JPH0887694A - シリアル信号伝送装置およびシリアル信号伝送方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パラレル信号をシリアル信号に変換しデータ
の信号を受信側の装置に送信すると同時に電力をも供給
する。 【構成】 本装置は、送信側の装置ではデータの信号と
方形波の排他的論理和を行った信号を受信側の装置に送
信する。受信側の装置は、方形波によりDC-DC コンバー
タを駆動されて電力が供給される。一方、送信された信
号は、方形波が取り除かれてデータの信号となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、シリアル信号の送受信
を行うシリアル信号伝送装置およびシリアル信号伝送方
法に係わり、特にデータの送受信を行う場合にデータの
送信と共に電力も同時に供給できるシリアル信号伝送装
置およびシリアル信号伝送方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、装置間の信号の伝送においては、
一度に並列にデータを送受信するために大量のデータを
送信することのできるパラレル伝送およびデータを直列
に一つ一つ送受信するシリアル伝送などがある。これら
の伝送方式の違いにより装置を構成するハードウエア上
で最も異なる点は、送受信装置間を接続するケーブルの
本数に大きな違いがある。また、データの通信のみを考
慮した場合には、一度にデータを伝送できるパラレル伝
送の方が有利である。

【０００３】しかし、この送受信装置間を接続するケー
ブルは、ケーブルの配設工事およびケーブルを設置する
際のスペース的な問題などを考慮するとシリアル伝送を
採用した方が有利になる。つまり、装置間に接続される
ケーブルは、数の少ないほどケーブルの配設作業が省力
化され、また、ケーブルを設置するスペースに余裕が生
じるために他の装置のケーブルが配設可能となるのであ
る。

【０００４】したがって、近年にあっては、通信用半導
体素子の高速化、さらには光ファイバーなどを利用した
光通信が行われることもあって従来のシリアル伝送では
できなかった大量のデータの伝送も行われることにより
シリアル伝送が広く利用されることになってきた。

【０００５】図１０は、従来のシリアル伝送を行うシリ
アル信号伝送装置である。

【０００６】本装置には、入力されるデータのパラレル
信号をシリアル信号として伝送するシリアル信号送信装
置１およびこのシリアル信号送信装置１からのシリアル
信号を受信し再びパラレル信号とするシリアル信号受信
装置５がある。この装置間は、シリアル信号を伝達する
ためのシリアル信号ケーブル９およびシリアル信号送信
装置１からの電力をシリアル信号受信装置５に供給する
ための電源ケーブル１０がある。そして、シリアル信号
送信装置１は、外部から入力されるパラレル信号のイン
ターフェースを行いシリアル信号に変換するパラレル信
号入力部２と、シリアル信号を送信する際のデータ信号
の制御を行うシリアル信号送信部３と、外部電源からの
電力をシリアル信号受信装置５に供給するための電源供
給部４がある。また、シリアル信号受信装置５は、シリ
アル信号送信装置１からのシリアル信号を受信すると共
にデータ信号の制御を行うシリアル信号受信部６と、シ
リアル信号送信装置１からの電力を受けとる電源需要部
８と、受信したシリアル信号を再びパラレル信号に変換
し外部に出力するためのパラレル信号出力部７がある。

【０００７】この装置は、次のように動作する。

【０００８】外部から入力されるデータのパラレル信号
は、パラレル信号入力部２によりパラレル信号からシリ
アル信号に変換されて、シリアル信号送信部３に入力さ
れる。シリアル信号送信部３に入力されるシリアル信号
は、シリアル信号送信部３によりシリアル信号受信装置
５に伝送される時に伝送の開始および終了などの制御が
行われる。こうしてシリアル信号ケーブル９を通過し伝
送されるシリアル信号は、シリアル信号受信部６により
受信されて内部の処理状況などに応じてシリアル信号送
信装置１に伝送の一時停止などの受信するシリアル信号
の制御を行う。シリアル信号受信部６で受信されるシリ
アル信号は、パラレル信号出力部７によりシリアル信号
から再びパラレル信号に変換されて外部に出力される。
一方、外部からの電力は、シリアル信号送信装置１に供
給された後に電源供給部４により電源ケーブル１０を通
り電源需要部８に供給されてシリアル信号受信装置５を
稼働させる。

