にかわは、その接着性によって識別され;ゼ
ラチンは、強度のあるゼリーの形成に好都合であるその
凝集性により識別される。
ウシの皮及び耳だけでなく頬片やペーストから製造され
る。ブタ皮はある種のゼラチンの製造に使用され、もっ
と多くの量が骨から製造される。実際にゼラチンを提供
する皮膚の物質は、コラーゲンである。コラーゲンは、
新鮮な子ウシ皮の真皮の約35%を構成する。骨から得
られた対応の組織は、骨質と呼ばれる。原料は、良好な
構造的品質だけでなく、バクテリア分解のないことも基
準として選択する。抽出の準備段階で、ルース肉及び血
液を有するごみを予め洗浄除去する。毛、脂肪及び多量
のアルブミン性物質を、原料を懸濁石灰含有石灰水に浸
漬することにより除去する。遊離石灰が溶液に対する回
春作用を継続して示し、浴が適当なアルカリ度に保つ。
この操作の後に、希酸による脱石灰、洗浄及び煮沸して
ゼラチンを抽出する。温度を増加していくつかの「煮沸
物」を調製し、通常、最後の抽出生成物は写真用ゼラチ
ンには用いない。粗製ゼラチン溶液を濾過し、必要なら
ば濃縮し、硬化するまで冷却し、分割し、乾燥して薄片
とする。ゼラチン抽出後の残留物は、主にエラスチンと
レチクリンを主成分とし、ケラチンとアルブミンが多少
含有される。また、ゼラチンは、石灰を使用することな
く原料を酸処理することによって調製してもよい。原料
を希酸(pH4.0)で1〜2カ月処理後、十分に洗浄
し、そしてゼラチンを抽出する。このゼラチンは、石灰
処理により製造したゼラチンとは性質が異なる。
ゲンとオセインの他に、他の物質が同伴することは勿論
である。例えば、James著、The Theory
of the Photographic Proc
ess、第4版、Macmillan、1977年、第
51頁には、以下のような記載がある:「コラーゲン
は、一般的に原組織における主要なタンパク質成分であ
るけれども、常に非コラーゲンタンパク質、ムコ多糖
類、多核酸及び脂質等の種々の「基質」と関連してい
る。写真用ゼラチンの製造には、これらをほぼ完全に除
去することが望ましい。」 組成が複雑であることに加えて、原料を提供する動物の
食餌の変化によって組成が変動する。この最も一般的に
知られている例は、最終的には購入したゼラチンのロッ
トのイオウ含量の減少によるものとされた、1882年
にEastmanDry Plate Company
により製造された強制懸濁液である。
さ及び費用を考えれば、過去における研究努力が、写真
乳剤及び他のフィルム層に使用されるゼラチンを取り替
えることに向けられたことは驚くべきことではない。し
かしながら、1970年までには、一般的に許容される
ゼラチンの代替物を見出すという切なる期待は、断念さ
れた。多数の代替物質が解こう剤として有用であること
が確認されたが、どれも限られた程度にしか認められな
かった。これらのうち、セルロース誘導体が明らかに最
も一般的に知られているが、それらの使用は、セルロー
ス系物質の不溶性と解こうに有効とするのに必要とする
変性に費用がかかることから限られている。
e、第365巻、1994年9月、アイテム3654
4、セクションII、「ビヒクル、ビヒクル増量剤、ビ
ヒクル様添加物及びビヒクル関連添加物、A.ゼラチン
及び親水性コロイド解こう剤(Vehicles,ve
hicle extenders,vehicle−l
ike addenda and vehicle r
elated addenda,A.Gelatin
and hydrophilic colloid
peptizers)」、パラグラフ(1)には以下の
記載がある:「(1)写真要素上の写真ハロゲン化銀乳
剤層及び他の層は、種々のコロイドを単独又は組み合わ
せてビヒクルとして含有できる。適当な親水性物質に
は、天然物質、例えば、タンパク質、タンパク質誘導
体、セルロース誘導体、例えば、セルロースエステル、
ゼラチン、例えば、アルカリ処理ゼラチン(ブタ皮膚ゼ
ラチン)、ゼラチン誘導体、例えば、アセチル化ゼラチ
ン、フタル化ゼラチン等、多糖類、例えば、デキストラ
ン、アラビアガム、ゼイン、カゼイン、ペクチン、コラ
ーゲン誘導体、コロジオン、アガー−アガー、クズウコ
ン、アルブミン等・・・・などがある。」 この記載は、Research Disclosur
e、第176巻、1978年12月、アイテム1764
3、セクションIX.「ビヒクル及びビヒクル増量剤
(Vehicles and vehicle ext
enders)」、パラグラフAに含まれている記載と
同一である。
次のような発見に基づいて著しい進歩があった。すなわ
ち、感度−粒状度関係の改善、カバリングパワーの増大
(絶対値基準として及びバインダー硬化性の作用として
の両方で)、現像速度の向上、熱安定性の向上、固有及
び分光増感付与画像化スピードの分離の向上、並びにモ
ノ−及びマルチ−乳剤層フォーマットにおける画像鮮鋭
性の向上、等、幅広い写真的利点が、写真乳剤において
平板状粒子集団の比率を増加させることにより実現でき
るという発見である。米国特許第4,439,520号
明細書(Kofronら)に記載されているように、こ
れらの乳剤の説明には、Research Discl
osure、アイテム 17643のベヒクルの記載が
逐語的に導入されている。実施例にはゼラチン解こう剤
しか実際には記載されていない。
化物{100}平板状粒子乳剤を調製するための技法が
まったく知られていなかったことである。高塩化物乳剤
は、(1)可視スペクトルに対する固有感度をほとんど
示さないので、特定の可視スペクトル領域へ分光増感し
た場合に応答の選択性をより高めることができる点、
(2)高臭化物乳剤よりもはるかに迅速に処理すること
ができる点、(3)処理液の補充頻度が少なくて済む
点、及び(4)廃棄に際しては高臭化物乳剤よりも生態
学的な負担が少ない点で、高臭化物乳剤よりも性能的に
有利な点を有する。
あった{111}主面を有する高塩化物平板状粒子乳剤
は、その形態学的不安定性のため、使用が制限されてい
た。最近の高塩化物{100}平板状粒子乳剤の発見に
ついては、米国特許第5,264,337号及び同第
5,292,632号(Maskasky)、同第5,
310,635号(Szajewski)、同第5,3
14,798号(Brustら)、同第5,320,9
38号(Houseら)並びに同第5,413,904
号(Changら)に説明されている。実際にはゼラチ
ン解こう剤しか例示されていないが、先に引用したRe
search Disclosure アイテム 17
643と類似のResearch Disclosur
e、第308巻、1989年12月、アイテム3081
19、セクションIXに記載されているタイプの慣例の
すべての解こう剤が有用であると記述されている。
kasky)は、立方体(すなわち、{100})粒子
のハロゲン化銀乳剤の製造に解こう剤としてジャガイモ
デンプンを使用することを教示し、ジャガイモデンプン
は、ゼラチンと比較して、波長領域200〜400nm
における吸収が低いことを示した。Maskasky
の’744号特許には、平板状粒子乳剤は記載されてい
ない。
と、(a){100}主面を有し、(b)銀量基準で5
0モル%を上回る塩化物を含有し、(c)総粒子投影面
積の30%を上回る面積を占め、(d)0.3μm未満
の平均厚さを示し、そして(e)5を上回る平均アスペ
クト比を示す平板状粒子を含むハロゲン化銀粒子と、前
記ハロゲン化銀粒子に吸着した解こう剤を含む分散媒と
を含んでなる感放射線性乳剤において、前記解こう剤が
水分散性の酸化カチオンデンプンであることを特徴とす
る感放射線性乳剤が提供される。
たものである。電気的に中性(両性を含む)なデンプン
及びアニオンデンプンを使用して平板状粒子乳剤を調製
する試みは失敗に終わった。続いて、カチオンデンプン
を使用して高臭化物{111}平板状粒子乳剤を調製で
きることが発見されたが、カチオンデンプンを解こう剤
として使用して高塩化物平板状粒子を調製することはで
きなかった。その後、カチオンデンプンよりも酸化カチ
オンデンプンの方が良好であることが示され、酸化カチ
オンデンプンを使用することにより{111}高臭化物
平板状粒子乳剤を調製できることが発見された。この
度、解こう剤として酸化カチオンデンプンを用いること
によって高塩化物{100}平板状粒子乳剤を調製でき
ることが発見された。
きことに、平板状粒子乳剤の調製には、常用の解こう
剤、特にゼラチン解こう剤よりも、酸化カチオンデンプ
ンの方が適していることが見出された。酸化カチオンデ
ンプン解こう剤は、平板状粒子乳剤の調製において従来
存在していた粘度よりも低い粘度を示す。粘度低下によ
ってより均一な混合が促進される。粒子組成、平均粒径
及び分散性の均一性を制御するマイクロ混合、便利な製
造規模へ析出工程をスケールアップするのを制御するバ
ルク混合の両方が、酸化カチオンデンプン解こう剤によ
って可能にされた粘度低下の影響を好適に受ける。粒子
核の単分散性をはじめとする粒子核形成を正確に制御す
ることは、平板状粒子乳剤の特性をうまく達成し、また
改良するためにも特に重要である。カチオンデンプン自
体の酸化は潜在的に有害な不純物を解こう剤組成物から
