JPH09148946A - 非接触icカードシステム等用の送信機 - Google Patents

非接触icカードシステム等用の送信機

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JPH09148946A
JPH09148946A JP7323511A JP32351195A JPH09148946A JP H09148946 A JPH09148946 A JP H09148946A JP 7323511 A JP7323511 A JP 7323511A JP 32351195 A JP32351195 A JP 32351195A JP H09148946 A JPH09148946 A JP H09148946A
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JP
Japan
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wave
transmitter
transmission
phase angle
card
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Application number
JP7323511A
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English (en)
Inventor
Kiyoyoshi Kurasawa
清義 倉沢
Hirotoshi Kawamura
博年 河村
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Shinko Electric Co Ltd
Original Assignee
Shinko Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ICカードが送信する周波数に対応する地上
局の送信電波の高調波成分を減衰させて安定な交信を可
能にするために、送信周波数の所定次数の高調波成分を
減衰させた非接触ICカードシステム等用の送信機を得
ること。 【解決手段】 ICカードシステム等用の送信機は下記
のように各式を満足するようにした。送信信号波形形状
を台形とし、該台形の傾斜部を占める位相角度を2aと
して下記(1)、(2)式を満足するようにした。 0<a≦(π/2)・・・・・・・・・(1) a=(m×π)/n・・・・・・・・・(2) このほか、送信信号波形形状を台形とし、傾斜部を占め
る位相角度2aを下記(1)式、(3)式を満足する構
成等の各種の変形が可能である。 0<a≦(π/2)・・・・・・・・・(1) a=π/k・・・・・・・・・・・・・(3)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無線用送信機に係
り、特に、地上に設けた無線カード処理装置と、この無
線カード処理装置に備えた送信機から送信される信号に
よって指令され、IC等の電子回路を内部に搭載して所
定のデータ処理を実行し、また指令されるデータを地上
に設けた無線カード処理装置に送信する等の機能を備え
たICカードにより構成され、所定のデータ処理を実行
する非接触ICカードシステムにおける地上に設けた送
信機等に、最適なICカード等の微弱な信号を送信する
信号周波数の周波数成分を削除して受信信号のSN比を
向上させるために、送信周波数の所定次数の高調波成分
を減衰させた非接触ICカードシステム等用の送信機に
関する。
【0002】
【従来の技術】無線による通信機能と記録機能等のデー
タ処理機能を設けたICカードやICモジュール類(以
下カードと略称する)は、自動生産工程等に採用される
ようになった他、セキュリティ用等のための携帯者の個
別情報チェックや、課金、徴収等が必要な分野に実用化
や実用試験が進められており、高速道路料金課金システ
ム用の通行証、定期券、プリペードカード、セキュリテ
ィ用等各種用途に使用されている。無線式カードシステ
ムとしては、例えば特開平4−263385号公報に開
示のものがある。特開平4−263385号公報に開示
のものは、送信装置からの督促電波を受信して記録され
た個人情報を送信するカードを備えた無線カードシステ
ムにおいて、カードは督促電波を受信した後、所定時間
中に他のカードが送信する電波の有無を確認し、他のカ
ードの送信電波がなければ自己の情報を送信するように
している。高速道路料金課金システム等、地上の通信装
置と通行証との間の距離が比較的遠い1メートル乃至1
0メートルの距離で通信するシステムにおいては、通信
周波数にマイクロ波が使用され、定期券、スキーリフト
