JPH0892302A - 末端反応性多糖及びその製造方法 - Google Patents

末端反応性多糖及びその製造方法

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JPH0892302A
JPH0892302A JP25472594A JP25472594A JPH0892302A JP H0892302 A JPH0892302 A JP H0892302A JP 25472594 A JP25472594 A JP 25472594A JP 25472594 A JP25472594 A JP 25472594A JP H0892302 A JPH0892302 A JP H0892302A
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JP
Japan
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polysaccharide
radical scavenger
ultrasonic waves
reactive
solvent
Prior art date
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Pending
Application number
JP25472594A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehisa Kumagai
武久 熊谷
Noriyuki Watanabe
紀之 渡辺
Yoshinobu Isono
善信 五十野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kameda Seika Co Ltd
Original Assignee
Kameda Seika Co Ltd
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Publication date
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  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子の末端に反応性基を有する多糖を反応
させることで、多糖の有する性質を発現させることを目
的として、超音波を使用することにより末端に反応性官
能基を有する多糖及びその製造方法。 【構成】 多糖とラジカル捕捉剤とが共存する溶液の系
に超音波を照射することによって末端に官能基を導入し
た多糖およびその多糖の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波を使用することに
よる、末端に反応性官能基を有する多糖及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子材料の高機能化を目的として多糖
と合成高分子の分子レベルでの複合化が検討され続けて
いる。従来の方法として、多糖の表面に数多くある水酸
基をそのまま、もしくは官能基変換を行なってから他の
モノマーや末端反応性の合成高分子と反応するものがほ
とんどであった。そのため多糖は幹分子で、枝分子は合
成高分子となった。(Ramani Narayan
Applied Biochem Biotech 1
988,17,7)
【0003】また枝分子となり得る、末端反応性高分子
の製造方法としては アニオン重合法で製造したリビングポリマー末端に官
能基を有する停止剤でエンドキャップする方法。 官能基を有する開始剤によるリビング重合法。 ビニル系モノマーを連鎖移動剤(ラジカル捕捉剤)共
存下でラジカル重合する方法(Yuya Yamasi
ta Polymer Bull 1981,5,36
1.Yoshiki Chujo Polymer B
ull 19828 239.) 重付加及び重縮合、等の方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】従来の末端反応性
高分子の製造方法は、合成高分子製造用のモノマーのみ
に適用可能であるため、天然高分子である多糖には用い
ることはできないという問題があった。
【0005】さらに前述のように従来の多糖と合成高分
子の共重合体では多糖が幹分子となり、本来の優れた性
質が発現しにくく、多糖が枝鎖となり得る末端反応性多
糖を得ることは困難であった。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明は合成高分子に
末端反応性基を有する多糖を反応させることで、多糖の
有する性質を発現させることを目的として、多糖とラジ
カル捕捉剤とが共存する溶液の系に超音波を照射するこ
とによって末端に官能基を導入した多糖及びその多糖の
製造方法を完成したものである。
【0007】本発明に使用する多糖は、澱粉及びセルロ
ースの誘導体が挙げられ、具体的には酢酸澱粉、酢酸セ
ルロース等の有機酸エステル誘導体グルカンである。こ
れらは単独または2種類以上任意の割合で混ぜて使用し
ても良い。
【0008】本発明に用いるラジカル捕捉剤としては、
具体的にはチオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオグリ
コール、チオグリセロールが挙げられる。これらは単独
または2種類以上任意の割合で混ぜて使用しても良い。
【0009】本発明における溶媒として用いる溶剤は高
分子やラジカル捕捉剤を溶解せしめさらに高沸点を有す
るものが望ましい。多糖をを溶解または膨潤させること
により、超音波による切断効率が極めて高まり、また高
沸点溶剤を用いることで反応温度を高く設定し、反応速
度を高めることができるからである。具体的にはジオキ
サンやジグライム等が挙げられる。
【0010】本発明に使用する超音波の周波数は、キャ
ビテーション発生のための条件を満たす周波数であるこ
と以外には限定がない。本発明で使用する超音波強度
は、キャビテーション発生のための条件を満たす強度で
あること以外には限定がない。このうち、多糖の分解効
率を高めるには、可能な限り高い超音波強度が望まし
い。
【0011】本発明における照射温度は特に限定される
ものではないが、50〜70℃が望ましい。これ以下の
温度では連鎖移動速度が低下し、これ以上の温度ではキ
ャビテーションの発生が悪くなるため分解効率が低下す
るからである。
【0012】
【作用】本発明は溶媒としての液体中に強力な超音波を
照射することで発生するキャビテーションを利用するも
