JPH09158097A - カード用紙 - Google Patents

カード用紙

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JPH09158097A
JPH09158097A JP34436795A JP34436795A JPH09158097A JP H09158097 A JPH09158097 A JP H09158097A JP 34436795 A JP34436795 A JP 34436795A JP 34436795 A JP34436795 A JP 34436795A JP H09158097 A JPH09158097 A JP H09158097A
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card
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反発性が良く、折りシワが付きにくく、かつ、
破れ性のあるカード用紙を提供する。 【解決手段】カード用紙1は、第1の層2と、第2の層
3と、第1の層2と第2の層3との間に設けられた第3
の層(中間層)4とで構成されている。第1の層2およ
び第2の層3は、それぞれ主にパルプ繊維で構成されて
いる。第3の層4は、パルプ繊維と、熱水溶解性樹脂お
よび/または熱可塑性樹脂よりなる繊維(樹脂繊維)と
を有しており、この樹脂繊維は、その少なくとも一部が
溶融し、固化した状態で存在している。カード用紙1で
は、この固化した樹脂によって、第3の層4中のパルプ
繊維同士が結合され、かつ、第3の層4と、第1の層2
および第2の層3とが、それぞれ強固に固着(接合)さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カード用紙に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カード用紙(原紙)の製造は、単層抄
き、または多層抄きで行われており、製造されたカード
用紙は、種々の用途に用いられる。例えば、トランプの
カードには、反発性が良く(腰強度が高く)、かつ、表
面に折りシワが付きにくいといった特性が要求され、さ
らに、競技で使用されるトランプのカードは、1回使用
後、破いて廃棄するため、適度に破れ易くなければなら
ない。従来では、カード用紙の反発性を向上させ、か
つ、折りシワを付きにくくするために、原料パルプの叩
解度を増加させ、または種々の添加剤を添加して、紙力
の向上を図っている。
【0003】しかしながら、従来のカード用紙では、未
だ、反発性が不十分であるとともに、折りシワが付き易
いといった欠点がある。そこで、反発性が良く、折りシ
ワが付きにくいカード用紙として、樹脂製のフィルムの
両面に、接着剤で原紙を貼合した構成のもの(フィルム
ラミネート紙)が提案されている。
【0004】しかしながら、このような構成のカード用
紙では、樹脂製のフィルムは通気性が悪いので、そのフ
ィルムの両面にそれぞれ貼合された各原紙の含水率に差
が生じ、このためカード用紙に反り(カール)が生じる
といった問題がある。しかも、フィルムの両面に原紙を
貼合する工程が別途必要となるので、生産性が悪く、ま
た、コストが増加するという欠点がある。
【0005】そして、カード用紙中に高強度の樹脂フィ
ルムが介在しているため、カード用紙を破ろうとする場
合に、破りにくいという欠点もある。また、近年、紙製
のカードに代わり、樹脂製のカードも使用されている。
この樹脂製のカードは、反発性が良く、折りシワが付き
にくく、かつ、反りが生じにくいという点で優れている
が、焼却の際に有毒ガスが発生するので、環境汚染が生
じ易いといった廃棄上の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、反発
性が良く、折りシワが付きにくく、反りを防止すること
ができ、また、廃棄上有用であるカード用紙を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(9)の本発明により達成される。
【0008】(1) 紙材よりなる第1の層と、紙材よ
りなる第2の層と、前記第1の層と前記第2の層との間
に設けられた第3の層とを有し、前記第3の層は、熱水
溶解性樹脂および/または熱可塑性樹脂の繊維とパルプ
繊維とを有し、前記樹脂の繊維は、その少なくとも表面
