JPH09158777A - 非直立型シリンダエンジンのシリンダおよびその製造方法 - Google Patents
非直立型シリンダエンジンのシリンダおよびその製造方法Info
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- JPH09158777A JPH09158777A JP32135795A JP32135795A JPH09158777A JP H09158777 A JPH09158777 A JP H09158777A JP 32135795 A JP32135795 A JP 32135795A JP 32135795 A JP32135795 A JP 32135795A JP H09158777 A JPH09158777 A JP H09158777A
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B61/00—Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
- F02B61/04—Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
- F02B61/045—Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines
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- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は、摩耗の激しい部分のシリン
ダボアの耐久性が向上し、皮膜形成コストおよび加工コ
ストの低減を図ることが可能な非直立型シリンダエンジ
ンのシリンダおよびその製造方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 本発明の横置型内燃機関シリンダ1で
は、ピストン3およびコンロッド4の重さが加わる領域
のシリンダボア(シリンダライナー)2の内面に耐摩耗
性皮膜5を形成している。
ダボアの耐久性が向上し、皮膜形成コストおよび加工コ
ストの低減を図ることが可能な非直立型シリンダエンジ
ンのシリンダおよびその製造方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 本発明の横置型内燃機関シリンダ1で
は、ピストン3およびコンロッド4の重さが加わる領域
のシリンダボア(シリンダライナー)2の内面に耐摩耗
性皮膜5を形成している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船外機等の横置型
内燃機関用シリンダやV型内燃機関用シリンダに用いら
れる非直立型シリンダエンジンのシリンダおよびその製
造方法に関するものである。
内燃機関用シリンダやV型内燃機関用シリンダに用いら
れる非直立型シリンダエンジンのシリンダおよびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、内燃機関のシリンダを構成す
るシリンダライナー(シリンダボア)の内面は、ピスト
ンのピストンスカート部やピストンリングとの摺動に耐
え得るようにするため、その全面に均一な耐摩耗性皮膜
が設けられている。すなわち、高性能エンジン等におい
ては、ピストンリングの摩耗によるエンジン性能の低下
を防ぐため、当該ピストンリングを複数本使用したり、
高硬度材料を適用したりしていることから、高性能化さ
れたピストンリング材に対応する硬質層がシリンダライ
ナーの内面全面に均一に形成されている。この耐摩耗性
皮膜の代表的なものとしては、分散めっきによるNi−
P−SiC等が挙げられ、これにより耐摩耗性を有する
硬質層が形成されている。
るシリンダライナー(シリンダボア)の内面は、ピスト
ンのピストンスカート部やピストンリングとの摺動に耐
え得るようにするため、その全面に均一な耐摩耗性皮膜
が設けられている。すなわち、高性能エンジン等におい
ては、ピストンリングの摩耗によるエンジン性能の低下
を防ぐため、当該ピストンリングを複数本使用したり、
高硬度材料を適用したりしていることから、高性能化さ
れたピストンリング材に対応する硬質層がシリンダライ
ナーの内面全面に均一に形成されている。この耐摩耗性
皮膜の代表的なものとしては、分散めっきによるNi−
P−SiC等が挙げられ、これにより耐摩耗性を有する
硬質層が形成されている。
【0003】このような内燃機関のうち、図16に示す
縦置型内燃機関シリンダ51では、矢印aで示す爆発力
によって複雑なベクトルを受けたピストン52が一軸方
向の動きに転換されるときに生じる力Q1 や、矢印bで
示すピストン52の首振りおよび上下動によって生じる
力Q2 がシリンダライナー53に加わる。なお、図にお
いて54はピストンリング、55はクランク軸、56は
コンロッドである。また、図17に示す横置型内燃機関
シリンダ61では、シリンダライナー63が横方向に配
置されているため、ピストン62に起因する上記力
Q1 ,Q2 に加えてピストン62およびコンロッド66
の重さG1 がシリンダライナー63の内面下側に加わ
る。なお、図において64はピストンリング、65は縦
方向に配置されるクランク軸である。一方、図16およ
び図17において、実線は上死点位置でのピストン5
2,62を示し、鎖線は下死点位置でのピストン52,
62を示している。
縦置型内燃機関シリンダ51では、矢印aで示す爆発力
によって複雑なベクトルを受けたピストン52が一軸方
向の動きに転換されるときに生じる力Q1 や、矢印bで
示すピストン52の首振りおよび上下動によって生じる
力Q2 がシリンダライナー53に加わる。なお、図にお
