JPH09121851A - 不滅化胎仔海馬細胞およびそれらの使用 - Google Patents

不滅化胎仔海馬細胞およびそれらの使用

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JPH09121851A
JPH09121851A JP8304175A JP30417596A JPH09121851A JP H09121851 A JPH09121851 A JP H09121851A JP 8304175 A JP8304175 A JP 8304175A JP 30417596 A JP30417596 A JP 30417596A JP H09121851 A JPH09121851 A JP H09121851A
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アルノ・フリートル
Thomas Dr Glaser
トマス・グラザー
Jacqueline Trotter
ジヤクリン・トロツター
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マリオン・ユング
Eva-Maria Albers
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 神経に活性な薬剤をスクリーニングするのに
役立つ細胞株の提供。 【解決手段】 胎仔海馬細胞の特異的癌遺伝子での感染
により作製される、グルタミン酸レセプターを初めとす
る神経伝達物質のためのレセプターを含む安定な特性を
発現する不滅化マウス細胞株。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の癌遺伝子を
コードするレトロウイルスでの胎仔海馬細胞の感染によ
り作製され、そして神経伝達物質のためのレセプターを
初めとする安定な特性を発現する不滅化マウス細胞株を
開示する。
【0002】
【従来の技術】広範囲にわたる神経学的変性(一例では
脳卒中)を治療するための神経活性性薬剤を開発する目
的では、高速で信頼性の高いスクリーニング方法を実現
可能とすることが極めて重要である。これらの方法によ
り新規の化合物の迅速選択が簡便となり、それらの化合
物をその後には一層複雑なインビトロおよびインビボで
のモデルで更に詳細に検査することができる。多くの神
経学的障害では、神経伝達物質(例えばグルタミン酸)
のためのレセプターが神経細胞死をもたらす最終経路に
関与しているかもしれず;幾つかの事例ではそのような
レセプターの過剰刺激が細胞内カルシウムレベルの過剰
増加をもたらすかもしれず、そのことにより細胞が死滅
する。従ってこのような破壊的経路を妨害する方法(例
えばレセプターアンタゴニスト)の開発が治療学的には
非常に重要であるかもしれない。このような物質をスク
リーニングするためには2つの主要な実験的アプローチ
が一般的には適用されており、それらは:1)未処理組
織の切片もしくは細胞培養物のいずれかにおける適切な
神経細胞への化合物の適用、あるいは2)適切な遺伝子
のトランスフェクションを介して目的のレセプターもし
くはチャンネルを発現するように予め誘導化させてある
非神経細胞(例えば、繊維芽細胞もしくは卵細胞)への
適用、である。両事例においても、適用された物質に対
する反応を検査するのには単一細胞における電気生理学
的測定法が一般的に用いられる。最初の方法には、イン
ビボでの状況に最も近似するにもかかわらず、初期培養
が煩雑かつ長時間を要するものであり、そしてそのため
重要である可能性のある大量の化合物をスクリーニング
することが困難になってしまうという欠点が存在する。
第二のアプローチでは、たとえ安定な形質導入物が利用
可能であったとしても、その形質転換化細胞が神経起源
のものではないという欠点が存在する。形質転換された
遺伝子産物の、細胞の内側のシグナル伝達経路との相互
作用は生理学的状況を厳密には模倣することにはならな
いかもしれない。それに加え、目的のレセプター(その
大半が複数のサブユニットで構成されている)がクロー
ン化されている必用がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を克服す
るためには、目的のレセプターおよびチャンネルを発現
し、かつ物質の不朽の源として作用する安定な不滅化神
経細胞株が利用可能であれば非常に有利であろう。この
ような株を凍結保存物として維持し、解凍し、そして有
望な神経作用性物質を取得することができる細胞培養物
として再構成することが可能であろう。それに加え多数
の細胞を取得することができ、そのことにより生化学的
方法を用いるスクリーニングが容易となるだろう。多く
の刊行物において不滅化神経細胞株の作製方法が記載さ
れているものの、本発明において我々が記載するような
細胞株内での高比率の細胞による神経伝達物質レセプタ
ーの安定な発現は未だに達成されてはいない。
【0004】なお、上記課題と関連する知見を以下に紹
介する。神経性もしくは両能性の特徴を有する幾つかの
細胞株が数々のグループにより記載されている。Bar
tlettら(1988、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 85:3255−3259)はマ
ウス胎仔神経上皮から、その初代細胞をc−myc癌遺
伝子を含むレトロウイルスで感染させることにより不滅
化細胞株を作製した。その細胞株は安定な形態および正
常神経上皮について知られるものに適合する抗原発現を
示した。分化は、その培養培地への酸性もしくは塩基性
繊維芽細胞成長因子の添加により誘導され得た。この細
胞は、神経膠線維酸性蛋白質を発現する神経膠星状細胞
か、あるいはA2B5マーカーについて陽性でありかつ
ニューロフィラメントを含むニューロンかのいずれかに
分化した。BirrenおよびAnderson(19
90、Neuron 4:189−201)はv−my
含有性レトロウイルスを用いて交感神経副腎前駆細胞
を不滅化させた。NGFおよびFGFの存在下では低い
パーセンテージの細胞がNGF−依存性後有糸分ニュー
ロンに分化した。Ryderら(1989、J.Neu
robiol. 21:356−375)は、v−my
癌遺伝子を発現するレトロウイルスベクターを使用
し、そして標的細胞として生後マウスの嗅球および小脳
もしくは生後ラットの大脳皮質の有糸分裂前駆細胞を感
染させて神経細胞株を作製した。前記の内の後二つの組
織の感染により自律的に神経性および神経膠性表現型を
示す多能性クローン化細胞がもたらされ、そして小脳株
はインビボで移植した際にはニューロンおよび神経膠細
胞へと分化した(Snyder et al.、199
2、Cell 68:33−51)。大脳皮質の感染に
より神経膠細胞特性の致死クローンがもたらされた。R
enfranzら(1991、Cell 66:713
−729)はラット海馬の胎仔前駆細胞を起源とするネ
スチン陽性細胞株の樹立法を記載した。その細胞は、S
V40 T抗原含有性レトロウイルスの温度感受性対立
遺伝子をコードするレトロウイルスを用いて不滅化され
た。この細胞が新生仔の海馬および小脳内に移植され、
そしてニューロンおよび神経膠細胞に典型的な形態を示
した。下記の2グループが伝達物質レセプターを発現す
る細胞株を記載した:Evardら(1990、Pro
c.Natl.Sci.USA87:3062−306
