JPH09126238A - 磁気軸受の制御装置 - Google Patents

磁気軸受の制御装置

Info

Publication number
JPH09126238A
JPH09126238A JP30342895A JP30342895A JPH09126238A JP H09126238 A JPH09126238 A JP H09126238A JP 30342895 A JP30342895 A JP 30342895A JP 30342895 A JP30342895 A JP 30342895A JP H09126238 A JPH09126238 A JP H09126238A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
displacement
rotating body
electromagnet
disturbance
observer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP30342895A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2835943B2 (ja
Inventor
Hiroki Den
宏奇 田
Kenzo Nonami
健蔵 野波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Seiki KK
Original Assignee
Seiko Seiki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Seiki KK filed Critical Seiko Seiki KK
Priority to JP7303428A priority Critical patent/JP2835943B2/ja
Publication of JPH09126238A publication Critical patent/JPH09126238A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2835943B2 publication Critical patent/JP2835943B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C32/00Bearings not otherwise provided for
    • F16C32/04Bearings not otherwise provided for using magnetic or electric supporting means
    • F16C32/0406Magnetic bearings
    • F16C32/044Active magnetic bearings
    • F16C32/0444Details of devices to control the actuation of the electromagnets
    • F16C32/0451Details of controllers, i.e. the units determining the power to be supplied, e.g. comparing elements, feedback arrangements with P.I.D. control

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パラメータ変動に対するロバスト性能の向
上、不釣り合い外乱などの外乱の抑制の向上、および非
線形特性に対する頑強性の向上を図ること。 【解決手段】 比較部22は、変位センサ4、5の検出
変位を目標値Rと比較して各偏差を求め、積分部23そ
の偏差を積分する。VSSオブザーバ21は、VSCコ
ントローラ25からの出力信号uと変位センサ4、5の
各検出変位Yに基づき、回転体1の観測不可能な位置の
変位などを推定する。加算部24は、積分部23の出力
とVSSオブザーバ24の推定値の加算を行う。VSC
コントローラ25の線形処理部25Aは、加算器24の
出力に線形的な利得を与え、非線形処理部25Bはその
加算結果に非線形的な利得を与え、両者が加算部25C
で加算されてアンプ27に供給される。アンプ27は、
加算部26からの信号に応じて電磁石2、3を駆動させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気軸受の制御装
置に関し、特に非線形ロバスト制御理論の代表であるス
ライディングモード制御理論を適用した磁気軸受の制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】回転体を磁気的な力で完全非接触で支持
する磁気軸受は、本来不安定なシステムである。このた
め、従来の磁気軸受の制御装置としては、図13から図
15に示すものが知られている。
【0003】図13に示す制御装置は、回転体1を磁気
的に支持する電磁石2、3を単独で分散的にPID制御
するものである。この制御装置では、電磁石2、3の近
傍に、回転体1の半径方向における変位を検出する変位
センサ4、5がそれぞれ配置されている。そして、変位
センサ4の検出変位がPIDコントローラ6に供給され
ると、PIDコントローラ6はその検出変位を目標値と
比較し、両者が一致するような信号をアンプ7に供給す
る。これにより、アンプ7は回転体1が目標位置にくる
ように電磁石2を駆動する。同様に、変位センサ5の検
出変位がPIDコントローラ8に供給されると、PID
コントローラ8はその検出変位を目標値と比較し、両者
が一致するような信号をアンプ9に供給する。これによ
り、アンプ9は回転体1が目標位置にくるように電磁石
3を駆動する。
【0004】図14に示す制御装置は、回転体1重心の
各軸方向の運動を分解してパラレル運動とコニカル運動
に対してPID制御するものである。この制御装置で
は、変位センサ4と変位センサ5の各検出変位は、加算
器10で加算されるとともに、減算器11で減算され
る。加算器10の出力はトランスレーション12に供給
され、トランスレーション12の出力はアンプ13とア
ンプ14にそれぞれ供給される。また、減算器11の出
力はティルティング15に供給され、ティルティング1
5の出力はアンプ13に直接供給されるとともに、イン
バータ16を介してアンプ14に供給される。これによ
り、アンプ13、14は、対応する電磁石2、3を駆動
させて、回転体1が目標位置にくるように制御させる。
【0005】図15に示す制御装置は、現代制御理論に
よる状態フィードバックにより線型制御を行うものであ
り、集中型のものである。この制御装置では、制御対象
である回転体1の変位を変位センサ2、3で検出すると
ともに、この検出変位Xと目標値Rと比較して偏差Eを
求め、この偏差Eを打ち消すように線形コントローラが
電磁石4、5を制御するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
制御装置では、以下のような問題点がある。 (1)磁気による浮上対象である回転体は、本来フレキ
シブルであり、多くの弾性モードを有している。この高
次弾性モードが従来の各制御装置では、スピルオーバ不
安定を誘発する。 (2)磁気軸受のパラメータ変動や負荷を予め正確に知
らなければ、図15に示すような制御装置の線形コント
ローラによる補償は、安定な浮上位置を維持する制御が
困難を伴う場合がある。 (3)図13に示す分散型制御の場合は、ジャイロ効果
