JPH09153769A - 騒音抑圧装置 - Google Patents
騒音抑圧装置Info
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- JPH09153769A JPH09153769A JP7308807A JP30880795A JPH09153769A JP H09153769 A JPH09153769 A JP H09153769A JP 7308807 A JP7308807 A JP 7308807A JP 30880795 A JP30880795 A JP 30880795A JP H09153769 A JPH09153769 A JP H09153769A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 目的信号のスペクトル歪みを極力軽減するこ
とのできる騒音抑圧装置を実現することである。 【解決手段】 音声に騒音が重畳した入力信号は線形予
測分析手段101でスペクトル包絡パラメータと予測残
差信号に分離され、分析された予測残差信号は標本値の
間の相関が除去され、周波数スペクトル特性はほぼ平坦
となり、帯域分割手段102で周波数分割される。これ
と同時に予測残差信号を用いて音声/非音声識別手段1
03で目的信号か非目的信号が識別され、この結果に基
づきレベル調整手段104の基準レベルを自動的に設定
し、その後、帯域合成手段105で合成を行う構成を特
徴としている。
とのできる騒音抑圧装置を実現することである。 【解決手段】 音声に騒音が重畳した入力信号は線形予
測分析手段101でスペクトル包絡パラメータと予測残
差信号に分離され、分析された予測残差信号は標本値の
間の相関が除去され、周波数スペクトル特性はほぼ平坦
となり、帯域分割手段102で周波数分割される。これ
と同時に予測残差信号を用いて音声/非音声識別手段1
03で目的信号か非目的信号が識別され、この結果に基
づきレベル調整手段104の基準レベルを自動的に設定
し、その後、帯域合成手段105で合成を行う構成を特
徴としている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音声信号に騒音などの
雑音が重畳した入力信号に対し、音声信号を歪ませるこ
となく、効率的に雑音を抑制する騒音抑圧装置に関する
ものである。
雑音が重畳した入力信号に対し、音声信号を歪ませるこ
となく、効率的に雑音を抑制する騒音抑圧装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】我々の生活環境においては、さまざまな
音響信号が存在している。すなわち、聴取したい信号を
目的信号、それ以外の信号を非目的信号と呼ぶことにす
ると、我々の音環境はこの非目的信号が目的信号と混在
一体となって存在していることになる。したがって、こ
のような音の環境の中で、通常の音響処理装置(例えば
信号増幅器など)を使用した場合には目的信号が非目的
信号にうずまってしまい、この場合の目的信号のみを増
幅するという音響処理装置の目的が達成できず、結果的
に非常に使いにくい装置となってしまう。
音響信号が存在している。すなわち、聴取したい信号を
目的信号、それ以外の信号を非目的信号と呼ぶことにす
ると、我々の音環境はこの非目的信号が目的信号と混在
一体となって存在していることになる。したがって、こ
のような音の環境の中で、通常の音響処理装置(例えば
信号増幅器など)を使用した場合には目的信号が非目的
信号にうずまってしまい、この場合の目的信号のみを増
幅するという音響処理装置の目的が達成できず、結果的
に非常に使いにくい装置となってしまう。
【0003】例えば、エアコンの動作している部屋で従
来の増幅器を使う場合を考えると、目的信号(例えば音
声信号)の増幅と同時に非目的信号(この場合はエアコ
ンの騒音)も増幅される。そのため音声信号がエアコン
の騒音に邪魔をされて非常に聴きにくい音として増幅さ
れることになり、この場合には快適な増幅器とはいえな
くなる。
来の増幅器を使う場合を考えると、目的信号(例えば音
声信号)の増幅と同時に非目的信号(この場合はエアコ
ンの騒音)も増幅される。そのため音声信号がエアコン
の騒音に邪魔をされて非常に聴きにくい音として増幅さ