6)は新生仔マウス線条をSV40 T癌遺伝子発現性
レトロウイルスを用いて不滅化させた。彼らは両能性か
つ形成性の膠質−ニューロン前駆体を取得した。培養条
件に依存して、その細胞は神経膠線維酸性蛋白質もしく
はニューロフィラメントのいずれかを発現した。幾つか
の細胞は免疫蛍光分析により判定したところによると、
アドレナリン作動性、D1およびD2ドーパミン作動
性、ムスカリン作動性、ならびに5−ヒドロキシトリプ
タミン タイプ2 セロトニン作動性のレセプターを発
現したし、そしてリン酸イノシトールの測定値は神経伝
達物質の存在下で増大する。Morimotoら(19
90、Proc.Natl.Acad.Sci. 8
7:3518−3521)はHT−4細胞上の機能性N
−メチル−D−アスパラギン酸レセプターを、神経伝達
物質の取り込みおよび分泌速度により同定した。HT−
4は、SV−40 T含有性レトロウイルスベクターで
の不滅化により作製されるマウス線条を起源とするクロ
ーン性神経株である。
【0005】最近ではYoukinら(1993、Pr
oc.Natl.Acad.Sci. 90:2174
−2178)が、単一細胞からのパッチ−クランプ技術
を用いる電気生理学的記録法により示した際にテラトカ
ルシノーマ細胞を起源とするNT2ヒト細胞株がN−メ
チル−D−アスパラギン酸(NMDA)および非−NM
DAグルタミン酸レセプターを発現することを証明し
た。しかしながら公開されたデータからは、その株の内
のどのくらいの数の細胞が神経伝達物質の適用に対する
それらの電気生理学的応答を示すかは明らかではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、安定な不滅化
神経細胞株およびそれらに由来するクローンの作製法を
記載する。これらの株およびクローンは、生化学的およ
びイメージ的技術により検出した際には正常なニューロ
ンにより発現されるレセプターと類似の特性を示す神経
伝達物質レセプターを発現する。これらの細胞株および
クローンは液体窒素中で凍結および保存し、そしてそれ
らの特性に変化をもたらすことなく培養物中で再樹立さ
せることができる。これらは数カ月にもおよぶ継続継代
培養を経ても培養物中では安定であり、継代時に増殖す
ることができ、そしてある範囲の神経伝達物質のための
レセプターを発現する。それに加え、所定の抗原および
特異的処理による電気生理学的特性の発現により判定し
たところ、それらを誘導化させてより神経的な表現型へ
と分化させることができる。取得された細胞数(これら
の細胞は神経伝達物質に対して反応する)により生化学
的および電気生理学的スクリーニング方法の利用が可能
となる。
【0007】具体的には、これらの細胞は有望な神経防
御性活性を有する化合物をスクリーニングするための有
用な道具となる。細胞を興奮毒性性作用物質(例えば、
グルタミン酸)と共に所定の期間インキュベートするこ
とにより細胞死が誘導される。細胞死の防御により測定
される神経防御は様々なメカニズムにより達成されるか
もしれない。これらの細胞には多種多様の神経伝達物質
レセプターおよびイオンチャンネルが備わっているた
め、それらの細胞により異なるメカニズムの作用を有す
る化合物を検査するための一般的適用可能なシステムが
提供される。
【0008】それに加え、これらの細胞は、カルシウ
ム、ナトリウム、およびカリウムチャンネルを初めとす
る神経性タイプのイオンチャンネルを発現するため、そ
れらを用いてこれらのチャンネルの特異的調節物質をス
クリーニングすることができ、このことは脳虚血、気分
障害、精神病、および認識欠乏を初めとする様々なCN
S(中枢神経系)障害の治療に有用であるかもしれな
い。それらの細胞は更に様々な神経伝達物質レセプター
を保持し、そしてそのためレセプター関連性過程を研究
するのに適する。それに加え、これらの細胞株を用いて
インビトロでの海馬中での個別の段階の神経性分化を研
究することができ、同様に分化の関わる因子のためのア
ッセイとしてこれらを用いることもできる。
【0009】インビトロでの分析後には細胞株を動物内
に移植して、インビボでの分化能に関わる情報を発生さ
せることができる。その細胞株を一般的には移植以前に
操作することが可能であるという事実により、動物内で
の細胞の動態における特定の遺伝子変化の効果を分析す
ることが可能となる。これらには、例えば神経防御性も
しくは再生支援性因子の分泌のような、これらの操作細
胞株の有望な治療能が含まれるかもしれない。
【0010】本発明に従う細胞株は1995年8月8日
および10日に、 DSM−DEUTSCHE SAMMLUNG VON MIKROORGANISMEN UND ZELLKULTUREN GmbH Maschenroder Weg 1b 38124 Braunschweig Germany に、受託番号ACC 2223、ACC 2230、A
CC 2231、ACC2232、およびACC 22
33として寄託してある。
【0011】方法 海馬ニューロンの初期培養 海馬はE16日令マウスから採取した。細胞培養は、ラ
ットについてDottiにおいて記載される方法(Do
tti et al.、1988、J.Neurosc
i. 8;1454−1468)に従い、以下に説明さ
れるマウス用の改変後に開始した。髄膜除去後に海馬組
織を、0.3%トリプシンを用いて15分間、37℃で
解離させた。その後、細胞をHBSS-中で3度、5分
間、37℃で洗浄し、そして様々な直径の火炎処理パス
ツールピペットを用いて処理することにより解離させ
た。その後にこの細胞をMEM/HS中に再懸濁させ、
そしてpLLコートされたガラスカバースリップ(11
mmのカバースリップ当たり2〜4×104細胞)もし
くはペトリ皿(60mm直径あたり3〜5×105
胞、NUNC社、Denmark)上でプレート培養し
た。細胞の付着後(5時間〜一晩)、培地をN2−培地
(25mM NaHCO3、0.6%グルコース、20
nM グルタミン、1% アルブミン、1mM ピルビ
ン酸ナトリウム、100μg/ml トランスフェリ
ン、5μg/ml インシュリン、20nMプロゲステ
ロン、100μM プトレッシン、30nM 亜セレン
酸ナトリウムを含むMEM)に交換し、そしてシトシン
アラビノシド(Sigma社、5×10-6M)を2〜3
日間添加して増殖性神経膠細胞を死滅化させた。ワック
スフィートを用いてカバースリップ上に撒種させた生後
初期の神経膠細胞の培養物をフィーダー細胞として添加
した。一週間に一度、2/3の培地を交換した。
【0012】v−myc遺伝子もしくはegfr−ne
−遺伝子を発現するレトロウイルスでの初期マウス海
馬細胞の感染を介する不滅化細胞株の誘導egfr−neu ハイブリッド癌遺伝子およびネオマイ
シン遺伝子をマウスモロニー白血病ウイルス(Mous
e Moloney Leukemia Virus)
の長い末端反復構造の制御下に、そしてegfr−ne
癌遺伝子を追加的に内部単純疱疹チミジンキナーゼプ
ロモーター(Herpes Simplex Thym
idine Kinase Promotor)(T
K)の制御下に含むプロデューサー細胞株GPE−eg
fr−neu(Jung et al.、1995、E
ur.J.Neurosci. 7:1245−126
5)を、10%のウシ胎仔血清を含むイーグル(Eag
les)培地のダルベッコー(Dulbecco’s)
改変物(DMEM)中で培養した。マウスモロニー白血