用のプリペードカード等、人が所定の場所で提示できる
前者よりも近い距離である0乃至1メートルの距離で通
信を実行するシステムにおいては、中波又は短波が使用
されカードと地上通信装置夫々のアンテナを近接させ、
0乃至5ミリメートルの距離で通信を実行するシステム
では短波等による電磁誘導が使用されている。
【0003】従来の地上に設けられたデータ処理装置と
ICカードを使用した非接触ICカードシステムは、例
えば図7に示すように構成されている。図7において、
21はデータ処理装置(地上局と記す)の機能要素の構
成、10はICカード(移動局と記す)の機能要素の構
成を示している。なお、同図では主要機能要素を示し、
搬送波の発振機能、データ処理機能の詳細等その他の機
能要素は省略、又は簡略化して示している。図7に示す
地上局21において、22はデータ処理機能で対人用の
インタフェース9を備えている。対人用のインタフェー
ス9は保守作業や運用等に必要な情報をデータ処理装置
に入力したり、移動局から伝送されるデータを表示する
等の機能を備えている。データ処理機能から出力される
所定の信号は送信信号作成部23で作成される搬送波に
所定の変調方式で変調し、出力増幅機能24aで増幅
し、波形成形のフィルタリング機能と送信アンテナ25
とのマッチング機能を備えた出力部24bから送信アン
テナ25に供給する。送信アンテナ25からは常時、無
変調の電波が送信されており、所定の条件になるとPS
K(位相変調)又はFSK(周波数変調)で所定の信号
が搬送波に変調される。
【0004】移動局10においては、受信アンテナ11
が地上局21が送信する送信電波を受信すると受信機能
12で受信波を増幅し復調する。また、整流して直流成
分を取り出し蓄電機能13に蓄電する。蓄電機能13で
蓄電された電気エネルギーは移動局10の各電気回路を
作動するために使用される。受信機能12で復調された
信号はデータ処理機能14を操作する。地上局21から
移動局が記憶する所定の信号伝送を要求していると、デ
ータ処理機能14に備えた記憶機能から対応するデータ
を読み出し、送信機能15で所定周波数の搬送波に、例
えばASK(振幅変調)で変調して送信アンテナ16か
ら送信する。地上局21の受信アンテナ6は移動局10
の送信する電波を受信すると、受信信号増幅機能7で増
幅し、復調機能8で送信された信号を取り出してデータ
処理機能22に伝送する。データ処理機能22は受信し
たデータによって所定の処理をし、また、対人用のイン
タフェース9に表示する。
【0005】次に、地上局21から送信する変調信号の
状況例を図8によって説明する。同図(A)に記すディ
ジタル信号の1、0、1、0は、例えばFSKで変調さ
れると同図(B)に示すように、信号の1は周波数f
1、信号の0は周波数f0に変調され送信される。ディ
ジタル信号の1、0、1、0がASKで変調されると同
図(C)に示すように、信号の1は所定周波数の信号が
送信され、信号の0は送信電波が出力されない。しかし
ながら、地上局21は前述したように移動局10内で使
用する電気エネルギーを送信しているので、一般にPS
KかFSKで送信される。
【0006】ところで、地上局から送信する電波の波形
が完全に正弦波であれば良いが、歪んでいると高調波を
含み、その高調波成分がICカードが送信する電波の周
波数と同一であると、移動局から送信する電波に重畳し
て、SN比を悪くし、通信を妨害することになる。その
ために、地上局の送信電力増幅回路をA級増幅等のリニ
ア増幅回路にする必要があるが、A級増幅回路は図9に
示すように電力損失が大きくなるし、完全な直線性を保
つことは困難である。
【0007】図9はA級増幅回路であるトランジスタ増
幅回路の例を示している。同図(A)はトランジスタ増
幅回路を示し、30はトランジスタである。同図(B)
には同図(A)に示す回路の入出力特性例を示してい
る。同図(B)において、入力に示す信号はトランジス
タ30の増幅特性によって増幅されて出力される。即
ち、トランジスタ30にベース電流ibが入力すると、
トランジスタ30にはコレクタ電流icが流れ、増幅さ
れた信号が出力される。トランジスタ30の電流増幅率
をβとすると、ic=ib×βで示される。同図(B)
において、入力として示すベース電流ibは横方向に振
幅を示し、縦方向に時間軸を示している。出力として示
すコレクタ電流icは縦方向に振幅を示し横方向に時間
軸を示している。同図(B)から明らかなように、出力
には平均レベルとしてimが存在する。従って、トラン
ジスタ30は平均電流imとトランジスタ30のコレク
タ・ベース間の電圧の積が電力損失になる。電力損失を
無くすためにはB級、又はC級の増幅回路にするのが望
ましいが、プッシュプル増幅回路にし、帯域通過フィル