れることになり、この場合には快適な増幅器とはいえな
くなる。
【0004】このような問題に対し、特開平4−230
798号公報記載の発明では、入力信号を周波数分割す
る方法で、騒音の抑圧を行っている。すなわち、マイク
ロホンなどからの入力信号を複数の帯域フィルタで周波
数分割し、それぞれの帯域フィルタの出力レベルを個々
に制御することで、信号パワーの比較的小さい騒音を抑
圧し、音声信号区間だけを増幅する工夫がなされてい
る。これを図3のブロック図を用いて説明する。この図
で、301は帯域分割手段、302は信号識別手段、3
03はレベル調整手段、304は帯域合成手段である。
798号公報記載の発明では、入力信号を周波数分割す
る方法で、騒音の抑圧を行っている。すなわち、マイク
ロホンなどからの入力信号を複数の帯域フィルタで周波
数分割し、それぞれの帯域フィルタの出力レベルを個々
に制御することで、信号パワーの比較的小さい騒音を抑
圧し、音声信号区間だけを増幅する工夫がなされてい
る。これを図3のブロック図を用いて説明する。この図
で、301は帯域分割手段、302は信号識別手段、3
03はレベル調整手段、304は帯域合成手段である。
【0005】次に動作について説明する。音声信号と騒
音が重畳された入力信号はマイクロホンなどの音響変換
器を入力手段として入力された後、その信号は帯域分割
手段301で帯域分割される。そして信号識別手段30
2により入力信号が音声であるか騒音であるかを判別す
る。従来法の特開平4−227338号公報記載の発明
では音声帯域検出手段などによって分割された帯域のど
の帯域に音声が含まれているかを判別する方法で、各帯
域毎に信号判別を行っている。そして、レベル調整手段
303において、各帯域の増幅率に応じて各帯域のレベ
ルが調整される。最終的に、帯域合成手段304におい
て各帯域の信号が加算されて、これを出力信号とする。
音が重畳された入力信号はマイクロホンなどの音響変換
器を入力手段として入力された後、その信号は帯域分割
手段301で帯域分割される。そして信号識別手段30
2により入力信号が音声であるか騒音であるかを判別す
る。従来法の特開平4−227338号公報記載の発明
では音声帯域検出手段などによって分割された帯域のど
の帯域に音声が含まれているかを判別する方法で、各帯
域毎に信号判別を行っている。そして、レベル調整手段
303において、各帯域の増幅率に応じて各帯域のレベ
ルが調整される。最終的に、帯域合成手段304におい
て各帯域の信号が加算されて、これを出力信号とする。
【0006】図3に示した騒音抑圧装置では、騒音を抑
圧するための基本技術として、信号を「帯域分割」する
ことが使われている。このいわゆる帯域分割型の騒音抑
制法は、音声符号化装置に応用したもの(特開平4−2
30799号公報)、またFM受信機の雑音除去(特開
平2−25127号公報)など、音響信号あるいは音声
信号処理技術のみならず放送関連技術の分野などで広く
使われており公知の事実である。
圧するための基本技術として、信号を「帯域分割」する
ことが使われている。このいわゆる帯域分割型の騒音抑
制法は、音声符号化装置に応用したもの(特開平4−2
30799号公報)、またFM受信機の雑音除去(特開
平2−25127号公報)など、音響信号あるいは音声
信号処理技術のみならず放送関連技術の分野などで広く
使われており公知の事実である。
【0007】そこで、図4の帯域分割による騒音抑制処
理の動作概要を示す図(その1)を用いて説明する。こ
の例における周波数帯域の分割数は、ch1からch3
までの3チャンネルであり、同図のNが騒音の周波数ス
ペクトル(騒音Nともいう)、Sが目的信号のスペクト
ル(目的信号Sともいう)を示す。入力信号は各帯域に
分割された後、それぞれの帯域における平均信号レベル
が計算される。例えば、入力信号が騒音の場合は同図に
おいて、それぞれの平均信号レベルはLn1からLn3
で示され、目的信号の場合にはそれぞれLs1からLs
3で示されることになる。次に、図4の一点破線で示す
ように、あらかじめ設定された基準レベルLth1〜L
th3を用いて、それぞれの帯域に対する重み係数を次
式に従って計算し、その結果を用いて各帯域の信号レベ
ルを調整する。すなわち、チャンネル1(ch1)の重
