JPH0916553A - 予測支援装置及び予測支援方法 - Google Patents

予測支援装置及び予測支援方法

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JPH0916553A
JPH0916553A JP7168798A JP16879895A JPH0916553A JP H0916553 A JPH0916553 A JP H0916553A JP 7168798 A JP7168798 A JP 7168798A JP 16879895 A JP16879895 A JP 16879895A JP H0916553 A JPH0916553 A JP H0916553A
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JP
Japan
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factor
value
calculation
prediction
predicted
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JP7168798A
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Inventor
Kyoko Makino
恭子 牧野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 予測結果の信頼性の判断及び補正が容易な予
測支援装置及び予測支援方法を提供する。 【構成】 与えられた要因に基づいて予測値を計算する
計算手段2を有する。計算手段2は複数の計算機構を有
する。予測値の値域は複数の範囲に区分され、各計算機
構はいずれかの範囲を担当する。要因が与えられると、
各計算機構はそれぞれ、予測値が自己の担当する値にな
る可能性を計算する。この結果、予測値は、唯一の値で
はなく、複数の値の範囲となる各々の可能性として得ら
れ、予測値の信頼性の判断が容易になる。検出手段4
は、計算手段2の前記各計算機構のいずれもが与えられ
る要因に一致しないときにこの不一致を検出し、この場
合、調整手段5が、計算手段2の前記計算機構を調整す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、予測すべき数値に
影響を与える要因に基づいて、数値の予測を行う予測支
援装置及び予測支援方法の改良に関するもので、特に、
電力需要予測に適したものに係る。
【0002】
【従来の技術】従来から、コンピュータの応用分野とし
て、電力需要や商品売上など、数値に代表される各種事
象を予測する予測支援装置及び予測支援方法が知られて
いる。なお、予測支援装置及び予測支援方法の対象は一
般に狭義の数値には限定されず、コード番号などで数値
化しコンピュータで処理できる各種の事象が含まれる。
したがって、本明細書で数値というときは、数値化し得
る各種事象を含む広い概念を意味する。
【0003】予測支援装置及び予測支援方法の典型的な
適用対象として電力需要が挙げられる。電力需要は、お
おむね家庭や企業における個々の需要の総和であり、天
候、気温、前日までの需要の推移に大きな影響を受ける
が、これら各要因と需要との具体的相関関係の完全な定
式化は困難とされている。特に、この相関関係は季節に
よって異なり、さらに電力需要は年々増大しているた
め、前年度の実績と次年度の実績は一致するとは限らな
い。このため、要因と実績との対応の事例に基づいて、
電力需要値を正確に予測することは困難である。さら
に、電力需要値には前記要因だけからは説明できない不
確定要素が含まれ、このような不確定要素は解析が困難
である。
【0004】電力需要予測を行うため、回帰分析、エキ
スパートシステムなどの予測手法や様々な要因の取り扱
いが検討されているが、正確な予測を行うシステムはい
まだに完成していない。
【0005】もっとも、ある年の夏の電力需要の予測を
行うような場合、前年同時期の事例から、天候、気温な
どの要因と電力需要の関数関係をおおまかに推定し、得
られた近似関数に予測日の要因の値を入力して得た値と
電力需要の伸びとの和を予測値とすると、良好な予測を
行うことができる。このような事実に基づいて、電力需
要など各種数値の予測支援装置(予測支援方法)の改良
が試みられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、現実の
実測値を生じる原因となる因果関係は多様であるから、
その完全な定式化は極めて困難であり、予測支援装置の
予測では必ず考慮されない要因が存在する。したがっ
て、人間の専門家が豊富な経験に基づいて、定式化の困
難な要因の影響を考慮し、予測支援装置の予測結果を補
正することによってこそ、最も高精度の予測結果が得ら
れる。そして、このような判断のためには出力される予
測結果の信頼性の判断が不可欠である。
【0007】例えば、予測結果の基礎となっている判断
ルールが、入力された要因に一致しているほど予測結果
の信頼性は高く、大幅な補正は逆効果になりかねない。
逆に、信頼性が低い予測結果を尊重すれば、予測値の大
きな誤差を見逃すことになる。
【0008】しかしながら、従来の予測支援装置及び予
測支援方法は、予測結果として、最も確からしい唯一の
値のみを「予測値は○○メガワット」のように出力する
ものであった。このため、予測結果の信頼性の判断と、
判断に基づいた有効な補正が困難であった。
【0009】なお、予測結果を場合分けして提示する技
術は知られているが(特開平6−12399)、この技
術は、起こり得る異なった局面ごとに、事象間で展開さ
れるであろう因果関係をシナリオとして表し、局面ごと
の予測結果を前記シナリオに基づいてそれぞれ予測・提
示するもので、予測結果自体の信頼性を提示するもので
はなかった。
【0010】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたもので、その目的は、予測
