JPH09159795A - 沸騰水型原子炉一次冷却系 - Google Patents

沸騰水型原子炉一次冷却系

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JPH09159795A
JPH09159795A JP8236149A JP23614996A JPH09159795A JP H09159795 A JPH09159795 A JP H09159795A JP 8236149 A JP8236149 A JP 8236149A JP 23614996 A JP23614996 A JP 23614996A JP H09159795 A JPH09159795 A JP H09159795A
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water
water quality
reactor
cooling system
primary cooling
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JP8236149A
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English (en)
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Hidefumi Ibe
英史 伊部
Masanori Takahashi
正典 高橋
Yasuko Aoki
康子 青木
Yamato Asakura
大和 朝倉
Makoto Nagase
誠 長瀬
Noriyuki Oonaka
紀乏 大中
Masanori Sakai
政則 酒井
Takashi Saito
隆 斎藤
Katsumi Osumi
克己 大角
Kazuhiko Akamine
和彦 赤嶺
Makoto Hayashi
真琴 林
Kiyotomo Nakada
清智 仲田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】原子炉の腐食環境を抑制するため複数のセンサ
の情報を有効に用いた水質制御システムを提供する。 【解決手段】特定の部位の特定の普遍的な水質因子を基
準指標とし、その指標が目標範囲となるように水質緩和
剤の濃度を制御する。このため原子炉一次冷却系に設け
られた全センサ群を管所の異なった複数系統のセンサ群
に分け、特定のセンサ群(基準センサ群)を演算装置
6,データベース7に接続して基準指標を演算・推測す
る常時監視用とし、測定点の水中の酸化性成分にのみ着
目し、酸化性成分の実測値と一致する濃度分布をデータ
ベース7から正しい濃度分布として抽出・採用する。 【効果】制御の指標が普遍量であるのでセンサの種類,
能力、あるいは基準そのものが変わっても制御ロジック
の変更は最小で済み、単一のセンサ出力に頼らないので
システムとしての高い精度の維持が期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原子炉冷却水の水質
制御法に関連し、特に沸騰水型原子炉の構造材料の腐食
損傷防止および長寿命化を実現する水質制御システムに
関する。さらに、対象分野としては、各種発電プラン
ト,化学プラント等、水質管理技術が必要とされる分野
に適用できる。
【0002】
【従来の技術】
(1)原子炉水質評価技術 溶存酸素・水素・過酸化水素 原子炉一次冷却系では炉水が炉心近傍で中性子,ガンマ
線の強い照射を受ける結果、腐食性の酸素・過酸化水素
をはじめとしてラジカルが形成される。従来は一次冷却
水を一度冷却し、例えば特願昭58−48686 号に示す測定
装置を用いて溶存酸素,水素,過酸化水素などの濃度が
測定されていたが、この方法では冷却過程で過酸化水素
が分解し、成分相互のバランスが変化するため、再循環
配管に限定しても正しい水質を測定できているとは言え
ない点に問題があった。高温・高放射線照射下で使用に
耐える測定器は現在のところ無い。
【0003】 腐食電位(ECP)計 材料のSCC感受性は図2に示す如く腐食電位と相関づ
けられる。そこで、腐食電位計を炉水中に浸漬して腐食
環境を直接モニタする試みが数多く試みられている。図
3は米国Duan Arnold 炉における直接測定の結果を示し
たもので原子炉一次冷却系の部位に応じて水質環境が著
しく変わることが分かる。
【0004】 亀裂進展モニタ 原子炉炉水中にあらかじめ亀裂を施した試験片を浸漬
し、亀裂進展速度を電気的に測定する手段が普及しつつ
ある。代表的なものは特願平2−204990 号に示されるD
CB(Double Cantilever Beam)センサであるが、特願
平1−283009 号に示されるようなタイプも提案されてい
る。図4に実機の炉心および再循環系に設けられたDC
Bの出力例を示す。再循環系におかれたDCBより炉心
に設けたDCBの出力の変化量が大きく炉心内の腐食環
境の厳しさを示している。
【0005】 高温導電率計 交流法で3電極を用いることにより電極表面抵抗をキャ
ンセルして溶液抵抗のみを測定するものであり、代表例
