JPH09138630A - 光学要素を配置するための装置および方法 - Google Patents

光学要素を配置するための装置および方法

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JPH09138630A
JPH09138630A JP31848195A JP31848195A JPH09138630A JP H09138630 A JPH09138630 A JP H09138630A JP 31848195 A JP31848195 A JP 31848195A JP 31848195 A JP31848195 A JP 31848195A JP H09138630 A JPH09138630 A JP H09138630A
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optical
rail
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐振構造の光学定盤を用いることなく,きわ
めて簡単に精密な光学系を形成できるようにする。 【構成】 光源30を含む複数の光学要素がそれぞれ別個
のキャリア20上に固定され,これらのキャリアが光学系
配置用レール10に沿って移動自在にかつ上記レールに固
定可能に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明はレーザ応用技術,たとえばホロ
グラムの作成,物体の形状認識,文字列識別,干渉実
験,回折実験等で必要な光学系を組立てるためのユニッ
トに関し,さらに詳しくは上記光学系を構成する光学要
素を配置,配列するための装置および方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】レンズによる結像実験,光干
渉実験,ホログラム作成実験または研究のためには,光
源はもとより,レンズ,ビーム・スプリッタ等の光学要
素を所要の光路に沿って配置しかつ固定しなければなら
ない。光学系は振動に弱く,光学要素のわずかな位置変
位があっても光路に狂いが生じ,その配置をやり直さな
ければならない。
【0003】従来は除振対策を施した光学定盤上に光学
要素を配置し,二次元的な広がりの中で光学系を組立て
るのが常識であった。光学定盤は高価でありかつ重いの
で特別の実験室に装備せざるを得ず,手軽に光学実験を
することはできないと考えられていた。
【0004】
【発明の開示】この発明は従来の光学定盤が不要であ
り,きわめて簡単な構造で精密な光学系を組立てること
のできる光学ユニットを提供することを目的とする。
【0005】この発明はまた,従来の光学定盤を用いる
ことなく,きわめて簡単に精密な光学系を形成できる光
学要素の配置方法を提供する。
【0006】この発明はさらに,上記光学ユニットの応
用としてのホログラム作成光学系を提供するものであ
る。
【0007】この発明による光学ユニットは,光源を含
む複数の光学要素がそれぞれ別個のキャリア上に固定さ
れ,これらのキャリアが光学系配置用レールに沿って移
動自在かつ上記レールに固定可能に設けられているもの
である。
【0008】この光学ユニットはレーザ応用技術実験装
置にもなる。
【0009】この発明による光学要素の配置方法は,光
学系配置用レールに沿って移動自在かつ上記レールに固
定可能な複数のキャリアを設け,これらのキャリアに光
源を含む複数の光学要素をそれぞれ別個に固定するもの
である。
【0010】この発明によると,光学系配置用レールに
移動自在かつ固定自在な複数のキャリアを設け,これら
のキャリア上に光源を含む光学要素を載置しているの
で,これらの光学要素がほぼ一直線状に配置され,かつ
相互の空間的関係はレールのみによって固定される。し
たがって,従来のような耐振構造の光学定盤を用いなく
ても,光学系の光学的関係はレールによって保たれ,多
少の振動があっても光学系の光学的関係を不変に保つこ
とができる。レールごと光学系を移動させることもでき
るし,レールが多少傾いていても光学系に悪影響は及ば
ない。
【0011】この発明による光学ユニットは,光の回折
実験,干渉実験,ホログラム作成実験,光学的文字認
識,等種々の光学系の組立てに利用することができる。
しかも,構造が簡素であるから安価に提供でき,学校に