結果の信頼性の判断及び補正が容易な予測支援装置及び
予測支援方法を提供することである(請求項1及び
8)。また、本発明の他の目的は、構成が容易な予測支
援装置及び予測支援方法を提供することである(請求項
2及び9)。また、本発明の他の目的は、予測値の信頼
性及び予測精度が優れた予測支援装置及び予測支援方法
を提供することである(請求項1及び8,3及び10,
5及び12)。また、本発明の他の目的は、処理が効率
的な予測支援装置及び予測支援方法を提供することであ
る(請求項4及び11,5及び12,7及び14)。ま
た、本発明の他の目的は、予測結果の把握が容易な予測
支援装置及び予測支援方法を提供することである(請求
項6及び13)。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、予測すべき予測値に影響を与
える要因であって予測の基礎として与えられた要因に基
づいて予測を行う予測支援装置において、前記与えられ
た要因に基づいて予測値を計算する計算手段を有し、前
記計算手段は複数の計算機構を有し、前記各計算機構
は、前記予測値の値域を区分した複数の範囲ごとにそれ
ぞれ対応して設けられ、かつ、前記与えられた要因に基
づいて、前記予測値が対応する前記範囲となる可能性を
計算するように構成されたことを特徴とする。
【0012】また、請求項7の発明は、請求項1の発明
を方法の観点から把握したものであって、予測すべき予
測値に影響を与える要因であって予測の基礎として与え
られた要因に基づいて予測を行う予測支援方法におい
て、前記与えられた要因に基づいて予測値を計算する計
算処理を含み、前記計算処理は複数の計算機構を用い、
前記各計算機構は、前記予測値の値域を区分した複数の
範囲ごとにそれぞれ対応して用いられ、かつ、前記与え
られた要因に基づいて、前記予測値が対応する前記範囲
となる可能性を計算することを特徴とする。
【0013】請求項1,7の発明では、予測値の値域が
複数の範囲に区分され、各計算機構はいずれかの範囲を
担当する。この場合、値域は、必ずしも等しい数値の幅
で区切る必要はなく、重要な部分は細かく需要幅を区切
るなどしてよい。要因が与えられると、各計算機構はそ
れぞれ、予測値が自己の担当する値になる可能性を計算
する。この結果、予測値は、唯一の値ではなく、複数の
値の範囲となる各々の可能性として得られ、予測値の信
頼性の判断が容易になる。
【0014】例えば、一つの値の可能性が突出して高け
ればその数値の信頼性は高い。また、特定の中央値の可
能性を頂点として周囲の可能性が高ければ、予測値には
幅があり得ると解釈すべきである。また、高い可能性を
示す計算機構が存在しないときは、計算機構の持つ判断
ルールないしパラメータには、要因に対して高い信頼性
をもって判断できる要素が含まれないことになる。この
ように予測値の信頼性が低い場合は、数値予測の手法と
して従来から知られる回帰分析や、人間の専門家の判断
などに基づいてある程度予測結果を修正しても差支えな
い。むしろ、このような修正によって予測値から大きな
誤差を排除し、予測精度の向上を図ることができる。
【0015】また、各計算機構は、要因が持ち得る多様
な特徴のうち、担当する値域の範囲の予測値をもたらす
特徴にのみ反応して高い可能性を出力すればよい。この
ため、各計算機構の構成が容易になる。また、各計算機
構は、担当しない範囲について無理に判断する必要がな
いので、予測値の信頼性自体も向上する。
【0016】また、請求項2の発明は、請求項1記載の
予測支援装置において、前記各計算機構としてニューラ
ルネットワークを用い、前記要因と、当該要因に対応す
る予測すべき値の実績値との組である事例を入力するた
めの事例入力手段と、前記各事例と所定の学習アルゴリ
ズムに基づいて、前記各ニューラルネットワークを学習
させる学習手段と、を有することを特徴とする。
【0017】また、請求項8の発明は、請求項2の発明
を方法の観点から把握したものであって、請求項7記載
の予測支援方法において、前記各計算機構としてニュー
ラルネットワークを用い、前記要因と、当該要因に対応
する予測すべき値の実績値との組である事例を入力する
ための事例入力処理と、前記各事例と所定の学習アルゴ
リズムに基づいて、前記各ニューラルネットワークを学
習させる学習処理と、を含むことを特徴とする。
【0018】請求項2,8の発明では、計算機構として
ニューラルネットワークを用いている。そして、ニュー
ラルネットワークは、過去の事例の要因を入力パタン、
各予測値の可能性の高さを出力パタン(典型的には、出
力層の1素子が出力する刺激の強さ)とすれば、区分さ
れた値域の範囲ごとの可能性を計算できる。ニューラル
ネットワークでは、バックプロパゲーションなどの学習
アルゴリズムを用いれば、要因と実績値(予測値)との
関係を定式化することなく計算機構を構築することがで
きるので、構成が容易になる。
【0019】また、請求項3の発明は、請求項2記載の
予測支援装置において、前記学習手段は、前記ニューラ
ルネットワークを構成する各素子について、素子間の荷
重値又は素子の特性関数のうち少なくとも一方を調整す
るように構成されたことを特徴とする。
【0020】また、請求項9の発明は、請求項3の発明
を方法の観点から把握したものであって、請求項8記載
の予測支援方法において、前記学習処理は、前記ニュー
ラルネットワークを構成する各素子について、素子間の
荷重値又は素子の特性関数のうち少なくとも一方を調整
することを特徴とする。
【0021】請求項3,9の発明では、素子間の荷重値
又は素子の特性関数のうち少なくとも一方を調整するこ
とによってニューラルネットワークを学習させる。この
ため、ニューラルネットワークにおける信号の伝達経路
がダイナミックに変化し、効果的な学習が実現される。
【0022】また、請求項4の発明は、請求項1記載の
予測支援装置において、前記要因と、当該要因に対応す
る予測すべき値の実績値との組である事例を入力するた