排除する上で有益である。
デンプンによってより高い写真感度を実現することがで
きる。より少ない増感剤の組合せによって同等なレベル
の化学増感を達成することもできる。酸化カチオンデン
プンで解こうした乳剤の化学増感中に採用される温度を
低下させて、従来法で解こうした乳剤と同等又はそれ以
上の写真感度を達成することができる。酸化カチオンデ
ンプンで解こうした平板状粒子乳剤の化学増感中に採用
される温度を低下させて、ゼラチンで解こうした極薄平
板状粒子乳剤と同等又はそれ以上の写真感度を達成する
こともできる。実際に、酸化カチオンデンプンで解こう
した乳剤は、ゼラチンで解こうしたハロゲン化銀乳剤の
化学増感が不可能なほど低い温度でも化学増感されるこ
とができる。さらに、酸化カチオンデンプン解こう剤に
よると、粒子析出工程中に採用される温度をより低くす
ることができる。温度がより低いことは、平板状粒子を
析出中及び/又は化学増感中の望ましくない熟成、特に
厚化、から保護するという利点を有する。
状粒子乳剤に適用可能である。これらの乳剤は、具体的
にはカラー及び白黒反射プリント要素、すなわち直接観
察される画像を形成するものに導入されることが企図さ
れる。本発明はまた、カメラ感度の写真フィルム(カラ
ー及び白黒写真フィルムの両方を含む)に適用されるこ
とも意図される。さらに、これらの乳剤は、フィルム支
持体の両面に乳剤層を塗布した両面塗布フィルムをはじ
めとする放射線フィルムに導入することも具体的に企図
される。
子乳剤は、(a){100}主面を有し、(b)銀量基
準で50モル%を上回る塩化物を含有し、(c)総粒子
投影面積の30%を上回る面積を占め、(d)0.3μ
m未満の平均厚さを示し、そして(e)5を上回る平均
アスペクト比を示す平板状粒子を含むハロゲン化銀粒子
を含んで成る。
ンプンが粒子表面に吸着し、よって解こう剤として作用
するという点で、先に引用したMaskasky、Sz
ajewski、Brustら及びHouseらが開示
したもののような従来の高塩化物極薄{100}平板状
粒子乳剤とは容易に区別することができる。カチオン置
換基を含有するように酸化、変性されたものであれば従
来のいずれの水分散性デンプンでも解こう剤として使用
することができる。
キストリン化、加水分解、酸化、アルキル化、ヒドロキ
シアルキル化、アセチル化又は分別デンプン等の変性誘
導体の両方を含む。デンプンは、トウモロコシデンプ
ン、小麦デンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデン
プン、サゴデンプン、米デンプン、ろう質トウモロコシ
デンプン又は高アミローストウモロコシデンプン等由来
のもであることができる。デンプンは、一般的に、構造
的に区別できる二種の多糖類、α−アミロース及びアミ
ロペクチンを含んでなる。どちらもα−D−グルコピラ
ノース単位を含んでなる。α−アミロースにおいて、α
−D−グルコピラノース単位は1,4−長鎖ポリマーを
形成する。その反復単位は、以下の形態をとる:
結合の他に、6位での鎖の分岐(上記−CH2 OH基の
部位)も明らかにあり、分岐鎖ポリマーを生じる。デン
プン及びセルロースの反復単位は、異なる全体的な形状
寸法を分子に付与するジアステレオ異性体である。デン
プンに見られ且つ上記式Iで示されるαアノマーは、結
晶化でき、且つ隣接分子における反復単位間にある程度
(セルロース及びセルロース誘導体のβアノマー反復単
位と同じ程度ではない)の水素結合ができるポリマーが
得られる。βアノマーにより形成されるポリマー分子
は、隣接分子間に強力な水素結合を示し、ポリマー分子
の固まり及びはるかに高い結晶化性を生じる。セルロー
ス反復単位に見られる強力な分子間結合に都合のよい置
換基の整列を欠いているデンプン及びデンプン誘導体
は、はるかに容易に水に分散する。
ンは、カチオン性、即ち、水に分散したときに全体とし
て正味の正電荷を含有する。デンプンは、通常一つ以上
の遊離ヒドロキシル部位でエステル化又はエーテル化す
ることによりカチオン置換基をα−D−グルコピラノー
ス単位に結合させることによりカチオンとするのが通常
である。反応性カチオン付与性試薬は、典型的には、第
一、第二又は第三アミノ基(続いて意図する使用条件下
でカチオン形態にプロトン化できる)又は第四級アンモ
ニウム、スルホニウム若しくはホスホニウム基を含む。
解こう剤として有用であるために、カチオンデンプン
は、水分散性でなければならない。多くのデンプンは、
短時間(例えば、5〜30分間)煮沸以下の温度に加熱
すると水に分散する。高剪断混合によっても、デンプン
分散が容易となる。カチオン置換基が存在するとデンプ
ン分子の極性が増加し、分散が容易となる。デンプン分
子では、好ましくは少なくともコロイドレベルで分散
し、理想的には分子レベルで分散、即ち、溶解する。
図する範囲内の水分散性カチオンデンプンが記載されて
いる: *米国特許第2,989,520号(Rutenber
g等)、米国特許第3,017,294号(Meise
l)、米国特許第3,051,700号(Elizer
等)、米国特許第3,077,469号(Aszolo
s)、米国特許第3,136,646号(Elizer
等)、 *米国特許第3,219,518号(Barber
等)、 *米国特許第3,320,080号(Mazzarel
la等)、米国特許第3,320,118号(Blac
k等)、米国特許第3,243,426号(Caesa
r等)、米国特許第3,336,292号(Kirb
y)、米国特許第3,354,034号(Jarowe
nko)、米国特許第3,422,087号(Caes
ar)、 *米国特許第3,467,608号(Dishburg
er等)、 *米国特許第3,467,647号(Beaninga
等)、米国特許第3,671,310号(Brown
等)、米国特許第3,706,584号(Cescat
o等)、米国特許第3,737,370号(Jarow
enko等)、 *米国特許第3,770,472号(Jarowenk
o)、米国特許第3,842,005号(Moser
等)、米国特許第4,060,683号(Tessle
r)、米国特許第4,127,563号(Rankin
等)、米国特許第4,613,407号(Huchet
te等)、米国特許第4,964,915号(Blix
t等)、 *米国特許第5,227,481号(Tsai等)及び *米国特許第5,349,089号(Tsai等)。
記で*印を付した特許明細書)又は付加後に酸化される
ことができる。この酸化は、デンプンを強酸化剤で処理
することにより達成される。次亜塩素酸塩(ClO- )
又は過ヨウ素酸塩(IO4 -)の両方が商用デンプン誘
導体の製造において広範に使用され且つ検討されており
好ましい。都合のよいいずれの対イオンでも使用できる
が、好ましい対イオンは、アルカリ及びアルカリ土類カ
チオン等のハロゲン化銀乳剤の製造と十分に適合するも
の、最も一般的には、ナトリウム、カリウム又はカルシ
ウムである。酸化剤がα−D−グルコピラノース環を開
環するときには、酸化部位は、α−D−グルコピラノー
ス環を形成している2位及び3位炭素原子である。2位
及び3位基は、一般的に「グリコール基」と称される。
以下のように置換される:
ル基を完成する原子を表す。デンプンの次亜塩素酸塩酸
化は、工業的に最も広範に用いられている。次亜塩素酸
塩を少量使用して、デンプン中の不純物を変性する。こ
れらの低レベルでのデンプンの変性は微量であり、せい
ぜい、α−D−グルコピラノース反復単位自体ではなく
ポリマー鎖末端アルデヒド基のみに影響を及ぼす。α−
D−グルコピラノース反復単位に影響を及ぼす酸化のレ
ベルでは、次亜塩素酸塩は、2位、3位及び6位に影響
を及ぼして、比較的低レベルの酸化ではアルデヒド基を
形成し、比較的高レベルの酸化ではカルボキシル基を形
成する。酸化は、弱酸性又はアルカリ性pH(例えば、
>5〜11)で行う。酸化反応は発熱性であり、反応混
合物の冷却が必要である。温度を45℃未満に維持する
のが好ましい。次亜臭素酸塩酸化剤を用いると、次亜塩
素酸塩と同様な結果が得られることが知られている。
によって触媒される。高塩化物ハロゲン化銀乳剤は臭化
物の存在下で析出させることが多いので、具体的には、
これらの析出において有用であることが知られている濃
度で酸化工程を行う前に、デンプンに臭化物イオンを添
加することが企図される。酸化工程中により高濃度の臭
化物を存在させ、これを乳剤析出工程前に酸化デンプン
から洗浄除去することもできる。
cato)は、カチオンデンプンの次亜塩素酸塩酸化方
法を開示している。亜臭素酸ナトリウム、亜塩素酸ナト
リウム及び次亜塩素酸カルシウムが次亜塩素酸塩ナトリ
ウムの代替物として挙げられている。デンプンの次亜塩
素酸塩酸化については、さらに、以下の文献に教示され
ている:R.L.Whistler、E.G.Link
e及びS.Kazeniac、“Action of
Alkaline Hypochloriteon C
orn Starch Amylose and Me
thyl 4−O−Methyl−D−glucopy
ranosides”、Journal Amer.