が溶融して、前記パルプ繊維同士を結合した状態で存在
することを特徴とするカード用紙。
【0009】(2) 紙材よりなる第1の層と、紙材よ
りなる第2の層と、前記第1の層と前記第2の層との間
に設けられた第3の層とを有し、前記第3の層は、パル
プ繊維を熱水溶解性樹脂および/または熱可塑性樹脂に
より結合してなり、かつ、通気性を有する層であること
を特徴とするカード用紙。
【0010】(3) 前記第3の層と前記第1の層およ
び前記第3の層と前記第2の層とが、それぞれ、前記熱
水溶解性樹脂および/または熱可塑性樹脂により結合さ
れている上記(1)または(2)に記載のカード用紙。
【0011】(4) 層構成が、前記第3の層を中心と
して、一方の面側と他方の面側とが対称になっている上
記(1)ないし(3)のいずれかに記載のカード用紙。
【0012】(5) 前記熱可塑性樹脂は、融点が12
5℃以下のものである上記(1)ないし(4)のいずれ
かに記載のカード用紙。
【0013】(6) 前記第3の層は、2種以上の熱水
溶解性樹脂および/または熱可塑性樹脂を含む上記
(1)ないし(5)のいずれかに記載のカード用紙。
【0014】(7) 前記第3の層中の前記熱水溶解性
樹脂および/または熱可塑性樹脂の含有量は、20〜5
0wt%である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載
のカード用紙。
【0015】(8) 前記第3の層のJIS P 8117に規定
する透気度が500秒以下である上記(1)ないし
(7)のいずれかに記載のカード用紙。
【0016】(9) 前記カード用紙は、少なくとも前
記第1の層、第2の層および第3の層を多層抄き合わせ
により製造されたものである上記(1)ないし(8)の
いずれかに記載のカード用紙。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明のカード用紙を添付
図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。図1
は、本発明のカード用紙をトランプのカードに適用した
場合の構成例を模式的に示す断面図である。
【0018】同図に示すように、カード用紙1は、第1
の層2と、第2の層3と、第3の層(中間層)4とを積
層した積層体で構成されている。第3の層4は、第1の
層2と第2の層3との間に配置されている。
【0019】第1の層2は、紙材、すなわち主にパルプ
繊維で構成されている。この場合、第1の層2には、例
えば、ロジン系サイズ剤等の内添サイズ剤、カチオンで
んぷん等の紙力剤、硫酸アルミニウム等の定着剤等の各
種添加剤(内添薬品)が必要に応じて添加されていても
よい。
【0020】第1の層2の米坪量(厚さ)は、特に限定
されないが、50〜200g/m2程度、特に、80〜1
50g/m2程度が好ましい。また、第2の層3の構成
は、前述した第1の層2の構成と同様とされる。
【0021】なお、第2の層3の米坪量と、第1の層2
の米坪量とを同一にするのが好ましい。これにより、第
3の層4がカード用紙1の厚さ方向のほぼ中央に配置さ
れるので、カード用紙1の反り(カール)をより確実に
防止することができる。
【0022】第3の層4は、パルプ繊維と、熱水溶解性
樹脂よりなる繊維(熱水溶解性繊維)および/または熱
可塑性樹脂よりなる繊維(熱溶融性繊維)とを有してい
る。
【0023】前記「熱水溶解性樹脂」とは、60〜90
℃程度の熱水に接触したとき(接触している水分が前記
温度まで昇温したときも含む)、少なくとも表面が溶解
する樹脂をいう。以下、「熱水溶解性樹脂よりなる繊
維」と「熱可塑性樹脂よりなる繊維」とを総称して「樹
脂繊維」という。
【0024】前記樹脂繊維は、後述するように、その少
なくとも表面(一部)が溶融し、固化した状態で存在し
ている。すなわち、樹脂繊維は、その一部または全部が
溶融して、第3の層4のパルプ繊維同士を結合した状態
で存在している。このように、第3の層4は、樹脂繊維
の樹脂で固められ、これによりその強度および弾性が向
上して、必要かつ十分な反発性が得られる。
【0025】一方、第3の層4と第1の層2との界面7
(界面7は必ずしも明確でなくてもよい)および第3の
層4と第2の層3との界面8(界面8は必ずしも明確で
なくてもよい)では、それぞれ、パルプ繊維同士が絡み
合い、かつ、その絡み合ったパルプ繊維同士が、溶融、
