JPH09139922A - 動きベクトル検出方法および動きベクトル検出用適応切り替え型前置フィルタ - Google Patents

動きベクトル検出方法および動きベクトル検出用適応切り替え型前置フィルタ

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JPH09139922A
JPH09139922A JP29656595A JP29656595A JPH09139922A JP H09139922 A JPH09139922 A JP H09139922A JP 29656595 A JP29656595 A JP 29656595A JP 29656595 A JP29656595 A JP 29656595A JP H09139922 A JPH09139922 A JP H09139922A
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Hajime Sonehara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出領域毎に入力動画像の画像特性を判定
し、その画像特性とベクトル検出方法の組み合わせに最
適なフィルタを適応的に選択することを可能とする。 【解決手段】 入力動画像からベクトル検出用輝度信号
を生成し、検出領域毎のベクトル検出用輝度信号を用い
て連続するフィールド間で動画像の動きベクトル検出を
行うための前置フィルタにおいて、並列に接続された前
置フィルタAと、前置フィルタBと、前置フィルタC
と、前置フィルタDと、前置フィルタEと、これら複数
のフィルタの一つを選択して出力する切り換え手段(1
53)を含む。切り換え手段(153)の制御信号とし
て、入力動画像領域の画像特性の判定結果に従い、複数
のフィルタのうち、ベクトル検出方法に最適なフィルタ
特性を有する一つのフィルタを選択する信号を出力する
デコーダ(152)を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動きベクトル検出
方法および動きベクトル検出用適応切り替え型前置フィ
ルタに関するものである。
【0002】さらに詳述すると本発明は、映像信号の動
きベクトル検出を行う際に、入力動画像から最適なベク
トル検出用輝度信号を生成するのに好適な、動きベクト
ル検出方法および動きベクトル検出用適応切り替え型前
置フィルタに関するものである。
【0003】
【従来の技術】飛び越し走査方式のテレビジョン信号の
1フレーム信号は、垂直方向に空間的に互いに1走査線
分ずれた2つのフィールド信号(奇数フィールドと偶数
フィールド)から構成されている。
【0004】従って、2つのフィールド間のベクトル検
出は、ベクトル検出精度を高め、さらにハードウェアを
簡略化するために、奇数フィールドあるいは偶数フィー
ルドの内、一方のフィールド信号から他方のフィールド
信号の垂直方向の空間位置に画素標本点を合致せた順次
走査信号を生成して、行っている。
【0005】図1(A)および図2(A)は、入力画像
の垂直方向の走査線の位置関係と輝度信号の標本点の具
体例を示す。図1(A)および図2(A)の走査線は図
1(C)に示すような断面図を図示したもので、走査線
は紙面を貫く方向に存在する。
【0006】従来、一方のフィールド信号を他方のフィ
ールド信号の垂直方向の空間位置に標本点を合致させる
場合、フィールド内でLPFをかけることにより内挿し
た信号を生成していた。例えば、f(t+1)フィール
ドの走査線の標本点をf(t)フィールドの走査線の標
本点に合わせるためにf(t+1)フィールドの上下の
隣合う走査線上の画素値を足して2で割るようなフィル
タをかけた場合、図1(B)と図2(B)のようなフィ
ルタ出力になる。図1(B)の例からもわかるように、
輝度レベル境界で内挿した標本点の輝度レベルが不適切
であるため、静止領域で垂直方向の周波数成分を有する
領域(例えば、輝度レベルの境界が存在する領域)で
は、同一空間位置の2つの疑似順次信号の信号差分は零
にはならないため、零ベクトル(静止)を検出できなか
った。また、図2(B)の例からもわかるように、イン
ターレース構造を考慮したノイズ除去を行っていないた
め、ノイズ近傍では、誤った動きベクトルを検出してし
まう場合が生ずる。
【0007】図3は、時空間フィルタを用いた前置フィ
ルタの一実施例(論文「HDTV方式変換装置」野尻裕
司他、TV学会誌Vol.48,No.1,pp.84 〜94,1994 )を示
す。勾配法すなわち、輝度勾配の相関を調べる動きベク
トル検出方法を用いたベクトル検出方法で動きベクトル
検出を行うために、図3のような前置フィルタを用いる
と、動物体の画像に時間方向に3タップの時間フィルタ
と水平垂直の空間フィルタをかけるため、動物体の画像
にボケが無くても動きベクトル検出ができる。
【0008】しかし、図3に示した前置フィルタは、時
間方向のフィルタ特性を持つため、ブロック・マッチン
グ法すなわち、2つの画像の差分値の相関を調べる動き
ベクトル検出方法を用いた動きベクトル検出方法では、
正しいマッチング値を計算しにくい問題点がある。ま
た、時間フィルタの係数によっては、図1(B)に示す
ようなインターレース構造による影響が生ずることがあ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来、複数のベクトル
検出方法を縦続接続して用いる動きベクトル検出装置
(「動きベクトルを用いたTV方式変換装置」島野他、
TV学会全国大会1989)、あるいは、複数のベクト
ル検出方法を切り換えて用いる動きベクトル検出装置に
おいて、ベクトル検出用輝度信号を生成するにあたって
は、単一の前置フィルタを用いていたため、その単一の
前置フィルタを、動きベクトル検出の対象となる検出領
域の画像特性および複数のベクトル検出方法の全ての組
み合わせにおいて常に最適なフィルタ特性とすることは
できなかった。
【0010】また、ベクトル検出の対象となる検出領域
毎に、その入力動画像の画像特性とベクトル検出方法の
組み合わせに最適なフィルタ特性を有するフィルタを適
応的に選択して、動きベクトル検出を行うという手法も
提案されていない。
【0011】従って、従来の動きベクトル検出装置で
は、ベクトル検出に不適切なベクトル検出用輝度信号が
生成される場合が発生し、この場合には、正確な動きベ
クトルを検出することができなかった。具体的には、以
下のような不都合が生ずる。
【0012】テレビジョン信号のような飛び越し走査の
信号を用いて、動きベクトル検出を行おうとした場合、
垂直方向の周波数成分を持つ静止領域では、フィールド
内の信号のみを対象にフィルタリング処理する従来の前
置フィルタ(例えば、フィールド内の垂直LPF、フィ
ールド内の垂直方向のDD(Digital-Digital )変換フ
ィルタ)の出力(例えば、図1(B)参照)を用いると
フィールド間の画像の差分値が零とならないため、フィ
ールド間の相関を調べて動きベクトル検出を行う検出方
法(例えば、ブロック・マッチング法)を組み合わせる
と、誤った動きベクトルを検出してしまうことになる。
【0013】また、飛び越し走査のテレビジョン信号で
SN比の悪い動画像を用いて動きベクトル検出を行おう
とした場合、時間方向のフィルタ特性とフレーム内のフ
ィルタ特性を持たない従来の前置フィルタ(例えば、フ
ィールド内の垂直LPF、フィールド内の垂直DD変換
フィルタ)の出力(例えば、図2(B)参照)を用いる
とノイズの影響や垂直方向の周波数成分の影響で、静止
領域のフィールド間の画像の差分値が零とならないた
め、フィールド間の相関を調べて動きベクトル検出を行
う検出方法(例えば、ブロック・マッチング法)を組み
合わせると、静止領域で誤った動きベクトルを検出して
しまうことになる。また、動領域でも誤った動きベクト
ルを検出してしまう。特に、検出領域を小さくした場合
には、ノイズの影響が顕著となる。
【0014】さらに、CG(Computer Graphic)やシャ
ッター付きのCCDカメラの画像やF/V変換の画像
(フィルムからテレビジョン信号に変換された画像)で
は、動物体の画像に動物体が動いたことによるボケがな