いて54はピストンリング、55はクランク軸、56は
コンロッドである。また、図17に示す横置型内燃機関
シリンダ61では、シリンダライナー63が横方向に配
置されているため、ピストン62に起因する上記力
Q1 ,Q2 に加えてピストン62およびコンロッド66
の重さG1 がシリンダライナー63の内面下側に加わ
る。なお、図において64はピストンリング、65は縦
方向に配置されるクランク軸である。一方、図16およ
び図17において、実線は上死点位置でのピストン5
2,62を示し、鎖線は下死点位置でのピストン52,
62を示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、上述した
横置型内燃機関シリンダ61においては、図17に示す
ように、力Q1 ,Q2 と、ピストン62およびコンロッ
ド66の重さG1 がシリンダライナー63の内面下側に
加わるので、当該シリンダライナー63の内面下側だけ
に著しい摩耗が生じることになる。しかも、船外機等の
エンジンの場合には、ピストン62とコンロッド66が
大きいので、特に重さG1 が大きくなり、より一層問題
となっていた。
横置型内燃機関シリンダ61においては、図17に示す
ように、力Q1 ,Q2 と、ピストン62およびコンロッ
ド66の重さG1 がシリンダライナー63の内面下側に
加わるので、当該シリンダライナー63の内面下側だけ
に著しい摩耗が生じることになる。しかも、船外機等の
エンジンの場合には、ピストン62とコンロッド66が
大きいので、特に重さG1 が大きくなり、より一層問題
となっていた。
【0005】このように、上記した摩耗は、シリンダラ
イナー63の内面下側に限られているため、摩耗の激し
い部分にだけ高性能な耐摩耗性皮膜を設ければ良いこと
になる。しかし、高性能な耐摩耗性皮膜は、その信頼性
向上を図ることから複合粉末等の高価な材料を使用する
必要があるので、必要箇所以外の領域における皮膜形成
はコスト高を招くという問題もあった。それに加えて、
高性能な耐摩耗性皮膜は、研削やホーニングの仕上加工
が難しく、かつ作業性も悪いので、加工コストが嵩むと
いう不具合を有していた。
イナー63の内面下側に限られているため、摩耗の激し
い部分にだけ高性能な耐摩耗性皮膜を設ければ良いこと
になる。しかし、高性能な耐摩耗性皮膜は、その信頼性
向上を図ることから複合粉末等の高価な材料を使用する
必要があるので、必要箇所以外の領域における皮膜形成
はコスト高を招くという問題もあった。それに加えて、
高性能な耐摩耗性皮膜は、研削やホーニングの仕上加工
が難しく、かつ作業性も悪いので、加工コストが嵩むと
いう不具合を有していた。
【0006】本発明はこのような実状に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、摩耗の激しい部分のシリン
ダボアの耐久性が向上し、皮膜形成コストおよび加工コ
ストの低減を図ることが可能な非直立型シリンダエンジ
ンのシリンダおよびその製造方法を提供することにあ
る。
ものであって、その目的は、摩耗の激しい部分のシリン
ダボアの耐久性が向上し、皮膜形成コストおよび加工コ
ストの低減を図ることが可能な非直立型シリンダエンジ
ンのシリンダおよびその製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の有する課
題を解決するために、請求項1の発明の要旨は、ピスト
ンおよびコンロッドの重さが加わる領域のシリンダボア
の内面に耐摩耗性皮膜を形成した非直立型シリンダエン
ジンのシリンダにある。
題を解決するために、請求項1の発明の要旨は、ピスト
ンおよびコンロッドの重さが加わる領域のシリンダボア
の内面に耐摩耗性皮膜を形成した非直立型シリンダエン
ジンのシリンダにある。
【0008】また、請求項2の発明の要旨は、請求項1
の耐摩耗性皮膜が耐摩耗性溶射皮膜によって形成され、
シリンダボアの内面が溶射皮膜の領域面とアルミニウム
基材の露出した領域面とにより構成されている非直立型
シリンダエンジンのシリンダにある。
の耐摩耗性皮膜が耐摩耗性溶射皮膜によって形成され、
シリンダボアの内面が溶射皮膜の領域面とアルミニウム
基材の露出した領域面とにより構成されている非直立型
シリンダエンジンのシリンダにある。
【0009】また、請求項3の発明の要旨は、ピストン
およびコンロッドの重さが加わる領域のシリンダボアの
内面に気孔率の低い緻密な耐摩耗性溶射皮膜を形成し、
他の部分の領域のシリンダボアの内面に気孔率の高い耐
摩耗性溶射皮膜を形成した非直立型シリンダエンジンの
シリンダにある。
およびコンロッドの重さが加わる領域のシリンダボアの
内面に気孔率の低い緻密な耐摩耗性溶射皮膜を形成し、
他の部分の領域のシリンダボアの内面に気孔率の高い耐
摩耗性溶射皮膜を形成した非直立型シリンダエンジンの
シリンダにある。
【0010】また、請求項4の発明の要旨は、ピストン
およびコンロッドの重さが加わる領域のシリンダボアの
内面に高性能な耐摩耗性溶射皮膜を形成し、他の部分の
領域のシリンダボアの内面に耐摩耗性溶射皮膜を形成し
た非直立型シリンダエンジンのシリンダにある。
およびコンロッドの重さが加わる領域のシリンダボアの
内面に高性能な耐摩耗性溶射皮膜を形成し、他の部分の
領域のシリンダボアの内面に耐摩耗性溶射皮膜を形成し
た非直立型シリンダエンジンのシリンダにある。
【0011】さらに、請求項5の発明の要旨は、シリン
ダボアの内部に内径溶射ガンを配置し、この溶射ガンを
ピストンの摺動方向に沿って移動させるとともに、上記
溶射ガンの動きに応じて上記シリンダボアを段階的に回
転させながら、上記シリンダボアの内面に溶射材料を溶
射して溶射皮膜を形成し、その後、該溶射皮膜に仕上加
