JPH0916530A - 仮想空間管理方法及び装置 - Google Patents

仮想空間管理方法及び装置

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JPH0916530A
JPH0916530A JP7166529A JP16652995A JPH0916530A JP H0916530 A JPH0916530 A JP H0916530A JP 7166529 A JP7166529 A JP 7166529A JP 16652995 A JP16652995 A JP 16652995A JP H0916530 A JPH0916530 A JP H0916530A
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computer
virtual space
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computers
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Application number
JP7166529A
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English (en)
Inventor
Keiichi Teramoto
圭一 寺本
Toshio Okamoto
利夫 岡本
Yoshiyuki Tsuda
悦幸 津田
Akira Nakamura
明 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実際には単体で処理を行なう計算機が複数で
共通して1つの仮想空間を利用しても、相互の計算機が
どのようにこの空間を利用しているか等の管理を簡単に
でき、OSやアプリケーションを効率良く動作させるこ
とができる。 【構成】 本発明は、複数の計算機と相互に通信するた
めの通信手段からなるシステムにおける仮想空間管理方
法であって、プログラムあるいはデータを配置するため
の仮想空間が各計算機から共有されており、この仮想空
間は複数の小領域を含む複数の大領域に分割されてお
り、この大領域は各計算機に対し仮に割り当てられてお
り、各計算機は通信手段による他の計算機との通信を行
なわずに管理できる仮想空間の一部を要求し、この要求
に応えて要求した計算機に仮に割り当てられた大領域に
含まれる仮想空間の小領域を、要求した計算機に順次割
り当て、要求した計算機は割り当てられた仮想空間の小
領域を管理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、相互に接続された複数
の計算機間でネットワーク共有メモリ機構を構築する際
に仮想空間の大域的な領域の配置を管理/制御する仮想
空間管理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、計算機性能の向上とネットワーク
技術の進歩により、複数の計算機上でプログラムを動作
させ、通信しながら協調して処理を進めていく分散処理
が一般化してきている。
【0003】従来からの計算機を用いての処理形態で
は、1台の計算機で、単独にすべての処理を行なってい
た。したがって、計算機資源を管理し、アプリケーショ
ンプログラムにサービスを提供する基本プログラムであ
るオペレーティングシステム(OS)は、単独システム
用のものが古くから開発され利用されてきた。例えば、
AT&T社が開発したUNIXやIBM社のMVSなど
のOSがその代表例である。
【0004】ここで、新しい分散処理の形態に拡張する
ために、従来からのOSを拡張して対応させることは、
比較的容易である。つまり、従来からの機能を維持しつ
つ、新しい分散機能を追加していく。しかし、拡張には
自ずと限界があり、将来の新しい機能の要望に対して柔
軟に対応できない可能性がある。また、OSの上ですべ
てのアプリケーションプログラムが動作するので、OS
自身の実行効率、信頼性などの点が、拡張を繰り返し、
OSの内部が複雑になるにつれて問題になってくる。
【0005】従来の単独システム用のOSでは、アプリ
ケーションプログラムの実行する場であるアドレス空間
は、計算機ごとに管理されてきた。したがって、従来の
OSを分散システムに拡張するには、専用のシステムコ
ールを設けるのが常であった。例えば、Unix系のO
Sである4.3BSDでは、ソケットインタフェースと
いう新しいシステムコールを設けて、従来のアドレス空
間上でアプリケーションプログラムを動かす。従来の
(分散を使わない)アプリケーションを変更無しに動作
できるが、アプリケーションプログラマは、分散対応の
アプリケーションを設計する際に、そのシステム構成を
理解しなくてはならない欠点があった。また、OSの種
類によって、分散化への拡張方法が異なるので、アプリ
ケーションプログラムを他のOS上で動作するように変
更しなければならないという欠点もあった。
【0006】以上まとめると、従来のOSを分散環境に
対応するように拡張すると、分散対応のアプリケーショ
ンを実行する仮想空間の対応がばらばらになり、プログ
ラムの再利用、共有データの利用などが非常に繁雑にな
る欠点があった。
【0007】一方、ネットワーク上に接続された複数計
算機間で、記憶領域の一部を共有することによって、情
報の共有をより簡単にかつ自然なプログラムで記述でき
るような分散計算機環境を提供するオペレーティングシ
ステムが出現してきている。こうしたシステムの中に
は、共有する領域を、共有専用かつ一部のデータ格納用
のみに設定・使用するものから、共有対象をプログラム
まで含んだプロセスマイグレーションに利用するものな
どが存在する。さらに、共有する対象を広範にとらえ、
各計算機内に生成されたデータやプログラム、ファイル
などの各種オブジェクトを、利用者に対してネットワー
クを意識させずに、システム全体を一つの計算機とみな
して操作できるようなアーキテクチャも考えられてきて
いる。
【0008】ここで、上記した従来のOSを分散環境に
対応するように拡張する方式における欠点を解決するも
のとして、単一仮想空間、つまり、すべてのアプリケー
ションを実行する仮想空間を同一にしたOSに関し、単
一仮想空間の分散環境への拡張方法を単一仮想空間をネ
ットワークワイドに広げることで、OSがネットワーク
