JPH09143781A - 高純度アルミニウム製造用三層型電解精製炉 - Google Patents

高純度アルミニウム製造用三層型電解精製炉

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JPH09143781A
JPH09143781A JP33391595A JP33391595A JPH09143781A JP H09143781 A JPH09143781 A JP H09143781A JP 33391595 A JP33391595 A JP 33391595A JP 33391595 A JP33391595 A JP 33391595A JP H09143781 A JPH09143781 A JP H09143781A
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furnace
refining
refining furnace
metal
raw material
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JP33391595A
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English (en)
Inventor
Tomoo Dobashi
倫男 土橋
Minoru Mochida
稔 持田
Terumi Kanamori
照巳 金森
Yoshihisa Kitahara
敬久 北原
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Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 陽メタルやレンガによる汚染を抑制し、長期
間にわたって高純度の精製アルミニウムを安定して得
る。 【構成】 この三層型電解精製炉は、原料装入口5から
陽メタル12(精製原料)を前炉3に装入し、前炉3か
ら送り込まれた陽メタル12を電解精製し、電解浴11
上に陰メタル13としてえためる。前炉3と精製炉4を
区画する隔壁20に空間部21を設け、前炉3内の陽メ
タル12と精製炉4内の陰メタル13が連通することを
防止する。陽メタル12に接触する前炉3の内壁及び前
炉3と精製炉4とを連絡する連絡部の底面及び側面は、
カーボンレンガ22でライニングすることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一次地金を電気分解し
て高純度化する三層電解型のアルミニウム精製炉に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ホール・エルー法でアルミナの電気分解
により得られた一次地金は、純度が約99.85%であ
り、これを更に高純度化するためにガドー浴,ホープ浴
等を使用する電気分解が採用されている。ガドー浴で
は、塩化バリウム,フッ化アルミニウム,フッ化ナトリ
ウム等の溶融塩が使用され、この浴を介して電気分解す
ると、99.999%の高純度アルミニウムが精製され
る。一次地金の精製に使用される代表的な精製炉は、図
1に示す構造をもつ三層型電解精製炉である。三層型電
解精製炉は、鉄槽1で補強された断熱レンガ2により、
前炉3及び精製炉4に区分された炉殻を構築している。
前炉3は、図2の平面図で示すように精製炉4の側方に
突出しており、上部に原料装入口5が設けられている。
原料装入口5の内壁は、マグネシアレンガ6でライニン
グされている。炉体底部には、陽極導体7に接続された
陽極カーボン8が埋設されており、上方の陰極ブスバー
9から吊り下げられた陰極カーボン10に対向してい
る。炉内に精製電解浴として電解浴11を浮遊させてい
る。
【0003】ホール・エルー法でアルミナの電気分解に
より得られた一次地金は、原料装入口5から前炉3に装
入され、Cu添加により比重を大きくした陽メタル12
となって前炉3から精製炉4に送り込まれる。陽メタル
12は、比重差により電解浴11の下に沈み、陽極とな
って炉底に溜る。この状態で電気分解すると、高純度化
されたアルミニウムは、比重差によって電解浴11の上
方に陰メタル13として溜る。陰メタル13を定期的に
一定量汲み出し、鋳型で冷却することにより、99.9
99%の高純度に精製された精製アルミニウムが得られ
る。三層型電解精製炉を使用した操業では、目標品位が
高いことから、種々の物質による汚染,ひいては純度低
下を防止するため、種々の工夫がされている。また、精
製炉も750℃以上の高温雰囲気に曝されるため、炉壁
を構築するレンガ等の耐火物に関しても、種々のテスト
がされている。しかし、テスト結果も2年以上経過しな
いと炉の寿命の問題から判定ができず、結果として試行
錯誤の連続であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特に図1,2の構造を
もつ三層型電解精製炉では、原料装入口5にある陽メタ
ル12の湯面レベルは、比重差の関係で精製炉4内にあ
る陰極メタル13の層の範囲に位置する。具体的には、
原料装入口5の湯面レベルは、精製炉4の湯面レベルよ
