JPH09145942A - 屈折率調整方法、屈折率調整可能な光導波路および該光導波路を用いた屈折率調整光導波路の製造方法 - Google Patents

屈折率調整方法、屈折率調整可能な光導波路および該光導波路を用いた屈折率調整光導波路の製造方法

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JPH09145942A
JPH09145942A JP30485395A JP30485395A JPH09145942A JP H09145942 A JPH09145942 A JP H09145942A JP 30485395 A JP30485395 A JP 30485395A JP 30485395 A JP30485395 A JP 30485395A JP H09145942 A JPH09145942 A JP H09145942A
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JP
Japan
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refractive index
embedded image
optical waveguide
organic compound
clad
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Application number
JP30485395A
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English (en)
Inventor
Takuji Yoshida
卓史 吉田
Koichi Arishima
功一 有島
Fumihiro Ebisawa
文博 海老沢
Mitsutoshi Hoshino
光利 星野
Takeshi Sukegawa
健 助川
Toshiyuki Shimada
俊之 島田
Hiroaki Hiratsuka
廣明 平塚
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波路の屈折率を簡便に調節し、しかも得
られた屈折率を維持するのに何らエネルギーを必要とし
ない、自己保存型の屈折率調整方法、屈折率調整可能な
光導波路および該光導波路を用いた屈折率調整光導波路
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 光導波路のコアまたはクラッドの少なく
とも一部に、エネルギー線の照射、電圧印加、電流印
加、加熱、冷却、加圧、減圧、磁場印加、物質の含浸ま
たはドープさせることのうち少なくとも一つの操作を行
うことにより屈折率が変化可能な有機化合物を設ける。
前記操作の少なくとも一つを行うことにより該有機化合
物の屈折率を変化させる。この有機化合物を光導波路の
コアおよび/またはクラッドに設けて屈折率調整可能な
光導波路を作製し、さらに前記操作の少なくとも一つを
行うことにより屈折率調整光導波路が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン(Si)
基板等の基板上に設けられた光導波路のコアおよび/ま
たはクラッドの屈折率を調整する方法および該方法によ
り製造される光導波路に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】シリコン(Si)に代表される基板上に
設けられた、コア・クラッド構造を持つ光導波回路(P
LC:Planar Lightwave Circuit)は、次世代の光通
信、光コンピューティングを支える基本技術の一つであ
る。
【0003】このPLCには、単純な光の通り道である
導波路だけでなく、光回路を構成する光素子がある。光
素子としては、3dBカプラ、MZ型干渉計形光スイッ
チ、アレイ形光導波路、リングレーザなど、多種類に及
ぶ。これらの光素子を数多く混載した光回路が、現在開
発されている。
【0004】上記のような光素子が搭載、あるいは混載
された光回路では、目的の異なった、機能を異にする光
素子(3dBカプラ、MZ型干渉計形光スイッチ、アレ
イ形光導波路、リングレーザなど)が一体化されて作製
されることになるため、それぞれの光素子に要求されて
いる(機能を充分に発揮できる)設計値通りに光素子を
作製させ光回路を完成させることは困難である。
【0005】その理由は、それぞれの光素子は、要求さ
れている設計値を満たすように、寸法や位置関係が決め
られるものであり、また、コアやクラッドにそれぞれ多
種類のドーパントが複雑な組成で混入するよう求められ
ており、それら多種類のドーパントを含めた作製条件
(温度や加熱時間、加工条件等)もそれぞれの光素子に
よって最適な条件があるからである。
【0006】これらの光素子を組み合わせた光回路を作
製する場合には、加工時の歪みや屈折率の予期しない分
布や揺らぎが生じるが、これらを全て制御して加工する
ことは無理があり、結局、これら光素子作製条件の平均
的な条件を採用するしかなく、従って光素子に求められ
ている設計値通りの機能を引き出すように作製すること
は困難である。
【0007】すなわち、光回路に組み込まれているすべ
ての素子の設計値を満たすような組成と作製条件を見出
すことは非常に困難であり、また仮に見出すことに成功
したとしても、見出した光回路に、別の新たな光素子を
追加したい要求が生じた場合には、その光回路全体の作
製条件と組成をすべて見直さなければならず、実用的で
はない。このような設計値からのずれ(設計屈折率のず
れ、加工寸法のずれ、位置精度のずれ、加工した導波路
形状のずれ等を含む)は、光導波路長の実効的な誤差を
生じ、結果として光導波路を通る光の位相を設計通りに
制御できない結果となる。また、3dBカプラ素子では
光の分割比がずれ、遅延回路では遅延誤差となる。
【0008】例えば、アレイ形光導波路素子などは、一
つの光導波路中を伝搬してきた波長の異なる光を波長毎
に分割して、別々の異なった数本の光導波路へ振り分け
たり、逆に数本の光導波路を伝搬してきた波長の異なる
光をまとめて一つの光導波路へ導くことのできる光素子
であるが、このアレイ導波路素子に接続している多数の
光導波路を設計値通りに作製することは非常に困難であ
る。また、3dBカプラは光を分岐させる基本的な素子
であり、他の機能素子と混載して使われる場合が多い。
このような3dBカプラを混載した光回路の場合には、
作製条件を他の光導波路素子に合わせざるを得ないた
め、3dBカプラの分割比が50:50とはならず、ず
れた値をとることになる。
【0009】これらの設計値からのずれを調整するため
に、従来は熱光学(TO)効果を利用したヒータを組み
込んだ、いわゆるTO効果型の補正方法が用いられてい
た。しかしながら、TO効果の利用は各光導波路の温度
を個別に制御するためのコンピュータや制御回路が必
要、通電用電源が必要不可欠になるなど装置が大がかり
となり、また消費電力も大きくなるとともに、ヒートシ
ンクやペルチェ素子も容量の大きなものが必要になるな
ど実用的には不向きであった。実際、このようなTO効
果での導波路実効長の調整、屈折率の調整では常時電力
供給が必要であり、また調整幅が小さく、光導波路の大
きなずれの補正には不向きである。TO効果で光導波路
を長時間強熱して導波路実効長、屈折率の調整を固定す
ることも試みられているが、調整幅の小さいものに留ま
っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
技術においては、光導波路の加工における設計値からの
ずれに対処するため、簡単で、電力等の常時供給が不要
で、経済的な調整の方法が待たれていた。