み係数W1は、W1=Ln1/Lth1で求め、この値
が各帯域の増幅係数に相当することになる。当然のよう
に、この基準レベルよりも小さいレベルの信号は重み係
数が1より小さくなり、結果的にそのチャンネルの信号
レベルは入力のレベルよりも小さく抑制される。一方、
基準レベルよりも大きな信号は、重み係数が1よりも大
きくなり、そのチャンネルの信号は大きく増幅される
か、または、基準レベル>1の条件ではこれを1に固定
することもでき、結果的に騒音レベルのみを抑圧するこ
とができる。したがって、騒音Nのレベルが目的信号S
よりも小さい条件では、このような騒音抑制処理は通常
有効に動作することになる。ここで、基準レベルLth
1〜Lth3の設定は非常に重要である。すなわち、基
準レベルを高く設定することで騒音Nの抑圧量を大きく
することができるが、図4の基準レベル(Lth3)が
示すように、Lth3>Ls3の条件となる帯域では目
的信号レベルも抑圧されることになり、目的信号Sのス
ペクトルを歪ませる結果となる。したがって、この基準
レベルをいかに設定するかが、このような帯域分割型の
利点を使った騒音抑制装置を構成する上で非常に重要と
なる。
理の動作概要を示す図(その1)を用いて説明する。こ
の例における周波数帯域の分割数は、ch1からch3
までの3チャンネルであり、同図のNが騒音の周波数ス
ペクトル(騒音Nともいう)、Sが目的信号のスペクト
ル(目的信号Sともいう)を示す。入力信号は各帯域に
分割された後、それぞれの帯域における平均信号レベル
が計算される。例えば、入力信号が騒音の場合は同図に
おいて、それぞれの平均信号レベルはLn1からLn3
で示され、目的信号の場合にはそれぞれLs1からLs
3で示されることになる。次に、図4の一点破線で示す
ように、あらかじめ設定された基準レベルLth1〜L
th3を用いて、それぞれの帯域に対する重み係数を次
式に従って計算し、その結果を用いて各帯域の信号レベ
ルを調整する。すなわち、チャンネル1(ch1)の重
み係数W1は、W1=Ln1/Lth1で求め、この値
が各帯域の増幅係数に相当することになる。当然のよう
に、この基準レベルよりも小さいレベルの信号は重み係
数が1より小さくなり、結果的にそのチャンネルの信号
レベルは入力のレベルよりも小さく抑制される。一方、
基準レベルよりも大きな信号は、重み係数が1よりも大
きくなり、そのチャンネルの信号は大きく増幅される
か、または、基準レベル>1の条件ではこれを1に固定
することもでき、結果的に騒音レベルのみを抑圧するこ
とができる。したがって、騒音Nのレベルが目的信号S
よりも小さい条件では、このような騒音抑制処理は通常
有効に動作することになる。ここで、基準レベルLth
1〜Lth3の設定は非常に重要である。すなわち、基
準レベルを高く設定することで騒音Nの抑圧量を大きく
することができるが、図4の基準レベル(Lth3)が
示すように、Lth3>Ls3の条件となる帯域では目
的信号レベルも抑圧されることになり、目的信号Sのス
ペクトルを歪ませる結果となる。したがって、この基準
レベルをいかに設定するかが、このような帯域分割型の
利点を使った騒音抑制装置を構成する上で非常に重要と
なる。
【0008】また、図5の帯域分割型による騒音抑圧処
理の動作概要を示す図(その2)で示すように、この基
準レベルを各帯域毎におのおのLth1〜Lth3で設
定するのではなく、Lthaで各帯域共通の基準レベル
として設定する方法も考えられる。この方法では、各帯
域毎に基準レベルを記憶することもなく、また、騒音の
高域周波数成分がより大きく抑圧され効果的である。し
かし、この方法においても、同図で示したように、Lt
ha>Ls3の条件では前者と同様に目的信号の高域が
抑圧されてしまい、結果的に明瞭性に乏しい「こもった
感じ」の目的信号となってしまうおそれがある。
理の動作概要を示す図(その2)で示すように、この基
準レベルを各帯域毎におのおのLth1〜Lth3で設
定するのではなく、Lthaで各帯域共通の基準レベル
として設定する方法も考えられる。この方法では、各帯
域毎に基準レベルを記憶することもなく、また、騒音の
高域周波数成分がより大きく抑圧され効果的である。し
かし、この方法においても、同図で示したように、Lt
ha>Ls3の条件では前者と同様に目的信号の高域が