Chem. Soc.、第78巻、第4704頁〜47
09頁(1956年)、R.L.Whistler及び
R.Schweiger、“Oxidation of
Amylopectin with Hypochl
orite at Different Hydrog
en Ion Concentrations”、Jo
urnal Amer. Chem. Soc.、第7
9巻、第6460頁〜6464頁(1957年)、J.
Schmorak、D.Mejzler及びM.Lew
in、“A Kinetic Studyof the
Mild Oxidation of Wheat
Starch by Sodium Hypochlo
ride in the Alkaline pH R
ange”、Journal of Polymer
Science、第XLIX巻、第203頁〜216頁
(1961年)、J.Schmorak及びM.Lew
in、“The Chemical and Phys
ico−chemical Properties o
f Wheat Starch with Alkal
ine Sodium Hypochlorite”、
Journal of Polymer Scienc
e:PartA、第1巻、第2601頁〜2620頁
(1963年)、K.F.Patel、H.U.Meh
ta及びH.C.Srivastava、“Kinet
icsand Mechanism of Oxida
tion of Starch with Sodiu
m Hypochlorite”、Journalof
Applied Polymer Science、
第18巻、第389頁〜399頁(1974年)、R.
L.Whistler、J.N.Bemiller及び
E.F.Paschall、Starch:Chemi
stry and Technology、第X章、S
tarch Derivatives:Product
ion and Uses、II.Hypochlor
ite−Oxidized Starches、第31
5頁〜323頁、Academic Press、19
84年及びO.B.Wurxburg、Modifie
d Starches:Properties and
Uses、III.Oxidized or Hyp
ochlorite−Modified Starch
es、第23頁〜28頁及び第245頁〜246頁、C
RC Press(1986年)。次亜塩素酸塩酸化は
通常可溶性塩を用いて実施するけれども、別法として、
M.E.McKillican及びC.B.Purve
s、“Estimation of Carboxy
l,Aldehyde and Ketone Gro
ups in Hypochlorous Acid
Oxystarches”、Can.J.Chem.、
第312巻〜321巻(1954年)に記載されている
ような遊離酸を用いることもできる。
ることが知られているので、特に重要である。過ヨウ素
酸塩酸化剤は、6位炭素原子の部位での顕著な酸化なし
に上記式(II)で示された反応によりデンプンジアル
デヒドを生成する。次亜塩素酸塩酸化とは異なり、過ヨ
ウ素酸塩酸化はカルボキシル基を生成せず且つ6位で酸
化を生成しない。米国特許第3,251,826号(M
ehltretter)は、過ヨウ素酸を使用してデン
プンジアルデヒドを生成し、続いてカチオン形態に変性
することを開示している。また、Mehltrette
rは、酸化剤として過ヨウ素酸及び塩素の可溶性塩を使
用することを開示している。デンプンの過ヨウ素酸塩酸
化については、以下の文献においてさらに教示されてい
る:V.C.Barry及びP.W.D.Mitche
ll、“Propertiesof Periodat
e−oxidised Polysaccharide
s.Part II.The Structure o
f some Nitrogen−containin
g Polymers”、Journal Amer.
Chem.Soc.、1953年、第3631頁〜36
35頁、P.J.Borchert及びJ.Mirz
a、“Cationic Dispersions o
f Dialdehyde Starch I.The
ory and Preparation”、Tapp
i、第47巻、第9番、第525頁〜528頁(196
4年)、J.E.McCormick、“Proper
ties of Periodate−oxidise
d Polysaccharides.Part VI
I.The Structure of Nitrog
en−containing Derivatives
as deducedfrom a Study o
f Monosaccharide Analogue
s”、Journal Amer.Chem.So
c.、第2121頁〜2127頁(1966年)、及び
O.B.Wurzburg、Modified Sta
rches:Properties and Use
s,III .Oxidized or Hypoch
lorite−Modified Starches、
第28頁〜29頁、CRC Press(1986
年)。
Farley及びR.M.Hixon、“Oxidat
ion of Raw Starch Granule
sby Electrolysis in Alkal
ine Sodium Chloride Solut
ion”、Ind.Eng.Chem.、第34巻、第
677頁〜681頁(1942年)に開示されている。
用いる酸化剤の選択に応じて、酸化工程中に一種以上の
可溶性塩が放出されてもよい。可溶性塩がハロゲン化銀
析出中に通常存在するものに相当するか、それらに類似
している場合には、可溶性塩を、ハロゲン化銀析出前に
酸化デンプンから分離する必要がない。また、可溶性塩
をいずれかの通常の分離法を用いて析出前に酸化カチオ
ンデンプンから分離できることは勿論である。例えば、
粒子析出中に存在することが望ましい量を超える過剰ハ
ロゲン化物を除去することができる。簡単な別法とし
て、溶質及び溶解塩を酸化カチオンデンプン粒子から単
にデカントしてもよい。別の好ましい別法としては、酸
化カチオンデンプンを可溶化しない条件下での洗浄があ
る。たとえもし酸化カチオンデンプンを酸化中に溶質に
分散しても、酸化カチオンデンプンと酸化の可溶性塩副
生成物との間の分子サイズ分離が大きいので、通常の限
外濾過を用いて分離できる。
−C(O)OHの形態をとるが、もし所望ならば、カル
ボキシル基は、さらなる処理により、−C(O)OR’
(式中、R’は塩又はエステルを形成する原子を表す)
の形態をとることができる。エステル化により付加され
る有機成分は、好ましくは炭素数1〜6であり、最適に
は炭素数1〜3である。意図する最小酸化度は、デンプ
ンの粘度を減少するのに必要とされる程度である。デン
プン分子におけるα−D−グルコピラノース環を開環す
ると反復単位の直鎖のらせん形状が崩壊し、これにより
溶液粘度が減少することが一般的に認められている(上
記引用文献参照)。一デンプンポリマー当り平均して少
なくとも一つのα−D−グルコピラノース反復単位が酸
化工程で開環されることが意図される。開環されたα−
D−グルコピラノース環の数が一ポリマー当り2又は3
個程度の少数であると、デンプンポリマーの線形らせん
形状維持能に大きな効果がある。一般的に、少なくとも
1%のグルコピラノース環が酸化により開環されること
が好ましい。
化により、ハロゲン化銀析出に用いられるデンプン濃度
で水の粘度の4倍未満(400%未満)に減少させる。
この粘度の減少は、はるかに低いレベルの酸化で達成で
きるけれども、α−D−グルコピラノース反復単位の9
0%以下のデンプン酸化が報告されている(上記Wur
zburg、第29頁)。しかしながら、過剰の酸化に
より鎖の開裂が増加するので、一般的に粘度減少に必要
とするレベルを超えて酸化が進行するのを回避すること
が好ましい。典型的に都合のよい範囲の酸化は、α−D
−グルコピラノース環の3〜50%の開環である。
{100}平板状粒子の析出中(核形成及び粒子成長中
又は粒子成長中)に存在する。好ましくは、析出を、水
分散性カチオンデンプンを全ての通常のゼラチン解こう
剤の代わりに用いて行う。特定の酸化カチオンデンプン
解こう剤を通常のゼラチン解こう剤の代わりに用いる際
に、特定の解こう剤の濃度及び添加時点(単一又は複
数)は、ゼラチン解こう剤を用いた場合と同様とするこ
とができる。
の解こう剤をさらに高濃度で使用できることが見出され
た。例えば、化学増感の工程を介した乳剤の製造に必要
とされる特定の解こう剤の全部を、粒子核形成の前に反
応容器中に存在させてもよい。これは、解こう剤の添加
を粒子析出が開始した後に行う必要がないという利点が
ある。一般的に、析出されるべき銀の1モル当り特定の
解こう剤1〜500g(最も好ましくは5〜100g)
が粒子核形成の前に反応容器に存在することが好まし
い。他方では、粒子核形成中には解こう剤の存在は必要
とされず、もし所望ならば、特定の解こう剤の添加を、
粒子凝集を回避するために解こう剤が実際に必要とされ
る時点まで粒子成長が進行するまで延期できることは、
米国特許第4,334,012号(Mignot)に示