い。このような動画像を入力画像として、動物体が動い
たことによる動物体の勾配を用いて動きベクトル検出を
行う方法(例えば勾配法)に、時空間方向のフィルタ特
性を持たない従来の前置フィルタ(例えば、フィールド
内の垂直LPF、フィールド内の垂直DD変換フィル
タ)を組み合わせると、ベクトル検出が全くできない。
【0015】また、動物体の勾配を用いない動きベクト
ル検出方法(例えばブロック・マッチング法)に、時空
間方向あるいは空間方向のフィルタ特性を持つ従来の前
置フィルタ(例えば、時間フィルタ)を組み合わせる
と、時間フィルタの効果により静止領域に動物体の画像
が合成されるため、正しい動きベクトルを検出しづらく
なる。
【0016】さらに、SN比の極めて悪い画像に対し
て、動物体が移動しても動物体の輝度レベルが変化しな
いことを検出条件の一つとするベクトル検出方法(例え
ば、ブロック・マッチング法、勾配法)を用いると、ノ
イズや動物体の輝度レベルや背景の輝度レベルの変化に
よって誤ったベクトル検出を行うことがある。
【0017】動きベクトルを検出する場合に、ベクトル
検出方法と整合しないベクトル検出用輝度信号を用いる
と、多くの誤った動きベクトルを検出してしまうのは、
本来ベクトル検出を行う前にベクトル検出対象領域が、
ベクトル検出方法の検出条件を満足していることを確認
することが必要であるにも係わらず、これを確認せずに
動きベクトル検出を行うため、検出条件に適さない検出
領域で誤った動きベクトルを検出することに原因してい
るのである。
【0018】以上のように、複数のベクトル検出方法を
縦続して用いる動きベクトル検出装置、あるいは、複数
のベクトル検出方法を切り換えて用いる動きベクトル検
出装置において、単一の前置フィルタを使用してベクト
ル検出用輝度信号を生成した場合、入力の画像特性とベ
クトル検出方法の組み合わせによっては、ベクトル検出
を誤る場合が起こり得る。従って、このような動きベク
トル検出装置において、ベクトル検出対象領域の画像特
性とベクトル検出方法との全ての組み合わせに最適なフ
ィルタを用いることはできなかった。
【0019】よって本発明の目的は、上述の点に鑑み、
検出領域毎に入力動画像の画像特性を判定し、その画像
特性とベクトル検出方法の組み合わせに最適なフィルタ
を適応的に選択することを可能とした、動きベクトル検
出方法および動きベクトル検出用適応切り替え型前置フ
ィルタを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る動きベクトル検出方法では、ベクト
ル検出用輝度信号を出力する特性の異なるフィルタを複
数用意し、入力動画像の検出対象領域における画像特性
およびベクトル検出方法に適したベクトル検出用輝度信
号を出力するフィルタを検出対象領域毎に切り換えて使
用することにより、動きベクトル検出を行うものであ
る。
【0021】また、本発明に係る動きベクトル検出用適
応切り替え型前置フィルタでは、フィルタ特性がそれぞ
れ異なる複数のフィルタ手段と、入力動画像の各検出領
域毎に画像特性を判定する判定手段と、前記判定手段に
よる判定結果と各種ベクトル検出方法との組み合わせに
応じて前記フィルタ手段を検出領域毎に切り換える選択
手段とを具備し、前記フィルタ手段から出力されるベク
トル検出用輝度信号に基づいて動きベクトルを検出しよ
うとするものである。
【0022】さらに、本発明を適用した他の形態では、
飛び越し走査方式で表示される画像の動きベクトル検出
装置の前段に接続される前置フィルタにおいて、該フィ
ルタは、入力画像信号がそれぞれ入力される特性の異な
る二以上のフィルタと、該二以上のフィルタを切り換え
て、一のフィルタ処理結果を動きベクトル検出装置に出
力するフィルタ切り替え部と、前記動きベクトル検出装
置の出力である直前のフィールドの動きベクトル検出結
果に基づき、直前のフィールド画像全体に大局的な動き
があると判断される場合には、大局的な動きの程度をグ
ローバル・ベクトル検出値として出力し、大局的な動き
がないと判断される場合にはグローバル・ベクトル非検
出信号を出力するグローバル・ベクトル検出手段と、フ
ィルタ処理単位である検出領域毎に該領域が動領域であ
るか静止領域であるかの判定結果を出力する静動判定手
段と、フィールド毎に入力画像全体のSN比を判定し、
低SN領域であるか高SN領域であるかの判定結果を出
力するSN比判定手段と、前記グローバル・ベクトル検
出結果、検出領域毎の前記直前のフィールドの動きベク
トル検出結果、前記静動判定結果および前記SN比判定
結果に基づき、前記検出領域毎の切り替え情報を前記フ
ィルタ切り替え部に出力する切り替え情報デコーダとを
備えたものである。
【0023】ここで、前記特性の異なる二以上のフィル
タは、連続する3フィールドの2:1インターレース画
像信号を入力信号とし、第一のフィールド信号と第二の
フィールド信号から形成されるフレーム信号および第二
のフィールド信号と第三のフィールド信号から形成され
るフレーム信号のそれぞれに空間ローパスフィルタをか
けて二の順次走査信号を生成した後、該二の順次走査信
号のそれぞれに対し1ライン毎に走査線を間引くことに
より、奇偶フィールド形式を一致させた二のフィールド
信号を出力するフィルタAと、連続する5フィールドの
2:1インターレース画像信号を入力信号とし、第一な
らびに第三のフィールド信号を加算平均して得られるフ
ィールド信号と第二ならびに第四のフィールド信号を加
算平均して得られるフィールド信号から形成されるフレ
ーム信号および第二ならびに第四のフィールド信号を加
算平均して得られるフィールド信号と第三ならびに第五
のフィールド信号を加算平均して得られるフィールド信
号から形成されるフレーム信号のそれぞれに空間ローパ
スフィルタをかけて二の順次走査信号を生成した後、該
二の順次走査信号のそれぞれに対し1ライン毎に走査線
を間引くことにより、奇偶フィールド形式を一致させた
二のフィールド信号を出力するフィルタBと、入力信号
である2:1インターレース画像信号に出力信号を1フ
レーム遅延させた信号を任意の係数比で加算して出力す
る巡回フィルタと、該巡回フィルタの出力である連続す
る3フィールドの2:1インターレース画像信号を入力
信号とし、第一のフィールド信号と第二のフィールド信
号から形成されるフレーム信号および第二のフィールド
信号と第三のフィールド信号から形成されるフレーム信
号のそれぞれに空間ローパスフィルタをかけて二の順次
走査信号を生成した後、該二の順次走査信号のそれぞれ
に対し1ライン毎に走査線を間引き奇偶フィールド形式
を一致させた二のフィールド信号を出力するフィルタと
を従属接続させてなるフィルタCと、空間ローパスフィ
ルタ出力と、該空間ローパスフィルタ出力の1フィール
ド遅延出力を、連続する2フィールドの2:1インター
レース画像信号として出力するフィルタEとを含み、前
記切り替え情報デコーダは、前記検出領域が静止領域か
つ高SN領域かつ当該検出領域における前記前フィール
ドの動きベクトル検出値が“0”である場合にはフィル
タAを、前記検出領域が静止領域かつ低SN領域かつ当
該検出領域における前記前フィールドの動きベクトル検
出値が“0”かつ“0”以外のグローバル・ベクトルの
検出値若しくはグローバル・ベクトルの非検出信号が出
力されている場合にはフィルタBを、前記検出領域が静
止領域かつ低SN領域かつ当該検出領域における前記前
フィールドの動きベクトル検出値が“0”かつグローバ
ル・ベクトルの検出値が“0”の場合にはフィルタC
を、前記検出領域が静止領域かつ当該検出領域における
前記前フィールドの動きベクトル検出値が“0”以外で
ある場合、若しくは、前記検出領域が動領域である場合
にはフィルタEを、選択する切り替え情報を出力する構
成とするのが好適である。あるいは、前記特性の異なる
二以上のフィルタは、連続する3フィールドの2:1イ
ンターレース画像信号を入力信号とし、第一のフィール
ド信号と第二のフィールド信号から形成されるフレーム
信号および第二のフィールド信号と第三のフィールド信
号から形成されるフレーム信号のそれぞれに空間ローパ
スフィルタをかけて二の順次走査信号を生成した後、該
二の順次走査信号のそれぞれに対し1ライン毎に走査線