【0011】そこで、本発明の目的は、上記した従来技
術の問題を解決するためのものであり、光導波路の屈折
率を簡便に調節し、しかも得られた屈折率を維持するの
に何らエネルギーを必要としない、自己保存型の屈折率
調整方法、および該方法により製造される光導波路を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記の課題を
解決するための第1の発明は、基板上の光導波路のコア
またはクラッドの少なくとも一部に、エネルギー線の照
射、電圧印加、電流印加、加熱、冷却、加圧、減圧、磁
場印加、物質の含浸またはドープさせることのうち少な
くとも一つの操作を行うことにより屈折率が変化可能な
有機化合物を設け、前記操作の少なくとも一つを行うこ
とにより該有機化合物の屈折率を変化させることを特徴
とする光導波路のコアおよび/またはクラッドの屈折率
調整方法である。
【0013】第2の発明は、基板上の光導波路のコアま
たはクラッドの少なくとも一部に、エネルギー線の照
射、電圧印加、電流印加、加熱、冷却、加圧、減圧、磁
場印加、物質の含浸またはドープさせることのうち少な
くとも一つの操作を行うことにより屈折率が変化可能な
有機化合物を設けたことを特徴とする屈折率調整可能な
光導波路である。
【0014】さらに、第3の発明は、上記第2の発明の
光導波路に、さらに前記操作のうち少なくとも一つを行
うことにより、前記有機化合物の屈折率を変化させるこ
とを特徴とする屈折率調整光導波路の製造方法である。
【0015】エネルギー線の照射、電圧印加、電流印
加、加熱、冷却、加圧、減圧、磁場印加、物質の含浸ま
たはドープによって、またはこれらの操作を2つ以上組
み合わせることによって、有機化合物は劣化したり、酸
化したり、有機結合が切断されたり、逆に有機結合が作
製されたり、重合したり、電荷を帯びたり、圧縮/膨張
したり、配向したり、密度変化したり、物質の出入りが
生じたりして化学状態や物理状態が変化する。また、こ
の変化に伴って有機化合物自身の屈折率も変化する。こ
の有機化合物を光導波路のコア、あるいはクラッドとし
てコア近傍に搭載する。クラッドとして搭載してもコア
内の光はエバネッセント波として近傍の有機化合物内を
も伝搬するので、この有機化合物の屈折率変化を敏感に
感じとり、光導波路の実効長や光の伝搬を変えることが
できる。
【0016】すなわち、有機化合物の屈折率が変化する
と光導波路内を伝搬している光の位相が変化/影響を受
け、その結果、実効的に導波路長を変えたり、素子の屈
折率分布を局所的に変えることができ、設計値通りに機
能を果たせるように光素子を微調整することが可能とな
るのである。また、3dBカプラでは、2つの導波路間
の距離やカップリング部分の長さを変えたのと同じ効果
が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、光導波路のコア
および/またはクラッドの屈折率を変化させるのに用い
られる有機化合物は、エネルギー線の照射、電圧印加、
電流印加、加熱、冷却、加圧、減圧、磁場印加、物質の
含浸またはドープさせることのうち少なくとも一つの操
作を行うことにより、その屈折率変化を生じる化合物で
ある。そのような化合物としては、例えば、光開裂性ま
たは光酸化性化合物、フォトポリマー、強誘電性液晶、
ポリシロキサン、昇華(または蒸発)、二量化または吸
湿可能な化合物が挙げられる。
【0018】このような有機化合物は、そのまま、ある
いはポリマーなどの媒体との混合物として、光導波路の
コアおよび/またはクラッド、あるいはそれらの一部と
して用いられる。
【0019】本発明の有機化合物が媒体と混合して用い
られる場合、その媒体との混合比は、用いる有機化合物
の媒体への溶解性、または必要とする屈折率変化量など
により異なる。例えば、本発明の有機化合物が媒体と混
合してクラッドとして用いられる場合、その長さが5m
mの場合は、その混合比は媒体に対して1〜50重量%
である。
【0020】以下に、本発明を、3dBカプラとエネル
ギー線照射を組み合わせ、有機化合物をクラッド層とし
て用いた場合を例に取り、図1(a)〜(c)を参照し
ながら説明する。
【0021】図1(a)は本発明に用いうる3dBカプ
ラの一つの具体例の上面図であり、符号(1)は光導波
路のコアを示す。この図1(a)のA−A′断面および
B−B′断面を各々図1(b)および図1(c)に示
す。これらの図からもわかるように、この導波路は、シ
リコン基板(2)、該シリコン基板上に積層されている
下部クラッド層(3)、該下部クラッド層(3)の上に
形成されるコア(1)、該コア(1)の上周部に形成さ
れる本発明の有機化合物からなる上部クラッド層(4)
または本発明の有機化合物を含有しない上部クラッド層
(5)、および該上部クラッド層(4)および/または
(5)の上部に形成される上部カバー層(6)から構成
される。
【0022】まず、本発明における光素子の形状を説明
する。光回路の中には3dBカプラが他の光素子と混載
されている場合があり、作製条件は他の光素子に合わせ
てあるため、3dBカプラの分割比は、ずれていること
が多い。図1のように、この3dBカプラのコア(1)
の上部に本発明の有機化合物からなるクラッド層(4)
を搭載する。図1の例では、3dBカプラは2つの光導
波路間も有機化合物または有機化合物と媒体との混合物
で充填される。図1に示す3dBカプラにおいて、コア
(1)はSi(シリコン)基板(2)上に設けられた下
部クラッド(3)上に作製される。ここにおいて、本発
明の屈折率が変化する有機化合物からなるクラッド層
(4)は、2本のコア(1)が離間している部分におい
て一方のコアの上部周囲に設ける。この有機化合物から
なる層(4)の上部に、図1(b)および(c)に示す
ような上部カバー層(6)を作製する。
【0023】本発明の有機化合物で作製されるクラッド
層は屈折率変化の大きさとの兼ね合いで任意の厚さに選
定して良い。通常、光導波路におけるエバネッセント光
の導波はクラッド層の厚さ20μm程度あれば良く、屈
折率が変化する有機化合物層が十分厚ければ、上部カバ
ー層は作製してもしなくても良い。一般に、本発明にお
ける屈折率を変化させる有機化合物の搭載方法は、図1
のように、光導波路コアの上部、側部の3方向に作製す
る他、上方にのみ作製することもできる。
【0024】例えば、図2に示すように、上部クラッド
層を全て本発明の有機化合物からなる上部クラッド層
(4)で形成してもよく、あるいは、図3に示すよう
に、上部クラッド層において、コア(1)の上方にのみ
部分的に搭載してもよい。
【0025】上記のように本発明の有機化合物を搭載し
た後、エネルギー線を適宜選択して照射しながらモニタ
し、分割比を設計値通りとなるようにするが、ここで、
搭載する有機化合物は屈折率が一方向に変化する1種類
でも良いが、屈折率の上昇と下降が異なるエネルギー線
の照射によって制御できるよう2種類あるいは2種類以
上の混合有機物の使用が望ましい。例えば2種類の有機
化合物を搭載する際には、一つの有機化合物は可視光に
よって屈折率が減少する有機化合物とし、もう一つの有
機化合物は紫外光によって屈折率が増加する有機化合物
というように、屈折率が照射するエネルギー線の種類に
よって増減できるような組み合わせを選ぶようにする。
ここにおいて用いられるエネルギー線とは、電磁波、電
子線、ガンマ線、X線、マイクロ波、赤外線、紫外光、
真空紫外光、可視光、放射線などが挙げられる。
【0026】また、エネルギー線照射以外の有機化合物
の屈折率を増減させる手段としては、電圧印加、電流印
加、加熱、冷却、加圧、減圧、磁場印加、物質の含浸ま
たはドープさせることが挙げられる。ここにおいて、有
機化合物に含浸またはドープさせる物質としては、例え
