JPH09135275A - ディジタル移動通信システムの符号化多値変調方式 - Google Patents

ディジタル移動通信システムの符号化多値変調方式

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JPH09135275A
JPH09135275A JP7291070A JP29107095A JPH09135275A JP H09135275 A JPH09135275 A JP H09135275A JP 7291070 A JP7291070 A JP 7291070A JP 29107095 A JP29107095 A JP 29107095A JP H09135275 A JPH09135275 A JP H09135275A
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modulation
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチパス・フェージングやシャドウイング
等が存在する劣悪な環境下においても大容量の情報を高
信頼性でかつ高速度に無線伝送を可能とする。 【解決手段】 通信中に伝送路状態推定器10において
伝送路の状態を推定し、この伝送路状態の推定結果FS
を基に、畳み込み符号化器32による畳込み符号化に供
さずにそのまま適応多値変調マッピング回路4によるマ
ッピングに供する信号系列数iを速度変換器31で適応
的に可変設定するとともに、上記伝送路状態の推定結果
FSに応じた変調方式を適応多値変調マッピング回路4
で適応的に選択して設定する。そして、このように系列
数が適応的に可変設定されたディジタル信号系列を、上
記適応的に選択設定された変調方式に応じてマッピング
して送信するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ディジタル携帯
電話やディジタル衛星通信などのディジタル移動通信シ
ステムにおいて使用される符号化多値変調方式に関す
る。
【0002】
【従来の技術】無線マルチメディア通信を実現するため
には、音声だけでなくデータ、画像といった大容量の情
報を高信頼度にかつ高速に伝送できる情報伝送方式が必
要不可欠である。特にマルチパス・フェージングやシャ
ドウイング等が発生する劣悪な環境下で伝送を行なう場
合には、その対策が重要な課題となる。
【0003】このような課題を解決するための手法の一
つとして、適応変調方式が挙げられる。この方式は、マ
ルチパス・フェージングやシャドウイング等により伝送
路状態が劣化する場合に、伝送路状態が良好なときには
できるだけ多くの情報を伝送し、反対に伝送路状態が劣
化すると誤り訂正能力を大きくする等して少ない情報を
強く保護する方式である。
【0004】例えば、S.M.Alamouti等はPragmatic Trel
lis Coded Modulation方式を用いた適応MPSK方式を
提案している。この方式は、伝送路の状態を伝送路状態
推定器により推定し、その推定値α(k LT)を情報バッ
ファおよび適応多値変調マッピング回路に与える。そし
て情報バッファにおいて、伝送路状態推定値α(k LT)
により送信すべき情報量を制御し、かつ適応多値変調マ
ッピング回路において上記伝送路状態推定値α(k LT)
に応じて変調多値数を可変して変調を行なう。情報量の
制御および変調多値数の制御は次のように行なう。
【0005】(1)伝送路状態が劣化したとき、つまり
α(k LT)が所定のしきい値μ1 よりも悪いと判断され
たときは、送信すべき情報を1ビットとして符号化率1
/2の畳み込み符号化を行なうとともにインタリーブを
行なう。そして、その出力情報に対し適応多値変調マッ
ピング回路でQPSKマッピングを行なって、その変調
信号を無線送信する。マッピングの方法には、例えば図
7に示すようなダブルーグレー(Double-Gray )マッピ
ング法が用いられる。
【0006】(2)伝送路状態推定値α(k LT)がしき
い値μ1 よりも良好で、かつしきい値μ2 よりも悪い場
合には、送信情報を2ビットとしてそのうちの1ビット
に対し上記(1)の場合と同じく符号化率1/2の畳み
込み符号化およびインタリーブを行なったのち適応多値
変調マッピング回路に入力し、残りのビットは符号化を
行なわずにそのまま適応多値変調マッピング回路に入力
する。そして、適応多値変調マッピング回路において、
上記各入力情報に対し8PSKマッピングを行なってそ
の変調信号を送信する。
【0007】(3)伝送路状態推定値α(k LT)がしき
