JPH09165474A - 舗装材用顆粒状着色剤組成物 - Google Patents

舗装材用顆粒状着色剤組成物

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JPH09165474A
JPH09165474A JP7328530A JP32853095A JPH09165474A JP H09165474 A JPH09165474 A JP H09165474A JP 7328530 A JP7328530 A JP 7328530A JP 32853095 A JP32853095 A JP 32853095A JP H09165474 A JPH09165474 A JP H09165474A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アスファルトに対して顔料分散性、分配性に
優れ、作業性にも優れる舗装材用の着色剤組成物を提供
すること。 【解決手段】 ポリオレフィン系ワックス100重量部
に顔料25〜900重量部を分散してなる舗装材用顆粒
状着色剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は舗装材用着色剤に関
するものであり、詳しくは顆粒状の舗装材用着色剤に関
するものである。さらに詳しくは発色安定性が良好で、
かつ高い着色力が得られ、舗装結合剤であるアスファル
ト中での分配性にも優れる舗装材用顆粒状着色剤に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に道路等の舗装は、表層の骨材結合
剤としてアスファルトが用いられるため、舗装路の表面
はアスファルトの色により濃い暗色を呈している。しか
し、近年車道においては交通渋滞の緩和、交通事故の防
止を目的とする進路区分、車両区分等の色分け、また遊
歩道等においては景観の向上を目的とする着色舗装への
要求が高まっている。
【0003】従来、着色舗装は、アスファルトプラント
あるいは舗装現場で弁柄、酸化クロム等の顔料、または
マスターバッチ(すなわち、顔料と熱可塑性樹脂とを加
熱混練してなるペレット状またはフレーク状の着色剤組
成物)を骨材と混合したものに加熱溶融したアスファル
トをスプレー混合するか、あるいは140℃以上、例え
ば160〜170℃で予め加熱溶融したアスファルトに
顔料、またはマスターバッチを混合してから骨材と混合
することにより行われていた。
【0004】しかし、顔料を直接使用した場合、顔料の
分散不良により、充分な発色性、着色力が得られず、ま
た色むら、色すじを引き起こす。特に2種以上の顔料を
使用した配合色の場合には係る不具合が顕著であった。
また、比較的顔料分散が容易な無機顔料は辛うじて直接
使用できるが、顔料分散が困難な有機顔料については直
接使用することは全くできなかった。また、顔料を直接
使用した場合、骨材あるいはアスファルトと混合する際
の混合時間、混合温度、混合機の種類、サイズ等の混合
条件により、顔料の分散状態が変化し、安定した発色性
が得られず、舗装色のばらつきを引き起こすという問題
も有していた。作業性においても、計量、投入、混合時
の顔料の飛散、付着が激しいことから、作業環境が悪化
し、また流動性がないため、自動化も難しかった。
【0005】一方、マスターバッチを使用した場合は、
マスターバッチ中の熱可塑性樹脂の軟化点や溶融粘度が
高いため、アスファルト中でマスターバッチが速やかに
はほぐれ難く、分配しにくいため、色むら、色すじを引
き起こしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アス
ファルトに対して顔料分散性、分配性に優れ、作業性に
も優れる舗装材用の着色剤組成物を提供することにあ
る。本発明者は、上記の課題を解決するため、着色剤組
成物および着色剤形状に関して鋭意検討した結果、熱可
塑性樹脂ではなくポリオレフィン系ワックスに顔料を分
散させた分散体を粉砕・分級処理した顆粒状着色剤を用
いることで、顔料分散性、分配性、作業性が大幅に向上
することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1の発明
は、ポリオレフィン系ワックス100重量部に顔料25
