JPH0910260A - 使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウエストバンド19の引っ張り応力が分散さ
れ、背側腰回り部５のウエストギャザー15及び両側脚回
り部６のレッグギャザー13を十分に伸長させて背側腰回
り部５及び両側脚回り部６を着用者の背側腰回り及び両
側脚回りに密接する状態に簡単に装着する 【構成】 背側腰回り部５の両端部にウエストバンド19
を取付ける。ウエストバンド19は背側腰回り部５の両端
部及び両側の弾性材12と弾性材延長部14との連続部20に
取付けた取付部21を有し、取付部21の上下に背側腰回り
部５を腰回り方向に引っ張る第１の引張部22及び両側脚
回り部６を脚回り方向に引っ張る第２の引張部23を連続
形成し、第１の引張部22及び第２の引張部23の外端部に
連続した締着部24を形成する。両側のウエストギャザー
15に吸収体４の背側腰回り部５に位置する両端角部を一
体に重合形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は使い捨ておむつに係り、
着用の際に腰回りを締結してパンツ型状に組み立てて着
用するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の使い捨ておむつとして
は、たとえば、実開平６−５６１５号公報に記載されて
いるように、表面シートと裏面シートとの間に吸収パネ
ルを介在させ、背側腰回り部及び両側脚回り部にそれぞ
れの方向に伸縮する弾性部材をそれぞれ取付け、前記背
側腰回り部の両端部に横長矩形状の締結片をそれぞれ取
付け、この両側の締結片の取付部と前記背側腰回り部の
弾性部材の両端部及び前記両側脚回り部の弾性部材の背
側一端部とを連繋し、前記背側腰回り部の弾性部材及び
前記両側脚回り部の弾性部材の内側部に離間位置して前
記吸収パネルを介在した構造が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記公報に記載の構造
では、背側腰回り部の両端部にこの背側腰回り部を引っ
張る方向に長い矩形状の締結片を取付けたため、着用に
際して両側部の締結片を引っ張った場合には締結片の引
っ張り方向に応力が集中し、両側脚回り部の弾性部材の
伸長が不十分になり易く、この両側脚回り部を着用者の
脚回りに密接させることができないことがある。また、
吸収パネルは背側腰回り部の弾性部材から離間して介在
されているため、締結片にて背側腰回り部を引っ張った
際には、この背側腰回り部の上端部分が内側の表面シー
ト側に折れ曲がり、この背側腰回り部の裏面のポリエチ
レン等の合成樹脂からなる裏面シートが着用者に接する
状態になり、このまま着用者が着用した場合には裏面シ
ートにて着用者がかぶれたり、むれる原因になり易い、
という問題がある。

【０００４】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、着用に際して両端部のウエストバンドをそれぞ
れ引っ張った場合には第１の引張部及び第２の引張部に
引っ張り応力が分散され、第１の引張部にてウエストギ
ャザーを十分に伸長できるとともに、第２の引張部にて
レッグギャザーを十分に伸長でき、その背側腰回り部及
び両側脚回り部を着用者の背側腰回り及び両側脚回りに
密接させて排泄物の漏洩を防止でき、また、両端部のウ
エストバンドを引っ張った際には、この背側腰回り部の
上端部分が着用者側の表面シート側に折れ曲がることを
防止でき、裏面シートが着用者に接する状態になること
を防止して着用者が裏面シートにてかぶれたり、むれる
ことを防止することができる使い捨ておむつを提供する
ことを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の使い捨
ておむつは、表面シートと裏面シートとの間に吸収体を
配設して背側腰回り部、両側脚回り部及び前側腰回り部
を有するおむつ本体を形成し、このおむつ本体の前記両
側脚回り部にこの脚回り方向に伸縮自在の弾性材にてレ
ッグギャザーをそれぞれ形成し、この両側のレッグギャ
ザーの弾性材を前記背側腰回り部の両側部から中間部に
向かってそれぞれ延在した弾性材延長部にて背側腰回り
部の両側部にウエストギャザーをそれぞれ形成し、前記
背側腰回り部の両端部にウエストバンドをそれぞれ取付
け、この両端部のウエストバンドは、前記背側腰回り部
の両端部及び前記両側の弾性材と弾性材延長部との連続
部に取付けた取付部を有し、この取付部の上下に前記背
側腰回り部を腰回り方向に引っ張る第１の引張部及び前
記両側脚回り部を脚回り方向に引っ張る第２の引張部を
それぞれ連続形成し、この第１の引張部及び第２の引張
部の外端部に連続した締着部を形成したものである。