透過な仮想空間を提供し、アプリケーションレベルに分
散化を意識させないようにすることが考えられる。言い
換えると、単一仮想記憶空間方式を採用することによっ
てすべての計算機が全記憶空間を共有し、透過的にオブ
ジェクト(データやプログラム、ファイルなど)を参照
できるような環境を提供するという手法が考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に単一仮想記憶空間方式により全仮想記憶を共有する場
合には、各計算機が独立してオブジェクトを記憶空間中
の任意の領域に配置することはできず、オブジェクトの
確保を行おうとするたびに各計算機間で記憶空間の一貫
性制御を行うための調停機構が必要となる。すなわち、
単一仮想記憶空間中に配置されるオブジェクトは、領域
の重複・衝突することなく一意に決まるアドレス位置に
配置されることが要求される。
【0010】また、ある計算機上で生成されたオブジェ
クトに対して他計算機からアクセスする際には、そのオ
ブジェクトの格納先である「計算機アドレス」と「参照
オブジェクトの計算機内メモリ位置」との対応を管理す
るための情報を各計算機間で共有し、これをアクセス要
求側計算機に通知するといった機構が必要となる。
【0011】しかしながら、調停と通知を簡単に効率良
く行なうことのできるような管理機構がなく、上記のよ
うなネットワーク透過な単一仮想空間を実現することは
困難であった。
【0012】本発明は、実際には単体で処理を行なう計
算機が複数で共通して1つの仮想空間を利用しても、相
互の計算機がどのようにこの空間を利用しているか等の
管理を簡単にでき、OSやアプリケーションを効率良く
動作させることのできる仮想空間管理方法及び装置を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の計算機
とこれらの計算機間で相互に通信を行なうための通信手
段とからなるシステムにおける仮想空間管理方法であっ
て、プログラムあるいはデータを配置するための仮想空
間が前記各計算機から共有されており、この仮想空間は
複数の小領域を含む複数の大領域に分割されており、こ
の大領域は各計算機に対し仮に割り当てられており、各
計算機は前記通信手段による他の計算機との通信を行な
わずに管理(プログラムあるいはデータの配置、アクセ
ス保護の設定等)できる前記仮想空間の一部を要求し、
この要求に応えて要求した計算機に仮に割り当てられた
前記大領域に含まれる前記仮想空間の小領域を、要求し
た計算機に順次割り当て、要求した計算機は割り当てら
れた前記仮想空間の小領域を管理することを特徴とす
る。
【0014】ここで、仮想空間の共有とは、どの計算機
にとっても同じアドレスのところには同じ実態(プログ
ラムやデータなど)が存在するということを意味する。
好ましくは、計算機ごとに仮に割り当てる大領域を仮想
空間内で互いに分散しておくようにしたことを特徴とす
る。
【0015】好ましくは、前記各計算機は、割り当てら
れた前記仮想空間の小領域を自計算機内で管理(プログ
ラムあるいはデータの配置、アクセス保護の設定等)
し、自計算機以外の計算機が管理する小領域を使用(そ
の領域に配置されているプログラムやデータを読み、書
き、実行)したい場合はこの小領域を管理する計算機と
前記通信手段により通信を行なって使用の許可を得るこ
とを特徴とする。
【0016】また、本発明は、複数の計算機とこれらの
計算機間で相互に通信を行なうための通信手段とからな
るシステムに接続された仮想空間管理装置であって、前
記各計算機から共有された仮想空間を複数の小領域を含
む複数の大領域に分割し、この大領域を各計算機に対し
仮に割り当てた状態で管理(分割、割り当て状況を把
握)する手段と、各計算機から前記通信手段による他の
計算機との通信を行なわずに管理(プログラムあるいは
データの配置、アクセス保護の設定等)できる前記仮想
空間の一部を要求された場合に、要求した計算機に仮に
割り当てられた前記大領域に含まれる前記仮想空間の小
領域を、順次要求した計算機に割り当てる手段と、前記
大領域を各計算機に対し仮に割り当てた状況と前記小領
域を各計算機に対し実際に割り当てた状況とを保持する
手段とを具備することを特徴とする。
【0017】好ましくは、各計算機からの問い合わせに
より与えられる該計算機の使用したい小領域を示すアド
レスから、この小領域の属する大領域の識別子を抽出す
る手段と、前記保持する手段に保持されている前記大領
域を各計算機に対し仮に割り当てた状況を参照し、前記
抽出された大領域の識別子からこれが仮に割り当てられ
た計算機の識別子を求める手段と、求められた計算機の
識別子を前記問い合わせを行なった計算機に通知する手
段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0018】好ましくは、前記通信手段はATM交換機
により設けられるATM仮想コネクションを用いるもの
であり、前記仮想空間管理装置は前記ATM交換機に接
続されたものであることを特徴とする。
【0019】
【作用】本発明では、プログラムあるいはデータを配置
するための仮想空間を各計算機で共有する方式を採用し
ている。仮想空間の小領域(チャプター領域)は、仮想
空間を複数の計算機で分担して管理するときの単位であ
り、それぞれの計算機がプログラムあるいはデータなど
の各種オブジェクトの割り当てを独自に(前記通信手段
により他の計算機との通信を行なわずに)行える大域的
な領域である。
【0020】仮想空間の大領域(メタチャプター領域)
は、複数の連続する小領域からなる仮想空間の大域的な
領域である。なお、計算機がファイルやプログラムテキ
スト、データなどのオブジェクトを格納する領域として
割当てる単位やアクセス保護の対象としては、小領域を
さらに複数に分割したメモリセクションと呼ばれる領域
を単位とすることができる。
【0021】本発明では、計算機に対する実際の小領域
の割り当てに先だって、大領域を各計算機に対し仮に割
り当てておく。計算機ごとに仮に割り当てる大領域は、
仮想空間内でなるべく分散させておくのが好ましい。
【0022】計算機から独自に管理できる仮想空間の一
部の割り当てを初めて要求された場合、予め要求した計
算機に仮に割り当てておいた前記大領域に含まれる複数
の小領域のうち要求サイズ分を、要求した計算機に割り
当てる。
【0023】既に上記要求を行ない実際に小領域の割り