い値μ2 を越えて状態が良い場合には、送信情報を3ビ
ットとして、そのうちの1ビットに対し(1)の場合と
同じく符号化率1/2の畳み込み符号化とインターリー
ブを行なったのち適応多値変調マッピング回路に入力
し、残りの2ビットは符号化を行なわずそのまま適応多
値変調マッピング回路に入力する。そして、適応多値変
調マッピング回路において、上記3ビットの情報に対し
16PSKマッピングを行なってその変調信号を送信す
る。
【0008】このように、伝送路状態推定値α(k LT)
の値に応じて変調多値数を変化させることにより、伝送
路状態に適した情報量を伝送することができる。この方
式の詳細は、例えばIEEE TRANSACTION
S ON VEHICULAR TECHNOLOGY
の第VT−42巻第6号のS.M.Alamouti,S.Kallel 著の
論文“Adaptive Trellis Coded Multiple-Phase-Shift
Keying for RayleighFading Channels ”に述べられて
いる。
【0009】しかしながら、S.M.Alamouti等の方式で
は、送信できる情報量が変調多値数によって一意に定ま
るため、大容量の情報を伝送するにはその分変調多値数
を多くする必要がある。しかし、マルチパス・フェージ
ングやシャドウイング等が存在するような劣悪な環境下
では、最大限増やせる変調多値数に限界があるという問
題があり、実用に適さない。
【0010】一方、この問題の解決を試みた方式の一つ
に、田中・松嶋によって提案された帯域の拡大を許容し
た符号化多値変調方式がある。この方式は、符号化によ
る冗長成分を帯域の拡大に任意の拡大率で吸収させるも
のであり、帯域拡大率と変調多値数を設定することで比
較的自由に伝送情報を制御することが可能である。この
方式の詳細は、例えばIEICE TRANSACTI
ONS ON FUNDAMENTALS OF EL
ECTRONICS,COMMUNICATIONS
AND COMPUTER SCIENCES 第E7
7−A巻第8号の田中・松嶋著の論文“Performance of
a Modified Symbol-Rate-Increased TC−2mQA
M”に記されている。
【0011】しかし、この方式はシステムを設計する際
に帯域拡大率と変調多値数とを予め設定するものである
ため、一旦設定すると帯域拡大率を変えることができな
い。このため、伝送路の品質劣化に対応することができ
ず、マルチパス・フェージングやシャドウイング等が存
在する劣悪な環境下で大容量の情報を高信頼度かつ高速
で伝送することが求められる無線マルチメディア通信に
は、そのまま適用することができない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来より
提案されている方式は、いずれもマルチパス・フェージ
ングやシャドウイング等が存在する劣悪な環境下で大容
量の情報を無線伝送しようとするシステムにはそのまま
適用することができず、このようなシステムに適した符
号化多値変調方式が望まれていた。
【0013】この発明は上記事情に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、マルチパス・フェージ
ングやシャドウイング等が存在する劣悪な環境下におい
ても大容量の情報を高信頼性でかつ高速度に無線伝送で
きるようにし、無線マルチメディア通信に好適な符号化
多値変調方式を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明は、相手通信装置との間で無線伝送路を介し
て無線伝送を行なっている期間に、相手通信装置からの
受信信号を基に上記無線伝送路の状態を推定し、この伝
送路状態の推定結果に基づいて、送信すべきディジタル
信号系列数mおよび多値変調方式を適応的に可変設定す
る。そして、この制御されたmビットのディジタル信号
系列を、j<mを満足するjビットの信号系列とi<m
−jを満足するiビットの信号系列とに変換し、このう
ちのjビットの信号系列に対して1>r>(m−j−
1)/(m−i)なる符号化率で誤り訂正符号化を行な
ってm−iビットの信号系列を出力し、さらにこのm−
iビットの信号系列および上記iビットの信号系列に対
し、上記選択した多値変調方式に応じたマッピング処理
を行なって2m値変調信号を出力するようにしたもので
ある。
【0015】またこの発明は、上記誤り訂正符号化手段
において、jビットの信号系列に対して1>r>(m−
i−1)/(m−i)なる符号化率で畳み込み符号化を