めの事例入力手段と、前記計算手段の前記各計算機構の
いずれもが、与えられる要因に一致しないときにこの不
一致を検出する検出手段と、前記不一致が検出された場
合に、前記計算手段の前記計算機構を調整する調整手段
と、を有することを特徴とする。
【0023】また、請求項10の発明は、請求項4の発
明を方法の観点から把握したものであって、請求項7記
載の予測支援方法において、前記要因と、当該要因に対
応する予測すべき値の実績値との組である事例を入力す
るための事例入力処理と、前記計算処理に用いる前記各
計算機構のいずれもが、与えられる要因に一致しないと
きにこの不一致を検出する検出処理と、前記不一致が検
出された場合に、前記計算処理に用いる前記計算機構を
調整する調整処理と、を含むことを特徴とする。
【0024】請求項4,10の発明では、社会規模の拡
大による電力需要の増大や、要因と実績値との関係の変
動など、事情変更が生じた場合も、新たな事例によって
計算機構を調整し、予測精度を維持することができる。
【0025】また、請求項5の発明は、請求項4記載の
予測支援装置において、前記各計算機構は、少なくとも
条件又は関数を用いて前記要因の特徴に対して各結論を
対応付ける関係部と、前記各結論に対して具体的な前記
値域の前記各範囲を定義付ける定義部とを含み、前記検
出手段は、前記要因の特徴と前記各結論との前記対応の
不一致を検出する第1の検出手段と、前記各結論と前記
各範囲との前記定義の不一致を検出する第2の検出手段
と、を含み、前記調整手段は、前記第1の検出手段によ
って前記対応の不一致が検出された場合に、前記関係部
における当該対応を調整する第1の調整手段と、前記第
2の検出手段によって前記定義の不一致が検出された場
合に、前記定義部における当該定義を調整する第2の調
整手段と、を含む、ことを特徴とする。
【0026】また、請求項11の発明は、請求項5の発
明を方法の観点から把握したものであって、請求項10
記載の予測支援方法において、前記各計算機構は、少な
くとも条件又は関数を用いて前記要因の特徴に対して各
結論を対応付ける関係部と、前記各結論に対して具体的
な前記値域の前記各範囲を定義付ける定義部とを含み、
前記検出処理は、前記要因の特徴と前記各結論との前記
対応の不一致を検出する第1の検出処理と、前記各結論
と前記各範囲との前記定義の不一致を検出する第2の検
出処理と、を含み、前記調整処理は、前記第1の検出処
理によって前記対応の不一致が検出された場合に、前記
関係部における当該対応を調整する第1の調整処理と、
前記第2の検出処理によって前記定義の不一致が検出さ
れた場合に、前記定義部における当該定義を調整する第
2の調整処理と、を含む、ことを特徴とする。
【0027】請求項5,11の発明では、不一致の原因
に応じて異なった調整の手法が選択されるので調整が効
率化される。すなわち、計算機構では、要因の特徴と値
域の各範囲が直接対応付けられず、要因の特徴は関係部
によってまず結論と対応付けられる。結論は、IDのよ
うな単なる接合点(ノード)であり、それ自体のみでは
具体的な値の範囲を持たない。そして、具体的な値域の
範囲は定義部によって前記各結論に対応付けられる。
【0028】このため、要因の特徴と結論との関係自体
が本質的に変動した場合は、関係部について条件や関数
の種類、その具体的パラメータなどを変更するが、需要
規模の単なる増減など結論に定義付ける値域の範囲がず
れただけの場合は、各結論と具体的な値の範囲との関係
をずらして再定義するだけで容易に調整が完了する。
【0029】また、請求項6の発明は、請求項5記載の
予測支援装置において、前記第1の検出手段によって前
記対応の不一致が検出されたときに、対応する要因の特
徴の範囲が前記与えられた要因に最も近い前記計算機構
を、前記第1の調整手段による調整の対象として選択す
る選択手段を有することを特徴とする。
【0030】また、請求項12の発明は、請求項6の発
明を方法の観点から把握したものであって、請求項11
記載の予測支援方法において、前記第1の検出処理によ
って前記対応の不一致が検出されたときに、対応する要
因の特徴の範囲が前記与えられた要因に最も近い前記計
算機構を、前記第1の調整処理による調整の対象として
選択する選択処理を含むことを特徴とする。
【0031】請求項6,12の発明では、与えられた要
因に対応する計算機構が存在しない場合に、与えられた
要因にもっとも近い要因の特徴を担当する計算機構が選
択され調整されるので、調整自体が容易で、また、調整
による予測精度への影響が最小限となる。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の例に
ついて、図面に従って具体的に説明する。なお、実施の
形態の各機能は、所定のソフトウェアがコンピュータ及
び周辺機器を制御することで実現される。すなわち、本
明細書では、発明及び実施の形態を、各機能や各処理に
対応する仮想的回路ブロック(「〜手段」や「〜部」な
ど)を想定して説明している。このため、各ブロックに
対して、各ハードウェア要素やソフトウェア要素は1対
1には対応しない。
【0033】実施の形態を実現するためのコンピュータ
は、CPU、RAMからなる主記憶装置の他に、典型的
には、キーボードやマウスなどの入力装置と、ハードデ
ィスク装置などの外部記憶装置と、CRT表示装置やプ
リンタ印字装置などの出力装置と、必要な入出力制御回
路を含む。但し、コンピュータの規模・構成やCPUの
数・形式は自由で、例えば、コンピュータネットワー
ク、分散処理、マルチタスクなどを自由に用い得る。ま
た、トラックボールやイメージスキャナなど他の入力装
置や、フロッピーディスク装置・光磁気ディスク装置・
フラッシュメモリなど他の記憶装置や、液晶表示装置な
ど他の出力装置を用いてもよい。
【0034】また、実施の形態を実現するソフトウェア
の形式は、典型的には、OS上の応用ソフトウェアが考
えられ、また、高級言語やアセンブラからコンパイルさ
れた機械語が考えられるが、本発明が実施できる限り、
OSを用いない、ソフトウェアをインタプリタで実行す
