JPH09156901A - 吸熱反応方法及び装置 - Google Patents

吸熱反応方法及び装置

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JPH09156901A
JPH09156901A JP32175995A JP32175995A JPH09156901A JP H09156901 A JPH09156901 A JP H09156901A JP 32175995 A JP32175995 A JP 32175995A JP 32175995 A JP32175995 A JP 32175995A JP H09156901 A JPH09156901 A JP H09156901A
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gas
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JP32175995A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Kaji
均 加治
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原料ガスを予熱するための大型の予熱器を必要
とせず、しかも反応生成ガスをクエンチングするために
大掛かりな冷却設備を必要としない吸熱反応装置を提供
する。 【解決手段】バーナ装置を備えた反応炉1の内部に予熱
した原料ガス、スチーム及び酸化剤を混合噴射する。反
応炉1の内部で原料ガスの一部を燃焼させて、この燃焼
により発生した熱により原料ガスを吸熱反応させて反応
生成ガスを作る。バーナ装置として、蓄熱式バーナ装置
3を用いる。この蓄熱式バーナ装置は、原料ガスの一部
を燃焼させるために用いる酸化剤または酸化剤及びスチ
ームを反応炉1内に供給する酸化剤供給管5bの先端に
ノズル5aを備えたバーナ5を備えている。そして反応
炉1から排出される反応生成ガスの熱で加熱される少な
くとも1つの通気性を有する蓄熱体4を通して反応炉1
内に原料ガスまたは原料ガス及びスチームを供給する。
そして蓄熱体4を通して反応生成ガスを排出させる。蓄
熱体4を通して供給される原料ガスまたは原料ガス及び
スチームを蓄熱体4に蓄熱された熱で予熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸熱反応を利用し
て反応生成ガスを作る吸熱反応方法及び装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、炭化水素から水素や、オレフィン
等を吸熱反応を利用して製造する技術としては、管式加
熱炉を用いる方法や、バーナ装置を備えた反応炉の内部
に予熱した原料ガス、スチーム及び酸化剤を混合噴射
し、反応炉の内部で原料ガスの一部を燃焼させて、この
燃焼により発生した熱により原料ガスを吸熱反応させて
反応生成ガスを作る部分酸化法等がある。前者の管式加
熱炉を用いる方法では、加熱炉の内部に配置する管の表
面を900〜1000度程度まで加熱する必要があるた
め、装置が大型化する。また後者の部分酸化法では、オ
ランダのShell社が開発したシェル部分酸化法や、
デンマークのトプソ社とベルギーのSBA社が開発した
トプソ−SBA部分酸化法等がよく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の部分酸化法で
は、反応炉に原料ガス、スチーム及び酸化剤を混合噴射
する前に、大型の予熱器を必要とする。また反応炉で生
成した反応生成ガスが他の異なる物質に変化するのを防
止するために、反応炉を出た反応生成ガスを急激に冷却
するための即ちクエンチングするための大掛かりな冷却
設備を必要とする。いずれにしても従来の部分酸化法を
用いる場合には、実施プラントが大型化することは避け
られない。
【0004】本発明の目的は、実施プラントを小形化す
ることできる吸熱反応方法及び装置を提供することにあ
る。
【0005】本発明の目的は、原料ガスまたは原料ガス
及びスチームを予熱するための大型の予熱器を必要とせ
ず、しかも反応生成ガスをクエンチングするために大掛