行なった後、インタリーブを行なうことを特徴とする。
【0016】さらに、適応多値変調マッピング手段にお
いて、ダブル−グレーマッピング法に従ってマッピング
処理を行なうことも特徴とする。したがってこの発明に
よれば、無線伝送中において、その伝送路の状態の変化
に応じて、送信すべきディジタル信号系列数mおよび多
値変調方式がそれぞれ適応的に可変設定され、この可変
設定された信号系列数および変調方式により伝送データ
が符号化多値変調されて無線送信される。すなわち、伝
送路状態の推定結果に基づいて、伝送情報量および変調
方式が適応的に切り替えられることになる。このため、
マルチパス・フェージングやシャドウイング等が存在す
る劣悪な環境下で無線伝送を行なう場合でも、大容量の
情報を高信頼性でかつ高速度に無線伝送を行なうことが
可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係わる符号化
多値変調方式を適用したディジタル無線通信装置の送受
信機部の一実施の形態を示す回路ブロック図である。同
図において、図示しない信号処理部から出力された情報
ビット列は、情報バッファ1を介して符号化・変調部2
に入力される。この符号化・変調部2はトレリス符号化
器・インタリーバ3および適応多値変調マッピング回路
4を備え、これらの回路3,4において上記入力情報ビ
ット列に対しそれぞれ誤り訂正符号化とインタリーブ、
および多値変調マッピングが行なわれ、これにより符号
化多値変調信号が生成される。そして、この符号化多値
変調信号は無線送信回路5に入力され、この無線送信回
路5で無線チャネル周波数に周波数変換されかつ所定の
送信電力に増幅されたのち、図示しないアンテナに供給
されてこのアンテナから無線伝送路へ向け送信される。
【0018】これに対し無線伝送路を介して伝送された
無線信号は、図示しないアンテナおよび受信回路で受信
されさらに中間周波数またはベースバンド周波数に周波
数変換されたのち復調器6に入力される。復調器6では
上記受信信号の復調処理が行なわれる。復調信号は、デ
インタリーバ7でデインタリーブされたのちトレリス復
号器8で復号処理され、しかるのちデータ整列回路7で
原情報ビット列に整列し直されて図示しない信号処理回
路に供給される。
【0019】ところで、上記復調器6は受信信号の振幅
値を検出するための振幅検出部を有しており、この振幅
検出部で検出された受信振幅値ISは伝送路状態推定器
10に入力される。伝送路状態推定器10は、上記受信
振幅値ISに基づいて無線伝送路の伝送路状態を推定す
る。このとき、無線伝送方式として上り伝送路と下り伝
送路とを同一周波数上で時分割多重して伝送するTDD
(time division duplex)方式を採用している場合に
は、下り伝送路を介して到来した受信信号の振幅値を検
出することで、上り伝送路の伝送路状態を高精度に推定
することが可能である。伝送路状態推定器10により得
られた伝送路状態推定値FSは、上記情報バッファ1、
トレリス符号化器・インタリーバ3および適応多値変調
マッピング回路4にそれぞれ供給される。
【0020】情報バッファ1は、上記伝送路状態推定値
FSに基づいて、送信すべき情報のビット数mを設定
し、mR0 [bps] の伝送速度を有するディジタル信号系
列を出力する。
【0021】トレリス符号化器・インタリーバ3は、図
2に示すごとく速度変換器31と、畳み込み符号化器3
2と、インタリーバ33とから構成される。このうち先
ず速度変換器31は、上記mR0 [bps] のディジタル信
号系列を、R1 [bps] の速度を有するjビット(j<
m)の信号系列b1 〜bj と、R2 [bps] の速度を有す
るiビット(i<m−j)の信号系列a1 〜ai とに変
換する。そして、信号系列a1 〜ai を適応多値変調マ
ッピング回路4にそのまま供給し、一方信号系列b1 〜
bj を畳み込み符号化器32に供給する。なお、iの値
は伝送路状態推定器10から供給された伝送路状態推定
値FSに基づいて可変設定される。
【0022】畳み込み符号化器32は、上記速度変換器
31から出力された信号系列b1 〜bj に対し予め定め
られた符号化率rの畳み込み符号化を行なう。ここで符
号化率rは、次式に示す条件を満たすように設定され
る。
【0023】
【数1】
【0024】畳み込み符号化器32により畳み込み符号
化された信号系列ci+1 〜cm は、インタリーバ33で
インタリーブされて信号系列di+1 〜dm となったの
ち、適応多値変調マッピング回路4に入力される。