タ機能を挿入して(図7に示した出力部24bに含まれ
る)も、変調の過渡特性、送信回路の電圧と電流の移相
特性が異なるという問題もあって、高調波成分を必要な
レベルまで減衰させることは無理である。高調波成分が
多いと電波の側帯波、即ち、周波数帯域を増大し、カー
ドから受信する電波の受信妨害をする他、その他の通信
機能の通信を妨害する危険性を含んでいる。
【0008】このような通信システムにおいて、PS
K、又はFSKの信号作成の効率化のために、方形パル
ス又は台形パルスにより形成される交流を搬送波として
使用する場合がある。搬送波の波形を方形と仮定した場
合の高調波成分は、原波形をフーリエ展開した下記
(8)式で示される。 F(t)=(4E/π)〔sinωt+(sin3ωt/3) +(sin5ωt/5)+・・・・・〕・・・・・・(8) 但し、上式でωは位相角で示した基本波、(4E/π)
sinωtは基本波の振幅、(4E/π)sin3ωt
/3は第3次高調波の振幅、(4E/π)sin5ωt
/5は第5次の高調波の振幅である。このような振幅比
は、例えば図10のように示される。図10(A)は方
形波をフーリエ展開して表わされる振幅を1にした場合
の基本波に対する高調波次数の振幅比を示した図表であ
る。同図(B)は台形波をフーリエ展開して表わされる
振幅を1にした場合の、基本波に対する高調波次数の振
幅比を示している図表である。
【0009】上記のように偶数次の高調波成分は0であ
るが、現実の場合、完全な方形とか台形を形成できず、
変調に伴う歪みもあって、例えば図11に示すような状
況になる。図11は横軸には高調波次数を、また縦軸に
は各高調波次数成分の振幅を示している。ところで、地
上局の高調波成分が移動局の送信周波数に存在すると、
前述したように地上局は常時電波を送信しているので、
移動局の送信信号のSN比を悪くし、データ通信を困難
にする。しかしながら、地上局の送信周波数と移動局の
送信周波数をできるだけ近接させるのがシステム形成上
有利であって、高調波成分が略ゼロになるまで離すこと
は無理であり、地上局の送信電波の高調波が移動局の送
信電波周波数では通信に影響がないように減衰すること
が望まれていた。所定の高調波成分を減衰する手段とし
て、例えば特公昭55−37897号公報に開示のもの
がある。
【0010】特公昭55−37897号公報に開示のも
のは、所定の高調波成分を減衰させるために、送信波と
して矩形(方形)パルスよりなる情報信号を、略対称な
台形パルスに成形し、さらに台形パルスの傾斜部の時間
と平坦部の時間との比を約1対1とした。また、台形パ
ルスの側縁継続時間出力するパルス信号で振幅変調する
振幅変調器を設けるようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、地上局から
送信する信号の波形が完全な正弦波であれば高調波が存
在せず望ましいが、前述したように正弦波の歪みを少な
くするために直線性の良いA級増幅機能を使用すると電
力損失を増大して発熱する。また、アンテナ回路に性能
の良い帯域通過フィルタ機能を設けるのは、コストや装
着寸法的に問題がある。そのために、低コストで基本的
な手段で構成できる、少なくともカードの送信電波に使
用する所定の周波数近傍の高調波を低減できる、地上局
の送信電波の適切な形状とその形状を送出できる送信機
能が望まれていた。例えば、地上局の送信電波の偶数次
高調波を移動局の送信周波数にすれば、理論上は偶数次
高調波は0なので有利だが、前述したように完全には0
にはならない。移動局の送信電波の周波数は送信機能1
5の回路を簡略化するために、一定周波数に維持するこ
とは困難であるし、側帯波を有するので偶数次高調波の
周波数を移動局の送信周波数に選定するのは無理であっ
た。特公昭55−37897号公報に記載の技術も最低
限の側帯波成分しか抑圧することができない。本発明は
従来のものの上記課題(問題点)を解決し、ICカード
(移動局)が送信する周波数に対応する地上局の送信電
波の高調波成分を減衰させて安定な交信を可能にするた
めに、送信周波数の所定次数の高調波成分を減衰させた
非接触ICカードシステム等用の送信機を得ることを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に基づく非接触ICカードシステム等用の送
信機は、下記に示すように各式を満足するようにした。 送信信号波形形状を台形とし、該台形の傾斜部を占め
る位相角度を2aとして下記(1)式、(2)式を満足
するようにした。 0<a≦(π/2)・・・・・・・・・・・・・・・(1) a=(m×π)/n・・・・・・・・・・・・・・・(2) 送信信号波形形状を台形とし、該台形の傾斜部を占め