されているように周知であることは勿論である。
00}平板状粒子乳剤の調製手順は、従来のゼラチン解
こう剤の代わりに特定の解こう剤を使用することのみを
要求する。高塩化物{100}平板状粒子乳剤の調製手
順は、米国特許第5,264,337号及び同第5,2
92,632号(Maskasky)、同第5,31
0,635号(Szajewski)、同第5,31
4,798号(Brustら)、同第5,320,93
8号(Houseら)、同第5,413,904号(C
hangら)並びに同第5,451,490号に記載さ
れている。析出技法には、粒子核生成中(例、Hous
eら)若しくは粒子核生成直後(例、Changら)に
ヨウ化物を使用する方法、又は粒子核生成中のヨウ化物
導入は行わないで、代わりに吸着した粒子成長調節剤に
よって高塩化物{100}平板状粒子を形成させる方法
(例、Maskasky)がある。さらに、米国特許第
5,292,632号(Maskasky)の実施例6
に、高塩化物{100}平板状粒子乳剤の析出にはヨウ
化物も粒子成長調節剤も必要ないことが例示されている
が、高塩化物{100}平板状粒子が占める総粒子投影
面積の割合は、その他の析出技法で実証されているほど
高くはならない。後述の実施例は、上記の他の技法より
も該実施例6の調製技法に近いものである。このため、
ヨウ化物及び/又は粒子成長調節剤の一方又は組合せを
採用することによって、後述の実施例で例証した特性よ
りも粒子特性を改良することができる。さらに、まだ行
われていないが該実施例6の調製技法を最適化すること
によっても粒子特性の改良を実現できると考えられる。
る総銀量(本明細書では単に「総銀量」とも称する)を
基準として、50モル%以上の塩化物を含有する。この
ため、粒子集団のハロゲン化銀が唯一のハロゲン化銀と
して塩化銀から本質的に成ることもできる。代わりに、
粒子集団は、総銀量を基準としてハロゲン化銀の最大で
50モル%までを臭化物イオンが占める臭塩化銀から本
質的に成ることもできる。本発明による好ましい乳剤
は、総銀量を基準として20モル%未満、最適には10
モル%未満の臭化物を含有する。本発明が企図する範囲
には、ヨウ塩化銀やヨウ臭塩化銀の乳剤も含まれる。当
該技術分野では、臭化物及び/又はヨウ化物の粒子表面
における濃度が低いと、分光増感などの写真の目的にと
って粒子特性が有意に改良されうることが十分に理解さ
れている。増感を改良するために添加される臭化物及び
/又はヨウ化物は、予め形成された平板状粒子集団
(例、塩化銀平板状粒子集団)の表面上に有用に析出さ
れることができる。総銀量を基準として0.1モル%程
度の臭化物又はヨウ化物の濃度で有意な写真的利点を実
現することができるが、最低濃度は0.5モル%以上で
あることが好ましい。
高塩化物平板状粒子集団は比較的薄いことが企図され
る。平板状粒子集団の平均厚さは0.3μm未満、好ま
しくは0.2μm未満である。平板状粒子の平均厚さは
一般に0.1μm以上であるが、0.07μm未満の平
均厚さ、すなわち極薄平板状粒子乳剤の厚さ範囲を得る
ことも可能であると考えられる。
も第一の式、好ましくは両方を満たすことが企図され
る。 平均アスペクト比 (III) ECD/t>5 平均平板度 (IV) ECD/t2 >25 上式中、ECDは平板状粒子の有効円直径(μm)であ
り、そしてtは平板状粒子の厚さ(μm)である。平板
状粒子集団の平均アスペクト比又は平均平板度の算出に
は、平板状粒子集団のECD及び厚さを個別に平均した
後、上記関係式(III)及び(IV)によって必要な
商を得ることが企図される。平板状粒子集団の平均アス
ペクト比は、乳剤が企図する写真要素により許容されう
る最大ECDによってのみ制限される。一般に許容でき
る画質(粒状度)は、平均ECDが最大10μmまでに
ある平板状粒子によって実現できる。平板状粒子の平均
ECDは典型的には5μm未満である。アスペクト比
は、最大50までの範囲が容易に実現でき、さらに高い
最大100までの平均アスペクト比が、最適化された乳
剤析出法で達成されうると考えられる。好ましい乳剤
は、平板状粒子集団が高い(すなわち、8を上回る)平
均アスペクト比を示す乳剤である。特に好ましい乳剤
は、平均アスペクト比が最大で約20又はそれ以上であ
る高アスペクト比乳剤である。
上回る)平均平板度を示すことが好ましい。上記の変数
ECD、t及びアスペクト比によって、最大で1000
までに至る平板度の非常に高い乳剤を提供することが可
能である。典型的には、本発明の乳剤が示す平均平板度
は最大で500であり、25を上回り200に至る平板
度が容易に実現される。
投影面積の30%以上を占める。もちろん、粒子の初期
析出に際して高塩化物{100}平板状粒子が占める総
粒子投影面積の割合を最大限に引き上げることが好まし
い。このため、高塩化物{100}平板状粒子の投影面
積は好ましくは50%、より好ましくは70%、さらに
好ましくは90%を上回る。実際には、高塩化物{10
0}平板状粒子が占める総粒子投影面積の割合は、常用
の粒子配合技法を採用する結果として低下することがあ
る。
物{100}平板状粒子の中に、浅い電子トラップを形
成することによって写真感度を高めることができるドー
パントを導入することが具体的に企図される。光子がハ
ロゲン化銀粒子により吸収されると、電子(以下、「光
電子」と称する)が、ハロゲン化銀結晶格子の価電子帯
からその伝導帯に昇格されて、価電子帯にホール(以
下、「フォトホール」と称する)が生じる。粒子内に潜
像部位を生じさせるには、1回の像様露光で生成した複
数の光電子が結晶格子内のいくつかの銀イオンを還元し
てAg0 原子の小さなクラスターを形成しなければなら
ない。潜像が形成できる前の競争機構により光電子が散
逸される程度まで、ハロゲン化銀粒子の写真感度を減少
させる。例えば、もし光電子がフォトホールに戻るなら
ば、そのエネルギーは潜像形成に寄与することなく散逸
される。
潜像形成に利用するのに寄与する浅い電子トラップをそ
の内部に生じさせることが考えられる。これは、面心立
方晶格子に、結晶格子において置換されるイオン(単一
もしくは複数)の正味原子価よりも正である正味原子価
を示すドーパントを導入することにより達成される。例
えば、可能な最も単純な形態では、ドーパントは結晶格
子構造において銀イオン(Ag+ )と置換する多価(+
2〜+5)金属イオンであることができる。例えば一価
Ag+ カチオンが二価カチオンで置換されると、局部正
味陽電荷を有する結晶格子が残る。これにより、伝導帯
のエネルギーが局部的に低下する。伝導帯の局部エネル
ギーが低下する量は、J.F.Hamailton、A
dvances in Physics、第37巻(1
988年)、第395頁及びExcitonic Pr
ocesses in Solids、M.Ueta、
H.Kanazaki、K.Kobayasi、Y.T
oyozawa及びE.Hanamura、(1986
年)、ベルリンにあるSpringer−Verlag
社発行、第359頁に記載されているような有効質量近
似を適用することにより推測できる。もし塩化銀結晶格
子構造がドーピングにより+1の正味陽電荷を受け取る
ならば、その伝導帯のエネルギーはドーパント付近にお
いて約0.048電子ボルト(eV)低下する。正味陽
電荷が+2の場合、そのシフトは約0.192eVであ
る。
電子はドーパント部位で正味陽電荷によって引き寄せら
れ、ドーパント部位に伝導帯エネルギーの局部減少に等
しい結合エネルギーで一時的に保持(即ち、結合もしく
は捕捉)される。より低エネルギーへの伝導帯の局部的
なたわみを生じさせるドーパントは、光電子をドーパン
ト部位に保持(トラップ)する結合エネルギーが電子を
ドーパント部位に永久的に保持するには不十分であるの
で、「浅い電子トラップ」と称される。それにもかかわ
らず、浅い電子トラップ部位は有用である。例えば、高
照度露光により発生させた非常に多くの光電子を、一時
的に浅い電子トラップに保持させて直ぐに散逸しないよ
うにすることができ、一方である時間をかけて潜像形成
部位に効率的に移動できるようにする。
のに有用であるためには、単に結晶格子において置換さ
れるイオン(単一もしくは複数)の正味原子価よりもよ
り正である正味原子価を提供すること以上のさらなる基
準を満足しなければならない。ドーパントがハロゲン化
銀結晶格子に組み込まれると、ハロゲン化銀の価電子と
伝導帯からなるエネルギーレベルもしくは軌道の他に、
ドーパントの付近に新規な電子エネルギーレベル(軌
道)が形成される。ドーパントが浅い電子トラップとし
て有用であるためには、これらの追加の基準を満足しな
ければならない: (1)その最高エネルギー電子被占軌道(Highest ener
gy electron occupied molecular orbital:HOMO;
一般的に「フロンティア軌道」とも呼ばれる)が、満た
されていなければならない。例えば、軌道が2つの電子
(最高可能数)を保持できるものであれば、1つではな
く2つの電子を含まなければならない。 (2)その最低エネルギー非被占軌道(Lowest energy
unoccupied molecularorbital :LUMO)は、ハロ
