JPH08942U - エチケットパイプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 周囲の人たちにタバコの煙、臭い、火による
迷惑をかけない喫煙具を提供する。 【構成】 一端にタバコＴの吸い口を出すための挿し込
み口８を有し、他端にフィルタ１０付きの通気口９を有
する筒状体３からなり、筒状体３のうち、先端側の蓋体
２が、基端側の本体１に対してヒンジ１３などで開閉自
在に連結されているエチケットパイプＡ。 【効果】 タバコの灰はエチケットパイプＡの内部に閉
込められ、煙や臭いはフィルターで浄化される。そのた
め周囲の人たちに煙などの害が及ばない。また喫煙者に
とっては、通常は喫煙が遠慮される場所でも喫煙が可能
になる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、紙巻きたばこを吸うときに用いる喫煙用具に関し、具体的にはタ バコの喫煙可能な部分を覆うエチケットパイプに関する。

【０００２】

【従来の技術】

喫煙具としてのパイプは、本来は葉タバコを先端の火皿に詰めて吸い口から喫 煙するものであり、紙巻きタバコに対しては使用する必要がない。しかし近時ニ コチンやタールの摂取量をできるだけ減少するため、内部にフィルターを備える と共にタバコの吸い口を先端に挿入するようにしたフィルター付きのパイプが広 く用いられている。

【０００３】 一方、灰皿に一時的に置いたタバコの煙による害を少なくするため、灰皿の上 部に煙や臭いを吸着するフィルターを取り付けたフィルター付きの灰皿が提案さ れている。さらにいわゆるタバコのポイ捨てをなくすため、折畳式の携帯灰皿や 、アルミ箔と合成樹脂との積層シートを二つ折にして扁平な袋状にした簡易灰皿 も知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記フィルター付きパイプはタバコを吸っている本人の健康を配慮したもので あるが、周囲の人達が被る迷惑には何ら考慮していない。具体的には、 （イ）喫煙しない者には煙がけむたい、 （ロ）歩行喫煙する者が、すれ違う人に火傷を負わせたり衣服を焦がせたりする 、 （ハ）周囲にタバコの灰をまき散らし、吸い殻を路上などにポイ捨てする、 （ニ）寝タバコする者が、結果的に火災を引き起こす、 などの問題がある。

【０００５】 他方、前記フィルター付きの灰皿は、灰皿にタバコを置いているときの煙はあ る程度きれいにするが、タバコを手にもっているときの煙は浄化されない。しか もそのような特別な灰皿のもとでタバコを吸うことは、たとえば換気扇の下でタ バコを吸う方法と同じく、喫煙者にとって必ずしも実行しやすい方法ではない。 また前記携帯用の灰皿や簡易灰皿は、タバコの灰のまき散らしやポイ捨てを少な くする効果はあっても、かえって場所をわきまえずに喫煙することを助長し、そ れにより煙や火の害を一層広げることになる。

【０００６】 本考案は、タバコを吸っている本人よりもむしろ周囲の人に迷惑を与えないこ とを主目的とし、どのような場所で喫煙する場合でもタバコの煙や火、さらに灰 による害をできるだけ減少し、しかも喫煙者にとって比較的実行しやすい新規な 喫煙用具を提供すること、さらにそれにより喫煙者と非喫煙者の相互の調和を図 ることを目的としている。

【０００７】

【課題を達成するための手段】

本考案のエチケットパイプは、基端側にタバコの吸い口を外出させるためのタ バコ挿し込み口を備え、先端に内部と外部との通気をもたらすフィルタ付きの通 気口が設けられている耐熱性の筒状体からなり、該筒状体のうちタバコの先端側 を覆う部分が前記基端側を含む本体に対して開閉自在に設けられる蓋体として構 成されていることを特徴としている。

【０００８】 このようなエチケットパイプにおいては、前記蓋体が本体に対してヒンジ結合 されているものが好ましい。さらに前記筒状体の本体および蓋体のそれぞれが、 タバコを覆う耐熱ガラス製の内筒と、該内筒の外側に隙間を介して設けられる外 筒とからなるものが好ましい。

【０００９】

【作用】

上記の構成を有するエチケットパイプを使用して喫煙する場合、タバコをタバ コ挿し込み口に挿入し、蓋体を開ける。それによりタバコの先端側が露出するの で、挿し込み口から出ているタバコの吸い口を吸いながらタバコの先端に火をつ けることができる。ついで蓋体を閉じて喫煙する。その場合、フィルター付きの 通気口から空気が流入するので、通常のように喫煙をすることができる。また、 タバコの灰はエチケットパイプ内に残るので、周囲に飛び散らない。しかもタバ コの火が付いている部分は耐熱性の筒状体で覆われているので、本人はもとより 、回りにいる者に火傷を負わせたり、回りの物品を焦がすことがない。さらに万 一、火が付いたままタバコを放置した場合でも、火事を起こすおそれがない。 このように本考案のエチケットパイプは、喫煙者が吸う側にフィルターを介在 させる従来のフィルター付きパイプとは発想を逆にし、火が付いている先端側の 全体を覆って周囲の人たちや物品を保護する点に特徴がある。