【０００９】しかし、このようにシリアル信号の伝送と
電力を供給するためにシリアル信号ケーブルおよび電源
ケーブルを設けることは、シリアル伝送を行う上での利
点であるケーブルの配設作業の省力化および他の装置間
のケーブルを設置するスペースの増加を妨げることとな
り、結果として、ケーブルの配設作業が余り省力化でき
なかったり、他の装置のケーブルを配設するスペースが
確保されなかったりしていた。

【００１０】このような問題点を解決すべく特開平５−
２４４１７４で公開されているようにシリアル信号の伝
送と同時に電力を供給する装置が公開されている。

【００１１】この装置は、＋２４Ｖをデータのシリアル
信号とし、−２４Ｖを受信側装置に供給する電力信号と
して利用している。したがって、前記装置は、電源ケー
ブルが不要となり、シリアル信号ケーブルのみとするこ
とができるので上記の問題点が低減されている。

【００１２】しかしながら、この装置では、内部に＋２
４Ｖおよび−２４Ｖの電源を必要とするために異なる電
圧の電源回路である±２４Ｖ電源回路が必要となるこ
と、または＋２４Ｖをデータの信号としているためにＭ
ＰＵ（マイクロ・プロセッサー・ユニット）でデータの
信号を処理する際には＋５Ｖもしくは＋３Ｖに降圧しな
ければならないのでそのための降圧回路が必要であっ
た。したがって、本装置は、回路構成が複雑となり、装
置の組み立て工程が増加したり、装置の保守性が低下し
ていた。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、係る問題点である回路構成を簡素化し、装置の組み
立て工程を減少させると共に装置の保守性を向上させ
て、さらにはケーブルの配設作業の省力化および他の装
置間のケーブルを設置するスペースの増加をすべく、シ
リアル信号の伝送および電力供給を同じケーブルで行う
ことができるシリアル信号伝送装置およびシリアル信号
伝送方法を提供することを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するた
めの本発明は、以下の手段による。

【００１５】１．本発明のシリアル信号伝送装置は、パ
ラレル信号が入力され、当該パラレル信号をシリアル信
号に変換し送信するシリアル信号送信装置と、当該シリ
アル信号装置からのシリアル信号をパラレル信号に変換
するシリアル信号受信装置と、からなるシリアル信号伝
送装置において、前記シリアル信号送信装置には、デー
タの信号であるパラレル信号をシリアル信号であるデー
タ信号に変換するシリアル信号変換手段と、一定周期に
変化する電力を前記シリアル信号受信装置に供給するた
めの電力信号を発生させる信号発生手段と、前記シリア
ル信号変換手段からの前記データ信号および前記電力信
号を変調する信号変調手段と、当該信号変調手段により
変調された前記データ信号および前記電力信号の変調信
号の電力容量を増加させるための電力容量増加手段と、
を有し、前記シリアル信号受信装置には、前記変調信号
を前記電力信号に復調し電力を得る電力復調手段と、当
該電力復調手段の影響を受けずに前記変調信号を検出す
るシリアル信号検出手段と、当該シリアル信号検出手段
からの前記変調信号を前記シリアル信号送信装置からの
データ信号に復調するためのシリアル信号復調手段と、
当該シリアル信号復調手段からのデータ信号をパラレル
信号に変換するためのパラレル信号変換手段と、を有す
ることを特徴とする。