として特願昭62−221916号に示されるものがある。
【0006】 主蒸気中放射性窒素13(13N)の化
学形態測定装置 主蒸気凝縮水中の放射性窒素13の濃度をアニオン,カ
チオン,中性成分毎に測定するもので特願平2−204990
号に示されるものが最も優れている。
【0007】(2)原子炉水質緩和技術 原子炉構造材料の応力腐食割れは、材料・水質・応力の
SCCの3要素が共に好ましく無い時にのみ発生する。
そこで、炉水中の溶存酸素などを十分低く保てばSCC
の発生を抑制できるという根拠のもとに近年は数多くの
沸騰水型プラントで実施されている。しかしながら、こ
の方法は図5に示す如く、主蒸気系の放射線線量率があ
る閾値を境にして急増することや、同じ水素注入量で
も、図6に示す如くプラントの設計・運転条件、水中の
不純物の存在により酸素・過酸化水素の濃度は大きくば
らつき、単純な水質の推測は困難である。
【0008】水素の注入量に応じて水の分解生成物濃度
の分布の計算がある程度の精度で可能である。実際、計
算コードを用い、計算上のパラメータをフィッティング
して実測の酸素濃度などに合わせることにより適当な注
入量をプラント毎に定めていく制御手法が特願昭59−20
7874号などで提案されているが、パラメータの数が膨大
でフィッティングは膨大な作業量になる上、解が求まる
ことは必ずしも保証されていない。また、不純物の濃度
なども運転期間中一定では無い。などの、制約から必ず
しも現実的な制御方法では無い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上に示したように水質
評価用のセンサは次々に新しいものが開発されており将
来にわたってその種類・数は増加していることが予測さ
れる。原子炉水質の評価精度は向上するが、一次冷却系
の全ての領域にわたって水質測定用のセンサを設置する
ことは将来にわたって不可能であり、必ず一部の量は推
定に頼らなければならない状況が続くと予想される。情
報量が増せば増すほどその使い方は難しくなる。どこの
どのセンサの情報をどのように使うかは現在ですら定ま
っていない。また、水質基準も研究の進行に伴い様々な
変更が将来にわたって生じることが予想される。すなわ
ち、原子炉の水質制御は常に暫定的な基準にしたがっ
て、不完全な情報の中で最適化していく宿命を背負って
いる。あたらしいセンシング技術,基準ができるたびに
ハードウェアを作りかえるのは極めて不経済であるか
ら、情報を総合的に判定して水質の制御パラメータ・量
を決定するためのフレキシブルなハードウェアがまず第
1義的に要求される。それに付随して個々のセンシング
情報に関する演算・処理のための各種のソフトウェアが
受け入れられやすい構成が要求される。
【0010】原子炉炉心,一次系およびその近傍の水質
を精度高く推測・評価する手段を将来にわたって確保
し、その推測・評価した結果に基づき、適正な水質制御
が可能とするために必要な新たなセンサ・システムを提
供することが本発明の目的である。
【0011】一方、原子炉水質の評価に用いるセンサは
各種の誤差要因のために単一では評価基準にならない。
それは以下の誤差要因により、現実的解決策が望まれて
いるものの、センサの種類を増やすことでは本質的な解
決にならない。
【0012】(1)原子炉一次冷却系の腐食環境評価の
誤差要因 図7に模式的に示す沸騰水型原子炉一次系では炉心では
冷却水が強い放射線照射場にさらされる結果、水が分解
し材料の腐食に影響を与えるH2,O2,H22,H
2 ,HO2 イオン,H,OH,Hイオン,OHイオ
ン,水和電子など各種の分子,イオン,ラジカルが形成
される。これらの水の分解生成物のうち、水素・酸素な
ど気体状の分子の大部分は炉心9の沸騰チャネルで蒸気
相で移行すると共に原子炉一次冷却系の各部位の線量率
に応じて生成,再結合するため、一次冷却系内では濃度
分布を持つ。
【0013】近年、原子炉水質を制御して腐食環境を緩
和する方策として、還元剤である水素を注入して溶算酸
素濃度を低減する方式がとられているが、水素注入時に
おいても同じ理由により一次冷却系内に濃度分布が形成
される。水の放射線分解生成物は各成分の生成,成分相
互の化学反応,炉心の沸騰チャネルにおける気体成分の
質量移行などを数値的に解くことにより、評価できる。
図8はこうした計算結果を炉心入口,バイパスチャネル
出口,沸騰チャネル出口の水質環境を給水中の水素濃度
の関数として示したもので、図から主たる水の分解生成
物は過酸化水素であり、過酸化水素の濃度または実効酸
素濃度O2+H22/2(≡O2*)で見ると沸騰チャネル
出口が水素添加量の少ない時を除き、最も環境が厳し
く、ついでバイパスチャネル出口,炉心入口の順にな
る。以上の計算結果は炉心の図3に示したECPの値と
定性的に一致する。単純に環境の面からは沸騰チャネル
出口の環境を望ましいレベルに低減できれば、その他の
部位でも望ましい環境が確保されるが、実際には沸騰チ
ャネルでは注入した水素がほとんど気相に放出されるた
め、十分な抑制の実現は困難である。一方、沸騰チャネ
ルには交換容易で構造材料ではない燃料棒,集合体があ
るだけであるから、対策は必ずしも必要が無い。また、
