JPH088317Y2 - キャンドモータポンプ - Google Patents
キャンドモータポンプInfo
- Publication number
- JPH088317Y2 JPH088317Y2 JP1991079658U JP7965891U JPH088317Y2 JP H088317 Y2 JPH088317 Y2 JP H088317Y2 JP 1991079658 U JP1991079658 U JP 1991079658U JP 7965891 U JP7965891 U JP 7965891U JP H088317 Y2 JPH088317 Y2 JP H088317Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stator
- rotor
- loss
- sleeve
- canned motor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Motor Or Generator Frames (AREA)
- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、3相誘導形モータから
なるモータ部を液密に構成したキャンドモータポンプに
関する。
なるモータ部を液密に構成したキャンドモータポンプに
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種のキャンドモータポンプ
は、モータ部を構成するロータおよびステータがそれぞ
れロータスリーブおよびステータライナで被覆され、し
たがってモータ部が液密に構成されるので、例えば各種
の液体内で使用されるポンプ用として広く賞用されてい
る。
は、モータ部を構成するロータおよびステータがそれぞ
れロータスリーブおよびステータライナで被覆され、し
たがってモータ部が液密に構成されるので、例えば各種
の液体内で使用されるポンプ用として広く賞用されてい
る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
この種のキャンドモータポンプには、以下に述べるよう
な難点が存在していた。
この種のキャンドモータポンプには、以下に述べるよう
な難点が存在していた。
【0004】一般に、ステータのバックアップスリーブ
(ステータスペースに対応する部分)では、ステータか
らの漏れ磁束が通過する。そこで、この漏れ磁束が通過
する部分に金属が存在すると渦電流損失が発生する。し
かるに、前述したロータスリーブならびにステータライ
ナは共に金属板から構成されている(一般にキャンと呼
称されているので、以下このように呼称する)ため、こ
の両キャンには、ロータの回転に伴って渦電流が発生
し、これによるエネルギ損失(一般にキャン損失と呼称
されているので、以下このように呼称する)が発生す
る。そして、このキャン損失は、後述するように、駆動
電源周波数に関与して増大する。しかるに、近来ポンプ
回転数の高速化要望によって前述周波数が増大するに従
い、前記キャン損失が増大し大きな問題として提起され
るに至ってきた。
(ステータスペースに対応する部分)では、ステータか
らの漏れ磁束が通過する。そこで、この漏れ磁束が通過
する部分に金属が存在すると渦電流損失が発生する。し
かるに、前述したロータスリーブならびにステータライ
ナは共に金属板から構成されている(一般にキャンと呼
称されているので、以下このように呼称する)ため、こ
の両キャンには、ロータの回転に伴って渦電流が発生
し、これによるエネルギ損失(一般にキャン損失と呼称
されているので、以下このように呼称する)が発生す
る。そして、このキャン損失は、後述するように、駆動
電源周波数に関与して増大する。しかるに、近来ポンプ
回転数の高速化要望によって前述周波数が増大するに従
い、前記キャン損失が増大し大きな問題として提起され
るに至ってきた。
【0005】そこで、前記キャン損失について更に詳し
く説明する。先ず、渦電流は、誘電体上を通過する磁束
が変化する際にこの磁束密度の変化を抑える方向に発生
する。したがって、ステータ側においては、磁極が順次
変転して回転磁界が発生し磁束密度が順次変化するの
で、ステータキャンには周波数に対応した渦電流が発生
する。一方、ロータ側においては、ロータは前記回転磁
界の回転速度、すなわちモータの同期速度からスリップ
分だけ低い回転速度で回転するので、ロータキャンには
前記スリップ分に対応した過電流が発生する。なお、前
記スリップは、同期速度すなわち電源周波数に関与する
が、その値は周波数に比較して充分小さいことは勿論で
ある。しかるに、前記過電流の発生において、これによ
る損失(キャン損失)は磁束の変化速度、すなわちステ
ータキャンにおいては周波数、ロータキャンにおいては