病ウイルス(Mouse Moloney Leuke
mia Virus)の長い末端反復構造の制御下で
−myc癌遺伝子およびネオマイシン遺伝子を発現する
psi2プロデューサー細胞株(Wagner et
al.、1985、EMBO J. 4:663−66
6)を10%のウシ胎仔血清を含むDMEM中で培養し
た。レトロウイルス含有性上清をほぼ集密状態の細胞培
養物から16〜18時間後に回収した。海馬細胞(60
mmのペトリ皿当たり1×107細胞)は、6μg/m
l ポリブレン(Sigma社、Muenchen、
B.R.D.)、ならびにEGF(10ng/ml);
β−FGF(1ng/ml)、およびNGF(10ng
/ml)の存在下で4〜6時間、レトロウイルス含有性
上清に関する37℃下での調製後に即時インキュベート
した。その後に細胞を、1%のウマ血清、ならびにEG
F(10ng/ml);β−FGF(1ng/ml)、
およびNGF(10ng/ml)を含むN2−培地(今
後N2+−培地と称される)中で37℃下で2日間イン
キュベートし、その後に0.3mg/ml G418
(Sigma社、Muenchen、D)の存在下でネ
オマイシン耐性について感染化細胞の選択を行った。生
存細胞を1%のウマ血清を含むSATO−培地中、37
℃で培養した。培地の3分の2を3〜4日毎に交換し、
EGFをegfr−neuウイルスで感染させた細胞の
培地に2日毎に添加した。
【0013】細胞株のクローニング 様々な樹立化細胞株の細胞を、0.01% トリプシン
/0.02% EDTAでペトリ皿から放出させ、そし
て10% ウマ血清を含むBME中での洗浄段階(4
℃、800rpmで10分間)後に、非常に低い希釈率
でN2+培地中に再懸濁させた。極細火炎処理パスツー
ルピペットを用いてその稀釈化細胞懸濁物を、ウエルに
一つの細胞のみを含む培地一滴が含まれるように96−
ウイルプレート中に撒種した(この作業は顕微鏡下で制
御される)。その後これらのウエルにフィーダー細胞、
すなわち胸腺細胞もしくは皮質性神経膠細胞のいずれか
(ウエル当たり200,000細胞)を添加した。培養
物中2週間後に、増殖性細胞クローンを、0.3mg/
ml G418を含むN2+培地を用いて5〜8日間か
ける選択を行った。これらの細胞をN2+培地中で継代
し、そしてアリコートを永久保存物として凍結した。
【0014】胸腺フィーダー細胞 4〜6週令のメスNMRIマウスからの胸腺細胞を以下
の要領で調製した:胸腺を取り出し、そして単一細胞懸
濁物を調製し、その後にその細胞を、10%のウマ血清
を含むBME培地中で洗浄し、そしてその後にウエル当
たり200,000細胞の密度で96ウエルプレート
(NUNC社、Denmark)内でプレート培養し
た。
【0015】新生仔皮質からのフィーダー細胞としての
初期神経膠細胞 皮質からの神経膠細胞を、生後0〜1日目のマウスを用
いて調製した。骨頭切除術後に皮質を髄膜から取り出し
かつ遊離させた。この組織を、第一段階としてハンクス
(Hank’s)緩衝化塩溶液(HBSS-)中の1%
トリプシンを37℃下で15分間、そして第二段階と
してHBSS-中の0.2% トリプシン、0.02%
EDTAを37℃で15分間用いる2つのトリプシン
化段階により解離させた。その後に上清を除去し、そし
てHBSS-での洗浄段階の後に0.5% DNAse
を添加した。その後に細胞を様々な直径の火炎処理パス
ツールピペットを用いる倍散により解離させた。イーグ
ル(Eagl’s)の基本培地(BME/HS)中での
800rpmで10分間の洗浄段階後、ペレットを最少
必須培地(NaHCO3 25mM、20 nM グル
タミン、10% ウマ血清、0.6% グルコースを含
むMEM/HS;Gibco社)中に再懸濁させ、そし
てpLリシン−コートされたペトリ皿(60mm直径当
たり1〜2×107細胞;NUNC社、Denmar
k)内、もしくはワックスドットフィート(42〜44
℃でのパラフィン固形化、Merk社)を用いるpLL
コートされた(0.01%)ガラス製カバースリップ
(カバースリップ当たり1×104細胞)上のいずれか
でプレート培養した。
【0016】分化の誘導化 成長因子もしくは他の分化誘導性作用物質の存在下での
実験のために、初期細胞培養物もしくは不滅化細胞株を
以下のものの内の一つもしくは組み合わせ物の存在下で
培養した:β−FGF 1ng/ml(Collabo
rativeResearch社)、EGF 5ng/
mlもしくは10ng/ml(Collaborati
ve Research社)、NGF(10ng/m
l、Collaborative Research
社)、一リン酸ジブチルサイクリックアデノシン(db
cAMP、1mM、Sigma社、Heidelber
g)、レチノイン酸(5μM;Sigma社)、IL−
7(50U/ml)、TGFα(5ng/ml)。
【0017】初期細胞および不滅化細胞クローンの同時
培養 様々な細胞クローンの不滅化細胞を、皮質神経膠細胞も
しくは小脳からの顆粒細胞のいずれかと共に同時培養し
た。この初期細胞を既述の要領で60mmのペトリ皿内
でプレート培養し、そしてその細胞クローンの細胞をp
LL−コート化されたガラス製カバースリップ上で、そ
の初期細胞と不滅化細胞との間の短い距離を維持するた
めのワックスフィートを用いてプレート培養した。
【0018】このワックスドットは以下の要領で調製し
た:オートクレーブにかけたパラフィンを微細ピペット
を用いてカバースリップ上に斑点状に乗せてカバースリ
ップ当たりに3つの小さなドットを作製した。ドットの
固形化後にそのカバースリップをpLLで少なくとも3
0分間、37℃でコートし、そして適切な培地で洗浄し
てから細胞をプレート培養した。
【0019】顆粒細胞ニューロン 顆粒細胞はKeilhauerら(1985、Natu
re 316:728−730)により記載される要領
で調製した。パーコール(Percoll)遠心分離段
階により濃縮された細胞を最終的には、追加的に10%
のウマ血清、25mM KCl、および0.6% グル
コースを含む改変化SATO培地(Trotter e
t al.、1989、J.Neurosci.Re
s. 22:369−383)中に再懸濁させた。2日
の培養の後にシトシンアラビノシド(10-5M)をその
培地に添加していずれかの残存性非神経性細胞を死滅化
させた。同時培養調査のためには1〜2×107細胞を
ペトリ皿内で培養した(60mm直径、Nunc社、D
enmark)。
【0020】抗体 どの細胞タイプがその培養物内に存在するかを測定する
ために、以下の抗体を用いた:神経膠線維酸性細胞蛋白
質(GFAP、Dako社、Hamburg、Germ
any)に対するウサギモノクローナル抗体;O−2A
神経膠前駆細胞(Raff et al.、1983、
Nature 303:390−396;1984;D
ev.Biol. 106:53−60)、幾つかの神
経膠星状細胞(Raff et al.、1983、N
ature 303:390−396;Schnitz
er and Schachner 1981、J.N
euroimmunol. 1:457−470)、お
よびニューロン(Eisenbarth et a
l.、1979、Proc.Natl.Acad.Sc
i.(USA) 76:4913−4917)により発
現されるA2B5抗原に対するマウスモノクローナル抗
体;稀突起膠細胞、後期段階の前駆細胞、およびシュワ