固化した樹脂繊維の樹脂により結合されて、固められて
いる。このように、第3の層4と第1の層2との界面7
および第3の層4と第2の層3との界面8は、それぞれ
強固に固着(接合)されている。
【0026】第3の層4中の熱可塑性樹脂は、融点が1
25℃程度以下、特に、70〜110℃程度のものが好
ましい。前記融点の樹脂繊維を用いることにより、特
に、第3の層4と、第1の層2および第2の層3とが、
それぞれ強固に固着される。
【0027】第3の層4中の熱水溶解性樹脂としては、
例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリ
ルアミド等が挙げられ、熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ポリエステル系共重合体、ポリエチレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、
ポリアミド等が挙げられ、これらのうちの1種または2
種以上を組み合わせて用いることができる。
【0028】これらのうちでは、第3の層4の伸縮(特
に、吸湿による伸縮)が防止され、これにより寸法安定
性が向上するという観点からは、熱可塑性樹脂が好まし
い。また、分散性の向上や古紙の再生が可能であるとい
う観点からは、熱水溶解性樹脂、特に、ポリビニルアル
コールが好ましい。
【0029】また、第3の層4の樹脂繊維の全部または
一部を、熱水溶解性樹脂および/または熱可塑性樹脂の
フィラーに代えて添加してもよい。また、第3の層4に
は、例えば、ロジン系サイズ剤等の内添サイズ剤、カチ
オンでんぷん等の紙力剤、硫酸アルミニウム等の定着剤
等の各種添加剤(内添薬品)が必要に応じて添加されて
いてもよい。
【0030】第3の層4中の熱水溶解性樹脂および/ま
たは熱可塑性樹脂の含有量(乾燥重量)は、20〜50
wt%程度、特に、25〜43wt%程度が好ましい。樹脂
の含有量が前記範囲内であると、特に、必要かつ十分な
通気性が得られ、かつ、第3の層4と、第1の層2およ
び第2の層3とが強固に固着されるとともに、焼却性が
良く、産業廃棄上有利である。
【0031】また、第3の層4は、2種以上の樹脂を有
していてもよい。この場合、熱水溶解性樹脂と、熱可塑
性樹脂とを有しているのが好ましい。熱水溶解性の樹脂
繊維を原料として用いることにより、抄紙の際のスラリ
ー中に樹脂繊維が均一に分散し易くなるので、第3の層
4中に樹脂が均一に分散する。そして、熱可塑性樹脂に
より、吸湿性が抑制され、第3の層4の伸縮が防止さ
れ、これにより寸法安定性が向上する。
【0032】樹脂繊維の寸法は、特に限定されないが、
長さは、2〜15mm程度、特に、3〜10mm程度が好ま
しく、繊維径は、0.7〜5デニール程度、特に、1〜
3デニール程度が好ましい。このような寸法の樹脂繊維
を用いることにより、特に、第3の層4と、第1の層2
および第2の層3とを強固に固着することができる。
【0033】第3の層4の米坪量は、特に限定されない
が、カード用紙1全体の米坪量の15〜40%程度、特
に、20〜30%程度が好ましい。
【0034】第3の層4は、パルプ繊維を樹脂で結合し
た多孔質材なので、所定の通気性を有する。第3の層4
の通気性は、JIS P 8117に規定する透気度が500秒程
度以下であるのが好ましく、30〜350秒程度がより
好ましく、50〜200秒程度がさらに好ましい。
【0035】なお、カード用紙1の両面、すなわち、第
1の層2の図1中下側表面と、第2の層3の図1中上側
表面は、それぞれ、印刷性の向上を図るために、所定の
表面処理等がなされていてもよい。
【0036】次に、カード用紙1の製造方法について説
明する。カード用紙1は、所定の抄紙機により、多層抄
き合わせで製造される。この場合、まず、第1の層2、
第2の層3および第3の層4の層材料をそれぞれ製造す
る。
【0037】第1の層2および第2の層3の層材料とし
ては、それぞれ、水と、パルプ繊維と、必要に応じて各
種添加剤とを加え、これらを混合してスラリーを製造す
る。
【0038】また、第3の層4の層材料としては、水
と、パルプ繊維と、樹脂繊維と、必要に応じて各種添加
剤とを加え、これらを混合してスラリーを製造する。こ
の場合、樹脂繊維を用いるので、第3の層4の層材料中
に樹脂繊維が均一に分散された後、その状態が保持され
る。
【0039】次いで、各層材料をそれぞれ抄紙機の貯留