ば、水、各種有機溶剤、低分子有機化合物等が挙げられ
る。
【0027】本発明において、有機化合物の屈折率を変
化させるためのこれらの手段は、2つ以上組み合わせる
ことによっても効果がある。すなわち、加熱しながら紫
外線を照射したり、加圧+磁場印加しながら近赤外線を
照射する方法である。特に、加熱しながら紫外線を照射
する手段は紫外線硬化樹脂と熱硬化樹脂の組み合わせの
場合等に適した手段といえ、樹脂の硬化時間をより短く
することができる。
【0028】以上により、屈折率の増減の要求に即座に
答え得るばかりでなく、仮にエネルギー線を照射しすぎ
た場合でも、逆の効果を発揮する異なるエネルギー線を
照射すればさらに屈折率増減の微調整が可能となり設計
値通りの機能を発揮させることができる。また、屈折率
のずれの程度が既知であれば、クラッド内に添加する前
記有機化合物の分量を予め所定の屈折率となるように制
御し、既知の屈折率ずれを補正することも当然可能であ
る。
【0029】以上、3dBカプラのコア近傍に有機化合
物を搭載した例を示したが、アレー導波路格子のアレー
導波路の一定距離部分をクラッドあるいはコアに有機屈
折率調整物で置き換えた屈折率調整光素子にも適用可能
であるし、ループバック形アレー導波路格子のループバ
ック用2×2光スイッチに用いる3dB方向性結合器の
上部、あるいは側部を含めた部分を有機屈折率調整物に
置き換えた屈折率調整光素子にも適用可能である。その
他、光導波路の位相調整を要するところであり、上記の
ような有機化合物の搭載が可能であれば、本発明の適用
に制限はない。
【0030】屈折率を調整する有機化合物の構成は、エ
ネルギー線照射等本発明の特許請求の範囲で示した方法
で屈折率が変化する化合物を高分子化合物中に分散す
る。あるいは、屈折率が変化する化合物や置換基を高分
子化合物に置換基として導入する。あるいは、屈折率が
変化する化合物や置換基を高分子化合物に置換基として
導入し、ポリマークラッドとして本発明の「屈折率を変
化させる有機化合物」とする。あるいは、高分子化合物
の主鎖に屈折率が変化する化学構造を持たせ、ポリマー
クラッドとして本発明の「屈折率を変化させる有機化合
物」とする方法もよいが、特に限定されたものではな
く、光導波路での光の伝搬が満足できれば、特に高分子
化合物を用いなくても良い。また、用いる光導波路が石
英製の場合には、これら高分子にはフッ素化したものを
用い、前記石英製の光導波路の屈折率とこれら高分子の
屈折率とを整合させることが光導波性能を満足する屈折
率を得るには有効である。一般に、コアの屈折率とクラ
ッドの屈折率との関係は、コアの方が、0.3〜0.7
%クラッドの屈折率より高く設定して損失を低減してい
るからである。
【0031】ここで、エネルギー線を照射する装置につ
いては、例えば、以下の装置を用い得る。光導波回路全
体を覆う薄い金属板にスリットを設け、このスリットを
屈折率調整用光導波路に沿わせ、該光導波路の所定の部
分にだけ制御用の電磁波、電子線、ガンマ線、X線、マ
イクロ波、赤外線、紫外光、真空紫外光、可視光、放射
線を照射できるようにし、かつ、この金属板スリットを
調整用の光導波路の上部に可動できるようにした。スリ
ット上部からは紫外線、可視光線などの光を照射するた
めの光源が設置されている。また、通常の光学系や光フ
ァイバ等を用いて所望の部分にエネルギー線を照射する
ことでも良く、その他、通常考えられる方法を用いて良
い。
【0032】次に、屈折率を増減させる方法とそれに用
いる有機化合物について述べる。屈折率の増加は一般に
コアまたはクラッドの材料としての有機化合物、あるい
は媒体に混入させた有機化合物の密度を上げるか、誘電
率を高くすれば良い。また、減少はその逆になる。
【0033】<光開裂型屈折率変化>有機化合物の屈折
率(n)は次の式で表現される。
【0034】
【数1】
【0035】ここで、Rは分子屈折、Vは分子容であ
る。
【0036】これから分かるように、屈折率を大きくす
るには分子屈折を高め、分子容を小さくすれば良い。さ
らに、分子屈折と分極率(α)は次の式で現される。
【0037】
【数2】
【0038】ここで、Naはアボガドロ定数である。
【0039】これから分かるように、分極率が高いほど
分子屈折は大きくなる。上記の関係から、屈折率は分極
率の変化によって変動し、同じ化合物であれば分極率が
高いほど屈折率は大きくなる。
【0040】一般に有機化合物にエネルギー線を照射す
ると原子間の結合が切れることが知られている。特に可
視光や紫外線は有機化合物に対して捕獲断面積が大き
く、反応性が高いため効率的に原子間結合を切断でき
る。そこで、有機化合物を光などのエネルギー線で結合
を切断し、当該化合物の分極率を低下させることができ
れば、屈折率を低下させることが可能である。また、光
エネルギ等で原子や原子団を付加させ、新たな結合を生
じさせることによって当該化合物の分極率を増大させ、
屈折率を大きくすることもできる。
【0041】具体的には、結合を切断し屈折率を低下さ
せるには、当該分子が外部エネルギーで結合を切断する
だけの弱い結合を持つ必要がある。一般に有機分子の結
合エネルギーは、日本化学会編“化学便覧”基礎編(1
975)のp975に記載されているように10eV以
下であり、外部エネルギーとして波長100nmの真空
紫外光を用いれば十分に結合を切ることができる。ま
た、より弱い結合エネルギーを持つ分子においては、可
視光でも十分可能である。結合を切ることによって最も
効果的に屈折率を変化させる材料としては、分極率の高
い共役系がある。共役部位の結合を切断することによっ
て、共役部位での分極がなくなり分極率が低下し、屈折
率が小さくなる。このような共役系を持つ有機化合物と
しては一般に色素、染料、顔料などとして知られてい
る。例えば、アクリジン、アゾ、アントラキノン、イン
ジゴ、キサンテン、キノリン、キナクドリン、シアニ
ン、スチリル、トリフェニルメタン、フタロシアニン、
ペリレンなどである。
【0042】これらの有機化合物は紫外部から可視光領
域にかけて共役に基づく吸収をもっているが、本発明に
おいては、光通信に用いられる近赤外光領域での屈折率
変化が重要であり、この吸収の有無は問題はない。これ
らの化合物のほとんどが紫外光や可視光を照射すること
によって光励起を受け、原子間の結合を切断(光開裂)
することができ、本発明の屈折率制御材料として利用で
きる。ただし、光開裂に基づく屈折率変化の大きさは材
料により大きく異なり、高分子中への含有率1%当たり
の屈折率変化(Δn)は最高0.1以上から0.000
1以下まで様々である。
【0043】<光酸化型屈折率変化>上記した光開裂以
外の屈折率変化の大きい制御方法として、光照射による
光酸化がある。光酸化付加のなかでも芳香族多環化合物
への酸化付加はよく知られており、R.Schmidt
ら(Journal of Physical Chemistry 、86巻、490
9ページ、1982)や井口ら(機能材料、59ペー
ジ、1983年8月)の報告に見られる。例えば、テト
ラベンゾペンタセンは625nmの光を照射することに
よって、酸素付加が起こり吸収が短波長シフトする。こ
の酸素付加によって分子内の共役が切断され、分極状態
が変化し屈折率が大きく変動する。代表的な化合物の例
を表1に示すが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0044】
【表1】
【0045】次に、媒体に混入した有機化合物の誘電率
の上昇による屈折率の制御について説明する。一般に、
有機化合物材料を用いる場合には、紫外可視吸収を長波
長化することで誘電率の上昇が得られ、屈折率が上昇す
る。
【0046】このため、例えば、本発明の有機化合物と