を間引くことにより、奇偶フィールド形式を一致させた
二のフィールド信号を出力するフィルタAと、連続する
5フィールドの2:1インターレース画像信号を入力信
号とし、第一ならびに第三のフィールド信号を加算平均
して得られるフィールド信号と第二ならびに第四のフィ
ールド信号を加算平均して得られるフィールド信号から
形成されるフレーム信号および第二ならびに第四のフィ
ールド信号を加算平均して得られるフィールド信号と第
三ならびに第五のフィールド信号を加算平均して得られ
るフィールド信号から形成されるフレーム信号のそれぞ
れに空間ローパスフィルタをかけて二の順次走査信号を
生成した後、該二の順次走査信号のそれぞれに対し1ラ
イン毎に走査線を間引くことにより、奇偶フィールド形
式を一致させた二のフィールド信号を出力するフィルタ
Bと、入力信号である2:1インターレース画像信号に
出力信号を1フレーム遅延させた信号を任意の係数比で
加算して出力する巡回フィルタと、該巡回フィルタの出
力である連続する3フィールドの2:1インターレース
画像信号を入力信号とし、第一のフィールド信号と第二
のフィールド信号から形成されるフレーム信号および第
二のフィールド信号と第三のフィールド信号から形成さ
れるフレーム信号のそれぞれに空間ローパスフィルタを
かけて二の順次走査信号を生成した後、該二の順次走査
信号のそれぞれに対し1ライン毎に走査線を間引き奇偶
フィールド形式を一致させた二のフィールド信号を出力
するフィルタとを従属接続させてなるフィルタCと、連
続する4フィールドの2:1インターレース画像信号を
入力信号とし、連続する3フィールドの信号とそれぞれ
の1ライン遅延出力信号を任意の係数比で加算して順次
走査信号を出力する時間ローパスフィルタおよび該順次
走査信号をフィールド信号に変換する空間ローパスフィ
ルタを従属接続させてなるフィルタを1対備え、該1対
のフィルタの連続する3フィールドの入力信号は、第
一、第二、第三のフィールド信号または、第二、第三、
第四のフィールド信号であり、前記1対のフィルタ出力
は、連続する2フィールドの2:1インターレース画像
信号であるフィルタとD、空間ローパスフィルタ出力
と、該空間ローパスフィルタ出力の1フィールド遅延出
力を、連続する2フィールドの2:1インターレース画
像信号として出力するフィルタEとを含み、前記切り替
え情報デコーダは、前記検出領域が静止領域かつ高SN
領域かつ当該検出領域における前フィールドの動きベク
トル検出値が“0”である場合にはフィルタAを、前記
検出領域が静止領域かつ低SN領域かつ当該検出領域に
おける前フィールドの動きベクトル検出値が“0”かつ
“0”以外のグローバル・ベクトルの検出値若しくはグ
ローバル・ベクトルの非検出信号が出力されている場合
にはフィルタBを、前記検出領域が静止領域かつ低SN
領域かつ当該検出領域における前フィールドの動きベク
トル検出値が“0”かつグローバル・ベクトルの検出値
が“0”の場合にはフィルタCを、前記検出領域が静止
領域かつ当該検出領域における前フィールドの動きベク
トル検出値が“0”以外かつグローバル・ベクトルの検
出値が“0”若しくはグローバル・ベクトルの非検出信
号が出力されている場合にはフィルタDを、前記検出領
域が静止領域かつ当該検出領域における前フィールドの
動きベクトル検出値が“0”以外かつ“0”以外のグロ
ーバル・ベクトルの検出値が出力されている場合、若し
くは、前記検出領域が動領域かつ“0”以外のグローバ
ル・ベクトルの検出値が出力されている場合にはフィル
タEを、前記検出領域が動領域かつグローバル・ベクト
ルの検出値が“0”若しくはグローバル・ベクトルの非
検出信号が出力されている場合にはフィルタDを、選択
する切り替え情報を出力する構成とすることも可能であ
る。
【0024】また、前記グローバル・ベクトル検出手段
は、前記検出領域毎の前記直前のフィールドの動きベク
トルを、許容誤差範囲内で相互に比較することにより、
検出比率の大きい複数のベクトル値とその検出比率を特
定し、該複数のベクトル値のうち、一定範囲内に含まれ
るベクトル値の検出比率の和が一定値を上回る場合に最
多検出ベクトルの値をグローバル・ベクトルの検出値と
して出力し、一定値を下回る場合にはグローバル・ベク
トルの非検出信号を出力するのが好適である。さらに、
前記静動判定手段は、連続する5フィールドの2:1イ
ンターレース画像信号のうち、第一のフィールド信号と
第三のフィールド信号、もしくは、第三のフィールド信
号と第五のフィールド信号との間では、両者で同一空間
位置を占める画素間で、第二のフィールド信号と第三の
フィールド信号、若しくは、第三のフィールド信号と第
四のフィールド信号との間では、時間的に前のフィール
ドの画素と該画素の空間位置に対応する位置の上下いず
れかに位置する時間的に後のフィールドの画素間で、輝
度信号レベルの差分の絶対値を、時間的に前のフィール
ドの画素の水平勾配の絶対値と垂直勾配の絶対値のうち
大なる値で除した商が、前記四の場合すべてについて一
定値を上回る場合にのみ動画素と判定し、前記検出領域
内での動画素の数が一定値を上回る場合にのみ当該領域
を動領域と判定し、一定値を下回る場合は静止領域と判
定するのが好適である。さらに加えて、前記SN比判定
手段は、前記静動判定手段により静止領域と判定された
検出領域の割合が一定値を下回り、かつ、前記グローバ
ル・ベクトルの検出値が“0”の場合には高SN領域と
判定し、前記検出領域の割合が一定値を下回り、かつ、
“0”以外のグローバル・ベクトルの検出値を有する場
合若しくはグローバル・ベクトルの非検出信号が出力さ
れている場合には低SN領域と判定し、前記静動判定手
段により静止領域と判定された検出領域の割合が一定値
を上回る場合には、該静止領域と判定された全検出領域
内の全画素に対し、1フレーム後の全画素との間で画素
毎に輝度信号レベルの差分の絶対値を求め、これらの全
平均が一定値を下回る場合に高SN領域と判定し、一定
値を上回る場合は低SN領域と判定する構成とすること
も可能である。
【0025】このように、本発明の一形態による前置フ
ィルタでは、上記問題点を解決し、検出精度の高い動き
ベクトル検出を行うために、飛び越し走査の画像信号を
入力信号とし、ベクトル検出用輝度信号を出力するフィ
ルタ特性の異なる複数の前置フィルタを用意して、これ
を適応的に切り換える構成を採用している。さらに、複
数のフィルタを切り換えるために、入力動画像の検出領
域毎に、画像特性を判定している。そして、判定結果の
画像特性とベクトル検出方法の組み合わせに最適なフィ
ルタを検出領域毎に選択的に切り換え、最適なベクトル
検出用輝度信号を、べクトル検出のための回路に供給す
ることとしている。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態として、連続
するフィールド間で動画像の動きベクトル検出を行う場
合に使用する前置フィルタを開示する。
【0027】すなわち、ベクトル検出用輝度信号を作成
するために、特性の異なる複数のフィルタ(例えば、空
間LPF、時間LPF、時空間LPF、時間方向の巡回
フィルタ、順次走査変換フィルタ)を用意し、入力動画
像の画像特性(例えば、静動状態、過去の動きベクト
ル、SN状態、動画像内の大局的な動きを表すグローバ
ル・ベクトル)を調べ、その画像特性とベクトル検出方
法(例えば、ブロック・マッチング法、勾配法、位相相
関法)の組み合わせに応じて、最適な(例えば、ベクト
ル検出方法としてブロック・マッチング法を用いる場合
には時間方向のフィルタ特性を持たないフィルタを用
い、動物体に動いたことによるボケがない画像を用いて
勾配法でベクトル検出する場合には時間方向のフィルタ
特性を持つフィルタを用い、飛び越し走査のテレビジョ
ンの映像を用いてベクトル検出する場合は順次走査変換
を行うフィルタを用いる)フィルタ特性を有するフィル
タを、複数のフィルタの中から選択し、その選択したフ
ィルタの出力信号をベクトル検出用輝度信号とすること
により、ベクトル検出精度を高めるようにしている。
【0028】より具体的に述べると、入力動画像からベ
クトル検出用輝度信号を生成し、ベクトル検出用輝度信
号を小領域(以下、検出領域と言う。)に分けて、その