〜900重量部を分散してなる舗装材用顆粒状着色剤組
成物である。
【0008】第2の発明は、ポリオレフィン系ワックス
のビカット軟化点が40〜70℃であることを特徴とす
る第1の発明記載の舗装材用顆粒状着色剤組成物であ
る。
【0009】第3の発明は、ポリオレフィン系ワックス
の140℃における溶融粘度が0.5〜30ポイズであ
ることを特徴とする第1の発明または第2の発明記載の
舗装材用顆粒状着色剤組成物である。
【0010】第4の発明は、着色剤組成物のビカット軟
化点が50〜90℃であることを特徴とする第1の発明
ないし第3の発明いずれか記載の舗装材用顆粒状着色剤
組成物である。
【0011】第5の発明は、着色剤組成物の140℃に
おける溶融粘度が10〜1000ポイズであることを特
徴とする第1の発明ないし第4の発明いずれか記載の舗
装材用顆粒状着色剤組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の着色剤は、顔料分散性が
良好なため、顔料を直接使用する場合に比べ、着色力が
大きく、同一顔料濃度で鮮やかな舗装色が得られ、また
発色安定性にも優れ、骨材あるいはアスファルトとの混
合条件による舗装色のばらつきが無くなり、安定した舗
装色を得ることができるようになった。さらに、顔料を
直接使用する場合に比べ、飛散性、付着性が少ないため
作業性が向上し、同時に流動性が良好なことから計量、
投入作業の自動化を容易に図ることができるようになっ
たものである。
【0013】また、熱可塑性樹脂を用いるペレット状の
マスターバッチと比較した場合、本発明の着色剤は、用
いられるワックスの軟化点や溶融粘度が低く、着色剤の
軟化点や溶融粘度も低く、しかも形状を顆粒状としたこ
とによって表面積が大きくなり、アスファルトに対する
分配性が向上し、軽い攪拌で色むらのない均一な着色状
態が得られるようになったものである。
【0014】本発明において用いられるポリオレフィン
系ワックスは、ポリエチレンワックス、ポリプロピレン
ワックス、それらの酸化型ワックスおよびスチレン変性
ワックス、マレイン酸変性ワックスなどの変性ポリオレ
フィン系ワックスが挙げられ、ビカット軟化点が40〜
70℃であることが好ましく、また140℃における溶
融粘度としては0.5〜30ポイズであることが好まし
い。また、重量平均分子量が1,000〜10,000
のものが好ましい。ビカット軟化点や溶融粘度の高い熱
可塑性樹脂ではなく、ビカット軟化点や溶融粘度の低い
ポリオレフィン系ワックスを用いることによって、本発
明の着色剤組成物は、アスファルトに速やかに分配でき
るようになったものである。
【0015】本発明において用いられる顔料は、無機顔
料および有機顔料のいずれでも良く、特に限定されない
が、耐侯性が良好な顔料が望ましい。即ち無機顔料とし
ては酸化チタン、酸化クロム、チタンイエロー、弁柄な
どで、有機顔料としてはフタロシアニンブルー、フタロ
シアニングリーン、キナクリドンレッド、ペリレンレッ
ドなどである。その配合量はポリオレフィン系ワックス
100重量部に対して、25〜900重量部であり、2
5重量部未満では粉砕工程における粒度コントロールが
困難になり、900重量部を越えると顔料分散性が著し
く低下したり、アスファルトに対する分配性が低下す
る。
【0016】本発明の顆粒状着色剤組成物の軟化点や溶
融粘度は、用いられるポリオレフィン系ワックス、顔
料、ポリオレフィン系ワックス/顔料の配合比によって
変わるが、アスファルトへの速やかな分配を考慮すれ
ば、ビカット軟化点が50〜90℃であることが好まし
く、また140℃における溶融粘度としては10〜10
00ポイズであることが好ましい。すなわち、顆粒状着
色剤組成物のビカット軟化点が90℃を越えたり、14
0℃における溶融粘度が1000ポイズを越えると、ア
スファルトへの速やかな分配性が損なわれる傾向にあ
る。
【0017】本発明の顆粒状着色剤組成物は、通常の製
造工程で製造でき、その一例を次に説明する。即ちニー
ダー、3本ロールなどの混練機により、顔料をポリオレ
フィン系ワックスに分散させた分散体を回転式せん断粉
砕機などの粉砕機により粉砕すればよい。顆粒状着色剤
組成物の粒径は0.2〜1.5mmであることが好まし
く、さらに好ましくは0.4〜1.0mmである。0.