部に貯留する。使用する抄紙機は、特に限定されず、例
えば、円網抄紙機、円網抄紙機と長網抄紙機とを組み合
わせたもの等を使用すればよい。
【0040】そして、抄紙機の作動により、第1の層
2、第3の層4および第2の層3の層材料がこの順序で
抄かれ、この後、ヤンキードライヤーまたは多筒式のシ
リンダードライヤー等で乾燥される。
【0041】この乾燥の際の熱または層中の熱水によ
り、第3の層4中の樹脂繊維の少なくとも表面が溶融
し、この溶融した樹脂が、パルプ繊維間の隙間を通り、
第3の層4中にほぼ均一に拡散するとともに、その一部
は、第1の層2および第2の層3中の第3の層4との界
面7、8付近の部分へも浸透する。
【0042】従って、乾燥時の温度は、第3の層4中の
樹脂繊維の融点または溶解温度以上の温度であれば特に
限定されないが、80〜130℃程度、特に、100〜
130℃程度が好ましい。
【0043】乾燥後、すなわちカード用紙1がドライヤ
ーを通過した後、溶融した樹脂が冷却、固化する。この
際、第1の層2と第3の層4の界面7において、第1の
層2中のパルプ繊維と、第3の層4中のパルプ繊維と
が、前記樹脂で結合され、これと同様に、第2の層3と
第3の層4の界面8において、第2の層3中のパルプ繊
維と、第3の層4中のパルプ繊維とが、前記樹脂で結合
される。これにより、第3の層4と、第1の層2および
第2の層3とが、それぞれ強固に固着(接合)される。
また、第3の層4中のパルプ繊維同士も前記樹脂で結合
される。
【0044】このようにして、多孔質の第1の層2、第
2の層3および第3の層4からなるカード用紙1を得
る。このように、カード用紙1は、第3の層4自体が反
発力(弾性力)を有し、かつ、第3の層4と、第1の層
2および第2の層3とが、それぞれ強固に固着されてい
るので、界面7、8での滑りも起こらず、全体として、
反発性が良く(腰強度が高く)、折りシワが付きにく
い。
【0045】また、カード用紙1は、第1の層2、第2
の層3のみならず、第3の層4が多孔質の層であるの
で、通気性が良い。このため、カード用紙1では、例え
ば、第1の層2の含水率が高くなっても、その湿気が第
3の層4を通って移動するので、第1の層2と第2の層
3の含水率の差が経時的に小さくなり、カード用紙の反
り(カール)を防止することができる。
【0046】また、カード用紙1の第3の層4は、パル
プ繊維を主とし、これを樹脂で結合したものであるの
で、適度に破れ易いといった利点を有する。このため、
例えば、トランプ競技において、トランプを交換する
際、破棄するトランプを比較的簡単に破ることができ
る。さらに、カード用紙を廃棄する場合、ほとんど環境
を汚染することなく焼却することができる。
【0047】また、カード用紙1は、多層抄き合わせに
より容易に製造することができるので、樹脂製のフィル
ムの両面に接着剤等で原紙を貼合(貼着)した構成のカ
ード用紙に比べて、生産性が良く、量産に有利であると
ともに、コストを低減することができる。
【0048】次に、本発明のカード用紙の他の構成例を
説明する。図2は、本発明のカード用紙をトランプのカ
ードに適用した場合の他の構成例を模式的に示す断面図
である。なお、前述したカード用紙1との共通点につい
ては説明を省略し、相違点を説明する。
【0049】同図に示すように、カード用紙1aは、紙
材よりなる第1の層2、第2の層3、第4の層5および
第5の層6と、第3の層4(中間層)との5層で構成さ
れている。この場合、第3の層4は、中央に配置され、
第3の層4の図2中上側に、第2の層3および第5の層
6が配置され、第3の層4の図2中下側に、第1の層2
および第4の層5が配置されている。
【0050】このようなカード用紙1aでも、前述した
カード用紙1と同様に、反発性が良く、折りシワが付き
にくく、カード用紙の反りを防止することができ、適度
に破れ易い。しかも樹脂製のフィルムの両面に接着剤等
で原紙を貼合(貼着)した構成のカード用紙に比べて、
生産性が良く、量産に有利であるとともに、コストを低
減することができる。
【0051】また、カード用紙1aのように、層の総数
(積層数)を増加することにより、カード用紙の米坪量
(厚さ)をより均一にすることができる。なお、前記各
実施例では、カード用紙は、3層または5層構造である
が、本発明のカード用紙は、4層または6層以上の構造
のものであってもよい。
【0052】この場合、層の総数を奇数とし、中央の層