当てを受けた計算機から小領域の要求があった場合、既
に割り当てた同一大領域の小領域につながる小領域から
優先的に要求した計算機に割り当てるようにする。
【0024】このようにして、1つの小領域は複数の計
算機に割り当てられることがない(重複あるいは衝突は
しない)ことを保証し、同一の計算機に割り当てる小領
域は仮想空間中で連続して確保することが可能になる。
【0025】要求した計算機は、割り当てられた前記仮
想空間の小領域を自計算機内で管理し、自計算機以外の
計算機が管理する小領域を使用したい場合はこの小領域
を管理する計算機と前記通信手段により通信を行なって
使用の許可を得ることができる。
【0026】このような本発明によると、仮想空間管理
装置は、同一計算機からの2回目以降の小領域割り当て
要求時に対し、可能な限り仮想空間中の隣接した領域か
ら該当小領域の確保を試みることにより、小領域を跨っ
た記憶割り当てを行える機会を増加させるなど、仮想空
間の効率的な利用を可能にし、また、該当小領域がペー
ジング対象とされるときに対応するページテーブルエン
トリをこれと連続して確保できるなどといった最適化が
可能となる。
【0027】また、一旦ある計算機に対して小領域が割
当てられると、該当小領域内の記憶管理は、自計算機内
だけで個別に行え、オブジェクトの確保のたびに領域確
保情報を他計算機に通知する必要が無いため、分散環境
下でも効率の良い仮想空間管理が可能になる。すなわ
ち、オブジェクトの位置情報を各計算機上にすべて配置
したり、一箇所で集中的に一貫性制御するのではなく、
仮想空間管理装置と各計算機とで領域の管理単位を分割
することによって、処理分散的な管理が可能となる。
【0028】また、本発明では、計算機は、オブジェク
トの実体を保持する計算機を知りたい場合、仮想空間管
理装置に該当小領域を示すアドレスを知らせる。仮想空
間管理装置では、該アドレスからこの小領域の属する大
領域の識別子を抽出し、前記保持する手段に保持されて
いる大領域を各計算機に対して仮に割り当てた状況を参
照し、抽出された大領域の識別子からこれが仮に割り当
てられている計算機の識別子を求め、これを要求計算機
に通知する。
【0029】本発明によると、各計算機から参照要求さ
れるオブジェクトの実体が保持されている計算機の位置
(計算機アドレス)を照会する際に、参照要求元計算機
は、仮想空間管理装置に対して参照先オブジェクトの単
一仮想記憶空間中仮想アドレスを指定するが、仮想空間
管理装置側では、参照先仮想アドレスを含む大領域と該
当領域内オブジェクトの実態を保持する計算機との対応
を、仮想アドレスの固定上位ビットによりダイレクトに
算出できるような形で保持しているため、仮想アドレス
と対象計算機との対応付けが容易にかつ高速に行える。
【0030】また、本発明では、仮想空間の大領域は、
連続する複数の小領域を含むものであるから、小領域を
示すアドレスの上位の所定数のビットが、この小領域の
属する大領域の識別子を表すものとして使用できる。
【0031】また、他計算機が実体を保持するオブジェ
クトに関する情報を、参照元計算機がアクセスした後
に、これをキャッシングすることにより、同一オブジェ
クトへの二回目以降の参照時には、仮想空間管理装置へ
のネットワークを介した問い合わせが不要となり、要求
計算機内で参照先計算機を局所的に求めることが可能と
なる。
【0032】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。図1に、本実施例に係るシステムの基本構成
を示す。このシステムは、高速LAN2に結合された複
数の計算機1から構成され、単一仮想記憶空間を使用す
るネットワーク分散計算機環境をなしている。各計算機
1は図示しないCPU,RAMなどのメモリ,ディスク
装置等を備えており、各計算機1にはLAN2上で識別
するためのアドレス等のような識別子が与えられてい
る。
【0033】この高速LAN2には、単一仮想記憶空間
を管理するチャプターコントローラ4を設けてある。チ
ャプターコントローラ4は1台でも良いし、複数台設け
て機能を分担しても良い。
【0034】単一仮想記憶空間全体は、複数のチャプタ
ー領域と呼ばれる小領域に分割される。チャプター領域
は、仮想記憶空間を複数の計算機で分担して管理すると
きの単位として用いられる。なお、このチャプター領域
を用いた仮想記憶空間の管理の機構については、特願平
6−219655号に詳しい。
【0035】本実施例では、仮想記憶空間の管理にあた
って、仮想記憶空間のいくつかの隣接するチャプター領
域をまとめたメタチャプター領域(大領域)を用いる。
チャプターコントローラ4は、各計算機に仮にメタチャ
プター領域を割り当ておき、計算機からの要求に応じて
実際に小領域の割り当てを行なう。その際、仮に割り当
てるメタチャプター領域は仮想記憶空間内でなるべく分
散させておき、各計算機に実際に割り当てる小領域を、
計算機ごとに連続して確保できるようにする。
【0036】各チャプター領域は、さらに複数のメモリ
セクションと呼ばれる領域に分割しても良い。このメモ
リセクションは、仮想記憶空間に配置されるファイルや
プログラムテキスト、データ等の記憶空間内の内容の違
いによる割当ての単位として用いられる。つまり、記憶
領域の確保は、メモリセクション単位に行なうため、ユ
ーザプログラムは、新規のメモリセクションを確保する
ためのシステムコール(OSに対するサービス要求)を
発行することで獲得できる。
【0037】アクセス保護もメモリセクションを単位と
して行なわれる。アクセス保護とは、あるファイルやプ
ログラムテキスト、データ等へのアクセス(例えば読み
出し、書き込み、実行)を制限する機構のことをいう。
つまり、このアクセスをどのスレッド(またはプロセ
ス)が行なおうとしているのかという情報や、このアク
セスがどのプログラムから行なわれようとしているのか
という情報に基づいて許可/禁止することを言う。スレ
ッドとは、プログラムを実行する主体のことをいい、本
実施例では、アクセス保護が許される範囲で、複数のメ
モリセクションをまたがってプログラムを実行し、ま
た、複数のメモリセクション内のデータを読み書きする
ことができる。
【0038】このようなアクセス制御の具体的機構に
は、あるスレッド(またはプロセス)によるあるプログ
ラム(またはメモリセクション)からのアクセスに対す
る許可/禁止を表す情報を、各メモリセクションに対応