ゲン化銀結晶格子の最低エネルギーレベル伝導帯よりも
高いエネルギーレベルでなければならない。もし条件
(1)及び/もしくは(2)が満足されないならば、局
部ドーパント誘発伝導帯最小エネルギーよりも低いエネ
ルギーで、結晶格子(未充満HOMOもしくはLUM
O)に局部ドーパント由来軌道があり、光電子が優先的
にこの低エネルギー部位で保持されることにより光電子
の潜像形成部位への効率的な移動が妨げられる。
ンは以下の通りである:原子価+2の第2族金属イオ
ン、原子価+3の第3族金属イオン(但し、基準(1)
を満足しない希土類元素58〜71を除く)、原子価+
2の第12族金属イオン(Hg +1に自然に戻るためと思
われる強力な減感剤であるHgを除く)、原子価+3の
第13族金属イオン、原子価+2もしくは+4である第
14族金属イオン及び原子価+3もしくは+5である第
15族金属イオン。基準(1)及び(2)を満足する金
属イオンのうち、ドーパントとして組み込むのに実用的
に都合のよい面から好ましいものには、以下の第4、5
及び6周期元素が含まれる:ランタン、亜鉛、カドミウ
ム、ガリウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、
錫、鉛及びビスマス。浅い電子トラップの形成に使用さ
れる基準(1)及び(2)を満足するとりわけ好ましい
金属イオンドーパントは、亜鉛、カドミウム、インジウ
ム、鉛及びビスマスである。これらの種類の浅い電子ト
ラップドーパントの具体例は、米国特許第2,628,
167号(DeWitt)、同第3,761,267号
(Gilman等)、同第4,269,527号(At
well等)、同第4,413,055号(Weyde
等)並びにEPO第0590674号明細書及び第05
63946号(Murakami等)に記載されてい
る。
り基準(1)を満足する第8族、9族及び10族の金属
イオン(以下、一緒にして「第8族金属イオン類」と称
する)についても検討を行った。これらは、原子価+2
の第8族金属イオン、原子価+3の第9族金属イオン及
び原子価+4の第10族金属イオンである。これらの金
属イオンは、裸金属イオンドーパントとして組み込む
と、有効な浅い電子トラップを形成できないことが分か
った。これは、LUMOがハロゲン化銀結晶格子の最低
エネルギーレベル伝導帯より低いエネルギーレベルある
ことに起因している。
類だけでなくGa+3及びIn+3の配位錯体もドーパント
として用いると、有効な浅い電子トラップを形成でき
る。金属イオンのフロンティア軌道が充満されている要
件は、基準(1)を満足する。満足すべき基準(2)に
ついては、配位錯体を形成するリガンドの少なくとも一
つが、ハロゲン化物よりも電子求引性が強くなければな
らない(即ち、最も電子求引性が高いハロゲン化物イオ
ンであるフッ素イオンよりもより電子求引性でなければ
ならない)。
法は、Inorganic Chemistry:Pr
inciples of Structure and
Reactivity、James E.Huhee
y、1972年、Harper及びRow、ニューヨー
ク並びにAbsorption Spectra an
d Chemical Bonding in Com
plexes、C.K.Jorgensen、1962
年、Pergamon Press、ロンドン、におい
て言及されている溶液での金属イオン錯体の吸収スペク
トルから得たリガンドの分光化学系列を参照することで
ある。これらの文献から明らかなように、分光化学系列
におけるリガンドの順序は、以下の通りである:
順序となっており、系列における最初(I- )のリガン
ドは最も電子求引性が小さく、最後(CO)のリガンド
は最も電子求引性が大きい。下線は、多価金属イオンへ
のリガンドの結合部位を示している。ドーパント錯体の
LUMO値を上昇させるリガンドの能力は、金属に結合
するリガンド原子がClから、S、O、N、Cの順序で
変化するにつれて増加する。従って、リガンドCN- 及
びCOがとりわけ好ましい。他の好ましいリガンドは、
チオシアネート(NCS- )、セレノシアネート(NC
Se- )、シアネート(NCO- )、テルロシアネート
(NCTe- )及びアジド(N3 - )である。
ドに適用できるように、金属イオンにも適用できる。以
下の金属イオンの分光化学系列が、Absorptio
nSpectra and Chemical Bon
ding、C.K.Jorgensen、1962年、
Pergamon Press、Londonに報告さ
れている:
ティア軌道要件(1)を満足する。これにはドーパント
として配位錯体に使用することを具体的に意図する全て
の金属イオンは含まれていないが、分光化学系列におけ
る残りの金属の位置は、元素の周期表におけるイオンの
位置が、第4周期から、第5周期、第6周期へと増加す
るにつれて、系列におけるイオンの位置が最も電気的陰
性が小さい金属Mn+2から最も電気的陰性が大きい金属
Pt+4の方向にシフトしていることから確認できる。こ
の系列の位置は正電荷が増加する場合にも同じ方向にシ
フトする。即ち、第6周期イオンであるOs+3は、第5
周期で最も電気的陰性が大きいイオンPd+4よりも電気
的陰性が大きいが、第6周期で最も電気的陰性が大きい
イオンPt+4よりも電気的陰性が小さい。
Ir+3、Os+3及びPt+4は、明らかに上記フロンティ
ア軌道要件(1)を満足する最も電気的陰性が大きい金
属イオンであるので特に好ましい金属イオンである。上
記基準(2)のLUMO要件を満足するために、第8族
の充満フロンティア軌道多価金属イオンをリガンド含有
配位錯体に取り込む。これらのうち少なくとも一つ、最
も好ましくは少なくとも3つ、最適には少なくとも4つ
がハロゲン化物よりも電気的陰性であり、残りのリガン
ド(単一もしくは複数)がハロゲン化物リガンドであ
る。Os+3等の金属イオンがそれ自体非常に電気的陰性
であるときには、例えばカルボニル等の単一の電気的陰
性の大きいリガンドのみがLUMO要件を満足すること
が要求される。もし金属イオンそれ自体がFe+2等のよ
うに比較的電気的陰性度が低いならば、リガンドの全て
が高い電気的陰性であるものを選択することが、LUM
O要件を満足するために必要である。例えば、Fe(I
I)(CN)6 は、具体的に好ましい浅い電子トラップ
ドーパントである。実際に、シアノリガンド6個を含有
する配位錯体は、一般的に都合のよい好ましい種類の浅
い電子トラップドーパントの代表例である。
OMO及びLUMO要件を満足することができるので、
配位錯体に取り込まれるとき、電気的陰性度がハロゲン
化物イオンから第8族金属イオン類配位錯体について有
用である電気的陰性の大きいリガンドにわたる範囲のリ
ガンドを含有できる。第8族金属イオン類と電気的陰性
度が中間レベルであるリガンドの場合、特定の金属配位
錯体がLUMO要件を満足し、従って、浅い電子トラッ
プとしての役割を果たす金属とリガンド電気的陰性度の
適切な組み合わせを含有しているかどうかを容易に決定
できる。これは、電子常磁性共鳴(EPR)分光分析を
用いることにより行うことができる。この分析技術は、
分析法として広く使用され、Electron Spi
n Resonance:A Compreshens
ive Treatise on Experimen
tal Techniques、第2版、Charle
s P.Poole、Jr.(1983年)、Jone
Wiley & Sons社、ニューヨークに記載さ
れている。
ゲン化銀結晶格子の伝導帯エネルギーレベルにおける光
電子について観察されるのと極めて類似したEPR信号
を生じる。浅く捕捉された電子もしくは伝導帯電子から
のEPR信号は、電子EPR信号と称される。電子EP
R信号は、一般的にg因子と呼ばれるパラメータにより
特徴づけられる。EPR信号のg因子を計算するための
方法は、上記C.P.Pooleに記載されている。ハ
ロゲン化銀結晶格子における電子EPR信号のg因子
は、電子の付近のハロゲン化物イオン(単一もしくは複
数)の種類に依存する。即ち、R.S.Eachus、
M.T.Olm、R.Jane及びM.C.R.Sym
ons、Physica Status Solidi
(b)、第152巻(1989年)、第583〜592
頁により報告されているように、AgCl結晶において
電子EPR信号のg因子は1.88±0.01であり、
AgBrにおいて電子EPR信号のg因子は1.49±
0.02である。
ドープ対照乳剤と比較して電子EPR信号の大きさを少
なくとも20%増強するならば、配位錯体ドーパントは
本発明の実施において浅い電子トラップを形成するのに
有用であると認められる。未ドープ対照乳剤は、下記の
ように調製された、エッジ長さが0.34±0.05μ
mの(しかし、未分光増感の)AgCl立方体乳剤であ
る。3.95重量%のゼラチン溶液5.7Lを含有する
反応容器を、温度46℃、pH5.8及び(NaCl溶
液の添加により)pAg7.51に調整した。次いで、
その反応容器に1.2グラムの1,8−ジヒドロキシ−
3,6−ジチアオクタンを50mLの水に含む溶液を添
加した。AgNO3 の2M溶液とNaClの2M溶液を