り3〜5cm程度低くなっている。そのため、原料装入
口5内の陽メタル12と精製炉4内の陰メタル13は、
前炉3と精製炉4とを隔てているレンガの劣化に起因し
て連通することがある。また、図3に示すようにレンガ
目地にできた隙間14を経由する連通状態も生じる。そ
の結果、劣化したレンガや隙間14を経由して陽メタル
12が精製炉4内の陰メタル13に侵入し、陰メタル1
3の純度を低下させることがある。また、陽メタル12
が接触しているレンガ6が陽メタル12に溶解し、陽メ
タル12の汚染が陰メタル13の純度に悪影響を及ぼす
ことがある。本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、陽メタルと陰メタルとの間のメタ
ルパスを遮断することにより、陽メタルの侵入やレンガ
の溶損によって陰メタルの純度が低下することを防止
し、高純度の精製アルミニウムを得ることを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の三層型電解精製
炉は、その目的を達成するため、精製原料が装入される
前炉と、前炉から送り込まれた精製原料を電解精製する
精製炉と、底部が連通した状態で前記前炉と前記精製炉
を区画する隔壁とを備え、該隔壁に空間部を設けたこと
を特徴とする。空間部に冷却用空気が強制的に送り込む
とき、隔壁が冷却され、前炉の陽メタルと精製炉の陰メ
タルとの連通が確実に防止される。陽メタルに接触する
前炉の内壁及び前炉と精製炉とを連絡する連絡部の底面
及び側面は、カーボンレンガでライニングすることが好
ましい。
【0006】本発明に従った三層型電解精製炉は、図4
に示すように前炉3と精製炉4を区画する隔壁20に空
間部21を形成している。空間部21を設けることによ
り、隔壁20の温度が700℃以下に抑えられる。その
ため、約760℃に昇温している陰メタル13が目地を
通して隔壁20に侵入しても、隔壁20の内部で凝固し
てしまい、前炉3の陽メタル12に連通することがな
い。空間部21は、内部に空気を強制的に送り込むこと
によって冷却することも可能である。また、レンガによ
る汚染を防止するため、陽メタル12と接触する前炉3
の内壁にカーボンレンガ22をライニングする。カーボ
ンレンガ22としては、たとえば無煙系カーボン,人造
黒鉛等が使用される。このとき、1単位を大きくし、目
地を少なくするため、炉の形状に合うように大きなブロ
ックから切り出したカーボンレンガ22を使用すること
が好ましい。また、目地が露出する部分には、カーボン
系の目地接着剤を充填することが好ましい。
【0007】カーボンレンガ22は、メタル12,13
に対する耐溶損性に優れ、メタル12,13の滲込みも
少ないため、レンガによるメタル12,13の汚染が少
なくなる。この点、従来から使用されているアルミナレ
ンガやマグネシアレンガは、耐火性が良好であるもの
の、メタル12,13が滲み込み易く、劣化したレンガ
がメタル12,13中に溶け出し、メタル汚染の原因に
なっていた。しかし、カーボンレンガ22は、酸化され
易いため、図5に示すように上面23を湯面レベル24
から下げ、空気に直接触れないようにすることが好まし
い。この場合、空気と接触するメニスカス部やその上方
には、アルミナ系等の耐火レンガ25を配置する。前炉
3と精製炉4とを接続する連絡部26の底面及び側面
は、カーボンレンガで構築することができる。しかし、
カーボンレンガは強度的に弱いことから、連絡部26の
アーチ上側部27には、アルミナ質レンガ,マグネシア
質レンガ等の強度的に優れた耐火レンガの使用が好まし
い。
【0008】
【実施例】カーボンブロックを使用して、図4に示す構
造の前炉を構築した。空間部21の大きさは、幅20c
m,深さ35cmに設定した。精製炉4における陽メタ
ル12の深さを30〜40cm,電解浴11の深さを1
0〜15cm,陰メタル13の深さを15〜20cmに
維持しながら、陽極電流密度0.45〜0.6A/dm
2 及び陰極電流密度2〜3A/dm2 で電解精錬した。
このとき、炉の上端部から前炉3の湯面レベル24まで
の距離が18cmであり、湯面レベル24にはアルミナ
系の耐火レンガ25が位置していた。他方、陰メタル1
3の湯面レベルまでの距離は、14cmであった。
【0009】以上の条件下で700日連続操業し、陰メ
タル13から得られた精製アルミニウムについてCu濃
度の経時変化を調査した。調査結果を、図6(a)に示
す。図6(a)において、起動初期の悪い純度はスター
ト時の汚染による影響、570日付近のCu濃度上昇は
測定時に陽メタル12による陰メタル13の汚染に原因
があると推察される。何れにしても、純度99.999
%のアルミニウムのCu,Si,Feの含有量基準が各
10ppm以下であることから、本発明に従った電解精
製炉では700日経過した時点でも精製アルミニウムが
不純物基準を満足しており、炉寿命が700日以上であ
ることが判る。
【0010】他方、空間部21のない隔壁20で前炉3
と精製炉4とを区画し、マグネシアレンガ6をライニン
グした従来の電解精製炉で操業した場合、図6(b)に
示すように起動後600日付近からCu濃度が急激に上
昇した。そこで、750日で電解精製炉を停止して炉体