や回転慣性によって固有振動数の変動が生じ、このよう
なパラメータ変動には対処しにくい。 (4)磁気軸受に対する大きな不釣り合い力や負荷力な
どの外乱を抑制することが困難である。
【0007】そこで、本発明の目的は、パラメータ変動
に対するロバスト性能の向上、不釣り合い外乱などの外
乱の抑制の向上、および非線形特性に対する頑強性の向
上を図るようにした磁気軸受の制御装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、回転体を磁気的に支持する電磁石と、この電磁石を
駆動する電磁石駆動手段と、前記回転体の半径方向の変
位を検出するセンサと、前記電磁石駆動手段の入力と前
記センサの検出変位とに基いて、前記回転体の任意の位
置の変位を推定するVSS(Variable Str
ucture System、可変構造システム)オブ
ザーバと、前記センサの検出変位を基準値と比較して両
者の偏差を求める比較手段と、この比較手段の求めた偏
差および前記VSSオブザーバの推定変位に基いて、前
記電磁石を調節する信号として予め定めた線形的な利得
と非線形的な利得を求めて両者を加算するVSC(Va
riable Structure Cntrol、可
変構造制御)コントローラとを備え、このVSCコント
ローラの出力信号を前記電磁石駆動手段に供給するよう
にし、前記目的を達成する。
【0009】請求項2記載の発明では、回転体を磁気的
に支持する電磁石と、この電磁石を駆動する電磁石駆動
手段と、前記回転体の半径方向の変位を検出するセンサ
と、前記電磁石駆動手段の入力信号と前記センサの検出
変位とに基いて、前記回転体の任意の位置の変位、およ
び前記回転体に作用する外乱を推定するVSS(Var
iable Structure System)外乱
型オブザーバと、このVSS外乱型オブザーバの推定外
乱に対して所定の係数を掛ける係数手段と、前記センサ
の検出変位を基準値と比較して両者の偏差を求める比較
手段と、この比較手段の求めた偏差および前記VSS外
乱型オブザーバの推定変位に基いて、前記電磁石を調節
する信号として予め定めた線形的な利得と非線形的な利
得を求めて両者を加算するVSC(Variable
Structure Cntrol)コントローラと、
このVSCコントローラの求めた信号と前記係数手段か
らの出力信号とを加算する加算手段とを備え、この加算
手段の出力信号を前記電磁石駆動手段に供給するように
し、前記目的を達成する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1ないし図8を参照して詳細に説明する。なお、
本明細書において、状態ベクトルなどを表現する場合に
一般に文字の上にドットを付して使用するが、このドッ
トの代わりに記号『』を使用し、例えばxf ドットとい
う表記を『xf 』のように表現するものとする。また、
文字の上にバーを付す場合には、このバーの代わりに記
号「‘ ’」を使用してxd バーという表記を‘xd
のように表現するものとする。さらに、推定値であるこ
とを示す場合の記号としては、一般に使用されるハット
の記号の代わりに「“ ”」を使用し、xd の推定値は
“xd ”のように表現するものとする。また、数式の説
明においては、運動方程式などを表現するために使用す
る1回微分の記号には「′」を使用してq′のように表
現し、同2回微分の記号には「″」を使用してq″のよ
うに表現するものとする。なお、図面の表現について
は、特に断りがない限り、一般的な表示方法をとるもの
とする。図1は、本発明の第1の実施の形態である磁気
軸受の制御装置の制御系のブロック線図を表したもので
ある。図2は、この磁気軸受の概略構成と変位センサの
配置例を示す。この第1の実施の形態の制御装置は、非
線形ロバスト制御の代表としてスライディングモード制
御理論(Sliding Mode Control
Theory)を用いて、サーボ型スライディングモー
ド制御系を構成するものである。
【0011】この制御系の制御対象は、図2に示すよう
に、磁気軸受を形成する電磁石2、3に磁気的に支持さ
れる回転体1である。そして、この回転体1は弾性ロー
タとしてモデル化するために、軸方向にn個(ここでは
13個)に分割させ、分割位置「5」と「11」に電磁
石2、3を配置させ、分割位置「4」と「12」に回転
体1の半径方向の変位を検出する変位センサ4、5を配
置させている。この制御系は、図1および図2に示すよ
うに、変位センサ4、5、VSS(Variable
Structure System)オブザーバ21、
比較部22、積分部23、加算部24、VSC(Var
iable Structure Cntrol:可変
構造制御)コントローラ25、加算部26、アンプ2
7、および電磁石2、3から構成される。
【0012】VSSオブザーバ21は、VSCコントロ
ーラ25からの出力信号uと変位センサ4、5からの各
検出変位Yとに基づき、直接観測できない回転体1の分
割位置「1」から「13」における各モード変位やその
速度を推定し、その推定値を“x”とする(図1および
図2参照)。なお、上記の表記「“ ”」は、推定値を
表現する一般的な表記であるハットの代わりに以後使用
するものとし、図面では一般的な表記を使用するものと
する。比較部22は、変位センサ4、5の各検出変位Y
を、この検出変位Yに対応してあらかじめ設定されてい
る目標値Rと比較し、その各偏差を求める。積分部23
は、比較部が求めた各偏差を積分して加算部24に出力
する。加算部24は、積分部23から出力される積分さ
れた各偏差と、VSSオブザーバ21の推定値“x”と
の加算を行う。
【0013】VSCコントローラ25は、線形処理部2
5A、非線形処理部25B、および加算部25Cから構
成される。線形処理部25Aは、加算器24の加算結果
に対してあらかじめ定めてある線形的(比例的)な利得
を与えるとともに、非線形処理部25Bはその加算結果
に対してあらかじめ定めてある非線形的な(比例的でな
い)利得を与える。加算部25Cは、線形処理部25A
で線形処理された値ul と、非線形処理部25Bで非線
形処理された値unlとを加算する。加算部26は、加算
部25Cの加算結果に外乱Eを加算させる。外乱Eは、
電磁石2、3の駆動の変化などによるものである。アン
プ27は、加算器26からの信号に応じて電磁石2、3
を駆動させる。
【0014】次に、このように構成される第1の実施の
形態の動作について説明する。いま、変位センサ4、5
の各検出変位Yが比較部22に入力されると、比較部2
2は、その検出変位Yに対応してあらかじめ設定されて
いる目標値Rと比較し、その各偏差を求める。この各偏
差は、積分部23に入力されて積分されたのち、加算部
24に供給される。一方、VSSオブザーバ21は、V
SCコントローラ25からの出力信号uと変位センサ
4、5からの各検出変位Yとに基づき、観測できない回
転体1の分割位置「1」から「13」における各モード
変位やその速度を推定し、その推定値を“x”とする。
このように推定された推定値“x”は、加算部24に供
給される。
【0015】加算部24では、積分部23から出力され
る積分された各偏差と、VSSオブザーバ24からの推
定値“x”との加算を行う。加算部24の加算結果は、
VSCコントローラ25の線形処理部25Aと非線形処
理部25Bとにそれぞれ供給される。VSCコントロー
ラ25の線形処理部25Aは、加算器24の加算結果に
対してあらかじめ定めてある線形的な利得を与えるとと
もに、非線形処理部25Bはその加算結果に対してあら
