JPH09103625A - 高耐熱性金属繊維フィルタ - Google Patents

高耐熱性金属繊維フィルタ

Info

Publication number
JPH09103625A
JPH09103625A JP29055395A JP29055395A JPH09103625A JP H09103625 A JPH09103625 A JP H09103625A JP 29055395 A JP29055395 A JP 29055395A JP 29055395 A JP29055395 A JP 29055395A JP H09103625 A JPH09103625 A JP H09103625A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
metal
content
sintered
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29055395A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichiro Sakai
一郎 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Seiko Co Ltd filed Critical Tokyo Seiko Co Ltd
Priority to JP29055395A priority Critical patent/JPH09103625A/ja
Publication of JPH09103625A publication Critical patent/JPH09103625A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステンレスフィルタの腐食劣化等に対処する
ため、適量のCr及びAlを含有したフェライト系ステ
ンレス材で金属繊維フィルタに構成することにより、ろ
過性能、信頼性とともに耐熱性を高めている。 【解決手段】 Cr含有量を8〜25wt%及びAl含
有量を2〜6wt%としたフェライト系ステンレス材を
極細線の金属長繊維あるいはまた金属短繊維に加工し
て、この金属長繊維あるいはまた金属短繊維を開繊しマ
ツトとして焼結した高耐熱性金属繊維フィルタに特徴を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉、転炉、電気
炉やゴミ焼却炉等のように比較的に高温の排ガス等に好
適な高耐熱性金属繊維フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の金属繊維フィルタは、オーステナ
イト系ステンレス(代表例−SUS316L)を極細線
の金属長繊維あるいはまた金属短繊維に加工して、この
金属長繊維あるいはまた金属短繊維を開繊しマツトとし
て焼結したステンレスフィルタ(実用耐熱温度400〜
600℃程度)が一般的になつており、天然繊維やガラ
ス繊維又は各種の合成樹脂製繊維等で形成した無機又は
合成繊維フィルタ(実用耐熱温度200〜250℃程
度)に比べ優れた耐熱性や耐圧性等を有し、比較的に高
温の排ガス等にも適用可能になつている。
【0003】また、各種のセラミックフィルタは、優れ
た耐熱性(実用耐熱温度300〜1000℃程度)を有
しているが、比較的に小さい空孔率で貫通孔が少なく目
詰りの原因となり圧力損失が大きい、また、衝撃に弱く
破損し易いなどの難点があるのに対し、前記のステンレ
スフィルタは、耐熱性では劣るが目詰りし難く圧力損失
が小さいなどの優れたろ過性能を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のステンレスフィ
ルタは、前記のようにオーステナイト系ステンレス製で
あるため、排ガス等で加熱(500〜800℃)される
と、粒晶の粒界に析出するクロム炭化物で粒界腐食が生
じ強度劣化の原因になるなど実用耐熱温度に限界があ
る。また、比較的に高熱の雰囲気で使用すると温度を低
下する必要があるなどの課題がある。
【0005】本発明は、前記のような課題を解決するた
めに開発されたものであり、その目的とする処は、適量
のCr含有量及びAl含有量に設定したフェライト系ス
テンレス材により、金属繊維の整形精度及び高温雰囲気
における組織の安定性、耐腐食性を高めて、ろ過性能、
信頼性とともに耐熱性を向上した高耐熱性金属繊維フィ
ルタを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、Cr含有量を
8〜25wt%及びAl含有量を2〜6wt%としたフ
ェライト系ステンレス材を極細線の金属長繊維あるいは
また金属短繊維に加工して、この金属長繊維あるいはま
た金属短繊維を開繊しマツトにして焼結した金属繊維フ
ィルタとし、金属繊維の整形精度を高めるとともに、高
