JPH0891999A - レーザー用バナジウム酸イットリウム単結晶およびその製造方法 - Google Patents
レーザー用バナジウム酸イットリウム単結晶およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH0891999A JPH0891999A JP25607694A JP25607694A JPH0891999A JP H0891999 A JPH0891999 A JP H0891999A JP 25607694 A JP25607694 A JP 25607694A JP 25607694 A JP25607694 A JP 25607694A JP H0891999 A JPH0891999 A JP H0891999A
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- laser
- single crystal
- mol
- ions
- rare earth
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 レーザー結晶としての性能を低下させること
なく、発光強度の強い高品質な希土類元素を含有するバ
ナジウム酸イットリウム単結晶およびその製造方法を提
供する。 【構成】 バナジウムイオンが単結晶中の全陽イオンに
対してモル比で47.0〜49.5モル%であることを
特徴とする希土類元素を含有するレーザー用バナジウム
酸イットリウム単結晶。
なく、発光強度の強い高品質な希土類元素を含有するバ
ナジウム酸イットリウム単結晶およびその製造方法を提
供する。 【構成】 バナジウムイオンが単結晶中の全陽イオンに
対してモル比で47.0〜49.5モル%であることを
特徴とする希土類元素を含有するレーザー用バナジウム
酸イットリウム単結晶。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザー用バナジウム酸
イットリウム単結晶およびその製造方法に関し、特に半
導体レーザー(LD)励起固体レーザー用ホストとして
用いられる希土類元素を含有するレーザー用バナジウム
酸イットリウム単結晶およびその製造方法に関する。
イットリウム単結晶およびその製造方法に関し、特に半
導体レーザー(LD)励起固体レーザー用ホストとして
用いられる希土類元素を含有するレーザー用バナジウム
酸イットリウム単結晶およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度光記録のための高品質で安定した
光源として、半導体レーザー(LD)を励起光源とした
レーザー結晶と非線形結晶の組合せによる青−緑色レー
ザーが有望視されている。酸化物固体レーザー結晶では
ネオジウム(Nd)イオンを添加したバナジウム酸イッ
トリウム(YVO4)単結晶がその特性から特に有望で
ある。Ndイオンを添加した結晶の中では、YAG(Y
3Al5O12)結晶が有名で加工用等に利用されている。
しかしこのNd:YAG結晶はNdイオンの吸収断面積
が小さいために励起光源の閾値が高く、LD励起による
小型レーザーを構成するには適していない。
光源として、半導体レーザー(LD)を励起光源とした
レーザー結晶と非線形結晶の組合せによる青−緑色レー
ザーが有望視されている。酸化物固体レーザー結晶では
ネオジウム(Nd)イオンを添加したバナジウム酸イッ
トリウム(YVO4)単結晶がその特性から特に有望で
ある。Ndイオンを添加した結晶の中では、YAG(Y
3Al5O12)結晶が有名で加工用等に利用されている。
しかしこのNd:YAG結晶はNdイオンの吸収断面積
が小さいために励起光源の閾値が高く、LD励起による
小型レーザーを構成するには適していない。
【0003】Nd:YVO4単結晶はNd:YAG結晶
の2.7倍もの吸収断面積を持ち、また800nm付近
にNdイオンによるブロードな吸収を持つことが知られ
ている(R.A Fields,et al,App
l.Phys.Lett.51,1885(198
7))。このように800nm付近にブロードな吸収を
持つことは、LDの温度変化に伴う波長変動に対して大
きな影響を受けず、レーザー発振することができる。こ
のような利点を持つNd:YVO4結晶であっても、高
い発振出力を維持するためにはNdイオンの添加量を増
やすことが必要である。
の2.7倍もの吸収断面積を持ち、また800nm付近
にNdイオンによるブロードな吸収を持つことが知られ
ている(R.A Fields,et al,App
l.Phys.Lett.51,1885(198
7))。このように800nm付近にブロードな吸収を
持つことは、LDの温度変化に伴う波長変動に対して大
きな影響を受けず、レーザー発振することができる。こ
のような利点を持つNd:YVO4結晶であっても、高
い発振出力を維持するためにはNdイオンの添加量を増
やすことが必要である。
【0004】しかしながら、高いレーザー発振出力を得
るためのYVO4単結晶へのネオジウム(Nd)イオン
の最高添加量は、イットリウム(Y)イオンに対しNd
イオンが3atm%であった。添加量が3atm%を超
えると濃度消光によるNdイオンの発光寿命が早くな
り、レーザー特性を低下させる結果となる。このことか
らNd:YVO4単結晶レーザー出力はNdイオンの添
加量に依存し、添加量はNd3atm%が限界であっ