かじめ定めてある非線形的な利得を与える。このように
して、線形処理部25Aで線形処理された値ul と、非
線形処理部25Bで非線形処理された値unlとは、加算
部25Cで加算される。
【0016】加算部25Cの出力は、次段の加算部26
に供給され、ここで外乱Eが加算されたのちアンプ27
に供給される。アンプ27は、加算部26からの信号に
応じて電磁石2、3を駆動させる。これにより、制御対
象である回転体1は、目標位置である磁気軸受の中央に
くるように制御される。
【0017】上記のVSSオブザーバ21の具体的な構
成は、図3に示すようなブロック図で示される。このV
SSオブザーバ21の基本原理については、一般に知ら
れているので、その詳細な説明を省略する。
【0018】次に、第1の実施の形態である制御装置の
設計手順について、以下にその概要を説明する。 (1)制御対象のモデリングおよびその低次元化 これは、回転体1を弾性ロータとして取扱い、所定の条
件の下で状態方程式と出力方程式を導く作業である。な
お、低次元化モデルの構築に対しては、2つの剛性モー
ドを安定化させ、低次の弾性曲げモードの振動を制御す
るという立場で考える。 (2)VSSオブザーバの設計 この磁気軸受の制御系は、2個の変位センサ4、5によ
り、回転体1の変位を直接測定する出力フィードバック
系になっている。そのために、制御対象である回転体1
の観測できない状態量(回転体1のモード変位とその速
度など)を推定するために必要な設計である。 (3)サーボ系超平面の設計 この発明に適用されるスライディングモード制御は、状
態空間内に設計した超平面(切換面)と呼ばれる面を境
として、フィードバックゲインの切換えまたは制御入力
の切換えを行うことによって、状態を超平面に拘束して
理想とする制御特性を得る制御系のことである。従っ
て、超平面の設計が重要である。
【0019】(4)VSCコントローラの設計 スライディングモード制御系(可変構造制御系)は、適
応的な可変ゲインを有する閉ループ系とみなせる。適応
的な可変ゲインからなる制御入力は、別の表現をすれ
ば、2つの制御入力からなると考えることができる。す
なわち、従来の線形制御入力と、これにスライディング
モード制御特有の新たに付加された切換を伴う非線形制
御入力からなっている。この非線形制御入力がある分だ
け、閉ループは適応性を有することになり、かつロバス
トになっているということができる。この非線形制御入
力により、状態を最短に超平面に到達させたり、超平面
上に状態を拘束し、原点に滑らせるモードを実現でき
る。従って、VSCコントローラの設計には、チャタリ
ングを極力抑えかつ素早く超平面に拘束する非線形入力
を確定する必要がある。
【0020】(5)制御アルゴリズムの生成およびDS
Pへの実装 上記で設計されるVSSオブザーバやVSCコントロー
ラは、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)により実
現されるため、その制御アルゴリズムを作成する。 (6)制御の実行 後述するように、図4に示すような制御装置に具体化す
ることにより、制御を実行させる。
【0021】次に、このような手順で設計された制御装
置の具体的な構成について、図4を参照して説明する。
この制御装置は5軸制御形磁気軸受であり、回転体1が
モータ(図示せず)の両側にあるラジアル軸受41、4
2と、回転体1の左端にあるスラスト軸受43によって
支持されている。ラジアル軸受41、42は直角2方向
で制御され、スラスト軸受43は軸方向のみ制御される
構造になっている。変位センサ4、5は、ラジアル軸受
41、42から回転体1までの正確な変位を得るため
に、軸受けの近傍に設けられている。
【0022】また、この制御装置は、図1におけるVS
Sオブザーバ21、比較部22、積分部23、加算部2
4、VSCコントローラ25の機能をDSP(デジタル
シグナルプロセッサ)44により実現するものであり、
DSP44はホストコンピュータ45との間で高速のデ
ータ処理ができるように構成される。このDSP44の
入力側にはA−D変換器46が接続され、DSP44の
出力側にはD−A変換器47が接続されている。D−A
変換器47の出力とバイアス電流供給回路48の出力に
よりパワーアンプ49が駆動されるように構成されてい
る。このような構成によれば、変位センサ4、5の検出
変位がA−D変換器46によりA−D変換されてDSP
44に取り込まれと、DSP44は所定の演算により制
御入力を求める。この求められた制御入力は、D−A変
換器47でD−A変換されてパワーアンプ49に供給さ
れ、パワーアンプ49はラジアル軸受41、42を構成
する電磁石を駆動させる。
【0023】次に、本発明の第2の実施の形態における
磁気軸受の制御装置について説明する。この制御装置
は、図5に示すように、制御対象の外乱Fを推定するV
SS外乱型オブザーバ31を設け、このVSS外乱型オ
ブザーバ31の推定した外乱“F”により制御対象の外
乱F(回転体1の負荷変動など)による影響を除去する
信号を作成する係数部32を設けるとともに、外乱Eに
よる影響を除去する信号を作成する機能をVSCコント
ローラ33に持たせるようにしたものである。なお、他
の構成については、第1の実施の形態と同様であるの
で、同一符号を付してその説明の詳述はしない。
【0024】VSS外乱型オブザーバ31は、VSCコ
ントローラ33からの出力信号uと変位センサ4、5か
らの各検出変位Yとに基づき、回転体1の分割位置
「1」から「13」における各モード変位やその速度を
所定の手順で推定するとともに(図2参照)、外乱を所
定の手順で推定する。そして、その推定した変位や速度
の推定値を“x”とし、その推定した外乱を“F”とす
る。係数部32は、VSS外乱型オブザーバ31の推定
した外乱“F”により制御対象の外乱Fによる影響を除
去する信号を作成するために、推定外乱に所定の係数を
掛ける。VSCコントローラ33は、線形処理部33
A、非線形処理部33B、加算部33C、および加算部
33Dから構成される。線形処理部33Aは、加算部2
4の加算結果に対してあらかじめ定めてある線形的な利
得を与えるとともに、非線形処理部33Bはその加算結
果に対してあらかじめ定めてある非線形的な利得を与え
る。加算部33Cは、線形処理部33Aで線形処理され
た値ul と、非線形処理部33Bで非線形処理された値
nlとを加算する。加算部33Dは、加算部33Cの出
力と係数部32の出力とを加算してその加算結果を出力
する。
【0025】次に、このように構成される第2の実施の
形態の動作について説明する。いま、変位センサ4、5
の各検出変位Yが比較部22に入力されると、比較部2
2は、その検出変位Yに対応してあらかじめ設定されて
いる目標値Rと比較し、その各偏差を求める。各偏差
は、積分部23に入力されて積分されたのち、加算部2
4に供給される。一方、VSS外乱形オブザーバ31
は、VSCコントローラ33からの出力信号uと変位セ
ンサ4、5からの各検出変位Yとに基づき、観測できな
い回転体1の分割位置「1」から「13」における各モ
ード変位やその速度を所定の手順で推定するとともに、
外乱Fを所定の手順で推定する。そして、その推定した
変位や速度の推定値“x”は、加算部24に供給され
る。
【0026】加算部24では、積分部23から出力され
る積分された各偏差と、VSSオブザーバ24からの推
定された推定値“x”との加算を行う。加算部24の加
算結果は、VSCコントローラ33の線形処理部33A
と非線形処理部33Bとにそれぞれ供給される。VSC