る位相角度2aを下記(1)式、(3)式を満足するよ
うにした。 0<a≦(π/2)・・・・・・・・・・・・・・・(1) a=π/k・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) 送信信号波形形状を方形とし、各信号波形は半波ごと
に対称に短い逆極性の方形を形成するようにし、該逆極
性部を占める位相角度をbとして、下記(4)式を満足
するようにした。 b=π/(3×n)・・・・・・・・・・・・・・・(4) 送信信号波形形状を方形とし、各信号波形は半波ごと
に対称にニュートラル部を形成するようにし、該ニュー
トラル部は位相角が0(2π)、πの前後に継続して形
成するようにし、各ニュートラル部を占める位相角度2
cを下記(5)式を満足するようにした。 c=(m×π)/(2×n)・・・・・・・・・・・(5) 送信信号波形形状を方形とし、ニュートラル部を位相
角π/2を挟んで対称に形成し、該ニュートラル部を占
める位相角度2dとして、下記(6)式、(7)式を満
足するようにした。 d=〔(n+m)×π〕/(4×n×m)・・・・・(6) e=〔(n−m)×π〕/(4×n×m)・・・・・(7) 上述した各式において、単位はrad(ラディアン)
で、πは交流1サイクルの半分の位相、即ち180度に
相当し、kは任意の偶数、mは任意の整数、nは減衰す
べき高調波の次数を示している。 本発明は上述のように各式を満足するようにすると、n
に示す次数の高調波が減衰される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明を非接触ICカードシステ
ムに適用した例を図1乃至図4によって、4つの実施の
形態について説明する。図1において、従来の技術で示
した図7の構成要素と相当又は同一の要素機能は同一の
符号を使用し、詳細説明は省略する。
【0014】第1の実施の形態:図1において、1は地
上局(データ処理装置)の機能要素の構成、10は移動
局(カード)の機能要素の構成を示している。なお、同
図では本発明を説明するための主要機能要素を示し、そ
の他の機能要素は省略し簡略化して示している。地上局
1において、2はデータ処理機能で対人用のインタフェ
ース9を備えている。
【0015】データ処理機能2において、2aは後述す
る送信波を形成する時間ごとのディジタル信号の振幅デ
ータを記録した送信波データメモリ機能、2bは、この
データ処理機能に形成したタイミング信号発生機能(図
示せず)から供給されるタイミング信号に従って送信波
データメモリ機能2aから順次記録データを読み出して
送信波をディジタルで形成する送信波形成機能、2cは
送信波形成機能2bで形成されたディジタルで形成され
た送信波をアナログに変形するD/Aコンバート機能で
ある。3は増幅機能、4は増幅機能3とアンテナ5への
マッチング機能を備えた出力インタフェース機能(出力
機能)である。上述の構成において、図8(A)に示し
たように、送信すべきディジタル信号の1か0かに対応
して、前述したタイミング信号を切り替えることによっ
て、図8(B)に示したようなFSK又はPSKの変調
送信波を形成させる。従って、データ処理機能2内に形
成したメモリ機能(図示せず)に記録した予め設定した
プログラムに従った信号を変調した送信波が、地上局1
から送信される。この送信信号を受信した移動局10
は、従来の技術で記載したように所定の処理を行って、
地上局1に指定されたデータを送信し、地上局1はデー
タ処理機能2内に形成したメモリ機能(図示せず)に記
録した予め設定したプログラムに従った処理を継続実行
する。
【0016】次に、データ処理機能2において形成され
る所定の高調波成分を低減させた送信波形を図2によっ
て説明する。図2は、地上局が送信する電波の波形を示
し、横軸は時間経過を示していて、所定のタイミングに
おける中性点を位相角0とし、1サイクルの終わりをラ
ジアンで表わして2πで示している。縦軸は波形の振幅
を示している。即ち、この電波の波形は台形であって、
傾斜部の幅は2aラジアンである。図2に示す台形波を
フーリエ展開し、各高調波の基本波に対する振幅比は下
記(9)式と(10)式で示される。 E(n)=0・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(9) E(n) =(1/n2)×〔sin(n×a)/sina〕・・・・・(10) 但し、E(n)はn次の高調波成分の基本波に対する振
幅比を示し、(9)式は(n=2、4、6、8、・・
・)のように偶数の場合、(10)式は(n=1、3、
5、7、・・・)のように奇数の場合を夫々示してい
る。aは図2に示した台形波の傾斜部幅を位相角で現し