検出領域毎のベクトル検出用輝度信号を用いて連続する
フィールド間で動画像の動きベクトル検出を行うベクト
ル検出装置のベクトル検出用輝度信号を生成する前置フ
ィルタ(図15参照)において、前置フィルタは、並列
に接続された前置フィルタA(151A)と、前置フィ
ルタB(151B)と、前置フィルタC(151C)
と、前置フィルタD(151D)と、前置フィルタE
(151E)と、これら複数のフィルタの一つを選択し
て出力する切り換え手段(153)を含むと共に、検出
領域に該当する入力動画像領域の画像特性(例えば、そ
の領域の静動状態、その領域の過去の動きベクトル、そ
の領域を含む入力の動画像のSN状態、入力の動画像内
の大局的な動きを表すグローバル・ベクトル)を、その
領域の静動状態(150)と、その領域の過去の動きベ
クトル(154,155)と、その領域を含む入力の動
画像のSN状態(157)と、入力の動画像内の大局的
な動きを表す過去のグローバル・ベクトル(156)と
を用いて、図16および図17に示した画像特性判定表
によって判定する手段を備え、さらに、前記切り換え手
段(153)の制御信号として、入力動画像領域の画像
特性の判定結果に従い、前記複数のフィルタのうち、ベ
クトル検出方法に最適な(例えば、ベクトル検出方法と
してブロック・マッチング法を用いる場合には時間方向
のフィルタ特性を持たないフィルタを用いる)フィルタ
特性を有する一つのフィルタを選択する信号を出力する
デコーダ(152)を備えている。
【0029】このように、画像特性とベクトル検出方法
との組み合わせに整合したフィルタを用いた場合、すな
わち、垂直方向の周波数成分を持つ静止領域とブロック
・マッチング法の組み合わせにおいては、前置フィルタ
A(図6参照)あるいは前置フィルタB(図9参照)、
動物体の画像にボケがない素材と勾配法の組み合わせに
おいては、前置フィルタC(図11参照)、あるいは前
置フィルタD(図12参照)、SN比の極めて悪い画像
とブロック・マッチング法、あるいは、勾配法の組み合
わせにおいては、前置フィルタB(図9参照)、あるい
は、前置フィルタC(図11参照)を用いた場合には、
既述の従来例のような不都合を招来することがなくな
る。
【0030】
【実施例】本発明を適用した前置フィルタについて説明
するに先立って、前置フィルタの出力を画像特性に応じ
て選択するための制御情報を求める一方法を、以下に述
べる。
【0031】ここでは、現フィールドの画像をf(t) 、
次フィールドの画像をf(t+1) 、次々フィールドの画
像をf(t+2) 、前フィールドの画像をf(t-1) 、前々フ
ィールドの画像をf(t-2) とする。
【0032】(I)検出領域の静動状態について 図4に示すように、f(t) とf(t+1) 間の動き検出と、
f(t) とf(t+2) 間の動き検出と、f(t) とf(t-1) 間
の動き検出とf(t) とf(t-2) 間の動き検出を画素毎に
行い、画像f(t) 上の動領域と静止領域を検出する。動
き検出は、例えば、f(t) の画素の輝度レベルの水平勾
配の絶対値と垂直勾配の絶対値の内、大きい方の値で、
フィールド間の同一画素の輝度レベルの差分の絶対値を
除する方法により求める。
【0033】具体的な動き検出の方法を、f(t) 上の格
子状に標本化された標本化点の一つの画素pを例にとっ
て、以下に説明する。
【0034】f(t) 上の画素pと同じ空間位置にあるf
(t+1) 上の画素をqとする。画像f(t) が飛び越し走査
信号の場合には、f(t) とf(t+1) は1フィールド離れ
ているので、f(t) 上の画素pの空間位置に対応するf
(t+1) 上の画素は存在しない。そこで、f(t+1) 上の画
素qとして、画素pの空間位置に対応する位置の上下の
どちらかのf(t+1) 上の画素を選ぶ。画素pの空間位置
を(x,y) とし、その輝度レベルをF(x,y) と表し、f(t
+1) 上の画素qとして選ばれた画素の輝度レベルをG
(x,y) とする。
【0035】画素pの勾配▽pを、
【0036】
【数1】 ▽p=Max( |F(x-1,y) −F(x+1,y) |/2 , |F(x,y-1) −F(x,y+1) |/2 ) …(1) と定義すれば、画素pの動きm1は、
【0037】
【数2】
【0038】と表せる。ここでノイズの影響を避けるた
め、mthを定義し、 m1≧mth のときは、動領域として M1=1 とし、 m1<mth のときは、静止領域として M1=0 とする。
【0039】同様にして、f(t) 上の画素pと、これと
同じ空間位置にあるf(t+2) 上、f(t-1) 上およびf(t
-2) 上の各画素との間で動き検出を行い、それぞれの動
き検出の結果をM2、M3、M4とする。
【0040】次に、
【0041】
【数3】 Mp=(M1 and M2 and M3 and M4 ) …(3) を調べ、 Mp=0のときは、画素pは静止領域 とし、 Mp=1のときは、画素pは動領域 と判定する。
【0042】以上の処理をf(t) 上の全ての画素に対し
て行い、f(t) 上の画素毎の動領域と静止領域を求め
る。
【0043】次に、f(t) 上の検出領域毎の静動判定を
行うために、検出領域内の画素の内、 Mp=1 となる個数をmとする。静動判定のためのnthを定義
し、 m>nth のときは、検出領域は動領域とし、 M=1 とし、 m≦nth のときは、検出領域は静止領域とし、 M=0 と判定する。同様にして、f(t) 上の全ての検出領域に
対して静動判定を行う。
【0044】(II)SN比について 次に、f(t) のM=0となる全静止領域の全ての画素に
対して、f(t+2) 上にあるf(t) の静止領域と同じ空間
位置を占める画素との間でフレーム間の輝度レベルの差
分の絶対値を求め、全静止領域の1画素当たりの輝度レ
ベルの差分の絶対値の平均Nを求める。SN比はフィー
ルド単位で決定される。上記(I)の検出領域の静動状
態を表すMが画面内でM=0となる検出領域の個数を数
え、その数をCとする。ここでパンニング画像では、静
止領域がないかあるいは少ないため、しきい値Cthを導
入し、 C≦Cth のときは、別途求めた前フィールドのグローバル・ベク
トルVg(次に述べる(III )を参照)を参照し、Vg
≠0あるいはVg=無しのときはSN比が悪いとし、 sn=1 とし、Vg=0のときはSN比が良いとし、 sn=0 とする。
【0045】C>Cthのときは、SN比を判定するため
のNthを導入し、 N<Nth のときはSN比が良いとし、 sn=0 とする。
【0046】N≧Nth のときはSN比が悪いとし、 sn=1 とする。
【0047】(III )グローバル・ベクトルについて 図5に示すように、前フィールドのグローバル・ベクト
ルを求める。グローバル・ベクトルはフィールド単位に
決定される。動きベクトル検出で検出した既知の前フィ
ールドの検出領域毎の動きベクトルV(t-1) を用いて、
画面内で最も多く検出したベクトル値の内、上位から
1,2,3番目のベクトル値とその個数の画面内の総検
出領域数に対する割合を調べ、次のようにベクトル値の
比較をし、グローバル・ベクトルの値を決める。
【0048】ここで、グローバル・ベクトル値をVgと
し、その確からしさをRgとし、検出ベクトル値と個数
の割合を上位からそれぞれv1,v2,v3とn1,n
2,n3と表すことにする。また、ベクトル値の比較
は、誤差αを許容して行い、グローバル・ベクトル値決
定の基礎とする。誤差αを許容したベクトル値の比較
は、例えば、ある値VnとVmを比較するものとすれ
ば、Vn=(Vnx,Vny)とVm=(Vmx,Vmy)のベ
クトル値が、
【0049】
【数4】 Vn x−α ≦Vmx≦Vnx+α ∩ Vn y−α ≦Vmy≦Vny+α…(4) を満足した場合に、VnとVmは、等しいとみなすこと
とする。
【0050】グローバル・ベクトル検出は以下の手順で
行う。
【0051】1)誤差α=0を許容して検出ベクトル値
を相互に比較し、最多検出ベクトル値の基データv1.o
rgを導出する。
【0052】2)次に、誤差α=3を許容して検出ベク
トル値を相互に比較し、v1.orgと等しいあるいは、等
しいと見なされた検出ベクトル値の割合を調べ、v1=
v1.orgとし、その割合をn1とする。