コントローラ33の線形処理部33Aは、加算部24の
加算結果に対してあらかじめ定めてある線形的な利得を
与えるとともに、非線形処理部33Bはその加算結果に
対してあらかじめ定めてある非線形的な利得を与える。
このようにして、線形処理部33Aで線形処理された値
l と、非線形処理部33Bで非線形処理された値unl
とは、加算部33Cで加算される。
【0027】一方、係数部32は、VSS外乱型オブザ
ーバ31で推定された外乱“F”に基づき、制御対象の
外乱Fによる影響を除去する信号を作成するために、推
定した外乱に所定の係数を掛ける。係数部32の出力
と、加算部33Cの出力とは、加算部33Dに供給さ
れ、ここで両者が加算される。加算部33Dの出力は、
制御対象の制御入力uとして加算部26を経由してアン
プ27に供給される。アンプ27は、加算部26からの
信号に応じて電磁石2、3を駆動させる。これにより、
制御対象である回転体1は、目標位置である磁気軸受の
中央にくるように制御される。
【0028】次に、第2の実施の形態の設計手順を説明
するが、第1の実施の形態の設計手順と基本的に同様で
ある。従って、設計の手順について以下のように(1)
から(6)に略記する。そして、そのうち、(1)制御
対象のモデリングおよびその低次元化、(2)VSS外
乱型オブザーバの設計、および(4)VSCコントロー
ラの設計について、下記のように詳述する。 (1)制御対象のモデリングおよびその低次元化 (2)VSS外乱型オブザーバの設計 (3)サーボ系超平面の設計 (4)VSCコントローラの設計 (5)制御アルゴリズムの生成およびDSPへの実装 (6)制御の実行
【0029】次に、制御対象のモデリングおよびその低
次元化の設計について、以下に詳述する。第2の実施の
形態に適用される磁気軸受スピンドルのロータは実際に
は複雑な形状をしており、また、連続体であるので無限
の振動モードを有しているためモデル化が困難である。
ここでは、簡単のためX方向のみを扱う。連続体として
の弾性ロータは図6のように簡単化し、これに対して有
限要素法を適用するために、異なる軸に対して全スパン
長さを12の要素に分割して13のディスクに集中質量
を負荷している。
【0030】(a)弾性ロータのモデリング 図6によりフリーフリーの弾性ロータにおける運動方程
式は次式のように表される。 Mq″+Cq′+Kq=0・・・(1) ここで、q=[x1 ,θ1 ,x2 ,θ2 ,・・・x13
θ13T である。xj,θj ( j=1,・・・,13)
は、それぞれのロータの質量の変位と角度を表す。特
に、x5 とx11は図6で示すように電磁石の設置場所、
4 とx12は変位センサの設置場所を示す。また、M∈
26*26 は慣性マトリックス、C∈R26*26 は減衰マト
リックス、K∈R26*26 は剛性マトリックスであり、記
号「*」は掛け算を示す記号「×」の代用であって、以
下同様である。
【0031】電磁力の吸引力は厳密には複雑な式となる
が、実用的には簡略化した次式で十分である。 P′=A/μ0 ・B2 =A/μ0 [N(i0 +i)/(1/ μ+(x0 +x)/ μ0)]2 ・・・(2) ただし、P′: 吸引力,μ0 :透磁率,A:対向面積,
N:コイル巻数, x0: ギャップ長、i0:定常電流であ
る。式(2)をi,xについてテーラ展開し、i0≫i,
0 ≫xの仮定のもとで線形項のみを取り出すと、吸引
力は次式となる。 P′1 ≒p0 +kx x−ki i ・・
・(3)ただし、p0 =μ0 AN2 0 2 /4x0 2
x =2p0 /x0 ,ki =2p0 /i0 である。ここ
で、p0 は定常吸引力である。一方で、対向に置く電磁
力の吸引力は次式となる。 P′2 ≒p0 −kx x+ki i・・・(4)
【0032】一般に、この線形化は1対の向かい合う電
磁石で実現することが多く、その場合は電磁石の吸引力
は次式となる。 P=P′1 −P′2 =2kx x−2ki i・・・(5) 図6のモデルの場合、式(1)の弾性ロータが式(5)
の吸引力によって制御され拘束されるので次式が得られ
る。 Mq″+Cq′+Kq=Fp+D・・・(6) ただし、F、P、P5 、P11、は、図16の(A)に示
すものとする。ここで、Fは電磁石の設置場所を示す行
列で、D∈R26*1は不釣り合い力やその他の外乱・負荷
力を表す。式(6)をバイアス吸引力と制御吸引力に分
けて整理すれば、次式となる。 Mq″+Cq′+K0 q=F0 i+D・・・(7) ただし、i、K0 、F0 、Ki は、図16の(B)に示
すものとする。
【0033】いまモード解析の方法を適用し、正規化さ
れたモード行列Ψ∈R26*26 を用いて、 q=Ψξ・・・(8) とすれば、式(7)は次のモード座標系での変位ベクト
ルξ∈R26*1により次式となる。 ξ″+Λξ′+Ω2 ξ=f0 i+d′・・・(9) ただし、I=ΨT MΨ、Ω2 =ΨT 0 Ψ、Λ=2ξΩ
=ΨT CΨ、f0 =ΨT0 、d′=ΨT D=Πdであ
る。
【0034】(b)アクチュエータのモデリング 磁気軸受電磁石コイルへの入力電圧とコイル電流の間に
はインダクタンスを周波数、ギャップに依存しないと仮
定して、一般に次式が成立する。 V′1 =(d/dt)・(L1(i0 +i))+R(i0 +i)+e・・・(10 ) ここで、V′1 : コイル入力電圧、L1 :コイルのイン
ダクタンス、R: コイル抵抗、i: コイル電流、e: 外
乱である。コイルのインダクタンスは、次式となる。 L1 =N2 A((l0 / μ) +2( x0 +x)/μ0 -1≒ μ0 2 A/2 (x0 +x)・・・(11) 従って、式(10)右辺第1項は次のようになる。 (d/dt)(L1(i0 +i))=(∂/∂L1 )(L1 (i0 +i))・dL1 /dt+(∂/∂(i0 +i))(L1 (i0 +i))・di/dt≒−μ0 2 A/2(x0 +x)2 ・(i0 +i)ν+L1 ・di/dt・・・・・(1 2) ここで、ν=dx/dtである。
【0035】その結果、式(10)は次式となる。 V′1 ≒−μ0 2 A/2(x0 +x)・(i0 +i)ν+L1 ・di/dt +R(i0 +i)+e・・・(13) i0 ≫i,x0 ≫xなる仮定をおいて、式(13)は次
のようになる。 V′1 ≒−kv ν+L1 ・di/dt+R(i0 +i)+e・・・(14a) ここで、kv =(μ0 2 A/2x0 2 )i0 である。
【0036】一方で、対向に置く電磁石に対して次式が
成立する。 V′2 ≒kv ν−L2 ・di/dt+R(i0 −i)−e・・・・(14b) ここで、L2 ≒μ0 2 A/2(x0 −x)である。そ
の結果、1対の向かい合う電磁力の電圧は次式となる。 V=V′1 −V′2 ≒−2kv ν+(L1 +L2 )・di/dt+2Ri+2e ≒−2kv ν+2L・di/dt+2Ri+2e・・・(15) ここで、L1 ≒L2 ≒L≒μ0 2 A/2x0 である。
【0037】(c)磁気軸受のモデリング 式(9),(15)から、磁気軸受の状態方程式は、次
式となる。 『xf 』=Af f +Bf u+Df ・・・(16a) ここで、xf 、u、Af 、Bf 、Df 、E1 、Ei 、E
u 、Eは、図17に示すものとする。磁気軸受位置での
ロータ変位のみ測定できるとすると、出力方程式は次の
ようになる。 y=Cf f =[x4 12T ・・・(16b) ここで、Cf 、F′、は、図18の(A)に示すものと
する。
【0038】両端フリーの弾性ロータは、一般に無数の
振動モードを有している。弾性ロータ・磁気軸受系は本