【0025】適応多値変調マッピング回路4は、上記伝
送路状態推定器10から供給された伝送路状態推定値F
Sに基づいて変調方式を適応的に設定し、上記入力され
た信号系列a1 〜ai および信号系列di+1 〜dm に対
し、上記設定した変調方式に応じたマッピング処理を行
なう。そして、mR2 [bps] の速度を有する2m値変調
信号を出力する。
【0026】ここで、信号速度R0 ,R1 ,R2 の関係
は次のように表わされる。すなわち、R1 [bps] の速度
を持つjビットの信号系列b1 〜bj は畳み込み符号化
によってR2 [bps] の速度を持つiビットの信号系列c
i+1 〜cm に変換されることから、
【0027】
【数2】 が成り立つ。また、速度変換器31への入力データの速
度と、速度変換後の各信号系列a1〜ai ,b1 〜bj
の速度との和は等しいことから、
【0028】
【数3】 が成り立つ。したがって、上記第(2)式および第
(3)式よりR1 ,R2 はそれぞれ
【0029】
【数4】 のように表される。また、このとき帯域拡大率は、
【0030】
【数5】 となる。
【0031】次に、以上のように構成された装置の動作
を具体例を用いて説明する。この例は、畳み込み符号化
器32における符号化率rをr=3/4に設定し、畳み
込み符号化に供する信号系列数jをj=1に、また適応
多値変調マッピング回路4にそのまま供給する信号系列
数iを伝送路状態推定値FSに基づいて0,1,2の中
から選択して設定する場合である。
【0032】通信中において、伝送路状態推定器10で
は受信信号の振幅値ISを基に無線伝送路の状態の推定
値SNR,βが求められる。そして、推定値βが予め設
定されたしきい値μ1 ,μ2 と比較され、その比較結果
が伝送路状態推定値FSとして速度変換器31および適
応多値変調マッピング回路4に供給される。
【0033】速度変換器31には図4に示すような対応
テーブルが予め記憶してあり、速度変換器31は上記伝
送路状態推定値FSが供給されると、上記対応テーブル
を用いて現在の伝送路状態に応じた信号系列数iを選択
する。例えば、いま伝送路状態推定値FSが β>μ2 であれば、伝送路状態は良好であるためi=2を選択す
る。
【0034】また適応多値変調マッピング回路4にも上
記図4に示した対応テーブルが記憶してあり、適応多値
変調マッピング回路4はこの対応テーブルを用いて現在
の伝送路状態に応じた変調方式を選択する。例えば、上
記したように伝送路状態推定値FSがβ>μ2 であれば
16PSKを選択する。
【0035】したがって、伝送路状態が良好なときに
は、図3に示すように速度変換器31からは2系統の信
号系列a1 ,a2 および1系統の信号系列b1 がそれぞ
れ出力され、このうちの1つの信号系列b1 が畳込み符
号化器32で畳込み符号化されたのちインタリーブされ
る。そして、この畳込み符号化およびインタリーブによ
り得られた信号系列d3 ,d4 と、上記速度変換器31
から出力された他の2ビットの信号系列a1 ,a2 と
が、適応多値変調マッピング回路4において16PSK
方式に応じてマッピングされたのち送信される。
【0036】したがって、このときの周波数利用効率
は、符号化率r=3/4の畳み込み符号化器32で符号
化された信号系列と、符号化が行なわれない2ビットの
信号系列a1 ,a2 を送信することになるため、3.5
[bit/sec/Hz]となる。
【0037】また、伝送路状態が多少劣化して伝送路状
態推定値FSが μ1 <β<μ2 になったとすると、速度変換器31ではi=1が選択さ
れる。また適応多値変調マッピング回路4では、上記μ
1 <β<μ2 に対応する変調方式として8PSK方式が
選択される。
【0038】したがって、伝送路状態が多少劣化してい
るときには、速度変換器31からは1系統の信号系列a
1 および1系統の信号系列b1がそれぞれ出力され、こ
のうちの1つの信号系列b1 が畳込み符号化器32で畳
込み符号化されたのちインタリーブされる。そして、こ
の畳込み符号化およびインタリーブにより得られた信号
系列d3 ,d4 と、上記速度変換器31から出力された
他の1ビットの信号系列a1 とが、適応多値変調マッピ
ング回路4において8PSK方式に応じてマッピングさ
れたのち送信される。
【0039】したがって、このときの周波数利用効率
は、符号化率r=3/4の畳み込み符号化器32で符号
化された信号系列と、符号化が行なわれない1ビットの
信号系列a1 を送信することになるため、2.5[bit/s
ec/Hz]となる。
【0040】一方、強いマルチパスフェージング等が発
