JPH09162846A - スペクトラム拡散方式による伝送システム - Google Patents

スペクトラム拡散方式による伝送システム

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JPH09162846A
JPH09162846A JP7316901A JP31690195A JPH09162846A JP H09162846 A JPH09162846 A JP H09162846A JP 7316901 A JP7316901 A JP 7316901A JP 31690195 A JP31690195 A JP 31690195A JP H09162846 A JPH09162846 A JP H09162846A
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circuit
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branch
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JP7316901A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Akiyama
俊之 秋山
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Hitachi Denshi KK
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Hitachi Denshi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スペクトラム拡散方式の伝送システムにおい
て、符号誤りが少ない良好なディジタル情報を複数支局
から同時に伝送できる伝送システムを提供する。 【解決手段】 受信装置に、各支局から伝送された信号
に含まれる拡散符号間の位相差を検出する回路を設け、
検出した位相差データを各支局の送信装置に返送する。
各支局では、返送されたデータを基に、他支局の拡散符
号の位相に同期した拡散符号を生成し、これを用いて拡
散変調する。また各支局で用いる拡散符号として、互い
に直交関係にあるものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトラム拡散
方式を用いた伝送システムに係り、特に拡散符号間の相
関関係を規定することによって、より伝送容量を増大さ
せた通信を行うことを可能とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスペクトラム拡散方式を用いた伝
送システムにおいて、スペクトラム拡散信号を送信する
送信装置の回路構成例を図9に、また、スペクトラム拡
散信号を受信する受信装置の回路構成を図10に示す。
以下この回路の動作を、図11の符号構成と信号波形と
を模式的に表わした図を用いて説明する。
【0003】図9の送信装置の入力端子1から入力され
たディジタル情報(図11(a)のd1,d2,d3,…
で示す)は、誤り訂正符号化回路2でリードソロモン符
号あるいは畳み込み符号等の誤り訂正符号に変換され
る。すなわち、入力されたディジタル情報は、図11
(b)に示すようにNdビット毎にパリティ符号C1,C
2,…を付加する等の信号処理が施され、符号量の増加
した、Nvビットの誤り訂正符号に変換される。そして
同期符号付加回路3では、受信部での誤り訂正符号化の
処理の処理タイミング、例えば、Nvビットの符号の切
れ目のタイミングを、受信部側に示すために、十数ビッ
ト以上、通常16ビット以上から成るユニークな同期符
号Syncを付加する。図11(c)はこの同期符号付加
回路3から出力される伝送符号の構成を模式的に示した
もの、図11(d)はその一部を拡大して示した波形図で
ある。この同期符号Syncは、m系列の擬似拡散符号
あるいはGold符号が用いられる。
【0004】なお、ディジタル情報の単位である1ビッ
トと後述する拡散符号の単位である1ビットとを明確に
区別するため、以下、ディジタル情報の1ビットを1シ
ンボル、拡散符号の1ビットを1チップと記す。
【0005】図11(c)の伝送符号は拡散変調回路4に
入力され、拡散符号生成回路5で生成されたNc0チップ
を周期とする拡散符号PN0(図11(e))を用いて拡散
される。すなわち、拡散符号生成回路5は、図12に示
すようにNc0ビット(例えば、図11(e)ではNc0=8
ビットを示す)のメモリ5−1から成り、記憶されてい
るNc0ビット、例えば、8ビットのデータ”10110
010”を順次繰り返し読み出すように構成されてい
る。
【0006】拡散変調回路4では、入力されたディジタ
ル情報の1シンボルが+1か−1かの内、例えば、+1
(図11(d)d1の様にハイレベル)の時は、メモリ5−
1から順次読み出したNc0ビット(Nc0チップ)の拡散
符号をそのまま出力する(図11(f)d1')。これに対
し、入力されたディジタル情報の1シンボルが−1(図
11(d)d2の様にローレベル)の時は、図11(e)のNc
0チップの拡散符号を構成する各チップごとに値を反転
して出力し、例えば上記構成を基にすれば、”0100
1101”を出力する(図11(f)d2')。
【0007】なお、スペクトラム拡散方式を用いた通信
では、1シンボル当りの拡散符号として、チップ長Nc0
がより長い拡散符号を用いるほど対雑音強度が強くな
る。そのため、通常127チップ,・・,1023チッ
プ,・・程度のm系列の擬似拡散符号あるいはGold
符号等が使われる。なお、これらの符号については、ト
リケップス No.142 「スペクトラム拡散通信方
式応用技術」(株式会社トリケップス発行)のP.38
〜P.41に開示されているものである。拡散変調回路
4から出力された拡散信号(図11(f))は、PSK変
調方式等の変調が実施される変調回路6において前もっ
て定められた周波数帯域の伝送信号に変換され、一定の
送信電力に増幅されて伝送される。
【0008】一方、図10の受信装置では、受信された
伝送信号が復調回路7で元のベースバンドの拡散信号
(以下復調信号と記す)に戻された後、逆拡散回路8に
入力される。逆拡散回路8では、比較符号生成回路9
(前述の図12に示すものと同一構造の回路)で生成さ