バイパスチャネルには上部・下部格子板11,12が含
まれるが上部格子板11は交換可能である。したがっ
て、実際上もっとも重要な評価点は炉心入口12といえ
る。上部プレナム13上部のシュラウド板14は炉心の
上部構造を支えているため、この部位の環境評価も重要
である。
【0014】(2)腐食電位の誤差要因 一般に原子炉構造材料(例えばSUS304)の腐食電位を一
定の値(特願昭55−76392 号)の値以下の卑の電位に制
御すれば構造材料のIGSCCが抑制できるとされてい
る。しかしながら、近年、その境界となる電位は共存不
純物イオンの濃度により変動する事実が指摘されてい
る。相関関係は様々な水質・材料・流動等の機会的条件
によって変動する、という前提に立つ必要がある。基準
に対して新しい認識を随時取り入れることができ、複数
の測定値から基準値を定め、基準となるセンサをシステ
ム自身が設定しうる構成が必要である。
【0015】(3)導電率と材料の亀裂進展速度の相関 一般に材料の亀裂進展速度は水中の酸化性成分の濃度と
導電率で相関づけられる。しかしながら、最近の実験結
果によれば、図9に示す如く添加物の種類によって亀裂
進展速度は著しく異なり、硝酸のように、純水よりも若
干低めの亀裂進展速度を示すものもある。さらに、発明
者らの行った実験によればガンマ線照射下においても図
10に示す如く、同じ導電率,溶存酸素濃度でも水中の
イオンの種類によって亀裂進展速度が著しく異なること
が示されている。
【0016】以上のように固有の誤差要因をもつものの
新しい水質センサが次々に開発され、水質評価の信頼性
は高くなるが、逆にそれらの情報を用いて如何に水質を
制御するかの手法については、避けて通れない課題であ
るにもかかわらず、考え方の基礎すら定まっていない。
問題は個々のセンサの持つ個性をどういう方向で活かす
か、という基本的な考え方が示されていない点にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(1)システムとしての手段 図1に本発明の基本構成を示す。異なった位置、例え
ば、給水系,再循環系,圧力容器内,主蒸気配管などに
それぞれセンサ群1,2が設置され、それぞれのセンサ
群はそれぞれ独立に記録・警報発生装置3により記録・
警報を発することができる。常時監視用のセンサ群1は
スイッチ4を介して演算装置6に接続され、水質緩和剤
注入装置8による緩和剤の注入により、モニタ値が適正
な範囲内にあることを確認する。その他の水質センサ群
2は必要に応じてスタンドアロンかまたはスイッチ5を
閉じて演算装置6に接続しても良い。まず、常時監視用
センサ群に異常が現れた時、データベース7等を駆使し
た診断の結果、水質緩和剤の濃度の変更が望ましいとい
う結論がでたと仮定する。水質緩和剤の濃度変更の結
果、最も水質の変化が大きいと予測される部位、または
最も厳しい方向に条件が変化する部位を推測し、可能な
緩和剤の増減量の限界を決定する。
【0018】決定した増減量に応じて緩和剤の注入量を
変更するに際しては上記で選定した部位のセンサ群を演
算装置6に接続して基準の水質因子の測定値、または推
測値が基準値になるようにモニタしながら制御する。本
システムにより、新しいセンサ,新水質基準の設定に対
しても臨機応変に対応することができ、個々のセンサの
持つ誤差をカバーしながらシステム全体としての評価・
制御の精度の向上が可能となる。
【0019】(2)推測・評価手段 水質制御の指標とする基準点の基準量(実測可能な量ま
たは実測可能な量から計算により求める実測不可能量;
以下基準指標と称する)には対策の要否の閾値を設定
し、適当な常時監視するセンサの種類・設置場所を設定
する。基準指標はあれこれのセンサの特定の出力ではな
く、特定のセンサに依存しない普遍的な物理的,化学的
物性値を選ぶことが望ましい。そうすることによって、
新しいセンサが開発される毎に基準を変える必要もな
く、全てのセンサが多かれ少なかれ基準指標の評価精度
向上に関与できる。基準指標以外のモニタ量には監視を
強化するかいなかを判定する閾値を設ける。実測不可能
な基準指標は必要なセンサ群の出力により推定する。
【0020】あらかじめ定めた基準指標に対する評価誤
差が最小となる種類・位置のセンサ群を常時監視用とし
基準指標を定量的に評価することにより、単一では誤差
要因を多く含む各種のセンサ出力を総合して信頼性の高
い水質制御が可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
A.実測値に基づく水質制御 基準指標が実測でき、信頼性も高い場合は、少なくとも
基準指標に含まれるセンサ群が常時モニタ用のセンサ群
(基準センサ群)になり、その他のセンサ群は基準指標
の実測値の信頼性評価に用いられる。実測可能でも信頼
性の低い場合は、基準指標センサはバックアップとな
り、基準指標と連動して変化しうる信頼性の高いセンサ
を含むセンサ群が常時モニタのセンサ群になる。
【0022】(1)総合センサ群による制御 本発明のセンサ群の配置の一例を図11に示す。原子炉
圧力容器内には中性子計装管22などを利用して例えば