温雰囲気における組織の安定性を高めかつ腐食劣化を効
果的に防止して、ろ過性能、信頼性とともに耐熱強度を
高めている。
【0007】
【発明の実施の形態】図1Aに本発明の高耐熱性金属繊
維フィルタ(フェライト系ステンレス製)及び従来の金
属繊維フィルタ(オーステナイト系ステンレス製)の耐
熱引張強度の試験機、図1Bにその強度低下率の比較特
性を示している。
【0008】本発明は、Cr含有量を8〜25wt%及
びAl含有量を2〜6wt%としたフェライト系ステン
レス材を極細線の金属長繊維あるいはまた金属短繊維に
加工して、前記の金属長繊維あるいはまた金属短繊維を
開繊しマツトにして焼結した高耐熱性金属繊維フィルタ
になつている。即ち、フェライト系ステンレスを適用
し、かつこのCr含有量及びAl含有量(又は添加量)
を適量に設定したフェライト系ステンレスを素材とし、
極細線の金属繊維に加工して開繊及び焼結した構造の高
耐熱性金属繊維フィルタに特徴を有する。
【0009】さらに詳述すると、前記の高耐熱性金属繊
維フィルタを製造する素材には、代表例としてC:0.
08wt%以下、Si:1.00wt%以下、Mn:
2.00wt%以下、P:0.04wt%以下、S:
0.03wt%以下、Cr:8〜25wt%、Al:2
〜6wt%、残りFeからなる成分比のフェライト系ス
テンレス材が適用される。このフェライト系ステンレス
材は、通常のフェライト系ステンレス(SUS405)
において、このCr含有量及びAl含有量をそれぞれ前
記のような成分比にしたものになつている。
【0010】又は、フェライト系ステンレス(SUS4
30)、又はフェライト系ステンレス(SUS434)
等において、Cr含有量を8〜25wt%としかつAl
含有量(この場合は添加量)を2〜6wt%にした成分
比のフェライト系ステンレス材として適用することも可
能である。
【0011】また、前記のようにCr含有量を8〜25
wt%及びAl含有量を2〜6wt%としたフェライト
系ステンレス材は、細線材にしてこの複数本を束ね、冷
間で伸線加工して極細線に形成したり、好ましくは、こ
の細線材を極低炭素鋼で被覆して複合線状材とし、この
複合線状材の多数本を極低炭素鋼管内に挿入して、熱間
で圧延し引き続き冷間で伸線し焼鈍処理を繰り返して極
細線に形成し、前記の極低炭素鋼管及び極低炭素鋼を科
学的に除去する集束伸線加工により、極細径の金属長繊
維に形成される。この金属長繊維は必要に応じ適度の長
さの金属長繊維又は金属短繊維に加工される。又は、例
えば固有振動数500〜5000Hzの弾性工具等によ
る自励振動で切削(旋削)する切削加工により、極細径
の金属短繊維に加工される。例えば、前記のように極細
線化された金属長繊維は、用途に対応させて平均直径2
〜30μm、アスペクト比(長さ/平均直径)2500
〜5000とし、金属短繊維は、用途に対応させて平均
直径20〜200μm、アスペクト比30〜60に形成
される。
【0012】さらに、前記の金属長繊維又は金属短繊維
は、公知の手段で開繊される。好ましくは水溶液等でス
ラリーとし金属長繊維又は金属短繊維を均等に堆積する
などの開繊手段により、用途に対応した空隙率、厚さの
単層あるいはまた重合層のマツトに形成した後、このマ
ツトを焼結炉で焼結(不活性ガスの雰囲気で焼結温度1
000〜1300℃)して高耐熱性金属繊維フィルタに
形成される。
【0013】従来例としてオーステナイト系ステンレス
(SUS316L)の線材を、前記のような集束伸線加
工で平均直径の異なる極細線の金属長繊維又は金属短繊
維とし、この金属長繊維又は金属短繊維を同様に開繊し
マツトにして焼結した複数の高耐熱性金属繊維フィルタ
を製造して試料とし、また、実施例としてフェライト系
ステンレス(SUS405)でこのCr含有量及びAl
含有量を変えた各種の線材により、同様な集束伸線加工
で平均直径の異なる極細線の金属長繊維又は金属短繊維
とし、この金属長繊維又は金属短繊維を同様に開繊しマ
ツトにして焼結した多数の高耐熱性金属繊維フィルタを
製造して試料とし、これら各試料の金属長繊維の整形精
度を検査するとともに、図1Aに示す機構の試験機(J
IS Z2201に準ずる)で各試料の耐熱引張強度を
テストした。
【0014】前記の検査、テストの結果、フェライト系
ステンレス材のCr含有量が25wt%を越えAl含有
量が6wt%を越えると、伸線加工に際し加工性が著し
く低下して断線やケバ立ちが多くなつて、金属繊維の整
形精度が低下しろ過性能とともに耐熱性が低下する。C
r含有量を8wt%未満にすると耐熱性が低下し、Al
含有量を2wt%未満にするとAl含有による組織の安
定化が期待されず高温ガスにより腐食劣化されることが
確認された。
【0015】即ち、前記のようにCr含有量を8〜25
wt%及びAl含有量を2〜6wt%としたフェライト
系ステンレス材を極細線の金属長繊維あるいはまた金属
短繊維に加工して、この金属長繊維あるいはまた金属短