るなど自由に変更し得る。また、ソフトウェアの格納態
様も自由で、例えば、ROMに格納しておいても、外部
記憶装置から一度に又は一部づつ読み込んでも、部分ご
との格納態様が異なってもよい。また、処理の各ステッ
プは、その性質に反しない限り、順序の変更や並行処理
は自由である。
【0035】また、本明細書において「入力」とは、外
部からのみならずファイルなどからの入力を含み、本来
の入力のみならずエコーバックや修正・編集などを含
む。同様に、「出力」とは、外部へのみならずファイル
などへの出力を含み、本来の出力のみならず出力範囲の
指定などを含む。また、ユーザインタフェースの形式
も、対話形式、メニュー形式、グラフィカルユーザイン
タフェースやマルチウインドウなど自由である。なお、
対話的入出力手順によって入力と出力を一体的操作によ
って実現してもよく、このような一体的操作によって、
選択・指定・特定などの処理を行ってもよい。
【0036】また、本明細書におけるデータの表現形式
やデータの格納手段の形式は自由で、例えば、データの
格納場所は内部記憶や外部記憶でもよく、ファイル形式
を用いるかも自由である。また、データは必要な間だけ
保持されれば十分でその後消滅してもよい。また、辞書
データのように当面変更されない情報はROMに格納し
てもよい。
【0037】また、本明細書で明示せずとも、動作に必
要な一般的な情報やその格納領域、例えば、各種ポイン
タ、スタック、カウンタ、フラグ、パラメータ、ワーク
エリア、バッファなどが適宜用いられる。
【0038】実施の形態の各部分が処理に要する情報
は、特に記載がない場合、当該情報を保持している他の
部分から獲得され、例えば、当該情報を格納している変
数やメモリへのアクセスによって獲得される。また、実
施の形態は、他のソフトウェアとともに又はその一部と
して実現したり、機能の一部を電子回路に置き換えても
よい。
【0039】(1)実施の形態の構成 本形態は、要因に基づいて予測を行う予測支援装置であ
る予測支援装置(以下「本装置」という)及びこの予測
支援装置において実行される予測支援方法であり、要因
は、予測すべき予測値に影響を与える要因であって予測
の基礎として与えられたものである。
【0040】本形態は、請求項1〜12に対応するもの
で、本形態の目的は、予測結果の信頼性の判断及び補正
が容易な予測支援装置及び予測支援方法を提供すること
である。また、本形態の他の目的は、構成が容易な予測
支援装置及び予測支援方法を提供することである。ま
た、本形態の他の目的は、予測値の信頼性及び予測精度
が優れた予測支援装置及び予測支援方法を提供すること
である。また、本形態の他の目的は、処理が効率的な予
測支援装置及び予測支援方法を提供することである。ま
た、本形態の他の目的は、予測結果の把握が容易な予測
支援装置及び予測支援方法を提供することである。
【0041】まず、図1は、本装置の構成を示す機能ブ
ロック図である。本装置は、この図に示すように、予測
の基礎とすべき要因を入力する要因入力手段1と、与え
られた要因に基づいて予測値を計算する計算手段2と、
を有している。
【0042】ここで、計算手段2は複数の計算機構を有
する。図2は、計算手段2を中心に本装置の一部の具体
的な構成を示す機能ブロック図である。本形態では、こ
の図に示すように、前記各計算機構としてニューラルネ
ットワークN1〜N5を用いる。各計算機構は、前記予
測値の値域を区分した複数の範囲ごとにそれぞれ対応し
て設けられるもので、与えられた要因に基づいて、予測
値が対応する範囲となる可能性を計算するように構成さ
れている。なお、値域は、必ずしも等しい数値の幅で区
切る必要はなく、重要な部分は細かく需要幅を区切るな
どしてよい。
【0043】また、図3は、本形態において各計算機構
として用いられる各ニューラルネットワークN1〜N5
のうち、2つのニューラルネットワークN1,N2を抽
出して示した概念図である。
【0044】ニューラルネットワークは、一般に、動物
の神経回路網を模した工学的演算装置と定義される。ニ
ューラルネットワークにおいては、典型的には、多数の
素子(ニューロン素子)が複数層をなすように配置さ
れ、層の両端が入力層及び出力層とされる。各素子間に
は、入力層側から出力層側に向かって、刺激(信号)を
伝達するための荷重値(重み、結合強度、リンクなどと
もいう)が設定されている。図3では、略円形の図形が
素子U,I,Oを、素子間の矢印が荷重値及び信号の伝
達方向を示している。
【0045】このようなニューラルネットワークは、あ
らかじめ学習させることにより、入力層から入力される
入力パタンの特徴に応じて、対応する出力パタンを出力
層から出力させることができる。学習には、バックプロ
パゲーションに代表される学習アルゴリズムを用いる。
すなわち、入力パタンと、この入力パタンに対応する望
ましい出力パタンとの組を事例とし、相当数の事例を用
意する。そして、事例の入力パタンを入力層から入力
し、出力層のパタンが望ましい出力パタンに近付くよう
に、各荷重値を順次修正して行く。
【0046】なお、各素子が入力信号に対してどの様に
反応するかという反応特性を関数(特性関数、メンバシ
ップ関数)によって定義することも一般的であり、この
場合はこれら関数を修正することで学習を一層効果的に
することができる。例えば、素子への入力は入力層側の
各素子から伝達される信号の組み合わせであるが、素子
が反応し興奮する(次の層へ信号を出力する)組み合わ
せは反応特性の一例である。この組み合わせは、組み合
わせを構成する各信号を各次元とするユークリッド空間
上の球(超球)として表すことができ、超球の半径を広
げれば反応の対象となるパタンの多様性がより多く許容
される。
【0047】このように、本形態では、素子間の荷重値
又は素子の特性関数のうち少なくとも一方を調整するこ
とによってニューラルネットワークの学習が行われる。
このため、ニューラルネットワークにおける信号の伝達
経路がダイナミックに変化し、学習が効果的に行われ
る。