工を施して溶射シリンダを製造した非直立型シリンダエ
ンジンのシリンダの製造方法にある。
ダボアの内部に内径溶射ガンを配置し、この溶射ガンを
ピストンの摺動方向に沿って移動させるとともに、上記
溶射ガンの動きに応じて上記シリンダボアを段階的に回
転させながら、上記シリンダボアの内面に溶射材料を溶
射して溶射皮膜を形成し、その後、該溶射皮膜に仕上加
工を施して溶射シリンダを製造した非直立型シリンダエ
ンジンのシリンダの製造方法にある。
【0012】ところで、図1に示すような非直立型であ
る横置型内燃機関シリンダ1においては、シリンダライ
ナー2の内面下側にだけ摩耗が生じるが、これはシリン
ダライナー2が横置きになっていることにより、ピスト
ン3およびコンロッド4の重さG1 がシリンダライナー
2の内面下側のみに加わるからである。すなわち、ピス
トン3およびコンロッド4の重さG1 が加わる可能性を
有しているのは、シリンダ中心線Cより下側の領域2a
(斜線部分)であり、この領域2aに耐摩耗性皮膜を形
成すれば良い。
る横置型内燃機関シリンダ1においては、シリンダライ
ナー2の内面下側にだけ摩耗が生じるが、これはシリン
ダライナー2が横置きになっていることにより、ピスト
ン3およびコンロッド4の重さG1 がシリンダライナー
2の内面下側のみに加わるからである。すなわち、ピス
トン3およびコンロッド4の重さG1 が加わる可能性を
有しているのは、シリンダ中心線Cより下側の領域2a
(斜線部分)であり、この領域2aに耐摩耗性皮膜を形
成すれば良い。
【0013】そこで、本発明に係る横置型内燃機関シリ
ンダ1では、図2(a)〜(c)に示す如く、シリンダ
ライナー2の内面下側にだけ、耐摩耗性皮膜5を形成し
ている。一方、ピストン3およびコンロッド4の重さG
1 が100%加わるのは基本的には図1に示す点Aのみ
であるが、エンジンの爆発力による振れや芯ずれ、ピス
トンリングやピストンの変形によって重さG1 の加わる
点がずれたり、付近の内面に広がったりするからであ
る。
ンダ1では、図2(a)〜(c)に示す如く、シリンダ
ライナー2の内面下側にだけ、耐摩耗性皮膜5を形成し
ている。一方、ピストン3およびコンロッド4の重さG
1 が100%加わるのは基本的には図1に示す点Aのみ
であるが、エンジンの爆発力による振れや芯ずれ、ピス
トンリングやピストンの変形によって重さG1 の加わる
点がずれたり、付近の内面に広がったりするからであ
る。
【0014】したがって、基本的には、図3に示す如
く、シリンダライナー2の点A付近のみに耐摩耗性皮膜
5を形成すれば良い。しかし、実際には、図4に示す如
く、皮膜材料や摩耗状況に応じて点A付近からシリンダ
中心線Cより下側まで皮膜形成領域を設けている。ま
た、耐摩耗性皮膜5は、シリンダライナー2の内面に連
続して形成されている必要はなく、図5に示すように、
シリンダ中心線Cより下側の領域の内面に当該耐摩耗性
皮膜5を部分的に形成するようにしても良い。
く、シリンダライナー2の点A付近のみに耐摩耗性皮膜
5を形成すれば良い。しかし、実際には、図4に示す如
く、皮膜材料や摩耗状況に応じて点A付近からシリンダ
中心線Cより下側まで皮膜形成領域を設けている。ま
た、耐摩耗性皮膜5は、シリンダライナー2の内面に連
続して形成されている必要はなく、図5に示すように、
シリンダ中心線Cより下側の領域の内面に当該耐摩耗性
皮膜5を部分的に形成するようにしても良い。
【0015】また、本発明に係る横置型内燃機関シリン
ダ1では、使用条件等によって、耐摩耗性皮膜に要求さ
れる性能やそうでない部分に要求される性能が違ってお
り、それによって高性能な耐摩耗性皮膜とそうでない部
分の構造を次の3種類に分けることが可能である。
ダ1では、使用条件等によって、耐摩耗性皮膜に要求さ
れる性能やそうでない部分に要求される性能が違ってお
り、それによって高性能な耐摩耗性皮膜とそうでない部
分の構造を次の3種類に分けることが可能である。
【0016】すなわち、図6で示すタイプの横置型内
燃機関シリンダ1aでは、耐摩耗性皮膜が耐摩耗性溶射
皮膜5aによって形成され、シリンダライナー12の内
面が溶射皮膜5aの領域面とアルミニウム基材12aの
露出した領域面とにより構成されている。したがって、
タイプにおける横置型内燃機関シリンダ1aのシリン
ダライナー12は、異種材料を組み合わせた構造となっ
ている。
燃機関シリンダ1aでは、耐摩耗性皮膜が耐摩耗性溶射
皮膜5aによって形成され、シリンダライナー12の内
面が溶射皮膜5aの領域面とアルミニウム基材12aの
露出した領域面とにより構成されている。したがって、
タイプにおける横置型内燃機関シリンダ1aのシリン
ダライナー12は、異種材料を組み合わせた構造となっ
ている。
【0017】図7で示すタイプの横置型内燃機関シリ
ンダ1bでは、ピストン3およびコンロッド4の重さG
1 が加わる領域のシリンダライナー12の内面には気孔
を減らした気孔率の低い(1〜15%)緻密で強度を向
上させている耐摩耗性溶射皮膜15aが形成され、他の
部分の領域のシリンダライナー12の内面には気孔を増
やした気孔率の高い(10〜30%)耐摩耗性溶射皮膜
15bが形成されている。したがって、タイプにおけ
る横置型内燃機関シリンダ1bのシリンダライナー12
は、同質材料を組み合わせた構造となっている。
ンダ1bでは、ピストン3およびコンロッド4の重さG
1 が加わる領域のシリンダライナー12の内面には気孔
を減らした気孔率の低い(1〜15%)緻密で強度を向
上させている耐摩耗性溶射皮膜15aが形成され、他の
部分の領域のシリンダライナー12の内面には気孔を増
やした気孔率の高い(10〜30%)耐摩耗性溶射皮膜
15bが形成されている。したがって、タイプにおけ
る横置型内燃機関シリンダ1bのシリンダライナー12