繊維を開繊しマツトにして焼結した金属繊維フィルタに
形成すると、Cr及びAlが適量に含有されて、金属繊
維の整形精度とともにろ過性能、耐熱性が高められる。
また、フェライト系ステンレス材のフェライト相による
安定組織で基本的に腐食劣化が防止されるとともに、適
量のAl含有によつて耐熱性が得られる。
【0016】図1Aに示す試験機は、試料1をガス炉2
の大気中ガスの雰囲気に配置して、この両端部をチック
3に連結し、試料を高温度に加熱して強度低下を測定す
る機構になつており、図1Bに示す高熱雰囲気における
強度低下率の特性図は、前記の試験機で各試料をテスト
した結果の代表例として、試料a(従来例)は、オース
テナイト系ステンレス(SUS316L)材を伸性加工
して平均直径12μmの金属長繊維に形成し、この金属
長繊維を開繊し焼結して幅30mm、厚さ1mm及び長
さ300mmの焼結板とし、この焼結板を不活性ガスの
雰囲気(800℃)でテストした強度低下率の特性曲線
であり、試料b1(実施例)は、Cr含有量:23wt
%及びAl含有量:5wt%のフェライト系ステンレス
(SUS405)材で、同様に平均直径12μmの金属
長繊維とし焼結板にしてテストした強度低下率の特性曲
線、さらに、試料b1(実施例)は、Cr含有量:10
wt%及びAl含有量:2wt%としたフェライト系ス
テンレス(SUS405)材で、同様に平均直径12μ
mの金属長繊維とし開繊、焼結した同形状の焼結板にし
てテストした強度低下率の特性曲線であり、従来例の試
料aでは、数時間で強度が著しく低下して使用できない
のに対し、試料b1(実施例)は、図示のように強度低
下が著しく改善されて長時間にわたり使用可能であり、
試料b2(実施例)でも、かなり長時間で使用可能であ
る。即ち、実施例では800℃程度の高熱雰囲気でも十
分に実用可能であり従来例に比べ耐熱性が著しく改善さ
れている。また、前記のフェライト系ステンレス(SU
S405)材により金属短繊維とし、開繊しマツトにし
て焼結した金属繊維フィルタに構成しても、ほぼ同様な
作用、効果が得れられる。
【0017】さらに、フェライト系ステンレス(SUS
430)やフェライト系ステンレス(SUS434)に
おいて、これらのCr含有量を8〜25wt%及びAl
含有量(この場合は添加量)を2〜6wt%にした成分
比とし、これらのフェライト系ステンレス(SUS43
4)材で同様に金属繊維フィルタに構成しても、ほぼ同
様な作用、効果が得れられることを確認している。
【0018】
【発明の効果】本発明は、前述のようにCr含有量を8
〜25wt%及びAl含有量を2〜6wt%としたフェ
ライト系ステンレス材を極細線の金属長繊維あるいはま
た金属短繊維に加工して、この金属長繊維あるいはまた
金属短繊維を開繊しマツトにして焼結した金属繊維フィ
ルタに構成され、適量のCr及びAlの含有によつて、
金属繊維の整形精度が高められてろ過性能とともに耐熱
性が高められ、フェライト系ステンレス材のフェライト
相が安定組織となつて基本的に腐食劣化が防止され、適
量のAl含有で硫化ガス等による腐食劣化が効果的に防
止されるなど、総合的にろ過性能、信頼性とともに耐熱
性を著しく向上している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の評価に使用した加熱雰囲気における引
張試験の機構図
【図2】加熱雰囲気における強度低下率の比較特性図で
ある。
【符号の説明】
1 試料 2 加熱雰囲気(焼結炉) 3 チック a 特性曲線(従来例) b1,b2 特性曲線(実施例)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr含有量を8〜25wt%及びAl含
    有量を2〜6wt%としたフェライト系ステンレス材を
    極細線の金属長繊維あるいはまた金属短繊維に加工し
    て、前記の金属長繊維あるいはまた金属短繊維を開繊し
    マツトにして焼結したことを特徴とする高耐熱性金属繊
    維フィルタ。
JP29055395A 1995-10-13 1995-10-13 高耐熱性金属繊維フィルタ Pending JPH09103625A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29055395A JPH09103625A (ja) 1995-10-13 1995-10-13 高耐熱性金属繊維フィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29055395A JPH09103625A (ja) 1995-10-13 1995-10-13 高耐熱性金属繊維フィルタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09103625A true JPH09103625A (ja) 1997-04-22