たもので、下記(1)式を満足する。 0<a≦π/2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1) (9)式、(10)式から明らかなように、下記(2)
式を満足するaを選択すると、sin(n、a)=0と
なる。 n×a=m×π・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2) 但し、mは任意の整数である。即ち、除去したい高調波
次数nを(2)式にいれてaを求めれば、所期の目的が
達成できる。例えば、a=π/9(n=9、m=1)と
して(10)式に代入すると、下記(11)式のように
なって、9次、27次、45次等の高調波を除去でき
る。 Ea(n) =(1/n2)×〔sin(n×π/9)/sin(π/9)〕・・(11)
【0017】また、aを下記(3)式を満足するように
すると、m×p±1次の高調波は三角波と同一になる。 a=π/k・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) 但し、kは(k=2、4、6、8・・・)のように偶数
とする。例えば、k=2の場合はa=π/2となって、
この波形は三角波そのものになる。従って、例えば、a
=π/8として(10)式に代入すると、下記(12)
式のようになって、7次、15次、17次等の高調波が
1/n2となって三角波の高調波振幅比と同じになり、
0ではないが減衰させることができる。 E8(n) =(1/n2)×〔sin(n×π/8)/sin(π/8)〕・・(12) 本実施の形態において、前述したように9次の高調波を
除去するように計算した結果を図6のカーブλに示して
いる。図6において、横軸には高調波の次数を、縦軸に
は基本波のレベルを0dBとし、各奇数次数の高調波の
基本波に対する比率をdBで記している。即ち、偶数の
次数は上述したように0であることが明らかであり、図
形が見ずらくなるので記載を省略している。従って、9
次の高調波を除去しようとすると、8次、9次、10次
の高調波が計算上で除去されるので、偶数次のみが0の
場合よりも受信波のSN比が向上される。
【0018】第2の実施の形態:次に、データ処理機能
において形成される所定の高調波成分を低減させた第2
の実施の形態を図3によって説明する。本送信波形は図
3に示すように、図2に準じた作図をしていて、位相角
π/2、3π/2を中心にして左右に対称、また位相角
0、π、のニュートラル部を中心にして対称をなしてい
る方形に透き間を設けたような形状である。この場合
は、フーリエ展開した場合の各高調波の基本波に対する
振幅比は、下記(13)式、(14)式で示される。 E(n)=0・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(13) E(n) =〔1−2cos(b×n)〕/〔n−2ncos(b)〕・・・(14) 但し、E(n)は前述同様、n次の高調波成分の基本波
に対する振幅比を示し、(13)式は(n=2、4、
6、8、・・・)のように偶数の場合、(14)式は
(n=1、3、5、7、・・・)のように奇数の場合を
夫々示している。(13)式から明らかなように、E
(n)が0、即ち、分子が0の条件は下記(4)式を満
足するように、各減衰させたい高調波の次数に対応させ
てbを設定すれば良い。 b=π/(3×n)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
【0019】第3の実施の形態:次に、データ処理機能
において形成される所定の高調波成分を低減させた第3
の実施の形態を、図4によって説明する。本送信波形は
図4に示すように、図2に準じた形状をしていて、位相
角π/2、3π/2を中心にして左右に対称、また、位
相角0、π、のニュートラル部を中心にした対称をなし
ている図3とは別の形状で、方形に透き間を設けたよう
な形状である。この場合は、フーリエ展開した場合の各
高調波の基本波に対する振幅比は下記(15)式、(1
6)式で示される。 E(n)=0・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(15) E(n) =〔cos(c×n)〕/〔n×cos(c)〕・・・・・(16) 但し、E(n)は前述同様、n次の高調波成分の基本波
に対する振幅比を示し、(15)式は(n=2、4、
6、8、・・・)のように偶数の場合、(16)式は
(n=1、3、5、7、・・・)のように奇数の場合を
夫々示している。(16)式から明らかなように、E
(n)が0、即ち、分子が0の条件は下記(6)式を満
足するように、各除去したい高調波の次数に対応させて