かりな冷却設備を必要としない吸熱反応方法及び装置を
提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、反応炉内部に触媒を
担持した通気性を有する触媒担持体が配置された反応炉
を用いて、実施プラントを小形化することできる吸熱反
応方法及び装置を提供することにある。
【0007】本発明の更に他の目的は、反応炉内の温度
を簡単に調節することができる吸熱反応方法を提供する
ことにある。
【0008】本発明の別の目的は、回収効率の高い吸熱
反応方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本出願の装置発明は、バ
ーナ装置を備えた反応炉の内部に予熱した原料ガス、ス
チーム及び酸化剤を混合噴射し、反応炉の内部で原料ガ
スの一部を燃焼させて、この燃焼により発生した熱によ
り原料ガスまたは原料ガス及びスチームを吸熱反応させ
て反応生成ガスを作る吸熱反応装置を対象とする。
【0010】本発明では、バーナ装置として、蓄熱式バ
ーナ装置を用いる。この蓄熱式バーナ装置は、原料ガス
の一部を燃焼させるために用いる酸化剤または酸化剤及
びスチームを反応炉内に供給する酸化剤供給管と、反応
炉から排出される反応生成ガスの熱で加熱される少なく
とも1つの通気性を有する蓄熱体と、蓄熱体を通して反
応炉内に原料ガスまたは原料ガス及びスチームを供給し
且つ蓄熱体を通して反応生成ガスを排出させる給気及び
排気設備とを備えている。そして蓄熱体を通して供給さ
れる原料ガスまたは原料ガス及びスチームを蓄熱体に蓄
熱された熱で予熱する。
【0011】本願明細書において、「酸化剤」とは、一
般に純酸素、空気、酸素富化空気のような分子状酸素を
含むガスを総称するものである。しかし特別の場合に
は、酸化剤としてハロゲン、酸化窒素のような酸化性元
素あるいは化合物を用いることも可能である。しかしな
がら、アンモニアプラントを除き酸化剤として純酸素を
用いるのが最も好ましい。これは反応生成ガス中にN2
,NH3 あるいはNOx等の余計な成分が発生するのを
防いで、回収効率を上げることができるからである。な
お、アンモニアプラントの場合は生成した水素と窒素と
を反応させる必要があるため、酸化剤として酸素富化空
気を用いるのが最も好ましい。
【0012】反応生成ガスとして水素を得る場合には、
原料ガスとスチームが反応物となる。これに対して、反
応生成ガスとしてエチレン等を得る場合には、原料ガス
だけが反応物となり、スチームは原料ガスの希釈剤とし
て利用される。
【0013】蓄熱体で原料ガスだけを予熱する場合に
は、蓄熱体の入口における原料ガスの温度が低いため
に、蓄熱体での熱回収率が増大する。また酸化剤と一緒
にスチームを反応炉内に供給すると、酸化剤の分圧を下
げることができて、燃焼速度を低下させて爆発の危険を
回避できる。
【0014】蓄熱体を通って排出される反応生成ガス
は、例えば水素を生成する場合で、850℃程度にな
る。例えば蓄熱体として長さ寸法(ガスが通る方向の寸
法)が数十cm程度のセラミックス製の蓄熱体を用いた
場合で、蓄熱体を出る反応生成ガスの温度は100℃台
まで下がる。そしてこの蓄熱体を通して原料ガスとスチ
ームの混合物を炉内に供給すると、この混合物を750
℃程度まで予熱して炉内に供することができる。したが
って、反応炉の前の工程で、従来のように大型の予熱器
を必要とせずに、原料ガスまたは原料ガス及びスチーム
を予熱することができる。また従来のように、大掛かり
な冷却設備を用いることなく、反応生成ガスを急冷する
ことができ(例えば850℃から100℃台に温度を下
げることができ)、反応炉の後の工程に設ける冷却設備
を小形化することができる。
【0015】またこのような蓄熱式バーナ装置を用いる
と、反応生成ガスの排出口と原料の供給口とが燃焼の場
に配置されるため、反応生成ガスは反応炉内を循環し、
反応炉内の温度がより均一な状態に近付く。したがっ
て、カーボンの発生を抑制することができて、吸熱反応
を促進することができる。
【0016】また蓄熱体の伝熱効率が極めて高いため、
90%程度の熱効率を達成することができ、回収効率も
上げることができる。
