JPH08848Y2

JPH08848Y2 - 養殖水槽

Info

Publication number: JPH08848Y2
Application number: JP1991112512U
Authority: JP
Inventors: ケー‐ヨー、フス
Original assignee: ケー‐ヨー、フス; クオ‐フシウン、シェン
Priority date: 1991-12-26
Filing date: 1991-12-26
Publication date: 1996-01-17
Anticipated expiration: 2006-01-17
Also published as: JPH0553462U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、養殖水槽に関するもの
であり、特に組立が便利で、しかも特設したろ過槽によ
り自動的に水の濾過作業を進めることができる、魚の養
殖水槽に関する。

【０００２】

【従来の技術と考案が解決しようとする課題】現在一般
に使用されている魚の養殖水槽の濾過作業を行う場合、
図１に示すように、その養殖水槽の上方に移動が可能な
濾過器を載置し、モータで養殖水槽の底部より汚物とと
もに水をくみあげてろ過器に送り、濾過した後のきれい
な水を養殖水槽に戻して養殖水槽の水位を保持してい
る。このような構造の濾過器は、汚物などが沈殿する沈
殿槽の構造を備えていないため、ろ過器の中に設けられ
たフィルタは長期間の使用により目詰まりを起こして濾
過効率が低下する。さらには、このフィルタが老朽化し
て水槽全体の生態バランスに悪影響を及ぼす問題があ
る。このため、フィルタに付着している汚物を除去する
には、濾過器を養殖水槽から取り外して、洗浄しなけれ
ばならないため、その取り扱いが不便であった。

【０００３】それから、現在一般に使用されている養殖
水槽は、粘着材料を介して組み立てられるものであるた
め、期間を経た養殖水槽を一般の使用者が粘着材料を用
いて再度組み立てることは困難なものである。すなわ
ち、このように粘着材料を用いた養殖水槽は、専門の製
造業者でなくては分解、組立を行うことができないもの
であるため、一般の使用者が運搬する際には分解するこ
とができないなど不便があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の考案は、
魚鉢内に濾過鉢が収納され、前記濾過鉢内には、魚鉢か
ら水が導入される汚水槽と、該汚水槽から水が導入され
る沈殿槽と、該沈殿槽から水が導入される濾過槽と、該
濾過槽から水が導入される清水槽とが形成されてなり、
前記汚物槽と前記沈殿槽との間に開閉可能なゲートが設
けられると共に、前記清水槽内の水を魚鉢内に移動させ
る揚水モータが配置され、前記魚鉢の下部に前記汚水槽
と前記沈殿槽とを連通させる導流管が着脱可能に設けら
れ、前記沈澱槽に沈澱した汚物と水とを魚鉢の外部に排
出可能な排出口が設けられていることを特徴としてい
る。

【０００５】請求項２記載の考案は、前記魚鉢が、一枚
の底板と、四枚の透明な側立板とが接合されてねじ止め
されて構成され、接合する前記板どうしの間にシール材
が介在されていることを特徴としている。

【０００６】請求項３記載の考案は、前記魚鉢下部の導
流管が設けられる部分が、閉塞用栓部材の装着が可能で
あることを特徴としている。

【作用】この考案においては、汚水槽から導入された汚
水を、沈殿槽、濾過槽の順で導入することにより濾過さ
れるため、清水槽に清水を供給することができる。ま
た、魚鉢の下部に、導流管が着脱可能に設けられるた
め、魚鉢を台に載置する場合に、この導流管を取り外し
た状態にすることができる。この場合には、汚水槽と沈
殿槽との間に設けられたゲートを開くことにより汚水槽
から沈殿槽に汚水を導入することが可能となる。さら
に、排出口を開くことにより、沈殿槽にたまった汚物と
水とを除去することが可能となる。

【０００７】

【実施例】ここで更に本考案の実施例について、添付図
を参照して説明する。

【０００８】図２及び図３で示すように、本考案の養殖
水槽は、主に魚鉢１０、濾過鉢２０及び導流管３０によ
り構成されている。魚鉢１０は、一枚の底板１１及び四
枚の側立板１２、１３、１４、１５を備えている。その
四枚の側立板１２、１３、１４、１５はガラスでなり、
これら側立板１２、１３、１４、１５と底板１１の周縁
の所定位置にはボルト固定孔が設けられている。そし
て、これら側立板１２、１３、１４、１５と底板１１と
を組み合わせてボルト１６及びナット１７を用いて箱状
の魚鉢１０を組み立てることができる。当然、側立板と
底板１１の互いに接合する部分には、水漏れを防止する
ための止水パッキング（図示していない）をはめてお
き、これによりその魚鉢１０の水漏れを防止している。
また、底板１１の所定の位置に二つの貫通孔１１１及び
１１２を設け、且つ側立板１３にも所定の位置に一つの
貫通孔１３１を設けている。

