JPH0889309A

JPH0889309A - 革靴の内底部構造

Info

Publication number: JPH0889309A
Application number: JP25759694A
Authority: JP
Inventors: Saburo Endo; 三郎遠藤
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1994-09-27
Filing date: 1994-09-27
Publication date: 1996-04-09
Anticipated expiration: 2012-05-21
Also published as: JP2611149B2

Abstract

(57)【要約】【目的】足に適合する足囲調整が容易に行える革靴の
底部構造を提供すること。【構成】中敷の裏面に、複数枚のコルクシートを感圧
接着剤層を介して剥離可能に積層したアジャスター層を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は革靴に関し、特に革靴の
内底部構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】人間の足は「第二の心臓」と言われるよ
うに、身体の総ての神経が集まっている極めて重要な部
分であることは、東洋、西洋の医学を問わず立証されて
いるところである。一方、人間の足は、人それぞれ顔の
形がちがうように、千差万別である。従って、そのよう
に重要な部分を守るための靴は、各個人の足の形態にマ
ッチした木型を用いて作製するのが最も望ましい。しか
しながら、このためには靴のコストは１０倍以上必要で
あり、一般には、なるべく足にフィットする既製靴に頼
らざるを得ないのが現状である。

【０００３】既製靴のサイズは、足長と足囲により通常
規定されるが、各足長毎に各種の足囲の靴を用意するこ
とは製造コスト及び流通在庫等の点で困難である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、革靴の足囲
を利用者の足に適合させるために簡単に調整できるよう
にした革靴の内底部構造を提供することを課題とする。
本発明の目的、利点等は本明細書の記述及び添付図によ
り明らかになろう。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、内底部に中敷
を設けてなる革靴において、複数枚のコルクシートを感
圧接着剤層を介して互いに剥離可能に積層したアジャス
ター層を中敷の裏面に設けたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】上記手段によれば、アジャスター層を構成する
コルクシートの枚数を調整することにより足囲が調節で
きる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。

【０００８】図１は本発明の靴底部構造を有する革靴の
一部切欠斜視概略図である。符号４で示すのは本底で、
天然皮革の他、ウレタン等の合成樹脂等の公知の材料で
形成されている。符号３は中底で、天然皮革の他、レザ
ーボード、パルプボード等公知の材料で形成されてい
る。尚、所望に応じて、中底３は使用しないこともあ
り、この場合は本底４に中底の役割も持たせるようにす
る。符号６はアッパーで、天然皮革又は合成皮革で形成
される。尚、第１図は婦人靴を例にとって示されている
が、本発明は紳士靴、小供靴にも同様に適用できること
は言うまでも無い。

【０００９】符号１は中敷であり、天然皮革、合成皮革
等の公知の材料のシートで形成され、商品ブランド名等
を印刷、貼付することができる。

【００１０】図１において、中底３と中敷１との間には
アジャスター層２が間装されている。アジャスター層２
は、図２に示すように、複数枚（図示の例では２枚）の
コルクシート２ａ、２ｂから構成される。アジャスター
層２は中敷１の全面にわたっても良いが、通常中足骨相
当部にあたる足の前半部に設けられる。各コルクシート
は好ましくは天然コルクで形成され、その厚みは通常
０．５〜５ｍｍ、好ましくは１〜３ｍｍの範囲であり、
通常２〜７枚、好ましくは２〜４枚用いる。コルクシー
トの厚みを小さくし且つ合計積層枚数を増せば足囲のき
め細い調整が可能となるが、コルクシートの剥離時に破
損し易くなる他、コスト高になるという不利がある。一
方、シート厚を大きくすると剥離時の破損の恐れは減少
するが、足囲調整精度が粗くなる。

【００１１】隣接するコルクシート２ａ、２ｂの間、最
下層のコルクシート２ｂと中底３の間、及び最上層のコ
ルクシート２ａと中敷１との間にはそれぞれ感圧接着剤
層５ｂ、５ｃ、５ａが設けられている。感圧接着剤層５
ａ、５ｂ、５ｃとしては、任意のものが使用できるが、
接着面が人力により容易に剥離可能となることが必要で
ある。このような接着剤としては、天然ゴム、ニトルル
ゴム等のゴム系、シリコーン系、又はアクリル酸エステ
ル、ポリエーテル、ポリウレタン等の合成樹脂系のもの
に適宜の添加剤を加えた接着剤を用いることができる。
市販の両面接着テープも好ましく適用できる。

【００１２】本発明の使用態様を次に図３及び図４によ
り説明する。例えば、購入の際の靴合せの段階で、本発
明の底部構造を有する靴が足長の点では適合するが、足
囲の点で圧迫感がある場合、図３のように中敷１及びア
ジャスター層２を一体的に剥離して取り出す。次に下層
のコルクシート２ｂを剥がす。この場合、薄布テープ７
が隣接するコルクシート２ａ、２ｂ間に介装してある
と、このテープ７を図４に示すように引上げることによ
りコルクシート２ｂの剥離を容易に行うことができ、好
ましい。コルクシート２ｂを剥離した後、中敷１及びコ
ルクシート２ａを靴の底部に貼り付ける。再度、靴合せ
を行い、前記圧迫感が解消されていれば調整は終了す
る。

【００１３】

【発明の効果】本発明においては、中敷の裏面に、複数
枚のコルクシートを感圧接着剤層を介して剥離可能に積
層したアジャスター層を設けたことから、次のような効
果が得られる。（１）アジャスター層を構成するコルクシートの枚数を
調節することにより足に適合した足囲とすることができ
る。（２）感圧接着剤層を介して積層してあるため、剥離後
のアジャスター層は再度中底（中底が無い構造の場合は
本底）に貼着でき、しかも歩行は勿論、製品の美観も何
等損うことは無い。（３）アジャスター層はコルクシートで構成されている
ことから、軽量であり、断熱性に優れ、しかも例えば１
００ｋｇの体重をかけても横に拡がることは無い上、接
着性及び剥離性にも優れている。（４）アジャスター層の調整は、小売店の販売員にも熟
練を要すること無く容易に行うことができることから、
小売現場における販売業務の合理化及び簡素化が達成で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る革靴の一部切欠き概略斜視図。

【図２】図１の革靴の底部拡大断面図。

【図３】本発明の靴底構造の主要部を示す斜視図。

【図４】図３において、コルク層の剥離工程を示す斜
視図。

【符号の説明】

１中敷２アジャスター層２ａ、２ｂコルクシート３中底４本底５ａ、５ｂ、５ｃ感圧接着剤層６アッパー７薄布テープ片

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内底部に中敷を設けてなる革靴におい
て、複数枚のコルクシートを感圧接着剤層を介して互い
に剥離可能に積層したアジャスター層を中敷の裏面に設
けたことを特徴とする革靴。
【請求項２】前記感圧接着剤層が両面接着テープ又は
ゴム系接着剤である請求項１に記載の革靴。
【請求項３】隣接するコルクシート間に薄布テープ片
をその１部がコルクシート接面から外側にはみ出した状
態で設けたことを特徴とする請求項１又は２に記載の革
靴。