のである。このキャビテーションは、超音波が疎密波で
あることより正負の圧力差が生じる際、液体が引き裂か
れて起こる気泡の発生、圧壊である。
【0013】この溶媒としての液体中に多糖が存在した
ならば同様に引き裂かれ機械的切断が起こり、この切断
末端にはラジカルが発生する。さらにラジカル捕捉剤を
共存させたならば、切断末端へ導入されることより、末
端反応性多糖が製造されると考えられる。
【0014】
【実施例】次に本発明の方法を実施例に基づいて説明す
るが、これらは何ら本発明を限定するものではない。
【0015】実施例1 超音波発振子を取り付けた300ml容量の密閉型ガラ
ス容器に、多糖としてもち米より調製した酢酸澱粉15
gと、ラジカル捕捉剤としてチオグリコール酸10gと
を、溶媒としてジオキサン200g中に入れた後、脱
気、アルゴンガス置換後に、60℃で19.6KHzの
超音波を24時間照射をした。反応物をメタノールによ
る沈澱精製後、乾燥することで末端反応性酢酸澱粉を得
た。この末端反応性酢酸澱粉をカルボキシル基ラベル化
剤である、9ークロロメチルアントラセンと反応させU
Vスペクトロメトリー、GPCで分析したところカルボ
キシル基が1分子当たり78%導入された。
【0016】実施例2 実施例1の超音波発振子を取り付けた300ml容量の
密閉型ガラス容器に、表1に示した仕込組成により多糖
としてもち米より調整した酢酸澱粉15gと、ラジカル
捕捉剤としてチオリンゴ酸10gとを、溶媒としてジオ
キサン200g中に入れた後、脱気、アルゴンガス置換
後に、60℃で19.6KHzの超音波を24時間照射
した。反応物をメタノールによる沈澱精製後、乾燥する
ことで末端反応性酢酸澱粉を得た。この末端反応性酢酸
澱粉をカルボキシル基ラベル化剤である、9ークロロメ
チルアントラセンと反応させUVスペクトロメトリー、
GPCで分析したところカルボキシル基が1分子当たり
142%導入された。
【0017】実施例3 実施例1の超音波発振子を取り付けた300ml容量の
密閉型ガラス容器に、表1に示した仕込組成により多糖
としてもち米より調整した酢酸澱粉15gと、ラジカル
捕捉剤としてチオリンゴ酸10gとを、溶媒としてジオ
キサン200g中に入れた後、脱気、アルゴンガス置換
後に、60℃で19.6KHzの超音波を24時間照射
した。反応物をメタノールによる沈澱精製後、乾燥する
ことで末端反応性酢酸澱粉を得た。この末端反応性酢酸
澱粉をカルボキシル基ラベル化剤である、9ークロロメ
チルアントラセンと反応させUVスペクトロメトリー、
GPCで分析したところカルボキシル基が1分子当たり
75%導入された。
【0018】比較例1 表1に示した仕込組成により、実施例1と同様の反応装
置を用いて同様の反応操作を行ない、表1の特性値の酢
酸澱粉を製造した。すなわち、実施例1の超音波発振子
を取り付けた300ml容量の密閉型ガラス容器に、表
1に示した仕込組成により多糖としてもち米より調整し
た酢酸澱粉15gを、溶媒としてジオキサン200g中
に入れた後、脱気、アルゴンガス置換後に、60℃で1
9.6KHzの超音波を24時間照射した。反応物をメ
タノールによる沈澱精製後、乾燥することで末端反応性
酢酸澱粉を得た。この末端反応性酢酸澱粉をカルボキシ
ル基ラベル化剤である、9ークロロメチルアントラセン
と反応させUVスペクトロメトリー、GPCで分析した
ところカルボキシル基は全く導入されていなかった。
【0019】
【表1】
【0020】以上、本発明において、実施例1〜3のラ
ジカル捕捉剤の存在下ではカルボキシル基が導入される
ことが判明し、これに対して、比較例1のラジカル捕捉
剤の不存在下ではカルボキシル基が導入されないことが
判明することにより、本発明においては高分子から末端
反応性多糖の製造ができることがわかる。
【0021】実施例4 実施例1と同様の反応装置を用いて、多糖としてもち米
より調製した酢酸澱粉15gと、ラジカル捕捉剤として
チオグリセロール10gとを、溶媒としてジグライム2
00gを入れた後、脱気、アルゴンガス置換後、60℃
で19.6KHzの超音波を24時間照射をした。反応
物をメタノールによる沈澱精製後、乾燥することで片末
端に水酸基が2個ある末端反応性酢酸澱粉を得た。
【0022】実施例5 実施例1と同様の反応装置を用いて、多糖としてもち米
より調製した酢酸澱粉15gと、ラジカル捕捉剤として
チオグリコール10gとを、溶媒としてジオキサン20
0gを入れた後、脱気、アルゴンガス置換後、60℃で
19.6KHzの超音波を24時間照射をした。反応物
をメタノールによる沈澱精製後、乾燥することで片末端
に水酸基がある末端反応性酢酸澱粉を得た。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、本質的に生体親和性と
生体適合性に優れた多糖と合成高分子を組み合わすこと
ができ得るカルボキシル基又は水酸基を有する、末端反
応性多糖を製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多糖とラジカル捕捉剤とが共存する溶液
    に超音波を照射することを特徴とする末端反応性多糖。
  2. 【請求項2】 多糖が、澱粉系高分子、セルロース系高
    分子であることを特徴とする特許請求範囲第1項記載の
    末端反応性多糖。
  3. 【請求項3】 ラジカル捕捉剤が、チオグリコール酸、
    チオリンゴ酸、チオグリコール、チオグリセロールであ
    ることを特徴とする特許請求範囲第1項記載の末端反応
    性多糖。
  4. 【請求項4】 多糖とラジカル捕捉剤とを溶液中に混合
    して共存せしめ、次に該溶液に超音波を照射することを
    特徴とする末端反応性多糖の製造方法。
JP25472594A 1994-09-24 1994-09-24 末端反応性多糖及びその製造方法 Pending JPH0892302A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001070820A1 (fr) * 2000-03-23 2001-09-27 Hokkaido Technology Licensing Office Co.,Ltd. Procede de preparation d'esters cellulosiques
CN104707574A (zh) * 2015-03-23 2015-06-17 济南大学 葡聚糖凝胶固载溴化1-丙基-3甲基咪唑吸附剂的制备

Cited By (4)

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