炉心バイパスチャネル内に小型センサ群23を配置す
る。一方、炉外の例えば再循環配管10の一部および主
蒸気配管などに別なセンサ群28を設ける。水質緩和剤
たとえば水素は水素製造器26で製造され水素貯蔵器2
7に貯蔵される。センサ群23,28,29,30の出
力はインターフェイス25を介して演算装置6に取り込
まれる。
【0023】炉内のセンサの位置は炉心9の上下間の任
意の位置でよいが、交換が難しく、比較的厳しい水質環
境に曝される炉心下部格子板11、または最も厳しい環
境を代表する上部格子板12の位置が好適である。本実
施例では炉心入口部12に設けたDCBセンサによって
測定した亀裂進展速度を基準指標とする。同時に設置し
うるセンサとしては腐食電位計,白金族電極の電位計,
導電率計などが好適である。亀裂進展モニタの指示値に
異常が現れた場合、それが誤信号である場合は機械的損
傷、あるいは絶縁破壊による可能性が高いから同じ基準
センサ群に含まれるセンサの信号の信頼性は低いと考え
るべきである。そこで、こうした異常値の真偽を評価す
るためにこれまでスタンドアロンで用いていた主蒸気系
のセンサ群,再循環系のセンサ群の情報を演算装置6に
導入し、基準センサの信号が正しければ変動が生じ得る
センサをデータベース7に格納した知識情報から選定
し、それらのセンサの監視を強化する。実際に予想され
た通りの変動が観測された場合、あるいは常時モニタ範
囲を拡張したセンサ相互の出力に矛盾がなければ、基準
センサ群の出力は真とみなせるから、次に基準センサ群
およびその他のセンサ群の情報を総合して原因を推定
し、必要と認められる場合には、水素注入量を増減す
る。この場合、C.I節に示すように主蒸気中の13Nの
成分組成から主蒸気の線量が増加を始めるまでの水素濃
度の余裕を評価しておき、その範囲で水素濃度の増減量
を決定する。また、図には明示していないが、還元剤の
注入量は炉水では水の分解生成物との反応により形確が
変化してしまうので、給水系等の注入点でできれば一次
冷却水と混合する前段階で計測することが好適な場合も
ある。基準指標の実測値の信頼性が乏しい場合には、例
えば、再循環系に設けたセンサ群が常時モニタセンサ群
となる。センサとしては亀裂進展モニタ,ECP,導電
率センサ,白金電位計(詳細C.2節),pH計,イオ
ンクロマト等によるクロム酸(C.3節),カルボン酸
濃度(C.4節)が好適である。図12はこのようなシ
ステム構成による水質制御の階層的ロジックフローを示
したもので、例えばECP,白金電位計のみに変動があ
らわれその他のセンサに変動が無い場合、炉水中の酸素
または過酸化水素濃度が増加した可能性がある。あるい
は、さらに導電率が上昇し、pHが酸側になれば、各種
の要因により、炉水中に硫酸,硝酸,炭酸などが形成さ
れていると推測される。硝酸が混入した場合は基準セン
サの出力に変動が予想されるので、基準センサの監視を
強化する。こうした条件で基準センサに変動ができれば
基準センサの出力は十分に信頼できるものと見なせるか
ら必要な場合は直ちに対策を講じる。
【0024】B.推測値に基づく水質制御 基準指標を実測不可能な推測値にする場合は常時監視用
のセンサ群は複数系統選び、両者から基準指標を推測す
る。
【0025】(1)推測方法 データベースには個々のプラントの各種の水素注入量に
応じた水質解析結果を一次系の各部位毎に保存するもの
とする。基準指標を例えば炉底の過酸化水素濃度とす
る。これは現在の技術では実測不可能である。常時モニ
タ水質群を例えば図11に示す炉外の再循環系の水質セ
ンサ群29とする。例えば、O2 ,H22を個別に測定
するか、白金電位計,SUS304鋼のECPの出力から測定
点でのO2*が求まる。データベースに納められた再循環
系のO2*の濃度の計算値は水素注入量に対して必ずしも
一致しない。これは計算結果が、必ずしも正確に評価さ
れているとはいいがたいプラント定数(線量率分布な
ど)に大きく依存するためであるが、特定の部位の濃度
が既知であれば、他の部位の水質の計算上の相対的な関
係は比較的信頼できる。そこで、図13に示すように測
定点の酸化性成分、O2,H22、またはO2*と一致する
解析解をデータベースの中から探しだし、その解を含む
濃度分布を正しい濃度分布を示すものとして採用する。
この場合、還元性成分(例えば水素)濃度の実測・計算
の適合性は無視することが本発明の重要なポイントであ
り、これにより従来提案されてきた水質制御法のロジッ
クを大幅に簡略化できる。厳密に一致する酸化性成分に
関する解が無ければ、内挿等の手法により、分布を求ま
る。平均または大きい方など何らかの方法により代表値
を決め、さらにO2*へのH22の寄与分を計算結果から
比例配分させて求め炉底の過酸化水素の推測値とする。
この値が設定値となるように水素注入量を調整する。制
御フローを図14に示す。
【0026】さらに、基準指標を、実測できない場所に
おける材料の腐食電位,亀裂進展速度(da/dt)に
関する感受性評価は以下に示す4項目に代表されるプラ
ント情報をもとに計算および実機を模擬したデータベー
スを基に求める。