抑圧されてしまい、結果的に明瞭性に乏しい「こもった
感じ」の目的信号となってしまうおそれがある。
【0009】このような帯域分割型を基本とする騒音抑
圧装置における入力信号の理想特性は、周波数スペクト
ルができるだけ平坦であればよいことになる。例えば、
図6の平坦化処理を行った信号スペクトルを説明する図
に示したように、目的信号および非目的信号のスペクト
ル特性が平坦に近づけば、基準レベルLthaの設定が
格段に簡単になり、しかも、目的信号Sの周波数歪みも
少ないものとなる。
圧装置における入力信号の理想特性は、周波数スペクト
ルができるだけ平坦であればよいことになる。例えば、
図6の平坦化処理を行った信号スペクトルを説明する図
に示したように、目的信号および非目的信号のスペクト
ル特性が平坦に近づけば、基準レベルLthaの設定が
格段に簡単になり、しかも、目的信号Sの周波数歪みも
少ないものとなる。
【0010】このように、従来法で実現された騒音抑圧
装置を使う場合を想定するに、図4を使って説明したよ
うに、帯域分割によって環境騒音の抑圧効果が期待でき
るものの、周波数スペクトルが平坦でない音声信号に大
きな歪みが生ずることになり、結果的に特に高域の周波
数特性が劣化した音声出力となる。
装置を使う場合を想定するに、図4を使って説明したよ
うに、帯域分割によって環境騒音の抑圧効果が期待でき
るものの、周波数スペクトルが平坦でない音声信号に大
きな歪みが生ずることになり、結果的に特に高域の周波
数特性が劣化した音声出力となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上、図4,図5およ
び図6で説明したように、帯域分割型の騒音抑圧法の動
作原理において、通常の音響信号の周波数スペクトルは
高域成分のレベルは低域に比較すると徐々に小さくなる
傾向にある。したがって、このような入力信号をそのま
ま帯域分割して重み係数を求めると、雑音の抑圧量を大
きくとることができるが、反面、音声信号の高域の劣化
が大きくなり過ぎてしまい、高域の劣化した明瞭でない
音声信号になってしまう結果となる。そこでこの問題に
対しては、入力信号の周波数特性をできるだけ平坦にす
る処理を施す方法も考えられてはいるが、特願平3−5
00347号公報記載の発明では簡単なプリエンファシ
スでスペクトルの平坦化を行っているだけである。
び図6で説明したように、帯域分割型の騒音抑圧法の動
作原理において、通常の音響信号の周波数スペクトルは
高域成分のレベルは低域に比較すると徐々に小さくなる
傾向にある。したがって、このような入力信号をそのま
ま帯域分割して重み係数を求めると、雑音の抑圧量を大
きくとることができるが、反面、音声信号の高域の劣化
が大きくなり過ぎてしまい、高域の劣化した明瞭でない
音声信号になってしまう結果となる。そこでこの問題に
対しては、入力信号の周波数特性をできるだけ平坦にす
る処理を施す方法も考えられてはいるが、特願平3−5
00347号公報記載の発明では簡単なプリエンファシ
スでスペクトルの平坦化を行っているだけである。
【0012】この発明の目的は、このような帯域分割型
の騒音抑圧装置において、従来装置のように、入力信号
そのものを帯域分割処理して騒音抑圧を行うのではな
く、信号スペクトル特性が平坦な線形予測残差信号に対
して行うことで、結果的に目的音のスペクトル歪みを極
力軽減することのできる騒音抑圧装置を実現することに
ある。
の騒音抑圧装置において、従来装置のように、入力信号
そのものを帯域分割処理して騒音抑圧を行うのではな
く、信号スペクトル特性が平坦な線形予測残差信号に対
して行うことで、結果的に目的音のスペクトル歪みを極
力軽減することのできる騒音抑圧装置を実現することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述したように本発明
は、従来の帯域分割型の騒音抑圧装置における目的信号
の歪みを軽減するための具体的な方法として、入力信号
波形を直接帯域分割処理するのではなく、周波数スペク
トルが平坦な特性を有するところの入力信号の線形予測
残差信号に対して行うところに非常に大きな特徴があ
る。さらに、装置の簡便な実現のために、帯域分割処理
を省き処理の軽減化を計った騒音抑圧装置を構成できる