してロイコ色素を用いる場合には、ロイコ色素と、その
補助剤としての光酸発生剤とをポリマークラッド内に分
散させ、紫外光などにより光酸発生剤から酸を発生させ
てロイコ色素を発色させ屈折率を変化させた。ロイコ色
素は媒体に均質に分散させておくことで、媒体全体の誘
電率が上昇して屈折率が高くなる。屈折率の上昇はロイ
コ色素の反応の程度で決まり、従って、光照射の光量で
発生する酸の量で屈折率上昇を制御できる。また、生成
したロイコ色素の発色体は通常の環境では安定に存在
し、屈折率を自己保持、すなわち、外部エネルギーを必
要とせずに、所望の屈折率を維持することができる。
【0047】ここにおいて用いられる色素発生補助剤と
しての光酸発生剤としては(化1)〜(化27)に示す
ようなハロゲン酸発生剤や、(化28)〜(化53)に
示すようなスルホン酸発生剤や、(化54)〜(化5
7)に示すようなカルボン酸発生剤が例示できる。発生
した酸による発色剤としては、(化58)〜(化12
7)に示すようなフルオラン型や、(化128)〜(化
160)に示すようなトリフェニルメタン型や、(化1
61)〜(化205)に示すようなその他の化合物を例
示することができる。用いる場合には、これらの光酸発
生剤と発色剤を適宜組み合わせて用いれば良く、また光
による酸発生と発色が伴うものであれば、本発明は例示
した化合物になんら限定されない。
【0048】
【化1】
【0049】
【化2】
【0050】
【化3】
【0051】
【化4】
【0052】
【化5】
【0053】
【化6】
【0054】
【化7】
【0055】
【化8】
【0056】
【化9】
【0057】
【化10】
【0058】
【化11】
【0059】
【化12】
【0060】
【化13】
【0061】
【化14】
【0062】
【化15】
【0063】
【化16】
【0064】
【化17】
【0065】
【化18】
【0066】
【化19】
【0067】
【化20】
【0068】
【化21】
【0069】
【化22】
【0070】
【化23】
【0071】
【化24】
【0072】
【化25】
【0073】
【化26】
【0074】
【化27】
【0075】
【化28】
【0076】
【化29】
【0077】
【化30】
【0078】
【化31】
【0079】
【化32】
【0080】
【化33】
【0081】
【化34】
【0082】
【化35】
【0083】
【化36】
【0084】
【化37】
【0085】
【化38】
【0086】
【化39】
【0087】
【化40】
【0088】
【化41】
【0089】
【化42】
【0090】
【化43】
【0091】
【化44】
【0092】
【化45】
【0093】
【化46】
【0094】
【化47】
【0095】
【化48】
【0096】
【化49】
【0097】
【化50】
【0098】
【化51】
【0099】
【化52】
【0100】
【化53】
【0101】
【化54】
【0102】
【化55】
【0103】
【化56】
【0104】
【化57】
【0105】
【化58】
【0106】
【化59】
【0107】
【化60】
【0108】
【化61】
【0109】
【化62】
【0110】
【化63】
【0111】
【化64】
【0112】
【化65】
【0113】
【化66】
【0114】
【化67】
【0115】
【化68】
【0116】
【化69】
【0117】
【化70】
【0118】
【化71】
【0119】
【化72】
【0120】
【化73】
【0121】
【化74】
【0122】
【化75】
【0123】
【化76】
【0124】
【化77】
【0125】
【化78】
【0126】
【化79】
【0127】
【化80】
【0128】
【化81】
【0129】
【化82】
【0130】
【化83】
【0131】
【化84】
【0132】
【化85】
【0133】
【化86】
【0134】
【化87】
【0135】
【化88】
【0136】
【化89】
【0137】
【化90】
【0138】
【化91】
【0139】
【化92】
【0140】
【化93】
【0141】
【化94】
【0142】
【化95】
【0143】
【化96】
【0144】
【化97】
【0145】
【化98】
【0146】
【化99】
【0147】
【化100】
【0148】
【化101】
【0149】
【化102】
【0150】
【化103】
【0151】
【化104】
【0152】
【化105】
【0153】
【化106】
【0154】
【化107】
【0155】
【化108】
【0156】
【化109】
【0157】
【化110】
【0158】
【化111】
【0159】
【化112】
【0160】
【化113】
【0161】
【化114】
【0162】
【化115】
【0163】
【化116】
【0164】
【化117】
【0165】
【化118】
【0166】
【化119】
【0167】
【化120】
【0168】
【化121】
【0169】
【化122】
【0170】
【化123】
【0171】
【化124】
【0172】
【化125】
【0173】
【化126】
【0174】
【化127】
【0175】
【化128】
【0176】
【化129】
【0177】
【化130】
【0178】
【化131】
【0179】
【化132】
【0180】
【化133】
【0181】
【化134】
【0182】
【化135】
【0183】
【化136】
【0184】
【化137】
【0185】
【化138】
【0186】
【化139】
【0187】
【化140】
【0188】
【化141】
【0189】
【化142】
【0190】
【化143】
【0191】
【化144】
【0192】
【化145】
【0193】
【化146】
【0194】
【化147】
【0195】
【化148】
【0196】
【化149】
【0197】
【化150】
【0198】
【化151】
【0199】
【化152】
【0200】
【化153】
【0201】
【化154】
【0202】
【化155】
【0203】
【化156】
【0204】
【化157】
【0205】
【化158】
【0206】
【化159】
【0207】
【化160】
【0208】
【化161】
【0209】
【化162】
【0210】
【化163】
【0211】
【化164】
【0212】
【化165】
【0213】
【化166】
【0214】
【化167】
【0215】
【化168】
【0216】
【化169】
【0217】
【化170】
【0218】
【化171】
【0219】
【化172】
【0220】
【化173】
【0221】
【化174】
【0222】
【化175】
【0223】
【化176】
【0224】
【化177】
【0225】
【化178】
【0226】
【化179】
【0227】
【化180】
【0228】
【化181】
【0229】
【化182】
【0230】
【化183】
【0231】
【化184】
【0232】
【化185】
【0233】
【化186】
【0234】
【化187】
【0235】
【化188】
【0236】
【化189】
【0237】
【化190】
【0238】
【化191】
【0239】
【化192】
【0240】
【化193】
【0241】
【化194】
【0242】
【化195】
【0243】
【化196】
【0244】
【化197】
【0245】
【化198】
【0246】
【化199】
【0247】
【化200】
【0248】
【化201】
【0249】
【化202】
【0250】
【化203】
【0251】
【化204】
【0252】
【化205】
【0253】これらの光酸発生剤と発色剤を混合する高
分子媒体としては、両者を溶解するものであれば限定さ