【0017】また本発明の方法では、バーナ装置とし
て、先端にノズルを備えた供給管と、炉から排出される
ガスの熱で加熱される少なくとも1つの通気性を有する
蓄熱体と、蓄熱体を通して炉内に気体状物質を供給し且
つ蓄熱体を通してガスを排出させる給気及び排気設備と
を備え、蓄熱体を通して供給される気体状物質を蓄熱体
に蓄熱された熱で予熱する蓄熱式バーナ装置を用いる。
そして供給管から酸化剤または酸化剤及びスチームを供
給し、蓄熱体を通して反応生成ガスを反応炉から排出す
る。また気体状物質として原料ガスまたは原料ガス及び
スチームを蓄熱体を通して反応炉に供給する。そして供
給管から供給される酸化剤と原料ガスの一部とを用いて
反応炉内で燃焼を生じさせ、この際に発生する熱で原料
ガスまたは原料ガスとスチームを吸熱反応させて反応生
成ガスを作る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明で用いることができる蓄熱
式バーナ装置としては、例えば米国特許第4,856,
492号、ヨーロッパ特許出願公開第526,172A
2号、イギリス特許出願公開第2,208,423号
A、特開平1−159511号公報、特開平1−222
102号公報、特開平5−256423号公報、特開平
7−113509号公報等に示された蓄熱式バーナ装置
を、そのまままたは若干の変更を加えることにより利用
することができる。
【0019】なおこれらの蓄熱式バーナ装置を用いる場
合には、これらの公報の中で説明されている燃料を供給
するためのバーナを通して酸化剤または酸化剤とスチー
ムを反応炉内に供給し、排気ガスを通していた通路に反
応生成ガスを通し、酸化剤を通していた通路に原料ガス
または原料ガスとスチームとを通せばよい。
【0020】米国特許第4,856,492号、特開平
1−159511号公報及び特開平5−256423号
公報に示された第1のタイプの蓄熱式バーナ装置は、基
本的には、1つのバーナに対して2つ以上の蓄熱体を用
いる。これらの装置では、例えば、炉から排出されるガ
スの通路または炉内に気体状物質を供給する通路となる
2つの通路内に例えば2つの蓄熱体を配置する。そして
2つの通路を、交互に炉から排出されるガスの通路また
は炉内に気体状物質を供給する通路に切り替える。即ち
2つの蓄熱体に交互に炉から排出されるガスを流して蓄
熱体を加熱し、また炉内に供給する気体状物質を交互に
2つの蓄熱体に流して、炉内に供給する気体状物質を予
熱する。
【0021】またヨーロッパ特許出願公開第526,1
72A2号、イギリス特許出願公開第2,208,42
3号A及び特開平1−222102号公報、特開平7−
113509号公報等に示された第2のタイプの蓄熱式
バーナ装置では、1つのバーナに対して設けた1つの蓄
熱体に対して、この蓄熱体を通して炉内に気体状物質を
供給し且つこの蓄熱体を通してガスを排出させる給気及
び排気設備を設ける。例えば、特開平1−222102
号公報等に示された蓄熱式バーナ装置では、1つの蓄熱
体を通して炉内に気体状物質を供給するダクトと蓄熱体
を通して炉内からガスを排出するダクトとを設け、これ
らのダクトと蓄熱体との間に相対的な回転運動を生じさ
せる。このようにすると1つの蓄熱体の一部を通して炉
からガスを排出して蓄熱体を加熱し、この蓄熱体の残部
を通して炉内に供給する気体状物質を炉内に供給するこ
とにより蓄熱体の顕熱によって気体状物質を予熱するこ
とができる。
【0022】反応炉内に触媒を担持した通気性を有する
触媒担持体を配置する場合には、蓄熱式バーナ装置を触
媒担持体が配置された領域の上部、具体的には反応炉の
上部に設置するのが好ましい。このようにすると、重量
の重い触媒担持体を火炎を直接見ない反応炉の内部の下
側で支持することができ、触媒担持体の支持構造を機械
的に強い構造でしかも安価に構成することができる。ま
た燃焼により発生したカーボンが反応炉の下側に落下す
るため、カーボンが蓄熱体に吸収されるおそれが少なく
なり、反応炉の運転時間を長くすることができる。
【0023】また反応炉の内部の温度を調整するための
冷却設備を更に備えていてもよい。例えば、反応炉内に
冷却水等を流す冷却パイプを配置するとか、または反応
炉の外側に冷却水を流す冷却用ジャケット構造を設ける