2mm未満では飛散性が大きくなり、作業性が悪化し、
一方、1.5mmを越えるとアスファルトとの混合の際
に、着色剤の分配性、ほぐれ性が低下する。
【0018】本発明の顆粒状着色剤組成物と共に用いら
れる舗装用骨材は粒状材料であれば特に制限はなく、砂
利、砕石、砂などアスファルト舗装などで一般的に使用
される骨材である。
【0019】また、本発明の顆粒状着色剤組成物と共に
用いられるアスファルトとしては、石油アスファルト、
天然アスファルト、アスファルトセメント、脱色アスフ
ァルトなどが挙げられる。アスファルトを着色するのに
使用する着色剤量は、使用顔料によっても異なるが、一
般にアスファルト100重量部に対して、5〜30重量
部で着色可能である。5重量部未満では、アスファルト
の色に顔料の色が消され所望の着色ができない恐れがあ
り、30重量部を超えると着色コストが割高になり、ま
た物性強度にも悪影響を及ぼす可能性がある。尚、脱色
アスファルトを使用する場合には、着色剤使用量は上記
範囲よりも少なくすることができ、アスファルト100
重量部に対して、3〜10重量部である。
【0020】さらに、本発明の顆粒状着色剤組成物に
は、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤などの種々
の配合剤を添加しても良い。
【0021】
【実施例】次に本発明の効果を更に詳しく説明するため
に、実施例と比較例を挙げる。 (実施例1)ポリエチレンワックス(ビカット軟化点5
7.3℃、140℃における溶融粘度4ポイズ)100
重量部に対して、酸化チタン230重量部を3本ロール
で分散させた分散体を、回転式せん断粉砕機により粒度
が0.3〜1.0mmになるよう粉砕・分級し、舗装材
用顆粒状着色剤組成物(ビカット軟化点65.0℃、1
40℃における溶融粘度157ポイズ)を作製した。次
に予め170℃のオーブンに放置し、溶融させた脱色ア
スファルト400gを金属缶に入れ、それに前記顆粒状
着色剤組成物40gを添加し、ラボミキサーにより回転
数3000rpmで2分間攪拌した後、φ50mm,高
さ30mmの円筒状金属缶にプレミックス品を流し込
み、自然冷却して固化させた。
【0022】該プレミックス品の表面を分光光度計を用
いて、表色系CIE1976(L*, a* , b* ) 、標
準光源D6510により測色し、以下に示す同顔料使用し
た比較例との色差(△L* 値、△a* 値、△b* 値、△
* 値)から着色力を評価した。また前記プレミックス
品を少量切り取り、プレパラート上で加熱しながら薄く
のばした後、目視により色むらの有無を観察し、分配性
を評価した。更に光学顕微鏡により粒径30μm以上の
粗大顔料粒子の有無を観察し、顔料分散性を評価した。
【0023】(実施例2〜6)表2に示すポリオレフィ
ン系ワックス、および顔料を用いて実施例1と同様の方
法で顆粒状着色剤組成物作製し、同様の評価を行った。
なお、実施例6は、ビカット軟化点57.6℃、140
℃における溶融粘度12ポイズのポリエチレンワックス
を用いた。
【0024】(比較例1)溶融させた脱色アスファルト
400gに酸化チタン28gを添加し、実施例1と同様
にプレミックス品を作製し、同様の評価を行った。
【0025】(比較例2)溶融させた脱色アスファルト
400gに酸化チタン16.8g、フタロシアニングリ
ーン8gを添加し、実施例1と同様にプレミックス品を
作製し、同様の評価を行った。
【0026】(比較例3)溶融させた脱色アスファルト
400gに酸化チタン14g、弁柄14gを添加し、実
施例1と同様にプレミックス品を作製し、同様の評価を
行った。
【0027】(比較例4〜6)表2に示す直鎖状低密度
ポリエチレン、および顔料等をミキサー撹拌後、二軸押
出機により加熱混練して、直径2mm、長さ2mmのペ
レット状着色剤組成物(マスターバッチ)を作製し、同
様の評価を行った。
【0028】これらの評価結果を表1、3に示した。な
お、ビカット軟化点、溶融粘度は以下の方法に従い求め
た。
【0029】ビカット軟化点:ポリオレフィン系ワック
ス、直鎖状低密度ポリエチレン、顆粒状着色剤組成物、
マスターバッチをそれぞれ加熱プレス成形し、厚さ4m
mのプレスシートを試料とし、荷重1kgで、JIS K
7206に準じて測定した。
【0030】東洋精機(株)製キャピログラフ1Cを用
いて、140℃における溶融粘度を以下の条件にて求め
た。 オリフィス径:1mm オリフィス長さ:10mm シリンダー径:9.55mm 押し出し速度:50mm/min.