【0048】このような学習を済ませたニューラルネッ
トワークでは、入力パタンと出力パタンとの関係が蓄積
されており、入力パタンが入力されると、その特徴に応
じて対応するべき出力パタンが出力される。特に、ニュ
ーラルネットワークは、入力パタンの特徴的な部分をよ
り強く学習するので、入力パタンが学習時の入力パタン
とまったく同一でなくとも、同様の特徴を備えていれば
出力パタンが特定される。このため、入力パタンと出力
パタンとの間の関係を定式化することなく、パタン認識
や数値予測などに応用することが容易である。
【0049】本形態では、各計算機構のニューラルネッ
トワークN1〜N5間において、入力層の素子I(入力
素子)は共有し、すべてのニューラルネットワークN1
〜N5が同じ要因を入力パタンとして受け取る。そし
て、出力層の各素子O(出力素子)は、計算機構ごとに
単一のものとし、出力層の直前の最終層の各素子につい
ては、当該計算機構に対応する出力素子に限定して荷重
値を結合する。この構成によれば、出力素子Oには、当
該ニューラルネットワークの対応する値域の範囲の可能
性が出力信号の強さとして現れる。
【0050】ここで、本装置は、要因と、当該要因に対
応する予測すべき値の実績値との組である事例を入力す
るための事例入力手段3を有する(図1)。また、本装
置は、図示はしないが、前記各事例と所定の学習アルゴ
リズムに基づいて、各ニューラルネットワークの少なく
とも前記各荷重値を調整することによって計算機構を構
成する学習手段を有している。そして、事例を入力して
用い、各ニューラルネットワークの学習をあらかじめ済
ませておく。
【0051】このように、本形態では、計算機構とし
て、条件や関数の役割を果たすニューラルネットワーク
N1〜N5を用いている。そして、ニューラルネットワ
ークは、過去の事例の要因を入力パタン、各予測値の可
能性の高さを出力パタン(典型的には、出力層の1素子
が出力する刺激の強さ)とすれば、区分された値域の範
囲ごとの可能性を計算できる。ニューラルネットワーク
では、バックプロパゲーションなどの学習アルゴリズム
を用いれば、要因と実績値(予測値)との関係を定式化
することなく計算機構を構築することができるので、予
測支援装置及び予測支援方法の構成が容易になる。
【0052】なお、各計算機構は、要因の特徴に対して
各結論を対応付ける関係部Rと、前記各結論に対して具
体的な値域の各範囲を定義付ける定義部Dとに分けるこ
とができる(図2)。本形態では、条件や関数の役割を
果たすニューラルネットワークN1〜N5が関係部Rと
なっている。また、本形態では、出力層の出力素子Oが
各結論を表し、関係部Rと定義部Dとを接続している。
【0053】定義部Dは、各結論を表す出力素子Oに、
具体的な値の範囲をポインタPで接続しておくことによ
って実現できる。このように、本形態の計算機構では、
要因の特徴と値域の各範囲が直接対応付けられず、要因
の特徴は関係部Rによってまず結論と対応付けられる。
結論は、IDのような単なる接合点(ノード)であり、
それ自体のみでは具体的な値の範囲を持たない。
【0054】なお、本発明における各計算機構はニュー
ラルネットワークには限定されないので、要因と予測値
との関係を条件文や関数などで定式化し、これらを駆動
することによって可能性を算出してもよい。
【0055】また、本装置は、計算手段2の各計算機構
のいずれもが、与えられる要因に一致しないときにこの
不一致を検出する検出手段4と、前記不一致が検出され
た場合に、計算手段2の計算機構を調整する調整手段5
と、を有する。
【0056】(2)実施の形態の作用及び効果 上記のような構成を有する本装置における電力需要予測
は、次のように行われる。ここで、図4は、本装置にお
ける処理手順を示すフローチャートである。
【0057】[事例入力処理]まず、予測に先だって、
事例入力手段3から、十分な数の事例を入力し、所定の
記憶領域に格納しておく。これら事例は、要因とこの要
因に対応する需要実績値の組であり、計算機構における
不一致の検出や調整に用いる。本形態において、ニュー
ラルネットワークの学習後、事情の変更があり得るくら
いの期間が経過したあとでは、学習に用いた事例を流用
するべきではなく、最近のものを用いるべきである。
【0058】[要因入力処理]そして、要因入力手段1
から、予測すべき時点の電力需要に影響を与えると考え
られる要因の値を入力する(ステップ41)。要因の一
例は、季節を特定するための日付、平日か否か、当日の
予想最高気温などであり、特定時刻の需要予測の場合は
その時点での気温や時刻も含まれる。
【0059】[不一致の検出処理と調整処理]なお、検
出手段4は、計算機構の中に与えられる要因に一致する
ものがあるか否かを調べ、各計算機構のいずれもが与え
られる要因に一致しないときにこの不一致を検出する
(ステップ43,46)。そして、不一致が検出された
場合は、調整手段5が、計算手段2の計算機構を調整す
る(ステップ45,47)。
【0060】また、この調整では、不一致の原因に応じ
て異なった調整の手法を選択するので調整が効率化され
る。すなわち、本装置では、検出手段4は第1の検出手
段41及び第2の検出手段42を含み(図2)、また、
調整手段5は第1の調整手段51及び第2の調整手段5
2を含む。
【0061】そして、不一致の検出と調整の処理では、
まず、第1の検出手段41が、関係部Rにおける要因の
特徴と各結論との対応の不一致を検出する(ステップ4
3)。具体的には、例えば、予測すべき時点の直前の数
件の事例に対して、計算手段2によって予測結果を試算
し(ステップ42)、この試算結果と実際の電力需要値
を比較すればよい。この場合、試算された予測値と実績
値との間に、規則性のない大きな誤差が生じている場合
に、対応の不一致と判定できる。また、最新の事例や与
えられた要因について試算を行ったときに、一定以上の
出力(可能性)を示す出力素子Oが存在しない場合も、
不一致が存在すると考えられる。
【0062】また、例えば、関係部Rが条件文によって