cを設定すれば良い。 c=(m×π)/(2×n)・・・・・・・・・・・・・・・・(5) (5)式に示すmは任意の整数である。
【0020】第4の実施の形態:次に、データ処理機能
において形成される所定の高調波成分を低減させた第4
の実施の形態を図5によって説明する。本送信波形は図
5に示すように、図2に準じた形状をしていて、位相角
π/2、3π/2を中心にして左右に対称、また、位相
角0、π、のニュートラル部を中心にした対称をなして
いるが、図4に示した波形の各位相角π/2と3π/2
を中心にして幅2eの切り込みを設けている。この場合
は、フーリエ展開した場合の各高調波の基本波に対する
振幅比は、下記(17)式、(18)式で示される。 E(n)=0・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(17) E(n) =cos(d×n)−cos〔(n×π/2)−(n×e)〕 /〔n×cos(d)−n×sin(e)〕・・・・・・(18) 但し、E(n)は前述同様、n次の高調波成分の基本波
に対する振幅比を示し、(17)式は(n=2、4、
6、8、・・・)のように偶数の場合、(18)式は
(n=1、3、5、7、・・・)のように奇数の場合を
夫々示している。(18)式から明らかなように、この
波形の場合は2種類の次数n1、n2の高調波を除去する
ことができる。即ち、E(n)が0、即ち、分子が0の
条件は下記(6)式と(7)式を満足するように、各減
衰させたい高調波の次数n1及びn2に対応させてaとb
を設定すれば良い。 d=(n1+n2)/(4×n1×n2)・・・・・・・・・・・・(6) e=(n2−n1)/(4×n1×n2)・・・・・・・・・・・・(7) 従って、例えば9次と11次の高調波を除去しようとす
ると、d=5π/99、e=π/198にすれば良い。
【0021】本実施の形態において、前述したように9
次と11次の高調波を除去するように計算した結果を、
図6のカーブμに示している。図6において、横軸は高
調波の次数を、縦軸には基本波のレベルを0dBとし、
各奇数次数の高調波の基本波に対する比率をdBで記し
ている。即ち、偶数の次数は上述したように0であるこ
とが明らかであり、図形が見ずらくなるので記載を省略
している。従って、9次、11次の高調波を除去する
と、8次、9次、10次、11次、12次の高調波が計
算上で除去されるので、高帯域フィルタを設けたよりも
性能、コストともに優れたSN比が得られる。上述のよ
うに、第1の実施の形態から第3の実施の形態までは連
続して3次分の高調波を除去できるが、本第4の実施の
形態の場合は連続して5次分の高調波を除去することが
できる。
【0022】上述の説明は本発明の技術思想を実現する
ための基本構成とその働きを説明する実施の形態を示し
たものであって、ICカードの使用目的とその条件等に
対応して適切に適用すれば良い。即ち、地上局の機能と
構成、ICカードの機能と構成はカードシステム等の使
用目的とその条件に対応して構成される各種の場合にも
適用でき、そのための交信電波波形と削除する高調波は
適切に設定すれば良い。従って、図1に示した機能要素
の構成及び、図2乃至図5に示した波形図にこだわるこ
となく適切に構成すれば良い。
【0023】
【発明の効果】本発明の非接触ICカードシステム等用
の送信機は、上述したように送信波形に含まれる高調波
の内、所望する次数の振幅を減衰できるので、所望する
条件における通信特性が向上されるという優れた効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したICカードシステムにおける
地上局(データ処理装置)と移動局(ICカード)夫々
を構成する要素機能の概要構成ブロック図である。
【図2】本発明を適用した第1の実施の形態を説明する
波形図である。
【図3】本発明を適用した第2の実施の形態を説明する
波形図である。
【図4】本発明を適用した第3の実施の形態を説明する
波形図である。
【図5】本発明を適用した第4の実施の形態を説明する
波形図である。
【図6】本発明を適用して形成した送信波形の高調波特
性図である。
【図7】ICカードシステムにおける従来の地上局(デ
ータ処理装置)と移動局(ICカード)夫々を構成する
要素機能の概要構成ブロック図である。
【図8】ディジタル信号の送信波形を説明する波形図で
あって、同図(A)は信号原波形図、同図(B)はFS
K(周波数変調)の波形図、同図(C)はASK(振幅
変調)の場合の波形図である。
【図9】A級増幅回路であるトランジスタ増幅回路の例
を示し、同図(A)はトランジスタ回路の接続図、同図
(B)は同図(A)に示す回路の入出力特性である。
【図10】フーリエ展開して表わされる高調波次数を説
明する図表であって、同図(A)は方形波の高調波次数