【００１６】２．本発明のシリアル信号伝送装置は、パ
ラレル信号が入力され、当該パラレル信号をシリアル信
号に変換し送信するシリアル信号送信装置と、当該シリ
アル信号装置からのシリアル信号をパラレル信号に変換
するシリアル信号受信装置と、からなるシリアル信号伝
送装置において、前記シリアル信号送信装置には、デー
タの信号であるパラレル信号をシリアル信号であるデー
タ信号に変換するシリアル信号変換手段と、一定周期に
変化する電力を前記シリアル信号受信装置に供給するた
めの電力信号を発生させる信号発生手段と、前記シリア
ル信号変換手段からの前記データ信号および前記電力信
号を変調する信号変調手段と、当該信号変調手段により
変調された前記データ信号および前記電力信号の変調信
号の電力容量を増加させるための電力容量増加手段と、
を有することを特徴とする。

【００１７】３．本発明のシリアル信号伝送装置は、パ
ラレル信号が入力され、当該パラレル信号をシリアル信
号に変換し送信するシリアル信号送信装置と、当該シリ
アル信号装置からのシリアル信号をパラレル信号に変換
するシリアル信号受信装置と、からなるシリアル信号伝
送装置において、前記シリアル信号受信装置には、前記
変調信号を前記電力信号に復調し電力を得る電力復調手
段と、当該電力復調手段の影響を受けずに前記変調信号
を検出するシリアル信号検出手段と、当該シリアル信号
検出手段からの前記変調信号を前記シリアル信号送信装
置からのデータ信号に復調するためのシリアル信号復調
手段と、当該シリアル信号復調手段からのデータ信号を
パラレル信号に変換するためのパラレル信号変換手段
と、を有することを特徴とする。

【００１８】４．本発明のシリアル信号伝送方法は、デ
ータの信号であるパラレル信号をシリアル信号であるデ
ータ信号に変換し、当該変換したデータ信号および一定
周期で変化する当該データ信号と共に外部に電力を供給
するための電力信号の排他的論理和を行い変調し、当該
変調した変調信号の電力容量を増加し、電力容量を増加
した前記変調信号を外部に伝送し、受信する当該変調信
号を復調し電力および前記データ信号を得て、得られた
前記データ信号をパラレルに変換することを特徴とす
る。

【００１９】

【作用】

１．本発明のシリアル信号伝送装置は、シリアル信号送
信装置内において、外部から入力されるパラレル信号を
シリアル信号変換手段によりシリアル信号であるデータ
信号に変換する。この変換されたデータ信号およびシリ
アル信号受信装置に電力を供給するために信号発生手段
で発生される一定周期の電力信号を信号変換手段によっ
て排他的論理和を行うことにより変調しシリアル信号で
ある変調信号とする。この変調された変調信号は、電力
容量増加手段により電力容量を増加されてシリアル信号
受信装置に伝送される。シリアル信号受信装置に伝送さ
れた変調信号は、シリアル信号受信装置内において、電
力復調手段により平滑されてシリアル信号受信装置に供
給される電力となる。一方、変調信号は、シリアル信号
検出手段により電力復調手段の影響を受けずに検出され
る。この検出された変調信号は、シリアル信号復調手段
により電力信号が取り除かれてデータ信号のみとされ、
パラレル変換手段によって、再びパラレル信号とされて
外部に出力される。

【００２０】２．本発明のシリアル信号伝送装置は、シ
リアル信号送信装置内において、外部から入力されるパ
ラレル信号をシリアル信号変換手段によりシリアル信号
であるデータ信号に変換する。この変換されたデータ信
号およびシリアル信号受信装置に電力を供給するために
信号発生手段で発生される一定周期の電力信号を信号変
換手段によって排他的論理和を行うことにより変調しシ
リアル信号である変調信号とする。この変調された変調
信号は、電力容量増加手段により電力容量を増加されて
シリアル信号受信装置に伝送される。