れた図11(e)に示すものと同じ拡散符号(以下比較符
号と記す)を用いて、復調回路7からの復調信号と比較
信号との、チップごとに乗算した値の和を取った値であ
る、相関値S0を算出する。
【0009】ここで相関値とは、二つの信号列につい
て、チップ単位あるいはシンボル単位にその信号間の同
期をとり、同期がとられた2信号間の位相の同じチップ
の値どうしを、そのペアごとに乗算し、所定チップ長の
範囲でその乗算値の和を取ったものである。
【0010】図13の(a)は、拡散符号のチップ長が1
27チップの場合を例に取り、復調信号に含まれる拡散
符号と比較符号との位相のずれ量と、相関値S0との関
係を模式的に示したものである。すなわち、復調信号の
拡散符号と比較符号の位相が図13(c)の様に一致する
(インフェーズ状態にある)と、相関値の絶対値のグラ
フにおける特異点は、通常、拡散符号のチップ長に比例
した大きな値(図13(a)の実線で示された波形p2)と
なり、その相関値について平均した値との差がより大き
いものとなる。これに対し、図13の(b)に示す様に、
復調信号の拡散符号と比較符号の位相がずれている(ア
ウトフェーズ状態にある)と、位相が一致したインフェ
ーズ状態の場合に比べて、相関値S0の絶対値のグラフ
における特異点は、より小さな値(図13(a)の点線で
示された波形p1)となり、その相関値について平均し
た値に近づくことになる。
【0011】図10に示す拡散符号用同期信号再生回路
10では、前方保護あるいは後方保護と言われる信号処
理を、相関値S0の絶対値|S0|を用いて実施し、相関
値S0の絶対値が波形p2のようになるタイミングを検出
すると共に、そのタイミングを示す位相信号(拡散符号
用同期信号)を出力する。そして、この位相信号で比較
符号生成回路9を制御することにより、復調回路7から
出力される復調信号に含まれる拡散符号に対して、図1
3(c)の様にインフェーズな比較符号を生成する。この
時、インフェーズ状態にある比較符号との間の相関値S
0の特異点の値について正であるか負であるかを示す正
負符号が、復調された伝送符号として逆拡散回路8から
出力される。同期符号検出回路11では、逆拡散して得
た伝送符号の中から、上述の図9に示す同期符号付加回
路3で付加された同期符号(Sync)を検出し、誤り
訂正符号用の同期信号を再生する。図10の誤り訂正回
路12では、同期符号検出回路11から出力された同期
信号に従って符号の誤りが訂正され、訂正された後の正
しいディジタル信号が出力端子13から後段(図示せ
ず)へ出力される。
【0012】一般に、チップ長Nc0の長い拡散符号を用
いるスペクトラム拡散方式による伝送システムでは、互
いに相関の小さい2種類の拡散符号を用いることによ
り、同じ周波数帯域を通して、例えば、2つの支局から
同時にディジタル情報を伝送することができる。一方、
スペクトラム拡散方式を用いる伝送システムに対し、通
称ISM(Industrial Scientifi
c Medical)帯と呼ばれる周波数帯域が割り当
てられている。このISM帯を用いた場合、通常約0.
5〜1.5Mbpsのデータレートが必要とされている
準動画像の信号は、1支局からだけの送信であれば、上
述の図9と図10に示す従来装置による伝送システムの
伝送容量で十分伝送は可能である。しかし、別の支局か
らの送信を同時に行う場合、即ち、このISM帯を通し
て計2つの支局から同時に準動画像の信号を伝送すると
した場合には、十分な伝送容量を確保することができ
ず、それらの伝送は困難であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】一般に、チップ長Nc0
は長いものとすることが望ましい。例えば、チップ長N
c0が127以上の長い拡散符号を用いる場合であれば、
取り得る符号パターンの種類は2の127乗以上の数と
なる。そして、その中から互いに相関の小さい(相互相
関の小さい)拡散符号の組を選択し、それらをそれぞれ
の支局からの伝送に用いる拡散符号とすることができ
る。また、図13(a)に示すインフェーズとアウトフェ
ーズ時の相関値の差が大きく、複数の伝送信号の分離が
容易で、符号誤りの少ない伝送システムを構成すること
ができる。
【0014】しかしながら、帯域幅が26MHzに制限
されたISM帯を用いて、0.5〜1.5Mbpsの伝
送レートを要する準動画像を伝送しようとすると、1シ
ンボルあたりのチップ長は、帯域幅を伝送レートで除算
した値に応じて制限され、10数チップ〜数10チップ
程度の著しく短いチップ長とした拡散符号しか使用でき
ない。そのため、チップ長Nc0が10数チップ〜数10
チップ程度の符号が取り得る符号パターンの種類は2の
10数乗〜2の数10乗であり、この中から相互相関の
小さくて符号誤りを少なくすることが可能な拡散符号と
して用いることのできる符号の数は著しく少なくなる。
例えば、前述のm系列符号を例に取れば、チップ長が1
5であれば2種類、また、チップ長が63であれば6種
類、さらに、チップ長が127であれば18種類のm系
列符号が存することが知られていおり、チップ長が短い
ほど拡散符号とすることのできる符号種類数は減少す
る。
【0015】また、上記10数チップ〜数10チップ程
度のチップ長の短い拡散符号では、インフェーズ時に最
大となる相関値は、アウトフェーズ時の相関値に対する
差分が小さくなるため、伝送信号の分離が困難になる。
【0016】また、各支局で用いる拡散符号を互いに相
関が小さくなるように選んだとしても、支局から伝送す
る伝送符号の値により生じる符号パターンや拡散符号の
位相がずれた場合のずれ量等の組合せにより、ある支局
で復調しようとしている支局用の比較符号に類似した符
号パターンが生じる場合がある。
【0017】そのため、他支局の信号の影響による符号
誤りが増加するので、図9と図10の従来装置による伝
送システムを複数組み合わせて、複数の支局から同時に
伝送するようなシステムを構成しても、ISM帯を通し
て準動画像の圧縮信号を、伝送するのは非常に困難であ
る。
【0018】本発明の第1の目的は、1シンボルあたり
のチップ数が少ない拡散符号を用いる場合であっても、
複数支局から同時に伝送される信号間の影響をより少な
くし、ISM帯を通して準動画像の圧縮信号の通信が行
えるようにすることである。
【0019】本発明の第2の目的は、1シンボルあたり