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】顔料を直接使用した場合と顆粒状着色剤組
成物を使用した場合の色差をみると、まず比較例1、実
施例1の白色着色では顆粒状着色剤組成物を使用するこ
とにより、明度が大きくなって明らかに白度が増加し
た。比較例2、実施例2の緑色着色では、顆粒状着色剤
組成物を使用することにより、a* 値が大幅に小さく
(緑味方向)なり、かつ彩度が大きくなって、より鮮や
かな緑色を示した。比較例3、実施例3の赤色着色で
は、顆粒状着色剤組成物を使用することにより、a*
が大きく(赤味方向)なり、かつ彩度が大きくなって、
より鮮やかな赤色を示した。
【0035】これは、顔料分散性評価結果からもわかる
ように、予め顔料を分散加工しておいた顆粒状着色剤組
成物を使用することにより、アスファルト中に顔料が十
分に分散し、顔料が持つ本来の色、着色力が得られたた
めである。したがって実施例2に示すような従来の方法
では使用できなかったフタロシアニングリーンなどの有
機顔料も本発明の顆粒状着色剤組成物とすることによっ
て、使用可能になった。
【0036】また比較例4、実施例1の白色着色につい
て、マスターバッチを使用した場合と顆粒状着色剤組成
物を使用した場合の色差をみると、顆粒状着色剤組成物
を使用することにより、明度が大きくなり、白色度が増
加した。
【0037】また比較例5、実施例4の赤色着色につい
て、マスターバッチを使用した場合と顆粒状着色剤組成
物を使用した場合の色差をみると、顆粒状着色剤組成物
を使用することにより、a* 値(赤味方向)および彩度
が大きくなり、より鮮やかな赤色を示した。
【0038】また比較例6、実施例5の緑色着色につい
て、マスターバッチを使用した場合と顆粒状着色剤組成
物を使用した場合の色差をみると、顆粒状着色剤組成物
を使用することにより、a* 値が小さく(緑味方向)な
り、かつ彩度が大きくなって、より鮮やかな緑色を示し
た。
【0039】以上の結果は、分配性評価結果からもわか
るように、顆粒状着色剤組成物はマスターバッチに比
べ、色むらが無く、均一に着色されることにより、高い
着色力が得られたためである。
【0040】
【発明の効果】以上のごとく本発明によれば、舗装時に
ポリオレフィンワックス100重量部に顔料25〜90
0重量部を分散してなる舗装材用顆粒状着色剤を使用す
ることで、顔料分散性、分配性が向上し、十分な発色、
着色力が得られ、それに伴ってアスファルトとの混合条
件等による舗装色のばらつきも無くなり、同時に作業性
も向上することができるようになった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系ワックス100重量部
    に顔料25〜900重量部を分散してなる舗装材用顆粒
    状着色剤組成物。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系ワックスのビカット軟
    化点が40〜70℃であることを特徴とする請求項1記
    載の舗装材用顆粒状着色剤組成物。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系ワックスの140℃に
    おける溶融粘度が0.5〜30ポイズであることを特徴
    とする請求項1または2記載の舗装材用顆粒状着色剤組
    成物。
  4. 【請求項4】 着色剤組成物のビカット軟化点が50〜
    90℃であることを特徴とする請求項1ないし3いずれ
    か記載の舗装材用顆粒状着色剤組成物。
  5. 【請求項5】 着色剤組成物の140℃における溶融粘
    度が10〜1000ポイズであることを特徴とする請求
    項1ないし4いずれか記載の舗装材用顆粒状着色剤組成
    物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10279772A (ja) * 1997-04-07 1998-10-20 Toyo Ink Mfg Co Ltd 舗装材用着色剤組成物
CN110511483A (zh) * 2019-08-15 2019-11-29 浙江四通新材料科技股份有限公司 一种红颜料分散充分的聚丙烯原混料及制备方法

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