【0027】 構造材料の種類 着目点における流速 着目点におけるγ線強度 着目点における中性子強度 ここで上記4項目の内材料の種類は材料表面での水の分
解生成物の電子移動反応の過電圧,亀裂進展に関する感
受性を中心としたデータを含む。流速は酸化還元反応種
の補給速度,拡散層に関するデータを含む。γ線強度は
水の分解生成物の種類と濃度に関するデータを含む。中
性子強度は構造材に及ぼす鋭敏化を中心にした材料特性
のデータを含む。
【0028】この中で腐食電位計の基本ロジックは構造
材表面における水の分解生成物の電気化学反応に基づく
混成電位論である。この理論は最低2種類の酸化還元反
応を対とする電池反応に基づきそれぞれの酸化反応と還
元反応の速度が等しくなる電位が系全体の電位、即ち混
成電位になるというものであり、速度論的な取扱いが必
要である。速度論は最も単純な電子移動反応に関する下
記の絶対反応速度式を基本にした取扱いに基づく。すな
わち、構造材表面での酸化還元反応対の反応に基づく。
【0029】
【数1】
【0030】ここで、iは構造材上の電子移動速度を示
す電流密度、i0 は構造材上での交換電流密度、Cx
構造材表面の反応種Xの濃度、Cx 0はバルクのXの濃
度、αは酸化方向の遷移係数、nは反応電子数、Fはフ
ァラデー定数、ηは過電圧、Rは気体定数、Tは絶対温
度、Cy は反応種Yの濃度、Cy 0はバルクのYの濃度で
ある。
【0031】ここで過電圧ηはη=E−E0 である。こ
こにEは電子移動反応速度を電流密度iが観測される時
の構造材の電位であり、E0 は平衡電位である。過電圧
ηの値は同じ反応種でも構造材の種類により異なり、予
め実験室,実験炉により測定しておく。ここで、対とな
る酸化還元反応についても同様の取扱いを基本とし、そ
れぞれの電子移動反応速度を示す電流密度iが等しくな
る電位Eを求める。この共通のEがいわゆる対となる酸
化還元系の酸化方向と還元方向の速度が等しくなる電位
すなわち、混成電位である。ここで、Cx /Cx 0,Cy
/Cy 0は下式であらわされる。
【0032】
【数2】 Cx /Cx 0=1−i/i+ …(数2) ここにi+ は反応式(1)の酸化方向に関する限界電流
である。
【0033】
【数3】 Cy /Cy 0=1−i/i- …(数3) ここにi- は反応式(1)の還元方向に関する限界電流
である。
【0034】酸化方向,還元方向に関する限界電流密度
は、それぞれの反応種の拡散係数,拡散層厚を含み、流
速の情報は限界電流、即ち構造材界面での反応種の供給
速度に関するものである。これらの値は水の分解生成物
の計算により得られるCx 0,Cy 0の値を基に予め実験的
に決定できるパラメータである。この混成電位を求める
手順によりそれぞれの環境にさらされた構造材料の腐食
電位をマッピングしていくことができる。クラックセン
サを装着できない場所の構造材の亀裂進展感受性の評価
方法は上記の手順で得られた腐食電位,中性子照射量と
それに対応する種々材料の鋭敏化度,着目点における流
速,γ線強度等を基に共通の実験室データである種々の
材料のda/dtを基にDCB(Double Cantilever Be
am)センサのその場環境でのデータが得られない値を推
測し、それぞれの環境にさらされた構造材料のda/d
tをマッピングしていくことができる。
【0035】図15は実測不能な場所での構造材の腐食
電位と応力腐食割れ(SCC)感受性(da/dt)を
予測するアルゴリズムを示したものである。γ線強度,
流速等を基に放射線分解生成物濃度を計算する。着目す
る材料の酸素,過酸化水素に関する電気化学反応の過電
圧,遷移係数,それぞれの拡散係数,律速過程までの反
応電子数,全反応の反応電子数,電極反応速度定数,拡
散層厚等を予め設定した、電極反応に関する絶対反応速
度式に基づく混成電位計算コードに代入し、腐食電位を
求める。da/dtは求められた腐食電位と中性子照射
による材料の鋭敏化度、及び放射線分解生成物濃度,炉
水の導電率により、実験室,実験炉データベースをもと
に推定してゆく。
【0036】図16は図15で示したアルゴリズムをも
とに得られた材料/環境パラメータを実際に使用して実
測監視不能な原子炉内対象部を水素注入により保護して
ゆく場合のフロー図を示したものである。まず対象部を
設定し、センサの実測データ,水の分解生成物濃度,腐
食電位,da/dtを求めるのに必要なパラメータを入
力する。これにより、対象部位の溶存酸素,過酸化水素
濃度,腐食電位,da/dtの推測値を求める。それぞ
れの値が予め設定した基準値を満足するまで水素注入を
する。
【0037】C.本発明を支える新しい要素技術 (1)主蒸気中放射性窒素の化学形態に基づく制御 放射性窒素の化学形態は炉心の腐食環境を反映してアニ
オン・カチオン・中性成分の比率が決定する。水質緩和
剤として採用されることが多い水素を注入した場合、主
蒸気中の16Nの増加によりタービン系の線量率を上昇す
ることが知られている。主蒸気中の16Nの増加は各種の
要因にとって起きるが、その前兆は主蒸気中の13Nのア
ニオン・カチオン・中性成分の比率により、知ることが
できる。図17に示すように13Nのうち亜硝酸など特定
の成分は水素濃度に対応して一様に増加し、ある水素濃