【0053】3)さらに、誤差α=3を許容して検出ベ
クトル値を相互に比較し、v1に相当するベクトル値を
除いた検出ベクトル値の中から、2番目に多い検出ベク
トル値v2とその割合n2を同様に調べる。v2の値
は、2番目に多い検出ベクトルの中から最初に選択され
たものをv2の代表値とする。
【0054】4)上記同様の手順に従い、誤差α=3を
許容して検出ベクトル値を相互に比較し、v1,v2に
相当するベクトル値を除いた検出ベクトル値の中から、
3番目に多い検出ベクトル値v3とその割合n3を調べ
る。v3の値は、3番目に多い検出ベクトルの中から最
初に選択されたものをv3の代表値とする。
【0055】5)上記で求めたv1,v2,v3,n
1,n2,n3を用いて以下の条件に従い、初期値をR
g=0として、Rgにポイントを順次加算していき、グ
ローバル・ベクトルの信頼度Rgを求める。
【0056】ここで、ベクトル値v1,v2,v3の相
互の比較は、誤差β=20%を許容して行い、2つのベ
クトル値が等しい、
【0057】
【外1】
【0058】2つのベクトル値が誤差β=20%を越え
て異なる場合は、記号≠で表す。誤差βを許容したベク
トル値の比較は、例えば、ある値VnとVmを比較する
ものとすれば、Vn=(Vnx,Vny)とVm=(Vmx,
Vmy)のベクトル値が、
【0059】
【数5】 Vnx×(1−β)≦Vmx≦Vnx×(1+β) ∩ Vny×(1−β)≦Vmy≦Vny×(1+β)…(5) を満足した場合に、VnとVmは、等しいとみなすこと
とする。
【0060】(a) もし n1>80%ならば Rg
に10ポイント加算する。
【0061】(b) もし n1>50%ならば Rg
に4ポイント加算する。
【0062】
【外2】
【0063】上記のように信頼度Rgにポイント制を導
入し、最終的なRgの値が6以上となれば、v1をグロ
ーバル・ベクトルとし、 Vg=v1 とする。
【0064】Rgが6未満の場合は、Vgはグローバル
・ベクトルではないとし、 Vg=無し とする。
【0065】動きベクトル検出法(例えば、ブロック・
マッチング法,勾配法)で検出した既知の前フィールド
の検出領域毎の動きベクトルをV(t-1) とする。
【0066】続いて、本発明を適用した前置フィルタの
構成要素である複数の特性の異なるフィルタを図6,図
9,図11,図12,図14を参照して、個々に説明す
る。
【0067】イ)前置フィルタAについて 図6に示した前置フィルタAは、フレーム信号にタップ
数の少ない(例えば3タップ)空間LPFをかけて1ラ
インおきに走査線を間引くことにより、フィールド信号
を生成するフィルタ(60A,60B)を2個並列に含
むものである。
【0068】図6,図9,図11で用いているフレーム
→フィールド・サブサンプリングのLPFについて、そ
の構成例を図7に示し、その動作例を図8に示して以下
に説明する。
【0069】入力のフィールド信号f(t) は、飛び越し
走査のテレビジョン信号であるため、f(t-1) とf(t)
、f(t) とf(t+1) は、垂直方向に1走査線分ずれて
いる。しかし、フレーム間離れたf(t-1) とf(t+1)
は、垂直方向のずれはない。f(t) を奇数フィールドと
すると、f(t-1) とf(t+1) は偶数フィールドとなる。
ここでf(t-1) とf(t) で構成されるフレーム信号をF
(t) とし、f(t) とf(t+1) で構成されるフレーム信号
をF(t+1) とする。 フレーム信号F(t) 、F(t+1)空間
LPFをかけたフレーム信号をそれぞれG(t) 、G(t+
1) とする。
【0070】フレーム信号G(t) を構成するフィールド
信号の内、奇数フィールドをgo(t) とし、偶数フィー
ルドをge(t) とし、フレーム信号G(t+1) を構成する
フィールド信号の内、奇数フィールドをgo(t+1) と
し、偶数フィールドをge(t+1) とする。
【0071】図7で入力画像のf(t) が奇数フィールド
の場合、フレーム→フィールド・サブサンプリングのL
PFから出力されるベクトル検出用輝度信号のf'(t)と
f'(t+1)は、前記のgo(t) とgo(t+1) を出力するこ
ととする。入力画像のf(t)が偶数フィールドの場合、
フレーム→フィールド・サブサンプリングのLPFから
出力されるベクトル検出用輝度信号のf'(t)とf'(t+1)
は、前記のge(t) ge(t+1) を出力する。つまり、f
(t) が奇数フィールドの場合、 f'(t) =go(t) f'(t+1)=go(t+1) となる。従って、同時に出力されるフィールド信号go
(t) とgo(t+1) は、走査線の垂直方向の空間位置が同
じであるため、出力信号f'(t)は走査線が半減された順
次走査信号と等価である。
【0072】ここで、静止領域では、入力信号のf(t-
1) とf(t+1) は f(t-1) =f(t+1) で同じ値であるため、f(t-1) とf(t) 、f(t) とf(t
+1) で構成されるフレーム信号F(t) とF(t+1) は、 F(t) =F(t+1) となる。従って、F(t) およびF(t+1) に空間LPFを
かけたフレーム信号G(t) びG(t+1) は、 G(t) =G(t+1) となる。従って、G(t) とG(t+1) を構成するフィール
ド信号go(t) とge(t) 、およびgo(t+1) とge(t
+1) は、 go(t) =go(t+1) ge(t) =ge(t+1) となる。従って、静止領域では、飛び越し走査信号を用
いるにも拘らずフレーム→フィールド・サブサンプリン
グのLPFの出力のベクトル検出用輝度信号を用いるこ
とにより、飛び越し走査による影響を避けて、零ベクト
ルを検出できる。
【0073】このようなフィルタを用いないと、入力信
号が飛び越し走査の場合、静止領域では、1フレーム分
離れたフィールド信号を用いていたために、静動領域の
判定を間違えて、動領域であるにも拘らず静止処理を行
ったり、静止領域であるにも係わらず動処理を行ったり
と、誤った処理による不都合が発生していた。本実施例
によるフレーム→フィールド・サブサンプリングのLP
Fの出力を用いて動きベクトル検出を行うことにより、
静止領域では前述のように正しく静止を検出することが
でき、動領域ではgo(t) とgo(t+1) あるいはge
(t) とge(t+1)は時間方向に2タップのLPFフィル
タをかけたフィールド信号と等価になるため、正しく動
きを検出することができる。
【0074】すなわち、前置フィルタAは、図6に示す
ように3フィールドのデータを用いて、1フィールド分
離れていながら走査線の垂直方向の空間位置が一致する
信号をベクトル検出用輝度信号として同時に出力するフ
ィルタである。これにより、ノイズの除去とフィールド
間での動きを検出することができる。すなわち、テレビ
信号のような飛び越し走査の信号を用いてフィールド間
の動きベクトル検出を行う場合、垂直方向の周波数成分
を持つ静止領域では、前置フィルタAの出力を用いると
1フィールド離れたベクトル検出用輝度信号間の画像の
差分値がほぼ零となるため、ブロック・マッチング法あ
るいは勾配法のベクトル検出方法と組み合わせると零ベ
クトルを検出することができる。
【0075】また、動領域では、時間方向に2タップの
時間フィルタをかけたものと等価になるため、勾配法の
ベクトル検出方法と組み合わせるとフィールド間の動き
を検出することできる。
【0076】ロ)前置フィルタBについて 図9の前置フィルタBは、1フレーム分離れた2つのフ
ィールド信号の加算平均をとることにより時間フィルタ
をかけ、その出力と1フィールド遅れた同様な出力とで
構成されるフレーム信号に図7と同様な空間LPFをか
けて、1ラインおきに走査線を間引くことによりフィー
ルド信号を生成する。
【0077】すなわち、図10に示すように、5フィー
ルドのデータを用いて、1フィールド分離れていながら
走査線の垂直方向の空間位置が一致する信号をベクトル
検出用輝度信号として出力するフィルタである。用いる
空間LPFは前置フィルタAと同じタップ数の少ないフ
ィルタであり、時間方向のフィルタリング処理によりノ
イズの影響を除去することができる。
【0078】SN比の悪い動画像を用いて動きベクトル