【００２１】３．本発明のシリアル信号伝送装置は、シ
リアル信号受信装置に伝送された変調信号は、シリアル
信号受信装置内において、電力復調手段により平滑され
てシリアル信号受信装置に供給される電力となる。一
方、変調信号は、シリアル信号検出手段により電力復調
手段の影響を受けずに検出される。この検出された変調
信号は、シリアル信号復調手段により電力信号が取り除
かれてデータ信号のみとされ、パラレル変換手段によっ
て、再びパラレル信号とされて外部に出力される。
４．本発明のシリアル信号伝送方法は、パラレル信号を
シリアル信号であるデータ信号に変換する。この変換さ
れたデータ信号およびこのデータ信号と共に外部に電力
を供給するための一定周期の電力信号の排他的論理和を
行うことにより変調しシリアル信号である変調信号とす
る。この変調された変調信号は、電力容量を増加されて
外部に伝送される。受信した変調信号は、平滑されて受
信した装置に電力を供給する。一方、変調信号は、平滑
の影響を受けずに電力信号が取り除かれてデータ信号の
みとなり再びパラレル信号に変換される。したがって、
本方法は、装置間の伝送においてシリアル信号および電
力の供給を同時に行えることになる。

【００２２】

【実施例】以下、添付した図面を使用して本発明のシリ
アル信号伝送装置およびシリアル信号伝送方法を説明す
る。

【００２３】本装置は、図１に示すようにシリアル信号
送信装置１およびシリアル信号受信装置５がある。

【００２４】このシリアル信号送信装置１には、パラレ
ル信号入力部２と、このパラレル信号入力部２からのシ
リアル信号であるデータ信号および電力を変調しシリア
ル信号受信装置に伝送するシリアル信号送信伝送部１１
がある。一方、シリアル信号受信装置５には、パラレル
信号出力部７と、シリアル信号送信装置１からのシリア
ル信号を復調しデータ信号および電力を得るシリアル信
号受信伝送部１２と、シリアル信号ケーブル９がある。

【００２５】さらにパラレル信号入力部２は、パラレル
信号に異常電圧を含み外部より印加された場合に他の回
路を過電圧などから保護する保護回路部２１と、この保
護回路部２１からのパラレル信号をシリアル信号である
データ信号に変換するシリアル信号変換手段であるシリ
アル変換部２２がある。そして、シリアル信号送信伝送
部１１は、電力信号である一定周期の方形波を発生させ
る信号発生手段であるクロック発生部３２と、シリアル
変換部２２からのデータ信号およびクロック発生部３２
からの電力信号の排他的論理和を行い変調する信号変調
手段である信号変調部３１と、この信号変調部３１から
の変調信号の電力容量を増加させる電力容量増加手段で
ある増幅部３３と、変調信号をシリアル信号受信装置５
にシリアル信号を伝送するときに通信の開始信号である
スタートビットなどの通信データを付加し通信制御を行
う送信制御部３４がある。

【００２６】またさらに、シリアル信号受信伝送部１２
は、シリアル信号送信装置１からの変調信号を平滑し電
力を得る電力復調手段である平滑回路部４１と、この平
滑回路部４１の影響を受けずに変調信号を検出するシリ
アル信号検出手段であるシリアル信号検出部４２と、こ
のシリアル信号検出部４２で演出される変調信号のノイ
ズ成分を低減するフィルタ部４３と、フィルタ部４３か
らの変調信号より電力信号を取り除きデータ信号のみと
するシリアル信号復調手段である信号復調部４４と、復
調されたデータ信号が設定されているシリアル信号のフ
ォーマット形式となっているかなどを検出するエラー検
出部４５がある。そして、パラレル信号出力部７は、信
号復調部４４で復調されたデータ信号を再びパラレル信
号に変換するパラレル信号変換手段であるパラレル信号
変換部５１と、このパラレル信号変換部５１からのパラ
レル信号に通信の終了であるエンドビットなどの通信デ
ータを付加し通信制御を行う出力制御部５２と、パラレ
ル信号の電力容量を増加させるための増幅部５３があ
る。

【００２７】なお、増幅部３３，５３は、サーボアンプ
などであり、信号の波形を鈍らせないで電力容量のみを
増加させるものである。フィルタ部４３は、変調信号の
ノイズ成分を除去できるものであれば、ＬＣフィルタお
よびアクティブフィルタなど適当なものを使用すれば良
い。