ことにより、この冷却設備を構成してもよい。このよう
な冷却設備を設けると反応炉の温度調節ができて、反応
を最適な状態で行わせることが可能になる。
【0024】冷却設備を設けなくても、供給管または酸
化剤供給管から反応炉内に供給する酸化剤の量を調節し
て反応炉内の温度を調節してもよい。供給する酸化剤の
量を変えることにより、燃焼量を調節して、反応炉内の
温度を調節するだけでなく、スチームの量または温度を
変えるこにより、反応炉内の温度を直接調節することも
できる。この方法によると、冷却設備を設ける必要がな
いため、装置の構造を簡単にして、しかも装置の価格を
下げることができる。
【0025】
【実施例】以下図面を参照して、本発明の一実施例を詳
細に説明する。図1は、本発明を水素ガスの発生に用い
る吸熱反応装置に適用した実施例の概念図である。この
図において、1は反応炉であり、この反応炉は耐火材で
内張した圧力容器から構成され、図示しない支持構造体
によって支持されている。反応炉1の内部には、触媒担
持体2が収納されている。この触媒担持体2は、触媒担
持通気性固体とも呼ばれ、四方に孔があいているスポン
ジ状構造または三次元網目状構造を有する多孔性のセラ
ミックス製部材である。水素を吸熱反応で製造する場合
には、この触媒担持体2にスチームリフォーミング触媒
を担持させ、更に部分酸化法に適した高温サービス用改
質触媒を担持させる。触媒担持体2は、触媒担持体2の
下側に配置された図示しない支持構造によって、反応炉
1の内部に機械的に支持されている。
【0026】反応炉1の上部に位置する上側壁部には、
蓄熱式バーナ装置3が取り付けられている。この蓄熱式
バーナ装置3は、回転蓄熱式バーナ装置等と呼ばれるも
ので、特開平1−222102号公報や米国特許第5,
275,556号等に示された蓄熱式バーナ装置と同様
のものであり、その詳細は周知であるため、ここでは簡
単に説明する。反応炉1の上側壁部に設けられた取付孔
内には、セラミックス製の蓄熱体4が固定されている。
この蓄熱体の中央部には、バーナ5が貫通する貫通孔が
形成されている。バーナ5は、周知の使用方法において
は燃料供給管として用いられていた供給管としての酸化
剤供給管5bの先端にノズル5aを備えた構造を有して
いる。この蓄熱体4には、バーナ5が延びる方向に複数
個の貫通孔が形成されている。
【0027】蓄熱体4の低温側には、蓄熱体4を通して
炉反応1内に原料ガスとスチームの混合物(気体状物
質)を供給し且つ蓄熱体4を通して反応生成ガスを排出
させる給気及び排気設備6が設けられている。この例の
給気及び排気設備6は、蓄熱体4を支持する壁部に固定
された外側ダクト7と、外側ダクト7の内部で回転する
内側ダクト8とから構成された回転ダクト構造体9と、
モータ10を備えて内側ダクト8に回転力を与える回転
駆動機構11と、内側ダクト8を外側ダクト7の内部に
回転自在に支持するベアリング機構12と、内側ダクト
8と外側ダクト7との間をシールするシール部材13と
から構成される。内側ダクト8は、その先端に蓄熱体4
の低温側端面と部分的に対向する複数のノズル部を備え
ている。内側ダクト8のノズル部と対向する蓄熱体4の
部分から、原料ガスとスチームが反応炉1内に供給さ
れ、内側ダクト8のノズル部が対向していない蓄熱体4
の部分から外側ダクト7を通して反応生成ガスが排出さ
れる。なお内側ダクト8の先端部のノズル部の端部には
シール部材が取り付けられており、内側ダクト8は図示
しない付勢機構によって蓄熱体4側に付勢されていて、
その図示しないシール部材が蓄熱体4の低温側端面に押
し付けられている。
【0028】この例では、バーナ5に酸化剤として純酸
素を流しており、バーナ5の先端から反応炉1内に純酸
素が供給される。この純酸素の供給量は、理論酸素量以
下で、指定された炉内温度となる酸素量比以上とする。
この酸素量の設定については、1995年に開かれた日
本伝熱シンポジウムで東京工業大学の研究者が発表した
「理論空気量に対する実際に投入する空気量の比率を0
に近付けていくと、本来含まれていない水素が発生す
る」という理論に基いている。
【0029】また内側ダクト8の入口部8aからは、原
料ガスとスチーム(水蒸気)の混合物が供給される。原
