JPH09108700A - エタノールを基質としたメタン発酵方法 - Google Patents

エタノールを基質としたメタン発酵方法

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JPH09108700A
JPH09108700A JP7266555A JP26655595A JPH09108700A JP H09108700 A JPH09108700 A JP H09108700A JP 7266555 A JP7266555 A JP 7266555A JP 26655595 A JP26655595 A JP 26655595A JP H09108700 A JPH09108700 A JP H09108700A
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JP
Japan
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ethanol
methane
substrate
sludge
methane fermentation
Prior art date
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Application number
JP7266555A
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English (en)
Inventor
Akira Matsunaga
旭 松永
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

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  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 通常の発酵条件ではメタン発酵が進行しにく
いエタノールを基質として採用し、有機物のメタン発酵
を行うことを目的とする。 【構成】 基本培地に汚泥消化槽から採取した汚泥と種
汚泥としての消化汚泥を加え、これに基質としてエタノ
ールを添加し、更に重炭酸ナトリウムを添加しpHを調
整してから適宜の温度条件下でメタンを発生させるよう
にしたエタノールを基質としたメタン発酵方法を提供す
る。上記pH条件は5.8〜6.5に調整する。又、エタ
ノールのメタン発酵を行うことによって非電離VFA
(揮発性有機酸)に対する耐性を高め、且つメタン生成
活性を有する酢酸資化性メタン生成菌を集積培養するp
H条件として、pH5.0近辺の低pH条件に調整す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低級アルコールの一
種であるエタノール(エチルアルコール)を基質とした
メタン発酵方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】低級アルコールの一種であるエタノール
がメタン発酵の基質となることが知られている。参考文
献1(地域循環産業研究会編,廃棄物のメタン発酵,P
28,サイエンチスト社発行,1980年)によれば、
以下の反応式に基づいてメタン化されるものと記載され
ている。 2CH3CH2OH+CO2 → 2CH3COOH+4H2O・・・・・・・(1) CH3COOH → CH4+CO2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2) 一方、参考文献2(メタン発酵に関与する微生物の生態
について−総説−2:遠藤銀郎,P1,インフィルコ時
報第92号,1985年)によれば前記(1)(2)式
とは異なる次のような反応機構が記載されている。 2CH3CH2OH+2H2O → 2CH3COOH+4H2・・・・・・・(3) 4H2+CO2 → CH4+2H2O・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4) エタノールからメタンを生成するためには、これら2つ
の反応機構のどちらの場合でもCO2が必要である。
又、エタノールはメタノールと構造が類似しているが、
メタノールのように直接メタンに変換されることはな
く、酢酸資化性メタン生成菌と水素資化性メタン生成菌
がメタン生成に関与している。しかしながらエタノール
からのメタン生成の反応機構、pH依存性、最適な発酵
条件については研究例が少なく、現在研究段階にあると
言える。
【0003】一般にメタン発酵にはpH依存性があり、
通常は中性以外の条件では発酵速度が著しく低下する。
他方でメタン発酵の対象となる有機性廃水は多様であっ
て、酸発酵が起きているために低pHのものも存在す
る。このような場合に中性条件下でメタン発酵を行うた