構成されているとき、要因の数値が未知のもので、この
数値を含む範囲に係る条件判断文を持つ計算機構が存在
しないときは、対応の不一致と判定できる。
【0063】このように、要因の特徴(例えば気象条
件)が未知であったり、要因の特徴と結論との関係自体
が本質的に変動した場合は、第1の調整手段51が、関
係部Rについて条件や関数の種類、その具体的パラメー
タなどを変更することによって、要因の特徴と結論との
対応を調整する(ステップ45)。この場合、本形態の
ニューラルネットワークN1〜N5は、事例と、バック
プロパゲーションなどの学習アルゴリズムを用いて調整
することができる。
【0064】なお、本装置は選択手段6を有し(図
1)、対応の不一致の場合は、選択手段6が、対応する
要因の特徴の範囲が前記与えられた要因に最も近い計算
機構を、調整の対象として選択する(ステップ44)。
このため、調整自体が容易で、また、調整による予測精
度への影響が最小限となる。また、調整に用いる事例と
しても、与えられている要因(例えば気象条件)と要因
が近いものを選択すれば、一層調整の効率が向上する。
【0065】また、各結論と各範囲との定義の不一致
は、第2の検出手段42によって検出される(ステップ
46)。ここで検出される不一致は、すなわち事例の実
績値と定義部のずれであり、その原因の例は社会規模拡
大による電力需要規模全体の増大である。この不一致
は、例えば、最近数件の事例の要因について予測結果を
試算し、得られた結果と実績値を比較することで発見で
きる。例えば、気象条件を含んで要因を入力しているに
も拘らず、計算手段2がすべての事例について小さな数
値を生じるときは需要全体が拡大したことを意味する。
【0066】この場合は、結論に定義付ける値域の範囲
がずれただけであり、第2の調整手段52が、定義部D
における当該定義を調整する(ステップ47)。この場
合は、各結論と具体的な値の範囲との関係をずらして再
定義するだけで容易に調整が完了する。
【0067】例えば、図2では、最大の可能性である
0.8は、ある時点の需要が140〜160MW(メガ
ワット)となる可能性を表しているが、このように示さ
れる予測値がことごとく事例より20MW程度低い場
合、定義部Dにおける定義を20MW程度高く調整す
る。
【0068】この場合、図5は、需要全体が拡大してい
る場合に、結論と値を定義付けるポインタPをつなぎ換
えることによって、再定義した後の状態を示す。この状
態では、ニューラルネットワークN3の出力素子Oの信
号の強さは、調整前と同様に最大の可能性である0.8
を生じているが、この可能性は調整前より20MW高い
160〜180MWに対応している。
【0069】もちろん、再定義による調整はポインタの
つなぎ換えではなく、例えば、電力需要の変化量分だけ
数値自体を加減することで行ってもよい。
【0070】このように、本形態では、社会規模の拡大
による電力需要の増大や、要因と実績値との関係の変動
など、事情変更が生じた場合も、最近の事例によって計
算機構を調整し、予測精度を維持することができる。
【0071】[予測値の計算]不一致が検出されなかっ
た場合、又は、調整後には、与えられた要因に対し、各
計算機構はそれぞれ、予測値が自己の担当する値になる
可能性を計算する(ステップ48)。この結果、予測値
は、唯一の値ではなく、複数の値の範囲となる各々の可
能性として得られ、予測値の信頼性の判断が容易にな
る。
【0072】また、各計算機構は、要因が持ち得る多様
な特徴のうち、担当する値域の範囲の予測値をもたらす
特徴にのみ反応して高い可能性を出力すればよい。この
ため、各計算機構の構成が容易になる。また、各計算機
構は、担当しない範囲について無理に判断する必要がな
いので、予測値の信頼性自体も向上する。
【0073】[予測結果の出力]本装置は、予測結果を
出力する出力手段7を有しており、上記のように計算さ
れた結果は、出力手段7によって出力される(ステップ
49)。図6は、予測結果の出力例を示す図である。こ
の図では、値域に含まれる各需要範囲について、その需
要範囲に予測すべき時点の需要がある可能性が列挙され
ており、ここの需要範囲については、「需要値がXメガ
ワットからYメガワットである可能性はZ」という形式
で情報が提示されていることになる。なお、このように
需要範囲ごとに区分された可能性が出力されている場合
でも、可能性が一番高い値のみを読み取って利用すれ
ば、従来の予測支援装置及び予測支援方法と同様に唯一
の予測値が出力されたと同様の用いかたも可能となる。
【0074】なお、出力の形式や順序は自由で、例え
ば、可能性が高い順に需要範囲を列挙してもよい。図7
は、可能性が高い順に需要範囲を列挙する形式での出力
例を示す図である。
【0075】さらに、予測値の各範囲ごとの各可能性
は、二次元のグラフの形式で出力することが望ましい。
このようにすれば、結果を一見して視覚的に把握するこ
とが容易になる。もちろん、グラフは立体的な柱状グラ
フなど三次元以上のものを用いてもよい。図8は、出力
素子(Unit)数がより多い場合の数値予測につい
て、線グラフの形式による予測結果の出力例を示す図で
ある。
【0076】[補正の処理]このように出力された予測
結果に対して、人間の専門家は、予測支援装置に入力し
ていない要因の影響を判断して補正すればよい。このと
き、例えば、一つの値の可能性が突出して高ければその
数値の信頼性は高い。また、特定の中央値の可能性を頂
点として周囲の可能性が高ければ、予測値には幅があり
得ると解釈すべきである。また、高い可能性を示す計算
機構がないときは、当該計算手段及び計算機構の持つ判
断ルールないしパラメータには、要因に対して高い信頼
性をもって判断できる要素が含まれないことになる。
【0077】このように予測値の信頼性が低い場合は、
数値予測の手法として従来から知られる回帰分析や、人
間の専門家の判断などに基づいてある程度予測結果を修
正しても差支えない。むしろ、このような修正によって
予測値から大きな誤差を排除し、予測精度の向上を図る
ことができる。
