JPH09113693A - 放射性核種としての15o含有ガスの製造方法 - Google Patents

放射性核種としての15o含有ガスの製造方法

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JPH09113693A
JPH09113693A JP7291936A JP29193695A JPH09113693A JP H09113693 A JPH09113693 A JP H09113693A JP 7291936 A JP7291936 A JP 7291936A JP 29193695 A JP29193695 A JP 29193695A JP H09113693 A JPH09113693 A JP H09113693A
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JP
Japan
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gas
cyclotron
gas containing
accelerated
electromagnetic
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Application number
JP7291936A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsunori Kusumoto
克徳 楠元
Shigeki Yamazaki
茂樹 山崎
Masahiro Tanaka
正博 田中
Toshiki Kobayashi
敏樹 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
N K K PLANT KENSETSU KK
NKK Plant Engineering Corp
JFE Engineering Corp
Original Assignee
N K K PLANT KENSETSU KK
NKK Plant Engineering Corp
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陽電子放射断層画像システムにおける放射性
核種としての15O含有ガスを、経済的に製造する。 【解決手段】サイクロトロン1においてプロトン粒子を
加速し、加速されたプロトン粒子を、ターゲットボック
ス2の照射部3において、所定量のO2 またはCO2
含有する152 ガスに照射することにより、152 ガス
の一部を15Oガスに変換し、変換された15Oガスが混合
されているO2 またはCO2 を含有する152 ガスの流
量を、ガス流量調整器10において制御した上、これに搬
送用ガスを添加し次工程に送る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、陽電子放射断層
画像(Positron Emission Tomography)(以下PETとい
う)システムにおける放射性核種としての15O含有ガス
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医療分野において、人体内部の状態を画
像によって観察し診断する方法の一つとして、近年、陽
電子を出す物質を用いたPETシステムによる画像診断
法が注目されている。PETシステムによる画像診断法
によれば、ガンなどの物理的な疾患の画像のみならず、
体内における血液や酸素の動きなどの機能的画像を得る
ことができ、脳障害や心臓病などの診断に大きな威力が
発揮される。
【0003】PETシステムは、短半減期の放射性同位
元素を用いた画像診断システムであって、システムの概
略は次の通りである。 サイクロトロンにおいてイオンを高エネルギーに加
速する。 加速されたイオンを、反応容器であるターゲットボ
ックスにおいて、ターゲットと呼ばれる原料ガスに照射
することにより、前記原料ガスを放射性核種にする。 上記放射性核種を原料とし、標識化合物合成装置に
おいて人体に投与できる放射性同位元素で標識された化
合物を調製する。 このようにして調製された放射性同位元素標識化合
物を人体内に投与し、そして、スキャナによって人体内
に取り込まれた上記標識化合物の分布を検出し、検出結
果をコンピュータにより画像化する。
【0004】放射性核種として、サイクロトロンにおい
て高エネルギーになるように加速されたイオンを、ター
ゲットとしての142 ガスに照射することによって得ら
れる15Oガスが、体内の酸素消費量、血液流量、血液量
等の測定のために、一般に使用されている。
【0005】上述した15Oガスは、従来、次のようにし
て製造されている。 (1) サイクロトロンにおいて、デュートロンを高エネル
ギーに加速し、高エネルギーに加速されたデュートロン
を、ターゲットボックス内において、ターゲットである
原料ガスとしての、所定量のO2 またはCO2 を含有す
142 ガスに照射する。その結果、14N(d, n) 15
の核反応によって、142 ガスの一部は15Oガスに変換
され、放射性核種としての15Oガスが混合された、O2
またはCO2 を含有する152 ガスが製造される(以
下、先行技術1という)。
【0006】(2) サイクロトロンにおいて、プロトンを
高エネルギーに加速し、高エネルギーに加速されたプロ
トンを、ターゲットボックス内において、ターゲットで
ある原料ガスとしての、所定量のO2 またはCO2 を含
有する152 ガスに照射する。その結果、15N(p, n)
15Oの核反応によって、152 ガスの一部は放射性核種
としての15Oガスに変換され、放射性核種としての15
ガスが混合された、O2またはCO2 を含有する152
ガスが製造される(以下、先行技術2という)。
【0007】図2は、先行技術1による15Oガスの製造
工程図である。図2において、1’はデュートロン加速
用サイクロトロン、2は照射部3を有するターゲットボ
ックス、4はターゲットである原料ガスとしての所定量
のO2 またはCO2 を含有する142 ガスを収容する容
器である。ターゲットボックス2の照射部3と原料ガス
収容容器4とは、途中に第1電磁2方バルブ6が設けら
れた導管5によって接続されており、照射部3には、途
中に第2電磁2方バルブ8が設けられた排出用導管7が
接続されている。
【0008】導管5の第1電磁2方バルブ6を開とし、
排出用導管7の第2電磁2方バルブ8を閉とする。容器
4内のターゲットとしての上記原料ガスを、ターゲット