た。
るためのYVO4単結晶へのネオジウム(Nd)イオン
の最高添加量は、イットリウム(Y)イオンに対しNd
イオンが3atm%であった。添加量が3atm%を超
えると濃度消光によるNdイオンの発光寿命が早くな
り、レーザー特性を低下させる結果となる。このことか
らNd:YVO4単結晶レーザー出力はNdイオンの添
加量に依存し、添加量はNd3atm%が限界であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、レー
ザー結晶としての性能を低下させることなく、発光強度
の強い高品質な希土類元素を含有するバナジウム酸イッ
トリウム単結晶およびその製造方法を提供することにあ
る。
ザー結晶としての性能を低下させることなく、発光強度
の強い高品質な希土類元素を含有するバナジウム酸イッ
トリウム単結晶およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、バ
ナジウムイオンが育成された単結晶中の全陽イオンに対
して一定範囲にあることによって達成される。
ナジウムイオンが育成された単結晶中の全陽イオンに対
して一定範囲にあることによって達成される。
【0007】すなわち、本発明は、バナジウムイオンが
単結晶中の全陽イオンに対してモル比で47.0〜4
9.5モル%であることを特徴とする希土類元素を含有
するレーザー用バナジウム酸イットリウム単結晶にあ
る。
単結晶中の全陽イオンに対してモル比で47.0〜4
9.5モル%であることを特徴とする希土類元素を含有
するレーザー用バナジウム酸イットリウム単結晶にあ
る。
【0008】本発明では、五酸化二バナジウム、三酸化
二イットリウム、希土類元素酸化物、例えば三酸化二ネ
オジム原料として用いる。そして、バナジウムイオンが
原料中の全陽イオンに対してモル比で47.0〜49.
5モル%となるように原料を調整して混合する。例えば
Nd添加の場合には、バナジウムイオンの原料中の全陽
イオンに対するモル比は下記式で示される。
二イットリウム、希土類元素酸化物、例えば三酸化二ネ
オジム原料として用いる。そして、バナジウムイオンが
原料中の全陽イオンに対してモル比で47.0〜49.
5モル%となるように原料を調整して混合する。例えば
Nd添加の場合には、バナジウムイオンの原料中の全陽
イオンに対するモル比は下記式で示される。
【0009】
【数1】 このときのNd2O3の添加量はY2O3に対して1〜3モ
ル%とする。
ル%とする。
【0010】このような原料を用いて育成した単結晶中
のバナジウム(V)イオンが全陽イオンに対し、モル比
で47.0〜49.5モル%の組成範囲の希土類元素を
含有するYVO4単結晶か得られる。
のバナジウム(V)イオンが全陽イオンに対し、モル比
で47.0〜49.5モル%の組成範囲の希土類元素を
含有するYVO4単結晶か得られる。
【0011】YVO4単結晶中の全陽イオンに対するバ
ナジウムイオンは、上述のようにモル比で47.0〜4
9.5モル%である。このモル比が47.0モル%未満
および49.5モル%超では、発光強度が弱くなるだけ
でなく、YVO4単一組成であることが難しく、結晶中
に欠陥が多く存在してしまうため、レーザー結晶として
の品質を損なう結果となる。
ナジウムイオンは、上述のようにモル比で47.0〜4
9.5モル%である。このモル比が47.0モル%未満
および49.5モル%超では、発光強度が弱くなるだけ
でなく、YVO4単一組成であることが難しく、結晶中
に欠陥が多く存在してしまうため、レーザー結晶として
の品質を損なう結果となる。
【0012】この結果はY2O3とV2O5のノンストイキ
オメトリーによる効果であって、本質的に希土類元素の
違いには依存しない。従って、Ndのみならず、Er、
Tm、Ho等の他の希土類元素を添加した場合にも同じ
効果が得られる。
オメトリーによる効果であって、本質的に希土類元素の
違いには依存しない。従って、Ndのみならず、Er、
Tm、Ho等の他の希土類元素を添加した場合にも同じ
効果が得られる。
【0013】このように上記で表した組成範囲を限定し
た原料を用いて、Vイオンが47.0〜49.5モル%
の単結晶より、Ndイオンの添加量を増やすことなく強
い発光強度を持つレーザー結晶を提供することができ
る。この結果、LDの温度変化に伴う励起光の波長シフ
トに対して、Ndイオンの高い発光強度を保てることが
できる。組成範囲を限定したYVO4単結晶は、例えば
チョクラルスキー(Cz)法、ブリッジマン法、フラッ
クス法等の従来の酸化物結晶の成長方法で育成すること
ができる。
た原料を用いて、Vイオンが47.0〜49.5モル%
の単結晶より、Ndイオンの添加量を増やすことなく強
い発光強度を持つレーザー結晶を提供することができ
る。この結果、LDの温度変化に伴う励起光の波長シフ
トに対して、Ndイオンの高い発光強度を保てることが
できる。組成範囲を限定したYVO4単結晶は、例えば
チョクラルスキー(Cz)法、ブリッジマン法、フラッ
クス法等の従来の酸化物結晶の成長方法で育成すること
ができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例および比較例を用いて本発明を
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0015】実施例および比較例 Y2O3を一定量として、バナジウムイオンの原料中の全