して登録し、プログラム実行時にこの情報を元にアクセ
ス制御することにより、ファイルやプログラムテキス
ト、データ等に対するアクセス制御を実現する。このア
クセス制御は、特願平5−3937号に詳しい。
【0039】なお、仮想記憶空間の主記憶(物理メモ
リ)への写像は、一般的な仮想記憶空間の実現法である
ページング方式を採用しているものとするが、他の方式
であっても一般性を失わない。つまり、メモリセクショ
ンの大きさはページサイズの整数倍であるとする。
【0040】以下では、図1の高速LAN2の一例とし
てATM−LANを用い、本実施例をより詳しく説明す
る。図2は、ATM−LANのもとでシステムを実現す
る場合のシステム基本構成例である。図中実線で示すよ
うに、何台かの計算機ホスト1とATMチャプターコン
トローラ4が、ATM交換機3に接続されている。計算
機1およびATMチャプターコントローラ4は、それぞ
れ、ATM−LANに接続するためのネットワークI/
F制御装置(図4,図5のATMネットワークI/F制
御部)を具備する。各計算機1は、それぞれ、1台以上
の2次記憶装置11を備えているものとする。
【0041】図2中、実線および点線で示すように、こ
のシステムは、複数のATM交換機3間で同様の接続を
行い、複数のATMチャプターコントローラ4間で管理
情報等の相互通信を行うことにより、ATMネットワー
ク上で共有する同一分散環境の適用範囲を拡張すること
も考えられる。
【0042】なお、個々の計算機1を区別して説明する
必要がある場合、計算機1(A)、計算機1(B)など
のように括弧内の記号で区別を表現することとする。図
3には、ネットワーク単一仮想記憶空間と各計算機が占
有する領域の位置との対応を表している。図中では、単
一仮想記憶空間のチャプター領域が計算機1(A)や計
算機1(B)に夫々割り当てられている様子、チャプタ
ー領域と2次記憶装置11の関係、ディスク管理情報,
バッキングストレッジ,ファイルやデータ,プログラ
ム,スワップなどが記憶されている様子などを示してい
る。
【0043】図4には、計算機1の内部構成例を示す。
計算機1は、ATMネットワークI/F制御部10、通
信部12、チャプター領域確保要求受付部13、チャプ
ター管理リスト15を持つ仮想記憶空間管理部14、オ
ーナー計算機検索要求受付部16を備えている。
【0044】図5には、ATMチャプターコントローラ
4の内部構成例を示す。ATMチャプターコントローラ
4は、ATMネットワークI/F制御部40とネットワ
ーク共有メモリ管理部41を備えており、ネットワーク
共有メモリ管理部41は、テーブルサーチ部42、計算
機ID管理テーブル43、乱数発生部44、メタチャプ
ター管理テーブル45、チャプター管理テーブル46か
らなる。
【0045】次に、本実施例の動作を説明する。最初
に、BOOT時の動作について説明する。ATM交換機
3に接続される各計算機1は、ATM−LANに接続さ
れる前にあらかじめ、自計算機1に接続された2次記憶
装置11の総容量に基づいて、自計算機1上で生成され
るオブジェクト(例えばデータやプログラム、ファイル
など)の実体を格納できる領域の最大容量と、他計算機
が実体を保持しているオブジェクトの格納領域を参照す
る際に、その領域に対応するバッキングストレッジとし
て収容可能な領域の最大容量と、ディスク内領域管理に
使用される管理情報など、それぞれについて必要な物理
容量サイズを算出する。
【0046】ここで、オブジェクトの実体を「オリジナ
ルデータ」と呼ぶことにする。また、オブジェクトの実
体を生成し保持する計算機を「オーナー計算機」と呼ぶ
ことにする。言い換えると、最初に空き領域へのオブジ
ェクト配置を成功させたプログラムを実行した計算機
が、そのオブジェクト格納領域のオーナー計算機とな
る。なお、他計算機からそのオブジェクト格納領域に対
する参照やデータ書き込み等を行う際には、オーナー計
算機と交渉を行った後に処理することになる。
【0047】次に、各計算機1は、ATMネットワーク
I/F制御部10によりATM−LANに接続を行い、
必要な呼制御プロトコル手順などを使用して、ATM交
換機3を経由してATMチャプターコントローラ4との
間にコネクションを設定する。
【0048】コネクション確立後、各計算機1では、チ
ャプター領域確保要求受付部13により、上記オリジナ
ルデータ格納用にそれぞれ算出したサイズをもとにし
て、実際に単一仮想記憶空間上のネットワーク内で一意
に決まる連続した領域(チャプター領域)のサイズ(オ
リジナルデータ用の2次記憶容量と同じ、あるいは、そ
の定数倍でもよい)を決定する。そして、これを割り当
ててもらうため、チャプターサイズと自計算機アドレス
を通信部12を介してATMネットワークI/F制御部
10へ渡し、ここで該当領域確保を要求するセルを作成
しATMチャプターコントローラ4宛へ送信する。この
セルの中には、要求サイズと要求側計算機アドレスなど
が含まれる。
【0049】ATMチャプターコントローラ4では、A
TMネットワークI/F制御部40が、このチャプター
領域確保要求シグナルセルを受け取り、そのセルの中か
ら計算機アドレスや要求チャプターサイズを取り出し、
ネットワーク共有メモリ管理部41へ送る。
【0050】なお、本実施例では、各計算機1からAT
Mチャプターコントローラ4に対して割り当て要求する
チャプター領域サイズは、2次記憶装置11の総容量に
関連して決定されるとしているが、この容量とは独立に
任意のチャプター領域サイズを指定することも考えられ
る。
【0051】また、各計算機1が新規チャプター領域を
再度ATMチャプターコントローラ4に割り当ててもら
うよう要求する時期は、基本的には2次記憶装置11の
増設などによって記憶資源の増設を行った場合となる
が、OSが記憶領域の参照の局所性などを利用して仮想
的に任意サイズのチャプター領域を任意の時点で要求す
ることも許される。
【0052】次に、各計算機1の新規チャプター領域獲
得要求に基づいて割当を行うATMチャプターコントロ
ーラ4のチャプター領域割り当て処理について説明す
る。ATMチャプターコントローラ4内のネットワーク
共有メモリ管理部41では、全計算機1間で同一単一仮
想記憶空間を共有する分散環境を実現するために、対象
オブジェクトの格納領域が計算機間で重複あるいは衝突
しないように(1つのチャプター領域が複数の計算機に