【００２８】以上のような本装置は、次のように動作す
る。

【００２９】シリアル信号送信装置１において、外部よ
り入力されるパラレル信号は、例えば異常電圧などがシ
リアル信号送信装置１に入力されたとしても保護回路部
２１により過電圧保護などが行われて他の回路への不具
合は防止される。保護回路部２１を通過したパラレル信
号は、シリアル変換部２２によりクロック発生部３２で
発生する方形波に同期してシリアル信号に変換される。
このシリアル信号に変換されたデータ信号は、信号変調
部３１によりクロック発生部３２で発生される方形波で
ある電力信号と変調される。この変調信号は、例えば図
４のマンチェスタ変調のようにデータ信号および電力信
号の排他的論理和を行い変調信号とする。この変調信号
は、増幅部３３により電力容量を増加され、送信制御部
３４によってクロック発生部３２で発生する方形波に同
期して制御されてシリアル信号受信装置５に伝送され
る。

【００３０】この伝送される変調信号は、シリアル信号
受信装置５において、平滑回路部４１で平滑されてシリ
アル信号受信装置５の電力として供給される。一方、変
調信号は、シリアル信号検出部４２により平滑回路部４
１の影響を受けずに変調信号を検出する。シリアル信号
検出部４２で検出される変調信号は、フィルタ部４３で
ノイズ成分を除去された後に信号復調部４４によって、
電力信号が取り除かれてデータ信号のみとなる。このデ
ータ信号は、エラー検出部４５でシリアル信号のフォー
マット形式となっているかどうかを検出されて異常があ
ればエラー信号を出力する。また、データ信号は、パラ
レル変換部５１によりパラレル信号に変換されて、出力
制御部によって信号の出力の開始もしくは終りなどの通
信制御が行われる。こうして得られたパラレル信号は、
さらに増幅部５３で電力容量を増加された後に他の設備
に伝送されることになる。

【００３１】図５は、本装置の制御のフローチャートで
ある。

【００３２】パラレル信号をシリアル信号であるデータ
信号に変換し（Ｓ１）、このデータ信号および一定周期
で変化する電力信号と排他的論理和を行い変調する（Ｓ
２）。変調した変調信号の電力容量を増加させて（Ｓ
３）、変調信号を伝送する（Ｓ４）。受信した変調信号
を復調しデータ信号とすると共に変調信号を平滑し受信
側装置の電力とする（Ｓ５）。そして、データ信号を再
びパラレル信号に変換する（Ｓ６）。

【００３３】前述のシリアル信号検出部４２および平滑
回路部４１は、例えば以下のような回路により構成され
作用する。

【００３４】図６は、トランスＴＲ1 により１次側と２
次側を絶縁し、変調信号を平滑する平滑回路部４１の影
響を受けないようにすると共に平滑回路部４１をDC-DC
コンバータとしたものである。このDC-DC コンバータ
は、本装置の場合、トランスの１次側を単電源によりス
イッチング素子でスイッチングさせることによりトラン
スのインダクタンスに電荷を充電または放電を行うこと
によりトランス内部に交流電流を発生させて、トランス
の２次側で整流素子を用いることにより再び単電源つま
り直流電源に変換するものである。そして、シリアル信
号検出部４２は、トランスＴＲ1 の１次側に接続された
コンパレータＣＭＰであり、トランスＴＲ1 の１次側よ
り平滑回路部４１の影響を受けずに変調信号を検出でき
る。また、平滑回路部４２は、トランスＴＲ1 によりト
ランスＴＲ1 の変圧比により昇圧または降圧もしくは１
次側に印加される電圧をそのまま出力される変調信号を
ダイオードＤ1 によって半波整流する。半端整流された
電圧は、コンデンサＣ1 により平滑されて抵抗Ｒ1 およ
びコンデンサＣ2 で構成されるフィルタにより高周波成
分が取り除かれる。さらに抵抗Ｒ1 は、トランスの２次
側の電力が大量に使用された場合に１次側で変調信号が
検出できなくなるのを防止するために他の回路へ供給す
る電力の制限を行う。