を第3の層(中間層)4に設定するのが好ましい。この
ように第3の層4をカード用紙の厚さ方向の中央に配置
することにより、カード用紙の反りの発生をより確実に
防止することができる。
【0053】また、前記各実施例では、第3の層4が1
層のみ設けられているが、本発明では、第3の層4が複
数設けられていてもよい。この場合、第3の層4と第3
の層4との間に、紙材よりなる層が設けられていてもよ
く、また、第3の層4と第3の層4とが密着していても
よい。
【0054】また、本発明では、紙材よりなる層および
第3の層4と異なる他の層が、1層または複数層設けら
れていてもよい。この場合、前記他の層は、例えば、紙
材よりなる層と紙材よりなる層との間、紙材よりなる層
と第3の層4との間、第3の層4と第3の層4との間、
カード用紙の表面(例えば、第1の層2の図1中下側お
よび/または第2の層3の図1中上側)等に配置するこ
とができる。
【0055】また、前記各実施例では、層構成が、第3
の層4を中心として、一方の面側(各図中上側)と他方
の面側(各図中下側)とが対称になっているが、本発明
では、層構成が、第3の層4を中心として、一方の面側
と他方の面側とが非対称になっていてもよい。なお、前
記層構成としては、例えば、層の材質、層の厚さ、層の
数、層の配置等が挙げられる。
【0056】本発明のカード用紙は、トランプのカード
に代表される各種ゲーム用カードの他、例えば、テレホ
ンカード、オレンジカードのようなプリペードカード
や、IDカード、キャッシュカード等の各種カード類等
に適用することができる。以上、本発明のカード用紙
を、図示の構成例に基づいて説明したが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0057】
【実施例】次に、本発明を具体的実施例によりさらに詳
細に説明する。
【0058】(実施例1)円網抄紙機にて3層抄き合わ
せを行い、図1に示す第1の層2、第2の層3および第
3の層4からなる3層構造のカード用紙1を製造した。
製造されたカード用紙の各層の原料配合および抄紙条件
は、それぞれ下記の通りである。
【0059】 原料配合: [第1の層2] NBKP/LBKP=15/85(カナディアンフリー
ネス430mlCSF):100重量部 添加剤として、ロジン系サイズ剤を0.6wt%、カチオ
ンでんぷん(紙力剤)を1.0wt%、硫酸アルミニウム
(定着剤)を3.5wt%添加した。
【0060】[第2の層3]第1の層2と同一
【0061】[第3の層4] NBKP/LBKP=40/60(カナディアンフリー
ネス200mlCSF):70重量部 ポリビニルアルコール繊維(クラレ社製、VPB105
−1、溶解温度:70℃、繊維長:3mm、繊維径:1.
0デニール):30重量部 添加剤として、ロジン系サイズ剤を0.6wt%、カチオ
ンでんぷん(紙力剤)を1.0wt%、硫酸アルミニウム
(定着剤)を3.5wt%添加した。
【0062】 抄紙条件 乾燥は、ヤンキードライヤーを2本使用し、表面温度を
それぞれ100℃、120℃とし、抄速60m/分で抄
紙した。
【0063】製造されたカード用紙の米坪量は、250
g/m2であり、このうち、第1の層および第2の層の米
坪量は、それぞれ90g/m2、第3の層の米坪量は、7
0g/m2であった。また、カード用紙の緊度は、0.8
5g/cm3 であった。
【0064】(実施例2)5基の円網抄紙機にて5層抄
き合わせを行い、図2に示す第1の層2、第2の層3、
第3の層4、第4の層5および第5の層6からなる5層
構造のカード用紙1aを製造した。製造されたカード用
紙の各層の原料配合および抄紙条件は、それぞれ下記の
通りである。
【0065】 原料配合: [第1の層2] NBKP/LBKP=20/80(カナディアンフリー
ネス430mlCSF):100重量部 添加剤として、ロジン系サイズ剤を0.6wt%、カチオ
ンでんぷん(紙力剤)を1.0wt%、硫酸アルミニウム
(定着剤)を3.5wt%添加した。
【0066】[第2の層3]第1の層2と同一
【0067】[第4の層5]第1の層2と同一
【0068】[第5の層6]第1の層2と同一
【0069】[第3の層4] NBKP/LBKP=40/60(カナディアンフリー
ネス200mlCSF):65重量部 ポリエステル系繊維(ユニチカ社製、メルティ408
0、融点:110℃、繊維長:5mm、繊維径:2.0デ