れない。しかし、石英系の光導波路にこれら材料を適用
する場合には通常汎用に用いられる高分子媒体よりも屈
折率を下げる必要があり、このためにはメチルメタクリ
レートとフッ素化メタクリレートとの共重合体やフッ素
化エポキシ樹脂等のフッ素化した高分子媒体が好まし
い。酸発生に用いられる光の波長は、光酸発生剤の吸収
帯のある波長を選択することが良い。一般にこれらは紫
外光であるが、より高エネルギーのエネルギー線でも良
い。
【0254】これらの光酸発生剤と発色剤とを混合した
高分子媒体は光導波路の一部として用いられるが、この
中にさらに屈折率を低下させる材料と混合して用いると
自由に屈折率を上下でき、より有効な使い方ができる。
例えば、さらに混合させる、屈折率を低下させる材料と
しては、本発明に含まれる、光開裂に伴う「色素の退色
現象」を持つ材料、例えばベース・スチリル色素(具体
例は後述の実施例3の<スチリル色素の例>を参照)が
挙げられる。色素の退色に使われる光は可視光や紫外光
となるが、この時に発色剤の発色波長と該色素の吸収波
長の重なりは避けることが望ましい。このためには、上
記したような発色色で示したように該退色色素の補色と
なるような発色剤を選択すればよい。
【0255】ここにおいて高分子媒体と用いる各有機化
合物の混合比は、用いる高分子媒体の溶解性、酸発生剤
や発色剤の高分子媒体への溶解性の良否、また、必要と
する屈折率変化量により異なる。典型的な値を例示する
と、高分子媒体に対して、酸発生剤は5〜40%、発色
剤は2〜20%であり、好適には、酸発生剤は10〜2
0%、発色剤は5〜10%、酸発生剤と発色剤の混合比
は1:2以上で良好な結果が得られる。
【0256】上記した光開裂型および光酸化型の屈折率
変化以外にも、以下のような手段により屈折率は変化さ
せることが可能である。
【0257】すなわち、光によって重合するフォトポリ
マーをクラッド部分に分散させておき、該フォトポリマ
ーを重合を起こすためのエネルギー線を照射して該フォ
トポリマーの高分子化に伴う屈折率変化を用いることも
できる。このようなフォトポリマーを構成するモノマー
を表2に例示する。
【0258】
【表2】
【0259】また、この場合、フォトポリマーが分散さ
れるクラッドを形成する媒体としては、例えば、表3に
示されるような化合物が挙げられる。
【0260】
【表3】
【0261】さらには、本発明の有機化合物として強誘
電性液晶を用い、コアを挟んで1対の電極を設けること
により電圧を印加し、液晶の相転移(ネマチックスメク
チック)を用いてもよい。この場合には屈折率が大きく
変化するが印加する電圧を微細に制御できるため、詳細
に屈折率変化を制御可能である。本発明において用いう
る強誘電性液晶の具体例を表4〜表6に示す。
【0262】
【表4】
【0263】
【表5】
【0264】
【表6】
【0265】さらに、本発明において用いうる強誘電性
液晶ポリマーとして側鎖側液晶ポリマーがある。それら
の内のシンナメート骨格液晶ポリマーを表7に示した。
【0266】
【表7】
【0267】また、環状ポリシロキサンと触媒とをクラ
ッド内に分散させておき、加熱することで線状ポリシロ
キサンへと変化させて屈折率を変化させることもでき
る。線状ポリシロキサンとしては重合度が数100から
数1000のジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシ
ロキサン、ジフェニルポリシロキサン、あるいは繰り返
しシロキサン連鎖が3ないし4の1,1,3,3,5,
5,−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,
5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,1,3,
3,5,5−ヘキサフェニルトリシロキサン、1,3,
5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルトリシロキ
サンがある。環状ポリシロキサンとしては6員環のヘキ
サメチルシクロトリシロキサン、ヘキサエチルシクロト
リシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−
トリフェニルシクロトリシロキサン、8員環のオクタメ
チルシクロテトラシロキサン、オクタエチルシクロテト
ラシロキサン等がある。
【0268】これらのポリシロキサンの屈折率を変える
には、ルイス酸、ブレンステッド酸等の酸触媒を加え、
シロキサンの活性点を作る。所定の屈折率になるように
温度をゆっくり変化させることにより、線状/環状間あ
るいは環状シロキサン化合物間の平衡定数あるいは天井
温度をずらして、所望の屈折率に制御する。一定屈折率
になった後、塩基性物質を加えて、活性点を消滅させ
る。活性点の消滅方法は電極などを用いることにより、
陰極には陽イオンを、陽極には陰イオンを集めることに
よりイオン性物質を固定化する他の方法を用いることも
できる。このような方法により、屈折率を制御でき、所
望の屈折率値を得ることができる。
【0269】エネルギー線を照射したり、電圧を印加ま
たは電流を流すなどして有機化合物の屈折率を変化させ
る例を示したが、上記例以外でも屈折率が変化するもの
であれば、それらをコアあるいはクラッドとするかもし
くはクラッド内に添加することが可能であり、これらも
また本発明の適用範囲である。
【0270】例えばクラッド部分の媒体をポリマーとし
ておき、そのポリマー中に昇華(もしくは蒸発)しやす
い物質(ヨウ素やアントラセン、ナフタレンなど)を分
散させておき、加熱することによりポリマー中の昇華
(もしくは蒸発)しやすい物質を昇華(もしくは蒸発)
させ、系から除去し、設計値通りの値を示すもしくは求
める値の得られた時点で、これらクラッドを含む素子全
体を完全に封止し、昇華(もしくは蒸発)を止めるよう
にすればよい。
【0271】また、屈折率の変化は二量化により起こす
ことも可能である。たとえばフェナントレンは光照射に
より二量化できる。
【0272】同様に、クラッドに吸湿性の材料を添加す
るかクラッド自身を吸湿性材料で作製し、空気中の水分
を含ませた上で、加熱するか、湿度を制御した空気中に
置くか、減圧もしくは加圧することによりクラッド中の
水分を制御して屈折率を制御し、設計値通りの値を示す
か求める値の得られた時点で、同様に吸湿性材料を含む
素子を封止すればよい。このような吸湿性化合物の具体
例としては、シリカゲル、ポリメチルメタクリレート
(PMMA)、ポリスチレンなどが挙げられる。
【0273】また、信号光の波長域に吸収を待たない有
機磁性体などを本発明の有機化合物として用い、これに
磁場をかけることによっても屈折率を変化させることが
できる。本発明において用いうる有機磁性体の具体例と
しては、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノキシルや
ポリ(フェニルアセチレン)ポリラジカル、ポリジアセ
チレンポリラジカル、ポリ(1,3−フェニレンエチニ
レン)ポリラジカル等が挙げられる。
【0274】以上、本発明の屈折率の変化可能な有機化
合物を光導波路のクラッドに用いた場合について説明し
た。
【0275】次に、光導波路のコアに本発明の屈折率の
変化可能な有機化合物を添加した場合について説明す
る。
【0276】クラッドに上記有機化合物を添加した場合
は、コアを伝搬する光のエバネッセント波を利用して屈
折率変化を感受させ、光導波路の精度を向上させるもの
であったが、コアに直接上記有機化合物を添加した場合
はコアそのものの屈折率を制御することとなり、非常に
有効である。したがって、上記有機化合物の添加量も極
めて微量で十分な効果(屈折率制御効果)を発揮するこ
とが可能である。