度からカチオンに変化し、ここから、主蒸気の線量率も
上昇し始める。したがって、その成分の絶対量あるいは
他成分との相関関係を常時モニタすることにより、主蒸
気の線量率を増加させないで済む水素注入量のマージン
を見積もることができる。また、図18に示すように、
特定の13Nの組成比(図ではカチオン13N/全13N)を
実測し、この比率を満たす計算条件を炉心入口の水質環
境の推測値として採用できる。
【0038】(2)不活性金属の電位に基づく制御 ECPには金属イオンの溶解・析出に伴う電極反応が含
まれるが、白金等の電極電位は水中の溶存成分だけに対
応するから、主として酸素・過酸化水素の濃度を反映す
る。
【0039】(3)炉水中のクロムイオンは、水質環境
(主として酸化還元雰囲気)に応じてその濃度が変化す
る。即ち、水質緩和剤を注入しない場合には、クロムは
酸化物イオンの形態で炉水中に溶解しているが、水質緩
和剤の一つである水素を注入した場合には、不溶解性の
酸化物に形態を変化させ、表1に示すように実プラント
でもその濃度が低下することが知られている。表1はRi
nghals−1号炉における水素注入試験時の水質データを
まとめたものである。
【0040】
【表1】
【0041】また、水素注入を停止すると、溶存酸素濃
度の上昇とほぼ時を同じくして注入前よりもその濃度が
高くなるという変化を示す。したがって、溶存酸素濃度
や亀裂進展速度等から、適正な水質緩和剤注入量が決ま
った段階で、その注入状態で炉水中のクロムイオン濃度
を測定し、これに測定誤差に相当する補正を加えた基準
値を設定する。基準値が設定された後は炉水中のクロム
イオン濃度を監視して、炉水中のクロムイオン濃度が基
準値を逸脱した場合には、炉水中のクロムイオン濃度が
基準値の範囲内に収まるように水質緩和剤の注入量を調
整する。
【0042】(4)原子炉内に流入した有機炭素は、炉
心内の放射線場により、分解反応を起こし、その化学形
態を変化させる。例えば、アセトンを含む水溶液をγ線
で照射した場合には、分解生成物として酢酸や蟻酸など
のカルボン酸が生成するためにpHが低下した導電率が
上昇する。有機物の分解生成物としてはアルコール類も
考えられるが、過酸化水素のような酸化性物質が存在す
るアルデヒドを経てカルボン酸に代わる。すなわち、水
の環境に応じて生成されるカルボン酸の量が変化し、導
電率の変化量が変わってくると考えられる。そこで、照
射前の溶存酸素濃度を変えてアセトンを含む水溶液をγ
線で照射した結果、図19に示す結果を得た。図19よ
り導電率の変化量とアセトンの変化量の比が初期の溶存
酸素濃度によって変わることが分かる。導電率の変化量
はカルボン酸濃度に対応するので、カルボン酸の生成量
が初期の溶存酸素濃度によって変わることが分かる。初
期の溶存酸素濃度は過酸化水素の生成濃度に影響を与え
るので、照射中の水質環境が変化することを意味し、低
い溶存酸素濃度は酸化雰囲気を緩和する。したがって、
炉水中のカルボン酸濃度とTOCの比をモニタすること
により、水質環境を推定することができる。したがっ
て、溶存酸素濃度や亀裂進展速度等から適正な水素緩和
剤注入量が決まった階段で、その注入状態でカルボン酸
濃度とTOCの比の基準値を設定し、基準値が設定され
た後は、炉水中のカルボン酸濃度とTOCの比が基準値
の範囲内におさまるように水質緩和剤の注入量を調整す
る。この方法はTOCの高いプラントでは、TOCが水
環境を変化させる要因になるので、TOCを直接モニタ
して制御指標にすることで注入制御の信頼性が高くなる
効果がある。
【0043】上記実施例では、カルボン酸を直接測定す
ることを前提にしたが、他の不純物イオン濃度と導電
率,pHの値を用いて、未知のカルボン酸濃度を電気的
な中性条件,カルボン酸の解離平衡などに関する連立方
程式を用いて推定することもできる。このような推定値
を用いると精度が落ちるが、カルボン酸濃度が低く直接
測定できない場合には有効となる。
【0044】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば個々
のセンサの持つ誤差要因をカバーしながら原子炉水質の
精度良い推測が可能となり、新しいセンサを用いる場合
も制御ロジックを大きく変える必要が無く、種々の条件
での適正な水質制御条件を明瞭に定めることができ、原
子炉水質を適正に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステムを包括する概念を示す図。
【図2】材料のSCC感受性と腐食電位の相関を示す
図。
【図3】米国Duan Arnoldにおける一次系内のECPの
実測結果を示す図。
【図4】米国Nine Mile Point−1炉におけるDCB出
力の実測結果を示す図。
【図5】水素注入時の主蒸気系の線量率の変化を示す
図。
【図6】水素注入時の炉水中溶存酸素の実測値を示す
図。
【図7】沸騰水型原子炉を概念的に示す図。
【図8】沸騰チャネル出口,バイパスチャネル出口,炉
心入り口の炉水水質の計算結果を示す図。
【図9】SUS304鋼の高温水中の亀裂進展速度に及ぼす添
加不純物の影響を示す図。