めには、基質の投入量を制限したり或いはアルカリ剤を
添加して中和する操作が必要になる。従って広いpH条
件、特に低pH条件下でもメタン生成菌の活性を持続す
ることができればメタン発酵の実用性が高くなるととも
にコストの面で有利になるものと考えられる。
【0004】文献の報告によれば、メタノールからの直
接メタン変換の最適pHは5.5〜6.0であるとされて
いるが、この場合はメタン発酵としては例外的に最適p
Hが低くなっている。通常の有機物を対象としたメタン
発酵においては、pHを6.4〜7.2の範囲に保つ必要
があり、この範囲から外れるとメタン生成菌の活性低下
とか成長速度が低下することが知られている。
【0005】特に低pH条件下では中間生成物として生
成する揮発性有機酸(以下VFAと呼称する)が非電離
VFAとして存在する比率が高くなり、この非電離VF
Aの濃度上昇に伴ってメタン生成菌が阻害されて正常な
メタン発酵が進行しなくなるという不都合が生じること
が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記したようにエタノ
ールはVFAを経由してメタン化されることから、低p
H条件下においてエタノールのメタン発酵を行うために
は、低pH条件でも比較的活性が高く、非電離VFAに
よる阻害を受けにくいメタン生成菌の濃度を高くする必
要がある。メタン生成菌の1種であり、メタノールを直
接メタン化できることが知られているMethanosartina b
arkeriは酢酸及び水素をも資化することができる。
【0007】文献3(メタン発酵について:田中一裕,
水,発行年不祥)によれば、メタン生成菌の最適pHは
7.0である。しかし他方ではメタノールの直接メタン
化の最適pHは前記したように5.5〜6.0であると言
われており、同じ菌でも基質の種類によって最適pHが
変化する可能性がある。
【0008】上記メタン生成菌が優占的に増殖するよう
な条件で培養すれば、比較的低pH条件下で耐性が高い
メタン生成菌の濃度が上昇することが期待される。更に
エタノールからの酢酸生成あるいは水素からのメタン生
成に必要なCO2を補充すれば、比較的低pH条件下に
おけるエタノールのメタン発酵が可能になるものと思わ
れる。
【0009】本発明は上記したようなメタン発酵に関す
る技術的背景を考慮して、通常の発酵条件ではメタン発
酵が進行しにくいものとされている低級アルコールであ
るエタノールを基質として採用し、有機物のメタン発酵
を行うことを主眼としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、先ず請求項1により、基本培地に汚泥消
化槽から採取した汚泥と種汚泥としての消化汚泥を加
え、これに基質としてエタノールを添加し、更に重炭酸
ナトリウムを添加しpHを調整してから適宜の温度条件
下でメタンを発生させるようにしたエタノールを基質と
したメタン発酵方法を提供する。上記pH条件は5.8
〜6.5に調整するのがよい。
【0011】請求項3として、エタノールのメタン発酵
を行うことによって非電離VFA(揮発性有機酸)に対
する耐性を高めるとともに、メタン生成活性を有する酢
酸資化性メタン生成菌を集積培養するpH条件として、
pH5.0近辺の低pH条件に調整する。
【0012】かかる請求項1記載のメタン発酵方法によ
れば、基質としてエタノールを添加し、更に重炭酸ナト
リウムを添加してpHを調整することにより、エタノー
ルを基質としたメタン発酵においてpH5.8程度の低
pH条件でも正常なメタン発酵を進行させることが可能
となり、重炭酸ナトリウムを添加することによって水素
と炭酸ガスからのメタン生成が促進されるとともに、エ
タノールからのVFA生成を促進する作用が得られる。
【0013】又、メタノールを基質としてpH5.0で
馴養した培養液を種汚泥として、エタノールを基質とし
てpHが5.8,6.5という比較的低pH条件下におい
てメタン発酵を行うことにより、非電離VFAに対する
耐性が高い酢酸資化性メタン生成菌を集積培養すること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明にかかるエタノールを
基質としたメタン発酵方法の具体的な実施例を説明す
る。このメタン発酵プロセスの最適条件を選択すること
を目的として、以下に説明する実験を行った。
【0015】図1は本実施例にかかるエタノールを基質
としたメタン発酵に用いた実験装置の概要図であり、1
はプラスチック等で構成された水槽であって、この水槽
1内には投げ込みヒータ2が配備されている。尚、水槽
1の容積は20リットルとした。上記水槽1の両端にま
たがって2本の支持棒4,4が設置され、この支持棒
4,4に一端部が連結された紐5,5の他端部が容積1
リットルの細口ビン3,3に連結されており、合計6本