【００３５】図７は、平滑回路部４１を図６で示した平
滑回路部４１の構成と同様にDC-DCコンバータとしたも
のである。トランスＴＲ1 の１次側の変調信号をフォト
カプラＰＣ1 により電源線と信号線に絶縁し分離するこ
とにより電源線に流れる負荷変動ノイズなどの影響を受
けないようにした回路である。シリアル信号検出部４２
は、フォトカプラＰＣ1 に接続された抵抗Ｒ1 〜Ｒ3 に
よりスイッチング動作を向上させて変調信号のなまりを
低減すると共にフォトカプラＰＣ1 に流れる電流を制限
しフォトカプラＰＣ1 を保護している。また、平滑回路
部４１は、図６の平滑回路部４１と同じ構成で同様に動
作する。

【００３６】図８は、平滑回路部４１をシリーズレギュ
レータで構成し、シリアル信号検出部４２にフォトカプ
ラを使用することにより平滑回路部４１の影響を受けず
に変調信号を検出できるようにした回路である。シリア
ル信号検出部４２は図７のシリアル信号検出部４２と同
じ構成で同様に動作する。また、平滑回路部４１は、ツ
ェナーダイオードＺＤ1 によりトランジスタＱ1 で降圧
される電圧が決定されて抵抗Ｒ５によってトランジスタ
Ｑ1 に流れ込む電流が制限されるシリーズレギュレータ
であり、抵抗Ｒ1 およびコンデンサＣ1 ，Ｃ2 は、図６
と同様の動作を行う。

【００３７】図９は、フォトカプラにより平滑回路部４
１の影響を受けずに変調信号を検出できるようにした回
路である。シリアル信号検出部４２は、フォトカプラＰ
Ｃ1に接続されている抵抗Ｒ1 によりフォトカプラＰＣ1
に内蔵されている発光ダイオードに流れる電流を制限
し保護している。また、平滑回路部４１は、図６の平滑
回路部４１と同じ構成で同様に動作する。

【００３８】以上のように構成し動作する本装置は、デ
ータ信号と方形波である電力信号の排他的論理和を行う
ことにより、例えデータ信号が出力されないときにも平
滑回路部などで構成するDC-DC コンバータを動作させて
シリアル信号受信装置に電力を供給することができる。
波形の平滑回路部などにトランスを使用することにより
DC-DC コンバータを構成し、単電源のみでシリアル信号
送信装置からデータ信号と共に電力をシリアル信号受信
装置に供給することができる。また、この場合には、前
述のトランスの変圧比を調整するだけで所望の電圧とす
ることができるのでシリアル信号受信装置の用途などに
応じて容易に電源電圧を可変することができる。シリア
ル信号受信装置に供給する電圧を減圧のみを目的とした
場合には、シリーズレギュレータなどを平滑回路部に用
いることにより簡素な回路構成で容易に目的の電圧を得
ることができて、データ信号と共に電力を得ることがで
きる。そして、シリアル信号送信装置から伝送する信号
の電圧レベルとシリアル信号受信装置で処理する信号の
電圧レベルが等しい場合には、フォトカプラを利用し
た、より簡素な回路によりデータ信号および電力をシリ
アル信号受信装置に伝送することができる。