【0277】コアに上記有機化合物を添加する場合に
は、この有機化合物がコアを伝搬してくる信号光の波長
域に吸収を持っていないことが重要である。通信に用い
られる信号光は1.3μm、1.55μm帯の赤外光で
あるので、特殊な有機化合物(例えば、赤外吸収色素)
でない限り、通常の有機化合物は赤外域に吸収を持たな
いため、本発明に用いることができる「屈折率を変化さ
せる有機化合物」の種類は多い。
【0278】コアに添加した場合の屈折率調整方法は、
クラッドに添加した場合と同じであって、添加した部分
の垂直上部から電磁波を照射したり、あるいは前記電磁
波をコア伝搬させて添加した部分に到達させたり、電圧
印加、電流印加、加熱、冷却、減圧、磁場印加、他物質
の含浸またはドープなどで調整することができる。
【0279】なお、上記においては、基板上の光導波路
を例にとって本発明を説明したが、本発明は、基板を持
たないコア/クラッド構造を有する光導波路、例えば光
ファイバーに対しても十分適用可能である。
【0280】以下、具体的な例を挙げて説明する。
【0281】〔実施例1〕<光酸発生剤とロイコ色素の
例> 光酸発生剤として前記(化2)、(化28)および(化
54)の化合物、発色剤とし前記(化103)の化合物
を選び、ポリメチルメタクリレートの10%溶液(溶
剤:メチルイソブチルケトン)に溶解して表8の組成に
なるようにした。これを、スピンコート法でシリコン基
板の上に塗工して膜厚2.5μmの膜とした。この膜を
十分乾燥後、Xe−Hgランプ(100W、バンドルフ
ァイバ付き)からの光を10分間照射(バンドルファイ
バの光射出口からの距離15cm)した。また、屈折率
を光照射前後で測定して屈折率の増加を算出した。結果
を同じく表8にまとめて示した。PMMA1重量部に対
して光酸発生剤0.1重量部、発色剤0.1重量部を加
えた例での屈折率変化の具体例を示すと、光照射前の屈
折率は1.5003であったが、光照射後には1.50
33となった。なお、屈折率の測定は1.5μmの光波
長で行った。各試料を室温、室内光下で1週間放置した
が、屈折率の変化はなく増加した屈折率は保持された。
【0282】
【表8】
【0283】〔実施例2〕<光酸発生剤とロイコ色素の
例> 光酸発生剤として前記(化56)の化合物、発色剤とし
て前記(化94)、(化104)、(化118)、(化
126)、(化129)、(化134)、(化13
7)、(化160)、(化163)、(化184)およ
び(化206)の化合物を選び、ポリメチルメタクリレ
ートの10%溶液(溶剤:メチル・イソブチルケトン)
に溶解して表9の組成になるようにした。これを、スピ
ンコート法でシリコン基板の上に塗工して膜厚2.5μ
mの膜とした。この膜を十分乾燥後、Xe−Hgランプ
(100W、バンドルファイバ付き)からの光を10分
間照射(バンドルファイバの光射出口からの距離15c
m)した。また、屈折率を光照射前後で測定して屈折率
の増加を算出した。結果を表9にまとめて示した。PM
MA1重量部に対して光酸発生剤0.2重量部、発色剤
0.1重量部を加えてた例での屈折率変化の具体例を示
すと、光照射前の屈折率は1.5103であったが、光
照射後には1.5123となった。なお、屈折率の測定
は1.5μmの光波長で行った。各試料を室温、室内光
下で1週間放置したが、屈折率の変化はなく増加した屈
折率は保持された。
【0284】
【表9】
【0285】〔実施例3〕<スチリル色素の例> 光開裂型有機化合物として、スリチル色素である4[2
−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]ブテニル]キノ
リンを用いた例を示す。
【0286】本実施例において用いる導波路はマッハツ
ェンダ形干渉計の導波路である。このマッハツェンダ形
干渉計を図4に示す。
【0287】このマッハツェンダ形干渉計は、シリコン
基板(2)上に形成されたコア(1)、該コア(1)を
2本組み合せてなる2個の3dBカプラ(13)、2個
の該3dBカプラ(13)間に存在する、本発明の有機
化合物からなる上部クラッド層を有する直線導波路部分
(7)および本発明の有機化合物を含有しない上部クラ
ッド層を有する直線導波路部分(8)から構成される。
図4中、符号(9)および(10)は光の入射ポートを
示し、符号(11)および(12)は光の出射ポートを
示す。
【0288】この光開裂型有機化合物40mg、ポリメ
チルメタクリレート(PMMA)400mgをモノクロ
ルベンゼンとメチルイソブチルケトンとの1:1混合溶
媒2.5mlに溶解して塗布溶液を作製する。作製した
塗布溶液を直線導波路(7)の上部クラッド部位を長さ
5mm、幅50μm、深さ30μm(コア(1)の上面
まで)除去した加工溝に注入し、厚さ5μmで塗布す
る。
【0289】1.5μmの半導体レーザを光源とし、3
dBカプラ(13)2個と2つのアームの内の1つが光
路長を20nm以上の精度で調整できる光路長可変装置
を組み込んだマッハツェンダ型干渉計の片ポートに、作
製した直線導波路素子を挿入した。波長365nmのX
e光を照射し、照射前後の出力を光パワーメータで測定
した。
【0290】Xe光未照射の直線導波路素子を用い、マ
ッハツェンダ干渉計を出力が最大となるように、すなわ
ち両アームの位相差がないように光路長可変装置を駆動
させ初期設定後、Xe光照射した素子を測定した。その
結果、光出力は最大値の23%でこれから見積もられる
位相変化量は139°であった。この位相変化は、屈折
率の変化によるものである。
【0291】一般に、位相シフト幅ΔΦは
【0292】
【数3】ΔΦ=2π×Δneff×L/λ (式中、Δneffは導波路の実効屈折率の変化、Lは
アーム導波路の長さ、λは波長である。)で表される。
また、マーカティリ法により解析結果を直線近似する
と、 Δneff=0.2Δnp (式中、Δnpは高分子化合物の屈折率変化幅であ
る。)と表される。以上の式を用いて逆算することによ
り、位相変化量の値から屈折率変化量を近似的に求める
ことができる。したがって、上記の位相変化量139°
より近似される屈折率変化量は、1.5μmの波長でΔ
n=5.8×10-4であった。
【0293】〔実施例4〕<濃度制御の例> PMMA400mgに対して、4[2−[4−(ジメチ
ルアミノ)フェニル]ブテニル]キノリンを0.4m
g、4mg、40mg添加し、モノクロルベンゼン、メ
チルイソブチルケトンの1:1混合溶媒2.5mlに溶
解させ塗布溶液を作製する。これらの塗布溶液を直線導
波路(7)の加工溝にクラッドを形成し、3種類の素子
を作製した。
【0294】色素濃度の異なる3種類素子を実施例3と
同様にしてマッハツェンダ型干渉計の片ポートに挿入
し、初期の出力が0となるように波長可変装置を駆動さ
せた後、波長365nmのXe光を1分照射し、出力を
調べた。
【0295】その結果、出力から計算した位相変化は
0.4mg、4mg、40mg添加に対してそれぞれ2
°、18°、180°であり、その時のΔnは1.5μ
mの波長で各々0.083×10-4、0.75×1
-4、7.5×10-4であった。このことから、マトリ
ックスポリマ中の色素濃度で位相シフト量を制御できる
ことがわかった。
【0296】〔実施例5〕<照射時間の例> 実施例3と同様に光開裂型有機化合物として、4[2−
[4−(ジメチルアミノ)フェニル]ブテニル]キノリ
ンを40mgおよびPMMA400mgをモノクロルベ
ンゼンとメチルイソブチルケトンとの1:1混合溶媒
2.5mlに溶解させ塗布溶液を作製する。作製した塗
布溶液を、直線導波路(7)の上部クラッド部位を長さ
5mm、幅50μm、深さ30μm(コア(1)の上面
まで)除去した加工溝に注入し、厚さ5μmで塗布し
た。
【0297】1.5μmの半導体レーザを光源とし、3