料としては、天然ガスやナフサ等が用いられる。なおナ
フサは揮発させて原料として用いる。また外側ダクト7
の出口部7aからは外側ダクト7を通して反応炉1から
排出される反応生成ガスが排出される。この実施例の反
応生成ガスは、H2 ,CO,CO2 ,H2 O及び未反応
物である。なお反応生成ガスからCO2 を分離装置で分
離した後に、本反応器入口にリサイクルすれば合成アル
コールの原料であるオキソ合成ガスプロセス(H2 +C
O)となる。
【0030】バーナ5から供給した純酸素は、内側ダク
ト8を通り蓄熱体4で予熱された原料ガスの一部と反応
して燃焼する。なお燃焼を開始するために、この種のバ
ーナ装置では、図示していないが点火用のパイロットバ
ーナが設けられている。パイロットバーナの火炎により
バーナ5と触媒担持体2との間の空間で原料ガスの一部
と純酸素とが混合して燃焼する。この燃焼により発生し
た熱により未燃焼の原料ガスをスチームと吸熱反応させ
て水素ガスを含む反応生成ガスが作られる。反応生成ガ
スは、反応炉1の内部を循環して、燃焼部側に設けられ
た排気口、即ち蓄熱体4と外側ダクト7を通して、図示
しない冷却装置を含むガス分離装置に送られる。
【0031】反応生成ガスが蓄熱体4を通過する際に、
反応生成ガスの熱は蓄熱体4で吸熱または回収される。
反応生成ガスの反応炉1内温度は、約850℃程度であ
るが、蓄熱体4を通って外側ダクト7に排出される反応
生成ガスの温度は100〜200℃である。加熱された
蓄熱体4で予熱される原料ガスとスチームの混合物の温
度は、約800℃である。
【0032】なお反応炉1の内部の温度は、バーナ5か
ら供給する酸素の量を調節することにより調節すること
ができる。具体的には、燃焼室の温度をプロセス側から
要求される反応温度程度となるように酸素量を調節す
る。
【0033】また反応炉1の内部の温度の調節は、図1
に破線で示すように、反応炉1の内部に冷却用の水冷管
14等を配置して行ってもよい。また反応炉1の外側に
水冷用ジャケット等を配置してもよい。
【0034】なおバーナ5の酸化剤供給管5bを冷却装
置で冷却して、管路の温度が必要以上に上昇しないよう
にしてもよい。
【0035】この装置を用いて水素を製造する場合、製
造量を増加させるためには、装置を複数台設置すればよ
い。この例では、1つの反応炉1内に1台の蓄熱式バー
ナ装置3を設置しているが、反応炉1の大きさに応じて
複数台の蓄熱式バーナ装置を並設してもよい。
【0036】上記実施例では、スチームを原料ガスと一
緒に蓄熱体4を通して反応炉1内に供給しているが、ス
チームを酸化剤と一緒に酸化剤供給管5bを通してバー
ナ5から反応炉1内に供給してもよい。このようにする
と蓄熱体4に入る原料ガスの温度が低くなるため、蓄熱
体4での熱回収率が向上し、蓄熱体4から排出される反
応生成ガスの温度を低くすることができる。
【0037】本発明の吸熱反応方法及び装置は、水素の
製造だけでなく、エチレン及びメタノールの製造や、オ
キソ合成や、アンモニアプラントにも適用できる。エチ
レン等を製造する場合には、スチームは原料ガスを希釈
する目的で反応炉内に供給される。これらを製造する場
合でも、スチームは原料ガと一緒に反応炉に供給しても
よいし、酸化剤と一緒に反応炉に供給してもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、蓄熱体で原料ガスを予
熱するために、反応炉の前の工程で、従来のように大型
の予熱器を必要としない。また反応生成ガスの熱が蓄熱
体で回収されて反応生成ガスの温度が大幅に低下するた
め、反応炉の後の工程で、従来のように大掛かりな冷却
設備を用いることなく、反応生成ガスを急冷することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を水素ガスの発生に用いる吸熱反応装
置の一例の概念図である。
【符号の説明】
1 反応炉 2 触媒担持体 3 蓄熱式バーナ装置 4 蓄熱体 5 バーナ 6 給気及び排気設備 7 外側ダクト 8 内側ダクト