陽イオンに対するモル比X(V5+ /V5+ +Y3+ +N
d3+)×100がモル比で48.0モル%、49.0モ
ル%、50.0モル%、51.0モル%となるようにY
2O3とV2O5およびNd2O3調整し、混合した試料約5
g(このときNd2O3はY2O3に対し1モル%添加)を
1200℃で12時間焼成し、再度混合した。この粉体
試料をガラスホルダーにセットして図1に示すような光
学系でNdイオンの発光強度を測定した。この時の励起
用光はArレーザー励起のTi:Al2O3レーザーを用
いた。Ti:Al2O3レーザーの出力は20mWとし
て、波長は780〜850nmの間で変化させた。検出
器にはGeを用いた。X=48.0モル%、49.0モ
ル%および比較として50.0モル%、51.0モル%
における発光強度の励起波長依存性を図2に示す。この
結果、48モル%、49モル%の発光強度が50モル%
および51モル%に比べて強いことが明瞭に示された。
陽イオンに対するモル比X(V5+ /V5+ +Y3+ +N
d3+)×100がモル比で48.0モル%、49.0モ
ル%、50.0モル%、51.0モル%となるようにY
2O3とV2O5およびNd2O3調整し、混合した試料約5
g(このときNd2O3はY2O3に対し1モル%添加)を
1200℃で12時間焼成し、再度混合した。この粉体
試料をガラスホルダーにセットして図1に示すような光
学系でNdイオンの発光強度を測定した。この時の励起
用光はArレーザー励起のTi:Al2O3レーザーを用
いた。Ti:Al2O3レーザーの出力は20mWとし
て、波長は780〜850nmの間で変化させた。検出
器にはGeを用いた。X=48.0モル%、49.0モ
ル%および比較として50.0モル%、51.0モル%
における発光強度の励起波長依存性を図2に示す。この
結果、48モル%、49モル%の発光強度が50モル%
および51モル%に比べて強いことが明瞭に示された。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
レーザー結晶としての性能を低下させることなく、発光
強度の強い高品質な希土類元素を含有するバナジウム酸
イットリウム単結晶が得られる。
レーザー結晶としての性能を低下させることなく、発光
強度の強い高品質な希土類元素を含有するバナジウム酸
イットリウム単結晶が得られる。
【図1】 発光スペクトル測定用光学系を示す概略図。
【図2】 発光強度(λ=1965nm)の励起波長依
存性(図中のXは(V5+ /V5+ +Y3+ +Nd3+ )×10
0で示されるモル%比)を示すグラフ。
存性(図中のXは(V5+ /V5+ +Y3+ +Nd3+ )×10
0で示されるモル%比)を示すグラフ。
Claims (2)
- 【請求項1】 バナジウムイオンが単結晶中の全陽イオ
ンに対してモル比で47.0〜49.5モル%であるこ
とを特徴とする希土類元素を含有するレーザー用バナジ
ウム酸イットリウム単結晶。 - 【請求項2】 バナジウムイオンが原料中の全陽イオン
に対してモル比で47.0〜49.5モル%となるよう
に原料を調整して混合することを特徴とする希土類元素
を含有するレーザー用バナジウム酸イットリウム単結晶
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25607694A JPH0891999A (ja) | 1994-09-27 | 1994-09-27 | レーザー用バナジウム酸イットリウム単結晶およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25607694A JPH0891999A (ja) | 1994-09-27 | 1994-09-27 | レーザー用バナジウム酸イットリウム単結晶およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0891999A true JPH0891999A (ja) | 1996-04-09 |
Family
ID=17287560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25607694A Pending JPH0891999A (ja) | 1994-09-27 | 1994-09-27 | レーザー用バナジウム酸イットリウム単結晶およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0891999A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1065289C (zh) * | 1996-07-22 | 2001-05-02 | 中国科学院物理研究所 | 一种制备掺杂钒酸盐单晶的水热生长方法 |
-
1994
- 1994-09-27 JP JP25607694A patent/JPH0891999A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1065289C (zh) * | 1996-07-22 | 2001-05-02 | 中国科学院物理研究所 | 一种制备掺杂钒酸盐单晶的水热生长方法 |
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