の細口ビン3,3が水槽1内に浸漬されている。7は洗
気ビン、8はガスホルダであり、このガスホルダ8には
ガスの上下動を測定するスケール9が配備されている。
【0016】かかる装置によれば、細口ビン3,3は水
槽1中の水に浮いており、投げ込みヒータ2によって水
槽1内を後述する温度条件に保ちながら細口ビン3,3
内に汚泥と基質及び培地を入れてインペラーによって撹
拌することにより、各細口ビン3,3が揺動してガスが
発生する。
【0017】発生したガスは、各細口ビン3,3の上部
のガス出口からガス導管6,6を通過して1N−NaO
Hを満たした洗気ビン7を通り、CO2が除去されたガ
スがガス導管10を通過してガスホルダ8に貯留され
る。そしてガスホルダ8の内蓋の上下動をスケール9で
読み取り、メタンガス発生量を算出する。
【0018】培地としては表1に示す組成を有する基本
培地を用いた。
【0019】
【表1】
【0020】そして下水の遠心濃縮生汚泥を基質とした
嫌気性消化を行っている汚泥を汚泥消化槽から採取し、
室温下で保存してある消化汚泥を種汚泥として、この種
汚泥の250mlと基本培地500mlを上記細口ビン
3,3に入れ、1N,HCl又は1N,NaOHを用い
てpHを5.0に調整した後、既定容量のメタノールを
添加して培養を行った。水槽1内の温度は30℃に設定
した。
【0021】次にこのメタノール馴養液0.75リット
ルに対して既定容量のエタノールを添加して、調整pH
の相違と重炭酸ナトリウムNaHCO3添加の有無から
設定した条件でメタン発酵を行った。メタン発酵条件と
しては、pH依存性を調べるため、調整pHを7.3,
6.5,5.8としてNaHCO3の添加量が0(無添
加)の場合と、調整pHを7.3,6.5,5.8,5.0
でNaHCO3の添加量を5(g/l)とした場合に設
定した。尚、pH調整は1〜2日に1回の頻度で実施し
た。メタノール累積投入量は10(ml/l)とした。
【0022】図2,図3はエタノールを基質としたメタ
ン発酵pH依存性実験における累積メタン発生量(l)
と累積エタノール添加量(ml)の経日変化を示す。図
2はNaHCO3無添加の例、図3はNaHCO3を添加
した例である。図2の場合には、21日間の累積メタン
発生量が3リットル以上になったのはpHを6.5に調
整した場合だけであった。これに対してNaHCO3
5(g/l)添加した図3の場合には、調整pHが6.
5と5.8において21日間の累積メタン発生量が3リ
ットル以上になったことが確認された。
【0023】図4はエタノールのメタン発酵pH依存性
試験における最高COD換算メタン発生速度と調整pH
との関係を示すグラフであり、NaHCO3が無添加の
場合には最高COD換算メタン発生速度はpH6.5に
おいて2.0(gCOD/l・日)となって極大値を示
し、pH5.8においては0.8(gCOD/l・日)に
低下した。これに対してNaHCO3を5(g/l)添
加した場合には、最高COD換算メタン発生速度はpH
5.8において1.95(gCOD/l・日)となって極
大値を示し、pH5.0においては0.2(gCOD/l
・日)に低下したが、pH5.8〜7.3において1.8
〜1.95(gCOD/l・日)の範囲にあった・従っ
てNaHCO3を添加した方が無添加の場合よりも広い
pH範囲においてメタン発生速度が安定していることが
理解される。
【0024】図5はエタノールのメタン発酵における調
整pHと、メタンのCOD構成比,VFAの構成比,そ
の他(未反応物など)の構成比の関係を経過日数及びN
aHCO3添加の有無をパラメータとして示したグラフ
である。NaHCO3が無添加の場合にはpH6.5とp
H7.3においてVFAの構成比が32%以下であった
が、pH5.8では50%以上になり、pH低下により
VFAが蓄積する傾向が見られた。これに対してNaH
CO3を5(g/l)添加した場合には、pHが5.0〜
7.3においてVFA構成比は37%以下であった。
又、pH5.0ではその他物質の構成比が70%以上と
なり、エタノールからのVFA生成が妨げられたものと
思われる。
【0025】以上の結果から、エタノールのメタン発酵
においてNaHCO3無添加の場合には、pH6.5では
正常なメタン発酵が進行したが、pH5.8ではVFA
が蓄積してメタン生成が進行しない。又、NaHCO3
を5(g/l)添加した場合には、pH5.8〜7.3に
おいて正常なメタン発酵が進行した。しかしpH5.0
ではメタン発生速度が低下して、エタノールからのVF
A生成もあまり進行しなかった。
【0026】次にエタノールのメタン発酵においては、
エタノールは必ずVFAを経由して酢酸資化性メタン生
成菌及び水素資化性メタン生成菌によりメタン化され
る。特に低pH条件下では非電離VFA/総VFAの比
率が高くなるため、総VFA濃度が同じでもpHが低く
なるほど非電離VFA濃度が高くなり、メタン生成菌に