【0078】この補正に関し、本装置は、予測の結果を
補正する補正手段8を有するので、予測結果に基づいた
後続する処理が効率化される。すなわち、桁の少ない単
一の値を一度だけ予測し後続する処理もない場合は、画
面表示された数字を人間の思考で変更し書き取ればよ
い。一方、数値の数や桁が多い場合や予測値に基づいて
情報処理などの後続する処理がある場合は、補正手段8
によって処理が効率化される。
【0079】このような補正手段8は、例えば、表示画
面上に可能性と共に列挙された各範囲の値のうち、所望
のものをマウスクリックし、最終結果として選択するこ
とで実現できる。また、補正手段8は、例えば、表示中
の予測値について、キーボードの上下矢印キーを押して
数字を増減させ修正することで実現できる。
【0080】(3)他の実施の形態 なお、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、
実施態様の変更は自由であるから、次に例示するような
他の実施形態をも包含するものである。例えば、本発明
は、電力需要のみならず他の種々の予測に用いても、同
様の効果を得ることができる。また、用途に応じて要因
の具体的内容は自由に定めることができる。
【0081】また、計算機構はニューラルネットワーク
には限定されず、回帰分析、エキスパートシステムなど
他の種類の所望の機構を用いることができる。また、複
数の形式の計算機構を単一の計算手段の構成に同時に用
いてもよい。さらに、ニューラルネットワークを用いる
ときもその形式は自由であり、例えばシミュレーション
によって実現される形式でも、電子回路を用いて実現さ
れる形式でもよい。また、不一致の検出や計算機構の調
整の手法は自由であり、計算機構の形式や目的に応じて
自由に選択することができる。
【0082】また、予測支援装置及び予測支援方法の対
象は一般に狭義の数値には限定されず、コード番号など
で数値化しコンピュータで処理できる各種の事象が含ま
れる。したがって、本明細書で数値というときは、数値
化し得る各種事象を含む広い概念を意味する。
【0083】
【実施例】図9は、上記形態において、日毎最大電力需
要予測を行った場合の結果の一例を示す図である。この
実験は、1990年5月から1992年3月の平日を対
象として行ったもので、毎日の予測結果については、最
も高い可能性があると判定された需要範囲の中心値をそ
の日の電力需要予測値とみなした。
【0084】図9によれば、予測値について高い可能性
が出力されるにつれて、実測値との関係における予測誤
差が小さくなっている。また、予測誤差の平均値の両側
に予測誤差の標準偏差の2倍ずつをとった95%存在範
囲、平均値の両側に標準偏差の3倍ずつをとった99%
存在範囲をみても、予測値の可能性が高くなるにつれて
実測値との予測誤差の存在範囲が狭くなっている。
【0085】このように、本発明によれば、高い可能性
を示す予測値について高い予測精度が対応するので、各
予測値の可能性に基づいて予測結果全体の信頼性を判断
することが容易である。加えて、本発明によれば、予測
精度自体についても優れた成果が期待できる。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
予測値は、唯一の値ではなく、複数の値の範囲となる各
々の可能性として得られるので、予測値の信頼性の判断
が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における予測支援装置の構
成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の実施の形態における予測支援装置の一
部について、計算手段を中心に具体的な構成を示す機能
ブロック図。
【図3】本発明の実施の形態において各計算機構を構成
する各ニューラルネットワークN1〜N5のうち2つの
ニューラルネットワークN1,N2を抽出して示した概
念図。
【図4】本発明の実施の形態の予測支援装置及び予測支
援方法における処理手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の実施の形態の予測支援装置の一部につ
いて、再定義した後の状態を示す機能ブロック図。
【図6】本発明の実施の形態における予測結果の出力例
を示す図。
【図7】本発明の実施の形態において、可能性が高い順
に需要範囲を列挙する形式での出力例を示す図。
【図8】本発明の実施の形態において、線グラフの形式
による予測結果の出力例を示す図。
【図9】本発明の実施例において、日毎最大電力需要予
測を行った場合の結果の一例を示す図。
【符号の説明】
1…要因入力手段 2…計算手段 3…事例入力手段 4…検出手段 5…調整手段 6…選択手段 7…出力手段 8…補正手段 N…ニューラルネットワーク U…素子 I…入力素子 O…出力素子 R…関係部 D…定義部 P…ポインタ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予測すべき予測値に影響を与える要因で
    あって予測の基礎として与えられた要因に基づいて予測
    を行う予測支援装置において、 前記与えられた要因に基づいて予測値を計算する計算手
    段を有し、 前記計算手段は複数の計算機構を有し、 前記各計算機構は、前記予測値の値域を区分した複数の
    範囲ごとにそれぞれ対応して設けられ、かつ、前記与え
    られた要因に基づいて、前記予測値が対応する前記範囲
    となる可能性を計算するように構成されたことを特徴と
    する予測支援装置。
  2. 【請求項2】 前記各計算機構としてニューラルネット
    ワークを用い、 前記要因と、当該要因に対応する予測すべき値の実績値
    との組である事例を入力するための事例入力手段と、 前記各事例と所定の学習アルゴリズムに基づいて、前記
    各ニューラルネットワークを学習させる学習手段と、 を有することを特徴とする請求項1記載の予測支援装
    置。