ン(Schwann)細胞を認識するO4抗原に対する
マウスモノクローナル抗体(Schachner et
al.、1981、Dev.Biol.83:328
−338;Sommer and Schachner
1981、Dev.Biol. 83:311−32
7;Trotter and Schachner、1
989、Dev.Brain.Res. 46:115
−122);ブロモデオキシウリジンに対するFITC
−結合化マウスモノクローナル抗体(Becton−D
ickinson社、Heidelberg、Germ
any);ニューロンおよびシュワン(Schwan
n)細胞を認識するモノクローナルラットL1抗体(R
athjen and Schachner、198
4、EMBO J. 3:1−10);ガングリオシド
D3認識性神経膠前駆細胞および初期段階の神経外肺葉
性細胞に対するマウスモノクローナル抗体LB1(Re
ynolds and Wilkin、1988、De
velopment 102:409−425);ネス
チンに対するポリクローナル抗体(E.Aaku−Sa
rkaste;University of Heid
elberg、Germany、から寄贈された);1
60kD形態のニューロフィラメントを認識するモノク
ローナル抗体(Boehringer Mannhei
m社;Germany);高分子量kD形態のニューロ
フィラメントの初期リン酸化形態を認識するモノクロー
ナル抗体(Pennymaker et al.、19
91、Exptl.Neurology 111:25
−35);ビメンチンに対するモノクローナル抗体(D
ianova社、Hamburg、Germany);
微小管結合化蛋白質tauを認識するモノクローナル抗
体(Boehringer Mannheim社;Ge
rmany);シナプトフィシン(Synaptoph
ysin)に対するマウスモノクローナル抗体(Boe
hringer Mannheim社;German
y);ニューロン特異的エノラーゼを認識するポリクロ
ーナル抗体(Dianova社、Hamburg;Ge
rmany);微小管結合性蛋白質2に対するモノクロ
ーナル抗体(MAP−2;Boehringer Ma
nnheim社;Germany)。モノクローナル抗
体は硫酸アンモニウム沈殿およびリン酸緩衝化食塩水
(PBS)に対する透析によりハイブリドーマ培養物上
清から調製したか、あるいは商品として入手可能であっ
た。
【0021】FITC−もしくはTRITC−結合化抗
−マウス、抗−ラット、抗−ヤギ抗体、もしくは抗−ウ
サギ抗体は、DAKO社、Cappel社(Denke
ndorf、Germany)、もしくはDianov
a社からのものであった。間接蛍光免疫法のための培養
物の染色は、Schnitzer and Schac
hner(1981)により記載される要領で実施し
た。
【0022】ブロモデオキシウリジン(BrdU)取り
込みを用いる分裂性細胞内でのDNA合成の検出 pLL−コートされたカバースリップ(1〜2×105
細胞/カバースリップ)上でプレート培養した初期海馬
細胞をN2+−培地中15時間、BrdU(5μM)を
添加して培養した。その後にこの細胞をリン酸緩衝化食
塩水(PBS)中で洗浄し、第一抗体(L1)と共に2
0分間インキュベートし、そしてPBS中での洗浄段階
後にヤギ抗−マウスTRITCと共にインキュベートし
た。その後にこの細胞を30分間、PBS中の氷冷0.
5%パラホルムアルデヒド中で、そしてそれに次いで室
温で20分間PBS中の4%パラホルムアルデヒド中で
固定化させた。PBS中での洗浄段階後、その細胞を2
0分間、4N HCl/0.5% Tween 20中
で、そしてそれに次いで5分間、0.1M Borax
中でインキュベートした。PBS中での更に進んだ洗浄
段階後には、その細胞を30分間、BrdUに対するF
ITC−結合化モノクローナル抗体と共にインキュベー
トした。PBS中での洗浄後、その細胞を蛍光顕微鏡下
で検査した。
【0023】ウイルス産生の検査 Ψ2を基にするベクター(v−myc)での感染の結果
得られる全不滅化細胞株およびクローンを、挿入された
遺伝子を保持する感染性ウイルスの放出について、3T
3繊維芽細胞(1×107細胞/60mmペトリ皿)を
海馬細胞株からの上清中、ポリブレンの存在下で周期的
に検査し、そしてその後に培養培地(DMEMプラス1
0%ウシ胎仔血清)を含むG418中での選択段階を実
施した。G418耐性3T3細胞数は全く観察されなか
った。
【0024】Ca2+−像映撮影法 蛍光プローブ:細胞内カルシウム濃度の動的変化をフラ
(Fura)−2蛍光プローブ(Roe et a
l.、1990、Cell Calcium 11:6
3−73)を用いて測定した。この蛍光染料を選択した
理由は、その選択性、高量子収率、および吸光率のため
である。フラ(Fura)−2はアセトキシメチルエス
テルとして生細胞内に浸透し、そして細胞内エステラー
ゼによる加水分解後にはその細胞内に捕捉される。フラ
(Fura)−2のカルシウム感受性遊離酸は細胞の内
側のカルシウムイオンに結合することが可能である。フ
ラ(Fura)−2は380nmに最大励起波長を有
し、そしてフラ(Fura)−2/カルシウム複合体は
340nmにピークを示す。細胞内カルシウム濃度の変
化は340nmと380nmとの励起波長、および51
0nmの発光波長での蛍光ビデオイメージを記録するこ
と、ならびに340nmのもので380nmのデジタル
化ビデオイメージの灰体値を割算することにより算出し
た。
【0025】フラ(Fura)−2での細胞のローディ
ング:ジメチルスルホキシド(DMSO)中の2mM
フラ(Fura)−2−アセトキシメチルエステルを含
む保存溶液を5〜10μMに、1.5%のウシ血清アル
ブミンおよび5mMの塩化カルシウムを含む無血清最少
必須培地(Minimal Essential Me
dium)(MEM、Gibco)で5〜10μMに希
釈した。細胞をファルコン(Falcon)96ウエル
プレート中で45〜60分間、37℃でインキュベート
した。その後にこの細胞をN−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)(H
EPES、5mM)緩衝化サイロード(Tyrode)
溶液(130mM NaCl、5mM KCl、2mM
CaCl2、1mM MgCl2、5mM NaHCO
3、11mM グルコースを含むHEPES緩衝化塩溶
液)中で2度洗浄した。
【0026】イメージング法:100μlのサイロード
(Tyrode)緩衝液をそのプレートのウエルに添加
し、そして細胞を順次、蛍光顕微鏡(Nicon Di
aphot社)下で340nmおよび380nmの光に
露出させた。露出時間は100m秒であった。3秒間隔
での一連のビデオイメージが取得され、そしてイメージ
分析用コンピューター(Leica社、Quantim
et 570)のイメージボード中のデジタル化写真と
して保存された。8枚のイメージを取得した後に検査物
質を適用させた。細胞の灰体レベルは蛍光強度に相当
し、その灰体レベルを記録されたビデオイメージにおい
て測定した。「380nmイメージ」の測定された灰体
レベルを「340nmのイメージ」の灰体レベル(平均
化イメージからかもしくは個々の細胞からかのいずれか
の値)で分割することにより比率を決定した。平均化さ
れた結果については、灰体値は全体像にわたって測定し
た。