検出を行う場合、前置フィルタBの出力を用いると静止
領域のベクトル検出用輝度信号間の画像の差分値がほぼ
零となるため、ブロック・マッチング法あるいは勾配法
のベクトル検出方法と組み合わせると、零ベクトルを検
出することができる。また、動領域では、時間方向に4
タップの時間フィルタをかけたものと等価になるため、
勾配法のベクトル検出方法と組み合わせるとフィールド
間の動きを検出することできる。
【0079】ハ)前置フィルタCについて 図11の前置フィルタCは、フィールド信号に対して1
フレームで巡回する時間方向の巡回フィルタをかけ、そ
の出力と、1フィールド遅れた同様な出力とで構成され
るフレーム信号に図7と同様な空間LPFをかけて、1
ラインおきに走査線を間引くことによりフィールド信号
を生成する。
【0080】すなわち、3フィールドのデータを用い
て、1フィールド分離れていながら走査線の垂直方向の
空間位置が一致する信号をベクトル検出用輝度信号とし
て出力するフィルタである。これにより、タップ数の少
ない空間フィルタや時間フィルタでは除去できないノイ
ズ(例えば、F/V変換画像の粒状性ノイズやSNの極
めて悪い動画像のノイズ)を取り除くことができる。
【0081】前置フィルタCの出力を用いると静止領域
のベクトル検出用輝度信号間の画像の差分値がほぼ零と
なるため、ブロック・マッチング法あるいは勾配法のベ
クトル検出方法と組み合わせると零ベクトルを検出する
ことができる。また、動領域では、巡回フィルタにより
動物体に疑似勾配が付くため、動物体の勾配を用いる動
きベクトル検出方法(勾配法)での動きベクトル検出が
容易になる。
【0082】ニ)前置フィルタDについて 図12の前置フィルタDは、図13に示すように、3フ
ィールドにわたって連続するフィールド信号に時空間L
PFをかけた信号をベクトル検出用輝度信号とするフィ
ルタを2個並列に含むものである。空間フィルタは、水
平フィルタ(例えば、タップ数5で係数が1/4,2/
4,2/4,2/4,1/4の一次元のLPF)と垂直
フィルタ(例えば、タップ数5で係数が1/4,2/
4,2/4,2/4,1/4の一次元のLPF)を縦続
接続したものである。すなわち、図12に示すように、
4フィールドのデータを用いて、連続する2フィールド
のベクトル検出用輝度信号を同時に出力するフィルタで
ある。
【0083】CGやシャッター付きのCCDカメラの画
像やF/V変換の画像は、動物体が動いたことによるボ
ケがないため、前置フィルタDに含まれる時間フィルタ
により動物体に疑似勾配を付けることで、動物体の勾配
を用いる動きベクトル検出方法(勾配法)での動きベク
トル検出が容易になる。
【0084】ホ)前置フィルタEについて 図14の前置フィルタEは、動領域と静止領域の境界で
フィルタリング処理による影響を避けるためにタップ数
の少ない(例えば3タップ)空間LPFをフィールド信
号にかけてノイズを除去し、連続する2フィールド分の
ベクトル検出用輝度信号を出力する。
【0085】動物体の勾配を用いない動きベクトル検出
方法(ブロック・マッチング法)を用いた場合、時空間
方向のフィルタ特性を持たない前置フィルタEの出力を
使用することにより、動物体の画像に疑似勾配が付かな
い。従って、ブロック・マッチング法のベクトル検出方
法を用いた場合、2つのフィールド間の画像の輝度レベ
ルの差分値の絶対値で表される相関平面において、正し
い動きベクトルに相当する位置の相関のピークが顕著に
現れるため、正しく動きベクトル検出を行うことができ
る。
【0086】次に、SN比を表すsnと前フィールドの
検出ベクトルV(t-1) と前フィールドのグローバル・ベ
クトルVgと動領域,静止領域の情報を用いて、前置フ
ィルタの特性を切り換える実施例を図15に示す。本図
において、検出領域の静動判定部150は、図4に示し
たブロック構成を有する。また、前置フィルタA〜E
(151A〜151E)は、それぞれ図6,図9,図1
1,図12,図14に示した構成を有する。また、グロ
ーバルベクトル検出部156は、図5に示したブロック
構成を有する。
【0087】既に述べた通り、本発明の主たる目的は、
検出領域の静動状態により、前置フィルタを適応的に切
り換えることである。静動判定は、1フレーム分離れた
画像間の輝度レベルの差分値の絶対値をあるしきい値で
比較して判定する従来の方法や、本発明で用いる図4に
示すような方法では、2つの画像間の輝度レベルの相関
が不定のところが有るため、100%の確率で静動判定
を行うことはできない。
【0088】そこで、本発明の一実施例では、図4に示
す静動判定と前フィールドで検出した動きベクトルとを
併用して静動判定の正確さを高める。本発明の一実施例
において、静止領域と判定する条件は、図4の動き検出
で静止領域と判定され、さらに前フィールドの検出ベク
トルV(t-1) が零の場合である。
【0089】まず、静止領域は、主に2つの場合が考え
られる。1つは、カメラが固定されて撮影された画像の
静止領域と、カメラが動物体を追跡するために移動して
撮影された画像の中の動物体の画像は、ほぼ静止領域に
なる。これらの判定は、グローバル・ベクトルVgで判
定を行う。静止領域では、飛び越し走査の影響を避ける
ため、前置フィルタAを使用する。また、静止領域では
ノイズの影響を避けるためにSN比の値により、SN比
が悪い場合は、前置フィルタCを使用し、カメラが移動
して撮影した画像の静止領域では、静動判定の精度を考
慮して、時間方向のフィルタ特性が少ない前置フィルタ
Bを使用する。
【0090】次に、動領域およびV(t-1) ≠0で動領域
と判定された領域では、ブロック・マッチング法を動き
ベクトル検出方法として用いた場合は、時間方向のフィ
ルタ特性を持たない前置フィルタEを使用する。勾配法
を動きベクトル検出方法として用いた場合は、動物体の
画像に動物体が動いたことによるボケ(輝度レベルの勾
配)が無くてはならない。CGやシャッター付きカメラ
の画像やF/V変換画像が入力された場合は、入力画像
の動物体の画像にはボケが少ない。
【0091】従って、入力画像の種別(CG等のボケの
少ない画像、動画像のボケが大きい撮像管のカメラで撮
影された画像)にかかわりなく、カメラが固定で撮影さ
れた動物体の画像の動領域に対しては、時間方向のフィ
ルタ特性を持つ前置フィルタDの出力を用い、カメラが
移動して撮影された画像の動領域では、時空間フィルタ
をかけて疑似勾配を作らなくても動領域にボケが有るた
め、前置フィルタEを使用する。
【0092】ベクトル検出方法としてブロック・マッチ
ング法を用いる場合の前置フィルタの切り換えの一実施
例を図16に示す。
【0093】また、ベクトル検出方法として勾配法を用
いる場合の前置フィルタの切り換えの一実施例を図17
に示す。
【0094】なお、ベクトル検出方法としてブロック・
マッチング法と勾配法を切り換えて用いる場合は、図1
5の切り換え情報デコーダ152の内容を図16,図1
7に従い切り換えて用いればよい。
【0095】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、フ
ィルタリング処理単位であるフィルタ入力信号の画像小
領域毎に静動状態やSN比を判定し、特性の異なる複数
のフィルタの中からその領域の特性と動きベクトル検出
方法との組み合わせに最適な前置フィルタを選択する構
成としてあるので、領域毎の最適なフィルタリング処理
が可能となり、動きベクトル検出精度を高めた動きベク
トル検出が可能となる。
【0096】すなわち本発明では、ベクトル検出用輝度
信号を出力する特性の異なるフィルタを複数用意し、検
出対象領域の画像特性と検出方法に最適なベクトル検出
用輝度信号を出力するフィルタを検出対象領域毎に切り
換えて使用することにより、誤った動きベクトル検出を
行わないようにすることができる。かくして、本発明を
実施することにより、誤った動きベクトルを検出するこ
とがなくなるため、動きベクトル検出精度を高めること
ができるという格別な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は飛び越し走査の垂直方向の走査線の位
置関係を示す説明図、(B)は従来の前置フィルタの出