割り当てられることのないように)領域割り当てを行
う。
【0053】図6に、ATMチャプターコントローラ4
内のネットワーク共有メモリ管理部41によって行われ
るチャプター領域割り当て処理の流れを示す。また、図
7に該処理における各種管理テーブルの関係を示す。
【0054】まず、ネットワーク共有メモリ管理部41
では、要求計算機1側から受け取った計算機アドレスか
ら計算機IDへの変換処理を行う。計算機IDは、同一
の分散環境をなす複数計算機内で一意に決定される識別
子であり、各計算機1のATMアドレスに1対1に対応
するようATMチャプターコントローラ4内で規定され
るものである。
【0055】この変換処理は、受け取った計算機アドレ
スが既に計算機ID管理テーブル43内に登録されてい
るかどうかをテーブルサーチ部42が調べることによっ
て行われる(ステップS1)。該当する計算機アドレス
が登録されている場合には、そのエントリ番号が計算機
IDとなり(ステップS2)、登録されていない場合に
は、未使用のエントリが新たに確保され、そのエントリ
番号が計算機IDに対応付けられる(ステップS1
0)。
【0056】以下では、新規にチャプター領域を確保
する場合と、既に要求計算機に対応するメタチャプタ
ーIDが予め登録されている場合に分けて、本実施例の
チャプター領域割り当て処理を説明する。
【0057】I)新規にチャプター領域を確保する場合
のチャプター領域割り当て チャプター領域の確保は、予めメタチャプター領域と呼
ばれる大きな単位の領域を要求計算機用に確保してお
き、その中から計算機1側が要求するチャプター領域を
確保するという2段階の処理を行うことになる。
【0058】メタチャプター領域とは、複数個のチャプ
ター領域からなりうる固定長の大領域であり、本実施例
のATMチャプターコントローラ4では、一例として、
64ビット長の単一仮想記憶空間を64k個の固定メタ
チャプター領域に分割することとし、メタチャプター領
域サイズを48ビット長と規定する。
【0059】どのメタチャプター領域をどの計算機に対
して割り当てるかを制御するために、メタチャプター管
理テーブル45を用意する。これは、単一仮想記憶空間
内の各メタチャプター領域を64k個のエントリからな
る配列とみなし、それぞれについて割り当て状況を設定
/管理するためのテーブルである。各エントリ属性には
それぞれ、該当メタチャプター領域のオーナーとなる計
算機の「計算機ID」、その計算機がオーナーである他
のメタチャプター領域ブロックへのインデックスとなる
「連結ポインタ」、該当メタチャプター領域内に確保さ
れチャプター管理に使用されるチャプター管理テーブル
46へのポインタである「チャプター管理テーブルポイ
ンタ」が格納される。
【0060】ここでは、図8に示すように、64ビット
アドレスの上位16ビットをメタチャプターIDとし、
これと該当メタチャプター管理テーブル45のエントリ
番号とを対応させることにする。
【0061】ところで、各計算機1に対してメタチャプ
ター領域を要求順に仮想記憶空間の中から順番に割り当
てていたのでは、メタチャプター領域を連続的に跨った
チャプター領域割り当ては困難となる。そこで、本実施
例では、メタチャプター領域をある計算機1に対して連
続的に確保可能な状態にするため、各計算機1から要求
されるチャプター領域を仮想記憶空間内に均等に配置す
る。
【0062】こうした離散的な領域確保(メタチャプタ
ー領域の割り当て)を要求元計算機1側に対して行うた
めに、まず、ATM交換機3に接続され単一仮想記憶空
間を共有する計算機1の台数が動的に変更される場合に
は、次のような処理を行なう。
【0063】前述のステップS1,ステップS10の
後、乱数発生部44を用い、16ビット長の数の中から
乱数を発生させ、得られた数値からこれに対応するメタ
チャプター管理テーブル45のエントリの獲得を試みる
(ステップS11)。既にそのエントリが使用済みであ
る場合には、新たな乱数を使用して再度別のエントリ獲
得を試みる(ステップS12,S11)。獲得しようと
するエントリが未使用の場合は、計算機ID管理テーブ
ルの空きエントリ内にこのエントリ番号を該当計算機1
が有する最初のメタチャプター領域のメタチャプターI
Dとして登録するようにする(ステップS12,S1
3)。
【0064】一方、分散環境を共有する計算機台数が固
定的である場合には、乱数を発生するかわりに、64k
を台数で均等に割った位置へメタチャプター管理テーブ
ル・エントリの獲得を試みるものとする。
【0065】このようにメタチャプター領域の確保をメ
タチャプター管理テーブル45のエントリの獲得により
行うことによって、要求計算機1がこの領域のオーナー
として予約される。
【0066】続いて、計算機1側から要求されたサイズ
のチャプター領域をこのメタチャプター領域内から割り
当てる。この割り当ては、各メタチャプターごとに持つ
チャプター管理テーブル46を用いて行われ、このテー
ブル46へのポインタがメタチャプター管理テーブル4
5の当該エントリ内に登録される(ステップS9)。
【0067】要求サイズが1つのメタチャプター領域サ
イズよりも小さい場合は、ATMチャプターコントロー
ラ4のネットワーク共有メモリ管理部41の機能により
メタチャプター領域内を分割し、要求サイズ分の領域確
保を行った後(ステップS14)、確保したチャプター
領域の先頭アドレスを要求計算機1側へ返す(ステップ
S15)。
【0068】なお、要求サイズが、1つのメタチャプタ
ー領域サイズよりも大きな場合には、このメタチャプタ
ー領域に連続する次のメタチャプター領域が確保可能か
どうかを調べる。
【0069】要求サイズを満たすのに十分なメタチャプ
ター領域を連続して確保できる場合には、各メタチャプ
ター管理テーブル45のエントリ内の連結ポインタに、
これに続くメタチャプター領域へのポインタを登録し、
付随するチャプター管理テーブル46に同様な処理を行
った後、確保されたチャプター領域の先頭アドレスを要
求計算機1側へ返す。
【0070】もし、最初の試行で連続したメタチャプタ
ー領域を確保できない場合には、別の乱数により同様の
領域確保を試みる。 II)既に要求計算機に対応するメタチャプターIDが予
め登録されている場合のチャプター領域割り当て 前述のステップS1の後、そのエントリ内のメタチャプ
ターIDによって指されるメタチャプター管理テーブル
45のエントリを参照する(ステップS3)。