同時に、流速249mL/分で、pAgを7.51に制
御しながら、反応容器を激しく攪拌しながらこれに流入
した。このダブルジェット析出を21.5分間継続した
後、乳剤を38℃に冷却し、洗浄してpAgを7.26
にし、その後濃縮した。新たに別のゼラチンを導入して
Ag1モル当たりのゼラチン量を43.4グラムとし、
そして乳剤のpHを5.7に、またpAgを7.50に
それぞれ調整した。得られた塩化銀乳剤は立方体形態を
しており、平均縁長は0.34μmであった。試験すべ
きドーパントはNaCl溶液に溶解させるか、又は、該
ドーパントがその溶液中で不安定な場合には、該ドーパ
ントを第三のジェット導入口から水溶液として導入し
た。
上澄み液を除去し、上澄み液を同量の温蒸留水で置換
し、乳剤を再懸濁することにより電子EPR信号測定の
試験及び対照乳剤を準備をする。この操作を3回反復
し、最終遠心工程後、得られた粉末を空気乾燥する。こ
れらの操作を安全光条件下で行う。EPR試験を、各乳
剤の3種の試料をそれぞれ20、40及び60°Kに冷
却し、各試料を波長365nmの200WHgランプか
らの濾過光に露光し、露光中にEPR電子信号を測定す
ることにより実施する。もし選択された観察温度のいず
れかで、電子EPR信号の強度が、未ドープ対照乳剤に
対してドープ試験乳剤試料において顕著に増加(即ち、
信号ノイズよりも高く測定可能な程度に増加)するなら
ば、このドーパントは浅い電子トラップである。
一般的に使用される浅い電子トラップドーパントのFe
(CN)6 4- を、上記したように沈殿中に銀1モル当た
り50×10-6モル濃度で添加したとき、電子EPR信
号強度は、20°Kで試験した場合、未ドープ対照乳剤
の8倍にまで増加した。六配位錯体は、本発明の実施に
使用するのに好ましい配位錯体である。これらの錯体
は、結晶格子において銀イオンと6個の隣接するハロゲ
ン化物イオンを置換する金属イオンと6個のリガンドを
含有している。配位部位の1個もしくは2個は、カルボ
ニル、アクオもしくはアミンリガンド等の中性リガンド
により占有されることができるが、リガンドの残りは、
結晶格子構造に配位錯体を効率的に取り込むのを容易に
するためにアニオン性でなければならない。包含用の具
体的に意図される六配位錯体の実例が、米国特許第5,
037,732号明細書(Mcdugle等)、米国特
許第4,937,180号明細書、第5,264,33
6号明細書及び第5,268,264号明細書(Mar
chetti等)並びに米国特許第4,945,035
号明細書(Keevert等)に記載されている。
満足する六配位錯体を使用することが意図される: (V) 〔ML6 〕n (式中、Mは充満フロンティア軌道多価金属イオン、好
ましくはFe+2、Ru+2、Os+2、Co+3、Rh+3、I
r+3、Pd+4もしくはPt+4であり;L6 は独立して選
択することができる6個の配位錯体リガンドを表すが、
但し、リガンドの少なくとも4個はアニオン性リガンド
であり、リガンドの少なくとも1個(好ましくは少なく
とも3個及び最適には少なくとも4個)はいずれのハロ
ゲン化物リガンドよりも電気的陰性が高く;そしてnは
−1、−2、−3もしくは−4である。浅い電子トラッ
プを提供することができるドーパントの具体例を以下に
示す:
わりに、Ir+4配位錯体を使用することが好ましい。こ
れらとしては、例えば、上記イリジウム錯体のいずれか
と同等なものが挙げられるが、但し、正味の原子価は−
3ではなく−2となる。分析結果より、粒子析出工程中
に導入されたIr+4錯体は実際にはIr+3錯体として内
蔵されることが示された。イリジウムをドープした粒子
を分析すると、内蔵されたイオンとしてのIr+4は示さ
れなかった。Ir+4錯体を使用する利点は、乳剤析出工
程の前に設定される保持条件下での安定性が高い点にあ
る。このことについては米国特許第4,902,611
号(Leubnerら)に説明されている。
に位置しても有効である。一般には、SETドーパント
を銀量基準で粒子の外部50%の場所に内蔵させるとよ
り良好な結果が得られる。該ドーパントを粒子構造中に
実際に内蔵させ、粒子表面に単に関係しただけとならな
いよう、粒子のヨウ化物濃度が最大となる領域を形成す
る前にSETドーパントを導入することが好ましい。こ
のため、SETドーパントの導入にとって最適な粒子領
域は、粒子を形成する総銀量の50〜85%の範囲の銀
量で形成される領域である。すなわち、SETドーパン
トの導入は、総銀量の50%が導入された後に開始され
且つ総銀量の85%が析出する時点までに完了すること
が最適である。SETドーパントの導入は、一度に行っ
てもよいし、また粒子を析出させながら一定の期間にわ
たり反応容器中に流入させてもよい。一般に、SET形
成ドーパントは、銀1モル当たり1×10-7モル以上で
且つその溶解度上限値、典型的には銀1モル当たり約5
×10-4モル、までの濃度で導入することが企図され
る。
(I)に露光時間(t)を乗じた積である。 (VI) E=I×t 写真相反則によると、写真要素は、露光強度及び露光時
間の変動に係わらず、一定の露光量に対しては同等な像
を発生しなければならない。例えば、特定の強度で1秒
間の露光を施した場合と、その強度の半分の強度で2秒
間の露光を施した場合とでは、まったく同じ結果が得ら
れなければならない。写真性能がこの相反則に従わない
場合、これを相反則不軌ということが知られている。
(例、10-5秒以下)にまで短縮した場合には、その短
縮された露光時間を補償するために露光強度をさらに高
くする必要がある。1秒未満の露光時間を変化させた場
合に写真性能が相反則から逸脱することが認められる
と、高照度相反則不軌(以降、HIRFともいう)が起
こる。SETドーパントは、HIRFの縮小に有効であ
ることも知られている。
リジウムドーパント、例えば、上記式(V)のハロゲン
化物リガンドよりも電気陽性が高い基準を満たすことが
できないイリジウム配位錯体又は裸のイリジウムイオン
を、本発明のヨウ塩化物粒子に内蔵させることで、相反
則不軌を縮小させることができる。これらのイリジウム
ドーパントは、高照度相反則不軌(HIRF)及び低照
度相反則不軌(以降、LIRFともいう)の両方を縮小
するのに有効である。低照度相反則不軌とは、1秒から
10秒、100秒又はそれよりも長い時間間隔までの範
囲で時間を変化させると共に、露光量を一定に維持する
ように露光強度を十分に低下させた場合に、写真要素の
相反則からの逸脱が観測されることをいう。
裸の金属イオンとして、或いは非SET配位錯体(典型
的には、六配位錯体)として、ヨウ塩化銀粒子構造中に
内蔵させることができる。いずれの場合も、イリジウム
イオンは結晶格子構造内の銀イオンを置き換える。六配
位錯体として金属イオンを導入する場合、そのリガンド
はハロゲン化物リガンドに限定される必要はない。これ
らのリガンドは、先に式(V)との関連で説明したよう
に選択されるが、但し、ハロゲン化物よりも電気陽性の
高いリガンドの内蔵は、該配位錯体が浅い電子トラップ
部位として作用できないように制限される。
Irを高塩化物{100}平板状粒子構造内に導入しな
ければならない。確実にすべてを内蔵させるため、総銀
量の99%が析出する時点までにIrドーパントの導入
を完了することが好ましい。Irドーパントは、粒子構
造内のどの場所に存在しても、相反則不軌の改善に寄与
することができる。Irドーパントの相反則不軌改善に
とって好ましい粒子構造内の場所は、該粒子を形成する
総銀量の最初の60%が析出した後で且つ最後の1%
(最も好ましくは最後の3%)が析出する前に形成され
た粒子領域である。該ドーパントは、一度に全部を導入
してもよいし、また粒子の析出を継続させながら一定の
期間内に反応容器に流入させてもよい。一般に、相反則
不軌を改善する非SET−Irドーパントは、その最低
有効濃度で内蔵されることが企図される。この理由は、
これらのドーパントは深い電子トラップを形成するた
め、比較的高濃度で使用した場合には粒子感度を低下さ
せうるからである。これらの非SET−Irドーパント
は、銀1モル当たり1×10-9モル以上、1×10-6モ
ル以下の濃度で導入することが好ましい。しかしなが
ら、達成可能な最高レベルの感度が低下しても許容でき
る場合には、銀1モル当たり最高約1×10-4モルまで
のさらに高濃度の導入を許容することができる。相反則
不軌の縮小を企図した場合に有用であるIrドーパント
の具体例が、B.H.Carroll,”Iridiu
m Sensitization:A Literat
ure Review”,Photographic
Science and Engineering,
Vol.24, No.6 Nov./Dec.198
0,pp.265−267;米国特許第3,901,7
11号(Iwaosaら);同第4,828,962号
(Grzeskowiakら);同第4,997,75
1号(Kim);同第5,134,060号(Maek
awaら);同第5,164,292号(Kawai
ら);並びに同第5,166,044号及び同第5,2
04,234号(Asami)に記載されている。