おける教材としても最適である。
【0012】この発明によるホログラム作成光学系は,
レーザ光源,上記レーザ光源から出射するレーザ光のビ
ーム径を拡大しかつ平行化するビーム整形光学系,上記
ビーム整形光学系によって整形されたレーザ光を2つの
光ビームに分割するビーム・スプリッタ光学系,これら
の2つの光ビームをそれぞれ参照光,物体光として干渉
させる干渉光学系,および上記干渉光学系により生じた
干渉光をホログラム記録板上に固定するホログラム作成
器がそれぞれ別個のキャリア上に固定され,これらのキ
ャリアが光学系配置用レールに沿って移動自在かつ上記
レールに固定可能に設けられているものである。
【0013】1つのレール上にホログラム作成に必要な
すべての光学系が搭載され,ホログラム作成光学系の一
元化が可能である。
【0014】
【実施例】図1から図4はホログラム作成光学系を示し
ている。
【0015】1本の光学系配置用レール10がホログラム
作成光学系全体を支持する基礎となる。レール10はアル
ミニウム等の金属で一直線状に形成されている。レール
10の長さは,たとえば1500mmである。
【0016】レール10の両側下端にはレール10の長手方
向に沿ってフランジ11が形成されている(レール10の構
造は図4に最も良く示されている)。レール10の下面に
は長手方向に沿う溝が形成されている。この溝の部分を
除いてレール10の下面は平坦である。レール10の両側上
部にも,やや斜め上方に突出したフランジ12がレール10
の長手方向にそって形成されている。レール10の上面も
フランジ12の間において平坦である。
【0017】このレール10にはホログラム作成光学系を
構成する全ての光学要素(後で詳述する)が強固に固定
されかつ支持されている。したがって,レール10が振動
したとしても,そのレール10上に組立てられた光学要素
相互間の光学的関係は不変である。また,レール10が多
少斜めに配置されていても,そのことがレール10上の光
学系に悪影響を及ぼすことはない。レール10を持ってホ
ログラム作成光学系を他の場所に移すことも可能であ
る。
【0018】ホログラム作成光学系の光学要素をレール
10上に固定するためにキャリア20が用いられる。キャリ
ア20の下面には,レール10の上半部分がぴったりと嵌る
形状の凹溝が形成されている。この凹溝がレール10の上
半部分に摺動自在に嵌合することにより,キャリア20は
レール10に沿って移動することができる。
【0019】キャリア20にはその一側面からレール10に
向う雌ねじ孔があけられ,この雌ねじ孔に固定ねじ23が
ねじはめられている。固定ねじ23の外端部にはつまみ23
aが設けられている。固定ねじ23をゆるめるとキャリア
20はレール10に沿って移動自在となる。固定ねじ23を締
めることにより,キャリア20をレール10の所望の位置に
しっかりと固定することができる。
【0020】キャリア20上にはロッド・スタンド21が垂
直に立てられている。このロッド・スタンド21は筒体で
ある。ロッド・スタンド21は好ましくはキャリア20に固
定(たとえば溶接などにより)されている。もちろん,
ロッド・スタンド21をキャリア20から分離可能とするこ
ともできる。
【0021】ロッド・スタンド21の孔内にはロッド22が
挿脱自在に挿入されている。このロッド22の上部に種々
の光学要素が設けられる。ロッド・スタンド21の周壁に
もその径方向に雌ねじ孔が切られている。この雌ねじ孔
には固定ねじ24がねじはめられる。固定ねじ24の外端部
にはつまみ24aが設けられている。
【0022】固定ねじ24をゆるめるとロッド22がスタン
ド21内で上下動自在になる。固定ねじ24を締めるとロッ
ド22は固定される。これにより,ロッド22に設けられた
光学要素を所望の高さ位置に調整することができる。
【0023】レール10の上に組立てられるホログラム作
成光学系,およびそれを構成する種々の光学要素は次の
通りである。
【0024】光源は例えばHe−Neレーザ30である。
このレーザ30は丸型ホルダ26によってロッド22に固定さ
れている。レーザ30には好ましくは光シャッタ(後述す
る光シャッタ39)が設けられる。レーザ30からは直径1
mm程度のコヒーレントな平光光束が出射する。
【0025】レーザ30のヘッドにはビーム・エキスパン
ダ(光束拡大器)31が設けられている。このビーム・エ
