JPH0910042A - 納 戸 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 納戸の収納効率を増大させ、かつ収納物の出
し入れを容易にする。 【構成】 四側面の壁面２Ａ〜２Ｄのうち、一側面の一
部に開口３を有する納戸１を以下の構成とする。開口３
を有する壁面２Ｄに対向する壁面２Ａと、この壁面に隣
合う何れか片側の壁面２Ｂとに沿って固定収納棚４Ａ，
４Ｂを各々設ける。開口３に対向する壁面２Ａの固定収
納棚４Ａと開口３との間で、固定収納棚４Ａと平行なレ
ール６を床面５に設ける。このレール６上に可動収納棚
７を移動可能に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、マンション等の集合
住宅や戸建住宅、その他の建物におけるウォークインク
ロゼット等の納戸に関する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】この
種の従来の納戸では、各壁面に沿って固定収納棚を設
け、固定収納棚の手前は棚に対して収納品を出し入れす
るための空間として何も設けないままにしている。しか
し、このような構成では、固定収納棚の前面空間が収納
空間として利用できないので、納戸の収納効率が悪い。
前面空間に収納物を入れると、奥側の固定収納棚の収納
物を出し入れするのに、前方の収納物を一旦取り出す必
要があり、出し入れに手間がかかる。一方、図書館の書
架や、一般住宅のクロゼットなどにおいて、書棚あるい
は一般の収納棚となる多数の可動収納棚を共通のレール
上に密に並べて設置し、希望の棚と隣接する棚との間に
取り出し用空間が開くように、各可動収納棚を移動させ
るようにしたものも提案されている。これによれば、棚
間の取り出し用空間は一箇所で済み、収納量の大幅な増
大が可能となる。しかし、可動収納棚を収納物の出し入
れの都度移動させるのでは、出し入れに手間がかかり、
不便である。また、可動収納棚は収納物によって重くな
るため、移動が円滑に行えず、一層出し入れが行い難
い。

【０００３】この発明の目的は、収納効率を増大させる
ことができ、かつ収納物の出し入れに便利な納戸を提供
することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明の納戸は、四側
面の壁面のうち、一側面の一部に開口を有する納戸であ
って、前記開口を有する壁面に対向する壁面と、この壁
面に隣合う何れか片側の壁面とに沿って固定収納棚を各
々設け、前記開口に対向する壁面の固定収納棚と前記開
口との間で、前記固定収納棚と平行なレールを床面に設
け、このレール上を移動可能な可動収納棚を設けたもの
である。前記納戸において、前記固定収納棚は、壁面に
固定される複数の支柱と、この支柱に着脱可能に取付け
られる腕木と、この腕木上に載せられる棚板とを有する
ものとしてもよい。

【０００５】

【作用】この構成の納戸によると、開口に対向する壁面
と、これに隣合う片側の壁面とに固定収納棚が設けられ
るだけでなく、開口の前のレール上を移動可能な可動収
納棚が設けられているので、納戸内の空間の収納効率が
向上する。つまり収納量が増大する。開口に対向する固
定収納棚に対する収納品の出し入れは、可動収納棚を出
し入れ位置から外れた位置に移動させることによって可
能である。可動収納棚は、壁際に寄せておくことによ
り、納戸の内部にはＵ字状に２つの固定収納棚と一つの
可動収納棚とが並ぶため、このままの状態でも多くの収
納物が出し入れ可能な状態に各棚に収納できる。そのた
め、前記のＵ字状に並ぶ棚位置に出し入れ頻度の高い収
納物を収納し、この状態で可動収納棚に隠れる位置の固
定収納棚部分に出し入れ頻度の少ない物を収納すること
で、出し入れ頻度の高い収納物の出し入れに際しては、
可動収納棚の移動を必要とせずに出し入れが行えること
になり、出し入れが便利にかつ迅速に行える。前記納戸
において、固定収納棚を、壁面に固定される複数の支柱
と、この支柱に着脱可能に取付けられる腕木と、この腕
木上に載せられる棚板とを有するものとした場合には、
収納品の種類や大きさに応じて、各段の棚板間高さを容
易に可変設定できる。