剤を含有する写真要素のコントラストを、ヨウ塩化銀粒
子に、ニトロシル又はチオニトロシルのリガンドを含有
する六配位錯体をドーピングすることによって、さらに
増強することができる。この種の好適な配位錯体は下式
で表される。 (VII) 〔TE4 (NZ)E’〕r 上式中、Tは遷移金属であり、Eは橋架け基であり、
E’はE又はNZであり、rは0、−1、−2又は−3
であり、そしてZは酸素又は硫黄である。
非SET−Irドーパントにおけるいずれの形態をとっ
てもよい。式(VII)を満たす好適な配位錯体が、米
国特許第4,933,272号(McDugleら)に
列挙されている。
降、NZドーパントともいう)は、粒子構造中の都合の
よいいずれの場所に内蔵させてもよい。しかしながら、
NZドーパントが粒子表面に存在すると、粒子の感度が
低下することがある。従って、該NZドーパントは、高
塩化物{100}平板状粒子を形成する際に析出される
総銀量の1%以上(最も好ましくは3%以上)によって
粒子表面から隔離されるように、粒子内部に配置するこ
とが好ましい。該NZドーパントのコントラストを増強
する上で好適な濃度範囲は銀1モル当たり1×10-11
〜4×10-8モルであり、中でも銀1モル当たり10
-10 〜10-8モルの範囲が特に好適である。
ント及びNZドーパントの各種ドーパントについて一般
に好適な濃度範囲を上記したが、これらの一般範囲内の
個別の用途についての具体的な最適濃度は、日常試験に
よって決定可能であることが認識される。具体的には、
SETドーパント、非SET−Irドーパント及びNZ
ドーパントは、単独で用いること又は組み合わせて用い
ることが企図される。例えば、SETドーパントと非S
ET−Irドーパントを組み合わせて含有する粒子が特
に企図される。同様に、SETドーパントとNZドーパ
ントを組み合わせて使用することもできる。また、SE
TドーパントではないIrドーパントとNZドーパント
を併用してもよい。最後に、非SET−Irドーパント
をSETドーパント及びNZドーパントと組み合わせる
こともできる。この後者の三種のドーパントを組み合わ
せる場合には、一般に、析出工程の点で、最初にNZド
ーパントを内蔵させ、続いてSETドーパントを内蔵さ
せ、最後に非SET−Irドーパントを内蔵させる方法
が最も都合がよい。
エピタキシャル成長できることも認識される。平板状粒
子のエッジ及び/又はコーナーへのエピタキシャル堆積
は、米国特許第5,275,930号(Maskask
y)により具体的に教示されている。具体的に好ましい
態様では、高塩化物ハロゲン化銀エピタキシーがエッジ
に存在するが、これが平板状粒子上のコーナー隣接部位
に制限されることが最も好ましい。
自体増感剤としての役割を果たすことができるが、本発
明の乳剤は、貴金属、中間カルコゲン及び還元化学増感
法の一つ又は組み合わせを用いて、ゼラチン解こう剤の
不存在下で化学増感したときにエピタキシー有無に無関
係に予想外の感度の増強を示す。これらの手法による通
常の化学増感は、上記Research Disclo
sure、アイテム36544、セクションIV.化学
増感(Chemical sensitization
s)に要約されている。これらの増感の全ては、具体的
にゼラチンの存在を必要とする増感(例えば、活性ゼラ
チン増感)を除いて、本発明の実施に適用できる。写真
用に本発明の乳剤を製造するに際しては、貴金属(典型
的に金)及び中間カルコゲン(典型的にイオウ)の少な
くとも一方を、最も好ましくは両方の組み合わせを採用
することが好ましい。
ン誘導体を乳剤に添加する前に好ましくは完了する工
程)との間で、乳剤を洗浄して可溶性反応副生成物(例
えば、アルカリ及び/又はアルカリ土類カチオン及び硝
酸アニオン)を除去することが通常である。もし所望な
らば、米国特許第4,334,012号(Migno
t)により教示されているように、析出中に限外濾過を
用いて、乳剤洗浄を乳剤析出と組み合わせることができ
る。別法として、析出後で化学増感前にダイアフィルト
レーションによる乳剤洗浄を、Research Di
sclosure、第102巻、1972年10月、ア
イテム10208、Hagemaier等、Resea
rch Disclosure、第131巻、1975
年3月、アイテム13122、Bonnet、 Res
earch Disclosure、第135巻、19
75年7月、アイテム13577、Berg等、ドイツ
国特許公開公報第2,436,461号及び米国特許第
2,495,918号(Bolton)に記載のように
半透膜を用いるか、米国特許第3,782,953号
(Maley)及び米国特許第2,827,428号
(Noble)に記載のようにイオン交換樹脂を用いる
ことにより行うことができる。これらの手法による洗浄
では、イオン除去は特定の解こう剤よりもはるかに低い
分子量の溶質イオンの除去に固有的に限定され、粒子表
面に吸着した解こう剤は洗浄によっては除去されないの
で、特定の解こう剤を除去する可能性はない。
オウ含有熟成剤と中間カルコゲン(典型的にはイオウ)
及び貴金属(典型的に金)化学増感剤との組み合わせを
用いる。意図するイオウ含有熟成剤には、米国特許第
3,271,157号(McBride)、米国特許第
3,574,628号(Jones)及び米国特許第
3,737,313号(Rosencrants等)に
記載されているチオエーテル類等などがある。好ましい
イオウ含有熟成剤は、米国特許第2,222,264号
(Nietz等)、米国特許第2,448,534号
(Lowe等)及び米国特許第3,320,069号
(Illingsworth)に記載されているチオシ
アネートである。好ましい種類の中間カルコゲン増感剤
は、米国特許第4,749,646号及び第4,81
0,626号(Herz等)に開示されている種類の四
置換中間カルコゲンウレアである。好ましい化合物に
は、下式で表されるものなどがある:
り;R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ独立してアル
キレン基、シクロアルキレン基、アルカリーレン基、ア
ラルキレン基又は複素環式アリーレン基を表すか、それ
らが結合している窒素原子と一緒に、R1 とR2 又はR
3 とR4 は5員〜7員複素環を完成し;そしてA1 、A
2 、A3 、及びA4 はそれぞれ独立して水素、又は酸性
基を含む基を表すが、但し、炭素数1〜6の炭素鎖を介
して少なくとも一つのA1 R1 〜A4 R4 はウレア窒素
に結合した酸性基を含有する。Xは好ましくはイオウで
あり、A1 R1 〜A4 R4 は好ましくはメチル、又はカ
ルボキシ基が酸形又は塩形であることができるカルボキ
シメチルである。具体的に好ましい四置換チオウレア増
感剤は、1,3−ジカボキシメチル−1,3−ジメチル
チオウレアである。
9,485号(Deaton)に開示されている金
(I)化合物である。これらの化合物には、下式により
表されるものなどがある: (IX) AuL2 + X- 又はAuL(L1 )+ X- (式中、Lはメソイオン化合物であり;Xはアニオンで
あり;そしてL1 はルイス酸供与体である)。
第4,378,426号及び第4,451,557号
(Lok等)により開示されている2−〔N−(2−ア
ルキニル)アミノ〕−メタ−カルコアゾールである還元
増感剤を、単独で、又は式VIIIで表されるもの等の
イオウ増感剤及び/若しくは式IXで表されるもの等の
金増感剤と組み合わせて、用いることが企図される。好
ましい2−〔N−(2−アルキニル)アミノ〕−メタ−
カルコアゾールは、下式により表すことができる。
(Xa)水素又は(Xb)アルキル若しくは置換された
アルキル又はアリール若しくは置換されたアリールであ
り;Y1 及びY2 は独立して水素、アルキル基若しくは
芳香族核又は一緒に炭素、酸素、セレン及び窒素原子か
ら選択された原子を含有する芳香族又は脂環式環を完成
するのに必要な原子を表す。
感を生じる加熱工程(仕上げ)中に存在するとき効果的
である(Xb型では非常に大きな感度が得られ且つ潜像
安定性が非常によい)。平板状粒子が顕著な固有感度を
示す分光領域において乳剤の写真的使用が行われるとき
であっても、本発明の乳剤の分光増感は必要ではない
が、非常に好ましい。分光増感は化学増感後に行われる
のが最も一般的であるが、分光増感色素は、粒子核形成
よりも早く添加し、粒子核形成までに添加し、粒子核形
成前に添加するのが有利である。Kofronらは、
「仕上げ中の色素」の利点について開示している。これ
は、化学増感となる加熱工程(仕上げ工程)の前に乳剤
中に分光増感色素を導入する方法である。米国特許第
4,435,501号明細書(Maskasky)、凝
集性分光増感色素、特に緑色及び赤色吸収性シアニン色
素をエピタキシャル堆積の部位ディレクターとして使用
することを教示している。これらの色素は、化学増感仕
上げ工程前に乳剤中に存在する。仕上げ工程に存在する
分光増感色素が銀塩エピタキシーの部位ディレクターと
しての役割りを果たす必要がないときには、はるかに広
範囲の分光増感色素を使用できる。本発明の平板状粒子
乳剤への導入には、Kofronらが開示する分光増感