【００３９】

【発明の効果】以上、述べたように本発明の装置は、次
の効果がある。

【００４０】１．本発明のシリアル信号伝送装置は、シ
リアル信号送信装置内において、信号変換手段により信
号発生手段で発生される一定周期の電力信号および伝送
するデータの信号であるデータ信号を排他的論理和を行
いシリアル信号受信装置に電力およびデータ信号を伝送
するので、例えデータ信号が何も入力されない状態であ
っても電力は伝送することができる。一方、本装置は、
シリアル信号受信装置内において、電力復調手段、シリ
アル信号検出手段およびシリアル信号復調手段により構
成されるDC-DC コンバータなどによって単電源での電力
およびデータ信号の伝送が可能となると共に、シリアル
信号受信装置で得る電力の電圧を所望の電圧とすること
ができる。したがって、本装置は、回路構成を簡素化
し、装置の組み立て工程を減少させると共に装置の保守
性を向上させて、さらにはケーブルの配設作業の省力化
および他の装置間のケーブルを設置するスペースを増加
させることができる。

【００４１】２．本発明のシリアル信号伝送装置は、シ
リアル信号送信装置内において、信号変換手段により信
号発生手段で発生される一定周期の電力信号および伝送
するデータの信号であるデータ信号を排他的論理和を行
いシリアル信号受信装置に電力およびデータ信号を伝送
するので、例えデータ信号が何も入力されない状態であ
っても電力は伝送することができる。したがって、本装
置は、回路構成を簡素化し、装置の組み立て工程を減少
させると共に装置の保守性を向上させて、さらにはケー
ブルの配設作業の省力化および他の装置間のケーブルを
設置するスペースを増加させることができる。

【００４２】３．本発明のシリアル信号伝送装置は、シ
リアル信号受信装置内において、電力復調手段、シリア
ル信号検出手段およびシリアル信号復調手段により構成
されるDC-DC コンバータなどによって単電源での電力お
よびデータ信号の伝送が可能となると共に、シリアル信
号受信装置で得る電力の電圧を所望の電圧とすることが
できる。したがって、本装置は、回路構成を簡素化し、
装置の組み立て工程を減少させると共に装置の保守性を
向上させて、さらにはケーブルの配設作業の省力化およ
び他の装置間のケーブルを設置するスペースを増加させ
ることができる。

【００４３】４．本発明のシリアル信号伝送方法は、デ
ータ信号およびこのデータ信号と共に外部に電力を供給
するための一定周期の電力信号の排他的論理和を行い受
信側に伝送するので、例えデータ信号が入力されなくで
も電力を伝送することができる。また、本方法は、伝送
されてきた信号を平滑し電力を得ると共に平滑の影響を
受けずにデータ信号に復調することができるので装置間
の伝送においてシリアル信号および電力の供給を同時に
行えることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のシリアル信号伝送装置の構成を説明
するための図面である。