【0027】第二メッセンジャー法 ホスホイノシチド加水分解は、3H−リン酸イノシトー
ルの蓄積を測定することにより決定した。細胞をウエル
当たり10000細胞の密度で48−ウエルプレート
(Coster社)内でプレート培養し、そして37
℃、7% CO2下で4〜5日間インキュベートした。
その後に細胞をmlの培地当たり4μCiのmyo−2
3H−イノシトールでのインキュベーションによりラ
ベル化した(比活性:10〜20μCi/mモル:Am
ersham社)。24時間後にLiCl(10mMの
最終濃度)を細胞に1時間添加した。その後にアゴニス
トを指示される濃度で添加した。インキュベーション
は、その培地を200μlの氷冷メタノールで置換する
ことにより1時間後に停止させた。400μlの蒸留水
を添加し、そして試料を直接AG−1X8イオン交換カ
ラム(AG−1X8樹脂:BioRad社)にかけた。
遊離イノシトールおよびグリセロホスホリル−イノシト
ールを16mlの蒸留水、次いで10mlの5mM 四
ホウ酸二ナトリウム、60mM ギ酸ナトリウムで洗い
落とした。全3H−リン酸イノシトール(IP1、IP
2、IP3)を7mlの100mM ギ酸、1M ギ酸
アンモニウムで溶出させた。溶出させた3H−リン酸イ
ノシトールの放射活性を、13mlの液体シンチレーシ
ョンカクテル(Ultima Gold;Canber
raPackard社)の添加後に液体シンチレーショ
ン計測により決定した。測定は各実験値について三重実
験で実施された。未処理対照を100%として設定し、
そして他の値をこの値に相関させて算出した。
【0028】カラムは以下の要領で調製した:1mlピ
ペットの先端に各先端当たり一つのガラスビーズ(Ro
th社)を充填し、その後に500μlのAG−1X8
樹脂を添加した。この樹脂を空気で圧縮し、そして27
0μlの海砂を乗せた。使用するまでそれらのカラムは
4℃下で保存した。
【0029】電気生理学 電気生理学的設定:膜電流は完全細胞レコーディング形
態でのパッチクランプ技術(Hamill et a
l.、1981、Pfluegers Arch.39
1:85−100)で測定した。電流シグナルは通常の
エレクトロニクス(EPC−9増幅器、HEKA El
ektronik GmbH社、Lambrecht、
Germany)で増幅させ、10kHzでフィルター
にかけ、そしてIBM AT−可変式コンピューターシ
ステム(これは刺激電流発生器としても作用する)に連
結されているインターフェースにより5kHzで試料採
取を行った。
【0030】溶液および電極:標準的ベージング溶液は
以下のものを含んでいた(mM表示):NaCl 15
0、KCl 5、MgCl2 1.8、HEPES
5、およびグルコース 10。幾つかの実験では等モル
量のNaClを5mM BaCl2で置き換えた。レコ
ーディングピペットは約5MΩ(Hilgenberg
社、Malsfeld、Germany)の抵抗を有し
ていた。そのピペットは以下のものを含んでいた(mM
表示):KCl 140、CaCl2 0.5、EGT
A 5、MgCl2 2、およびHEPES 10。p
Hは7.4に調製した。幾つかの実験ではピペット溶液
は電位活性化電流の寄与を最少にさせるように設計され
ていた。この場合、リガンド活性化電流を調査したとこ
ろ、ピペット溶液は以下のものを含んでいた(mM表
示):CsCl 140、EGTA 10、およびHE
PES 10。
【0031】リガンドは細胞外塩溶液中に溶解されてお
り、そしてU字管アプリケーションシステムを介して適
用した。リガンド誘導化電流を記録するためには膜電位
を−70mVに固定させた。電位活性化電流の測定のた
めには細胞を−70mVに保ち、そして毎秒毎に膜を5
0m秒の脱分極もしくは過分極テストパルスを通して−
170と+20mVとの間の電位にステップさせた。
【0032】
【実施例】
細胞株とクローンとのまとめ 以下の細胞株およびクローンが本発明内に含まれる: 1.)レトロウイルスベクター: HNMMCV 13.1 HNMMCV 14.1 HNMMCV 11.2 を発現するv−myc癌遺伝子を用いる感染段階から取
得される細胞株。
【0033】HNMMCV 13.1.FおよびHNM
MCV 13.1.Eは細胞株HNMMCV 13.1
に由来するクローンである。
【0034】HNMMCV 11.2.Oは細胞株HN
MMCV 11.2に由来するクローンである。
【0035】HNMMCV 14.1.Aは細胞株HN
MMCV 14.1に由来するクローンである。
【0036】2.)レトロウイルスベクター: HCe/nXV を発現するegfr−neuハイブリッド遺伝子を用い
る感染段階から取得される細胞株。
【0037】HCe/nXVBは細胞株HCe/nXV
に由来するクローンである。
【0038】マウス海馬からの初期培養物の樹立 胎仔日令E16からのマウスを取得して「材料および方
法」に記載される要領で海馬を調製した。フィーダー細
胞の使用により放出された因子を介する細胞間の相互作
用が可能になるが、細胞から細胞への直接的な接触は排
除される。このシステムの助けを借りることでマウス海
馬細胞を少なくとも21日間培養物中に維持することが
可能となる。この細胞は最初には多くのラメリポディウ
ムを産生するが、これはその後には減少して幾つかの異
なる過程へと変化して行き、培養物中で長期間を経た後
には分化および肥厚化を遂げて行く。
【0039】初期海馬細胞の特徴決定 海馬細胞を、免疫蛍光技術を用いる様々なマーカーの発
現について分析した。以下の抗体を用いた:GFAP、
ネスチン、ニューロフィラメント(160kD;リン酸
化形態)、MAP−2、tau、シナプトフィシン、L
B1、L1、ビメンチン、O4、A2B5、ニューロン
特異的エノラーゼ(Neuron−Specific
Enolase)。結果が表1にまとめられている。
【0040】海馬細胞の不滅化および選択 培養物を、分裂性前駆細胞からの発達を既に遂げてしま
っている成熟細胞の存在について、BrdUと共に16
時間インキュベーションした後2〜7日目の培養物中で
既に発達を遂げてしまっている細胞内のDNA内へのB
rdUの取り込みを調査することにより分析した。神経
星状起源の内の幾つかのGFAR−陽性細胞、前駆体様
起源の多くのネスチン−陽性細胞、およびニューロン起
源の少数のL1−陽性細胞が検出された。不滅化細胞株
は初期培養物から、v−mycもしくはegfr−ne
癌遺伝子を含む様々なレトロウイルスベクターを用い
て、「材料および方法」において以前に記載される要領
で樹立した。生存性でありかつ首尾よく不滅化された細
胞をそれらのマーカー特性について分析し、そして既述
の要領でクローン化した。
【0041】v−mycおよびegfr−neuの両方
の癌遺伝子含有性ベクターを使用することで数々の安定
な細胞株が作製され、これらを数カ月間にわたり継代す
ることが可能であった。これらの細胞株の細胞は、扁平
細胞のみか、もしくは扁平および両極細胞のいずれかで
構成されている一方で、両極細胞は形態学的にはプレー
ト培養後2日目の初期海馬細胞に類似していた。
【0042】v−mycおよびegfr−neu癌遺伝
子含有性レトロウイルス構築物を起源とする細胞株につ
いてはそれらのマーカー発現についての特性決定を行っ
た。結果が表1および2に示される。v−myc癌遺伝
子を含む細胞株は様々な細胞タイプからできていた。細
胞株HNMMCV 13.1、HNMMCV 11.