は、同質材料を組み合わせた構造となっている。
【0018】図8で示すタイプの横置型内燃機関シリ
ンダ1cでは、ピストン3およびコンロッド4の重さG
1 が加わる領域のシリンダライナー12の内面には高性
能な耐摩耗性を有する材料を溶射することによって溶射
皮膜16aが形成され、他の部分の領域のシリンダライ
ナー12の内面には当該溶射皮膜16aより耐摩耗性が
劣り、切削性が良い材料を溶射することによって溶射皮
膜16bが形成されている。したがって、タイプにお
ける横置型内燃機関シリンダ1cのシリンダライナー1
2は、異種材料を組み合わせた構造となっている。
ンダ1cでは、ピストン3およびコンロッド4の重さG
1 が加わる領域のシリンダライナー12の内面には高性
能な耐摩耗性を有する材料を溶射することによって溶射
皮膜16aが形成され、他の部分の領域のシリンダライ
ナー12の内面には当該溶射皮膜16aより耐摩耗性が
劣り、切削性が良い材料を溶射することによって溶射皮
膜16bが形成されている。したがって、タイプにお
ける横置型内燃機関シリンダ1cのシリンダライナー1
2は、異種材料を組み合わせた構造となっている。
【0019】本発明の非直立型内燃機関シリンダによる
と、シリンダライナーの摩耗の激しい部分にだけ耐摩耗
性皮膜を形成しているため、高価な材料の使用量が少な
くて済む上、高硬度皮膜をシリンダライナーの内面全面
に形成するよりも加工が容易となった。
と、シリンダライナーの摩耗の激しい部分にだけ耐摩耗
性皮膜を形成しているため、高価な材料の使用量が少な
くて済む上、高硬度皮膜をシリンダライナーの内面全面
に形成するよりも加工が容易となった。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
に基づいて詳細に説明する。
【0021】本発明の実施の形態は、非直立型シリンダ
エンジンのうち、シリンダライナーが横方向に配置さ
れ、かつクランク軸が縦方向に配置される船外機等の横
置型内燃機関シリンダに適用されている。また、本実施
の形態では、アルミニウム合金(AC4C)製シリンダ
ライナーが使用されている。
エンジンのうち、シリンダライナーが横方向に配置さ
れ、かつクランク軸が縦方向に配置される船外機等の横
置型内燃機関シリンダに適用されている。また、本実施
の形態では、アルミニウム合金(AC4C)製シリンダ
ライナーが使用されている。
【0022】実施例1 本実施例は、図6に示すタイプの横置型内燃機関シリ
ンダ1aを説明するものである。この横置型内燃機関シ
リンダ1aでは、図9に示す如く、AC4C製シリンダ
ライナー基材12aに予めアンダーカット17を設けて
いる。アンダーカット17は、点B,Cにおける接線と
なす角度θが10〜50゜となるように設けられてい
る。この範囲に設定すると、アンダーカット17のエッ
ジ部の密着強さを向上させることが可能になる。同図に
おいて、斜線部分はアンダーカット領域を表し、Oはシ
リンダ中心を示している。
ンダ1aを説明するものである。この横置型内燃機関シ
リンダ1aでは、図9に示す如く、AC4C製シリンダ
ライナー基材12aに予めアンダーカット17を設けて
いる。アンダーカット17は、点B,Cにおける接線と
なす角度θが10〜50゜となるように設けられてい
る。この範囲に設定すると、アンダーカット17のエッ
ジ部の密着強さを向上させることが可能になる。同図に
おいて、斜線部分はアンダーカット領域を表し、Oはシ
リンダ中心を示している。
【0023】上記横置型内燃機関シリンダ1aにおい
て、シリンダライナー12の内面に形成される耐摩耗性
溶射皮膜5aの膜厚は皮膜材質や摩耗状況によって変え
ることができるが、本実施例では、市販の材料を用いて
FeMo皮膜を形成した後、研削加工によって片肉20
0μmとした。本実施例の皮膜形成は、図10に示す内
径溶射ガン20を用いて行っている。すなわち、まずシ
リンダライナー12の内部に内径溶射ガン20の溶射ノ
ズル(プラズマノズル)21を配置し、この溶射ノズル
21をピストンの摺動方向(図中で左右方向)に沿って
移動させ、1パス(片道)毎にシリンダライナー12を
数角度づつ段階的に回転させる。すると、図11に示す
ように、シリンダライナー12のアンダーカット17の
部分にのみ硬質皮膜5aが形成される。なお、この段階
的な回転角度は、溶射材料,粒度,シリンダ内径によっ
て様々に変化させる必要がある。また、図12における
矢印T方向は展開したシリンダライナー12において溶
射ノズル21の軌跡を示している。
て、シリンダライナー12の内面に形成される耐摩耗性
溶射皮膜5aの膜厚は皮膜材質や摩耗状況によって変え
ることができるが、本実施例では、市販の材料を用いて
FeMo皮膜を形成した後、研削加工によって片肉20
0μmとした。本実施例の皮膜形成は、図10に示す内
径溶射ガン20を用いて行っている。すなわち、まずシ
リンダライナー12の内部に内径溶射ガン20の溶射ノ
ズル(プラズマノズル)21を配置し、この溶射ノズル
21をピストンの摺動方向(図中で左右方向)に沿って
移動させ、1パス(片道)毎にシリンダライナー12を
数角度づつ段階的に回転させる。すると、図11に示す
ように、シリンダライナー12のアンダーカット17の
部分にのみ硬質皮膜5aが形成される。なお、この段階
的な回転角度は、溶射材料,粒度,シリンダ内径によっ
て様々に変化させる必要がある。また、図12における
矢印T方向は展開したシリンダライナー12において溶
射ノズル21の軌跡を示している。
【0024】本実施例によれば、耐摩耗性溶射皮膜5a
である硬質皮膜の形成が必要最小限に抑え得るため、材
料コスト,溶射時間,研削時間など多くの点で、シリン
ダライナー12の内面全面にコーティングするよりも、