力例を示す説明図、(C)は飛び越し走査線の時空間位
置を示す説明図である。
【図2】(A)は飛び越し走査の垂直方向の走査線の位
置関係を示す説明図、(B)は従来の前置フィルタの出
力例を示す説明図である。
【図3】従来の前置フィルタの回路の一実施例を示すブ
ロック図である。
【図4】本発明の静動判定回路の一実施例を示すブロッ
ク図である。
【図5】本発明のグローバル・ベクトル検出の一実施例
を示すブロック図である。
【図6】本発明の前置フィルタAの回路の一実施例を示
すブロック図である。
【図7】本発明の前置フィルタA,B,Cに含まれるフ
レーム→フィールド・サブサンプリングのLPFの回路
の一実施例を示すブロック図である。
【図8】本発明の前置フィルタA,B,Cに含まれるフ
レーム→フィールド・サブサンプリングのLPFの回路
の動作例を示す説明図である。
【図9】本発明の前置フィルタBの回路の一実施例を示
すブロック図である。
【図10】本発明の前置フィルタBの回路の動作例を示
す説明図である。
【図11】本発明の前置フィルタCの回路の一実施例を
示すブロック図である。
【図12】本発明の前置フィルタDの回路の一実施例を
示すブロック図である。
【図13】本発明の前置フィルタDに含まれる時空間フ
ィルタの回路の一実施例を示すブロック図である。
【図14】本発明の前置フィルタEの回路の一実施例を
示すブロック図である。
【図15】本発明の前置フィルタの切り換え回路の一実
施例を示すブロック図である。
【図16】本発明の前置フィルタのブロック・マッチン
グ法に対応したデコーダにおける切り換えの一実施例を
示す図である。
【図17】本発明の前置フィルタの勾配法に対応したデ
コーダにおける切り換えの一実施例を示す図である。
【符号の説明】
150 検出領域の静動判定部 151A〜151E 前置フィルタA〜前置フィルタE 152 切り換え情報デコーダ 153 ベクトル検出用輝度信号の選択部 154 動きベクトル検出部 155 動きベクトル値メモリ 156 グローバルベクトル検出部 157 SN比検出部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】
【外2】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベクトル検出用輝度信号を出力する特性
    の異なるフィルタを複数用意し、入力動画像の検出対象
    領域における画像特性およびベクトル検出方法に適した
    ベクトル検出用輝度信号を出力するフィルタを検出対象
    領域毎に切り換えて使用することにより、動きベクトル
    検出を行うことを特徴とする動きベクトル検出方法。
  2. 【請求項2】 フィルタ特性がそれぞれ異なる複数のフ
    ィルタ手段と、 入力動画像の各検出領域毎に画像特性を判定する判定手
    段と、 前記判定手段による判定結果と各種ベクトル検出方法と
    の組み合わせに応じて前記フィルタ手段を検出領域毎に
    切り換える選択手段と を具備し、前記フィルタ手段から出力されるベクトル検
    出用輝度信号に基づいて動きベクトルを検出することを
    特徴とする動きベクトル検出用適応切り替え型前置フィ
    ルタ。
  3. 【請求項3】 飛び越し走査方式で表示される画像の動
    きベクトル検出装置の前段に接続される前置フィルタに
    おいて、 該フィルタは、 入力画像信号がそれぞれ入力される特性の異なる二以上
    のフィルタと、 該二以上のフィルタを切り換えて、一のフィルタ処理結
    果を動きベクトル検出装置に出力するフィルタ切り替え
    部と、 前記動きベクトル検出装置の出力である直前のフィール
    ドの動きベクトル検出結果に基づき、直前のフィールド
    画像全体に大局的な動きがあると判断される場合には、
    大局的な動きの程度をグローバル・ベクトル検出値とし
    て出力し、大局的な動きがないと判断される場合にはグ
    ローバル・ベクトル非検出信号を出力するグローバル・
    ベクトル検出手段と、 フィルタ処理単位である検出領域毎に該領域が動領域で
    あるか静止領域であるかの判定結果を出力する静動判定
    手段と、 フィールド毎に入力画像全体のSN比を判定し、低SN
    領域であるか高SN領域であるかの判定結果を出力する
    SN比判定手段と、 前記グローバル・ベクトル検出結果、検出領域毎の前記
    直前のフィールドの動きベクトル検出結果、前記静動判
    定結果および前記SN比判定結果に基づき、前記検出領
    域毎の切り替え情報を前記フィルタ切り替え部に出力す
    る切り替え情報デコーダとを備えたものであることを特
    徴とする動きベクトル検出用適応切り替え型前置フィル
    タ。
  4. 【請求項4】 前記特性の異なる二以上のフィルタは、 連続する3フィールドの2:1インターレース画像信号
    を入力信号とし、第一のフィールド信号と第二のフィー
    ルド信号から形成されるフレーム信号および第二のフィ
    ールド信号と第三のフィールド信号から形成されるフレ
    ーム信号のそれぞれに空間ローパスフィルタをかけて二
    の順次走査信号を生成した後、該二の順次走査信号のそ
    れぞれに対し1ライン毎に走査線を間引くことにより、
    奇偶フィールド形式を一致させた二のフィールド信号を
    出力するフィルタAと、 連続する5フィールドの2:1インターレース画像信号
    を入力信号とし、第一ならびに第三のフィールド信号を
    加算平均して得られるフィールド信号と第二ならびに第
    四のフィールド信号を加算平均して得られるフィールド
    信号から形成されるフレーム信号および第二ならびに第
    四のフィールド信号を加算平均して得られるフィールド
    信号と第三ならびに第五のフィールド信号を加算平均し
    て得られるフィールド信号から形成されるフレーム信号
    のそれぞれに空間ローパスフィルタをかけて二の順次走
    査信号を生成した後、該二の順次走査信号のそれぞれに
    対し1ライン毎に走査線を間引くことにより、奇偶フィ
    ールド形式を一致させた二のフィールド信号を出力する
    フィルタBと、 入力信号である2:1インターレース画像信号に出力信
    号を1フレーム遅延させた信号を任意の係数比で加算し
    て出力する巡回フィルタと、該巡回フィルタの出力であ
    る連続する3フィールドの2:1インターレース画像信
    号を入力信号とし、第一のフィールド信号と第二のフィ
    ールド信号から形成されるフレーム信号および第二のフ
    ィールド信号と第三のフィールド信号から形成されるフ
    レーム信号のそれぞれに空間ローパスフィルタをかけて
    二の順次走査信号を生成した後、該二の順次走査信号の
    それぞれに対し1ライン毎に走査線を間引き奇偶フィー
    ルド形式を一致させた二のフィールド信号を出力するフ
    ィルタとを従属接続させてなるフィルタCと、 空間ローパスフィルタ出力と、該空間ローパスフィルタ
    出力の1フィールド遅延出力を、連続する2フィールド
    の2:1インターレース画像信号として出力するフィル
    タEとを含み、 前記切り替え情報デコーダは、 前記検出領域が静止領域かつ高SN領域かつ当該検出領
    域における前記前フィールドの動きベクトル検出値が
    “0”である場合にはフィルタAを、 前記検出領域が静止領域かつ低SN領域かつ当該検出領
    域における前記前フィールドの動きベクトル検出値が
    “0”かつ“0”以外のグローバル・ベクトルの検出値
    若しくはグローバル・ベクトルの非検出信号が出力され
    ている場合にはフィルタBを、 前記検出領域が静止領域かつ低SN領域かつ当該検出領
    域における前記前フィールドの動きベクトル検出値が
    “0”かつグローバル・ベクトルの検出値が“0”の場
    合にはフィルタCを、 前記検出領域が静止領域かつ当該検出領域における前記
    前フィールドの動きベクトル検出値が“0”以外である
    場合、若しくは、前記検出領域が動領域である場合には