生して、これにより伝送路状態が著しく劣化したとす
る。そうすると伝送路状態推定器10の伝送路状態推定
値FSは β<μ1 となる。このため、速度変換器31ではi=1が選択さ
れ、また適応多値変調マッピング回路4では上記β<μ
1 に対応する変調方式としてQPSK方式が選択され
る。
【0041】したがって、伝送路状態が著しく劣化して
いるときには、速度変換器31からは畳込み符号化に供
する信号系列b1 のみが出力される。そして、この1系
列の信号系列b1 は畳込み符号化器32で畳込み符号化
されたのちインタリーブされ、さらに適応多値変調マッ
ピング回路4でQPSK方式に応じてマッピングされた
のち送信される。したがって、このときの周波数利用効
率は、符号化率r=3/4の畳み込み符号化器32で符
号化された信号系列のみが送信されることから、1.5
[bit/sec/Hz]となる。
【0042】以上のようにこの実施の形態では、通信中
に伝送路状態推定器10において伝送路の状態を継続的
に推定し、この伝送路状態の推定結果FSを基に、畳込
み符号化に供さずにそのままマッピングに供する信号系
列数iを速度変換器31で適応的に可変設定するととも
に、上記伝送路状態の推定結果FSに応じた変調方式を
適応多値変調マッピング回路4で適応的に選択して設定
する。そして、このように系列数が適応的に可変設定さ
れたディジタル信号系列を、上記適応的に選択設定され
た変調方式に応じてマッピングして送信するようにして
いる。
【0043】したがってこの実施の形態によれば、伝送
路状態の推定結果に応じて、伝送路状態が良好なときに
は変調多値数の多い16PSKあるいは8PSK等の変
調方式を用いて伝送情報が送信され、一方伝送路状態が
フェージングなどにより劣化したときにはQPSK等の
ように比較的変調多値数の少ない変調方式を用いて伝送
情報が送信されることになる。このため、マルチパス・
フェージングやシャドウイング等が存在する劣悪な環境
下であっても、高い周波数利用率で情報を無線伝送する
ことが可能となり、これにより無線マルチメディア通信
にも十分に適用することができる。
【0044】この実施の形態による効果を従来方式と比
較して表わすと次のようになる。すなわち、いま例えば
伝送路状態推定値βを所定のタイミングにおける瞬時S
NRとすると、βは次式で表わすことができる。
【0045】
【数6】 但し、αはレイリーフェージングの振幅成分を表わし、
【0046】
【数7】 であるとする。上記第(7)式より、図4に示した対応
テーブルのβとiとの関係をαを用いて書き直すと、図
5のようになる。この図5より、
【0047】
【数8】 で求められる。但し、
【0048】
【数9】 で表わされる。
【0049】なお、平均周波数利用効率とは1Hz1s
ec当りに伝送できるビット数を表わすものである。図
6は、上記第(9)式および第(10)式を用いてこの
発明の平均周波数利用効率を具体的に計算し、同じ条件
の元で計算した従来方式と比較して示した特性図であ
る。同図において、Aがこの発明による特性を示すもの
であり、図示するごとく従来方式を示したBに比べて高
い周波数利用効率が得られることがわかる。
【0050】なお、この発明は上記実施の形態に限定さ
れるものではない。例えば、上記実施の形態では伝送路
状態の推定を復調器6にて得られる受信信号の振幅値を
基に行なったが、トレリス復号器8において得られるビ
ット誤り率BERを基に伝送路状態を推定するようにし
てもよい。
【0051】また、上記実施の形態では畳み込み符号化
器32の符号化率rをr=3/4に設定した場合につい
て述べたが、符号化率rは第(1)式に示した範囲内で
任意に設定することが可能であり、システム要求に応じ
て任意に設定すればよい。この符号化率rを可変するこ
とにより帯域拡大率を容易に可変することが可能であ
る。
【0052】さらに、多値変調方式としてはPSK方式
の他に例えばQAM方式を適用してもよく、その他誤り
訂正符号化方式や伝送路状態の推定方式等についても、
この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可
能である。また、この発明は、ディジタル携帯電話シス
テムなどの地上無線通信システム以外に、例えば低軌道
上を周回する通信衛星を介して地球局間で通信を行なう
衛星通信システムで使用されるディジタル無線通信装置
に適用してもよい。
【0053】さらに、符号化率1>r>(m−i−1)
/(m−i)を満たす畳み込み符号化器を実現する手段
としては、符号化率(m−i−1)/(m−i)の畳み
込み符号化器にパンクチャド符号を用いたものが考えら