【図２】 本発明のシリアル信号送信装置の構成を説明
するための図面である。

【図３】 本発明のシリアル信号受信装置の構成を説明
するための図面である。

【図４】 本発明のシリアル信号伝送装置によるマンチ
ェスタ変調を説明するための図面である。

【図５】 本発明のシリアル信号伝送装置の制御を説明
するためのフローチャートである。

【図６】 本発明のシリアル信号伝送装置のシリアル信
号検出手段および電力復調手段の一実施例の構成を説明
するための図面である。

【図７】 本発明のシリアル信号伝送装置のシリアル信
号検出手段および電力復調手段の一実施例の構成を説明
するための図面である。

【図８】 本発明のシリアル信号伝送装置のシリアル信
号検出手段および電力復調手段の一実施例の構成を説明
するための図面である。

【図９】 本発明のシリアル信号伝送装置のシリアル信
号検出手段および電力復調手段の一実施例の構成を説明
するための図面である。

【図１０】 従来のシリアル信号伝送装置の構成を説明
するための図面である。

【符号の説明】

１…シリアル信号送信装置、 ２…パラ
レル信号入力部、３…シリアル信号送信部、
４…電源供給部、５…シリアル信号受信装置、
６…シリアル信号受信部、７…パラレ
ル信号出力部、 ８…電源需要部、９
…シリアル信号ケーブル、 １０…電源
ケーブル、１１…シリアル信号送信伝送部、
２１…保護回路部、２２…シリアル変換部、
３１…信号変換部、３２…クロック発生
部、 ３３，５３…増幅部、３４…
送信制御部、 ４１…平滑回路
部、４２…シリアル信号検出部、 ４３
…フィルタ部、４４…信号復調部、
４５…エラー検出部、５１…パラレル変換部、
５２…出力制御部。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パラレル信号が入力され、当該パラレル
   信号をシリアル信号に変換し送信するシリアル信号送信
   装置と、当該シリアル信号装置からのシリアル信号をパ
   ラレル信号に変換するシリアル信号受信装置と、からな
   るシリアル信号伝送装置において、 前記シリアル信号送信装置には、データの信号であるパ
   ラレル信号をシリアル信号であるデータ信号に変換する
   シリアル信号変換手段と、一定周期に変化する電力を前
   記シリアル信号受信装置に供給するための電力信号を発
   生させる信号発生手段と、前記シリアル信号変換手段か
   らの前記データ信号および前記電力信号を変調する信号
   変調手段と、当該信号変調手段により変調された前記デ
   ータ信号および前記電力信号の変調信号の電力容量を増
   加させるための電力容量増加手段と、を有し、 前記シリアル信号受信装置には、前記変調信号を前記電
   力信号に復調し電力を得る電力復調手段と、当該電力復
   調手段の影響を受けずに前記変調信号を検出するシリア
   ル信号検出手段と、当該シリアル信号検出手段からの前
   記変調信号を前記シリアル信号送信装置からのデータ信
   号に復調するためのシリアル信号復調手段と、当該シリ
   アル信号復調手段からのデータ信号をパラレル信号に変
   換するためのパラレル信号変換手段と、を有することを
   特徴とするシリアル信号伝送装置。
2. 【請求項２】 パラレル信号が入力され、当該パラレル
   信号をシリアル信号に変換し送信するシリアル信号送信
   装置と、当該シリアル信号装置からのシリアル信号をパ
   ラレル信号に変換するシリアル信号受信装置と、からな
   るシリアル信号伝送装置において、 前記シリアル信号送信装置には、データの信号であるパ
   ラレル信号をシリアル信号であるデータ信号に変換する
   シリアル信号変換手段と、一定周期に変化する電力を前
   記シリアル信号受信装置に供給するための電力信号を発
   生させる信号発生手段と、前記シリアル信号変換手段か
   らの前記データ信号および前記電力信号を変調する信号
   変調手段と、当該信号変調手段により変調された前記デ
   ータ信号および前記電力信号の変調信号の電力容量を増
   加させるための電力容量増加手段と、を有することを特
   徴とするシリアル信号伝送装置。
3. 【請求項３】 パラレル信号が入力され、当該パラレル
   信号をシリアル信号に変換し送信するシリアル信号送信
   装置と、当該シリアル信号装置からのシリアル信号をパ
   ラレル信号に変換するシリアル信号受信装置と、からな
   るシリアル信号伝送装置において、 前記シリアル信号受信装置には、前記変調信号を前記電
   力信号に復調し電力を得る電力復調手段と、当該電力復
   調手段の影響を受けずに前記変調信号を検出するシリア
   ル信号検出手段と、当該シリアル信号検出手段からの前
   記変調信号を前記シリアル信号送信装置からのデータ信
   号に復調するためのシリアル信号復調手段と、当該シリ
   アル信号復調手段からのデータ信号をパラレル信号に変
   換するためのパラレル信号変換手段と、を有することを
   特徴とするシリアル信号伝送装置。
4. 【請求項４】 データの信号であるパラレル信号をシリ
   アル信号であるデータ信号に変換し、 当該変換したデータ信号および一定周期で変化する当該
   データ信号と共に外部に電力を供給するための電力信号
   の排他的論理和を行い変調し、 当該変調した変調信号の電力容量を増加し、 電力容量を増加した前記変調信号を外部に伝送し、 受信する当該変調信号を復調し電力および前記データ信
   号を得て、 得られた前記データ信号をパラレルに変換することを特
   徴とするシリアル信号伝送方法。