    フィルタEを、 選択する切り替え情報を出力するものであることを特徴
    とする請求項3記載の動きベクトル検出用適応切り替え
    型前置フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記特性の異なる二以上のフィルタは、 連続する3フィールドの2:1インターレース画像信号
    を入力信号とし、第一のフィールド信号と第二のフィー
    ルド信号から形成されるフレーム信号および第二のフィ
    ールド信号と第三のフィールド信号から形成されるフレ
    ーム信号のそれぞれに空間ローパスフィルタをかけて二
    の順次走査信号を生成した後、該二の順次走査信号のそ
    れぞれに対し1ライン毎に走査線を間引くことにより、
    奇偶フィールド形式を一致させた二のフィールド信号を
    出力するフィルタAと、 連続する5フィールドの2:1インターレース画像信号
    を入力信号とし、第一ならびに第三のフィールド信号を
    加算平均して得られるフィールド信号と第二ならびに第
    四のフィールド信号を加算平均して得られるフィールド
    信号から形成されるフレーム信号および第二ならびに第
    四のフィールド信号を加算平均して得られるフィールド
    信号と第三ならびに第五のフィールド信号を加算平均し
    て得られるフィールド信号から形成されるフレーム信号
    のそれぞれに空間ローパスフィルタをかけて二の順次走
    査信号を生成した後、該二の順次走査信号のそれぞれに
    対し1ライン毎に走査線を間引くことにより、奇偶フィ
    ールド形式を一致させた二のフィールド信号を出力する
    フィルタBと、 入力信号である2:1インターレース画像信号に出力信
    号を1フレーム遅延させた信号を任意の係数比で加算し
    て出力する巡回フィルタと、該巡回フィルタの出力であ
    る連続する3フィールドの2:1インターレース画像信
    号を入力信号とし、第一のフィールド信号と第二のフィ
    ールド信号から形成されるフレーム信号および第二のフ
    ィールド信号と第三のフィールド信号から形成されるフ
    レーム信号のそれぞれに空間ローパスフィルタをかけて
    二の順次走査信号を生成した後、該二の順次走査信号の
    それぞれに対し1ライン毎に走査線を間引き奇偶フィー
    ルド形式を一致させた二のフィールド信号を出力するフ
    ィルタとを従属接続させてなるフィルタCと、 連続する4フィールドの2:1インターレース画像信号
    を入力信号とし、連続する3フィールドの信号とそれぞ
    れの1ライン遅延出力信号を任意の係数比で加算して順
    次走査信号を出力する時間ローパスフィルタおよび該順
    次走査信号をフィールド信号に変換する空間ローパスフ
    ィルタを従属接続させてなるフィルタを1対備え、該1
    対のフィルタの連続する3フィールドの入力信号は、第
    一、第二、第三のフィールド信号または、第二、第三、
    第四のフィールド信号であり、前記1対のフィルタ出力
    は、連続する2フィールドの2:1インターレース画像
    信号であるフィルタとD、 空間ローパスフィルタ出力と、該空間ローパスフィルタ
    出力の1フィールド遅延出力を、連続する2フィールド
    の2:1インターレース画像信号として出力するフィル
    タEとを含み、 前記切り替え情報デコーダは、 前記検出領域が静止領域かつ高SN領域かつ当該検出領
    域における前フィールドの動きベクトル検出値が“0”
    である場合にはフィルタAを、 前記検出領域が静止領域かつ低SN領域かつ当該検出領
    域における前フィールドの動きベクトル検出値が“0”
    かつ“0”以外のグローバル・ベクトルの検出値若しく
    はグローバル・ベクトルの非検出信号が出力されている
    場合にはフィルタBを、 前記検出領域が静止領域かつ低SN領域かつ当該検出領
    域における前フィールドの動きベクトル検出値が“0”
    かつグローバル・ベクトルの検出値が“0”の場合には
    フィルタCを、 前記検出領域が静止領域かつ当該検出領域における前フ
    ィールドの動きベクトル検出値が“0”以外かつグロー
    バル・ベクトルの検出値が“0”若しくはグローバル・
    ベクトルの非検出信号が出力されている場合にはフィル
    タDを、 前記検出領域が静止領域かつ当該検出領域における前フ
    ィールドの動きベクトル検出値が“0”以外かつ“0”
    以外のグローバル・ベクトルの検出値が出力されている
    場合、若しくは、前記検出領域が動領域かつ“0”以外
    のグローバル・ベクトルの検出値が出力されている場合
    にはフィルタEを、 前記検出領域が動領域かつグローバル・ベクトルの検出
    値が“0”若しくはグローバル・ベクトルの非検出信号
    が出力されている場合にはフィルタDを、 選択する切り替え情報を出力するものであることを特徴
    とする請求項3記載の動きベクトル検出用適応切り替え
    型前置フィルタ。
  6. 【請求項6】 前記グローバル・ベクトル検出手段は、 前記検出領域毎の前記直前のフィールドの動きベクトル
    を、許容誤差範囲内で相互に比較することにより、検出
    比率の大きい複数のベクトル値とその検出比率を特定
    し、該複数のベクトル値のうち、一定範囲内に含まれる
    ベクトル値の検出比率の和が一定値を上回る場合に最多
    検出ベクトルの値をグローバル・ベクトルの検出値とし
    て出力し、一定値を下回る場合にはグローバル・ベクト
    ルの非検出信号を出力するものであることを特徴とする
    請求項3ないし5のいずれかに記載の動きベクトル検出
    用適応切り替え型前置フィルタ。
  7. 【請求項7】 前記静動判定手段は、 連続する5フィールドの2:1インターレース画像信号
    のうち、 第一のフィールド信号と第三のフィールド信号、もしく
    は、第三のフィールド信号と第五のフィールド信号との
    間では、両者で同一空間位置を占める画素間で、 第二のフィールド信号と第三のフィールド信号、若しく
    は、第三のフィールド信号と第四のフィールド信号との
    間では、時間的に前のフィールドの画素と該画素の空間
    位置に対応する位置の上下いずれかに位置する時間的に
    後のフィールドの画素間で、 輝度信号レベルの差分の絶対値を、時間的に前のフィー
    ルドの画素の水平勾配の絶対値と垂直勾配の絶対値のう
    ち大なる値で除した商が、前記四の場合すべてについて
    一定値を上回る場合にのみ動画素と判定し、 前記検出領域内での動画素の数が一定値を上回る場合に
    のみ当該領域を動領域と判定し、一定値を下回る場合は
    静止領域と判定するものであることを特徴とする請求項
    3ないし5のいずれかに記載の動きベクトル検出用適応
    切り替え型前置フィルタ。
  8. 【請求項8】 前記SN比判定手段は、 前記静動判定手段により静止領域と判定された検出領域
    の割合が一定値を下回り、かつ、前記グローバル・ベク
    トルの検出値が“0”の場合には高SN領域と判定し、
    前記検出領域の割合が一定値を下回り、かつ、“0”以
    外のグローバル・ベクトルの検出値を有する場合若しく
    はグローバル・ベクトルの非検出信号が出力されている
    場合には低SN領域と判定し、 前記静動判定手段により静止領域と判定された検出領域
    の割合が一定値を上回る場合には、該静止領域と判定さ
    れた全検出領域内の全画素に対し、1フレーム後の全画
    素との間で画素毎に輝度信号レベルの差分の絶対値を求
    め、これらの全平均が一定値を下回る場合に高SN領域
    と判定し、一定値を上回る場合は低SN領域と判定する
    ものであることを特徴とする請求項3ないし5のいずれ
    かに記載の動きベクトル検出用適応切り替え型前置フィ
    ルタ。
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