【図10】ガンマ線照射下のSUS304鋼の亀裂進展速度の
添加不純物の種類による相違を示す図。
【図11】本発明のセンサ群の配置の一実施例を示す
図。
【図12】本発明の制御ロジックの代表例を示す図。
【図13】炉外の水質の実測値から炉内の水質を推測す
る手法を概念図に示す図。
【図14】炉外の水質の実測値から炉内の水質を推測す
るフローを示す図。
【図15】実測不能場所の腐食電位計算とda/dt推
定アルゴリズムを示す図。
【図16】水素注入による腐食環境緩和対策フローを示
す図。
【図17】主蒸気中13Nの水素注入時の化学形態変化を
示す図。
【図18】主蒸気中13Nの成分組成から炉心入口水質を
推測する方法の例を示す図。
【図19】初期水中アセトン濃度とガンマ線照射時の導
電率変化を示す図。
【符号の説明】
1…基準水質センサ群、2…水質センサ群、3…記録・
警報装置、4,5…結合子、6…演算装置、7…データ
ベース、8…水質緩和剤注入装置、9…炉心、10…再
循環系、11…下部格子板、12…上部格子板、13…
上部プレナム、14…シュラウド、15…給水系、16
…主蒸気配管、17,20…タービン、18…復水浄化
系、19…給水ポンプ、21…復水器、22…LPRM
管、23…センサ群、24…炉浄化系、25…インター
フェース、26…水素製造装置、27…水素貯蔵装置、
28…主蒸気センサ群、29…炉浄水系センサ群、30
…給水系センサ群。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 朝倉 大和 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 長瀬 誠 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 大中 紀乏 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 酒井 政則 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 斎藤 隆 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 大角 克己 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 赤嶺 和彦 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 林 真琴 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 仲田 清智 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主蒸気,給・復水系を含む一次冷却系の水
    または蒸気の流路に沿って設置された複数系統の水質セ
    ンサ群と、一系統以上の演算または制御装置および記憶
    装置と、単数または複数の水質緩和剤注入装置の3大構
    成要素からなる水質制御システムを有することを特徴と
    する沸騰水型原子炉一次冷却系。
  2. 【請求項2】主蒸気,給・復水系を含む原子炉一次冷却
    系の単数または複数の特定の部位近傍の特定の水質因子
    の実測値と記憶装置に収納されたデータベースに基づい
    て水質を構成する演算装置を有し、該演算装置による測
    定点と異なる特定部位の水質・材料挙動の推測値が目標
    範囲に合致するように水質緩和剤を注入することを特徴
    とする沸騰水型原子炉一次冷却系。
  3. 【請求項3】主蒸気,給・復水系を含む原子炉一次冷却
    系内の水中の化学成分濃度に関する理論計算結果を各種
    の運転条件に対して予め記憶装置に保持し、水中または
    蒸気中の任意の化学成分の実測値に基づいて計算結果を
    必要に応じて補正し、一次冷却系任意の部位での水質を
    推測する手段を有する沸騰水型原子炉一次冷却系。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の沸騰水型原子炉一次冷却
    系において、前記水質の推測値により緩和剤の注入量の
    増減を決定することを特徴とする水質制御システムを有
    することを特徴とする沸騰水型原子炉一次冷却系。
  5. 【請求項5】請求項3または4に記載の沸騰水型原子炉
    一次冷却系において、前記原子炉一次系内の水中の化学
    成分が水の分解生成物,有機炭素化合物,クロム酸,放
    射性窒素化合物のうち少なくとも一つであることを特徴
    とする沸騰水型原子炉一次冷却系。
  6. 【請求項6】請求項3から5のいずれかに記載の沸騰水
    型原子炉一次冷却系において、原子炉一次系内の水中の
    化学成分の濃度分布の計算値を記憶装置に予め保持して
    おき、特定部位の酸化性成分の実測値と測定誤差の範囲
    内で一致する計算値を含む濃度分布を一次冷却系の水質
    の推測値として採用することを特徴とする沸騰水型原子
    炉一次冷却系。
  7. 【請求項7】請求項3から5のいずれかに記載の沸騰水