色素、特にスペクトルの緑及び赤部において吸収極大を
示す構造及びそのメチン鎖のより長い類似体によって示
される青分光増感色素が、特に好適である。有用な分光
増感色素をより一般的にまとめたものが、上記Rese
arch Disclosure、アイテム3654
4、セクションV.分光増感及び減感にある。
増感色素は部位ディレクターとしての役割を果たし及び
/又は仕上げ工程中に存在することができるが、分光増
感色素が本発明の乳剤において果たさなければならない
唯一要求される機能は、スペクトルの少なくとも一つの
領域に対する乳剤の感度を増加することである。したが
って、分光増感色素を、もし所望であれば、化学増感が
完了した後に本発明による乳剤に添加してもよい。化学
増感後であって且つ塗布前のいずれかのときに、追加の
ビヒクルを本発明の乳剤に添加する。通常のビヒクルと
関連乳剤成分は、上記ResearchDisclos
ure、アイテム36544、セクションII.ビヒク
ル、ビヒクル増量剤、ビヒクル様添加物及びビヒクル関
連添加物(Vehicles、vehicle ext
enders,vehicle−like adden
da and vehicle related ad
denda)で説明されている。
製法は所望の従来のいずれの態様をとることもできる。
例えば、必須ではないが、本発明の要件を満たす新規乳
剤を調製した後、これに本発明による別の新規乳剤の一
種以上又はその他従来の何らかの乳剤を配合してもよ
い。従来の乳剤の配合についてはResearch D
isclosure、アイテム36544、セクション
I.乳剤粒子及びその調製、E.配合物、層及び性能カ
テゴリーに例示されている。その他共通の、しかし任意
である特徴が、Research Disclosur
e、アイテム36544、セクションVII、カブリ防
止剤及び安定剤;セクションVIII、吸収及び散乱物
質;セクションIX、コーティング物理特性調節剤;セ
クションX、色素像形成剤及び調節剤に例示されてい
る。別法として、セクションII及びVII−Xの特徴
を別の写真要素層に具備させてもよい。
ch Disclosure、アイテム36544、下
記セクションに記載されているようなその他の従来の特
徴を包含することができる。 XI.層及び層配置 XII.カラーネガにのみ適用可能な特徴 XIII.カラーポジにのみ適用可能な特徴 XIV.走査促進特徴 XV.支持体 XVI.露光 XVII.物理的現像システム XVIII.化学的現像システム XIX.現像 XX.脱銀、洗浄、リンス及び安定化(現像後)
剤は、それ以外は常用のいずれの写真要素においても使
用することができる。この乳剤は、例えば、ハロゲン化
銀乳剤層を一つ又は二つ以上有する写真要素に含めるこ
とができる。具体的な用途の一つとして、本発明による
新規乳剤を、観察又は走査用の銀像又は色素写真像の形
成を意図した写真要素の単一の乳剤層において存在させ
ることができる。本発明の高塩化物{100}平板状粒
子乳剤は、黒白写真要素(銀像を形成させるもの)に、
放射線写真要素(X線を直接照射するもの又はX線を増
感紙によって間接的に照射するもの)に、そして直接観
察するための画像を形成する反射プリント要素やカメラ
感度(撮影用)フィルムをはじめとするカラー写真要素
(色素像を形成させるもの)に導入することができる。
該カラー写真要素は、イエロー、マゼンタ及びシアンの
色素像を形成することができる多色写真要素であること
が好ましい。
によりさらに説明する。酸化カチオンデンプンの調製 蒸留水を添加して体積を400mLとした8.0gのカ
チオンジャガイモデンプンを含む混合物を攪拌しながら
30分間煮沸することにより、カチオンデンプン溶液
(CS−1)を調製した。デンプン(STA−LOK
(商標)400)は、イリノイ州デカツールにあるA.
E.Staley Manufacturing社より
入手したものである。これはアミロース21%とアミロ
ペクチン79%との混合物であり、第四級トリメチルア
ンモニウムアルキルデンプンエーテルの形態の窒素0.
33重量%と天然リン0.13重量%、平均分子量22
00000であった。得られたカチオンデンプン溶液
(CS−1)を40℃に冷却し、蒸留水で400mLに
再調整し、pHを固体NaHCO3 により7.9に調整
した。攪拌しながら、5.0mlのNaOCl溶液(塩
素含有量5重量%)を希薄HNO3 とともに添加してp
Hを6.5〜7.5に維持した。その後、pHを、飽和
NaHCO3 溶液により7.75に調整した。溶液を攪
拌しながら40℃で3時間加熱した。この溶液のpHを
5.5に調整した。
デンプン溶液)を含有する反応容器を60℃、pH5.
5で激しく攪拌しながら、これに2.5M AgNO3
溶液を1.0mL/分の速度で5分間添加し、その後そ
の添加速度を40分間で2.7mL/分まで加速した。
全部で0.2モルの銀を添加した。同時に、pClを
0.89に維持するのに必要な速度で2.5M NaC
l溶液を添加した。析出工程中、pHは5.5で維持し
た。
CDが2.0μm、平均厚さが0.16μm、平均アス
ペクト比が12.5のAgCl{100}平板状粒子を
含むものであった。この平板状粒子集団は、乳剤粒子の
総投影面積の40%を占めていた。比較失敗例1 実施例1を繰り返したが、但し、溶液A(酸化カチオン
デンプン溶液)の代わりに、同じpHに調整したカチオ
ンデンプン溶液(CS−1)を使用した。最終乳剤中に
はどのタイプの平板状粒子も観測されなかった。
0.10モルの銀が析出した時点で析出を停止させた。
得られた乳剤の平板状粒子集団は、平均ECDが1.8
μm、平均厚さが0.15μm、平均アスペクト比が1
2のAgCl{100}平板状粒子を含むものであっ
た。この平板状粒子集団は、乳剤粒子の総投影面積の3
0%超を占めていた。
デンプン溶液)の代わりに、同じpHに調整したカチオ
ンデンプン溶液(CS−1)を使用した。最終乳剤中に
はどのタイプの平板状粒子も観測されなかった。
プンを解こう剤として使用した場合には{100}主面
を有する平板状粒子として高塩化物粒子を析出させるこ
とはできないことを示している。しかしながら、カチオ
ンデンプンを酸化した場合には、総粒子投影面積の30
%以上を占める粒子を{100}平板状粒子の形態で析
出させることができる。
記載する。 〔1〕(a){100}主面を有し、(b)銀量基準で
50モル%を上回る塩化物を含有し、(c)総粒子投影
面積の30%を上回る面積を占め、(d)0.3μm未
満の平均厚さを示し、そして(e)5を上回る平均アス
ペクト比を示す平板状粒子を含むハロゲン化銀粒子と、
前記ハロゲン化銀粒子に吸着した解こう剤を含む分散媒
とを含んでなる感放射線性乳剤において、前記解こう剤
が水分散性の酸化カチオンデンプンであることを特徴と
する感放射線性乳剤。 〔2〕前記酸化カチオンデンプンがα−アミロースを含
んでなることをさらに特徴とする〔1〕に記載の感放射
線性乳剤。 〔3〕前記酸化カチオンデンプンがアミロペクチンを含
んでなることをさらに特徴とする〔1〕又は〔2〕に記
載の感放射線性乳剤。
ミン成分並びに第四級アンモニウム、スルホニウム及び
ホスホニウム成分から選択されたカチオン成分を含有す
ることをさらに特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1
項に記載の感放射線性乳剤。 〔5〕前記酸化カチオンデンプンがα−D−グルコピラ
ノース反復単位と、平均して、デンプン分子1個当り少
なくとも1個の酸化α−D−グルコピラノース単位とを
含有することをさらに特徴とする〔1〕〜〔4〕のいず
れか1項に記載の感放射線性乳剤。 〔6〕前記α−D−グルコピラノース単位の1%以上が
酸化により開環していることをさらに特徴とする〔5〕
に記載の感放射線性乳剤。 〔7〕前記α−D−グルコピラノース単位の3〜50%
が酸化により開環していることをさらに特徴とする
〔6〕に記載の感放射線性乳剤。
単位が2個の−C(O)R基〔Rはアルデヒド基又はカ
ルボキシル基を完成する基である〕を含有することをさ
らに特徴とする〔6〕又は〔7〕に記載の感放射線性乳
剤。
を有するα−D−グルコピラノース反復単位を含有する
ことをさらに特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれか1項
に記載の感放射線性乳剤。 〔10〕前記酸化カチオンデンプンが、さらにα−D−
グルコピラノース反復単位の一部分に6位結合を含有し
て分岐鎖高分子構造を形成することをさらに特徴とする
Claims (1)
- 【請求項1】 (a){100}主面を有し、 (b)銀量基準で50モル%を上回る塩化物を含有し、 (c)総粒子投影面積の30%を上回る面積を占め、 (d)0.3μm未満の平均厚さを示し、そして (e)5を上回る平均アスペクト比を示す平板状粒子を
含むハロゲン化銀粒子と、前記ハロゲン化銀粒子に吸着
した解こう剤を含む分散媒とを含んでなる感放射線性乳
剤において、 前記解こう剤が水分散性の酸化カチオンデンプンである
ことを特徴とする感放射線性乳剤。
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