【０００６】

【実施例】この発明の一実施例を図１ないし図６に基づ
いて説明する。この例は、鉄筋コンクリート系、鉄骨鉄
筋コンクリート系、または鉄骨系の集合住宅に適用した
ものであり、ウォークインクロゼット等として使用され
る納戸である。この実施例の納戸１は、図２に概略平面
図で示すように四側面の壁面２Ａ〜２Ｄのうち、一壁面
２Ｄの一部に出入り用の開口３を有するものであって、
開口３に対向する正面の壁面２Ａと、この壁面２Ａに隣
合う例えば左側の壁面２Ｂとに沿って固定収納棚４Ａ，
４Ｂを各々設けている。各壁面２Ａ〜２Ｄは、コンクリ
ート壁であっても、木製の間仕切であっても良い。側面
の固定収納棚４Ｂは、右側の壁面２Ｃに沿って設けても
良い。また、正面の壁面２Ａと前記開口３との間では、
床面５に前面の固定収納棚４Ａと平行なレール６を設
け、このレール６上を移動可能な可動収納棚７を設けて
いる。前記各固定収納棚４Ａ，４Ｂは、図１（Ａ）のよ
うに壁面２Ａ，２Ｂに固定される複数の支柱８と、この
支柱８に着脱可能にかつ取付高さの変更が自在に取付け
られる上下複数段の腕木９（図２）と、各腕木９上に載
せられる棚板１０とを有する。各支柱８は、各壁面２
Ａ，２Ｂに固定しておくことが望ましい。

【０００７】可動収納棚７は、例えば図１（Ａ）のよう
にレール６と交差する前後方向に一対の支柱１１，１１
を立て、支柱１１に取付けられる各段の腕木（図示せ
ず）の上にそれぞれ棚板１２を載せたものである。支柱
１１，１１は底板１２Ａの上に立て、底板１２Ａの下面
にはレール６上を転がるローラ（図示せず）を設ける。
可動収納棚７は、天井近くまでの高さとした場合は、衣
服を吊って収納可能な上下２段の棚を確保でき、左側の
壁面２Ｂに向く半部と、右側の壁面２Ｃに向く半部とに
仕切って使用する場合には、片方の半部を女物衣服専
用、もう片方の半部を男物衣服専用というように使い分
けることもできる。その可動収納棚７の前記開口３に対
向する側面は、その幅寸法相当の長さのハンドル兼用バ
ー１４や、衣服を吊るフック１５を有するインナーパネ
ル１３としてある。ハンドル兼用バー１４は、可動収納
棚７を移動させるときのハンドルと、身支度時にネクタ
イ，ベルトを掛けたり、タオルを掛けておくハンガーと
に兼用できる。図１（Ｂ）は別の構成例の可動収納棚７
Ａを示す。なお、可動収納棚７は、移動を軽くするた
め、比較的軽い収納物の収納に適する。

【０００８】左側の固定収納棚４Ｂは、開口３から納戸
１内に入ってすぐに収納品の出し入れができるので、使
用頻度の高い下着，ブラウス，装身具類等の収納整理に
適している。可動収納棚７だけでは、衣服のハンガーが
不足する場合、前記固定収納棚４Ｂを衣服を吊って収納
する空間として利用してもよい。図１（Ａ）ではその固
定収納棚４Ｂの上段の一部を衣服収納空間とした場合を
示す。１６は衣服を吊るハンガーパイプである。固定収
納棚４Ｂの中，下段部は、引出しや、タンス等を組み合
わせて配置するのに適している。

【０００９】正面の固定収納棚４Ａは、その手前を可動
収納棚７が塞ぐ場合が多いので、使用頻度の低い季節用
品の収納棚として利用するのが好ましい。この固定収納
棚４Ａの場合でも、必要なら図１（Ａ）のように一部を
衣服を吊って収納する空間として利用してもよい。固定
収納棚４Ａの下段は、プラスチックケースや、小引出
し，バスケット引出し等、小物収納ボックスの配置空間
として好適である。

【００１０】この実施例の場合、正面の固定収納棚４Ａ
と、側面の固定収納棚４Ｂとの間に隙間Ｇを設け、側面
の固定収納端４Ｂの隅側がデッドスペースとならないよ
うにしてある。この隙間Ｇは、移動させ易い収納品に限
られるが、例えばカーペットのロール等の長尺の季節用
品等の保管スペースとして利用できる。