【００１０】

【実施例】

以下、図面を参照しながら本考案のエチケットパイプの好ましい実施例を説明 する。 図１は本考案のエチケットパイプの一実施例を示す縦断面図、図２は図１のエ チケットパイプの使用状態を示す断面図、図３は図１のエチケットパイプの斜視 図、図４および図５はそれぞれ本考案のエチケットパイプの他の実施例を示す斜 視図、図６は本考案のエチケットパイプのさらに他の実施例を示す断面図である 。

【００１１】 図１に示すエチケットパイプＡは筒状の本体１と、その本体１の先端の開口を 覆うように設けられる有底筒状の蓋体２とから構成され、両者で筒状体３を構成 している。本体１はそれぞれ透明ないし透光性の耐熱ガラス製の内筒４と、その 外側に同心状に設けられるプラスチック（合成樹脂）製のカバー（外筒）５とか らなる。また蓋体２も、内筒６とカバー７とから構成される。それぞれの内筒４ 、６とカバー５、７との間には、隙間Ｇが設けられている。

【００１２】 さらに本体１の基端（図の左）側にはタバコの挿し込み口８が開口しており、 蓋体２の先端には内部と外部との通気をもたらす通気口９が形成されている。通 気口９には、通気を妨げず、タバコの煙や臭いを吸着するフィルター１０が挿入 されている。前記挿し込み口８は、たとえば内筒３の端部の内縁に突出させた部 分または内筒３の内縁に挿入したリング状の部品１１で構成し、タバコＴが直接 内筒３に触れないようにするのが好ましい。内筒４、６とカバー５、７との隙間 Ｇは、たとえばカバーの内面に放射状に、またはリング状に突出させた突起１２ などで確実に維持することができる。

【００１３】 前記本体１と蓋体２は、万年筆のキャップのごとく完全に分離できるようにし てもよいが、蓋体２をなくしたりしないように、図１のように蝶番ないしヒンジ １３で連結しておくのが好ましい。ヒンジ１３の位置は、タバコＴを挿し込み口 ８に挿し込んだときに着火可能な位置にする。なお図１の１４は蓋体２を閉じて おくための弾力的に係合する口金である。

【００１４】 つぎに上記のごとく構成されるエチケットパイプＡの使用方法を説明する。 まず図２のように蓋体２を１８０°回転させて開けておき、挿し込み口８から タバコＴの先端を挿入する。そのときタバコの先端が本体の先端の開口からいく らか出る程度まで挿入する。そして挿し込み口８から出ているタバコＴの吸い口 （フィルター付きシガレットの場合はフィルターＦ）を口にくわえ、ライターな どで火をつける。その後、図１および図３に示すように蓋体２を閉じて口金１４ で保持し、喫煙する。なおタバコＴを挿入するとき、先端が本体１から充分に突 出するように深く挿し込めば火をつけやすい。その場合は、蓋体２を閉じる前に 一旦タバコＴを本体１内に引っ込め、蓋体２を閉じた後、再びタバコＴを挿し込 み口８に深く挿し込むようにすればよい。

【００１５】 喫煙中は通気口９から空気が自由に入ってくるので、喫煙を続けることができ る。また通気口９にはフィルター１０が設けられているので、タバコＴを口から 離している場合でも、すなわち吸っていない場合でも、フィルター１０で浄化し た空気だけが外部に流れ、周囲に煙や臭いをまき散らさない。しかもタバコＴの ほぼ全体をエチケットパイプＡが取り囲んでいるので、タバコの灰はそのままエ チケットパイプＡの内部に残る。さらにくわえタバコをしたり、歩きながらタバ コを吸う場合でも、自分や他人の身体にタバコの火が接触して火傷をしたり、ま た衣服などを焦がすおそれがない。また図１のエチケットパイプＡの場合は、内 筒４、６とカバー５、７との間に隙間Ｇがあるので、一層断熱効果が高い。

【００１６】 タバコを吸い終った後は、タバコＴのフィルター部Ｆあるいは挿し込み口８の ところで火が消えるので、灰皿が設置されている場所に来るまでそのまま携帯し ておく。そして灰皿がある場所で残ったフィルター部Ｆを挿し込み口８から抜き 取り、内部の灰と共に灰皿に処分する。そのとき内部の灰を挿し込み口８から、 あるいは蓋体２を開いて灰皿に開けるようにする。なお数本または数十本タバコ を吸ってフィルター９に目詰まりが生じたときは、エチケットパイプＡごと、あ るいは別々に灰皿などに廃棄すればよい。

【００１７】 本考案のエチケットパイプＡは、たとえばセラミック製または金属製の内筒や カバーを用いて構成することができる。また石綿やグラスウールなどの断熱材を 前記隙間Ｇに充填してもよい。さらに内筒とカバーをステンレス製とし、その間 に水などの液体の断熱材を入れたり、あるいは真空にするようにしてもよい。ま たカバーに各種のデザインを施すことも任意である。しかし図１の実施例のよう に透明の耐熱ガラスで内筒を構成し、透明のプラスチック製のカバーを用いると 、喫煙者がタバコＴを見ることができ、かつタバコＴが燃えていく様子を目で追 えるので、タバコを吸っている実感が損なわれない利点がある。