【0071】この場合、メタチャプターは既に割り当て
られているので、ATMチャプターコントローラ4は、
登録されている領域に対して、要求サイズのチャプター
領域の確保を要求することができる。
【0072】要求サイズのチャプター領域が確保できれ
ば、メタチャプター領域内の分割処理を行った後、確保
したチャプター領域の先頭アドレスを計算機1側へ返し
て終了する(ステップS4,S14,S15)。
【0073】確保できない場合(ステップS4でN
o)、メタチャプター管理テーブル45内のエントリの
連結ポインタが終端しているかどうかを調べる(ステッ
プS5)。
【0074】終端していない場合には、連結ポインタ先
のメタチャプター領域内から要求サイズのチャプター領
域が確保できるかどうかを同様に調べる(ステップS
6,S3,S4)。
【0075】終端している場合には、新たなメタチャプ
ター領域を獲得する必要がある(ステップS7,S8,
S3,S4)。ここで選ばれるメタチャプター領域に
は、隣接する次のメタチャプター領域が試される。これ
は、チャプター領域の解放を何度も行った後に極力、連
続する大きなチャプター領域を確保可能にするためであ
る。
【0076】もし、隣接するメタチャプターエントリに
空きエントリが存在せず確保できなかった場合には、ス
テップS11に移り、乱数発生部44を用い、16ビッ
ト長の数の中から乱数を発生させ、得られた数値からこ
れに対応するメタチャプター管理テーブル45のエント
リの獲得を試みる。そして、前述のように、ステップS
12,S13,S9,S14,S15の処理を行う。
【0077】なお、乱数発生部44を用いずに、次々と
隣接するメタチャプター領域を試していっても良い。メ
タチャプター管理テーブル45内に空きエントリが全く
存在せず確保できなくなった場合には、エラーシグナル
セルを要求計算機1側に返すようにしても良い。
【0078】ここで、図7では、ATMチャプターコン
トローラ4が、新規に計算機1(H−B)に対してメタ
チャプターIDが7のメタチャプター領域を予約し、要
求されたサイズのチャプター領域を該当メタチャプター
領域内から確保後、割り当てたチャプター領域の先頭ア
ドレスを計算機1(H−B)に返信する処理と、既にメ
タチャプターIDが3と4であるメタチャプター領域を
使い切ってしまった計算機1(H−A)に対してさらに
メタチャプター領域(メタチャプターID=1)を割り
当てようとしている状態を示している。計算機1(H−
A)は最初のメタチャプター領域確保時にメタチャプタ
ーIDが3の領域を割り当ててもらった後に、これに続
けて連続するメタチャプター領域(ID=4)の確保が
成功している。しかし、ここでは、メタチャプターID
が5の領域に、既に別の計算機用のメタチャプターが割
り当てられているために、再度離散的な確保を要求する
ことによってメタチャプターIDが1の領域を確保して
いる。
【0079】上記のようにして、ATMチャプターコン
トローラ4がチャプター領域を確保した後、要求計算機
1側では、ATMチャプターコントローラ4より受け取
った結果であるチャプター領域の確保先アドレスを元
に、チャプター管理リスト15に結果を登録する。
【0080】これらの処理を終えると、要求元計算機で
は、獲得したチャプター領域内へのオブジェクト割当て
を、他計算機1やATMチャプターコントローラ4に通
知することなく、独自に行うことが可能になる。
【0081】次に、ネットワーク分散環境下に属するあ
る計算機1上で実行中のプログラムが、他の計算機1内
に実体が保持されているオブジェクト(データやプログ
ラムなど)を参照しようとする際に行われる処理、すな
わちチャプター領域のオーナー計算機アドレスを照会す
る処理について説明する。
【0082】単一仮想記憶方式を採用しているプログラ
ムによるオブジェクト参照は、分散環境下で一意に決ま
る仮想アドレスによって行われる。ここで、仮想アドレ
ス先のオブジェクト(実体)が自計算機以外の計算機に
保持されている場合には、その参照先となるオーナー計
算機がどの計算機であるかを探知してから、そのオーナ
ー計算機とのコネクションを確立し、オブジェクトアク
セスに関する交渉後、実際の処理へと移っていくことに
なる。
【0083】図9に、単一仮想記憶空間中のある領域を
参照する際に、ATMチャプターコントローラ4による
該当領域の位置付け処理(オーナー計算機の照会)の流
れを示す。図10に、該処理における各種管理テーブル
の関係を示す。
【0084】あるオブジェクトの参照時に、対象オブジ
ェクトのオリジナルデータが参照元計算機1で保持され
ているものでなく、かつ、該当オブジェクトを含むチャ
プター領域が一度も参照されていない場合(参照要求計
算機1がローカルな情報として該当領域のオーナー計算
機1の位置を記録していない場合)には、参照元計算機
1側では、ページフォルトなどを起こす。この場合、オ
ーナー計算機検索要求受付部16は通信部12を介しA
TMネットワークI/F制御部10に参照先仮想アドレ
スを渡し、ここでオーナー計算機アドレスの照会を要求
するセルを生成し、ATMチャプターコントローラ4に
対してこのセルを送信して結果の返信を待つ(ステップ
S21)。
【0085】ATMチャプターコントローラ4側では、
参照要求計算機1から受け取ったセルの内容から参照先
の仮想アドレスを取得後、このアドレスの上位16ビッ
トよりメタチャプターIDを得る(ステップS23)。
この関係を、図11に示す。
【0086】次に、メタチャプター管理テーブル45の
中から該当メタチャプターIDに対応するエントリを獲
得する(ステップS24)。もしも、該当エントリ内に
計算機IDの情報が登録されていれば(ステップS2
5)、該当メタチャプター領域に対して既にある計算機
1がオーナーとして予約されていることになる。この場
合、計算機ID管理テーブル43の該当計算機IDに対
応するエントリを参照して、実際の計算機アドレスを取
得する(ステップS26)。ATMチャプターコントロ
ーラ4はこの得られた結果(計算機アドレス)を要求計
算機1側へ返信して処理を完了する(ステップS2
7)。
【0087】もしも、メタチャプター管理テーブル45
の該当エントリ内に計算機IDの情報が登録されていな
ければ(該当エントリが空の場合)(ステップS2
5)、ATMチャプターコントローラ4はエラーセルを
生成後、要求計算機1側へこれを返信して処理を完了す
る(ステップS29)。
【0088】参照要求を行った計算機1側では、仮想記
憶空間管理部14により、上記照会によって得られた該
当チャプター領域のオーナー計算機アドレス情報をロー
カルなチャプター管理リスト15に追加登録する(ステ
ップS22)。その後、オーナー計算機1に対するコネ
クションを確立し、参照先オブジェクトに対する操作
(データ転送など)を行うための交渉処理へと移行する
(ステップS28)。
【0089】オーナー計算機1との交渉時に、参照する
オブジェクトの仮想アドレスを指定するが、該当アドレ
ス上に対象オブジェクトが存在しない場合は、エラー処
理を行い処理を中断する。対象オブジェクトが存在すれ
ば、実際のオブジェクト操作を開始する。
【0090】再度同じチャプター領域内の、あるオブジ
ェクトに対して参照を行うと、要求側計算機1はチャプ
ター管理リスト15へ一度参照したチャプター領域に関
するオーナー計算機情報をすでにキャッシングしている
ので、参照要求計算機1が自計算機の保持するチャプタ
ー管理リスト15内に参照先仮想アドレスを含むチャプ
ター領域の情報として含まれているかどうかを調べ、保
有されている場合には、この情報から参照先計算機アド
レスを取得しデータ転送などの交渉を相手計算機1と行
う。
【0091】このように、計算機1内に一度参照したチ
ャプター領域に関するワーキングセットを局所情報とし
てキャッシングしておくことにより、ATMチャプター
コントローラ4に問合わせる回数を減らし、ネットワー
ク上にかかる負荷を軽減させることができる。
【0092】本実施例では、ATMチャプターコントロ
ーラ4が要求側計算機1に対して返す結果は、オーナー
計算機アドレス(ATMアドレス)としているが、これ
を、対応するオーナー計算機名やIPアドレスとしても
よい。
【0093】また、要求側計算機1が結果を受け取る
と、参照先となるオーナー計算機1との間にコネクショ
ンを確立するために必要なVPI/VCI値の組をAT
M交換機3に対して設定してもらうよう要求し、その得
られた結果(VPI/VCI値の組)によって通信を行
うが、ATMチャプターコントローラ4がオーナー計算
機アドレスを返す際に、予め上記のコネクション設定を
ATM交換機3に対して行っておき、得られたVPI/
VCI値の組を併せて要求側計算機1に返すようにして
も良い。これにより、ATM網上を介する通信数を低減
することが可能になる。
【0094】なお、本実施例では、ATM網を採用する
ため、事前に呼設定しておいたチャネルを利用した高速
通信が可能であり、ATMチャプターコントローラ4の
ハードウェア処理による高速処理が行える。
【0095】次に、チャプター領域の解放を行なう際の
処理について説明する。複数の2次記憶装置11を保有
している計算機1が1台の2次記憶装置11を取り外
し、チャプター領域との対応を失う場合や、ある計算機
1が分散管理下から脱却し、担当していたチャプター領
域を全てシステムに返すような場合など、チャプター領
域を解放する操作が必要となるケースが発生することも
ある。
【0096】計算機1側から明示的に解放するチャプタ
ー領域が指定される場合には、ATMチャプターコント
ローラ4はチャプター管理テーブル46内の対応するエ
ントリの削除を行い、これを空きチャプター領域として
システムに返すだけでよい。解放される領域がメタチャ
プター領域にも及ぶ大きさの場合には、メタチャプター
管理テーブル45の該当エントリを空にし、メタチャプ
ター管理テーブル45内の連結ポインタの張り直しなど
を行う。
【0097】ある計算機1が分散システム環境から脱却
する際には、その計算機アドレスから対応するエントリ
を計算機ID管理テーブル43よりサーチし、獲得され
るエントリ内のメタチャプターIDから辿られるメタチ
ャプター管理テーブル45内エントリをすべて空にし、
関連するチャプター管理テーブル46や計算機ID管理
テーブル43のエントリも空にすることによって、該当
計算機1がオーナーであった全メタチャプター領域の解
放が行える。
【0098】この処理をATMチャプターコントローラ
4に対して要求するのは、基本的には脱却する計算機1
自身で行うが、これが障害などの理由で要求を発行でき
なくなってしまった場合、他の計算機1から特権を有す
るシステム管理者によって、ATMチャプターコントロ
ーラ4に指示を与えることも可能である。
【0099】なお、解放対象となるチャプター領域内に
存在する各種オブジェクトは、予め解放される際に、他
計算機1への通知/無効化などを適時行ってクリーンア
ップすることにより、分散共有システム全体における不
整合を無くしているものとする。
【0100】本実施例ではATMネットワーク上での構
成例を挙げて説明したが、イーサネット等においてもA
TMチャプターコントローラを疑似的に模倣する管理サ
ーバ計算機を用意することによって同様に実現すること
も可能である。また、本発明は、上述した各実施例に限
定されるものではなく、その技術的範囲において、種々
変形して実施することができる。
【0101】
【発明の効果】本発明によると、仮想空間管理装置は、
同一計算機からの2回目以降の小領域割り当て要求時に
対し、可能な限り仮想空間中の隣接した領域から該当小
領域の確保を試みることにより、小領域を跨った記憶割
り当てを行える機会を増加させるなど、仮想空間の効率
的な利用を可能にし、また、該当小領域がページング対
象とされるときに対応するページテーブルエントリをこ
れと連続して確保できるなどといった最適化が可能とな
る。
【0102】また、一旦ある計算機に対して小領域が割
当てられると、該当小領域内の記憶管理は、自計算機内
だけで個別に行え、オブジェクトの確保のたびに領域確
保情報を他計算機に通知する必要が無いため、分散環境
下でも効率の良い仮想空間管理が可能になる。すなわ
ち、オブジェクトの位置情報を各計算機上にすべて配置
したり、一箇所で集中的に一貫性制御するのではなく、
仮想空間管理装置と各計算機とで領域の管理単位を分割
することによって、処理分散的な管理が可能となる。
【0103】本発明によると、各計算機から参照要求さ
れるオブジェクトの実体が保持されている計算機の位置
(計算機アドレス)を照会する際に、参照要求元計算機
は、仮想空間管理装置に対して参照先オブジェクトの単
一仮想記憶空間中仮想アドレスを指定するが、仮想空間
管理装置側では、参照先仮想アドレスを含む大領域と該
当領域内オブジェクトの実態を保持する計算機との対応
を、仮想アドレスの固定上位ビットによりダイレクトに
算出できるような形で保持しているため、仮想アドレス
と対象計算機との対応付けが容易にかつ高速に行える。
【0104】また、他計算機が実体を保持するオブジェ
クトに関する情報を、参照元計算機がアクセスした後
に、これをキャッシングしておくことにより、同一オブ
ジェクトへの二回目以降の参照時には、仮想空間管理装
置へのネットワークを介した問い合わせが不要となり、
要求計算機内で参照先計算機を局所的に求めることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るシステムの基本構成図
【図2】同実施例でATM−LANを使用した場合の基
本システム構成図
【図3】同実施例において管理する仮想記憶空間の構成
例を説明するための図
【図4】同実施例に係る計算機の内部構成例を示す図
【図5】同実施例に係るATMチャプターコントローラ
の内部構成例を示す図
【図6】チャプター領域割り当て時の動作の流れを示す
フローチャート
【図7】チャプター領域割り当て時にATMチャプター
コントローラのネットワーク共有メモリ管理部で行われ
る処理動作例を説明するための図
【図8】仮想アドレスとメタチャプターIDの対応を示
す図
【図9】チャプター領域のオーナー計算機アドレスの照
会時の動作の流れを示すフローチャート
【図10】チャプター領域のオーナー計算機アドレスの
照会時にATMチャプターコントローラのネットワーク
共有メモリ管理部で行われる処理動作例を説明するため
の図
【図11】メタチャプターIDとメタチャプター領域と
の対応を示す図
【符号の説明】
1…計算機、2…LAN、3…ATM交換機、4…AT
Mチャプターコントローラ、10…ATMネットワーク
I/F制御部、11…2次記憶装置、12…通、信部、
13…チャプター領域確保要求受付部、14…仮想記憶
空間管理部、15…チャプター管理リスト、16…オー
ナー計算機検索要求受付部、40…ATMネットワーク
I/F制御部、41…ネットワーク共有メモリ管理部、
42…テーブルサーチ部、43…計算機ID管理テーブ
ル、44…乱数発生部、45…メタチャプター管理テー
ブル、46…チャプター管理テーブル
フロントページの続き (72)発明者 中村 明 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の計算機とこれらの計算機間で相互に
    通信を行なうための通信手段とからなるシステムにおけ
    る仮想空間管理方法であって、 プログラムあるいはデータを配置するための仮想空間が
    前記各計算機から共有されており、 この仮想空間は複数の小領域を含む複数の大領域に分割
    されており、 この大領域は各計算機に対し仮に割り当てられており、 各計算機は前記通信手段による他の計算機との通信を行
    なわずに管理できる前記仮想空間の一部を要求し、 この要求に応えて要求した計算機に仮に割り当てられた
    前記大領域に含まれる前記仮想空間の小領域を、要求し
    た計算機に順次割り当て、要求した計算機は割り当てら
    れた前記仮想空間の小領域を管理することを特徴とする
    仮想空間管理方法。
  2. 【請求項2】計算機ごとに仮に割り当てる大領域を仮想
    空間内で互いに分散しておくようにしたことを特徴とす
    る請求項1に記載の仮想空間管理方法。
  3. 【請求項3】前記各計算機は、割り当てられた前記仮想
    空間の小領域を自計算機内で管理し、自計算機以外の計
    算機が管理する小領域を使用したい場合はこの小領域を
    管理する計算機と前記通信手段により通信を行なって使
    用の許可を得ることを特徴とする請求項1に記載の仮想
    空間管理方法。
  4. 【請求項4】複数の計算機とこれらの計算機間で相互に
    通信を行なうための通信手段とからなるシステムに接続
    された仮想空間管理装置であって、 前記各計算機から共有された仮想空間を複数の小領域を
    含む複数の大領域に分割し、この大領域を各計算機に対
    し仮に割り当てた状態で管理する手段と、 各計算機から前記通信手段による他の計算機との通信を
    行なわずに管理できる前記仮想空間の一部を要求された
    場合に、要求した計算機に仮に割り当てられた前記大領
    域に含まれる前記仮想空間の小領域を、順次要求した計
    算機に割り当てる手段と、 前記大領域を各計算機に対し仮に割り当てた状況と前記
    小領域を各計算機に対し実際に割り当てた状況とを保持
    する手段とを具備することを特徴とする仮想空間管理装
    置。
  5. 【請求項5】各計算機からの問い合わせにより与えられ
    る該計算機の使用したい小領域を示すアドレスから、こ
    の小領域の属する大領域の識別子を抽出する手段と、 前記保持する手段に保持されている前記大領域を各計算
    機に対し仮に割り当てた状況を参照し、前記抽出された
    大領域の識別子からこれが仮に割り当てられた計算機の
    識別子を求める手段と、 求められた計算機の識別子を前記問い合わせを行なった
    計算機に通知する手段とをさらに備えたことを特徴とす
    る請求項4に記載の仮想空間管理装置。
  6. 【請求項6】前記通信手段はATM交換機により設けら
    れるATM仮想コネクションを用いるものであり、前記
    仮想空間管理装置は前記ATM交換機に接続されたもの
    であることを特徴とする請求項4に記載の仮想空間管理
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007226786A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 別のプロセスのプロセス・ローカル・ストレージにアクセスする方法、装置、コンピュータ・プログラム、およびコンピュータ実装方法
US11421863B2 (en) 2018-07-17 2022-08-23 Jiawei Renewable Energy Co., Ltd. Quick-install structure for electrical device

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