【０００６】請求項２に記載の使い捨ておむつは、請求
項１に記載の使い捨ておむつにおいて、その両側のウエ
ストギャザーに吸収体の背側腰回り部に位置する両端角
部を一体に重合形成したものである。

【０００７】

【作用】請求項１に記載の使い捨ておむつでは、着用に
際して背側腰回り部を着用者の背側腰回りに当接すると
ともに、前側腰回り部を着用者の前側腰回りに当接す
る。つぎに、背側腰回り部の両端部のウエストバンドを
それぞれ引っ張ると、両ウエストバンドの引っ張り応力
がそれぞれの第１の引張部及び第２の引張部に応力分散
され、第１の引張部にて両側部のウエストギャザーが十
分に伸長されるとともに、第２の引張部にて両側部のレ
ッグギャザーが十分に伸長される。そして、両ウエスト
バンドの締着部を前側腰回り部の裏面部に締着すること
により、その背側腰回り部及び両側脚回り部が着用者の
背側腰回り及び両側脚回りにそれぞれ密接される。

【０００８】請求項２に記載の使い捨ておむつでは、着
用に際して背側腰回り部の両端部のウエストバンドをそ
れぞれ引っ張ると、背側腰回り部の両側部のウエストギ
ャザーが十分に伸長されるが、この両側のウエストギャ
ザーに吸収体の背側腰回り部に位置する両端角部が一体
に重合形成されているため、この吸収体の背側腰回り部
に位置する両端角部にて背側腰回り部の上端部分が着用
者側の表面シート側に折れ曲がることが防止される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例の構成を図面を参照
して説明する。

【００１０】図１及び図２において、１はおむつ本体
で、このおむつ本体１は透水性の表面シート2a及びこの
表面シート2aの両端部の疎水性の表面シート2bと裏面シ
ート３との間に吸収体４を配設して背側腰回り部５、両
側脚回り部６及び前側腰回り部７を有して形成されてい
る。前記透水性の表面シート2aは排泄物を透過する合成
繊維等の透液性の材料にて形成されている。また、前記
疎水性の表面シート2b及び前記裏面シート３は、排泄物
の漏れを防止するポリエチレン等の合成樹脂製等の不透
液性の材料にて形成されている。

【００１１】また、前記表面シート2bは袋地８としてそ
れぞれ形成され、この左右両端の袋地８は、その外端部
が前記裏面シート３の外端部とともに前記透水性の表面
シート2aにそれぞれ接着または融着等によって一体に取
着されているとともに、その内端部の上下端部が前記背
側腰回り部５及び前側腰回り部７にそれぞれ接着または
融着等によって一体に取着され、この上下の取着部の間
の自由端部９にはゴム等の伸縮性の弾性材10が接着され
ている。そして、前記疎水性の表面シート2bからなる左
右の袋地８と前記表面シート2aの左右部との間には排泄
物の横漏れを防止する袋部11が形成されている。

【００１２】さらに、前記吸収体４は前記表面シート2a
から透過した排泄物を吸収する吸収材にて前記背側腰回
り部５及び前側腰回り部７に配設する部分を左右方向に
幅広く形成した幅広部4a，4b及び前記両側脚回り部６に
配設する部分を幅狭く形成した幅狭部4cを有する形態で
形成されている。そして、前記吸収体４は前記表面シー
ト2a，2bと裏面シート３との間に配設されて前記裏面シ
ート３に接着または融着等によって一体に取着されてい
る。

【００１３】また、前記背側腰回り部５及び前側腰回り
部７は左右方向に幅広く形成され、この背側腰回り部５
及び前側腰回り部７にて着用者の腰回りに巻き付けるこ
とが可能な長さとなっている。

【００１４】つぎに、前記両側脚回り部６にこの両脚回
り方向に伸縮自在の複数条の弾性材12にてレッグギャザ
ー13がそれぞれ形成され、この両側のレッグギャザー13
の複数条の弾性材12の一端部が前記背側腰回り部５の両
側部から中間部の上端に向かってそれぞれ延在されると
ともに、この弾性材延長部14にて背側腰回り部５の両側
部にウエストギャザー15がそれぞれ形成されている。