のチップ数が少ない拡散符号を用いる場合であっても、
位相が一致したことの判定が容易で、同期引き込みがよ
り安定して行なうことができ、通信のエラーをより少な
くすることである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明の第1の実施例は、基地局の受信装置に、各
支局からの拡散符号に対応した拡散符号用同期信号再生
回路から出力される位相信号どうしを比較して各拡散符
号間の位相差を検出し、位相制御信号として、その位相
差を補正するのに必要な制御データ、あるいは前もって
定める範囲内の位相差、例えば、拡散符号長の1割程度
の長さに相当する範囲内の位相差であるか、位相差が0
であることを示す信号を出力する拡散符号位相差検出回
路を設ける。
【0021】各支局の送信装置には、送信装置制御回路
が設けられ、この送信装置制御回路は、上記基地局の受
信装置の拡散符号位相差検出回路から出力された位相制
御信号に従って、拡散符号生成回路,拡散変調回路等の
各回路の動作タイミングの制御と、各変調回路から出力
する送信電力の制御を行い、上記拡散符号生成回路とし
ては、互いに同じ位相位置にある1シンボル(拡散変調
して伝送する符号の1ビット)を構成するNcチップ
(以下、拡散符号の1ビットをチップと記す)の拡散符
号として、互いに直交関係にある拡散符号を生成する回
路を用いるものである。
【0022】また、この第1の実施例は、各支局の送信
装置の送信装置制御回路が、各変調回路を次のように制
御する。即ち、それぞれ送信された伝送信号に含まれる
拡散符号の位相が、他の支局から伝送されている伝送信
号に含まれる拡散符号の位相に、前もって定める一定範
囲内で一致していないことを示す位相制御信号を各拡散
符号位相差検出回路から受けている間、前もって定める
最適送信電力より低い送信電力で送信するように上記送
信装置制御回路は各変調回路を制御し、各送信している
伝送信号に含まれる拡散符号の位相が、他の支局から伝
送されている伝送信号に含まれる拡散符号の位相に、前
もって定める一定範囲内で一致した事を示す位相制御信
号を各拡散符号位相差検出回路から受けた後、各変調回
路から出力する送信電力を最適送信電力で送信するよう
に上記送信装置制御回路は、各変調回路を制御するもの
である。
【0023】また、この第1の実施例は、各支局の送信
装置が有する拡散符号生成回路と基地局の受信装置が有
する比較符号生成回路が、1シンボルを構成するNcチ
ップの整数倍Nb=Ns×Nc(但しNs=1,2,・・・
とする)のチップ数を周期として繰り返す拡散符号列あ
るいは比較符号列を生成する回路から成り、受信装置が
有する拡散符号用同期信号再生回路は、上記Nbチップ
の拡散符号列周期の位相信号を出力する回路で構成され
る。
【0024】また、この第1の実施例は、受信装置が、
複数の支局のうちの所定の支局の送信装置に対応する逆
拡散回路として、Nbチップの同一の拡散符号列周期に
含まれる各シンボルに対応する相関値のうちの複数個の
相関値Sa;1,Sa;2,・・,Sa;Ns'(Ns'は上記Ns以下
の正の整数)の絶対値の和Σ1aを求める機能を有する回
路から成り、この所定の支局の送信装置に対応する拡散
符号用同期信号再生回路は、この値Σ1aを用いて拡散符
号の同期引き込みと同期の保護動作を実施する回路から
構成される。
【0025】また、上記の課題を解決するための本発明
の第2の実施例は、上記第1の実施例において、各支局
の送信装置が有する拡散符号生成回路と基地局の受信装
置が有する比較符号生成回路は、チップ数Nb=Ns×N
cを周期として繰り返す拡散符号列の中の、前もって定
めるNp=Nps×Ncチップ(但しNps=1,2,・・・
≦Ns)の拡散符号列部分を、M周期毎に(但しM=
1,2,・・)、上記1周期の拡散符号列から任意に取
り出したNpチップの拡散符号列との相関が小さいユニ
ークなNpチップの拡散符号列(以下プリアンブルと記
す)で置き換えた構造の拡散符号あるいは比較符号を生
成する回路から成り、受信装置が有する拡散符号用同期
信号再生回路は、検出された上記プリアンブルの位相信
号を出力する回路から構成される。
【0026】また、この第2の実施例は、基地局の受信
装置が有する拡散符号位相差検出回路が、各支局の送信
装置に対応した拡散符号用同期信号再生回路から出力さ
れたNbチップの拡散符号列周期の各位相信号どうし、
あるいは各プリアンブルの位相信号どうしを比較し、拡
散符号間の位相差を検出する回路で構成される。
【0027】また、この第2の実施例は、受信装置が、
複数の支局のうちの所定の支局の送信装置に対応する逆
拡散回路が、Npチップのプリアンブルに含まれる各シ
ンボルに対応する相関値のうち複数個の相関値Spa;1,
Spa;2,・・,Spa;Nps'(Nps'は上記Nps以下の正の整
数)の絶対値の和Σ2aを求める機能を有する回路から成
り、この所定の支局の送信装置に対応する拡散符号用同
期信号再生回路が、この値Σ2aを用いて拡散符号の同期
引き込みと同期の保護動作を実施する回路から構成され
ている。
【0028】また、上記の課題を解決するための本発明
の第3の実施例は、上記第1の実施例あるいは第2の実
施例の受信装置において、複数の支局のうちの所定の支
局の送信装置に対応する誤り訂正回路が、この所定の支
局の送信装置に対応する拡散符号用同期信号再生回路か
ら出力されるNbチップの拡散符号周期の位相信号ある
いはプリアンブルの位相信号から、誤り訂正符号の開始
タイミングを算出して符号の誤り訂正を開始する回路で
構成される。
【0029】
【発明の実施の形態】
(実施例1)本発明の第1の実施例による、一つの基地
局と複数の支局を用いたスペクトラム拡散方式の伝送シ
ステムにおける、各支局の送信装置の回路構成例および
基地局の受信装置の回路構成例を図1に示す。以下、図
1の回路の動作を説明する。
【0030】図1において、上述の図3の(a)に示すよ
うなディジタル情報d1,d2,d3,…およびそれに
類するディジタル情報が、各支局の送信装置101、1
02、…の入力端子1、1’、…からそれぞれ入力さ
れ、誤り訂正符号化回路2および同期符号付加回路3で
図3の(c)に示すような誤り訂正符号に変換される。図
3(d)は、その一部を拡大して示した波形図である。
【0031】一方、拡散符号生成回路20では、1シン