  3. 【請求項3】 前記学習手段は、 前記ニューラルネットワークを構成する各素子につい
    て、素子間の荷重値又は素子の特性関数のうち少なくと
    も一方を調整するように構成されたことを特徴とする請
    求項2記載の予測支援装置。
  4. 【請求項4】 前記要因と、当該要因に対応する予測す
    べき値の実績値との組である事例を入力するための事例
    入力手段と、 前記計算手段の前記各計算機構のいずれもが、与えられ
    る要因に一致しないときにこの不一致を検出する検出手
    段と、 前記不一致が検出された場合に、前記計算手段の前記計
    算機構を調整する調整手段と、 を有することを特徴とする請求項1記載の予測支援装
    置。
  5. 【請求項5】 前記各計算機構は、少なくとも条件又は
    関数を用いて前記要因の特徴に対して各結論を対応付け
    る関係部と、前記各結論に対して具体的な前記値域の前
    記各範囲を定義付ける定義部とを含み、 前記検出手段は、 前記要因の特徴と前記各結論との前記対応の不一致を検
    出する第1の検出手段と、 前記各結論と前記各範囲との前記定義の不一致を検出す
    る第2の検出手段と、を含み、 前記調整手段は、 前記第1の検出手段によって前記対応の不一致が検出さ
    れた場合に、前記関係部における当該対応を調整する第
    1の調整手段と、 前記第2の検出手段によって前記定義の不一致が検出さ
    れた場合に、前記定義部における当該定義を調整する第
    2の調整手段と、を含む、 ことを特徴とする請求項4記載の予測支援装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の検出手段によって前記対応の
    不一致が検出されたときに、対応する要因の特徴の範囲
    が前記与えられた要因に最も近い前記計算機構を、前記
    第1の調整手段による調整の対象として選択する選択手
    段を有することを特徴とする請求項5記載の予測支援装
    置。
  7. 【請求項7】 予測すべき予測値に影響を与える要因で
    あって予測の基礎として与えられた要因に基づいて予測
    を行う予測支援方法において、 前記与えられた要因に基づいて予測値を計算する計算処
    理を含み、 前記計算処理は複数の計算機構を用い、 前記各計算機構は、前記予測値の値域を区分した複数の
    範囲ごとにそれぞれ対応して用いられ、かつ、前記与え
    られた要因に基づいて、前記予測値が対応する前記範囲
    となる可能性を計算することを特徴とする予測支援方
    法。
  8. 【請求項8】 前記各計算機構としてニューラルネット
    ワークを用い、 前記要因と、当該要因に対応する予測すべき値の実績値
    との組である事例を入力するための事例入力処理と、 前記各事例と所定の学習アルゴリズムに基づいて、前記
    各ニューラルネットワークを学習させる学習処理と、 を含むことを特徴とする請求項7記載の予測支援方法。
  9. 【請求項9】 前記学習処理は、 前記ニューラルネットワークを構成する各素子につい
    て、素子間の荷重値又は素子の特性関数のうち少なくと
    も一方を調整することを特徴とする請求項8記載の予測
    支援方法。
  10. 【請求項10】 前記要因と、当該要因に対応する予測
    すべき値の実績値との組である事例を入力するための事
    例入力処理と、 前記計算処理に用いる前記各計算機構のいずれもが、与
    えられる要因に一致しないときにこの不一致を検出する
    検出処理と、 前記不一致が検出された場合に、前記計算処理に用いる
    前記計算機構を調整する調整処理と、 を含むことを特徴とする請求項7記載の予測支援方法。
  11. 【請求項11】 前記各計算機構は、少なくとも条件又
    は関数を用いて前記要因の特徴に対して各結論を対応付
    ける関係部と、前記各結論に対して具体的な前記値域の
    前記各範囲を定義付ける定義部とを含み、 前記検出処理は、 前記要因の特徴と前記各結論との前記対応の不一致を検
    出する第1の検出処理と、 前記各結論と前記各範囲との前記定義の不一致を検出す
    る第2の検出処理と、を含み、 前記調整処理は、 前記第1の検出処理によって前記対応の不一致が検出さ
    れた場合に、前記関係部における当該対応を調整する第
    1の調整処理と、 前記第2の検出処理によって前記定義の不一致が検出さ
    れた場合に、前記定義部における当該定義を調整する第
    2の調整処理と、を含む、 ことを特徴とする請求項10記載の予測支援方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の検出処理によって前記対応
    の不一致が検出されたときに、対応する要因の特徴の範
    囲が前記与えられた要因に最も近い前記計算機構を、前
    記第1の調整処理による調整の対象として選択する選択
    処理を含むことを特徴とする請求項11記載の予測支援
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016164771A (ja) * 2015-02-27 2016-09-08 キヤノンマーケティングジャパン株式会社 情報処理装置、制御方法、及びプログラム
JP2016181204A (ja) * 2015-03-25 2016-10-13 東芝情報システム株式会社 数量予測システム及び数量予測用プログラム
JPWO2017038354A1 (ja) * 2015-09-03 2018-06-21 日本電気株式会社 情報提供装置、情報提供方法、及び、プログラム
WO2021176984A1 (ja) * 2020-03-03 2021-09-10 オムロン株式会社 モデル生成装置、推定装置、モデル生成方法、及びモデル生成プログラム

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