【０００９】そして、濾過鉢２０は、幅の狭い箱状の容
器で、且つその深さは大体魚鉢１０と同じ深さである。
そして、濾過鉢２０内には、図２に示すように、全深さ
方向にわたって長い隔壁２１が形成され、濾過鉢２０と
隔壁２１とで汚水槽２３が形成されている。また、深さ
方向に短い隔壁２２が、上記した隔壁２１と平行をなす
ように、濾過鉢２０内に形成されている。この隔壁２２
は、濾過鉢２０の底から立ち上がり、その高さは濾過鉢
２０の上部まで至らない程度の高さに設定されている。
ここで、長い隔壁２１と短い隔壁２２と濾過鉢２０との
間に濾過槽２４が形成され、短い隔壁２２と濾過鉢２０
との間に清水槽２５が形成されている。さらに、長い隔
壁２１と短い隔壁２２との所定の高さ位置には濾し網２
７が架け渡され、この濾し網２７の上に濾し石２８が載
置されている。この濾し網２７と濾し石２８とにより濾
過層が構成されている。そして、この濾過層（濾し網部
分）の下には濾過された沈殿物が溜まる沈殿槽２９が形
成されている。なお、汚水槽２３及び沈殿槽２９の底
部、及び沈殿槽２９の側壁の所定の処にもそれぞれ嵌通
孔２３１、２４１及び２４２が形成されている。これら
三つの嵌通孔２３１、２４１及び２４２をそれぞれ魚鉢
１０の嵌通孔１１１、１１２及び１３１に対応させ、そ
れぞれ一本の中空ロックボルト４１で、それぞれ対応す
る両嵌通孔をはめ通し、Ｏ型リング４２、４３及びナッ
ト４４で、その濾過鉢２０と魚鉢１０をしっかりと一つ
に結合させ、この中空ロックボルト４１により内外が連
通するような構造となっている。

【００１０】それから清水槽２５の処に一つの揚水用モ
ータ２６を設けて、その清水槽２５内の清水を魚鉢１０
に注水するようになっている。また、汚水槽２３の側壁
下部には、魚鉢１０と連通する一つの通し孔２３２が設
けられている。

【００１１】図中３０は導流管を示している。この導流
管３０は、魚鉢１０の底板１１を嵌通する中空ロックボ
ルト４１にねじ付け（螺合）されている。この導流管３
０は、これに設けられたバルブゲート３１を制御するこ
とにより、汚水槽２３の汚水を沈澱槽２９に移送させる
作用をもつ。また、図に示すように、導流管３０の所定
位置に一本の排出管３２を設け、他のバルブゲート３３
を制御することにより、この排出管３２から汚水の排出
または停止を制御することができる。魚鉢１０にその導
流管３０を設ける際は、その側壁に設けた中空ロックボ
ルト４１にシールコロ４５（図３に示す通り）を設け
て、通路をシールするようにすることができる。

【００１２】また、魚鉢１０を台に載置するような場合
には、魚鉢１０の下面に導流管３０を取り付けることが
できないため、汚水槽２３と濾過槽２４との間に設けら
れている上記した長い隔壁２１の下部に、通し口２１１
を開設（図４に示す通り）すると共に、通し口２１１に
昇降ゲート２１２を設けて、この通し口２１１を開閉す
るようにしている。この場合、魚鉢１０の底板１１の下
面側に導流管３０を設けていないので、底板１１に設け
た二本の中空ロックボルト４１は閉塞用栓部材としての
シールコロ４５で閉じられている。そして、図４に示す
ように、汚物排除の目的をはたすために、魚鉢１０の側
壁に設けた中空ロックボルト４１からシールコロ４５を
取り外してバルブ４６を接続することで、汚水の排出を
可能にしている。

【００１３】図５は、本実施例の平面図であり、揚水モ
ータ２６の出水口の配置状況を示している。この出水口
から出た水の流れは、大体、水面に沿って流れるように
出ているため、魚鉢１０内の水の上部に層流が形成され
るようになっており、魚鉢１０の底部に沈澱している汚
物が攪拌されるのを避けることができ、同時に水流が円
滑に流動するのを促進できる。