【００１５】また、前記両側のレッグギャザー13の複数
条の弾性材12の他端部が前記前側腰回り部７の両側部か
ら中間部の上端に向かってそれぞれ延在されるととも
に、この弾性材延長部16にて前側腰回り部７の両側部に
ウエストギャザー17がそれぞれ形成されている。また、
前記前側腰回り部７の裏面部すなわち、前記裏面シート
３の前側腰回り部７に相当する位置には外面部に接着面
を有する接着テープ18が一体に取着されている。しかし
て、前記複数条の弾性材12及び弾性材延長部14，16は前
記吸収体４と前記裏面シート３との間に介在されてい
る。

【００１６】つぎに、前記背側腰回り部５の両端部にウ
エストバンド19がそれぞれ取付けられている。この両端
部のウエストバンド19は、前記背側腰回り部５の両端部
及び前記両側の複数条の弾性材12と弾性材延長部14との
湾曲した連続部20に取付けた上下方向の取付部21を有
し、この取付部21の上下には前記背側腰回り部５を腰回
り方向に引っ張る左右方向の第１の引張部22及び前記両
側脚回り部６を脚回り方向に引っ張る上下方向の第２の
引張部23がそれぞれ連続形成され、この第１の引張部22
及び第２の引張部23の外端部に連続した締着部24が形成
されている。

【００１７】また、前記締着部24と前記第１の引張部22
及び第２の引張部23との間には三角形状の空所25が形成
されている。また、前記両端部のウエストバンド19の締
着部24には前記接着テープ18の表面部の接着面に接離自
在に接着する接着面を有する接着テープ26が一体に取着
されている。そして、前記両端部のウエストバンド19は
前記締着部24と前記第１の引張部22及び第２の引張部23
とにより略Ｖ字形状に形成されている。

【００１８】つぎに、前記実施例の取り扱い例について
説明する。

【００１９】着用に際して背側腰回り部５を着用者の背
側腰回りに当接するとともに、前側腰回り部７を着用者
の前側腰回りに当接する。つぎに、背側腰回り部５の両
端部のウエストバンド19をそれぞれ腰回り方向に向かっ
て引っ張ると、この両ウエストバンド19の引っ張り応力
がそれぞれの第１の引張部22及び第２の引張部23に応力
分散され、第１の引張部22にて背側腰回り部５の両側部
のウエストギャザー15がそれぞれ十分に伸長されるとと
もに、第２の引張部23にて両側脚回り部６のレッグギャ
ザー13がそれぞれ十分に伸長される。

【００２０】そして、両ウエストバンド19の締着部24の
接着テープ26の接着面を前側腰回り部７の接着テープ18
の接着面に接着して締着することにより、その背側腰回
り部５と前側腰回り部７及び両側脚回り部６が着用者の
腰回り及び両側脚回りにそれぞれ密接する状態に装着さ
れる。

【００２１】そうして、着用者の排泄物は透液性の材料
にて形成された透水性の表面シート2aから吸収体４に吸
収されて保持されるが、この吸収体４の裏面側を被覆し
た裏面シート３は不透液性の材料にて形成されているた
め、この裏面シート３から排泄物が漏洩することが防止
される。

【００２２】また、表面シート2aは左右方向の両端部に
は相対する内端部を自由端部９として開放した疎水性の
表面シート2bを有する袋部11を形成するとともに、両側
部のウエストギャザー15，17及び両側部のレッグギャザ
ー13にて着用者の腰回り及び両側脚回りが密閉状態で閉
塞されていることにより、着用者の腰回り及び両側脚回
りから排泄物が漏洩することが防止される。

【００２３】また、前記着用に際して背側腰回り部５の
両端部のウエストバンド19をそれぞれ引っ張ると、背側
腰回り部５の両側部のウエストギャザー15が十分に伸長
されるが、この両側のウエストギャザー15に吸収体４の
背側腰回り部５に位置する両端角部が一体に取着されて
重合形成されていることにより、背側腰回り部５の両側
部のウエストギャザー15が十分に伸長されても、この吸
収体４の背側腰回り部５に位置する両端角部にて背側腰
回り部５の上端部分が着用者側の表面シート2a，2b側に
向かって折れ曲がることが防止される。

【００２４】したがって、背側腰回り部５の表面のポリ
エチレン等の合成樹脂からなる裏面シート３が着用者の
腰回りに接する状態になったり、そのまま着用者が着用
する状態になることがなく、表面シート2a，2bが着用者
の腰部のかぶれや、むれる原因となることが防止され
る。