【００１１】図３は他の実施例を示す。この例は、正面
の固定収納棚４Ａの手前の床面５に前後２列のレール６
Ｂ，６Ｃを設け、各レール６Ｂ，６Ｃ上に各々別の可動
収納棚７Ｂ，７Ｃを設けた例を示す。その他の構成は図
１および図２の例と同じである。

【００１２】図４（Ａ）は正面の固定収納棚４Ａの手前
の床面５に設けた１列のレール６上に、図１（Ｂ）に示
した構成の可動収納棚７Ａを２台、個別に設けたもので
ある。この場合、各可動収納棚７Ａを、例えば男物衣服
専用、女物衣服専用に使い分けることができる。なお、
側面のインナーパネル１３には、ハンドル兼用バー１
４，フック１５のほか、鏡１７を設けており、これによ
り身支度時の勝手がさらに良くなる。その他の構成は図
１の実施例と同じである。

【００１３】図５は前記納戸１に収納可能な各種収納品
の一例を示したものである。すなわち、図５（Ａ）は、
例えば前記可動収納棚７に吊って収納できる礼服，スー
ツ，ジャケット，ズボン，スカート等を示す。図５
（Ｂ）は、ワイシャツ，ブラウス，セーター等、クリー
ニングした状態で棚置きするもの、およびスカーフ，和
服，靴下，下着類等、図６（Ａ）のようなプラスチック
ボックスや整理小引出し等のケース類に入れて収納する
ものを示す。図５（Ｃ）は、グループ化して吊るすベル
ト，ネクタイ類、および図６（Ｂ）のような各種専用小
物ケースに入れて保管するスカーフ，マフラー，帽子，
ショール，ハンドバッグ，ネックレス，ブローチ，指
輪，時計等を示す。図５（Ｄ）は、直に棚置きして出し
入れの容易な卓上ミシン，アイロン，ズボンプレッサ
ー，化粧道具等を示す。図５（Ｅ）は、ドレッサー，ア
タッシュケース，旅行カバンや、家の玄関に収納しにく
いロングブーツ等を示す。これらは、図６（Ｃ）のよう
な専用のシューズボックスやダンボールに入れて保管す
る。

【００１４】図７（Ａ）は他の実施例を示す。この納戸
１では、可動収納棚７Ｄを衣服の収納空間として利用し
ておらず、その側面のインナーパネル１３に、図示は省
略してあるが先述したハンドル兼用バー１４，フック１
５，鏡１７を設けている。その他の構成は、図１（Ａ）
の場合と同じである。図７（Ｂ）は別の可動収納棚７Ｅ
を示す。

【００１５】図８は前記納戸１に収納可能な各種収納品
の一例を示したものである。すなわち、図８（Ａ）は、
掃除機，ポリバケツ，土鍋，卓上コンロ等、そのままの
かたちで収納できる生活用品や雑貨類を示す。図８
（Ｂ）は、日曜大工道具，アイスボックス，レコード，
骨董品，天体望遠鏡等、専用の容器，木箱に入れたり、
そのまま収納できる趣味用品を示す。図８（Ｃ）は、エ
アロビバイク，ヘルスバー，体重計，エキスパンダー，
アレー等、そのままのかたちや折り畳んで収納できる健
康用品やフィットネス用品を示す。図８（Ｄ）は、ゴル
フバッグ，スキーセット，スポーツバッグ，サーフボー
ド，トロフィー等、専用ケースやダンボール，紙ケース
に入れて収納するスポーツ用品を示す。図８（Ｅ）は、
扇風機，ストーブ，ホットカーペット，パラソル，コタ
ツ，海浜用具等、折り畳んだり巻き上げて収納する季節
用品を示す。図８（Ｆ）は、ベビーベッド，ベビーバ
ス，三輪車，電子ゲーム等、折り畳んだりダンボール箱
等に入れて収納する成長・リサイクル用品を示す。図８
（Ｇ）は、五月人形，雛段飾り，重箱等、専用容器に入
れて収納する歳時用品を示す。図８（Ｈ）は、ワードロ
ーブ，ドレッサー，整理ダンス，和服桐ダンス，小棚，
小引出し等、そのまま直置きして収納する持ち込み家具
等を示す。