ニール):35重量部 添加剤として、ロジン系サイズ剤を0.6wt%、カチオ
ンでんぷん(紙力剤)を1.0wt%、硫酸アルミニウム
(定着剤)を3.5wt%添加した。
【0070】 抄紙条件 乾燥は、多筒式ドライヤーにて、表面温度80〜125
℃とし、抄速100m/分で抄紙した。
【0071】製造されたカード用紙の米坪量は、250
g/m2であり、このうち、第1の層〜第5の層の米坪量
は、それぞれ50g/m2であった。また、カード用紙の
緊度は、0.85g/cm3 であった。
【0072】(実施例3)円網抄紙機にて3層抄き合わ
せを行い、図1に示す第1の層2、第2の層3および第
3の層4からなる3層構造のカード用紙1を製造した。
製造されたカード用紙の各層の原料配合および抄紙条件
は、それぞれ下記の通りである。
【0073】 原料配合: [第1の層2] NBKP/LBKP=20/80(カナディアンフリー
ネス430mlCSF):100重量部 添加剤として、ロジン系サイズ剤を0.6wt%、カチオ
ンでんぷん(紙力剤)を1.0wt%、硫酸アルミニウム
(定着剤)を3.5wt%添加した。
【0074】[第2の層3]1の層2と同一
【0075】[第3の層4] NBKP/LBKP=40/60(カナディアンフリー
ネス200mlCSF):70重量部 ポリビニルアルコール繊維(クラレ社製、VPB105
−1、溶解温度:70℃、繊維長:3mm、繊維径:1.
0デニール):15重量部 ポリエステル系繊維(ユニチカ社製、メルティ408
0、融点:110℃、繊維長:5mm、繊維径:2.0デ
ニール):15重量部 添加剤として、ロジン系サイズ剤を0.6wt%、カチオ
ンでんぷん(紙力剤)を1.0wt%、硫酸アルミニウム
(定着剤)を3.5wt%添加した。
【0076】 抄紙条件 乾燥は、抄速100m/分とした以外は実施例1と同一
条件で抄紙した。
【0077】製造されたカード用紙の米坪量は、250
g/m2であり、このうち、第1の層および第2の層の米
坪量は、それぞれ100g/m2、第3の層の米坪量は、
50g/m2であった。また、カード用紙の緊度は、0.
85g/cm3 であった。
【0078】(比較例1)下記の原料配合にて、長網抄
紙機により単層のカード用紙を製造した。
【0079】 原料配合: NBKP/LBKP=30/70(カナディアンフリー
ネス400mlCSF):100重量部 添加剤として、ロジン系サイズ剤を0.7wt%、カチオ
ンでんぷん(紙力剤)を1.0wt%、硫酸アルミニウム
(定着剤)を3.0wt%添加した。
【0080】製造されたカード用紙の米坪量は、250
g/m2であり、緊度は、0.85g/cm3 であった。
【0081】(比較例2)実施例1において、第3の層
4の原料配合を下記のように変更した他は同様にして、
3層構造のカード用紙を製造した。
【0082】 原料配合: [第3の層4] NBKP/LBKP=40/60(カナディアンフリー
ネス200mlCSF):100重量部 添加剤として、ロジン系サイズ剤を0.6wt%、カチオ
ンでんぷん(紙力剤)を1.0wt%、硫酸アルミニウム
(定着剤)を3.5wt%添加した。
【0083】(比較例3)厚さ75μmのポリエステル
製のフィルム(第3の層に相当)の両面に、米坪量が7
0g/m2のコート紙をドライラミネート法により貼合
し、3層貼り合わせ型のカード用紙を製造した。
【0084】製造されたカード用紙の米坪量は、250
g/m2であり、緊度は、1.2g/cm3 であった。
【0085】前記実施例1〜3および比較例1〜3のカ
ード用紙について、それぞれ、下記〜の各試験を行
った。
【0086】 反発性 6cm×9cmのカード状寸法(長尺側が流れ方向)に裁断
した試験片を、長尺方向両端のうちの一端を固定した状
態で、その試験片がU字状になるよう他端側を折り返
し、折り曲げると同時に放し、その際の反発力を天秤で
測定した。
【0087】 折りシワ 前記反発性試験と同一の試験片の折り曲げを連続して行
い、折りシワが発生した時の折曲回数を求めた。この場
合、最高で100回まで折り曲げを行った。
【0088】 破れ性 前記反発性試験と同一の試験片の端面を引き裂いて破
り、その際の破り易さの評価を行った。
【0089】 透気度 第3の層の透気度をJIS P 8117の規定に準じて測定し
た。 これら各試験の結果をそれぞれ下記表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】上記表1に示すように、実施例1〜3で