来不安定系であるため、まず安定化制御が必要となる。
この場合、厳密に言えば、不安定モードはパラレルとコ
ニカルの2つの剛性モードのみで、弾性モードは減衰性
が悪いが、本質的に安定なモードである。そこで、低次
元化モデルの作成にあたっては2つの剛性モードの安定
化と、何次までの弾性モードを制振するかという立場で
考えることになる。低次元化モデルはモード座標系にお
いて、高次振動モードを切り捨てることによって作成さ
れる。ここで、r次モードまでを含む低次元化モデルの
状態方程式を記述すると、式(16)は次式となる。 『xr 』=Ar r +Br u+Dr ・・・・(17a) y=Cr r =[x4 12T ・・・(17b) ここで、xr 、Ar 、Br 、Cr 、Dr 、は、図18の
(B)に示すものとする。
【0039】次に、上述で求めた低次元化モデルを用い
て、VSS外乱型オブザーバの設計の方法について説明
する。第2の実施の形態では、2箇所の変位センサ4、
5により回転体1の変位を直接測定する出力フィードバ
ック系になっている。観測できない状態量を推定するた
め、オブザーバを設計することが必要である。さらに、
回転体1の偏心による不釣り合い力を打ち消すため、ロ
バスト性を有する離散時間VSS外乱型オブザーバを設
計する。いま、ここで考えている外乱w1 は次式のよう
に与えられる。 w1 =asinω0t・・・(21) この不釣合力を状態量とみなすとその状態方程式は、状
態ベクトルを(w)とすれば、次式となる。 『w』=AW w・・・(22a) d=Lw・・・(22b) ここで、w、AW 、Lは、図19の(A)に示すとおり
である。
【0040】次に、式(21)、(22)より拡大系を
作る。拡大系の状態方程式、出力方程式は、次式とな
る。 『xd 』=Ad x d +Bd u+Dd ・・・(23a) yd =Cd d ・・・(23b) ここで、xd 、Ad 、Bd 、Cd 、Dd は、図19の
(B)に示すとおりである。また、Ar 、Br 、Cr
r は、上述の(17)式に示すとおりである。式(2
3)の等価離散時間系は、次のようになる。 xd ( k+1)=Φd d ( k)+Γd1u(k)+Γd2(k)(24a) yd =Cd d (k)・・・(24b) ここで、Φd 、Γd1、Γd2は、図19の(C)に示すと
おりである。
【0041】マッチング条件を満たす外乱に対して、以
下の仮定を設ける。 Γd2(k)=Γd1h(k)・・・(25) ここで、‖h(k)‖≦η、η>0、h(k)は外乱の
最大推定値である。(Cd 、Φd )は可観測であるの
で、ある行列GO が存在する。すなわち、 ΦO =Φd −GO d ・・・(26) ここで、GO =(R+Cd PCd T ) -1d PΦd T
・・(27)また、Pは次のリカッティ方程式の解であ
る。Φd PΦd T −Φd PCd T (R+Cd PCd T )
-1d T T Φd T +Q=P・・・(28)ただし、Q
≧0、R>0である。
【0042】これから、式(24)に対する正定対称な
行列Q1 とF1 が存在するとして、次式を仮定する。 F1 d=Γd1 T 1 ・・・(29) ここで、P1 は次のようなリアプノフ方程式の唯一正対
称解である。 ΦO T 1 ΦO +Q1 =P1 、 Q1 ≧0・・・(30) 今回は、式(24)のシステムの出入力数は同じである
ので、F1 =I2 を得ることができる。オブザーバの出
力から系の状態への誤差は、次式のように与えられる。 ‘xd ’(k)=“xd ”(k)−xd (k)・・・(31)
【0043】この時、ロバスト性を高めたVSS外乱オ
ブザーバは、次式のように表される。 “xd ”(k+1)=ΦO “xd ”(k)+G0 ‘yd ’(k)+M(yd ( k))+Γd1u(k)・・・(32) また、(32)式中のM(yd (k))、xd 、右辺第
3項のyd (k)は、図19の(D)に示すとおりであ
る。このようにして求めた(32)式をブロック線図に
表すと、図7に示すようになる。
【0044】次に、上記のように設計したVSS外乱オ
ブザーバにより推定した状態量と外乱を用いて、離散時
間スライディングモードコントローラの設計について、
その手順を説明する。ここでは、1型のサーボ系を設計
することが必要であり、目標値と観測量の差の積分値
(ベクトル量)は新たな状態変数として、次式で与えら
れる。 z=r−“x”・・・(33) ここで、r=[r5 11T 、“x”=[“x5 ”“x
11”]T である。なお、rは目標値入力である。これと
元の低次元化の運動方程式(上記の式(17))から得
られる拡大状態方程式を次式とする。 『xi 』=Ai i +Bi u+Di +Gr・・・(34a) y=Ci i =[x4 12T ・・・・・(34b) ここで、xi 、z、r、Ai 、Bi 、Di 、G、E2
i は、図20の(A)に示すとおりである。
【0045】式(34)から等価離散時間系は、次のよ
うになる。 xi (k+1)=Φxi (k) +Γ1 u (k) +Γ2 r (k) +Ξ1(k) +Ξ2(k ) ・・・(35a) y (k) =Ci i (k) ・・・(35b) ここで、Φ、Γ1 、Γ2 、u (t) は、図20の(B)
に示すとおりである。また、式(34)中の外乱は、図
20の(C)に示すようになる。ここで、Ξ2 (k)=
i2 (k) =Γ1 h(k)であり、Ξ1 (k)=D
i1(k)である。
【0046】切り換え関数σ(k)は、次のように定義
される。 σ(k)=Sxi (k)・・・(37) Sはσ(k)=0を満足する状態空間の超平面上におい
て式(35)のシステムの状態を安定にするように設計
する。まず、この超平面上にあるサンプル時刻において
Sxi (k)が一定値をとる超平面上に到達したとき、
引続くサンプル時刻において状態を超平面上に留める等
価入力を求めてみる。σ(k)=Sxi (k)とすると
き、σ(k)=σ(k+1) for k>k1 ・・・
(38)を満たす等価入力は、次式となる。 ueq(k)=−(SΓ)-1[S(Φ−I)xi (k)+SΓ2 r(k)]−h (k)・・・(39) ここで、Ξ1 (k)は、図20の(D)に示すとおりで
ある。
【0047】また、行列(SΓ1 -1は正則行列と仮定
する。このとき、システムの運動方程式は、次のように
与えられる。 xi (k+1)=[Φ−Γ1 (SΓ1 -1S(Φ−I)]xi (k)+[I− Γ1 (SΓ1 -1S]Γ2 r(k)・・・(40a) σ(k)=Sxi (k)=0・・・(40b) これから、Sはこのシステムが安定となるように選ばな
くてはならない。ここでは、この設計法にシステムのゼ
ロ点を利用する方法を用いる。ここで、安定度を指定し
たシステムΦは次式で示される。 Φe =Φ+eI、 e≧0・・・(41) また、Sは次式により求まる。 ST =(R2 +Γ1 T PΓ1 -1Γ1 T PΦe ・・・(42) ただし、Pは次のリカッティ方程式の解である。 P−Φe T PΦe +Φe T PΓ1 (R2 +Γ1 T PΓ1 -1Γ1 T PΦe − Q2 =0・・・(43) ここで、Q2 ≧0,R2 >0である。
【0048】超平面の設計後、次に重要なことは、スラ
イディングモードの存在を保証することである。VSS
は可変フィードバックゲインを持つ閉ループ系として考
えることができる。今、リアプノフ関数を次式のように
考える。 V(t)=0・5σ(t)2 ・・・(44) 式(44)を離散化して、その微分は次式のようにてな
る。 V(k+1)=σ(k)T (σ(k+1)−σ(k))/Δ・・・(45)