ボルを構成するNcチップの整数倍(Ns倍、但しNs=
1,2,…とする)である、Nb=Ns×Ncのチップ数
を周期として繰り返す拡散符号列PN1,PN2,PN
3,…,PNNs(図3の(e)に示す)を生成する。ここ
で、この拡散符号生成回路20の回路構成例を図4に示
す。図4において、Ns個のメモリ20−1,20−
2,…,20−Nsは、各々互いに独立のNcビット(チ
ップ)の拡散符号列の各拡散符号PN1〜PNNsを記憶
したメモリであり、これらのメモリに記憶されているデ
ータを、それぞれ拡散符号として順番に繰り返し読み出
すように構成する。そして各支局の送信装置101,1
02,…ごとの拡散符号生成回路20のメモリ20−
1,20−2,…のそれぞれには、他の支局の同じ番号
のメモリに記憶された符号に対し、全ての支局の符号と
互いに直交関係(位相が一致している時の相互相関値が
0になる符号関係、例えばディジタル情報列で一例を示
すと、”00010001”と”11010111”と
なる関係)にある符号が記憶されている。
【0032】同期符号付加回路3から出力された伝送符
号は、拡散変調回路4に入力され、拡散符号生成回路2
0からNcチップづつ順番に読み出された拡散符号を用
い、従来と同様にして順次拡散符号化される。図3(f)
は、拡散符号化後の信号波形を示したものである。即
ち、図3(d)に示すように、1シンボルd1が+1のと
き、拡散符号PN2はそのまま出力され、1シンボルd
2が−1のとき、拡散符号PN3は反転して出力され
る。この拡散変調回路4から出力された拡散信号(図3
(f))は、変調回路21を通して伝送される。ただし、
上述した従来の技術による送信装置の回路構成を示した
図9の変調回路6と異なり、変調回路21はその送信電
力が制御される信号を入力するための端子22を有す
る。そして、図1に示すように、新たに送信装置制御回
路23が設けられ、この信号によって、変調回路21の
送信電力が制御されるように構成されている。ここで電
力の制御とは、所定の条件、例えば、各支局の拡散符号
の位相が一致する等の条件が整うまで、その送信時の送
信電力をディジタル情報が伝送されるのに最適な送信電
力(即ち、各チャンネルの送信電力が受信側において受
信電力がそれぞれ等しくなるように制御される電力)よ
り所定の割合だけ、例えば、3dBあるいは6dB低い
電力に押えて送信するような制御である。
【0033】一方、図1の基地局の受信装置103で
は、復調回路7で図10に示す従来の回路と同様にして
受信された信号が復調信号に戻され、各支局の送信装置
に対応した逆拡散回路24a,24bに入力される。な
お、同時に通信する支局が2より多い場合は、図示はし
ていないが逆拡散回路24a,24bと同様な逆拡散回
路24c,24d,…を支局数に応じて並列に接続す
る。図1においては、逆拡散回路24aは、第1の支局
の送信装置101に対応した信号処理を実行する逆拡散
回路であり、逆拡散回路24bは、第2の支局の送信装
置102に対応した信号処理を実行する逆拡散回路であ
る。
【0034】また、図1に示す比較符号生成回路25a
は、前述の図4に示した拡散符号生成回路20と同様の
構成の回路であり、第1の支局で拡散符号生成回路20
により生成された拡散符号列と同一の、上述したNb=
Ns×Ncチップを周期とする拡散符号列(比較符号列)
がこの回路により生成される。
【0035】逆拡散回路24aは、比較符号生成回路2
5aで生成された比較符号列と、復調信号との各拡散符
号ごとの相関値Sa;1,Sa;2,…,Sa;Ns'(Ns'はNs
より小さな正の整数)を算出後、それらの絶対値の和を
数式1のように求める。
【0036】
【数式1】
【0037】さらに逆拡散回路24aでは、この数式1
の値Σ1aが、Ns×Ncチップの比較符号の位相と、復調
信号に含まれる拡散符号との位相がインフェーズにある
場合に、最大値Ns'×Ncになる。
【0038】拡散符号用同期信号再生回路26aでは、
上記の値Σ1aが最大値となるタイミングでもって、逆拡
散回路24aから出力される復調信号に含まれる拡散符
号列の位相がインフェーズ状態にあるタイミングを検出
すると共に、そのタイミングを示す位相信号が出力され
る。
【0039】各支局に対応した拡散符号用同期信号再生
回路26a,26b,…から出力される各位相信号は、
新たに設けた拡散符号位相差検出回路27に入力して比
較され、拡散符号間の位相差が検出される。そして、そ
れぞれの位相信号間の位相差を補正するのに必要な制御
データ、あるいは前もって定める範囲の位相差、例え
ば、拡散符号長の1割程度の長さに相当する位相差内の
範囲であることを示すデータ、または位相差が0である
ことを示すデータを有する信号を、位相制御信号として
送信装置制御回路23に出力される。
【0040】拡散符号位相差検出回路27から出力され
た各支局ごとの位相制御信号、例えば図1の位相制御信
号a、bは、本発明に係るスぺクトラム拡散方式を用い
た通信のための周波数帯域(例えば、約2.48GHz
を中心とした帯域幅26MHzの周波数帯域)以外の、
他の周波数帯域(例えば、小電力無線等に用いられる8
00MHz帯等の周波数帯域)を利用した、送信用無線
機30、32により各支局に対し割り当てられたチャネ
ルで、それぞれ送信される。送信された無線電波は、各
支局の受信用無線機31、33で受信され元の位相制御
信号a、bに戻されて、それぞれ各支局の送信装置10
1、102の各送信装置制御回路に入力される。このよ
うに返送された位相制御信号を受信した各支局、例え
ば、第1の支局の送信装置101では、図1に示す拡散
符号生成回路20において生成される拡散符号の位相
が、位相制御信号aに含まれるデータに従い送信装置制
御回路23によって制御されて、その位相が他支局で生
成される拡散符号の位相に一致するように、拡散符号生
成回路20が動作する。
【0041】なお、返送された位相制御信号、例えば、
位相制御信号aが、上記の前もって定める一定範囲内で
一致したことを示す信号である場合は、図1に示す変調
回路21から出力される送信電力が、上述のような、デ
ィジタル情報を伝送するのに最適な送信電力(最適送信
電力)となるように送信装置制御回路23を通して変調
回路21が制御され、その制御により最適送信電力によ
る送信が行われる。この時、図1に示す受信装置103
では、例えば、インフェーズ状態における相関値Sa;1