点にも大きな特徴がある。
は、従来の帯域分割型の騒音抑圧装置における目的信号
の歪みを軽減するための具体的な方法として、入力信号
波形を直接帯域分割処理するのではなく、周波数スペク
トルが平坦な特性を有するところの入力信号の線形予測
残差信号に対して行うところに非常に大きな特徴があ
る。さらに、装置の簡便な実現のために、帯域分割処理
を省き処理の軽減化を計った騒音抑圧装置を構成できる
点にも大きな特徴がある。
【0014】
【作用】図4,図5および図6で説明したように、雑音
の基準レベルの設定法においても帯域分割型の騒音抑圧
装置の性能は大きく左右されることになる。本発明にお
いては、この基準レベルの設定を入力信号の種別を判別
する目的信号/非目的信号識別手段で実現する。すなわ
ち、入力信号を目的信号とそれ以外の信号に判別し、そ
の結果を用いて自動的に基準レベルを決定する。例え
ば、目的信号を音声信号とする場合(現実の例ではこの
場合が最も多いと考えられる)では、音声信号の特徴を
良く表わす音響パラメータを用いて音声信号以外の信号
区間を判別し、その時の信号パワーを累積および平均処
理することで基準レベルLthを設定する。
の基準レベルの設定法においても帯域分割型の騒音抑圧
装置の性能は大きく左右されることになる。本発明にお
いては、この基準レベルの設定を入力信号の種別を判別
する目的信号/非目的信号識別手段で実現する。すなわ
ち、入力信号を目的信号とそれ以外の信号に判別し、そ
の結果を用いて自動的に基準レベルを決定する。例え
ば、目的信号を音声信号とする場合(現実の例ではこの
場合が最も多いと考えられる)では、音声信号の特徴を
良く表わす音響パラメータを用いて音声信号以外の信号
区間を判別し、その時の信号パワーを累積および平均処
理することで基準レベルLthを設定する。
【0015】
【実施例】図1に、本発明の一実施例の構成のブロック
図を示した。この実施例は目的信号として音声を対象と
し、目的とする音声以外は非音声とした場合である。図
1において、101は線形予測分析手段、102は帯域
分割手段、103は音声/非音声識別手段、104はレ
ベル調整手段、105は帯域合成手段、106は線形予
測合成手段を示す。
図を示した。この実施例は目的信号として音声を対象と
し、目的とする音声以外は非音声とした場合である。図
1において、101は線形予測分析手段、102は帯域
分割手段、103は音声/非音声識別手段、104はレ
ベル調整手段、105は帯域合成手段、106は線形予
測合成手段を示す。
【0016】次に、図1に示す本発明の実施例の動作を
説明する。従来法と同様に、音声に騒音が重畳した入力
信号はマイクロホンなどで集音された後、線形予測分析
手段101でスペクトル包絡パラメータと予測残差信号
に分離される。ここでの線形予測分析手段には、良く知
られているPARCOR(Partial Auto Correlation)
分析法などがあり、ここではこれを用いた例で説明す
る。したがって、スペクトル包絡パラメータは通常Kパ
ラメータ(K1〜n)として抽出される。分析された予
測残差信号は、標本値の間の相関が除去され、その周波
数スペクトル特性はほぼ平坦になる。すなわち、隣接し
た入力信号の標本値間の相関係数は1に近い値である
が、文献「F.Itakura and S.saito,“Digital filterin
g techniquefor speech analysis and synthesis,"7th
ICA,pp261〜264(1971)」に示すように、PARCOR分
析によってこの値が0に近づき、結果的に標本値の間の
相関が除去されることになる。
説明する。従来法と同様に、音声に騒音が重畳した入力
信号はマイクロホンなどで集音された後、線形予測分析
手段101でスペクトル包絡パラメータと予測残差信号
に分離される。ここでの線形予測分析手段には、良く知
られているPARCOR(Partial Auto Correlation)
分析法などがあり、ここではこれを用いた例で説明す
る。したがって、スペクトル包絡パラメータは通常Kパ
ラメータ(K1〜n)として抽出される。分析された予
測残差信号は、標本値の間の相関が除去され、その周波
数スペクトル特性はほぼ平坦になる。すなわち、隣接し
た入力信号の標本値間の相関係数は1に近い値である