コストを低減できる。また、本実施例では基材にAC4
Cを用いたが、実用上、AC4C材が表面に露出してい
ると摩耗する場合が多いため、使用状況に応じて基材を
ハイシリコンアルミニウムやSiC等の硬質材料を複合
した粒子分散複合アルミニウム等、耐摩耗性の高い材料
にするとより効果的である。
である硬質皮膜の形成が必要最小限に抑え得るため、材
料コスト,溶射時間,研削時間など多くの点で、シリン
ダライナー12の内面全面にコーティングするよりも、
コストを低減できる。また、本実施例では基材にAC4
Cを用いたが、実用上、AC4C材が表面に露出してい
ると摩耗する場合が多いため、使用状況に応じて基材を
ハイシリコンアルミニウムやSiC等の硬質材料を複合
した粒子分散複合アルミニウム等、耐摩耗性の高い材料
にするとより効果的である。
【0025】実施例2 本実施例は、図7に示すタイプの横置型内燃機関シリ
ンダ1bを説明するものである。この横置型内燃機関シ
リンダ1bでは、図13に示す如く、シリンダライナー
12の内面全体にFeMo皮膜を形成するため、実施例
1と異なり、アンダーカットを設けていない。本実施例
の皮膜形成は、実施例1と同様に、内径溶射ガン20を
用い、シリンダライナー12の内部に内径溶射ガン20
の溶射ノズル21を配置し、この溶射ノズル21をピス
トンの摺動方向に沿って移動させ、1パス毎にシリンダ
ライナー12を数角度づつ段階的に回転させる。このと
き、溶射条件(粒子速度,粒子の溶融温度など)を途中
で変えることにより(組成は変えなくてもよい)皮膜密
度を変化させ、緻密で耐摩耗性の高い溶射皮膜15aの
部分と、そうでない溶射皮膜15bの部分とを設ける。
なお、密度の違いを大きく設ける場合には、1パス毎に
徐々に密度を変化させて密度遷移域の溶射皮膜15cを
設けた方が良い。その他の条件は、実施例1と同様であ
る。
ンダ1bを説明するものである。この横置型内燃機関シ
リンダ1bでは、図13に示す如く、シリンダライナー
12の内面全体にFeMo皮膜を形成するため、実施例
1と異なり、アンダーカットを設けていない。本実施例
の皮膜形成は、実施例1と同様に、内径溶射ガン20を
用い、シリンダライナー12の内部に内径溶射ガン20
の溶射ノズル21を配置し、この溶射ノズル21をピス
トンの摺動方向に沿って移動させ、1パス毎にシリンダ
ライナー12を数角度づつ段階的に回転させる。このと
き、溶射条件(粒子速度,粒子の溶融温度など)を途中
で変えることにより(組成は変えなくてもよい)皮膜密
度を変化させ、緻密で耐摩耗性の高い溶射皮膜15aの
部分と、そうでない溶射皮膜15bの部分とを設ける。
なお、密度の違いを大きく設ける場合には、1パス毎に
徐々に密度を変化させて密度遷移域の溶射皮膜15cを
設けた方が良い。その他の条件は、実施例1と同様であ
る。
【0026】本実施例によれば、シリンダライナー12
の内面全面に緻密な溶射皮膜を形成するのに比べて、研
削加工が容易となるため、研削コストの低減化が図れ
る。また、シリンダライナー12の上部は、溶射皮膜1
5bの存在によって気孔が増えるため、下方に流れやす
いオイルの保持が良くなり、全体的に良好な摺動特性が
得られる。
の内面全面に緻密な溶射皮膜を形成するのに比べて、研
削加工が容易となるため、研削コストの低減化が図れ
る。また、シリンダライナー12の上部は、溶射皮膜1
5bの存在によって気孔が増えるため、下方に流れやす
いオイルの保持が良くなり、全体的に良好な摺動特性が
得られる。
【0027】実施例3 本実施例は、図8に示すタイプの横置型内燃機関シリ
ンダ1cを説明するもので、皮膜形成方法等について基
本的には上記実施例2と同様である。本実施例が実施例
2と異なる点は、実施例2の横置型内燃機関シリンダ1
bでは皮膜条件の変更により皮膜密度を変化させたが、
本実施例の横置型内燃機関シリンダ1cでは使用する溶
射材料を変更して耐摩耗性に変化をつけている。本実施
例の皮膜形成は、図14に示す内径溶射ガン30を用い
て行っている。この溶射ガン30には、2個以上の粉末
供給ポート31,32が取付けられており、粉末供給は
きりの良い所(内径溶射ガン30および溶射ノズル33
がシリンダライナー12から出た時)で切り替えるよう
になっている。なお、材料特性が大きく違う場合は、図
15に示す如く、高性能な耐摩耗性溶射皮膜34aと、
そうでない耐摩耗性溶射皮膜34bと、その他に材料濃
度を少しづつ変化させた遷移域の耐摩耗性溶射皮膜34
cを設けた方が良い。その他の条件は、実施例1と同様
である。
ンダ1cを説明するもので、皮膜形成方法等について基
本的には上記実施例2と同様である。本実施例が実施例
2と異なる点は、実施例2の横置型内燃機関シリンダ1
bでは皮膜条件の変更により皮膜密度を変化させたが、
本実施例の横置型内燃機関シリンダ1cでは使用する溶
射材料を変更して耐摩耗性に変化をつけている。本実施
例の皮膜形成は、図14に示す内径溶射ガン30を用い
て行っている。この溶射ガン30には、2個以上の粉末
供給ポート31,32が取付けられており、粉末供給は
きりの良い所(内径溶射ガン30および溶射ノズル33
がシリンダライナー12から出た時)で切り替えるよう
になっている。なお、材料特性が大きく違う場合は、図
15に示す如く、高性能な耐摩耗性溶射皮膜34aと、
そうでない耐摩耗性溶射皮膜34bと、その他に材料濃
度を少しづつ変化させた遷移域の耐摩耗性溶射皮膜34
cを設けた方が良い。その他の条件は、実施例1と同様
である。
【0028】本実施例のシリンダライナー12では、ピ
ストン3およびコンロッド4の重さG1 が加わる領域に
高性能な耐摩耗性溶射皮膜34aのFeMo皮膜、そう
でない部分の領域に耐摩耗性溶射皮膜34bのFe−C
皮膜、遷移域に耐摩耗性溶射皮膜34cのFe−C・F