対する阻害作用が強くなることが考慮される。
【0027】従ってエタノールの低pH条件下でのメタ
ン発酵を継続して行うことにより、逆にメタン生成菌の
非電離VFAに対する耐性が高くなってゆくことが期待
される。
【0028】これを確かめるためにメタノールを基質と
してpH5.0で馴養した培養液1容と基本培地2容を
混合し、これに既定量のエタノールを添加して、pH
5.8及びpH6.5で21日間培養した。その後これら
の培養液からそれぞれ0.75リットル(合計で1.5リ
ットル)採取して混合し、基本培地3リットルを添加し
て0.75リットルずつ細口瓶に分取し、これに既定量
の酢酸ナトリウムを添加してpHを調整してからインキ
ュベーションを行い、メタン発生速度とVFAを測定し
た。
【0029】図6は酢酸ナトリウムを基質としたメタン
発酵pH依存性試験における累積基質添加量(g)と累
積メタン発生量(l)の経日変化を示している。15日
間の累積メタン発生量はpH5.8の場合が最高であ
り、以下pHが6.5,5.0,7.3,4.2の順となっ
た。
【0030】表2は酢酸ナトリウムを基質としたメタン
発酵における平均メタン発生速度と平均VFA減少速度
及びこれらのpH6.5における平均速度を100とし
た場合の相対速度を示している。
【0031】
【表2】
【0032】表2によれば、メタン発生速度,VFA減
少速度ともにpH5.8が最高であり、二番目がpH6.
5、以下pH7.3、pH5.0であり、pH4.2が最
低となった。
【0033】通常のメタン発酵の最適pHが6.4〜7.
2の範囲であることを考慮すると、最適pH範囲が0.
6から0.8程度低pH域に移行している。更に通常の
メタン発酵ではほとんど活性がないpH5.0において
も酢酸からメタンが生成することが確認された。
【0034】表3は酢酸ナトリウムを基質としたメタン
発酵の各調整pHにおけるVFA,非電離VFA,CO
D換算の累積メタン発生量/累積基質添加量,COD換
算メタン発生速度を示している。
【0035】
【表3】
【0036】実際にはpH5.8における非電離VFA
は12〜230(mg/l)、pH5.0では278〜
1074(mg/l)の範囲にあった。一般的には非電
離VFAが10(mg/l)以上になると生成菌が阻害
されるといわれているが、本実施例では10(mg/
l)よりも20〜100倍も高い非電離VFA濃度にお
いてもメタン生成がみられることから、非電離VFAに
対する耐性があるメタン生成菌が集積したものと考えら
れる。
【0037】即ち、メタノールを基質として低pH条件
で馴養を行い、これを種汚泥としてエタノールを基質と
した比較的低pH条件下でメタン発酵を行うことによ
り、非電離VFAに対する耐性が高められたものと考え
ることができる。
【0038】以上の実験結果から次のような結論が得ら
れた。
【0039】(1)メタノールを基質としたpH5.0
で馴養した培養液を種汚泥とし、NaHCO3を添加す
ることにより、エタノールを基質としたメタン発酵にお
いてpH5.8程度の比較的低pH条件でも正常なメタ
ン発酵を進行させることができる。
【0040】(2)重炭酸ナトリウムNaHCO3を添
加することによって水素と炭酸ガスからのメタン生成が
促進されるとともに、エタノールからのVFA生成を促
進する作用がある。
【0041】(3)メタノールを基質としてpH5.0
で馴養した培養液を種汚泥として、エタノールを基質と
してpHが5.8,6.5という比較的低pH条件下にお
いてメタン発酵を行うことにより、非電離VFAに対す
る耐性が高い酢酸資化性メタン生成菌を集積培養するこ
とができる。
【0042】(4)酢酸ナトリウムを基質にした場合、
pH5.0,非電離酢酸濃度278〜1074(mg/
l)でもメタン活性が高められる。
【0043】尚、本実施例にかかるメタン生成菌の培養
実験に用いた培地は重金属を含まないので、重金属を除
去するための廃液処理は不要であり、単に中和するだけ
で生活排水として都市下水に流すことができる。
【0044】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かるエタノールを基質としたメタン発酵方法によれば、
基本培地に汚泥消化槽から採取した汚泥と種汚泥として
の消化汚泥を加え、これに基質としてエタノールを添加
し、更に重炭酸ナトリウムを添加しpHを5.8〜6.5
に調整してから適宜の温度条件下でメタンを発生させる
ことにより、特にpH5.8という低pH条件でも正常
なメタン発酵を進行させることが可能となり、重炭酸ナ
トリウムを添加することによって水素と炭酸ガスからの
メタン生成が促進されてエタノールからのVFA生成を
促進するという効果が得られる。
【0045】更にメタノールを基質として馴養した培養
液を種汚泥として、エタノールを基質としてpHが5.