が、文献「F.Itakura and S.saito,“Digital filterin
g techniquefor speech analysis and synthesis,"7th
ICA,pp261〜264(1971)」に示すように、PARCOR分
析によってこの値が0に近づき、結果的に標本値の間の
相関が除去されることになる。
【0017】図2は、音声信号/a/の周波数スペクト
ル(S)と、その残差信号のスペクトル(Se)の分析
例を示す図である。同図から予測残差信号のスペクトル
は音声信号のそれと比較して平坦になっていることが良
く分かる。したがって、入力信号をそのまま用いて図3
に示すような構成で騒音抑圧装置を構成する場合より
も、周波数歪みを格段に少なくすることができる。
ル(S)と、その残差信号のスペクトル(Se)の分析
例を示す図である。同図から予測残差信号のスペクトル
は音声信号のそれと比較して平坦になっていることが良
く分かる。したがって、入力信号をそのまま用いて図3
に示すような構成で騒音抑圧装置を構成する場合より
も、周波数歪みを格段に少なくすることができる。
【0018】次に、線形予測分析で得られた予測残差信
号は帯域分割手段102で周波数分割される。この処理
は従来法と同じであるが、この予測残差信号は帯域フィ
ルタで周波数分割されると同時に、この信号を用いて入
力信号が目的信号か非目的信号であるかの判別を、音声
/非音声識別手段103で行う。音声信号が音声以外の
信号(例えばエアコンの信号)と異なる点はいろいろあ
るが、その最も特徴的な点は、信号の性質が調波構造を
持つか否かということであろう。この特徴は、特に音声
信号の有声音区間で顕著に現われる。音声信号区間は、
この有声音の区間と無声音の区間との両者で構成される
ことになるが、発声された音声信号区間の両者の時間比
率は、自然に発声された音声信号においては、約7:3
で圧倒的に有声音の占める時間区間が多い。したがっ
て、入力音声が音声信号か非音声信号かを判別する特徴
量として、信号の調波構造の程度を測定すればよい。そ
の具体的な方法としては、線形予測残差信号の自己相関
関数を計算し、これをパワーで正規化した値からその最
大値(Rmax)を選択して用いる方法がある。この特
徴量は、当然、調波構造を有する非目的信号が混在する
環境では動作上問題があるが、通常の定常騒音環境では
十分に実用になるものである。また、音声認識装置など
で近年よく用いられている、確率統計モデル(HMM)
やベクトル量子化手法(VQ)によって、音声/非音声
信号を識別する方法などがある。現在、これらの方法に
よる音声/非音声の判別率は、通常90%以上の性能を
有することから、音声/非音声識別手段103ではこれ
らの方法を有効に利用することができる。
号は帯域分割手段102で周波数分割される。この処理
は従来法と同じであるが、この予測残差信号は帯域フィ
ルタで周波数分割されると同時に、この信号を用いて入
力信号が目的信号か非目的信号であるかの判別を、音声
/非音声識別手段103で行う。音声信号が音声以外の
信号(例えばエアコンの信号)と異なる点はいろいろあ
るが、その最も特徴的な点は、信号の性質が調波構造を
持つか否かということであろう。この特徴は、特に音声
信号の有声音区間で顕著に現われる。音声信号区間は、
この有声音の区間と無声音の区間との両者で構成される
ことになるが、発声された音声信号区間の両者の時間比
率は、自然に発声された音声信号においては、約7:3
で圧倒的に有声音の占める時間区間が多い。したがっ
て、入力音声が音声信号か非音声信号かを判別する特徴
量として、信号の調波構造の程度を測定すればよい。そ
の具体的な方法としては、線形予測残差信号の自己相関
関数を計算し、これをパワーで正規化した値からその最
大値(Rmax)を選択して用いる方法がある。この特
徴量は、当然、調波構造を有する非目的信号が混在する
環境では動作上問題があるが、通常の定常騒音環境では
十分に実用になるものである。また、音声認識装置など
で近年よく用いられている、確率統計モデル(HMM)
やベクトル量子化手法(VQ)によって、音声/非音声
信号を識別する方法などがある。現在、これらの方法に
よる音声/非音声の判別率は、通常90%以上の性能を
有することから、音声/非音声識別手段103ではこれ