【0049】一方、次の新たなリアプノフ関数を設け
る。 V(k+1)=−σ(k)T 1 σ(k)・・・(46) ここで、G1 =diag[g1 , ・・・, gm ]、g1 >0
( i=1,・・・,m)である。式(45),(46)
から、次式が得られる。 σ(k)T [G1 σ(k)+(σ(k+1)−σ(k))/Δ]=0・・・(4 7) この結果、次式が得られる。 σ(k+1)−σ(k)=−ΔG1 σ(k)=−Jσ(k)・・・(48) ここで、J=diag[Δg1 ,・・・,Δgm ]=diag
[j1 ,・・・,jm ]、0<ji <1(i=1,・・
・,m)である。
【0050】一方、式(37)と(35)から、次式が
得られる。 σ(k+1)−σ(k)=Sxi (k+1)−Sxi (k)=SΦxi (k) +SΓ1 u(k)+SΞ2 (k)+SΓ2 r(k)−Sxi (k)・・・(49 ) そして、式(49)を式(48)に代入すると、その結
果、次式が得られる。 −Jσ(k)=SΦxi (k)+SΓ1 u(k)+SΞ2 (k)+SΓ2 r( k)−Sxi (k)・・・(50) 式(50)から、制御入力は次式となる。 u(k)=u1 (k)+u2 (k)・・・(51) ここで、u1 (k)=−(SΓ1 -1[S(Φ−I)x
i (k)+SΓ2 r(k)]−h(k)−(SΓ1 -1
JSxi (k)であり、u2 (k)=−(SΓ1-1
Ξ1 (k)である。このようにして求めた制御系のブロ
ック線図を図8に示す。
【0051】このような手順で設計される制御装置は、
第1の実施の形態の場合と同様に、図4の制御装置によ
り実現できる。ただし、図5に示すVSS外乱型オブザ
ーバ31やVSCコントローラ33などの機能が、図1
に示すVSSオブザーバ21やVSCコントローラ25
とは異なるので、VSS外乱型オブザーバ31やVSC
コントローラ33の機能を満たすプログラムによりDS
P(デジタルシグナルプロセッサ)44を動作させる必
要がある。
【0052】次に、本発明の実施の形態による効果を確
認するために、以下のようなシミュレーションを行った
ので、その結果について説明する。図9は、本発明にか
かるスライディングモード制御と従来のPID制御の場
合におけるパラメータ変動時の目標位置に対する追従性
のシミュレーションの結果を示す。ここでは、回転体
(ロータ)先端に、回転体の総重量の3倍を付加するよ
うにしてシミュレーションを行った。図中のaはスライ
ディングモード制御の場合を示し、同bは従来のPID
制御の場合を示す。図から明らかなように、本発明にか
かるスライディングモード制御の場合には、目標値に短
時間かつ高精度で追従でき、パラメータ変動に対するロ
バスト性能が優れているといえる。
【0053】図10は、本発明にかかるスライディング
モード制御と従来のPID制御の場合におけるステップ
外乱に対する応答性のシミュレーションの結果を示す。
図中のaはスライディングモード制御の場合を示し、同
bは従来のPID制御の場合を示す。図から明らかなよ
うに、本発明にかかるスライディングモード制御の場合
には、ステップ外乱に対して時間とともに、短時間で減
衰して零に収束することがわかる。図11は、本発明に
かかるスライディングモード制御における不釣り合い外
乱に対する応答性のシミュレーションの結果を示す。こ
こでは、不釣り合い外乱として、400Hzの正弦波を
使用した。図中のaはスライディングモード制御のみの
場合を示し、同bはスライディングモード制御と外乱相
殺制御の場合を示す。図から明らかなように、本発明に
かかるスライディングモード制御およびVSS外乱オブ
ザーバの場合には、不釣り合い外乱に対して回転体の振
れ回り運動を抑制できることがわかる。
【0054】図12は、本発明にかかるスライディング
モード制御における飽和非線形に対する応答のシミュレ
ーションの結果について、説明する。図12の(A)は
時間(Time)と変位(Displacemenn
t)の関係を表し、同(B)は時間と制御入力(Con
trol Input)の関係を表す。図から明らかな
ように、スライディングモード制御では、飽和時であっ
ても良好に収束することがわかる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
では、スライディングモード制御理論を用いて、VSS
オブザーバにより回転体の直接観測できない変位を推定
し、その推定した変位と変位センサの検出変位の積分値
を加算した加算値に基いて、VSCコントローラが電磁
石を調節する信号として予め定めた線形的な利得利得と
非線形的な利得を求めて両者を加算し、この加算信号を
制御入力とするようにした。また、請求項2の発明で
は、スライディングモード制御理論を用いて、VSS外
乱型オブザーバにより、回転体の直接観測できない変
位、および回転体に作用する外乱を推定する。そして、
この推定外乱に対して所定の係数を掛ける一方、上記の
推定変位と変位センサの検出変位の積分値を加算した加
算値に基いて、VSCコントローラが電磁石を調節する
信号として予め定めた線形的な利得利得と非線形的な利
得を求めて両者を加算し、この加算信号と上記の係数が
掛けられた推定外乱とを加算して、この加算信号を制御
入力とするようにした。
【0056】従って、請求項1及び請求項2の発明によ
れば、以下のような各効果が得られる。 (1)例えば目標位置に精度良く追従するというよう
に、パラメータ変動に対するロバスト性能が優れてい
る。 (2)不釣り合い外乱に対して振れ回り運動を抑制で
き、不釣り合い外乱に強いといえる。 (3)非線形特性に対して頑強である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である磁気軸受の制
御装置のブロック図である。
【図2】同磁気軸受の概略構成を示す図である。
【図3】図1で示すVSSオブザーバの構成を示すブロ
ック図である。
【図4】第1の実施の形態である磁気軸受の制御装置の
具体的な構成を示す構成図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態である磁気軸受の制
御装置のブロック図である。
【図6】磁気軸受スピンドルのモデルを示す図である。
【図7】図5で示すVSS外乱型オブザーバの構成を示
すブロック図である。
【図8】離散時間スライディングモードコントローラの
設計手順により得られたスライディングモード制御系の
ブロック図である。
【図9】本発明にかかるスライディングモード制御と従
来のPID制御の場合におけるパラメータ変動時の目標
位置に対する追従性の比較実験の結果を示す図である。
【図10】本発明にかかるスライディングモード制御と
従来のPID制御の場合におけるステップ外乱に対する
応答性の比較実験の結果を示す図である。
【図11】本発明にかかるスライディングモード制御に
おける不釣り合い外乱に対する応答性の比較実験の結果
を示す図である。
【図12】本発明にかかるスライディングモード制御に
おける飽和非線形に対する応答の実験結果について示す
図である。
【図13】従来の磁気軸受の制御装置の一例を示すブロ
ック図である。
【図14】従来の磁気軸受の制御装置の他の一例を示す
ブロック図である。
【図15】従来の磁気軸受の制御装置のさらに他の一例
を示すブロック図である。
【図16】第2の実施の形態である磁気軸受の制御装置
の具体的な設計の説明に際して必要な数式を並べた図で
ある。
【図17】同数式を並べた図である。
【図18】同数式を並べた図である。