8,6.5という低pH条件下においてメタン発酵を行
うことにより、非電離VFAに対する耐性が高い酢酸資
化性メタン生成菌を集積培養することができる。
【0046】従って通常の発酵条件ではメタン発酵が進
行しにくいものとされているエタノールを基質として採
用して有機物のメタン発酵を行うことが可能となり、特
に廃水に対してメタン生成に最適なpHの範囲よりも低
いpHでも対処可能であるため、メタン発酵処理技術の
実用化をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例にかかるエタノールを基質としたメタ
ン発酵に用いた実験装置の概要図。
【図2】エタノールを基質としたメタン発酵実験におけ
る重炭酸ナトリウム無添加時の累積メタン発生量と累積
エタノール添加量の経日変化を示すグラフ。
【図3】エタノールを基質としたメタン発酵実験におけ
る重炭酸ナトリウム添加時の累積メタン発生量と累積エ
タノール添加量の経日変化を示すグラフ。
【図4】エタノールのメタン発酵における最高COD換
算メタン発生速度と調整pHとの関係を示すグラフ。
【図5】エタノールのメタン発酵における調整pHと、
メタンのCOD構成比,VFAの構成比,その他の構成
比と経過日数の関係を示すグラフ。
【図6】酢酸ナトリウムを基質としたメタン発酵におけ
る累積基質添加量と累積メタン発生量の経日変化を示す
グラフ。
【符号の説明】
1…水槽 2…投げ込みヒータ 3…細口ビン 4…支持棒 5…紐 6,10…ガス導管 7…洗気ビン 8…ガスホルダ 9…スケール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本培地に汚泥消化槽から採取した汚泥
    と種汚泥としての消化汚泥を加え、これに基質としてエ
    タノールを添加し、更に重炭酸ナトリウムを添加してp
    Hを調整してから適宜の温度条件下でメタンを発生させ
    ることを特徴とするエタノールを基質としたメタン発酵
    方法。
  2. 【請求項2】 基本培地に汚泥消化槽から採取した汚泥
    と種汚泥としての消化汚泥を加え、これに基質としてエ
    タノールと適量の重炭酸ナトリウムを添加してpH5.
    8〜6.5に調整し、適宜の温度条件下でメタンを発生
    させることを特徴とするエタノールを基質としたメタン
    発酵方法。
  3. 【請求項3】 前記エタノールのメタン発酵を行うこと
    によって非電離VFA(揮発性有機酸)に対する耐性を
    高めるとともに、メタン生成活性を有する酢酸資化性メ
    タン生成菌を集積培養するpH条件として、pH5.0
    近辺の低pH条件に調整することを特徴とする請求項
    1,2記載のエタノールを基質としたメタン発酵方法。
JP7266555A 1995-10-16 1995-10-16 エタノールを基質としたメタン発酵方法 Pending JPH09108700A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013059731A (ja) * 2011-09-14 2013-04-04 Swing Corp パルプ工場廃水の嫌気性処理方法及び装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013059731A (ja) * 2011-09-14 2013-04-04 Swing Corp パルプ工場廃水の嫌気性処理方法及び装置

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