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F24H 7/00 F24H 7/00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーナ装置を備えた反応炉の内部に予熱
    した原料ガス、スチーム及び酸化剤を混合噴射し、前記
    反応炉の内部で前記原料ガスの一部を燃焼させて、この
    燃焼により発生した熱により前記原料ガスを吸熱反応さ
    せて反応生成ガスを作る吸熱反応装置であって、 前記バーナ装置として、前記原料ガスの一部を燃焼させ
    るために用いる前記酸化剤を前記反応炉内に供給する酸
    化剤供給管と、前記反応炉から排出される前記反応生成
    ガスの熱で加熱される少なくとも1つの通気性を有する
    蓄熱体と、前記蓄熱体を通して前記反応炉内に前記原料
    ガス及びスチームを供給し且つ前記蓄熱体を通して前記
    反応生成ガスを排出させる給気及び排気設備とを備え、
    前記蓄熱体を通して供給される前記原料ガス及びスチー
    ムを前記蓄熱体に蓄熱された熱で予熱する蓄熱式バーナ
    装置を用いることを特徴とする吸熱反応装置。
  2. 【請求項2】 バーナ装置を備えた反応炉の内部に予熱
    した原料ガス、スチーム及び酸化剤を混合噴射し、前記
    反応炉の内部で前記原料ガスの一部を燃焼させて、この
    燃焼により発生した熱により前記原料ガスを吸熱反応さ
    せて反応生成ガスを作る吸熱反応装置であって、 前記バーナ装置として、前記原料ガスの一部を燃焼させ
    るために用いる前記酸化剤及び前記スチームを前記反応
    炉内に供給する酸化剤供給管と、前記反応炉から排出さ
    れる前記反応生成ガスの熱で加熱される少なくとも1つ
    の通気性を有する蓄熱体と、前記蓄熱体を通して前記反
    応炉内に前記原料ガスを供給し且つ前記蓄熱体を通して
    前記反応生成ガスを排出させる給気及び排気設備とを備
    え、前記蓄熱体を通して供給される前記原料ガスを前記
    蓄熱体に蓄熱された熱で予熱する蓄熱式バーナ装置を用
    いることを特徴とする吸熱反応装置。
  3. 【請求項3】 バーナ装置を備えた反応炉の内部に予熱
    した原料ガス、スチーム及び酸化剤を混合噴射し、前記
    反応炉の内部で前記原料ガスの一部を燃焼させて、この
    燃焼により発生した熱により前記原料ガスと前記スチー
    ムとを吸熱反応させて水素ガスを作る吸熱反応装置であ
    って、 前記バーナ装置として、先端にノズルを備えて前記原料
    ガスの一部を燃焼させるために用いる前記酸化剤を前記
    反応炉内に供給する酸化剤供給管と、前記反応炉から排
    出される前記水素ガスの熱で加熱される少なくとも1つ
    の通気性を有する蓄熱体と、前記蓄熱体を通して前記反
    応炉内に前記原料ガス及びスチームを供給し且つ前記蓄
    熱体を通して前記水素ガスを排出させる給気及び排気設
    備とを備え、前記蓄熱体を通して供給される前記原料ガ
    ス及びスチームを前記蓄熱体に蓄熱された熱で予熱する
    蓄熱式バーナ装置を用いることを特徴とする吸熱反応装
    置。
  4. 【請求項4】 バーナ装置を備えた反応炉の内部に予熱
    した原料ガス、スチーム及び酸化剤を混合噴射し、前記
    反応炉の内部で前記原料ガスの一部を燃焼させて、この
    燃焼により発生した熱により前記原料ガスと前記スチー
    ムとを吸熱反応させて水素ガスを作る吸熱反応装置であ
    って、 前記バーナ装置として、先端にノズルを備えて前記原料
    ガスの一部を燃焼させるために用いる前記酸化剤及び前
    記スチームを前記反応炉内に供給する酸化剤供給管と、
    前記反応炉から排出される前記水素ガスの熱で加熱され
    る少なくとも1つの通気性を有する蓄熱体と、前記蓄熱
    体を通して前記反応炉内に前記原料ガスを供給し且つ前
    記蓄熱体を通して前記水素ガスを排出させる給気及び排
    気設備とを備え、前記蓄熱体を通して供給される前記原
    料ガスを前記蓄熱体に蓄熱された熱で予熱する蓄熱式バ
    ーナ装置を用いることを特徴とする吸熱反応装置。
  5. 【請求項5】 前記反応炉内には触媒を担持した通気性