ボックス2の照射部3に充填し、第1電磁2方バルブ6
および第2電磁2方バルブ8を閉じて照射部3内を密閉
する。このようにして照射部3に充填された原料ガスに
対し、デュートロン加速用サイクロトロン1’から、高
エネルギーに加速されたデュートロン粒子を照射する。
かくして、14N(d, n) 15Oの核反応により、放射性核
種としての15Oガスが混合された、所定量のO2 または
CO2 を含有する152 ガスが製造される。
【0009】次いで、排出用導管7の第2電磁2方バル
ブ8を開として、上記15Oガスが混合された152 ガス
を、排出用導管7により、次工程の図示しない標識化合
物合成装置に送る。かくして、標識化合物合成装置にお
いて放射性同位元素で標識された化合物が製造される。
【0010】先行技術2の場合には、プロトン加速用サ
イクロトロン1’が使用され、容器4内には、ターゲッ
トである原料ガスとしての、所定量のO2 またはCO2
を含有する152 ガスが収容されているほかは、先行技
術1と同じ方法により、15N(p, n) 15Oの核反応によ
って15Oガスが混合された、所定量のO2 またはCO2
を含有する152 ガスが製造される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術1の
場合には、サイクロトロンによって加速されるイオンと
して、質量の極めて大きいデュートロンが使用されてい
る。従って、サイクロトロンは、デュートロンを加速し
得るものでなければならず、そのために、大規模のサイ
クロトロンを要するので、多額の設備費が必要になる結
果、放射性核種としての15Oを含んだガスの製造コスト
が高騰する問題が生ずる。
【0012】一方、先行技術2の場合には、サイクロト
ロンによって加速されるイオンとしてプロトンが使用さ
れているので、サイクロトロンは、比較的小規模でよ
く、先行技術1に比較して設備費は少なくて済む。しか
しながら、ターゲットである原料ガスとして、142
スに比較し高価な152 ガスが使用され、しかも、半減
期の短い15Oガスを、短時間で次工程に送るために、大
量の152 ガスが必要となる結果、ランニングコストが
高騰する問題が生ずる。
【0013】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、サイクロトロンにより加速されるイオンとし
てプロトンを使用することにより、デュートロンを使用
する場合のような大規模なサイクロトロンを必要とせ
ず、しかも、ターゲットである原料ガスとしての152
ガスの使用量が少なくて済む、放射性核種としての15
含有ガスの、経済的な製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、サイクロト
ロンにおいてプロトン粒子を高エネルギーに加速し、加
速されたプロトン粒子を、所定量のO2 またはCO2
含有する152 ガスに照射することにより、前記152
ガスの一部を、放射性核種としての15Oガスに変換し、
このようにして変換された15Oガスが混合されている前
記O2 またはCO2 を含有する152 ガスの流量を制御
し、そして、流量が制御された前記ガスに搬送用ガスを
添加し、前記搬送用ガスが添加されたガスを、次工程の
標識化合物合成装置に送ることに特徴を有するものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、この発明を、図面を参照し
ながら説明する。図1はこの発明の方法による15O含有
ガスの製造工程図である。図1において、1はプロトン
加速用サイクロトロン、2は照射部3を有するターゲッ
トボックス、4は原料ガスとしての、所定量のO2 また
はCO2 を含有する152 ガスを収容する容器、9は搬
送用ガスとしてのHeガスまたはN2 ガスを収容する容
器である。
【0016】ターゲットボックス2の照射部3と容器4
とは、途中に第1電磁2方バルブ6が設けられた導管5
によって接続されている。照射部3には排出用導管7が
接続されており、排出用導管7の照射部3に近接した位
置には、ガス流量調整器10が設けられ、そして、ガス流
量調整器10の下流側には第2電磁2方バルブ8が設けら
れている。搬送ガス収容用容器9と排出用導管7とは、
導管11によって接続されており、導管11の途中には第3
電磁2方バルブ12が設けられている。
【0017】導管5の第1電磁2方バルブ6を開とし、
排出用導管7の第2電磁2方バルブ8を閉とする。容器
4内に収容されている、原料ガスとしての、所定量のO
2 またはCO2 を含有する152 ガスを、ターゲットボ
ックス2の照射部3に充填し、第1電磁2方バルブ6お
よび第2電磁2方バルブ8を閉じて照射部3内を密閉す
る。
【0018】このようにして照射部3に充填された原料
ガスに対し、プロトン加速用サイクロトロン1によって
高エネルギーに加速されたプロトン粒子を照射すること
により、容器4内のO2 またはCO2 を含有する152
ガスの一部が、放射性核種としての15Oガスに変換され
る。
【0019】次いで、第1電磁2方バルブ6を閉とし、
排出用導管7の第2電磁2方バルブ8および導管11の第
3電磁2方バルブ12を開とし、照射部3において変換さ
れた放射性核種としての15Oガスが混合されている、O
2 またはCO2 を含有する152 ガスを、排出用導管7
を通して排出する。その際、上記ガスの流量は、ガス流
量調整器10によって制御され、そして、流量が制御され
た上記ガスに対し、容器9内の搬送用ガスが導管11を通
って添加される。
【0020】このようにして搬送用ガスが添加された上
記ガスは、次工程の図示しない標識化合物合成装置に送
られ、標識化合物合成装置において、放射性同位元素で
標識された化合物が製造される。
【0021】上述したように、ターゲットボックス2の
照射部3においてプロトン粒子の照射により製造された
15Oガスが混合されている、O2 またはCO2 を含有す
152 ガスは、ガス流量調整器10によって流量が制御
され、且つ、これに搬送用ガスが添加された後、次工程
の標識化合物合成装置に送られる。従って、ターゲット
である原料ガスとしての152 ガスの使用量が少なくて
済む。
【0022】原料ガスである152 ガス中に、O2 ガス
またはCO2 ガスを含有させる目的は、核反応によって
製造された15O核種の化学形を、O2 またはCO2 に整
えるためである。上記O2 ガスまたはCO2 ガスの含有
割合は、ガス総量の0.2 〜2%であることが好ましい。
2 ガスまたはCO2 ガスの含有割合が、ガス総量の0.