2、およびHNMMCV 14.1は主に両極形態を有
する一方で、それらの細胞の内の僅かなパーセンテージ
のものが扁平かつ神経星状細胞様であった。これらの細
胞株を、初期海馬細胞について用いたのと同様のマーカ
ーの発現について調査した。まとめると、全細胞株は多
くのビメンチン−およびネスチン−陽性細胞、ならびに
僅かなパーセンテージのLB1−およびGFAP−陽性
細胞を含んでいた(表1)。
【0043】egfr−neu癌遺伝子を発現する細胞
株は主に非常に扁平かつ未分化様の見かけ上の形態を示
した。ほぼ全ての細胞がビメンチン−およびネスチン−
陽性であり、比較的高いパーセンテージのものがA2B
5、GFAP、およびLB1を発現し、そして僅かな細
胞がO4およびMAP−2について陽性であった(表
2)。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】細胞クローン 細胞株は「材料および方法」に記載される要領でクロー
ン化させた。数回にわたる継代の後に安定な細胞クロー
ンが、v−myc含有性細胞株およびegfr−neu
含有性細胞株の両方から樹立された。これらのクローン
を源の細胞株と同一のマーカーについて特徴決定した。
v−myc含有性レトロウイルスベクターで不滅化させ
た細胞株を起源とするクローンについての結果が表1に
示される。全てのクローンはネスチンおよびビメンチン
の顕著な発現を示し、その細胞の内の幾つかはGFAP
−もしくはLB1−陽性であった。
【0047】egfr−neu発現性レトロウイルスベ
クターで不滅化させた細胞株を起源とするクローンの特
徴が表4に示される。
【0048】不滅化細胞株およびクローンの分化の誘導 インビトロでの分化を誘導するために、以下の因子の数
々の組み合わせ物を用いた:レチノイン酸(RA、10
μM)、NGF、β−FGF、EGF、IL−7、TG
Fα、dbcAMP(1mM)。それに加え、生後0〜
1日目のマウスから取得される皮質神経膠細胞および生
後6日目のマウスから取得される顆粒ニューロンとの同
時培養の効果を調査した。
【0049】v−myc発現性細胞株およびクローンの
分化 1mM dbcAMPが細胞の部分的分化を誘導した。
これらの細胞は一層進行した分化を遂げた状態の形態を
示し、マーカーであるビメンチンの発現は低下し、そし
て特に細胞株HNMMCV 11.2の細胞はそれらの
変化に加えてニューロン的性質であるMAP−2の発現
の誘導を示した(表3)。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】egfr−neu発現性細胞株およびクロ
ーンの分化 EGFの非存在下ではこの癌遺伝子の活性は負の方向に
調節されており、この細胞株の細胞は顕著な形態学的分
化を示した。多くの細胞がニューロンに典型的な様式
か、あるいは稀な事例では稀突起膠細胞に典型的な様式
でのかなり巧みに分岐された過程過程を発現した。マー
カー特性により判定したところ細胞株HCegfr−n
eu XVはニューロン特性を発現した(表4)。
【0053】Ca2-イメージング実験 細胞に、培養3日目〜7日目の間の時点でフラ(Fur
a)2/AMをかけた。多数のアゴニストを、細胞内カ
ルシウムの上昇をもたらす細胞表面上の特異的レセプタ
ーを活性化させるそれらの能力について検査した。細胞
質内でのカルシウム濃度の上昇は細胞膜内での特異的カ
ルシウムチャンネルの活性化後か、カルシウムイオンが
通過可能なイオンチャンネルに直接共役する神経伝達物
質レセプター(すなわち、NMDAもしくはAMPAタ
イプのグルタミン酸レセプター)の活性化後か、あるい
はシグナルを細胞の内側の様々な酵素の活性を調節する
特異的G蛋白質の活性化を通して伝達させるレセプター
の活性化により生じることがあり得る(Connor、
Cell Calcium 14(1993)、185
−200;Crouch and Hendry、Me
dical Res.Rev. 13(1993)、1
05−123)。ホスホリパーゼCの活性化により第二
メッセンジャーであるジアシルグリセロールおよびイノ
シトール三リン酸が細胞膜内のリン脂質から生じる。カ
ルシウムイオンを保持する内部ベシクル上に位置するレ
セプターへのイノシトール三リン酸の結合により、細胞
質内のカルシウムイオンの濃度の一過性上昇がもたらさ
れる(Berridge,M.J. 1993、Nat
ure 361:315−325)。
【0054】これらの細胞を、中枢神経系における多種
多様の神経伝達物質レセプターに対して様々な特異性を
有する多数のアゴニストと共にインキュベートした。具
体的にはグルタミン酸レセプターの様々なサブタイプに
対する特異的リガンドを検査した。グルタミン酸および
アスパラギン酸は哺乳類の中枢神経系における主要興奮
性神経伝達物質であると考えられている(Nichol
ls、Eur.J.Biochem. 212(199
3)613−631)。グルタミン酸のためのレセプタ
ーは、カチオン−ゲート化イオンチャンネルに直接共役
するレセプター(イオンチャンネル型レセプター)、な
らびにG蛋白質に結合するレセプター(代謝性レセプタ
ー)、および第二メッセンジャーシステムを活性化させ
るレセプターに分類することができる(Hollman
n et al.、Nature342(1989)、
643−648;Sommer et al.、Sci
ence 249(1990)、1580−1585;
Pin,J.P. and Duvoisin,R.、
1995、Neuropharmacology34:
1−26)。
【0055】
【表5】
【0056】様々なグルタミン酸レセプターサブユニッ
トに対するアゴニストを既述のクローンおよび細胞株と
共にインキュベートした際には様々なシグナルが記録さ
れた(表5)。10μM〜10mMのグルタミン酸の、
細胞クローンHNMMCV13.1.F、HNMMCV
13.1.E、HNMMCV 11.2.O、もしく
はHNMMCV 14.1.Aへの適用により、細胞質
内のカルシウム濃度の有意な上昇がもたらされた。例え
ばα−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソ
オキサゾール−プロピオン酸(AMPA、最高1mMま
で)もしくはカイニン酸(最高1mMまで)のようにイ
オンチャンネル型グルタミン酸レセプターを活性化する
ことができるアゴニストは、細胞クローンHNMMCV
13.1.F、HNMMCV 13.1.E、HNM
MCV 11.2.O、もしくはHNMMCV 14.
1.A、ならびに未分化のHCe/nXV.B細胞内の
細胞内カルシウム濃度の一過性の上昇は一つの例外を除
いてもたらすことはなく、その例外とは:カイニン酸の
存在下では未分化のHCe/nXV.B細胞における再
現的カルシウムシグナルが存在したことである。グルタ
ミン酸(100μM)の適用後に記録されるシグナル
は、イオンチャンネル型グルタミン酸レセプターを選択
的に遮断する6−ニトロ−7−シアノキノキサリン−
2,3−ジオン(CNQX、100μM)による拮抗作
用は受けなかった。カルシウム伝達性特性を有するグル
タミン酸レセプターの他のイオンチャンネル型サブクラ
ス(Kutsuwada、Nature 358(19
92)、36−41)を選択的に活性化するN−メチル
−D−アスパラギン酸(NMDA;最高500μMま
で)は、これらの細胞では有意なカルシウムシグナルを
もたらさなかった。電気生理学的記録法で測定される高
速不活性性シグナルはこのシステムでは可視化されない
のかもしれない。これらの実験(カイニン酸についての
未分化HCe/nXV.B細胞の例外は存在するもの
の)から、イオンチャンネル型グルタミン酸レセプター
の発現は起こりそうもないように思われる。グルタミン
酸レセプターの他のサブクラスに対するアゴニストであ
る代謝性グルタミン酸レセプター(Tanabe、Ne
uron 8(1992)、169−179)も既に、
それらが細胞内カルシウム濃度の一過性上昇を活性化す
る濃度について検査されている。代謝性グルタミン酸レ
セプターの活性化および対応するG蛋白質の活性化後
に、細胞膜内のホスホリパーゼCの活性化を通してこの
一過性上昇が生じるのかもしれない(Bockaer
t、Fund.Clin.Pharmacol.7(1
993)、473−485)。例えば、1S3R−アミ
ノ−シクロプロパン−1,3−ジカルボキシレート(1
S3R−ACPD)およびL−カルボキシシクロプロピ
ルグリシン(L−CCGl)のような代謝性グルタミン
酸レセプターに対するアゴニストは両方とも強力(未分
化HCe/nXV.B細胞中では弱いシグナル)かつ一
過性に生じる細胞内カルシウム濃度の増加をもたらす
(表5)。これらの結果により、HNMMCV 13.
1.E、HNMMCV 13.1.F、HNMMCV
11.2.O、HNMMCV 14.1.A、ならびに
程度は劣るにせよ未分化のHCe/nXV.B細胞は、
イオンチャンネル型タイプのレセプターではなく代謝性
タイプのレセプターに相当するグルタミン酸レセプター
を発現するようである。
【0057】他の神経伝達物質レセプターのための多数
の特異的アゴニストが既に細胞に適用されている。セロ
トニン(様々なセロトニン神経伝達物質レセプターのた
めのアゴニスト(Perontka 1993、J.M
eurochem. 60:408−416)、最高1
mMまで)およびドーパミン(様々なドーパミン神経伝
達物質レセプターに特異的、(Sibley 199
2、Trends Pharmacol.Sci. 1
3:61−69)、最高1mMまで)は、13.1.
F、13.1.E、11.2.O、14.1.A、もし
くはHCe/nXV.B細胞では特異的シグナルはもた
らさなかった(表5)。カルバコール(ムスカリン様タ
イプのアセチルコリンレセプターに結合するG蛋白質に
特異的(Milligan 1994、Trends
Pharmacol.Sci. 14:413−41
8)、最高1mMまで)はHCe/nXV.B細胞では
再現的シグナルを示したが、検査した他の細胞ではその
ようなシグナルは示されなかった。
【0058】第二メッセンジャー実験 HNMMCV 14.1.A細胞により発現される代謝
性グルタミン酸レセプター(一つもしくは複数)(mG
luR)の薬理学特性決定を行った。イノシトール三リ
ン酸蓄積におけるmGluRの数々の既知のアゴニスト
の効果を検査した。L−グルタミン酸、キスカル酸、イ
ボテン酸、および1S,3R−ACPDはイノシトール
三リン酸蓄積における濃度依存的相加を引き起こした。
D−グルタミン酸は効果を示さなかった。用量反応性の
関係からEC50値は各々50μM(L−グルタミン
酸)、20nM(キスカル酸)、5μM(イボテン
酸)、および20μM(1S,3R−ACPD)である
と算出された。これらのデータにより、以下の能力等級
がもたらされた:Qa>Ibo>1S,3R−ACPD
>Glu。L−グルタミン酸が最も有望なアゴニストで
あった。イボテン酸、1S,3R−ACPD、およびキ
スカル酸の最大反応はグルタミン酸について観察された
ものと比較するとやや劣っていた。
【0059】電気生理学 リガンド活性化電流:中枢神経系中の多種多様な興奮性
および阻害性神経伝達物質レセプターについて様々な指
向性を有する多数の特異的アゴニストを調査した。細胞
株間には多種多様の有意な伝達物質特異性および感受性
が存在するものの、一般的に単純化させた記載は以下の
ようなものとなり得る:ナトリウム電流を示す細胞は多
様な物質と反応し、同時に大きなリガンド活性化電流を
示す。ナトリウム電流を示さない細胞は、より少数のア
ゴニストに対して一層微弱な反応を示す傾向がある(表
6)。
【0060】
【表6】
【0061】様々なアゴニストにより誘導されたリガン
ド活性化電流の薬理学的および電気生理学的特性を、大
きな振幅の反応を示す細胞クローン、すなわち分化を遂
げたHCe/nXV.B細胞において詳細に分析した。
カルシウムイメージング実験に関しては、様々なグルタ
ミンアゴニストがHCe/nXV.B細胞における明確
な内向き電流を誘導した。AMPA(100μM)、N
MDA(1mM)、カイニン酸(1mM)、およびグル
タミン酸(1mM)は、様々なピーク増幅を示す反応を
誘導した。幾つかの細胞はNMDAおよび/またはAM
PAには反応しなかった。それとは対照的に、HNMM
CV 13.1.E、HNMMCV 14.1.A、お
よび未分化のHCe/nXV.B細胞は僅かばかりの内
向き電流を誘導したに過ぎなかった。カイニン酸により
活性化される電流を媒介するイオン種を同定するため、
および予測されるカイニン酸/AMPAレセプターのサ
ブユニット構成成分を解明するために、カイニン酸反応
の逆転電位を決定した。従って膜を、−100、−8
0、−60、−40、−20、0、+20、および+4
0に脱分極もしくは過分極させた。カイニン酸に関して
取得されるI/V曲線は直線であり、かつ0mVで逆転
しており、このことにより直線電流/電位関係の原因と
なるGluR−Bサブユニットの存在が示された。
【0062】イオンチャンネル型伝達物質レセプターの
中でもGABAは中枢神経系における主な阻害性伝達物
質である。グルタミン酸レセプターに関しては、GAB
Aレセプターは、イオンチャンネル型レセプター(いわ
ゆるGABAAレセプター)および代謝性レセプター
(GABABレセプター)に分類することができる。H