キスパンダ31によってレーザ光は直径5mm程度の拡大平
行光となる。
【0026】レーザ30の前方には凹レンズ32および凸レ
ンズ33が設けられている。これらの凹レンズ32および凸
レンズ33のいずれも,レール10に固定されたキャリア20
上のスタンド21に保持されたロッド22に固定されてい
る。
【0027】凹レンズ32はレーザ光の光束を拡大するも
のである。凸レンズ33はその前焦点が凹レンズ32の前焦
点面に合う位置に配置され,凹レンズ32によって拡大さ
れた光束を平行光に変換する。この2つのレンズ32と33
によって光束は例えば約7.5倍の径を持つように拡大さ
れる(光束直径は約37mmとなる)。
【0028】ビーム・エキスパンダ31,凹レンズ32およ
び凸レンズ33によって,レーザ30から出射するレーザ光
の光束を拡大しかつ平行化するビーム整形光が構成され
る。
【0029】光束が拡大されたレーザ光はビーム・スプ
リッタ光学系40に入射する。ビーム・スプリッタ光学系
40は平板41の上に載置されている。この平板41はレール
10に固定されたキャリア20に設けられた支持腕25によっ
て支えられている。
【0030】ビーム・スプリッタ光学系40では光束はハ
ーフミラー(半透明鏡)42によってほぼ等しい光強度の
2つの光束に分けられる。分岐した一方の光束は全反射
ミラー43によって反射し,参照光となる。他方の光束は
全反射ミラー44および45によって反射し,物体光(厳密
には対象物からの反射光または対象物の透過光を物体光
というが,ここでは参照光と区別するために対象物に照
射される前の光も物体光ということにする)となる。参
照光と物体光は互いに平行である。全反射ミラー43,44
および45も平板41上に設けられている。
【0031】ビーム・スプリッタ光学系40の平板41上に
はまた,フィルタ・ホルダ46が設けられている。フィル
タ・ホルダ46には必要に応じて減光フィルタが置かれ
る。減光フィルタは,参照光と物体光の強度がぼぼ等し
くなるように,参照光の光強度を調整して,後述するホ
ログラム記録板上に形成される干渉縞のコントラストを
鮮明にするためのものである。
【0032】このビーム・スプリッタ光学系40の前方に
は,干渉光学系50および現像ボックス70がこの順序で配
置されている。現像ボックス70にはホログラム記録板60
が設けられている。
【0033】この実施例のホログラム作成光学系は対象
物53からの反射光による立体像を得ようとするものであ
る。
【0034】参照光は全反射ミラー55および52で反射し
てホログラム記録板60に当る。物体光は全反射ミラー56
で反射し,さらに対象物53で反射する。対象物の反射光
がホログラム記録板60に当る。参照光と反射物体光とが
ホログラム記録板60の位置で干渉縞をつくる。この干渉
縞がホログラム記録板60に記録される。これがホログラ
ム作成である。
【0035】物体光の光路に透過性の対象物を置き,こ
の対象物の透過光をホログラム記録板60に当てれば透過
光による対象物の立体像を表わすホログラムが得られ
る。すなわち,対象物53の位置に全反射ミラーを置き,
この全反射ミラーと全反射ミラー56またはホログラム記
録板60との間に透過性の対象物を置けばよい。
【0036】全反射ミラー55と56は支持板54上に固定さ
れている。この支持板54もロッド22によって支持され,
ロッド22はレール10に固定されたキャリア20上のスタン
ド21に保持されている。
【0037】全反射ミラー52と対象物53はサンプル・ホ
ルダ51上に置かれている。サンプル・ホルダ51もまた,
レール10上に固定されたキャリア20上のスタンド21に支
持されたロッド22に取付けられている。
【0038】現像ボックス70の前方にはさらに,結像レ
ンズ91およびスクリーン92が配置されている。これらの
結像レンズ91およびスクリーン92もまた,レール10上を
移動自在なキャリア20,スタンド21およびロッド22によ
って支持されている。
【0039】ホログラム作成後,ホログラム記録板60を
現像ボックス70のホログラムを作成したときの位置に置
いたまま,物体光を遮光し,参照光のみをホログラム記
録板60に照射すると,ホログラムが再生される。すなわ
ち,ホログラム記録板60を現像ボックスの反対側から覗
けば対象物のあった位置にその立体像が見える。
【0040】また,ホログラム記録板60を参照光で照射
することによって再生された物体光を結像レンズ91によ
りスクリーン92上に投影すれば,スクリーン92上に再生
像が現われる。
【0041】レーザ30からスクリーン92までの光学要素
を通過または反射する光ビームはこれらの光学要素の高
さを調整することによりレール10と平行にすることがで
きる。
【0042】レール10上の光学系は外部とは全く関係な
く存在する。レール10を防振構造をもつ光学定盤上に置
く必要は全くない。レール10を木製の机の上におき,レ
ール10を数箇所ビニール・テープで固定するだけで良好
なホログラムが得られるほど,レール10上のホログラム
作成光学系は防振効果があり安定している。
【0043】次に,ホログラム記録板60の構造および現
像ボックス70を用いたホログラム作成について説明す
る。
【0044】図5はホログラム記録板の構造を示してい
る。ホログラム記録板60は,透明な支持体61上に,透明
な導電層62,その上に透明な光導電体層63,さらにその
上に透明なプラスチック層64を順次積層状に形成した3
層構造のものである。導電層62の一部(端部)には電極
端子65が設けられている。透明支持体61としてはガラス
板が用いられる。
【0045】透明導電層62としては,酸化インジウム−
酸化スズ(ITO),酸化スズ−酸化アンチモン(AT
O),またはフッ素ドープ酸化スズ(FTO)が一般に
用いられる。
【0046】光導電体層63は,ポリ−N−ビニルカルバ
ゾール,ポリ−N−ビニルカルバゾール誘導体,ポリ−
9−ビニルアントラセン,またはポリ−9−(P−ビニ
ルフェニルアントラセン)を膜厚1〜3μmに塗布する
ことにより形成される。好ましくは,増感剤として 2,
4,7−トリニトロ−9−フルオレノンを重量比約10:1
の割合で混入したポリ−N−ビニルカルバゾールが用い
られる。
【0047】プラスチック層64は,ロジンのエステル,
ロジンの水素添加エステル,重合ロジンのエステル,重
合ロジンの水素添加エステル,またはポリスチレンを厚
さ 0.1〜1μmに塗布することにより形成される。好ま
しくは,プラスチック層材料として部分水素添加ロジン
のグリセリンエステル,部分水素添加ロジンのペンタエ
リスリトールエステル,完全水素添加ロジンのグリセリ
ンエステル,または完全水素添加ロジンのペンタエリス
リトールエステルが用いられる。これらの中で最も高い
回折効率が得られるのは,完全水素添加ロジンのグリセ
リンエステルまたは部分水素添加ロジンのグリセリンエ
ステルである。
【0048】図6および図7は上述したホログラム記録
板60を用いてホログラムを作成する,現像ボックス70を
含むシステムを示している。
【0049】現像ボックス70の一側面が開口している。
この開口を符号71で示す。現像ボックス70の一側面には
開口71の上下の位置にスライド・レール72が設けられて
いる。スライド・レール72に側方からホログラム記録板
60が,プラスチック層64がボックス70の内側を向くよう
に挿入される。ホログラム記録板60は開口71を塞ぐ位置
に位置決めされる。好ましくは,位置決めされたホログ
ラム記録板60をしっかりと固定する固定具を現像ボック
ス70に設けておく。固定具には,たとえば錆びないステ
ンレスの板バネが用いられる。「く」字形の板バネがス
ライド・レール72内に少し突出して設けられる。ホログ
ラム記録板60がスライド・レール72に差し込まれると,
ホログラム記録板60は現像ボックスの内側向きに圧接固
定される。またはつや消しをしたステンレス製の強い板
バネがスライド・レール72の外側の上,下(および必要
なら左,右)に取付けられ,この板バネによってホログ
ラム記録板60が強固に固定される。
【0050】現像ボックス70の開口71がある一側面と対
向する側面も開口され,この開口が透明電極板73によっ
て塞がれている。透明電極板73はガラス板に透明電極層
(上述したITO,ATO,FTOなど)が形成された
ものであり,透明電極層がボックス70の内側にくるよう
に配置される。
【0051】現像ボックス70の上面には溶剤蒸気導入孔
74bがあけられ,下面には吸引孔75があけられている。
導入孔74bの上部には溶剤蒸気導入ボックス74が形成さ
れている。このボックス74の一側壁74aはホログラム記
録板60の方向に向って傾斜している。
【0052】ホログラム作成システムにはまた溶剤蒸気
雰囲気発生装置が設けられている。この溶剤蒸気雰囲気
発生装置は溶剤蒸気溜82とエアポンプ83とを含む。
【0053】溶剤として,沸点20〜 150℃の有機溶剤が
用いられる。大きな回折効率が得られるものは,シクロ
ヘキサン,n−ヘキサンなどの炭化水素,または四塩化
炭素,クロロホルムなどのハロゲン化アルキルである。
これらの中で,回折効率の大きさ,最適な溶剤蒸気作用
時間,環境への影響などの観点から炭化水素系溶剤が適
しており,その中でもシクロヘキサンが最も優れてい
る。
【0054】エアポンプ83からエア導入管85を通して溶
剤蒸気溜82に空気を送り込むと,溶剤蒸気が発生し,こ
の溶剤蒸気は溶剤蒸気導入管86を通して溶剤蒸気導入孔
74から現像ボックス70内に供給される。溶剤蒸気は傾斜
壁74aに沿って流れ,ホログラム記録板60のプラスチッ
ク層64の表面に流れながら均一に当ることになる。
【0055】好ましくは吸引器84が設けられ,吸引管87
を通して現像ボックス70の吸引孔75に接続される。上記
流路に沿って現像ボックス70内に供給された溶剤蒸気は
ホログラム記録板60のプラスチック層64の表面に均一に
当たりながら,吸引器84によって吸引される。最終的に
は現像ボックス70内の溶剤蒸気は吸引器84によって一掃
される。
【0056】高電圧電源81は数kV程度の高電圧を発生
するものである。現像ボックス70内にはホログラム記録
板60と透明電極板73のほぼ中間の位置に,かつそれらの
ほぼ中央の高さ位置に,ホログラム記録板60および透明
電極板73に平行に水平にタングステン・ワイヤ76が張ら
れている。高電圧電源の正側がタングステン・ワイヤ76
に接続され,負側(アース)がホログラム記録板60の透
明導電層62の電極端子65と透明電極板73にそれぞれ接続
されている。
【0057】制御装置80は,エアポンプ83の起動,停止
の制御,吸引器84の起動,停止の制御,高電圧電源81の
高電圧発生タイミングの制御,光シャッタ39の制御を行
うための制御信号を発生するものである。制御装置80は
タイマ回路を含むハードウェア回路,またはマイクロコ
ンピュータおよびそのインターフェイス回路により実現
される。エアポンプ83の動作時間,吸引器84の動作時
間,高電圧発生時間,光シャッタの開放時間はもちろ
ん,任意に調整することができる。
【0058】上述したホログラム作成システムにおける
現像ボックス70以外の各装置(制御装置80,高電圧電源
81,溶剤蒸気溜82,エアポンプ83,吸引器84)は光学系
には含まれないので,レール10上に配置する必要は全く
ない。これらの装置は電気ケーブルまたは配管によって
現像ボックス70に接続されればよい。
【0059】図8は上述したホログラム作成システムお
よび光学系を用いてホログラムを作成する,すなわち撮
影する動作を示している。この動作は制御装置80によっ
て制御される。光シャッタ39は閉じられている。
【0060】溶剤蒸気雰囲気を溶剤蒸気溜82からエアポ
ンプ83で送り出し,現像ボックス70内に供給する。現像
ボックス70内において溶剤蒸気雰囲気はホログラム記録
板60のプラスチック層64に均一に作用し,プラスチック
層64を軟化させる(溶剤作用期間:約30秒程度)。
【0061】溶剤作用期間が終了する少し前の時点から
吸引器84を作動させて現像ボックス70内の溶剤蒸気を排
気する(排気期間:15秒程度)。溶剤蒸気の排気は,溶
剤蒸気の供給を停止したのちも少しの間(約5秒程
度),続ける。溶剤蒸気供給停止後も少しの間溶剤蒸気
の排気を続ける理由は,プラスチック層64上にホログラ
ムを定着させる効果を速くかつ完全にするためである。
溶剤蒸気が現像ボックス70内に残留していると,プラス
チック層64の表面がいつまでも軟化した状態に保たれ,
硬化しないので,プラスチック層64表面の軟化を終えた
溶剤蒸気をできるだけ早く排出する。
【0062】現像ボックス70内の溶剤蒸気を排気したの
ち,タングステン・ワイヤ76とホログラム記録板60の透
明導電層62および透明電極板73との間に高電圧電源81に
より数kVの電圧をかけ,プラスチック層64表面上にコ
ロナ帯電を起こさせる(帯電期間:30〜50秒程度)。タ
ングステン・ワイヤ76は透明導電層62と透明電極板73の
ほぼ中間に設けられているので,プラスチック層64表面
への帯電はほぼ均一になる。
【0063】高電圧の印加と同時に光シャッタを開放し