とその次数に対応る振幅比、同図(B)は台形波の高調
波次数とその次数に対応る振幅比を夫々示している。
【図11】従来例の高調波振幅の特性図である。
【符号の説明】
1:地上局(データ処理装置) 2:データ処理機能 2a:送信波データメモリ機能 2b:送信波形成機能 2c:D/Aコンバート機能 10:移動局(ICカード)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信信号波形形状を台形とし、該台形の
    傾斜部を占める位相角度を2aとして下記(1)式、
    (2)式を満足するようにしたことを特徴とする非接触
    ICカードシステム等用の送信機。 0<a≦(π/2)・・・・・・・・・・・・・・・(1) a=(m×π)/n・・・・・・・・・・・・・・・(2) 但し、(1)式、(2)式とも単位はrad(ラディア
    ン)であって、πは交流1サイクルの半分の位相、即ち
    180度に相当し、mは任意の整数、nは減衰すべき高
    調波の次数を示している。
  2. 【請求項2】 送信信号波形形状を台形とし、該台形の
    傾斜部を占める位相角度を2aとして下記(1)式、
    (3)式を満足するようにした非接触ICカードシステ
    ム等用の送信機。 0<a≦(π/2)・・・・・・・・・・・・・・・(1) a=π/k・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) 但し、(1)式、(3)式の単位はrad(ラディア
    ン)で、πは交流1サイクルの半分の位相、即ち180
    度に相当し、kは任意の偶数を示している。
  3. 【請求項3】 送信信号波形形状を方形とし、かつ、各
    信号波形は半波ごとに対称に短い逆極性の方形を形成す
    るようにし、該逆極性部を占める位相角度をbとして、
    下記(4)式を満足するようにした非接触ICカードシ
    ステム等用の送信機。 b=π/(3×n)・・・・・・・・・・・・・・・(4) 但し、(4)式の単位はrad(ラディアン)で、πは
    交流1サイクルの半分の位相、即ち180度に相当し、
    nは減衰すべき高調波の次数を示している。
  4. 【請求項4】 送信信号波形形状を方形とし、各信号波
    形は半波ごとに対称にニュートラル部を形成するように
    し、該ニュートラル部は位相角が0(2π)、πの前及
    び後に継続して形成するようにし、各ニュートラル部を
    占める位相角度2cを下記(5)式を満足するようにし
    たことを特徴とする非接触ICカードシステム等用の送
    信機。 c=(m×π)/(2×n)・・・・・・・・・・・(5) 但し、式の単位はrad(ラディアン)で、πは交流1
    サイクルの半分の位相、即ち180度に相当し、mは任
    意の整数、nは減衰すべき高調波の次数を示している。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の非接触ICカード等用の
    送信機において、ニュートラル部を位相角π/2を挟ん
    で対称に形成し、該ニュートラル部を占める位相角度2
    dとして、下記(6)式、(7)式を満足するようにし
    た非接触ICカードシステム等用の送信機。 d=〔(n+m)×π〕/(4×n×m)・・・・・(6) e=〔(n−m)×π〕/(4×n×m)・・・・・(7) 但し、式の単位はrad(ラディアン)で、πは交流1
    サイクルの半分の位相、即ち180度に相当し、mは任
    意の整数、nは減衰すべき高調波の次数を示している。
JP7323511A 1995-11-20 1995-11-20 非接触icカードシステム等用の送信機 Pending JPH09148946A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009521157A (ja) * 2005-12-22 2009-05-28 ヴァレオ セキュリテ アビタクル 低周波通信の方法および装置
US10077366B2 (en) 2013-03-15 2018-09-18 Nitto Kasei Co., Ltd. Antifouling coating composition, antifouling coating film formed using said composition, and coated article having antifouling coating film on surface

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