【００１８】 前記実施例では筒状体３を基端側の本体１と先端側の蓋体２とに分離し、両者 をヒンジ１３で連結しているが、本考案はかかるものに限定されるものではなく 、前述のように万年筆のキャップのような挿し込み式の蓋体としてもよい。さら にたとえば図４および図５に示すような、種々の蓋体および連結構造を採用する ことができる。

【００１９】 図４のエチケットパイプＢの蓋体２ａには、本体１ａに対してある長さだけス ライドし、スライドエンドで回転できるように連結された舌片１５が延設されて おり、蓋体２ａはその舌片１５を介して本体１に連結されている。このような構 造は、たとえば舌片１５に長手方向に形成した案内溝１６と、その案内溝１６の 端部に形成した円形の孔１７と、前記案内溝１６とスライドし、孔１７を回転自 在に受ける本体１側に突設した断面長方形のピン１８などにより構成しうる。

【００２０】 このものは蓋体２ａを本体１ａから外すとき、まず蓋体２ａを軸線に沿って先 端側に引き抜き（矢印Ｓ）、ついで上方に回転する（矢印Ｐ）。閉じる場合は逆 に操作する。それによりタバコＴの先端が本体１からかなり突出している場合で も、タバコＴと干渉することなく、蓋体２を外したり閉じたりすることができる 。

【００２１】 図５のエチケットパイプＣは筒状の本体１ｂと、その本体１ｂに対してそれぞ れヒンジ１９で回転自在に連結された一対の半円筒状の蓋体２ｂとからなる。こ のものもタバコＴの先端側の突出長さにかかわらず、タバコＴと干渉することな く蓋体２を開閉することができる。

【００２２】 図６のエチケットパイプＤは、内筒４、６の内面に環状ないし放射状の突起２ ０を数本設けたものである。このものはタバコＴの長さにかかわらず、すなわち タバコＴをまだ吸っていない状態でも、また喫煙して短くなった場合でも、タバ コＴの表面と内筒４、６の内面との間に隙間を確実に維持することができる。そ のためタバコの火が消えにくく、しかも高い断熱効果を発揮しうる。なお図６の 符号２１に示すように、本体１などにつまみ２１を設けてもよい。またタバコＴ の吸い口に従来のフィルター付きのパイプ２２を挿し込んで本考案のエチケット パイプと併用してもよく、さらにエチケットパイプの挿し込み口８にフィルター 付きのパイプ２２を取り付けるように構成することもできる。

【００２３】

【考案の効果】

本考案のエチケットパイプを用いれば、どのような場所で喫煙する場合でもタ バコの煙や火、さらに灰による害をほとんどなくすことができる。それにより喫 煙者が非喫煙者に対して与える不快感を緩和しうる。しかも本考案のエチケット パイプは使用するのに手間がかからないので、喫煙者にとって比較的実行しやす い。そのため喫煙が遠慮される場所ではエチケットパイプを用いることが期待さ れ、喫煙者、非喫煙者の双方の利益になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のエチケットパイプの一実施例を示す縦
断面図である。

【図２】図１のエチケットパイプの使用状態を示す断面
図である。

【図３】図１のエチケットパイプの斜視図である。

【図４】本考案のエチケットパイプの他の実施例を示す
斜視図である。

【図５】本考案のエチケットパイプの他の実施例を示す
斜視図である。

【図６】本考案のエチケットパイプのさらに他の実施例
を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 蓋体 ３ 筒状体 ４ 内筒 ５ カバー ６ 内筒 ７ カバー ８ 挿し込み口 ９ 通気口 １０ フィルタ １３ ヒンジ １ａ 本体 ２ａ 蓋体 １ｂ 本体 ２ｂ 蓋体 １８ ピン １９ ヒンジ Ａ エチケットパイプ Ｂ エチケットパイプ Ｃ エチケットパイプ Ｄ エチケットパイプ Ｔ タバコ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基端側にタバコの吸い口を外出させるた
   めのタバコ挿し込み口を備え、先端に内部と外部との通
   気をもたらすフィルタ付きの通気口が設けられている耐
   熱性の筒状体からなり、該筒状体のうちタバコの先端側
   を覆う部分が前記基端側を含む本体に対して開閉自在に
   設けられる蓋体として構成されているエチケットパイ
   プ。
2. 【請求項２】 前記蓋体が本体に対してヒンジ結合され
   ている請求項１記載のエチケットパイプ。
3. 【請求項３】 前記筒状体の本体および蓋体のそれぞれ
   が、タバコを覆う耐熱ガラス製の内筒と、該内筒の外側
   に隙間を介して設けられる外筒とからなる請求項１記載
   のエチケットパイプ。