Family

ID=17757527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29055395A Pending JPH09103625A (ja) 1995-10-13 1995-10-13 高耐熱性金属繊維フィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09103625A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108249907A (zh) * 2018-01-25 2018-07-06 浙江朗基新材料科技有限公司 一种铁氧体材料制备方法
KR102275011B1 (ko) * 2021-04-12 2021-07-07 장석운 다기능 공기 청정 마스크

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108249907A (zh) * 2018-01-25 2018-07-06 浙江朗基新材料科技有限公司 一种铁氧体材料制备方法
KR102275011B1 (ko) * 2021-04-12 2021-07-07 장석운 다기능 공기 청정 마스크

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Tweed et al. Effect of reheating on microstructure and toughness of C–Mn weld metal
JP5010301B2 (ja) 排ガス経路部材用フェライト系ステンレス鋼および排ガス経路部材
US5378426A (en) Oxidation resistant metal particulates and media and methods of forming the same with low carbon content
JP4068556B2 (ja) 集束伸線によるステンレス鋼繊維
JPH09103625A (ja) 高耐熱性金属繊維フィルタ
Keown et al. Role of delta ferrite in thermal aging of type 316 weld metals
CN101300371B (zh) 析出微细的Ti-Nb-Cr碳化物或Ti-Nb-Zr-Cr碳化物的耐热合金
JP2002536152A (ja) トウ巻きフィルタカートリッジ
Grzesik et al. The behavior of valve materials utilized in Diesel engines under thermal shock conditions
Matsubara et al. Effect of Cr content and microstructure on high temperature oxidation behavior of high nitrogen heat-resistant ferritic steels
JP3895089B2 (ja) 耐浸炭性及び耐メタルダスティング性にすぐれる耐熱合金
Santacreu et al. Ferritic stainless steel grade with improved durability for high temperature exhaust manifold
Andrieu et al. Oxidation mechanisms in relation to high temperature fatigue crack growth properties of alloy 718
TWI286487B (en) Material for filter application
Haanappel et al. Properties of protective oxide scales containing cerium on Incoloy 800H in oxidizing and sulfidizing environments. I. Constant-extension-rate study of mechanical properties
JP5796370B2 (ja) 電縫溶接部の耐サワー特性に優れた高強度厚肉電縫鋼管
Kondo et al. Tensile and impact properties changes of HASTELLOY X after exposure in high-temperature helium environment
Sasaki et al. Measuring strains for hematite phase in sinter ore by electron backscattering diffraction method
Natesan et al. Effect of oxygen and oxidation on tensile properties of V-5Cr-5Ti alloy
CA2166360C (en) Heat-resistant alloy
Al-Buraiki et al. Stress Relaxation Cracking of Thin Alloy 800/800H Electric Heater Tubular Heating Elements
Petrasek et al. Tungsten Alloy Fiber Reinforced Nickel Base Alloy Composites for High-Temperature Turbojet Engine Applications
Cui et al. Ferrite number as a function of the larson-miller parameter for austenitic stainless weld metals after creep testing
RU2397006C2 (ru) Нержавеющая сталь для применения в фильтрах
Gieseke et al. Fatigue and crack growth behavior of V-Cr-Ti alloys