を調査した結果、前炉3の陽メタル12と精製炉4の陰
メタル13が目地を通して連通していることが判った。
このことから、陽メタル12と精製炉4の陰メタル13
との連通により精製アルミニウムの純度が低下したこと
が窺われ、炉の寿命が600日程度であることが判る。
なお、起動後100日付近で純度が悪いことは、スター
ト時の不具合によるものであり、炉体の構造に起因する
ものではなかった。
【0011】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の三層型
電解精製炉は、前炉と精製炉とを仕切る隔壁に空間部を
設けることにより、前炉内の陽メタルが精製炉内の陰メ
タルに連通することを防止している。そのため、長期間
にわたって電解精製を継続した場合でも、精製アルミニ
ウムの純度低下を来すことがなく、純度99.999%
の高純度アルミニウムを安定して得ることができる。ま
た、前炉の内壁や前炉と精製炉とを連絡する連絡部の底
面及び側面をカーボン系レンガでライニングするとき、
レンガによるメタルの汚染も少なくなり、得られた精製
アルミニウムの純度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の三層型電解精製炉を示す断面図
【図2】 従来の三層型電解精製炉を示す平面図
【図3】 前炉内の陽メタルが精製炉内の陰メタルに連
通する隙間が生じた隔壁の断面図
【図4】 本発明に従った隔壁を備えた三層型電解精製
炉を示す部分断面図
【図5】 本発明に従った前炉の上部を示す断面図
【図6】 精製アルミニウムのCu濃度の経時変化を本
発明(a)と比較例(b)で対比したグラフ
【符号の説明】
1:鉄槽 2:断熱レンガ 3:前炉 4:精製
炉 5:原料装入口 6:マグネシアレンガ 7:陽極導体 8:陽極カ
ーボン 9:陰極ブスバー 10:陰極カーボン
11:ガドー浴 12:陽メタル 13:陰メタ
ル 14:隙間 20:隔壁 21:空間部 22:カーボンレンガ
23:カーボンレンガの上面 24:湯面レベル
25:耐火レンガ 26:連絡部 27:アーチ上側部
フロントページの続き (72)発明者 北原 敬久 静岡県庵原郡蒲原町蒲原161番地 日本軽 金属株式会社蒲原工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精製原料が装入される前炉と、前炉から
    送り込まれた精製原料を電解精製する精製炉と、底部が
    連通した状態で前記前炉と前記精製炉を区画する隔壁と
    を備え、該隔壁に空間部を設けたことを特徴とする高純
    度アルミニウム製造用三層型電解精製炉。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の空間部に冷却用空気が強
    制的に送り込まれる高純度アルミニウム製造用三層型電
    解精製炉。
  3. 【請求項3】 精製原料が装入される前炉と、前炉から
    送り込まれた精製原料を電解精製する精製炉と、底部が
    連通した状態で前記前炉と前記精製炉を区画する隔壁と
    を備え、陽メタルに接触する前記前炉の内壁及び前記前
    炉と前記精製炉とを連絡する連絡部の底面及び側面をカ
    ーボンレンガでライニングしたことを特徴とする高純度
    アルミニウム製造用三層型電解精製炉。
  4. 【請求項4】 精製原料が装入される前炉と、前炉から
    送り込まれた精製原料を電解精製する精製炉と、底部が
    連通した状態で前記前炉と前記精製炉を区画する隔壁
    と、該隔壁に設けた空間部と、陽メタルに接触する前記
    前炉の内壁及び前記前炉と前記精製炉とを連絡する連絡
    部の底面及び側面にライニングしたカーボンレンガとを
    備えている高純度アルミニウム製造用三層型電解精製
    炉。
JP33391595A 1995-11-28 1995-11-28 高純度アルミニウム製造用三層型電解精製炉 Pending JPH09143781A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007247057A (ja) * 2006-02-16 2007-09-27 Sumitomo Chemical Co Ltd アルミニウム三層電解精製用陰極黒鉛材
JP2008517156A (ja) * 2004-10-21 2008-05-22 ビーエイチピー ビリトン イノベーション ピーティーワイ エルティーディー 電解製錬槽の内部冷却
JP2016505714A (ja) * 2012-12-13 2016-02-25 エスジーエル・カーボン・エスイー アルミニウムを還元するための電解漕の壁用側壁レンガ

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JP4741599B2 (ja) * 2004-10-21 2011-08-03 ビーエイチピー ビリトン イノベーション ピーティーワイ エルティーディー 電解製錬槽の内部冷却
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