2 %未満では、15Oの化学形が安定せず製造量が減少す
る。一方、2%を超えると、不純物が増加する問題が生
ずる。
【0023】搬送用ガスの添加量は、O2 またはCO2
を含有する152 ガス5ml/minに対し、195ml/min 程度
(約97.5%)が好ましい。搬送用ガスの添加量が少ない
と、15O核種を含んだガスの搬送に時間がかかり、15
が減衰する問題が生ずる。
【0024】ガス流量調整器10によって制御される15
ガスが混合されている、O2 またはCO2 を含有する15
2 ガスの流量は、1〜10ml/min位が好ましい。
【0025】O2 またはCO2 を含有する152 ガスに
対する15Oガスの混合割合は、上記152 ガスの1/1
11〜1/1013程度である。
【0026】
【実施例】次に、この発明の方法を、実施例に基づいて
説明する。サイクロトロン1として、下記条件の装置を
使用した。 加速粒子 :プロトン エネルギー:12MeV ビーム電流:10〜60μA
【0027】原料ガスとして、担体である C02ガスを1
%含有する152 ガスを使用し、この原料ガスを、ター
ゲットボックス2の照射部3に充填した。照射部3に充
填された上記原料ガスに対し、サイクロトロン1から、
上記条件によってプロトン粒子を照射した。
【0028】上記プロトン粒子の照射によって得られた
放射性核種としての15Oガスが混合された、O2 または
CO2 を含有する152 ガスの流量を、ガス流量調整器
10によって1〜50ml/min に制御し、このようにして流
量が制御されたガスに、搬送用ガスとして 150〜200ml/
min の量のN2ガスを添加した上、これを、次工程の標識
化合物合成装置に送った。その結果、標識化合物合成装
置において人体に投与できる放射性同位元素で標識され
た化合物を経済的に調製することができた。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
サイクロトロンにより加速されるイオンとしてプロトン
を使用することにより、デュートロンを使用する場合の
ような大規模なサイクロトロンを必要とせず、しかも、
ターゲットである原料ガスとしての152 ガスの使用量
が少なくて済み、放射性核種としての15O含有ガスを経
済的に製造することができる、工業上有用な効果がもた
らされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法による15O含有ガスの製造工程
図である。
【図2】先行技術による15O含有ガスの製造工程図であ
る。
【符号の説明】
1 プロトン加速用サイクロトロン 1’デュートロン加速用サイクロトロン 2 ターゲットボックス 3 照射部 4 原料ガス収容容器 5 導管 6 第1電磁2方バルブ 7 排出用導管 8 第2電磁2方バルブ 9 搬送ガス収容容器 10 ガス流量調整器 11 導管 12 第2電磁2方バルブ
フロントページの続き (72)発明者 田中 正博 神奈川県横浜市鶴見区小野町61番1号 エ ヌケ−ケ−プラント建設株式会社内 (72)発明者 小林 敏樹 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サイクロトロンにおいてプロトン粒子を
    高エネルギーに加速し、加速されたプロトン粒子を、所
    定量のO2 またはCO2 を含有する152 ガスに照射す
    ることにより、前記152 ガスの一部を、放射性核種と
    しての15Oガスに変換し、このようにして変換された15
    Oガスが混合されている前記O2 またはCO2 を含有す
    152 ガスの流量を制御し、そして、流量が制御され
    た前記ガスに搬送用ガスを添加し、前記搬送用ガスが添
    加されたガスを、次工程の標識化合物合成装置に送るこ
    とを特徴とする、放射性核種としての15O含有ガスの製
    造方法。
JP7291936A 1995-10-13 1995-10-13 放射性核種としての15o含有ガスの製造方法 Pending JPH09113693A (ja)

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