らの方法を有効に利用することができる。
【0019】このようにして、音声/非音声識別手段1
03で非音声信号区間を判別した後、その信号から、前
述した騒音抑圧に用いる基準レベルLthを自動的に求
める。実際に求める基準レベルLthは信号の全帯域の
平均パワーLavに、一定の値Lcontを加えた値に
なるように、レベル調整手段104で設定することにな
る。すなわち、基準レベルLthは、Lth=Lav+
Lcontとして設定すればよい。あるいは、一番レベ
ルの高いチャンネルのレベル、例えばLn1に一定の値
Lcontを加えた値で設定することももちろん可能で
ある。このような場合の一定値Lcontは、あらかじ
めいろいろな環境音で確認して一度だけ試験して設定し
ておけばよい。
03で非音声信号区間を判別した後、その信号から、前
述した騒音抑圧に用いる基準レベルLthを自動的に求
める。実際に求める基準レベルLthは信号の全帯域の
平均パワーLavに、一定の値Lcontを加えた値に
なるように、レベル調整手段104で設定することにな
る。すなわち、基準レベルLthは、Lth=Lav+
Lcontとして設定すればよい。あるいは、一番レベ
ルの高いチャンネルのレベル、例えばLn1に一定の値
Lcontを加えた値で設定することももちろん可能で
ある。このような場合の一定値Lcontは、あらかじ
めいろいろな環境音で確認して一度だけ試験して設定し
ておけばよい。
【0020】次に、帯域合成手段105で得られた残差
信号と先に分析した線形予測係数(ここではKパラメー
タ)を用いて、公知の線形予測合成手段106を用いて
出力信号を得る。この出力信号は、結果的に雑音が抑圧
された目的信号成分の多い信号となっている。
信号と先に分析した線形予測係数(ここではKパラメー
タ)を用いて、公知の線形予測合成手段106を用いて
出力信号を得る。この出力信号は、結果的に雑音が抑圧
された目的信号成分の多い信号となっている。
【0021】なお、上記実施例では、目的信号として音
声の場合を示したが、目的信号としては音声以外のもの
も対象とすることができる。したがって、音声/非音声
識別手段103は、一般的には目的信号/非目的信号識
別手段とすることができることは自明である。
声の場合を示したが、目的信号としては音声以外のもの
も対象とすることができる。したがって、音声/非音声
識別手段103は、一般的には目的信号/非目的信号識
別手段とすることができることは自明である。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、従来の帯域分割型の騒音抑圧装置にない手段、すな
わち線形予測分析手段を用いることによって、周囲騒音
などの環境騒音を理想的な状態で抑圧することが可能と
なるので、従来方法で問題となっていた目的音の高域の
周波数歪みが格段に少ない騒音抑圧装置が実現できる。
また、線形予測残差信号を処理の対象とするため、入力
信号スペクトルが平坦化され、その結果、従来重要とさ
れていた帯域分割手法が省略できる利点があり、処理品
質を大きく落すことなく簡便な装置で騒音抑圧装置を実
現できる。
ば、従来の帯域分割型の騒音抑圧装置にない手段、すな
わち線形予測分析手段を用いることによって、周囲騒音
などの環境騒音を理想的な状態で抑圧することが可能と
なるので、従来方法で問題となっていた目的音の高域の
周波数歪みが格段に少ない騒音抑圧装置が実現できる。
また、線形予測残差信号を処理の対象とするため、入力
信号スペクトルが平坦化され、その結果、従来重要とさ
れていた帯域分割手法が省略できる利点があり、処理品
質を大きく落すことなく簡便な装置で騒音抑圧装置を実
現できる。
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
る。
【図2】音声信号/a/の周波数スペクトル(S)とそ
の残差信号スペクトル(Se)の分析例を示す図であ
る。
の残差信号スペクトル(Se)の分析例を示す図であ
る。
【図3】従来法における騒音抑圧装置の基本的動作を示
す図である。
す図である。
【図4】帯域分割による騒音抑圧処理の動作概要を示す
図(その1)である。
図(その1)である。
【図5】帯域分割による騒音抑圧処理の動作概要を示す
図(その2)である。