eMo皮膜をそれぞれ形成した。FeMo材料はコスト
が高いため、皮膜形成領域を小さく抑えることにより、
材料費を低く抑えることができる。また、Fe−C皮膜
はFeMo皮膜に比べて低融点であるため、溶射のラン
ニングコストを低減できとともに、研削時間なども短縮
でき、多くの点で低コストが可能となる。
ストン3およびコンロッド4の重さG1 が加わる領域に
高性能な耐摩耗性溶射皮膜34aのFeMo皮膜、そう
でない部分の領域に耐摩耗性溶射皮膜34bのFe−C
皮膜、遷移域に耐摩耗性溶射皮膜34cのFe−C・F
eMo皮膜をそれぞれ形成した。FeMo材料はコスト
が高いため、皮膜形成領域を小さく抑えることにより、
材料費を低く抑えることができる。また、Fe−C皮膜
はFeMo皮膜に比べて低融点であるため、溶射のラン
ニングコストを低減できとともに、研削時間なども短縮
でき、多くの点で低コストが可能となる。
【0029】以上、本発明の実施の形態につき述べた
が、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではな
く、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能で
ある。
が、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではな
く、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能で
ある。
【0030】例えば、既述の実施の形態においては、摩
耗の激しい部分に形成する高性能な耐摩耗性皮膜として
FeMo皮膜を適用し、そうでない部分にアルミニウム
基材そのもの、あるいはそうでない部分に形成する耐摩
耗性皮膜としてFe−C皮膜や気孔率を上げたFeMo
皮膜を適用したが、皮膜材料はこれにとらわれるもので
なく、摩耗条件、相手材との関係等によりAl2 O3 ,
Cr2 O3 ,TiO2等を含む各種サーメット材料やF
e系材料(WC−Fe,FeCrなど)、そしてハイシ
リコンアルミニウム等様々な材料を選択できることは言
う迄もない。また、既述の実施の形態においては、横置
型内燃機関シリンダ1を例にとって説明したが、V型内
燃機関シリンダにおいても、ピストンおよびコンロッド
の重さが加わる側と加わらない側が存在し、横置型と全
く同じ現象が生じるため、本発明を適用することができ
る。
耗の激しい部分に形成する高性能な耐摩耗性皮膜として
FeMo皮膜を適用し、そうでない部分にアルミニウム
基材そのもの、あるいはそうでない部分に形成する耐摩
耗性皮膜としてFe−C皮膜や気孔率を上げたFeMo
皮膜を適用したが、皮膜材料はこれにとらわれるもので
なく、摩耗条件、相手材との関係等によりAl2 O3 ,
Cr2 O3 ,TiO2等を含む各種サーメット材料やF
e系材料(WC−Fe,FeCrなど)、そしてハイシ
リコンアルミニウム等様々な材料を選択できることは言
う迄もない。また、既述の実施の形態においては、横置
型内燃機関シリンダ1を例にとって説明したが、V型内
燃機関シリンダにおいても、ピストンおよびコンロッド
の重さが加わる側と加わらない側が存在し、横置型と全
く同じ現象が生じるため、本発明を適用することができ
る。
【0031】
【発明の効果】上述の如く、本発明に係る非直立型シリ
ンダエンジンのシリンダは、ピストンおよびコンロッド
の重さが加わる領域のシリンダボアの内面に耐摩耗性皮
膜を形成しているので、シリンダボアの摩耗を効率的に
抑えことができ、摩耗の激しい部分を有するシリンダボ
アの耐久性向上が図れる。また、シリンダボアの摩耗の
激しい部分にだけ、高価な材料を使用すれば良いので、
粉末コストを低く抑えることができる。しかも、シリン
ダボアの内面全面に高硬度皮膜を形成するよりも、仕上
加工が容易であるため、研削加工やホーニング加工に掛
かるコストを低減できる。
ンダエンジンのシリンダは、ピストンおよびコンロッド
の重さが加わる領域のシリンダボアの内面に耐摩耗性皮
膜を形成しているので、シリンダボアの摩耗を効率的に
抑えことができ、摩耗の激しい部分を有するシリンダボ
アの耐久性向上が図れる。また、シリンダボアの摩耗の
激しい部分にだけ、高価な材料を使用すれば良いので、
粉末コストを低く抑えることができる。しかも、シリン
ダボアの内面全面に高硬度皮膜を形成するよりも、仕上
加工が容易であるため、研削加工やホーニング加工に掛
かるコストを低減できる。
【0032】また、他の本発明に係る非直立型シリンダ
エンジンのシリンダは、ピストンおよびコンロッドの重
さが加わる領域のシリンダボアの内面に気孔率の低い緻
密な耐摩耗性溶射皮膜を形成し、他の部分の領域のシリ
ンダボアの内面に気孔率の高い耐摩耗性溶射皮膜を形成
しているので、上記発明と同様の効果が得られる上、シ
リンダボアの他の部分の領域(横置型内燃機関シリンダ
ではシリンダボアの上部)におけるオイル保持性を改善
でき、ピストン等との摺動状態を良くすることができ
る。
エンジンのシリンダは、ピストンおよびコンロッドの重
さが加わる領域のシリンダボアの内面に気孔率の低い緻
密な耐摩耗性溶射皮膜を形成し、他の部分の領域のシリ
ンダボアの内面に気孔率の高い耐摩耗性溶射皮膜を形成
しているので、上記発明と同様の効果が得られる上、シ
リンダボアの他の部分の領域(横置型内燃機関シリンダ
ではシリンダボアの上部)におけるオイル保持性を改善
でき、ピストン等との摺動状態を良くすることができ
る。
【0033】また、他の本発明に係る非直立型シリンダ
エンジンのシリンダは、ピストンおよびコンロッドの重
さが加わる領域のシリンダボアの内面に高性能な耐摩耗
性溶射皮膜を形成し、他の部分の領域のシリンダボアの
内面に耐摩耗性溶射皮膜を形成しているので、上記発明