の正負符号が、支局101から伝送され復調された伝送
符号として、逆拡散回路24aから出力される。そし
て、前述した図10の従来の技術における受信装置と同
様にして、図1の同期符号検出回路11aと誤り訂正回
路12aとにより符号の誤りが訂正され、訂正された後
の正しいディジタル信号が出力端子13aから出力され
る。
【0042】以上の回路構成によれば、各支局から出力
される伝送信号に含まれる拡散符号の位相は互いに一致
させることができる。しかも、第1の支局の送信装置1
01,第2の支局の送信装置102,…では、Ncチッ
プ毎に互いに直交する拡散符号(直交符号)が用いられ
ているため、各拡散符号の受信される位相が一致してい
れば、ある支局に対する比較符号と、その他の支局から
の拡散符号との間の直交符号どうしの相関値は0とな
る。即ち、他の支局からの拡散符号の相関成分は0とな
り、逆拡散回路24aで求められる相関値S1;aには寄
与しない。従って、同時に複数の支局からディジタル情
報を伝送しているにもかかわらず、他支局の信号の影響
による符号誤りのほとんど無い、良好なディジタル情報
を伝送することができる。
【0043】各支局の拡散符号の位相が一致するまで
は、他支局からの拡散符号の相関成分が0とはならずに
相互に影響を及ぼし合うので、位相が一致したことが検
知されるまでは、位相が一致していない支局側の送信装
置から出力される送信信号の送信電力を、ディジタル情
報を伝送する通常の送信電力より低い電力に押えて送信
する。そのため、他支局で既にディジタル情報の送信を
実施している時に新たな支局によりディジタル情報の伝
送を開始した場合などの、位相が不一致の間は、その支
局は送信電力より低い電力に押えて送信するので、基地
局側の受信装置103は、既に送信を行っている支局か
らは、符号誤りの少ない良好なディジタル情報が受信さ
れ続けることができる。
【0044】また、基地局側の受信装置103における
拡散符号用同期信号再生回路26aでの拡散符号タイミ
ングの検出動作を、複数シンボルの相関値の絶対値の和
Σ1aを用いることによって実施する。そのため、送信開
始時に送信電力を低い電力に押えてあっても、送信を開
始した支局の拡散符号の同期が引き込まれるのに十分な
ピーク値を示すことができるので、正しく同期を行っ
て、受信を開始することができる。
【0045】以上述べたように、本発明の第1の実施例
によるスペクトラム拡散方式の伝送システムでは、同時
に複数の支局からディジタル情報を伝送しているにもか
かわらず、他支局の信号の影響による符号誤りのほとん
ど無い、良好なディジタル情報を各支局から基地局に対
し送信することができる。また、他支局で既にディジタ
ル情報の伝送を実施している時に新たな支局からディジ
タル情報の伝送を開始したとしても、既に受信している
ディジタル情報の符号誤りを増加させることがなく、伝
送誤りの少ない良好な伝送システムを得ることができ
る。
【0046】(実施例2)次に、本発明の第2の実施例
によるスペクトラム拡散方式の伝送システムの構成と動
作を説明する。この第2の実施例では、上述の図3の
(e)に示すNb=Ns×Ncチップを周期として繰り返す拡
散符号列の中の、前もって定めるNp=Nps×Ncチップ
(但しNps=1,2,…≦Ns)の拡散符号列部分を、
拡散符号列の繰り返し周期のM周期毎に(但しM=1,
2,…)、上記1周期の拡散符号から任意に取り出した
Npチップの拡散符号列との相関が小さく、かつ、他の
拡散符号と比べてユニークなNpチップの拡散符号(以
下プリアンブルと記す)で置き換えた構造の拡散符号を
用いるものである。図5の(b)は、Ns=8、Nps=3、
およびM=2とした時の、拡散符号の構成を示したもの
である。比較のため、上述した従来技術に係る図3の
(e)の符号構成を再度、図5の(a)として示してある。
【0047】この場合の、拡散符号列を生成する拡散符
号生成回路20'の回路構成例を、図6に示す。図6に
おいて、Ns個のメモリ20−1,20−2,…,20
−Nsは、各々互いに異なったNcビット(チップ)の拡
散符号を記憶したメモリである。拡散符号出力時、上記
拡散符号列の繰り返し周期の内、上記プリアンブルを出
力しない通常の周期では、前述した第1の実施例に関す
る図4の拡散符号生成回路20の動作と同様に、これら
のメモリ20−1,20−2,…,20−Nsに記憶さ
れるデータが順番に繰り返し読み出される。一方、上述
のM周期毎のプリアンブルが出力される周期(上記通常
の周期と異なる期間)においては、図6の回路におい
て、上記とは別のメモリ30−1,30−2,…,30
−Npsから、Np=Nps×Ncチップのユニークな拡散符
号(プリアンブル)が読み出され、その後、引続きメモ
リ20−(Nps+1),20−(Nps+2),…,20-Ns
に記憶されているデータが読み出される。そして再び上
述したような通常の周期においては、メモリ20−1,
20−2,…,20−Nsからのデータが拡散符号列と
して順番に繰り返し読み出される。
【0048】この実施例の各支局側の送信装置として
は、上述した第1の実施例における図1に示す拡散符号
生成回路20を、図6の拡散符号生成回路20'で置き
換えた構成の回路が用いられる。この送信装置の動作と
しては、まず、端子1から入力されたディジタル情報
に、第1の実施例と同様の信号処理が施される。そし
て、拡散符号生成回路20'で生成された、上記説明し
たところの図5の(b)の拡散符号が用いられて拡散さ
れ、さらに、変調回路21で変調されて基地局側へ伝送
される。
【0049】また、基地局側の受信装置としては、図2
に示すように、上述した第1の実施例の回路構成例を示
す図1の比較符号生成回路25a,25b,…を、図6
に示す拡散符号生成回路20'と同じ回路構成を持つ比
較符号生成回路25'a,25'b,…で置き換え、ま
た、上述した図1における逆拡散回路24a,24b,
…を、後述する機能を持つ逆拡散回路24'a,24'
b,…で置き換えた構成の回路が用いられる。
【0050】この受信装置の動作としては、例えば、第
1の支局の送信装置101から伝送されたディジタル情
報を復調するには、まず、送信装置101に対応する比
較符号生成回路25'aで生成される図5の(b)の拡散符
号を用い、図2の復調回路7から出力された復調信号を
逆拡散符号化する。この時、逆拡散回路24'aでは、