【００２５】つぎに、前記実施例では、背側腰回り部５
の両側部にウエストギャザー15を形成した複数条の弾性
材延長部14の一端部は袋部11の相対する自由端部９の上
下方向に向かう延長線に沿って背側腰回り部５の上端部
にそれぞれ延在し、この両側部の複数条の弾性材延長部
14の一端部間に弾性材延長部14を有しない所定幅広の非
伸縮部を形成する場合について説明したが、これに限ら
ず、たとえば、図３に示すように、両側部のウエストギ
ャザー15を形成した複数条の弾性材延長部14の一端部は
袋部11の相対する自由端部９の上下方向に向かう延長線
より互い内側に接近して背側腰回り部５の上端部にそれ
ぞれ延在し、この両側部の複数条の弾性材延長部14の一
端部間に弾性材延長部14を有しない幅の狭い非伸縮部を
形成するようにしてもよい。

【００２６】このように構成することにより、着用に際
して両側部のウエストギャザー15が伸長されることによ
り、背側腰回り部５が着用者の腰部に対して更に密接す
る状態に装着される。そして、この着用者の腰部から排
泄物が漏洩することが確実に防止される。

【００２７】つぎに、前記各実施例では、背側腰回り部
５のウエストギャザー15と前側腰回り部７のウエストギ
ャザー17及び両側脚回り部６のレッグギャザー13は一連
の複数条の弾性材12にて形成することにより、背側腰回
り部５のウエストギャザー15と前側腰回り部７のウエス
トギャザー17及び両側脚回り部６のレッグギャザー13が
一工程で簡単に形成される。また、背側腰回り部５の両
側部にレッグギャザー13に連続したウエストギャザー15
を形成することにより、背側腰回り部５に別にウエスト
ギャザー15を形成する工程が省略される。

【００２８】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、着用に際して
背側腰回り部の両端部のウエストバンドをそれぞれ引っ
張った場合には第１の引張部及び第２の引張部に引っ張
り応力が分散され、第１の引張部にて背側腰回り部の両
側部のウエストギャザーを十分に伸長することができる
とともに、第２の引張部にて両側脚回り部のレッグギャ
ザーを十分に伸長することができ、したがって、その背
側腰回り部及び両側脚回り部を着用者の背側腰回り及び
両側脚回りに密接する状態に簡単に装着することがで
き、この着用者の背側腰回り及び両側脚回りから排泄物
が漏洩することを防止できる。

【００２９】請求項２の発明によれば、背側腰回り部の
両端部のウエストバンドを引っ張った際に、この背側腰
回り部の上端部分が着用者側の表面シート側に折れ曲が
ることを防止でき、裏面シートが着用者に接する状態に
なることを防止して着用者が裏面シートにてかぶれた
り、むれることを確実に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す使い捨ておむつの展開
図である。

【図２】同上装着する状態を示す斜視図である。

【図３】他の実施例を示す使い捨ておむつの展開図であ
る。

【符号の説明】

１ おむつ本体 2a，2b 表面シート ３ 裏面シート ４ 吸収体 ５ 背側腰回り部 ６ 両側脚回り部 ７ 前側腰回り部 12 弾性材 13 レッグギャザー 14 弾性材延長部 15 ウエストギャザー 19 ウエストバンド 21 取付部 22 第１の引張部 23 第２の引張部 24 締着部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面シートと裏面シートとの間に吸収体
   を配設して背側腰回り部、両側脚回り部及び前側腰回り
   部を有するおむつ本体を形成し、このおむつ本体の前記
   両側脚回り部にこの脚回り方向に伸縮自在の弾性材にて
   レッグギャザーをそれぞれ形成し、この両側のレッグギ
   ャザーの弾性材を前記背側腰回り部の両側部から中間部
   に向かってそれぞれ延在した弾性材延長部にて背側腰回
   り部の両側部にウエストギャザーをそれぞれ形成し、前
   記背側腰回り部の両端部にウエストバンドをそれぞれ取
   付け、この両端部のウエストバンドは、前記背側腰回り
   部の両端部及び前記両側の弾性材と弾性材延長部との連
   続部に取付けた取付部を有し、この取付部の上下に前記
   背側腰回り部を腰回り方向に引っ張る第１の引張部及び
   前記両側脚回り部を脚回り方向に引っ張る第２の引張部
   をそれぞれ連続形成し、この第１の引張部及び第２の引
   張部の外端部に連続した締着部を形成したことを特徴と
   する使い捨ておむつ。
2. 【請求項２】 両側のウエストギャザーに吸収体の背側
   腰回り部に位置する両端角部を一体に重合形成したこと
   を特徴とする請求項１記載の使い捨ておむつ。