【図19】同数式を並べた図である。
【図20】同数式を並べた図である。
【符号の説明】
1 回転体、 2、3 電磁石 4、5 変位センサ 21 VSSオブザーバ 22 比較部 23 積分部 24 加算部 25 、33 VSCコントローラ 25A 、33A 線形処理部 25B、33B 非線形処理部 25C 、33C、33D 加算部 26 加算部 27 アンプ 31 VSS外乱型オブザーバ 32 係数部 41、42 ラジアル軸受 43 スラスト軸受43 44 DSP(デジタルシグナルプロセッサ) 45 ホストコンピュータ 46 A−D変換器 47 D−A変換器 48 バイアス電流供給回路48 49 パワーアンプ49

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体を磁気的に支持する電磁石と、 この電磁石を駆動する電磁石駆動手段と、 前記回転体の半径方向の変位を検出するセンサと、 前記電磁石駆動手段の入力と前記センサの検出変位とに
    基いて、前記回転体の任意の位置の変位を推定するVS
    S(Variable StructureSyste
    m、可変構造システム)オブザーバと、 前記センサの検出変位を基準値と比較して両者の偏差を
    求める比較手段と、 この比較手段の求めた偏差および前記VSSオブザーバ
    の推定変位に基いて、前記電磁石を調節する信号として
    予め定めた線形的な利得と非線形的な利得を求めて両者
    を加算するVSC(Variable Structu
    re Cntrol、可変構造制御)コントローラとを
    備え、 このVSCコントローラの出力信号を前記電磁石駆動手
    段に供給するようにしたことを特徴とする磁気軸受の制
    御装置。
  2. 【請求項2】 回転体を磁気的に支持する電磁石と、 この電磁石を駆動する電磁石駆動手段と、 前記回転体の半径方向の変位を検出するセンサと、 前記電磁石駆動手段の入力信号と前記センサの検出変位
    とに基いて、前記回転体の任意の位置の変位、および前
    記回転体に作用する外乱を推定するVSS(Varia
    ble Structure System)外乱型オ
    ブザーバと、 このVSS外乱型オブザーバの推定外乱に対して所定の
    係数を掛ける係数手段と、 前記センサの検出変位を基準値と比較して両者の偏差を
    求める比較手段と、 この比較手段の求めた偏差および前記VSS外乱型オブ
    ザーバの推定変位に基いて、前記電磁石を調節する信号
    として予め定めた線形的な利得と非線形的な利得を求め
    て両者を加算するVSC(Variable Stru
    cture Cntrol)コントローラと、 このVSCコントローラの求めた信号と前記係数手段か
    らの出力信号とを加算する加算手段とを備え、 この加算手段の出力信号を前記電磁石駆動手段に供給す
    るようにしたことを特徴とする磁気軸受の制御装置。
JP7303428A 1995-10-27 1995-10-27 磁気軸受の制御装置 Expired - Fee Related JP2835943B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7303428A JP2835943B2 (ja) 1995-10-27 1995-10-27 磁気軸受の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7303428A JP2835943B2 (ja) 1995-10-27 1995-10-27 磁気軸受の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09126238A true JPH09126238A (ja) 1997-05-13
JP2835943B2 JP2835943B2 (ja) 1998-12-14

Family

ID=17920897

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7303428A Expired - Fee Related JP2835943B2 (ja) 1995-10-27 1995-10-27 磁気軸受の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2835943B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11201165A (ja) * 1998-01-09 1999-07-27 Koyo Seiko Co Ltd 制御型磁気軸受装置
JPH11201164A (ja) * 1998-01-14 1999-07-27 Koyo Seiko Co Ltd 制御型磁気軸受装置
JP2006283826A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Keio Gijuku 可変構造セミアクティブ免震システム
JP2007107603A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Japan Atomic Energy Agency ループシェイピング手法による磁気軸受ロバスト制御装置
JP2008045687A (ja) * 2006-08-18 2008-02-28 Jtekt Corp 磁気軸受装置
CN100437395C (zh) * 2001-04-20 2008-11-26 本田技研工业株式会社 设备控制系统
JP2012139030A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Meidensha Corp モータ制御装置
CN107290958A (zh) * 2017-04-24 2017-10-24 南京工业大学 一种新型回转支承试验台驱动控制方法
CN107844052A (zh) * 2017-10-14 2018-03-27 河南工业大学 基于并联式有限维重复控制的磁轴承系统谐波电流抑制方法
CN117703927A (zh) * 2024-02-05 2024-03-15 贵州中航华强科技有限公司 一种磁悬浮轴承控制系统

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11201165A (ja) * 1998-01-09 1999-07-27 Koyo Seiko Co Ltd 制御型磁気軸受装置
JPH11201164A (ja) * 1998-01-14 1999-07-27 Koyo Seiko Co Ltd 制御型磁気軸受装置
CN100437395C (zh) * 2001-04-20 2008-11-26 本田技研工业株式会社 设备控制系统
JP2006283826A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Keio Gijuku 可変構造セミアクティブ免震システム
JP2007107603A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Japan Atomic Energy Agency ループシェイピング手法による磁気軸受ロバスト制御装置
JP2008045687A (ja) * 2006-08-18 2008-02-28 Jtekt Corp 磁気軸受装置