れる。
【0054】さらに、マッピングを実現する手段として
は、Double-Gray マッピング以外に、セット・パーティ
ショニングに基づくマッピングや、Sectorized-Gray マ
ッピングに基づくマッピングが適用可能である。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明では、無線
伝送中に、相手通信装置からの受信信号を基に上記無線
伝送路の状態を推定し、この伝送路状態の推定結果に基
づいて、送信すべきディジタル信号系列数mおよび多値
変調方式を適応的に可変設定し、この適応的に可変設定
されたディジタル信号系列数mおよび多値変調方式によ
り情報を符号化多値変調して無線伝送するようにしたこ
とによって、マルチパス・フェージングやシャドウイン
グ等が存在する劣悪な環境下においても大容量の情報を
高信頼性でかつ高速度に無線伝送することができ、これ
により無線マルチメディア通信に好適な符号化多値変調
方式を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる符号化多値変調方式を適用し
たディジタル無線通信装置の送受信機部の一実施の形態
を示す回路ブロック図。
【図2】図2に示した装置の要部構成を示す回路ブロッ
ク図。
【図3】図2に示した装置の具体的動作例を示す回路ブ
ロック図。
【図4】伝送路状態推定値と信号系列数i、変調方式お
よび周波数利用効率との対応関係を表わした図。
【図5】伝送路状態推定値と信号系列数i、変調方式お
よび周波数利用効率との対応関係の他の例を表わした
図。
【図6】この実施の形態の方式による効果を従来方式と
比較して示した図。
【図7】ダブルグレーコードのコンスタレーションを示
した図。
【符号の説明】
1…情報バッファ 2…符号化・変調部 3…トレリス符号化・インタリーバ 4…適応多値変調マッピング回路 5…無線送信回路 6…復調器 7…デインタリーバ 8…トレリス復号器 9…データ整列回路 10…伝送路状態推定器 31…速度変換器 32…畳み込み符号化器 33…インタリーバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04L 27/34 H04L 27/00 E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 mビットのディジタル信号系列に対して
    m個の信号点を割り当て、その中の1点を変調信号と
    して出力する符号化多値変調方式において、 相手通信装置との間で無線伝送路を介して無線伝送を行
    なっている期間に、相手通信装置からの受信信号を基に
    前記無線伝送路の状態を推定するための伝送路状態推定
    手段と、 この伝送路状態推定器により得られた伝送路状態の推定
    結果に基づいて、送信すべきディジタル信号系列数mを
    適応的に可変制御するための系列数制御手段と、 この系列数制御手段により制御されたmビットのディジ
    タル信号系列を、j<mを満足するjビットの信号系列
    とi<m−jを満足するiビットの信号系列とに変換
    し、このうちのjビットの信号系列に対して1>r>
    (m−i−1)/(m−i)なる符号化率で誤り訂正符
    号化を行なってm−iビットの信号系列を出力する誤り
    訂正符号化手段と、 前記伝送路状態推定器により得られた伝送路状態の推定
    結果に基づいて適応的に変調方式を選択し、前記誤り訂
    正符号化手段から出力されたm−iビットの信号系列お
    よび前記iビットの信号系列に対し、前記選択した変調
    方式に応じたマッピング処理を行なって2m値変調信号
    を出力するための適応多値変調マッピング手段とを具備
    したことを特徴とするディジタル移動通信システムの符
    号化多値変調方式。
  2. 【請求項2】 誤り訂正符号化手段は、jビットの信号
    系列に対して1>r>(m−i−1)/(m−i)なる
    符号化率で畳み込み符号化を行なった後、インタリーブ
    を行なうことを特徴とする請求項1記載のディジタル移
    動通信システムの符号化多値変調方式。
  3. 【請求項3】 適応多値変調マッピング手段は、ダブル
    −グレーマッピング法に従ってマッピング処理を行なう
    ことを特徴とする請求項1記載のディジタル移動通信シ
    ステムの符号化多値変調方式。
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