図(その2)である。
【図6】平坦化処理を行った信号スペクトルを説明する
図である。
図である。
101 線形予測分析手段 102 帯域分割手段 103 音声/非音声識別手段 104 レベル調整手段 105 帯域合成手段 106 線形予測合成手段 301 帯域分割手段 302 信号識別手段 303 レベル調整手段 304 帯域合成手段
Claims (1)
- 【請求項1】 音声信号に騒音などの雑音が含まれる音
響信号を入力信号とし、その入力信号から雑音を抑圧す
る騒音抑制装置において、入力信号のスペクトル包絡パ
ラメータを抽出する線形予測分析手段と、その分析した
結果得られる予測誤差である線形予測残差信号を複数の
帯域に分割する帯域分割手段と、入力信号を分割された
帯域の短区間毎に観測し、その区間が目的音かまたはこ
の目的音以外の雑音であるかを識別する目的信号/非目
的信号識別手段と、この目的信号/非目的信号識別手段
の識別結果を利用して複数の帯域に対するレベル調整を
行うレベル調整手段と、各帯域を合成する帯域合成手段
と、その結果得られた雑音成分の少ない線形予測残差信
号と先に抽出された前記スペクトル包絡パラメータとを
用いる線形予測合成手段とを有することを特徴とする騒
音抑圧装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7308807A JPH09153769A (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | 騒音抑圧装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7308807A JPH09153769A (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | 騒音抑圧装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09153769A true JPH09153769A (ja) | 1997-06-10 |
Family
ID=17985554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7308807A Pending JPH09153769A (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | 騒音抑圧装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09153769A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001069597A (ja) * | 1999-06-22 | 2001-03-16 | Yamaha Corp | 音声処理方法及び装置 |
WO2004111996A1 (ja) * | 2003-06-11 | 2004-12-23 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 音響区間検出方法および装置 |
-
1995
- 1995-11-28 JP JP7308807A patent/JPH09153769A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001069597A (ja) * | 1999-06-22 | 2001-03-16 | Yamaha Corp | 音声処理方法及び装置 |
WO2004111996A1 (ja) * | 2003-06-11 | 2004-12-23 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 音響区間検出方法および装置 |
US7567900B2 (en) | 2003-06-11 | 2009-07-28 | Panasonic Corporation | Harmonic structure based acoustic speech interval detection method and device |
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