dBカプラ2個と2つのアームの内の1つが光路長を2
0nm以上の精度で調整できる光路長可変装置を組み込
んだマッハツェンダ型干渉計の片ポートに、作製した直
線導波路素子を挿入した。超高圧水銀灯の波長365n
mの光を照射しながら、出力を光パワーメータで測定し
た。その結果、初期に出力が最大となるように光路長可
変装置を駆動させ、照射時間とともに光強度が変化し、
約1分でほぼ0となり、約2分後に再び最大となった。
これにより、光照射光量屈折率が変化し、導波光の位相
を180°以上変化させることができ、Δnを1.5μ
mの波長で7.5×10-4以上変化させることができる
ことが分かった。
【0298】〔実施例6〕<PCと酸化劣化色素を組み
合わせた例> 光酸化型化合物としてテトラベンゾペンタセンを10m
gおよびPMMA400mgをモノクロベンゼンとメチ
ルイソブチルケトンとの1:1混合溶媒2.5mlに溶
解させ塗布溶液を作製する。作製した塗布溶液を直線導
波路(7)の上部クラッド部位を長さ5mm、幅50μ
m、深さ30μm(コア(1)の上面まで)除去した加
工溝に注入し、厚さ5μmで塗布した。
【0299】実施例3と同様の測定装置の片ポートに作
製した上記直線導波路を挿入し、初期出力が最大となる
ように光路調整した後、633nmのHeNe光(5m
W)を照射しながら出力を測定した。その結果、光照射
時間とともに光出力が変化し、約1分50秒でほぼ0と
なり、約3分40秒後に再び最大となった。これによ
り、光照射によって屈折率が変化し、導波光の位相を1
80°以上変化させることができ、Δnを1.5μmの
波長で7.5×10-4以上変化させることができること
が分かった。
【0300】〔実施例7〕<昇華の例> 高分子フッ素化PMMAに酸化防止剤であるアーガノッ
クス1010(チバガイギー株式会社製)を10wt%
添加し、これを導波路の高分子クラッド(厚さ20μ
m)(4)として作製した(図5(a))。これに赤外
線ランプ(14)を光を集光させ高分子クラッド(4)
に光照射することで(図5(b))屈折率の低下が認め
られ、導波路長のトリミングが可能となった。トリミン
グ幅は位相値で10πラジアンであった。なお、図5
(a)は本実施例による導波路の上面図であり、図5
(b)は図5(a)におけるA−A′断面図である。
【0301】尚、上記実施例3〜7において使用した光
導波路の主な仕様は以下のとおりであった。
【0302】 石英ガラス系PLC(基板Si) コア断面 8×8μm2 高分子クラッド長 5mm コアの屈折率 1.4481 下部クラッド層の屈折率 1.444 屈折率変化クラッド層の屈折率 1.444±Δn 〔実施例8〕<吸湿性材料(シリカゲル等)の例> 光導波路の一部にフッ素化エポキシ樹脂による上部側部
クラッド(厚さ15μm)(5)を形成し、さらに同フ
ッ素化エポキシ樹脂に4Aシリガゲル粉末を20%添加
した上部クラッド層(4)をさらに50μmの厚さに積
層させた(図6(b))。この上に金属ヒータ(15)
を形成し、導波路長トリミング素子とした(図6
(a))。金属ヒータ(15)に電極(16)を用いて
電力(0.3A、5V)を印加すると、下層のフッ素化
エポキシ樹脂(5)の屈折率が低下し、導波路長のトリ
ミングができた。この場合のΔnは1.1×10-4であ
った。トリミング幅は位相値で8πラジアンであった。
なお、図6(a)は本実施例による導波路の上面図であ
り、図6(b)は図6(a)におけるA−A′断面図で
ある。
【0303】ヒータ電力を一定にすると、トリミング状
態は一定に維持された。ヒータ電力を切ると元の状態に
戻った。
【0304】また、屈折率が一定となったところで、こ
の素子に光ファイバを接続して完全に封止し水分の出入
りを遮断したところ、ヒータ電力を切り温度が下がった
状態の屈折率を維持することができた。
【0305】以上の実験で使用した光導波路の主な仕様
は以下のとおりである。
【0306】 石英ガラス系PLC(基板Si) コア断面 8×8μm2 高分子クラッド長 5mm コアの屈折率 1.4481 下部クラッド層の屈折率 1.444 屈折率変化クラッド層の屈折率 1.444±Δn 〔実施例9〕<高分子の光酸化劣化の例> フッ素化エポキシ樹脂を本発明の有機化合物として用い
て、上部側部クラッド(4)を形成した(図7
(a))。ここに100W高圧水銀灯(17)をバンド
ルファイバ(18)で導波路上部に導き、紫外線強度1
W/cm2 で10分間、同クラッド(4)を照射した
(図7(b))。屈折率が変化し、導波路長のトリミン
グが可能となった。この場合のΔnは1.8×10-4
あった。トリミング幅は位相値で10πラジアンであっ
た。なお、図7(a)は本実施例による導波路の上面図
であり、図7(b)は図7(a)におけるA−A′断面
図である。
【0307】照射強度および照射時間を変えることで任
意の導波路長のトリミングが可能となった。
【0308】以上の実験で使用した光導波路の主な仕様
は以下のとおりである。
【0309】 石英ガラス系PLC(基板Si) コア断面 8×8μm2 高分子クラッド長 5mm コアの屈折率 1.4481 下部クラッド層の屈折率 1.444 屈折率変化クラッド層の屈折率 1.444±Δn 〔実施例10〕<フォトポリマーの例> 63%の媒体であるポリビニルブチラールに25%の2
−フェノキシエチルアクリレート、12%のN−ビニル
カバゾールの組成のポリマー溶液を実施例1と同様して
光路長可変装置を回路の一部に持つマッハツェンダ型平
面型光学回路(PLC)に塗布する。光路差の平衡を取
った後、310nmのX線を照射して、2−フェノキシ
エチルアクリート、N−ビニルカルバゾールを共重合さ
せた。
【0310】これに伴い、屈折率を増加させることがで
きた。この場合のΔnは2.1×10-4であった。X線
の照射時間を変化させることにより、ポリビニルブチラ
ールの屈折率から約ナトリウムD線で0.380までの
任意の屈折率値に増加させ、さらに固定させることがで
きる。本屈折率の変化を上記光学回路の片方の光回路に
起こさせることによって、光波長を制御する素子を作製
することができた。
【0311】〔実施例11〕<光酸発生剤とロイコ色素
の例> 光酸発生剤として(化56)の化合物、発色剤として
(化137)の化合物を選び、これらを溶解する高分子
媒体としてメチルメタクリレートと2,2,2−トリフ
ルオロエチルメタクリレートの共重合体(組成比は、
2:8)を用いて、実施例1と同様にして、高分子媒体
1重量部に対して光発生剤0.2重量部、発色剤0.1
重量部の材料を作製した。溶剤には、メチルイソブチル
ケトンを用い、濃度は高分子媒体が10%になるように
した。これをスピンコート法でシリコン基板の上に塗工
して厚さ2μmの膜として、屈折率を測定した。測定し
た屈折率の値は、1.442となり、この屈折率は石英
系光導波路のクラッドの屈折率とほぼ一致した。
【0312】次に、図4に示すように両端に3dBカプ
ラ(13)を持つマッハツェンダ型光導波路を作製し
た。この時、光導波路のアーム部の一部のクラッドを作
製しないようにする。このアーム部に一方は、メチルメ
タクリレートと2,2,2−トリフルオロエチルメタク
リレートの共重合体(組成比6.5:3.5、屈折率
1,443)をクラッドとして塗工し、もう片方には上
記で作製した高分子媒体と光酸発生剤、発色剤の混紡物
を同様にクラッドとして塗工した。
【0313】光導波路の入射ポート9から、1.55μ
mの光を導入して、出射ポート11および12の出力を
モニタしたところ、導波損失は5dBであった。次に、
出射ポート11および12の光出力をそれぞれモニタし
ながら、光導波路のアーム部に紫外光を照射した。出射
ポート11および12からの光出力は増加、減少を繰り