JP2012139030A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Meidensha Corp モータ制御装置
CN107290958A (zh) * 2017-04-24 2017-10-24 南京工业大学 一种新型回转支承试验台驱动控制方法
CN107844052A (zh) * 2017-10-14 2018-03-27 河南工业大学 基于并联式有限维重复控制的磁轴承系统谐波电流抑制方法
CN107844052B (zh) * 2017-10-14 2020-11-10 河南工业大学 基于并联式有限维重复控制的磁轴承系统谐波电流抑制方法
CN117703927A (zh) * 2024-02-05 2024-03-15 贵州中航华强科技有限公司 一种磁悬浮轴承控制系统
CN117703927B (zh) * 2024-02-05 2024-04-16 贵州中航华强科技有限公司 一种磁悬浮轴承控制系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2835943B2 (ja) 1998-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wang et al. Parameter estimation and adaptive control for servo mechanisms with friction compensation
Sun et al. Disturbance rejection based on iterative learning control with extended state observer for a four-degree-of-freedom hybrid magnetic bearing system
Chen et al. Adaptive control of rotary inverted pendulum system with time-varying uncertainties
Yang et al. Robust output feedback control of a class of nonlinear systems using a disturbance observer
Chen et al. Decentralized PID neural network control for five degree-of-freedom active magneticbearing
Dong et al. Adaptive control of an active magnetic bearing with external disturbance
JP2835943B2 (ja) 磁気軸受の制御装置
Nevaranta et al. Adaptive MIMO pole placement control for commissioning of a rotor system with active magnetic bearings
Fei et al. Adaptive nonsingular terminal sliding mode control of MEMS gyroscope based on backstepping design
Amrr et al. Robust control design for an active magnetic bearing system using advanced adaptive SMC technique
Wang et al. Adaptive dynamic surface control based on fuzzy disturbance observer for drive system with elastic coupling
Yoon et al. Unbalance compensation for AMB systems with input delay: An output regulation approach
Theodore et al. Robust control of multilink flexible manipulators
Mystkowski Lyapunov sliding-mode observers with application for active magnetic bearing operated with zero-bias flux
Jeon et al. Adaptive sliding mode control of ball and plate systems for its practical application
Nagarajan et al. Optimization reinforced PID-sliding mode controller for rotary inverted pendulum
Chalanga et al. Output regulation using new sliding surface with an implementation on inverted pendulum system
JP2835942B2 (ja) 磁気軸受の制御装置
Zhou et al. Neural network state observer-based robust adaptive iterative learning output feedback control for the rigid-flexible coupled robotic systems with unknown delays and backlash-like hysteresis
Tombul et al. Sliding mode control for a class of non-affine nonlinear systems
Govind et al. A comparative study of controllers for quanser qube servo 2 rotary inverted pendulum system
Rozali et al. Asymptotic tracking position control for nonlinear systems using backsteppingtechnique
Ruderman Motion control with optimal nonlinear damping: from theory to experiment
Beerens et al. Set-point control of motion systems with uncertain set-valued Stribeck friction
Truong et al. An Observer-Based Fixed Time Sliding Mode Controller for a Class of Second-Order Nonlinear Systems and Its Application to Robot Manipulators

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071009

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081009

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091009

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees