JPH091143A - 海水淡水化装置及び海水淡水化方法 - Google Patents

海水淡水化装置及び海水淡水化方法

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JPH091143A
JPH091143A JP7146554A JP14655495A JPH091143A JP H091143 A JPH091143 A JP H091143A JP 7146554 A JP7146554 A JP 7146554A JP 14655495 A JP14655495 A JP 14655495A JP H091143 A JPH091143 A JP H091143A
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cold
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秀則 茅野
Yasuhide Nakakuki
康秀 中久喜
Naomi Kawahito
尚美 川人
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メンテナンス要員を不要としつつ太陽エネル
ギーのみで稼動する大規模かつ安価なシステムを可能と
する。 【構成】 蓄熱池12は、塩分濃度が高い海水を入れた
蓄熱対流層12Cを蓄熱池12の下部側に有し、塩分濃
度が低い海水を入れた表層対流層12Aを蓄熱池12の
上部側に有する。膜モジュール22は、疎水性膜26を
壁面として蓄熱池12の温海水を流す温水通路24を内
蔵している。配管58及び配管60が、温海水を温水通
路24内を通過させる。膜モジュール22は、冷海水を
冷却水として流す冷水通路28を内蔵している。一方の
壁面を疎水性膜26で形成すると共に、他方の壁面を冷
水通路28の壁面となる冷却板30で形成した淡水生成
室32が、膜モジュール22内に配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽エネルギーを利用
して海水を淡水化する海水淡水化装置及び海水淡水化方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】エネルギー自給型の淡水化方法として、
太陽エネルギー利用ベイズン型、太陽電池利用RO、太
陽エネルギー利用膜蒸留(チューブ埋設型)、太陽エネ
ルギー利用膜蒸留(膜モジュール型)、太陽エネルギー
利用ベイズン膜蒸留ハイブリッド型等の方法が考えられ
る。そして、以下に各方法が採用された海水淡水化装置
の概要を説明する。
【0003】太陽エネルギー利用ベイズン型の海水淡水
化装置は、海水が放水された広くて黒い水盤(Basin)
と、この水盤の上部を覆うガラス製の透明カバーと、こ
の透明カバーを支えるフレームとから構成されている。
そして、この海水淡水化装置の黒色の水盤面が太陽熱を
吸収して海水を加熱・蒸発させ、蒸発した水蒸気が透明
カバーの下面に達すると、外気で冷却されて凝縮され透
明カバーに沿って流し出して、淡水が海水淡水化装置外
に分離・収集される。
【0004】太陽電池利用ROは、太陽光によって発電
する太陽電池を電源として、RO法海水淡水化装置を稼
動するものである。つまり、この太陽電池利用ROが採
用された海水淡水化装置は、海水の浸透圧以上の圧力と
なるようにポンプで海水を送り、逆浸透膜を通して海水
から淡水を分離する装置である。
【0005】太陽エネルギー利用膜蒸留(チューブ埋設
型)による海水淡水化装置は、疎水性多孔質膜を用いて
膜蒸留するものである。これは疎水性多孔質膜の一方の
面に温海水を流し他方の面を冷却することにより、疎水
性多孔質膜中を通過した水蒸気が冷却される側の面で凝
縮して海水より淡水を得るものである。
【0006】具体的には、汲み上げた海水を太陽熱温水
装置で暖めて温水タンクに一時貯留した後、この温海水
を地中に埋められた疎水性多孔質膜のチューブへ流すこ
とにより、水蒸気が疎水性多孔質膜膜を通して地中に供
給され、地中で凝縮して淡水となって、地上の植物に摂
取される装置である。尚、ポンプ等の動力は太陽電池に
よって得られた電力を用いる。
【0007】太陽エネルギー利用膜蒸留(膜モジュール
型)による海水淡水化装置は、上記のチューブ埋設形と
同様に、膜蒸留法に基づく淡水化方法を用いており、汲
み上げた海水と太陽熱温水装置によって暖めた温海水を
膜モジュールに通水し、淡水を得るものである。尚、ポ
ンプ等の動力は太陽電池によって得られた電力を同様に
用いる。
【0008】また、太陽エネルギー利用ベイズン膜蒸留
ハイブリッド型は、上記のベイズン型と膜蒸留を組み合
わせたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、いずれも太陽
エネルギーの吸収を、水盤、太陽電池及び太陽熱温水装
置等の装置類で行っている為、専門のメンテナンス要員
が必要であると共に大規模かつ安価なシステムにはなり
難く、さらに、排出される濃塩水を処理しなければなら
ない等の課題がある。
【0010】本発明は上記欠点を解消するためになされ
たもので、メンテナンス要員を不要としつつ太陽エネル
ギーのみで稼動する大規模かつ安価なシステムを可能と
する海水淡水化装置及び海水淡水化方法を提供すること
を目的とする。
【0011】さらに、濃塩水の処理を不要とした海水淡
水化装置及び海水淡水化方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1による海水淡水
化装置は、上部の海水より塩分濃度の高い海水を下部に
溜めると共に、太陽光を受けて下部の海水の温度を上昇
させて温海水とする蓄熱池と、疎水性膜を壁面として前
記蓄熱池の温海水を流す温水通路及び温海水より温度の
低い冷海水を冷却水をとして流す冷水通路を内蔵し且
つ、温水通路内から疎水性膜を通過した水蒸気を冷水通
路内の冷海水で冷却する膜モジュールと、を含むことを
特徴とする。
【0013】請求項2による海水淡水化装置は、上部の
海水より塩分濃度の高い海水を下部に溜めると共に、太
陽光を受けて下部の海水の温度を上昇させて温海水とす
る蓄熱池と、疎水性膜を壁面として前記蓄熱池の温海水
を流す温水通路及び温海水より温度の低い冷海水を冷却
水をとして流す冷水通路を内蔵し且つ、温水通路内から
疎水性膜を通過した水蒸気を冷水通路内の冷海水で冷却
する膜モジュールと、前記蓄熱池の下部から温海水を送
り出して前記膜モジュールの温水通路内を通過させると
共に、温水通路内を通過した温海水を前記蓄熱池の下部
に戻す流路と、を含むことを特徴とする。
【0014】請求項3による海水淡水化方法は、蓄熱池
の上部の海水より塩分濃度の高い海水を蓄熱池の下部に
溜めた状態で、太陽光によりこの蓄熱池の下部の海水の
温度を上昇させて温海水とし、この後、疎水性膜を壁面
とした温水通路にこの温海水を流して温水通路内から疎
水性膜を通過させて水蒸気を取り出し、冷水通路内の温
海水より温度の低い冷海水で冷却して淡水を生成する、
ことを特徴とする。
【0015】請求項4による海水淡水化方法は、蓄熱池
の上部の海水より塩分濃度の高い海水を蓄熱池の下部に
溜めた状態で、太陽光によりこの蓄熱池の下部の海水の
温度を上昇させて温海水とし、この後、疎水性膜を壁面
とした温水通路にこの温海水を流して温水通路内から疎
水性膜を通過させて水蒸気を取り出し、冷水通路内の温
海水より温度の低い冷海水で冷却して淡水を生成し、次
に残った温海水を前記蓄熱池の下部に戻す、ことを特徴
とする。
【0016】
【作用】請求項1に係る海水淡水化装置の作用を以下に
説明する。
【0017】上部の海水より塩濃度の高い海水を下部に
溜める蓄熱池が太陽光を受けると、蓄熱池の下部の海水
の温度が上昇して温海水となる。疎水性膜が壁面とされ
た温水通路にこの温海水が流れると、水蒸気が疎水性膜
を通過し、冷水通路内を流れる冷海水でこの水蒸気が冷
却されて淡水が膜モジュールで生成される。
【0018】従って、石油、電気等の質のよいエネルギ
ーを必要とせず、また、運転管理上も専門のメンテナン
ス要員を配置しなくとも、太陽エネルギーのみで海水淡
水化装置が稼動する。
【0019】さらに、蓄熱池に溜められている海水の温
度を太陽光により上昇させ、温海水として太陽エネルギ
ーを温海水に吸収させているので、水盤、太陽電池及び
太陽熱温水装置等の装置類を用いる必要がなくなって、
大規模かつ安価なシステムにすることができる。
【0020】請求項2に係る海水淡水化装置の作用を以
下に説明する。本請求項は、請求項1と同様な作用を奏
するが、さらに本請求項は、蓄熱池の下部から温海水を
送り出して膜モジュールの温水通路内を通過させると共
に、温水通路内を通過した温海水を蓄熱池の下部に戻す
流路を有しているので、膜モジュールより排出される濃
塩水を処理する必要がなくなる。
【0021】請求項3に係る海水淡水化方法の作用を以
下に説明する。蓄熱池の上部の海水より塩分濃度の高い
海水を蓄熱池の下部に溜めた状態で、太陽光が照射され
ると、太陽光により蓄熱池の下部の海水の温度が上昇し
て温海水となる。
【0022】この後、疎水性膜を壁面とした温水通路に
この温海水が流されると、水蒸気が疎水性膜を通過し、
冷水通路内の冷海水でこの水蒸気が冷却されて、淡水が
生成される。
【0023】従って、石油、電気等の質のよいエネルギ
ーを必要とせず、また、運転管理上も専門のメンテナン
ス要員を配置しなくとも、太陽エネルギーのみで海水が
淡水化される。
【0024】さらに、蓄熱池に溜められている海水の温
度を太陽光により上昇させ、温海水として太陽エネルギ
ーを温海水に吸収させているので、水盤、太陽電池及び
太陽熱温水装置等の装置類を用いる必要がなくなって、
大規模かつ安価に海水を淡水化することができる。
【0025】請求項4に係る海水淡水化装置の作用を以
下に説明する。本請求項は、請求項3と同様な作用を奏
するが、さらに本請求項は、疎水性膜を通過しないで残
った温海水を蓄熱池の下部に戻すので、温水通路より排
出される濃塩水を処理する必要がなくなる。
【0026】以上より、上記請求項1から請求項4まで
の発明は、電力、石油等のエネルギーの安定的な供給が
困難でメンテナンス要員の確保が難しい離島、辺地、砂
漠地等で利用価値の高いものであって、太陽エネルギー
のみで稼動するメンテナンスフリーの海水淡水化装置及
び海水淡水化方法である。
【0027】
【実施例】本発明に係る一実施例の海水淡水化装置10
を図1から図6に示し、これらの図に基づき本実施例を
説明する。
【0028】図1に示すように、本実施例の海水淡水化
装置10は、太陽エネルギーを蓄熱できる塩水ソーラポ
ンドである蓄熱池12と、膜蒸留法に用いられる膜モジ
ュール22とを組み合わせたものを、基本構成としてい
る。
【0029】図4及び図6に示すように、本実施例の海
水淡水化装置10は例えば砂漠地帯の中でも海辺に設置
されるものであり、グリーンベルト70等の灌漑用とし
て適している。この海水淡水化装置10の蓄熱池12は
水路のように細長く形成され、塩分濃度が高くて比重が
大きい海水を入れた蓄熱対流層12Cを蓄熱池12の下
部側に有し、塩分濃度が低くて比重が小さい海水を入れ
た表層対流層12Aを蓄熱池12の上部側に有し、さら
に濃度勾配が形成された非対流層12Bをこれらの間の
中間層に有する構造となっている。従って、蓄熱池12
の下部側ほど海水の比重が大きい為、それぞれの層は安
定化されている。
【0030】例えば、図3に示すように、この表層対流
層12Aの厚みH1は0.2mとされ、非対流層12B
の厚みH2は1.3mとされ、蓄熱対流層12Cの厚み
H3は1.5mとされている。また、図3に概念的に示
すように、表層対流層12Aの海水の塩分濃度は3%、
水温は20°C〜30°Cであり、蓄熱対流層12Cの
海水の塩分濃度は8%〜10%、水温は50°C〜60
°Cである。
【0031】さらに、蓄熱池12には、コントローラ1
6と接続された塩濃度計14が設置されており、塩濃度
計14が蓄熱池12内の各層の塩分濃度を計測して、コ
ントローラ16が塩分濃度のデータを把握可能となって
いる。
【0032】そして、この蓄熱池12が太陽光Lを受け
ると、下部まで入射した太陽光Lにより、蓄熱対流層1
2Cの水温が上昇する。但し、蓄熱対流層12Cを形成
する海水の比重は他の層の海水より大きい為、表層まで
の対流は起こらず、図1及び図3の矢印に示すように対
流する。従って、熱の損失が少なくなり有効に蓄熱対流
層12Cに蓄熱される。
【0033】つまり、図3に示すように、蓄熱池12の
下部に存在する熱容量が大きく高濃度の塩水層である蓄
熱対流層12Cが、蓄熱池12を透過する太陽エネルギ
ーを吸収して蓄熱する機能を有している。この為、この
蓄熱対流層12Cは、太陽エネルギーを吸収する集熱部
及び太陽エネルギーを蓄熱する蓄熱部が一体となった単
純な構造であって、かつ希薄な太陽エネルギー等の比較
的低温度レベルの熱エネルギーを長期間にわたって蓄熱
できる構造となっている。
【0034】また、蓄熱池12の蓄熱対流層12Cで得
られる海水の温度は、50°C〜60°C程度と比較的
低温であるので、この温度で効率よく稼動する膜モジュ
ール22との組み合わせに適したものである。
【0035】図4に示すように、この膜モジュール22
は膜蒸留淡水化設備34内に配置されていて、膜モジュ
ール22の一端は、太陽電池36により作動されるポン
プ38に配管52を介して接続されている。この為、例
えば塩分濃度が3%で水温が20°Cの海水をこのポン
プ38により海20と繋がった運河18から汲み上げて
膜モジュール22に送ることが可能になっている。
【0036】さらに、図1に示すように、膜モジュール
22の他端には、3方向に流れを切り換え可能な3方弁
40に繋がる配管54が取り付けられており、この3方
弁40は、蓄熱対流層12C、表層対流層12A及び、
海20にそれぞれ繋がってこれらに排水する為の配管5
6と、接続されている。
【0037】そして、コントローラ16にこの3方弁4
0が接続されて、コントローラ16が、蓄熱池12内の
各層の塩分濃度の値に基づき、3方弁40の流路を切り
換え得るようになっている。この為、膜モジュール22
を通って例えば30°Cに昇温した冷却水は、3方弁4
0により必要に応じて表層対流層12A、蓄熱対流層1
2C及び海20に排水される。
【0038】また、膜モジュール22は、蓄熱池12の
蓄熱対流層12Cと配管58で接続されており、太陽電
池36により作動されて海水を膜モジュール22に送る
ポンプ42が、この配管58内に配置されている。この
為、ポンプ42の作動により蓄熱対流層12Cより海水
を取水可能となっている。
【0039】尚、これらポンプ42と膜モジュール22
との間の配管58には、太陽エネルギーにより海水を加
熱する集熱器46を有したバイパス管44が並列的に配
置されている。つまり、配管58で送られてきた温海水
の温度が例えば50°C程度と低い場合には、バイパス
管44側に温海水を流して、集熱器46で60°C程度
に温めてから、膜モジュール22に送り込むようにす
る。
【0040】さらに、膜モジュール22と蓄熱池12の
蓄熱対流層12Cとの間には、膜モジュール22から蓄
熱対流層12C側に排水する為の配管60が配置されて
いる。
【0041】図5に示すように、蓄熱対流層12Cに繋
がって蓄熱池12より取水する配管58の先端側は、細
長く複数本に枝分かれした状態で蓄熱池12の一端に配
置された細管58Aとなっていて、この細管58Aにそ
れぞれ穿設された複数の孔部62より取水可能となって
いる。また、蓄熱対流層12Cに繋がって蓄熱池12に
海水を排水する配管60の先端側は、同様に細長く複数
本に枝分かれした状態で蓄熱池12の他端に配置された
細管60Aとなっていて、この細管60Aにそれぞれ穿
設された複数の孔部64より排水可能となっている。
【0042】つまり、これら配管58及び配管60によ
って取水及び排水する際に、海水の流れで蓄熱対流層1
2C内の海水を乱さないようになっている。
【0043】図2に示すように、膜モジュール22は、
多孔質性の疎水性膜26を壁面として蓄熱池12の温海
水を流す温水通路24を内蔵していて、温海水の導入端
が配管58に接続されると共に排出端が配管60に接続
されている。この為、これら配管58及び配管60が、
温海水を膜モジュール22の温水通路24内を通過させ
て温海水を蓄熱池12の下部の蓄熱対流層12Cに戻す
流路とされる。
【0044】また、膜モジュール22は、温海水より温
度の低い冷海水を冷却水をとして流す冷水通路28を温
水通路24と平行に内蔵していて、冷水通路28の導入
端が配管52に接続されると共に排出端が配管54に接
続されている。さらに、これらの間には、一方の壁面を
疎水性膜26で形成すると共に、他方の壁面を冷水通路
28の壁面となる冷却板30で形成した空間である淡水
生成室32が配置されていて、この淡水生成室32が淡
水を生成可能となっている。
【0045】そして、この淡水生成室32に取り付けら
れた配管66が、図4に示すように、グリーンベルト7
0に散水する為のホース72に繋がっている。
【0046】次に、本実施例に係る海水淡水化装置10
の作用及びこの海水淡水化装置10を用いた海水淡水化
方法を説明する。
【0047】まず、表層対流層12Aの海水より塩濃度
の高い海水を蓄熱対流層12Cに溜めた状態で、太陽光
Lが照射されると、太陽光Lにより蓄熱対流層12Cの
海水の温度が上昇して温海水となる。
【0048】この後、配管58を介してこの温海水が膜
モジュール22に送られ、疎水性膜26を壁面とした温
水通路24にこの温海水が流されると、水蒸気が疎水性
膜26を通過して淡水生成室32内に入る。そして、冷
水通路28内を流れる冷海水でこの水蒸気が冷却され
て、冷却板30に淡水が水滴Wとして付着する。従っ
て、この水滴Wが淡水生成室32内に溜まって、淡水が
膜モジュール22で生成されることになる。
【0049】次に、疎水性膜26を通過しないで塩濃度
が少し上昇した残りの温海水を配管60を介して蓄熱池
12の下部に戻すことにする。これにより、エネルギー
を有効に利用することができる。
【0050】そして、以上の処理の流れが連続して繰り
返し行われることにより、蓄熱池12の表層と下層との
間に絶えず塩濃度の差を作り続けることができる。
【0051】尚、冷水通路28に流す冷却水としては、
海20に繋がる運河18よりポンプ38で海水を汲み上
げて用いる。そして、蓄熱池12に設置した塩濃度計1
4からの信号によってコントローラ16が3方弁40の
動作を制御して、冷水通路28を通過した海水を、表層
対流層12A或いは蓄熱対流層12Cに流すことにす
る。
【0052】つまり、蓄熱池12内の海水の減少分は、
適宜海20から補給することができるようになってい
る。
【0053】以上より、石油、電気等の質のよいエネル
ギーを必要とせず、また、運転管理上も専門のメンテナ
ンス要員を配置しなくとも、太陽エネルギーのみで海水
淡水化装置10が稼動して、海水が淡水化される。
【0054】さらに、蓄熱池12に溜められている海水
の温度を太陽光Lにより上昇させ、温海水として太陽エ
ネルギーを温海水に吸収させているので、蓄熱源として
水盤、太陽電池及び太陽熱温水装置等の装置類を用いる
必要がなくなって、大規模かつ安価なシステムで海水を
淡水化することができる。
【0055】また、蓄熱池12の蓄熱対流層12Cから
温海水を送り出して膜モジュール22の温水通路24内
を通過させると共に温海水を蓄熱池12の蓄熱対流層1
2Cに戻す配管58及び配管60を有し、疎水性膜26
を通過しないで残った温海水を蓄熱池12の下部に戻す
ので、温海水が循環して、膜モジュール22より排出さ
れる濃塩水を処理する必要がなくなる。
【0056】以上より、海沿いの砂漠地域の都市計画を
考えて、図6に示すように、例えば半円状の開発区域を
設定して灌漑する際に、本実施例の海水淡水化装置10
は、有用なものとなる。
【0057】また、本実施例の海水淡水化装置10及び
海水淡水化方法は、電力、石油等のエネルギーの安定的
な供給が困難でメンテナンス要員の確保が難しい離島、
辺地、砂漠地等で利用価値の高いものであって、太陽エ
ネルギーという低温の熱源を利用して長期間にわたって
メンテナンスフリーで稼動することができるものであ
る。
【0058】尚、上記実施例では、図6に示すように、
直径1Km程度の半円形のグリーンベルトで覆われた空間
を作る為の灌漑に用いられる海水淡水化装置10を例と
して説明したが、これに限らず例えば直径5Km程度の半
円形のグリーンベルトで覆われたようなものであっても
よい。
【0059】また、上記実施例では、太陽エネルギによ
り海水を加熱する集熱器46が設置されていたが、太陽
光が強く、蓄熱対流層12C内の海水の温度が十分高く
なれば、なくともよい。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
メンテナンス要員を不要としつつ太陽エネルギーのみで
稼動する大規模かつ安価なシステムを可能とするという
効果が得られる。さらに、本発明によれば、濃塩水の処
理を不要とするという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る海水淡水化装置の概念
図である。
【図2】本発明の一実施例に係る海水淡水化装置に適用
される膜モジュールの概念断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る海水淡水化装置に適用
される蓄熱池及び、蓄熱池の温度分布、塩濃度分布のグ
ラフを表す図である。
【図4】本発明の一実施例に係る海水淡水化装置の斜視
図である。
【図5】本発明の一実施例に係る海水淡水化装置に適用
される蓄熱池の要部平面図である。
【図6】本発明の一実施例に係る海水淡水化装置を適用
して砂漠地帯を灌漑した状態の平面図である。
【符号の説明】
10 海水淡水化装置 12 蓄熱池 12A 表層対流層 12C 蓄熱対流層 22 膜モジュール 58 配管 60 配管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部の海水より塩分濃度の高い海水を下
    部に溜めると共に、太陽光を受けて下部の海水の温度を
    上昇させて温海水とする蓄熱池と、 疎水性膜を壁面として前記蓄熱池の温海水を流す温水通
    路及び温海水より温度の低い冷海水を冷却水をとして流
    す冷水通路を内蔵し且つ、温水通路内から疎水性膜を通
    過した水蒸気を冷水通路内の冷海水で冷却する膜モジュ
    ールと、 を含むことを特徴とする海水淡水化装置。
  2. 【請求項2】 上部の海水より塩分濃度の高い海水を下
    部に溜めると共に、太陽光を受けて下部の海水の温度を
    上昇させて温海水とする蓄熱池と、 疎水性膜を壁面として前記蓄熱池の温海水を流す温水通
    路及び温海水より温度の低い冷海水を冷却水をとして流
    す冷水通路を内蔵し且つ、温水通路内から疎水性膜を通
    過した水蒸気を冷水通路内の冷海水で冷却する膜モジュ
    ールと、 前記蓄熱池の下部から温海水を送り出して前記膜モジュ
    ールの温水通路内を通過させると共に、温水通路内を通
    過した温海水を前記蓄熱池の下部に戻す流路と、 を含むことを特徴とする海水淡水化装置。
  3. 【請求項3】 蓄熱池の上部の海水より塩分濃度の高い
    海水を蓄熱池の下部に溜めた状態で、太陽光によりこの
    蓄熱池の下部の海水の温度を上昇させて温海水とし、 この後、疎水性膜を壁面とした温水通路にこの温海水を
    流して温水通路内から疎水性膜を通過させて水蒸気を取
    り出し、冷水通路内の温海水より温度の低い冷海水で冷
    却して淡水を生成する、 ことを特徴とする海水淡水化方法。
  4. 【請求項4】 蓄熱池の上部の海水より塩分濃度の高い
    海水を蓄熱池の下部に溜めた状態で、太陽光によりこの
    蓄熱池の下部の海水の温度を上昇させて温海水とし、 この後、疎水性膜を壁面とした温水通路にこの温海水を
    流して温水通路内から疎水性膜を通過させて水蒸気を取
    り出し、冷水通路内の温海水より温度の低い冷海水で冷
    却して淡水を生成し、 次に残った温海水を前記蓄熱池の下部に戻す、 ことを特徴とする海水淡水化方法。
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