【００１４】本考案の養殖水槽の詳細な操作状況につい
ては、図６および図７に示す通りであり、本考案の揚水
モータ２６を稼働させていない時、魚鉢１０および濾過
鉢２０の水位は同じ稈庶（図６の実線で示す水位の通
り）であるが、一旦、その提水モータ２６を運転し始め
ると、濾過槽２４および清水槽２５内の水位は著しく降
下現象をおこす（図６の破線で示す水位の通り）。この
とき、清水層２５内の清水は、揚水モータ２６でくみあ
げられて魚鉢１０に移される。さらに、濾過槽２４には
濾過された水が上昇し、濾過槽２４から清水槽２５に流
れて清水槽２５に清水を補充する。また、汚水槽２３内
の汚物を含有する汚水は、導流管３０を経由して沈殿槽
２９に流れ、その沈澱槽２９内の汚水は上向きに流動
し、そして濾過層によって濾過されて水質が改善され
る。さらに、濾過されてなる清水は、短い隔壁２２をオ
ーバーフローして清水槽２５内に流れていく。そして、
魚鉢１０に沈殿している汚物は、濾鉢２０の水流によっ
て動かされるため、次第に層流状態で通し孔２３２から
汚水槽２３の中に流れ込む。従って、魚鉢全体として
は、汚物を沈殿させてから、濾過することができるた
め、水質のバランスを良くすることができる。

【００１５】そして、本考案の養殖水槽をしばらく使用
した後に、沈澱槽２９内の汚物を排出しようとする場合
は、まず揚水モータ２６およびバルブ３１を閉め、沈殿
槽２９内の汚物が汚水槽２３内に逆流するのを防止す
る。続いてバルブ３３を開くと、沈殿槽２９にたまった
汚物が、濾過槽２４の中にたまっている水と共に排水管
３２により、魚鉢１０の外に（図７に示す通り）に排出
される。その排出する水は、その濾過槽２４内にたまっ
た水であるので、その水の排出は絶対に魚鉢１０の中に
ある水量に影響しない。さらに、このとき濾過槽２４の
上方から別途用意した水で直接濾過槽２４を洗うことが
でき、その濾過槽（濾し網部分）の除去交換を要しない
状況下で完全に洗い清める効果を果すことができる。

【００１６】導流管３０を設置できない状況下（即ち図
４で示す他の一実施例の通り）においては、その実際操
作状況は例えば図８および図９で示す通りである。即ち
その昇降ゲート２１２を上向きに引き上げて、通し孔２
１１を開く状態にする。これにより、その通路を導流管
３０となし、汚水を汚水槽２３から沈澱槽２９に向けて
流すことができる。そして、濾過槽２４を清洗しようと
する時は、まず揚水モータ２６を止め、同時にその昇降
ゲート２１２を下向きにおろしてその通し孔２１１を閉
め、更にゲート４６を開くと、沈澱槽２９の汚物が外に
排出され、濾過層を洗浄することが可能となる。

【００１７】

【考案の効果】このように本考案によれば、組立が便利
であり、自動的に水を濾過する効果をはたすことができ
る。それから更に、本考案で設けた濾過鉢構造および導
流管の配置によれば、濾過鉢を除去交換しなくてもその
濾過層の清掃作業を進めることができるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】一般に使用される養殖水槽の断面図。

【図２】本考案の養殖水槽の実施例を示す分解斜視図。

【図３】本考案の養殖水槽の実施例を示す斜視図。

【図４】本考案の養殖水槽の他の実施例を示す斜視図。

【図５】本考案の養殖水槽の実施例を示す平面図。

【図６】本考案の養殖水槽の実施例を示す説明図。

【図７】本考案の養殖水槽の実施例を示す説明図。

【図８】本考案の養殖水槽の実施例を示す説明図。

【図９】本考案の養殖水槽の実施例を示す説明図。

【符号の説明】

１０魚鉢２０濾過鉢２１隔壁２２隔壁２３汚水槽２４濾過槽２５清水槽２６揚水モータ２９沈殿槽３０導流管２１２昇降ゲート２３２通し孔

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】魚鉢内に濾過鉢が収納され、前記濾過鉢内
には、魚鉢から水が導入される汚水槽と、該汚水槽から
水が導入される沈殿槽と、該沈殿槽から水が導入される
濾過槽と、該濾過槽から水が導入される清水槽とが形成
されてなり、前記汚物槽と前記沈澱槽との間に開閉可能
なゲートが設けられると共に、前記清水槽内の水を魚鉢
内に移動させる揚水モータが配置され、前記魚鉢の下部
に前記汚水槽と前記沈殿槽とを連通させる導流管が着脱
可能に設けられ、前記沈殿槽に沈殿した汚物と水とを魚
鉢の外部に排出可能な排出口が設けられていることを特
徴とする養殖水槽。
【請求項２】前記魚鉢は、一枚の底板と、四枚の透明な
側立板とが接合されてねじ止めされて構成され、接合す
る前記板どうしの間にシール材が介在されていることを
特徴とする請求項１記載の養殖水槽。
【請求項３】前記魚鉢下部の導流管が設けられる部分
は、閉塞用栓部材の装着が可能であることを特徴とする
請求項１記載の養殖水槽。