    型原子炉一次冷却系において、原子炉一次系内の水中の
    化学成分の実測値から推測する対象量が炉水中の酸素,
    過酸化水素または両者の重み付き算術平均のうち少なく
    とも一つであることを特徴とする沸騰水型原子炉一次冷
    却系。
  8. 【請求項8】原子力プラントの水質を制御する方法にお
    いて各水質センサ情報と炉内の放射線分解生成物の各炉
    内構造材料付近の分解生成物濃度分布に基づき、炉内の
    各場所における流速分布,線量率分布に基づいて、各水
    質条件下における構造材の腐食電位分布を監視し、予め
    設定された電位基準値と各場所における構造材の電位を
    比較することにより、水質を制御し、プラントの健全性
    を評価することを特徴とするプラントの運転方法。
  9. 【請求項9】原子力プラントの水質を制御する方法にお
    いて各水質センサ情報と炉内の放射線分解生成物の各炉
    内構造材料付近の分解生成物濃度分布に基づき、炉内の
    各場所における流速分布,線量率分布に基づいて、各水
    質条件下における構造材の腐食電位分布および応力腐食
    割れ感受性を監視し、予め設定された電位基準値および
    応力腐食割れ感受性設定基準値と各場所における構造材
    の各監視データを比較することにより、水質を制御し、
    プラントの健全性を評価することを特徴とするプラント
    の運転方法。
  10. 【請求項10】請求項1から7のいずれかに記載の沸騰
    水型原子炉一次冷却系において、水質緩和剤が水素,ア
    ンモニア,ヒドラジンなどの還元性、またはLi,K,
    Cs,Naなどのアルカリ金属およびその化合物、また
    はその双方であることを特徴とする沸騰水型原子炉一次
    冷却系。
  11. 【請求項11】請求項1から7および10のいずれかに
    記載の沸騰水型原子炉一次冷却系において、原子炉構造
    材料の腐食電位計,不活性金属の電位計,溶存酸素計,
    pH計,導電率計,主蒸気中放射性窒素の成分分析計,
    亀裂進展モニタ,主蒸気系放射線線量率計の内の少なく
    とも一つの水質センサを含むことを特徴とする沸騰水型
    原子炉一次冷却系。
  12. 【請求項12】請求項1に記載の沸騰水型原子炉一次冷
    却系において、不活性金属として白金,金,パラジウム
    などの白金族元素を用いることを特徴とする沸騰水型原
    子炉一次冷却系。
  13. 【請求項13】不活性金属の電極電位の値に応じ、注入
    する水質緩和剤の量を増加または減少させる水質制御シ
    ステムを有することを特徴とする沸騰水型原子炉一次冷
    却系。
  14. 【請求項14】放射性窒素のアニオン,カチオン,中和
    成分の主蒸気中濃度の相対的比率により水質緩和剤の濃
    度を増減させる水質制御システムを有することを特徴と
    する沸騰水型原子炉一次冷却系。
  15. 【請求項15】主蒸気中の放射性窒素13(13N)のア
    ニオン,カチオン,中性成分の主蒸気中濃度または比率
    により水質緩和剤の濃度の適正値かつ、主蒸気配管周辺
    の放射線線量率により濃度の上限を定めることを特徴と
    する沸騰水型原子炉一次冷却系。
  16. 【請求項16】原子炉炉水に浸漬した亀裂進展モニタの
    出力により水質緩和剤の濃度の下限を定める水質制御シ
    ステムを有することを特徴とする沸騰水型原子炉一次冷
    却系。
  17. 【請求項17】原子炉炉水中の硫酸イオン,銅イオンの
    濃度測定値により水質緩和剤の濃度の下限を定めること
    を特徴とする沸騰水型原子炉一次冷却系。
  18. 【請求項18】炉水中のクロムイオン濃度により水質緩
    和剤の濃度を増減させる水質制御システムを有すること
    を特徴とする沸騰水型原子炉一次冷却系。
  19. 【請求項19】炉水中のカルボン酸濃度と全有機炭素
    (TOC)の比を用いて水質緩和剤の濃度を増減させる
    水質制御システムを有することを特徴とする沸騰水型原
    子炉一次冷却系。
  20. 【請求項20】主蒸気中の酸素ガス流量とオフガス系の
    酸素ガス注入体積流量の和が主蒸気中の水素体積流量の
    半分以上となるように給水中への還元剤注入量を増減さ
    せる水質制御システムを有することを特徴とする沸騰水
    型原子炉一次冷却系。
  21. 【請求項21】水質緩和剤の注入量を一次冷却水と混合
    する前段階で監視する水質制御システムを有することを
    特徴とする沸騰水型原子炉一次冷却系。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009281826A (ja) * 2008-05-21 2009-12-03 Toshiba Corp 放射線照射場における腐食環境評価方法及び放射線照射場における腐食緩和方法

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