と同様の効果が得られる上、溶射のランニングコストの
低減化と研削時間の短縮化が可能になり、作業性の向上
を図ることができる。
エンジンのシリンダは、ピストンおよびコンロッドの重
さが加わる領域のシリンダボアの内面に高性能な耐摩耗
性溶射皮膜を形成し、他の部分の領域のシリンダボアの
内面に耐摩耗性溶射皮膜を形成しているので、上記発明
と同様の効果が得られる上、溶射のランニングコストの
低減化と研削時間の短縮化が可能になり、作業性の向上
を図ることができる。
【0034】さらに、他の本発明のに係る非直立型シリ
ンダエンジンのシリンダの製造方法は、シリンダボアの
内部に内径溶射ガンを配置し、この溶射ガンをピストン
の摺動方向に沿って移動させるとともに、上記溶射ガン
の動きに応じて上記シリンダボアを段階的に回転させな
がら、上記シリンダボアの内面に溶射材料を溶射して溶
射皮膜を形成し、その後、該溶射皮膜に仕上加工を施し
て溶射シリンダを製造しているので、溶射作業時間の短
縮と材料費の削減が可能になり、作業性の向上とコスト
ダウンを図ることができる。
ンダエンジンのシリンダの製造方法は、シリンダボアの
内部に内径溶射ガンを配置し、この溶射ガンをピストン
の摺動方向に沿って移動させるとともに、上記溶射ガン
の動きに応じて上記シリンダボアを段階的に回転させな
がら、上記シリンダボアの内面に溶射材料を溶射して溶
射皮膜を形成し、その後、該溶射皮膜に仕上加工を施し
て溶射シリンダを製造しているので、溶射作業時間の短
縮と材料費の削減が可能になり、作業性の向上とコスト
ダウンを図ることができる。
【図1】本発明の実施の形態に係る横置型シリンダエン
ジンのシリンダにおいて、ピストンおよびコンロッドの
重さが加わる可能性のあるシリンダライナーの領域を示
す概念図ある。
ジンのシリンダにおいて、ピストンおよびコンロッドの
重さが加わる可能性のあるシリンダライナーの領域を示
す概念図ある。
【図2】(a)はピストンおよびコンロッドの重さが加
わるシリンダライナーの内面に耐摩耗性皮膜を形成した
状態を示す平面断面図、(b)はその正面断面図、
(c)はその側面断面図である。
わるシリンダライナーの内面に耐摩耗性皮膜を形成した
状態を示す平面断面図、(b)はその正面断面図、
(c)はその側面断面図である。
【図3】シリンダライナーの点A付近のみに耐摩耗性皮
膜を形成した状態を示す断面図である。
膜を形成した状態を示す断面図である。
【図4】シリンダライナーの点A付近からシリンダ中心
線より下側まで耐摩耗性皮膜を形成した状態を示す断面
図である。
線より下側まで耐摩耗性皮膜を形成した状態を示す断面
図である。
【図5】シリンダライナーの点A付近からシリンダ中心
線より下側まで耐摩耗性皮膜を部分的に形成した状態を
示す断面図である。
線より下側まで耐摩耗性皮膜を部分的に形成した状態を
示す断面図である。
【図6】シリンダライナーの内面が耐摩耗性溶射皮膜の
領域面とアルミニウム基材の露出した領域面とにより構
成されたタイプの横置型内燃機関シリンダを示す断面
図である。
領域面とアルミニウム基材の露出した領域面とにより構
成されたタイプの横置型内燃機関シリンダを示す断面
図である。
【図7】シリンダライナーの内面に、気孔を減らした耐
摩耗性溶射皮膜と気孔を増やした耐摩耗性溶射皮膜を形
成したタイプの横置型内燃機関シリンダを示す断面図
である。
摩耗性溶射皮膜と気孔を増やした耐摩耗性溶射皮膜を形
成したタイプの横置型内燃機関シリンダを示す断面図
である。
【図8】シリンダライナーの内面に、高性能な耐摩耗性
溶射皮膜とこれより劣る耐摩耗性溶射皮膜を形成したタ
イプの横置型内燃機関シリンダを示す断面図である。
溶射皮膜とこれより劣る耐摩耗性溶射皮膜を形成したタ
イプの横置型内燃機関シリンダを示す断面図である。
【図9】図6に示すシリンダライナーの基材にアンダー
カットを設ける状態を示す概念図である。
カットを設ける状態を示す概念図である。
【図10】本実施の形態に係るシリンダライナーの内面
に耐摩耗性溶射皮膜を形成する内径溶射ガンを概念的に
示す斜視図である。
に耐摩耗性溶射皮膜を形成する内径溶射ガンを概念的に
示す斜視図である。
【図11】内面に耐摩耗性溶射皮膜を形成した実施例1
のシリンダライナーを示す斜視図である。
のシリンダライナーを示す斜視図である。
【図12】溶射フレームの軌跡を説明するため、図11
におけるシリンダライナーを展開した状態を示す概念図
である。
におけるシリンダライナーを展開した状態を示す概念図
である。
【図13】図7に示すシリンダライナーの実施例2を示
す断面図である。
す断面図である。
【図14】実施例3のシリンダライナーの内面に皮膜形
成を行う内径溶射ガンを概念的に示す斜視図である。
成を行う内径溶射ガンを概念的に示す斜視図である。
【図15】図8に示すシリンダライナーの実施例3を示
す断面図である。
す断面図である。
【図16】従来の縦置型内燃機関シリンダのシリンダラ
イナーに加わる力の概要を説明する概念図である。
イナーに加わる力の概要を説明する概念図である。
【図17】従来の横置型内燃機関シリンダのシリンダラ
イナーに加わる力の概要を説明する概念図である。
イナーに加わる力の概要を説明する概念図である。
【符号の説明】 1,1a,1b,1c 横置型内燃機関シリンダ 2,12 シリンダライナー 3 ピストン 4 コンロッド 5 耐摩耗性皮膜 5a 耐摩耗性溶射皮膜 15a,15b 耐摩耗性溶射皮膜 16a,16b 耐摩耗性溶射皮膜 20,30 内径溶射ガン 34a,34b 耐摩耗性溶射皮膜 G1 ピストンおよびコンロッドの重さ
Claims (5)
- 【請求項1】 ピストンおよびコンロッドの重さが加わ
る領域のシリンダボアの内面に耐摩耗性皮膜を形成した