は、すべての評価が良好であることが証明された。これ
に対し、比較例1および2では、破れ性については良好
であるが、反発性が悪いとともに、折りシワが付き易
い。また、比較例3では、折りシワについては良好であ
るが、反発性および破れ性が悪い。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のカード用
紙によれば、弾性に富んだ第3の層が設けられ、かつ、
第3の層と、第1の層および第2の層とが、それぞれ強
固に接合されているので、各層間での滑りがなく、この
ため全体として反発性が良く、しかも折りシワが付きに
くい。
【0093】そして、本発明のカード用紙は、第3の層
がパルプ繊維を有するので、積層体中に樹脂製のフィル
ムを有するカード用紙に比べ、通気性が良く、よって、
湿気等に対し反りが生じにくい。また、本発明のカード
用紙は、比較的簡単に破ることができるとともに、樹脂
が大半を占めているものではないので、廃棄する場合、
ほとんど環境を汚染することなく焼却することができ
る。
【0094】また、本発明のカード用紙は、多層抄き合
わせにより容易に製造できるので、生産性が良く、量産
にも有利であり、歩留りも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカード用紙をトランプのカードに適用
した場合の構成例を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明のカード用紙をトランプのカードに適用
した場合の他の構成例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1、1a カード用紙 2 第1の層 3 第2の層 4 第3の層(中間層) 5 第4の層 6 第5の層 7、8 界面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙材よりなる第1の層と、紙材よりなる
    第2の層と、前記第1の層と前記第2の層との間に設け
    られた第3の層とを有し、 前記第3の層は、熱水溶解性樹脂および/または熱可塑
    性樹脂の繊維とパルプ繊維とを有し、前記樹脂の繊維
    は、その少なくとも表面が溶融して、前記パルプ繊維同
    士を結合した状態で存在することを特徴とするカード用
    紙。
  2. 【請求項2】 紙材よりなる第1の層と、紙材よりなる
    第2の層と、前記第1の層と前記第2の層との間に設け
    られた第3の層とを有し、 前記第3の層は、パルプ繊維を熱水溶解性樹脂および/
    または熱可塑性樹脂により結合してなり、かつ、通気性
    を有する層であることを特徴とするカード用紙。
  3. 【請求項3】 前記第3の層と前記第1の層および前記
    第3の層と前記第2の層とが、それぞれ、前記熱水溶解
    性樹脂および/または熱可塑性樹脂により結合されてい
    る請求項1または2に記載のカード用紙。
  4. 【請求項4】 層構成が、前記第3の層を中心として、
    一方の面側と他方の面側とが対称になっている請求項1
    ないし3のいずれかに記載のカード用紙。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性樹脂は、融点が125℃以
    下のものである請求項1ないし4のいずれかに記載のカ
    ード用紙。
  6. 【請求項6】 前記第3の層は、2種以上の熱水溶解性
    樹脂および/または熱可塑性樹脂を含む請求項1ないし
    5のいずれかに記載のカード用紙。
  7. 【請求項7】 前記第3の層中の前記熱水溶解性樹脂お
    よび/または熱可塑性樹脂の含有量は、20〜50wt%
    である請求項1ないし6のいずれかに記載のカード用
    紙。
  8. 【請求項8】 前記第3の層のJIS P 8117に規定する透
    気度が500秒以下である請求項1ないし7のいずれか
    に記載のカード用紙。
  9. 【請求項9】 前記カード用紙は、少なくとも前記第1
    の層、第2の層および第3の層を多層抄き合わせにより
    製造されたものである請求項1ないし8のいずれかに記
    載のカード用紙。
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