て,物体光と参照光とをホログラム記録板60のプラスチ
ック層64上に照射し干渉させる(露光期間:10〜30秒程
度)。光導電体層63において,光の当たった場所は導通
するため,電荷の移動が起こり,電荷の吸引作用によっ
てプラスチック層64表面にフロスト変形が生じ,光の強
度に対応した干渉縞が凹凸として記録される。干渉光の
露光終了後も,しばらくの間,高電圧印加を継続する。
【0064】このようにして,ホログラムが撮影され,
かつ記録板60に記録される。
【0065】作成されたホログラムは,再度,溶剤蒸気
を作用させることにより完全に消去(表面の凹凸の消
滅)することができる。ホログラムを消去した記録板に
再び新たに異なった像を記録することもできる。すなわ
ち,ホログラム記録板は繰り返し使用が可能である。
【0066】ホログラムが記録された記録板60を現像ボ
ックス70に装着した状態で上述したように参照光を照射
してホログラムを再生することができる。
【0067】このように,ホログラフィ光学系の中でホ
ログラム記録板をホログラム撮影のために設置したその
位置で現像が行え,かつホログラム再生が行なえる。従
来の写真乾板を用いた方法のように現像のために乾板を
取り外すことなく,その場でホログラムの迅速自動作成
が可能である。またプラスチック層の熱溶融のための高
周波加熱装置のような複雑かつ大型の機構を必要としな
いために装置の小型化が可能である。4μm/cm2 程度
の弱い光(He−Neレーザ)でもホログラムがつくれ
るほど記録板は感度が良い。
【0068】特に現像ボックス70を小型化することが可
能であるから,ホログラム作成光学系の光学要素ととも
に現像ボックス70を1本のレール10上に固定してホログ
ラムの作成と再生とを一挙に行うことができる。
【0069】上述したホログラム作成光学系は,ホログ
ラム記録板を設定した位置でホログラムの記録が可能で
あり(たとえば,写真乾板の場合には,撮影後,乾板を
取出して別の場所で現像する必要がある),実時間ホロ
グラフィ干渉法に用いることができ,物体の振動や歪等
の実時間測定法として有効である。実時間ホログラフィ
干渉法とは,ホログラムに物体光と参照光を当て,参照
光で再生された元の物体像と現在の物体光との干渉を実
時間的で観測する方法である。
【0070】図1および図2に示すような1本のレール
上に設定された光学系はホログラム作成以外に種々の用
途に用いることができる。
【0071】高度技術開発研究用にこの光学系を用いる
ことができる。一例として,サンプル・ホルダ51と現像
ボックス70との間に凸レンズ2枚と物体ホルダ1個を持
つマッチトフィルタ作成用レンズ系を置き,透過型ホロ
グラムをその場でつくれば,そのホログラムはマッチト
フィルタになる。これは物体の形状識別,文字列識別,
実装基板の外観検査など種々の実験に利用され,最新の
光コンピューティング技術の展開が可能になり,この種
の高度技術の開発研究のために有用である。
【0072】簡単な光学実験としては,サンプル・ホル
ダ51上の物体設置場所に全反射ミラーを置き,2つの光
束を現像ボックス70の位置(現像ボックス70は取去る)
で干渉させれば,通常の干渉実験が行える。2つの光束
のうちの1つにピンホールや文字形状等を入れて回折実
験も行える。さらにレンズによる結像実験もこの光学シ
ステム上で簡便に行える。
【0073】上述した光学系によって,ホログラフィ等
の高度技術を一般人が安価にしかも簡便に手中にできる
道が拓かれる。上記光学システムは具体的に高校生,中
学生等の教育用機器として利用でき,大学生,一般技術
者の教育用機器,振動/歪の実時間可視化測定,複数物
体形状/文字列瞬時識別,インテリジェントなロボット
の眼など高度技術開発用機器としても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホログラム作成光学系を示す平面図である。
【図2】ホログラム作成光学系を示す側面図である。
【図3】レールの拡大平面図である。
【図4】レールの拡大断面図である。
【図5】ホログラム記録板を示す断面図である。
【図6】ホログラム作成システムの構成を示す。
【図7】現像ボックスを示す断面図である。
【図8】ホログラム記録動作のタイミング・チャートで
ある。
【符号の説明】