M周期毎に挿入されたプリアンブル部分の相関値Spa;
1,Spa;2,…を、1シンボルづつ(Ncチップづつ)順
番に算出した後、プリアンブルを構成するNpsシンボ
ルの相関値の絶対値の和を数式2を用いて求める。
【0051】
【数式2】
【0052】つぎに、拡散符号用同期信号再生回路26
aでは、この値Σ2aを用いて復調信号に含まれる拡散
符号のタイミングが検出されると共に、そのタイミング
を示す位相信号が出力される。拡散符号用同期信号再生
回路26a,26b,…から出力される各位相信号は拡
散符号位相差検出回路27に入力して比較され、拡散符
号間の位相差が検出される。以下、上述の第1の実施例
と同様にして、第1の支局の送信装置101から伝送さ
れたディジタル情報が復調され、端子13aから出力さ
れる。
【0053】この様に、本実施例によるスペクトラム拡
散方式の伝送システムにおいては、各支局に対応する拡
散符号列間の同じ列順の符号間の相互相関が0でなくて
も、その相互相関が十分小さい値であれば、プリアンブ
ルの受信により復調信号に含まれる拡散符号のタイミン
グが検出され、第1の実施例と同様の信号処理が実施さ
れる。そのため本実施例においても、同時に複数の支局
からディジタル情報を伝送しているにもかかわらず、他
支局の信号の影響による符号誤りのほとんど無い、良好
なディジタル情報を得ることができる。また、他支局で
既にディジタル情報の伝送を実施している時に新たな支
局でディジタル情報の伝送を開始しても、既に受信され
ているディジタル情報の符号誤りを増加させることなく
受信し続けることが可能な、良好な伝送システムを実現
することができる。
【0054】(実施例3)本発明によるスペクトラム拡
散方式の伝送システムの第3の実施例について、送信装
置の回路構成例を図7に、受信装置の回路構成例を図8
に示し、これらの図を用いて説明する。本実施例は、誤
り訂正符号の周期と拡散符号の周期を同一にすることに
よって、拡散符号の周期を表わす位相信号が同期符号と
して用いられることが可能なようにユニークなものであ
ることから、その位相信号を誤り訂正符号の同期符号と
共用するものである。そのため、位相信号を同期符号と
して用いることによって本来同期信号としてだけ用いら
れていた信号は取り除くことができるので、その分伝送
レートが増加でき、かつ、回路規模の削減を図ることが
できる。
【0055】本実施例の各支局側の送信装置では、図1
に示す同期符号付加回路3で行なった同期符号の挿入は
実施せず、そのため、図7に示す回路では同期符号付加
回路3が不要であるため、その分、回路規模を削減する
ことができる。なお、前述の様に回路規模を削減する代
わりに、誤り訂正符号用同期信号が誤り訂正符号化回路
2から拡散符号生成回路20'に入力され、誤り訂正符
号の周期に合わせて拡散符号が生成されるよう動作す
る。そして、第1の実施例と同様の信号処理を施し、変
調回路21から送信信号が送信される。
【0056】一方、基地局側の受信装置では、例えば、
拡散符号用同期信号再生回路26aで検出された拡散符
号の繰り返し周期を表わす位相信号を、誤り訂正回路1
2aの同期信号としてそのまま使用し、それにより誤り
訂正が実施される。そのため、同期符号検出回路11a
が不要となり、回路規模を削減することができる。以
下、第1の実施例と同様にして第1の支局の送信装置1
01から伝送されたディジタル情報を復調し、端子13
aから出力する動作が行われる。
【0057】本実施例では、上記のように誤り訂正符号
用の同期符号を挿入する必要がなく、代わりにより多く
のディジタル情報を伝送できる。すなわち、第1の実施
例の伝送システムより大きな伝送レートを得ることがで
きる。
【0058】この様に、本第3の実施例によるスペクト
ラム拡散方式の伝送システムにおいては、第1の実施例
と同様に複数の支局から同時に良好なディジタル情報を
得ることができるだけでなく、第1の実施例による伝送
システムより回路規模が小さく、伝送レートも大きい伝
送システムを構成することができる。
【0059】なお、第3の実施例では、第1の実施例の
伝送システムにおいて、拡散符号の周期を表わす位相信
号を誤り訂正符号の同期符号と共用する場合について述
べた。しかし、第2の実施例の伝送システムにおいて
も、誤り訂正符号の周期と拡散符号の周期を同一にし、
拡散符号の周期を表わす位相信号を誤り訂正符号の同期
符号と共用する。そして同期符号を取り除くことによる
伝送レートの増加と、回路規模の削減を図ることができ
るのは云うまでもない。
【0060】また、上記の各実施例では、1シンボルの
チップ長Ncより長い周期の拡散符号列を位相検出のた
めに用いる場合を用いて説明した。しかし、従来の技術
で説明したような、単にチップ長Ncの拡散符号を繰り
返す構成の拡散符号を用いたとしてもよい。
【0061】
【発明の効果】本発明による第1の実施例では、各支局
の送信装置から受信装置に送信されてくる伝送信号に含
まれる拡散符号の位相を、互いに一致するように制御す
ることができる。また各支局の送信装置で用いる拡散符
号として、同じ位相位置の1シンボル毎に互いに直交関
係にある拡散符号を用いるので、拡散符号の位相が一致
した時、各支局から伝送されてくる信号に含まれる拡散
符号同士の相互相関値は0になる。そのため、伝送され
た信号同士が互いに影響しあって生じる符号誤りが非同
期の場合に比べて少ない良好なディジタル情報を、複数
の支局から同時に伝送することができる。
【0062】一方、たとえ互いに直交する拡散符号を用
いても、拡散符号の位相が一致していないと相互相関値
は0にならず、他支局から伝送される信号成分が混入し
て多くの符号誤りが発生する。しかし、第1の実施例で
は、拡散符号の位相が前もって定める一定範囲内で一致
して相互相関値がほぼ0になるまで、拡散符号の位相が
一致していない送信装置から出力する送信電力は、前も
って定める最適送信電力より低い送信電力に押えて送信
される。そのため他支局で既にディジタル情報の伝送を
実施している時に、ある支局で新たにディジタル情報の
伝送を開始しても、既に受信しているディジタル情報の
符号誤りをほとんど増加させることなく受信し続けるこ
とができる、良好な伝送システムを得ることができる。
【0063】また、第1の実施例および第2の実施例で
は、1シンボルを構成する拡散符号のチップ長Ncを短
くしても、拡散符号全体としてはNbチップの長い拡散