【００１６】図９は、前記各固定収納棚４Ａ，４Ｂ等に
使用される収納棚の他の例を示す。この収納棚は、複数
の支柱１０８と、この支柱１０８に着脱可能に取付けら
れる上下複数段の腕木１０９と、各腕木１０９上に載せ
られる棚板１１０と、底板１２０とで構成される。各支
柱１０８は、下端から前方へ延びる底桟１０８ａが一体
に形成されて、側面形状がＬ字状とされている。各支柱
１０８は、腕木１０９の取付孔を前面に上下方向に並べ
て所定ピッチで多数設けたものであり、背面で壁面に固
定される。この実施例では支柱１０８は３本を並べて設
けてあるが、２本であっても、４本以上設けても良い。
棚板１１０は、幅広の棚板１１０ａと、幅狭の棚板１１
０ｂとの２種類が準備してあり、幅広の棚板１１０ａは
３本の支柱１０８に渡って支持され、幅狭の棚板１１０
ｂは隣合う２本の支柱１０８間で支持される。底板１２
０は、隣合う２本の支柱１０８間に配置してあり、和箪
笥等の持ち込み家具１２１の載置に使用される。引き出
し箱等の家具１２２は、底板１２０の一部と１本の支柱
１０８の底桟１０８ａとに渡って載置してある。この構
成の固定収納棚によると、棚板１１０に複数種の幅のも
のを準備しておくことで、自由な幅の収納棚とでき、ま
た持ち込み家具１２１，１２２の配置空間を残した自由
な棚板配置の収納棚とできる。

【００１７】

【発明の効果】この発明は、四側面の壁面のうち、一側
面の一部に開口を有する納戸において、前記開口を有す
る壁面に対向する壁面と、この壁面に隣合う何れか片側
の壁面とに沿って固定収納棚を各々設け、前記開口に対
向する壁面の固定収納棚と前記開口との間で、前記固定
収納棚と平行なレールを床面に設け、このレール上を移
動可能な可動収納棚を設けたため、納戸空間の収納効率
が大幅に向上する。開口に対向する固定収納棚に対する
収納品の出し入れは、可動収納棚を出し入れ位置から外
れた位置に移動させることによって可能である。前記納
戸において、固定収納棚を、壁面に固定される複数の支
柱と、この支柱に着脱可能に取付けられる腕木と、この
腕木上に載せられる棚板とを有するものとした場合は、
収納品の種類や大きさに応じて、各段の棚板間高さを容
易に可変設定できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）はこの発明の一実施例にかかる納戸を示
す鳥瞰斜視図、（Ｂ）は同納戸における可動収納棚の別
の構成例を示す鳥瞰斜視図である。

【図２】同納戸の概略平面図である。

【図３】同納戸の別の構成例を示す概略平面図である。

【図４】（Ａ）は同納戸のさらに別の構成例を示す概略
平面図、（Ｂ）は同納戸における可動収納棚の別の構成
例を示す斜視図である。

【図５】同納戸に収納可能な各種収納品を示す斜視図で
ある。

【図６】前記収納品の各種収納ケースを示す斜視図であ
る。

【図７】（Ａ）はこの発明の他の実施例にかかる納戸を
示す鳥瞰斜視図、（Ｂ）は同納戸における可動収納棚の
別の構成例を示す鳥瞰斜視図である。

【図８】同納戸に収納可能な各種収納品を示す斜視図で
ある。

【図９】同納戸に設置する固定収納棚の例を示す斜視図
である。

【符号の説明】

２Ａ〜２Ｄ…壁面、３…開口、４Ａ，４Ｂ…固定収納
棚、５…床面、６，６Ｂ，６Ｃ…レール、７，７Ａ，７
Ｂ，７Ｃ，７Ｄ，７Ｅ…可動収納棚、８…支柱、９…腕
木、１０…棚板、１１…支柱、１２…棚板、１３…イン
ナーパネル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 四側面の壁面のうち、一側面の一部に開
   口を有する納戸であって、前記開口を有する壁面に対向
   する壁面と、この壁面に隣合う何れか片側の壁面とに沿
   って固定収納棚を各々設け、前記開口に対向する壁面の
   固定収納棚と前記開口との間で、前記固定収納棚と平行
   なレールを床面に設け、このレール上を移動可能な可動
   収納棚を設けた納戸。
2. 【請求項２】 前記固定収納棚が、壁面に固定される複
   数の支柱と、この支柱に着脱可能に取付けられる腕木
   と、この腕木上に載せられる棚板とを有するものである
   請求項１記載の納戸。