10 レール 20 キャリア 21 ロッド・スタンド 22 ロッド 30 He−Neレーザ 31 ビーム・エキスパンダ 32 凹レンズ 33 凸レンズ 40 ビーム・スプリッタ光学系 50 干渉光学系 60 ホログラム記録板 70 現像ボックス

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源,上記レーザ光源から出射す
    るレーザ光のビーム径を拡大しかつ平行化するビーム整
    形光学系,上記ビーム整形光学系によって整形されたレ
    ーザ光を2つの光ビームに分割するビーム・スプリッタ
    光学系,これらの2つの光ビームをそれぞれ参照光,物
    体光として干渉させる干渉光学系,および上記干渉光学
    系により生じた干渉光をホログラム記録板上に固定する
    ホログラム作成器がそれぞれ別個のキャリア上に固定さ
    れ,これらのキャリアが光学系配置用レールに沿って移
    動自在かつ上記レールに固定可能に設けられているホロ
    グラム作成光学系。
  2. 【請求項2】 上記ホログラム作成器が溶剤蒸気を作用
    させることによりフロスト変形するプラスチック層を備
    えたホログラム記録板を着脱自在に保持する現像ボック
    スである,請求項1に記載のホログラム作成光学系。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のホログラム作成光学系
    にさらに, 上記現像ボックスに支持されたホログラム記録板に高電
    圧を印加する高電圧印加装置,上記現像ボックスに支持
    されたホログラム記録板に作用させる溶剤蒸気を発生
    し,発生した溶剤蒸気を上記現像ボックス内に供給する
    溶剤蒸気発生装置,上記現像ボックス内に供給された溶
    剤蒸気を排出する吸引装置,上記レーザ光源から発生す
    るレーザ光の上記ホログラム記録板への照射を制御する
    光シャッタ装置,ならびに上記ホログラム記録板に溶剤
    蒸気を作用させる溶剤作用期間,溶剤蒸気を上記現像ボ
    ックスから排出する排気期間,レーザ光を上記ホログラ
    ム記録板に照射する露光期間,および高電圧を上記ホロ
    グラム記録板に印加する帯電期間が所定のシーケンスで
    実現するように,上記溶剤蒸気発生装置,上記吸引装
    置,上記光シャッタ装置および上記高電圧印加装置を制
    御する制御装置が設けられてなる,ホログラム記録装
    置。
  4. 【請求項4】 上記制御装置は,上記排気期間が上記溶
    剤作用期間の終了前から開始しかつ上記溶剤作用期間の
    終了後も所定時間の間続き,上記排気期間が終了したの
    ちに上記露光期間および上記帯電期間が開始するように
    制御するものである,請求項3に記載のホログラム記録
    装置。
  5. 【請求項5】 光源を含む複数の光学要素がそれぞれ別
    個のキャリア上に固定され,これらのキャリアが光学系
    配置用レールに沿って移動自在かつ上記レールに固定可
    能に設けられている,光学ユニット。
  6. 【請求項6】 レーザ光源を含む複数の光学要素がそれ
    ぞれ別個のキャリア上に設けられ,これらのキャリアが
    光学系配置用レールに沿って移動自在かつ上記レールに
    固定可能に設けられている,レーザ応用技術実験装置。
  7. 【請求項7】 光学系配置用レールに沿って移動自在か
    つ上記レールに固定可能な複数のキャリアを設け,これ
    らのキャリアに光源を含む複数の光学要素をそれぞれ別
    個に固定する,光学要素の配置方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005292275A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Casio Comput Co Ltd 光学素子保持装置
JP2021041445A (ja) * 2019-09-12 2021-03-18 株式会社ディスコ レーザー加工装置
KR102590621B1 (ko) * 2022-11-15 2023-10-19 한국전자기술연구원 홀로그램 프린터용 홀로그램 필름 홀더

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