返す挙動を示し、また、出射ポート11および12から
の光出力の和は変化しなかった。この結果は、本発明の
材料により光導波路を伝搬する光の位相が変化すること
を示しており、出射ポート11および12の光出力変化
により求めた屈折率の上昇は、0.0028であった。
【0314】任意の光出力変化で紫外光の照射を止め
て、出射ポート11および12の光出力のモニタを継続
したが、100時間後でも光出力は変わらず、屈折率変
化は自己保持していることが分かった。
【0315】〔実施例12〕<強誘電性液晶の例> (S)アゾメチン系強誘電性液晶の1つであるSc(ス
メクチック)*相の2−メチルブチル−p−{p−n−
デシロキシベンジリデン)アミノ}シンナメート(以
下、DOBAMBCと略記する)を用い、電極間の配向
によって、一定の屈折率を取らせた後、屈折率を固定す
る。マッハツェンダ型PLCのコア部を覆うような形状
に厚さ数μmから10数μmの薄い石英セルの蓋部を形
成している。コア部とのスペースに表6ないし表7中の
単一または複数の強誘電性液晶を毛細管現象を利用して
注入し、密閉する。電界を印加して永久双極子モーメン
トを反転させることにより屈折率値を変化させ特定の値
に固定された後、保持することができる。この操作によ
り屈折率の変化量としてΔn=10-4〜10-2が得られ
た。屈折率変化による位相変化を利用することにより、
波長選択性の光学素子として用いることができた。
【0316】〔実施例13〕<環状ポリシロキサン+触
媒→線状シロキサン> 環状ポリシロキサンとしてオクタメチルシクロテトラシ
ロキサン(nD1.3968)、線状シロキサンとして
1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン
(nD1.4071)の例を示す。当該環状ポリシロキ
サンの50%塩化エタン溶液に0.01モル/l濃度の
三フッ化硝素エーテル錯体を添加する。本溶液を光路可
変装置を組み込んだPLCのコア部の上部にスペーサを
持つマッハツェンダ型光学回路の毛細管現象を利用して
捜入する。屈折率が所望の値になるような温度に上げ、
2時間保持する。本操作によりオクタメチルシクロテト
ラシロキサンは線状シロキサンである1,1,3,3,
5,5−ヘキサメチルトリシロキサンと環状化合物であ
るオクタメチルシクロテトラシロキサンの混合物に変化
する。このようにして屈折率を変化させた。この操作に
より屈折率の変化量としてΔn=10-4〜10-3が得ら
れた。さらに固定することにより、任意の波長可変装置
として用いることができる。
【0317】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明を
用いれば、光導波回路(PLC)の屈折率を簡便に所望
の値にすることができ、しかも、得られた屈折率を維持
するのになんらエネルギーを必要としない自己保持の屈
折率調整ができる。
【0318】また、本発明の装置を用いれば、屈折率を
調整する部位だけに電磁波を照射できるため、その他の
屈折率調整に無関係な部位への影響が少なくすることが
できる。
【0319】さらに、本発明の屈折率調整方法を用いれ
ば、光導波回路を作製した後で、たとえその光導波回路
が複雑なものであっても、任意の部位にある特定の光素
子だけを選択してその光素子が設計値通りに動作するよ
うに所望の屈折率へ電磁波を照射することによって屈折
率を増加、あるいは減少させることができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】コアの上部、両側面の3面を本発明の有機化合
物クラッド層で覆った3dBカプラを示す図である。
【図2】コアの上面を上部クラッド層として本発明の有
機化合物クラッド層で覆った3dBカプラを示す図であ
る。
【図3】コアの一部上面に本発明の有機化合物クラッド
層を設け、さらにその周囲を上部クラッド層で覆った3
dBカプラを示す図である。
【図4】本発明による光導波路を適用したマッハツェン
ダ型干渉計を示す図である。
【図5】コアの上面を本発明の昇華性有機化合物クラッ
ド層で覆い、昇華により屈折率を変化させて導波路長を
トリミングした本発明の光導波路を示す図である。
【図6】コアの上面を本発明の吸湿性有機化合物クラッ
ド層で覆い屈折率を変化させて導波路長をトリミングし
た本発明の光導波路を示す図である。
【図7】コアの上周面を本発明の光酸化劣化性有機化合
物クラッド層で覆い、光照射により屈折率を変化させて
導波路長をトリミングした本発明の光導波路を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 導波路コア 2 シリコン(Si)基板 3 下部クラッド層 4 本発明の有機化合物からなる上部クラッド層 5 本発明の有機化合物を含有しない上部クラッド層 6 上部カバー層 7 本発明の有機化合物からなる上部クラッド層を有す
る直線導波路部分 8 本発明の有機化合物を含有しない上部クラッド層を
有する直線導波路部分 9,10 入射ポート 11,12 出射ポート 13 3dBカプラ 14 赤外線ランプ 15 金属ヒータ 16 電極 17 高圧水銀灯 18 ハンドルファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 光利 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 助川 健 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 島田 俊之 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 平塚 廣明 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上の光導波路のコアまたはクラッド
    の少なくとも一部に、エネルギー線の照射、電圧印加、
    電流印加、加熱、冷却、加圧、減圧、磁場印加、物質の
    含浸またはドープさせることのうち少なくとも一つの操
    作を行うことにより屈折率が変化可能な有機化合物を設
    け、前記操作の少なくとも一つを行うことにより該有機
    化合物の屈折率を変化させることを特徴とする光導波路
    のコアおよび/またはクラッドの屈折率調整方法。
  2. 【請求項2】 基板上の光導波路のコアまたはクラッド
    の少なくとも一部に、エネルギー線の照射、電圧印加、
    電流印加、加熱、冷却、加圧、減圧、磁場印加、物質の
    含浸またはドープさせることのうち少なくとも一つの操
    作を行うことにより屈折率が変化可能な有機化合物を設
    けたことを特徴とする屈折率調整可能な光導波路。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光導波路に、さらに前
    記操作のうち少なくとも一つを行うことにより、前記有
    機化合物の屈折率を変化させることを特徴とする屈折率
    調整光導波路の製造方法。
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KR20110109572A (ko) * 2010-03-31 2011-10-06 엘지디스플레이 주식회사 광학 필드 변조 발광 소자 및 이를 이용한 디스플레이
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WO2023162526A1 (ja) * 2022-02-28 2023-08-31 株式会社村田製作所 光学用積層体及び光学素子

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