    を有する触媒担持体が配置されており、 前記蓄熱式バーナ装置が前記触媒担持体が収納された前
    記反応炉の上部に設置されていることを特徴とする請求
    項1,2,3または4に記載の吸熱反応装置。
  6. 【請求項6】 前記反応炉の内部の温度を調整するため
    の冷却設備を備えている請求項1、2,3または4に記
    載の吸熱反応装置。
  7. 【請求項7】 バーナ装置を備えた反応炉の内部に予熱
    した原料ガス、スチーム及び酸化剤を混合噴射し、前記
    反応炉の内部で前記原料ガスの一部を燃焼させ、この燃
    焼により発生した熱により前記原料ガスを吸熱反応させ
    て反応生成ガスを作る吸熱反応方法であって、 前記バーナ装置として、先端にノズルを備えた供給管
    と、炉から排出されるガスの熱で加熱される少なくとも
    1つの通気性を有する蓄熱体と、前記蓄熱体を通して前
    記炉内に気体状物質を供給し且つ前記蓄熱体を通して前
    記ガスを排出させる給気及び排気設備とを備え、前記蓄
    熱体を通して供給される前記気体状物質を前記蓄熱体に
    蓄熱された熱で予熱する蓄熱式バーナ装置を用い、 前記供給管から前記酸化剤を供給し、 前記気体状物質として前記原料ガス及びスチームを前記
    蓄熱体を通して前記反応炉に供給し、 前記供給管される前記酸化剤と前記原料ガスの一部とを
    用いて前記燃焼を生じさせ、 前記蓄熱体を通して前記反応生成ガスを前記反応炉から
    排出することを特徴とする吸熱反応方法。
  8. 【請求項8】 バーナ装置を備えた反応炉の内部に予熱
    した原料ガス、スチーム及び酸化剤を混合噴射し、前記
    反応炉の内部で前記原料ガスの一部を燃焼させ、この燃
    焼により発生した熱により前記原料ガスを吸熱反応させ
    て反応生成ガスを作る吸熱反応方法であって、 前記バーナ装置として、先端にノズルを備えた供給管
    と、炉から排出されるガスの熱で加熱される少なくとも
    1つの通気性を有する蓄熱体と、前記蓄熱体を通して前
    記炉内に気体状物質を供給し且つ前記蓄熱体を通して前
    記ガスを排出させる給気及び排気設備とを備え、前記蓄
    熱体を通して供給される前記気体状物質を前記蓄熱体に
    蓄熱された熱で予熱する蓄熱式バーナ装置を用い、 前記供給管から前記酸化剤及びスチームを供給し、 前記気体状物質として前記原料ガスを前記蓄熱体を通し
    て前記反応炉に供給し、 前記供給管から供給される前記酸化剤と前記原料ガスの
    一部とを用いて前記燃焼を生じさせ、 前記蓄熱体を通して前記反応生成ガスを前記反応炉から
    排出することを特徴とする吸熱反応方法。
  9. 【請求項9】 前記酸化剤及びスチームの少なくとも一
    方の量を調節して前記反応炉内の温度を調節することを
    特徴とする請求項7または8に記載の吸熱反応方法。
  10. 【請求項10】 前記酸化剤が酸素または酸素富化空気
    であることを特徴とする請求項7または8に記載の吸熱
    反応方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999041192A1 (de) * 1998-02-11 1999-08-19 Degussa-Hüls Aktiengesellschaft Rohrofen zur durchführung kontinuierlicher endothermer gasreaktionen und dessen verwendung

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WO1999041192A1 (de) * 1998-02-11 1999-08-19 Degussa-Hüls Aktiengesellschaft Rohrofen zur durchführung kontinuierlicher endothermer gasreaktionen und dessen verwendung

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