符号を用いることができる。そのため、拡散符号同士の
位相が一致している時と一致していない時の相関値の差
も大きくなり、拡散符号の同期引き込みが容易な2種以
上の拡散符号の選択が容易になる。
【0064】また第2の実施例では、チップ長の長い拡
散符号を用いるときにも、拡散符号間の位相差を確実に
検出することができる。
【0065】また第1の実施例で得られる値Σ1aあるい
は第2の実施例で得られる値Σ2aは、チップ長がNbあ
るいはNpの拡散符号で得られる相関値に近い性質を有
し、インフェーズ状態では小さな値に、アウトフェーズ
状態では鋭く大きな値になる。そのため、上記第1の実
施例および第2の実施例では、送信装置から出力する送
信電力を低い送信電力に押えていても、確実に拡散符号
の同期を引き込み、位相を検出することができる。
【0066】また第3の実施例では、拡散符号の周期と
誤り訂正符号の周期を同一にしておくと、拡散符号の周
期を表わす位相信号を誤り訂正符号の同期符号と共用す
ることができる。そのため、送信装置の同期符号付加回
路と受信装置の同期符号検出回路が不要になり、回路規
模を削減することができる。また、誤り訂正符号用の同
期符号を挿入する必要がなくなり、代わりにより多くの
ディジタル情報を伝送できる。すなわち、より大きな伝
送レートを持つ伝送システムを得ることができる。
【0067】以上、本発明によるスペクトラム拡散方式
の伝送システムでは、同時に複数の支局からディジタル
情報を伝送しているにもかかわらず、他支局の信号の影
響による符号誤りのほとんど無い、良好なディジタル情
報を得ることができる。また、他支局で既にディジタル
情報の伝送を実施している時に、ある支局で新たにディ
ジタル情報の伝送を開始しても、既に受信しているディ
ジタル情報の符号誤りを増加させることなく受信し続け
ることができる、良好な伝送システムを得ることができ
る。
【0068】あるいは更に、同期符号付加回路が不要で
回路規模が小さく、伝送レートも大きい伝送システムを
構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の伝送システムにおける各支局の
送信装置の回路構成例および基地局の受信装置の回路構
成例を示す図。
【図2】第2の実施例の伝送システムにおける基地局の
受信装置の回路構成例を示す図。
【図3】第1の実施例における符号構成と信号波形の説
明図。
【図4】第1の実施例の各支局の送信装置における拡散
符号生成回路の回路構成例を示す図。
【図5】第2の実施例における拡散符号の構成の模式
図。
【図6】第2の実施例の各支局の送信装置における拡散
符号生成回路の回路構成例を示す図。
【図7】第3の実施例の伝送システムにおける各支局の
送信装置の回路構成例を示す図。
【図8】第3の実施例の伝送システムにおける基地局の
受信装置の回路構成例を示す図。
【図9】従来のスペクトラム拡散方式の各支局の送信装
置の回路構成を示す図。
【図10】従来のスペクトラム拡散方式の基地局の受信
装置の回路構成を示す図。
【図11】従来のスペクトラム拡散方式の伝送システム
における符号構成と信号波形の説明図。
【図12】従来のスペクトラム拡散方式の各支局の送信
装置における拡散符号生成回路の回路構成を示す図。
【図13】拡散符号の位相と相関値の関係の説明図。
【符号の説明】
2:誤り訂正符号化回路、3:同期符号付加回路、4:
拡散変調回路、5,20:拡散符号生成回路、6,2
1:変調回路、7:復調回路、8,24a,24b:逆
拡散回路、9,25a,25b:比較符号生成回路、1
0,26a,26b:拡散符号用同期信号再生回路、1
1,11a,11b:同期符号検出回路、12,12
a,12b:誤り訂正回路、23:送信装置制御回路、
27:拡散符号位相差検出回路。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル情報をスペクトラム拡散符号
    化して伝送する複数の送信装置と、上記送信装置からの
    伝送信号を逆拡散符号化して元のディジタル情報に変換
    する基地局受信装置から成るスペクトラム拡散方式によ
    る伝送システムにおいて、上記複数の送信装置の各々
    は、互いに直交する関係にある拡散符号を生成する拡散
    符号制御回路と該送信装置から出力される送信電力の制
    御をする送信装置制御手段を有し、上記基地局受信装置
    は、上記複数の送信装置からそれぞれ送信される信号か
    らそれぞれ拡散符号を検出する手段と、該それぞれの拡
    散符号を検出する手段からの信号を入力される拡散符号
    位相差検出手段を有し、上記拡散符号位相差検出手段の
    出力により、上記送信装置制御手段を制御することを特
    徴とするスペクトラム拡散方式による伝送システム。
  2. 【請求項2】 基地局と複数の支局とを有し、該複数の
    支局からそれぞれディジタル情報を伝送し、上記基地局
    でそれらを受信するスペクトラム拡散方式による伝送シ
    ステムにおいて、上記基地局の受信装置は、上記各支局
    からの拡散信号における拡散符号に対応した拡散符号用
    同期信号再生回路から出力される位相信号を比較して上
    記各拡散符号間の位相差を検出し、その位相差を補正す
    るのに必要なデータあるいは前もって定める範囲で位相
    が一致したことを示す信号を位相制御信号として出力す
    る拡散符号位相差検出回路を有し、上記各支局の送信装
    置は、上記基地局の受信装置の拡散符号位相差検出回路
    から出力された当該支局に対する上記位相制御信号に従
    って、拡散符号生成回路,拡散変調回路他の、上記各送
    信装置内の各回路の動作タイミングの制御と、各変調回
    路から出力する送信電力の制御を実施する送信装置制御
    回路を有し、上記各支局の送信装置が有する上記拡散符
    号生成回路は、互いに同じ位相位置にある1シンボルを
    構成するNcチップの拡散符号として、互いに直交関係
    にある拡散符号を生成する回路である事を特徴とするス
    ペクトラム拡散方式による伝送システム。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のスペクトラム拡散方式
    による伝送システムにおいて、上記各支局の送信装置の