ことを特徴とする非直立型シリンダエンジンのシリン
ダ。 - 【請求項2】 上記耐摩耗性皮膜が耐摩耗性溶射皮膜に
よって形成され、シリンダボアの内面が溶射皮膜の領域
面とアルミニウム基材の露出した領域面とにより構成さ
れていることを特徴とする請求項1に記載の非直立型シ
リンダエンジンのシリンダ。 - 【請求項3】 ピストンおよびコンロッドの重さが加わ
る領域のシリンダボアの内面に気孔率の低い緻密な耐摩
耗性溶射皮膜を形成し、他の部分の領域のシリンダボア
の内面に気孔率の高い耐摩耗性溶射皮膜を形成したこと
を特徴とする非直立型シリンダエンジンのシリンダ。 - 【請求項4】 ピストンおよびコンロッドの重さが加わ
る領域のシリンダボアの内面に高性能な耐摩耗性溶射皮
膜を形成し、他の部分の領域のシリンダボアの内面に耐
摩耗性溶射皮膜を形成したことを特徴とする非直立型シ
リンダエンジンのシリンダ。 - 【請求項5】 シリンダボアの内部に内径溶射ガンを配
置し、この溶射ガンをピストンの摺動方向に沿って移動
させるとともに、上記溶射ガンの動きに応じて上記シリ
ンダボアを段階的に回転させながら、上記シリンダボア
の内面に溶射材料を溶射して溶射皮膜を形成し、その
後、該溶射皮膜に仕上加工を施して溶射シリンダを製造
したことを特徴とする非直立型シリンダエンジンのシリ
ンダの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32135795A JPH09158777A (ja) | 1995-12-11 | 1995-12-11 | 非直立型シリンダエンジンのシリンダおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32135795A JPH09158777A (ja) | 1995-12-11 | 1995-12-11 | 非直立型シリンダエンジンのシリンダおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09158777A true JPH09158777A (ja) | 1997-06-17 |
Family
ID=18131678
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32135795A Pending JPH09158777A (ja) | 1995-12-11 | 1995-12-11 | 非直立型シリンダエンジンのシリンダおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09158777A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005298884A (ja) * | 2004-04-09 | 2005-10-27 | Nissan Motor Co Ltd | 溶射皮膜気孔率調整方法およびこの方法によってシリンダボア内面の気孔率を調整したエンジンのシリンダブロック |
EP3290677A1 (en) * | 2016-08-29 | 2018-03-07 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Cylinder block of internal combustion engine and cylinder block manufacturing method |
-
1995
- 1995-12-11 JP JP32135795A patent/JPH09158777A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005298884A (ja) * | 2004-04-09 | 2005-10-27 | Nissan Motor Co Ltd | 溶射皮膜気孔率調整方法およびこの方法によってシリンダボア内面の気孔率を調整したエンジンのシリンダブロック |
JP4561153B2 (ja) * | 2004-04-09 | 2010-10-13 | 日産自動車株式会社 | 溶射皮膜気孔率調整方法およびこの方法によってシリンダボア内面の気孔率を調整したエンジンのシリンダブロック |
EP3290677A1 (en) * | 2016-08-29 | 2018-03-07 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Cylinder block of internal combustion engine and cylinder block manufacturing method |
KR20180025223A (ko) * | 2016-08-29 | 2018-03-08 | 도요타지도샤가부시키가이샤 | 내연 기관의 실린더 블록 및 실린더 블록의 제조 방법 |
RU2675989C1 (ru) * | 2016-08-29 | 2018-12-25 | Тойота Дзидося Кабусики Кайся | Блок цилиндров двигателя внутреннего сгорания и способ производства блока цилиндров |
US10408159B2 (en) | 2016-08-29 | 2019-09-10 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Cylinder block of internal combustion engine and cylinder block manufacturing method |
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