Ce/nXV.B細胞のGABA反応を特異的GABA
Aレセプターアゴニストであるムスシモールにより模倣
することができ、かつアンタゴニストであるビククリン
により遮断することができた。GABA活性化電流の逆
転電位は+10mVに近く、この値は予測されたCl-
等価電位に適合した。これらの実験により、HCe/n
XV.B細胞はGABAに対する顕著な反応を示し、こ
の反応はGABAA−レセプターにより媒介されること
が証明された。グルタミン酸とは対照的に、これらのレ
セプターは未分化のHCe/nXV.B細胞およびHN
MMCV 14.1.A細胞中にも存在する。しかしな
がらこれらの細胞、および類似のGABA−反応を示す
多くの細胞のGABA反応のピーク増幅間には大きな変
動が示された。
【0063】最後に、アセチルコリンの適用後には、H
NMMCV 14.1.Aおよび未分化のHCe/nX
V.B細胞の内の少数部分のみがアセチルコリン誘導化
内向き電流を示したに過ぎなかった。
【0064】電位活性化電流:電位活性化電流の存在も
しくは非存在を検査する目的で、断片化細胞を電位固定
プロトコールを用い、−70mVから開始する一連の脱
分極および過分極電位に各々固定化させた。全種類の細
胞の脱分極化は電圧変化段階中に遅延増加を示す外向き
電流成分を活性化した。しかしながら分化を遂げたHC
e/nXV.B細胞は追加的高速活性性および不活性性
内向き電流を示すことがよくあり(表6)、これは恐ら
くはナトリウム電流であると思われ、このことによりそ
れらの細胞は電流固定条件下で活性電位を生じることが
可能となるのであろう。この電流は、細胞株HNMMC
V 14.1.Aからの細胞および未分化のHCe/n
XV.B細胞には観察されなかった。−80mVと比較
して一層陰性寄りの電位への過分極は追加的な内向き電
流成分を活性化した。この内向きに修正された電流は一
層強い陰性電位では不活化され、そしてナトリウム内向
き電流を示す細胞内ではあまり顕著ではなかった。
【0065】本発明の主な特徴または態様は以下のとお
りである。
【0066】1. 代謝性グルタミン酸レセプターを発
現する不滅化海馬細胞。
【0067】2. 受託番号ACC 2223、ACC
2230、ACC 2231、ACC 2232、お
よびACC 2233としてDeutsche Sam
mlung fuer Mikroorganisme
nに寄託されている、前記1に記載の細胞。
【0068】3. 医療薬のスクリーニングのための、
前記1および2に記載の細胞の使用。
【図面の簡単な説明】
【図1】分化を遂げたEGF除去後7日目のXV.B細
胞。左側はピペット溶液内でのCsClの存在および非
存在下での2つの異なる細胞の電位固定記録値である。
電位固定プロトコールを用いると、膜は−70mVの保
持電位から増加脱分極および過分極電位までに各々固定
されている。CsClの非存在下では細胞は高速ナトリ
ウム電流の活性化および遅延した外向き修正性カリウム
電流を伴って大きな脱分極化に反応するが、この反応は
CsClの存在下では遮断される。右側は対応する細胞
が電流固定化に付されている。適切な電流注入の時点で
は活性電位が誘発された。CsCl存在下での延長され
た再分極化に留意されたい。中央には分化を遂げた典型
的な細胞が示されている。
【符号の説明】
表の簡単な説明 表に用いられる記号および略称の記述: 以下の抗原を認識する抗体: A2B5:神経膠前駆細胞、幾つかの神経膠星状細胞、
およびニューロンにより発現される表面ガングリオシド LB1:稀突起膠細胞、後期段階の神経膠前駆細胞、お
よびシュワン(Schwann)細胞上の表面脂質 O4:稀突起膠細胞、後期段階の神経膠前駆細胞、およ
びシュワン(Schwann)細胞上の表面分子 L1:ニューロンおよびシュワン(Schwann)細
胞により発現される表面糖蛋白質 GFAP:神経膠線維酸性蛋白質;神経膠星状細胞によ
り発現される細胞内蛋白質 NS:ネスチン;神経性前駆細胞により発現される細胞
内蛋白質 VIM:ビメンチン;神経性前駆細胞により発現される
細胞内蛋白質 NF−160:ニューロフィラメントの160kD形
態;ニューロンにより発現される細胞内蛋白質 NF−P:ニューロフィラメントの高分子量kD形態の
初期リン酸化形態;ニューロンにより発現される細胞内
蛋白質 tau:微小管結合化蛋白質tau synapto:シナプトフィシン NSE:ニューロン特異的エノラーゼ MAP−2:微小管結合化蛋白質−2 更に別の略称: DIV:インビトロでの日数 +dbcAMP:1mMのジブチリルサイクリックアデ
ノシン一リン酸の存在下で培養される +もしくは(or)−EGF:表皮成長因子の存在もし
くは非存在下で培養される +ニューロン(neurons):小脳顆粒細胞と同時
培養される NGF:神経成長因子(Nerve Growth F
actor) β−FGF:塩基性繊維芽細胞成長因子(basic
FibroblastGrowth Factor) EGF:表皮成長因子(Epidermal Grow
th Factor) n.d.:非実施 記号: (+):1〜10%陽性細胞 +:10〜30%陽性細胞 ++:30〜70%陽性細胞 +++:70〜100%陽性細胞 −:非陽性細胞
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 トマス・ミユラー ドイツ53113ボン・エアメカイルシユトラ ーセ36 (72)発明者 アルノ・フリートル ドイツ51427ベルギツシユグラートバツ ハ・イムヒルゲルスフエルト53 (72)発明者 トマス・グラザー ドイツ51491オフエラート・ビーデンホフ 8 (72)発明者 ジヤクリン・トロツター ドイツ69121ハイデルベルク・モーツアル トシユトラーセ19 (72)発明者 マリオン・ユング ドイツ78464コンスタンツ・マイナウシユ トラーセ48アー (72)発明者 エバ−マリア・アルベルス ドイツ69117ハイデルベルク・ハウプトシ ユトラーセ22

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 代謝性グルタミン酸レセプターを発現す
    る不滅化海馬細胞。
JP8304175A 1995-11-07 1996-10-31 不滅化胎仔海馬細胞およびそれらの使用 Pending JPH09121851A (ja)

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EP95117502A EP0773287A1 (en) 1995-11-07 1995-11-07 Immortalised embryonic hyppocampal cells and their use
DE95117502.5 1995-11-07

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