    送信装置制御回路は、上記各送信している伝送信号に含
    まれる拡散符号の位相が、他の支局から伝送されている
    伝送信号に含まれる各拡散符号の位相に、前もって定め
    る一定範囲内で一致していないことを示す位相制御信号
    を上記各拡散符号位相差検出回路から受けている間、前
    もって定める上記最適送信電力より低い送信電力で送信
    するように上記各変調回路を制御し、上記各送信してい
    る伝送信号に含まれる拡散符号の位相が、他の支局から
    伝送されている伝送信号に含まれる拡散符号の位相に、
    前もって定める一定範囲内で一致した事を示す位相制御
    信号を上記各拡散符号位相差検出回路から受けた後、上
    記各変調回路から出力する送信電力を上記最適送信電力
    に上げて送信するように上記各変調回路を制御する機能
    を有する回路である事を特徴とするスペクトラム拡散方
    式による伝送システム。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のスペクトラム拡散方式
    による伝送システムにおいて、上記各支局の送信装置が
    有する拡散符号生成回路と基地局の受信装置が有する比
    較符号生成回路は、1シンボルを構成するNcチップの
    整数倍Nb=Ns×Nc(但しNs=1,2,・・・とす
    る)のチップ数を周期として繰り返す拡散符号列あるい
    は比較符号列を生成する回路であり、上記受信装置が有
    する拡散符号用同期信号再生回路は、上記Nbチップの
    拡散符号列周期の位相信号を出力する回路である事を特
    徴とするスペクトラム拡散方式による伝送システム。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のスペクトラム拡散方式
    による伝送システムの受信装置において、上記複数の支
    局のうちの任意の支局の送信装置に対応する逆拡散回路
    は、Nbチップの同一の拡散符号列周期に含まれる各シ
    ンボルに対応する相関値のうち複数個の相関値Sa;1,
    Sa;2,・・,Sa;Ns'(Ns'は上記Ns以下の正の整数)
    の絶対値の和Σ1aを求める機能を有する回路であり、上
    記任意の支局の送信装置に対応する上記拡散符号用同期
    信号再生回路は、上記値Σ1aを用いて拡散符号の同期引
    き込みと同期の保護動作を実施する回路であることを特
    徴とするスペクトラム拡散方式による伝送システム。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載のスペクトラム拡散方式
    による伝送システムにおいて、上記送信装置が有する拡
    散符号生成回路と上記受信装置が有する比較符号生成回
    路は、チップ数Nb=Ns×Ncを周期として繰り返す上
    記拡散符号列の中の、前もって定めるNp=Nps×Ncチ
    ップ(但しNps=1,2,・・・≦Ns)の拡散符号列
    部分を、M周期毎に(但しM=1,2,・・)、上記1
    周期の拡散符号列から任意に取り出したNpチップの拡
    散符号列との相関が小さいユニークなNpチップの拡散
    符号列(以下プリアンブルと記す)で置き換えた構造の
    拡散符号あるいは比較符号を生成する回路であり、上記
    受信装置が有する拡散符号用同期信号再生回路は、検出
    した上記プリアンブルの位相信号を出力する回路である
    事を特徴とするスペクトラム拡散方式による伝送システ
    ム。
  7. 【請求項7】 請求項4あるいは請求項6に記載のスペ
    クトラム拡散方式による伝送システムにおいて、上記基
    地局の受信装置が有する上記拡散符号位相差検出回路
    は、上記各支局の送信装置に対応した上記拡散符号用同
    期信号再生回路から出力されたNbチップの拡散符号列
    周期の各位相信号どうし、あるいは各プリアンブルの位
    相信号どうしを比較し、拡散符号間の位相差を検出する
    回路である事を特徴とするスペクトラム拡散方式による
    伝送システム。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のスペクトラム拡散方式
    による伝送システムの受信装置において、上記複数の支
    局のうちの任意の支局の送信装置に対応する逆拡散回路
    は、上記Npチップのプリアンブルに含まれる各シンボ
    ルに対応する相関値のうち複数個の相関値Spa;1,Sp
    a;2,・・,Spa;Nps'(Nps'は上記Nps以下の正の整
    数)の絶対値の和Σ2aを求める機能を有する回路であ
    り、上記任意の支局の送信装置に対応する上記拡散符号
    用同期信号再生回路は、上記値Σ2aを用いて拡散符号の
    同期引き込みと同期の保護動作を実施する回路であるこ
    とを特徴とするスペクトラム拡散方式による伝送システ
    ム。
  9. 【請求項9】 上記請求項4あるいは請求項5に記載の
    スペクトラム拡散方式による伝送システムの受信装置に
    おいて、上記複数の支局のうちの任意の支局の送信装置
    に対応する誤り訂正回路は、上記任意の支局の送信装置
    に対応する上記拡散符号用同期信号再生回路から出力さ
    れる上記Nbチップの拡散符号周期の位相信号あるいは
    プリアンブルの位相信号から、誤り訂正符号の開始タイ
    ミングを算出して符号の誤り訂正を開始する回路である
    事を特徴とするスペクトラム拡散方式による伝送システ
    ム。
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US6529528B1 (en) 1997-06-27 2003-03-04 Samsung Electronics Co., Ltd. Multimedia multiplexing method
JP2017041888A (ja) * 2010-06-25 2017-02-23 エンモドゥス、リミテッドEnmodus Limited スペクトル拡散タイミング基準信号
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