スリップ分に対してその2乗に比例して増大する。図2
は、このキャン損失(渦電流損失)kWを電源周波数H
zに対比して実測した一実施例であるが、図中曲線A、
B、Cはそれぞれステータキャン損失、ロータキャン損
失および全体のキャン損失を示している。これから分か
るように、従来のキャンドモータポンプにおいては、ス
テータキャン損失ならびに全体のキャン損失が周波数の
増大に従って急激に増大することが明らかであろう。
く説明する。先ず、渦電流は、誘電体上を通過する磁束
が変化する際にこの磁束密度の変化を抑える方向に発生
する。したがって、ステータ側においては、磁極が順次
変転して回転磁界が発生し磁束密度が順次変化するの
で、ステータキャンには周波数に対応した渦電流が発生
する。一方、ロータ側においては、ロータは前記回転磁
界の回転速度、すなわちモータの同期速度からスリップ
分だけ低い回転速度で回転するので、ロータキャンには
前記スリップ分に対応した過電流が発生する。なお、前
記スリップは、同期速度すなわち電源周波数に関与する
が、その値は周波数に比較して充分小さいことは勿論で
ある。しかるに、前記過電流の発生において、これによ
る損失(キャン損失)は磁束の変化速度、すなわちステ
ータキャンにおいては周波数、ロータキャンにおいては
スリップ分に対してその2乗に比例して増大する。図2
は、このキャン損失(渦電流損失)kWを電源周波数H
zに対比して実測した一実施例であるが、図中曲線A、
B、Cはそれぞれステータキャン損失、ロータキャン損
失および全体のキャン損失を示している。これから分か
るように、従来のキャンドモータポンプにおいては、ス
テータキャン損失ならびに全体のキャン損失が周波数の
増大に従って急激に増大することが明らかであろう。
【0006】そこで、本考案の目的は、キャン損失(渦
電流損失)を低減するためにステータライナ(キャン)
を樹脂化すると共に、特定の金属部材を併用して機械的
強度を低減させることなく構成した高速回転に適するキ
ャンドモータポンプを提供することにある。
電流損失)を低減するためにステータライナ(キャン)
を樹脂化すると共に、特定の金属部材を併用して機械的
強度を低減させることなく構成した高速回転に適するキ
ャンドモータポンプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】先の目的を達成するため
に、本考案に係るキャンドモータポンプは、ロータの外
周部を液密に被覆するロータスリーブを高強度の金属材
により形成し、ステータの内周部および両側スペース部
を液密に被覆するステータライナを電気不良導体プラス
チック材により形成すると共に、ステータライナのステ
ータスペース部に対応する部分に、パンチメタルもしく
は金網からなるバックアップスリーブを設けて、ステー
タスペース部を熱硬化性樹脂で注型し、ロータの回転数
を5000rpm以上に設定したことを特徴とする。
に、本考案に係るキャンドモータポンプは、ロータの外
周部を液密に被覆するロータスリーブを高強度の金属材
により形成し、ステータの内周部および両側スペース部
を液密に被覆するステータライナを電気不良導体プラス
チック材により形成すると共に、ステータライナのステ
ータスペース部に対応する部分に、パンチメタルもしく
は金網からなるバックアップスリーブを設けて、ステー
タスペース部を熱硬化性樹脂で注型し、ロータの回転数
を5000rpm以上に設定したことを特徴とする。
【0008】すなわち、本考案においては、ステータラ
イナのステータスペースに対応する部分、例えばバック
アップスリーブ部分は、パンチメタルもしくは金網で構
成することにより、洩れ磁束による渦電流損失を低減
し、さらにこれらを熱硬化性樹脂の注型により強度を高
めることができる。また、5000rpm以上で運転し
ても、エネルギ損失のない高速キャンドモータポンプと
して効果的に適用することができる。
イナのステータスペースに対応する部分、例えばバック
アップスリーブ部分は、パンチメタルもしくは金網で構
成することにより、洩れ磁束による渦電流損失を低減
し、さらにこれらを熱硬化性樹脂の注型により強度を高
めることができる。また、5000rpm以上で運転し
ても、エネルギ損失のない高速キャンドモータポンプと
して効果的に適用することができる。
【0009】
【作用】本考案においては、高速回転時のキャンに発生
する渦電流損失を低減するために、ステータライナ(キ
ャン)を樹脂化することによりキャンの電気抵抗値を上
げると共に、この樹脂化による機械的強度の低下を金属
の補強により防ぐことにより、内圧に対し十分耐えるよ
うに構成することができる。なお、ロータスリーブ(キ
ャン)については、これを樹脂化する場合には、遠心力
やロータ・ステータ間の流体抵抗に対向するため、強度
上の理由よりキャンの肉厚を厚くする必要があり、この
ためロータ・ステータ間の間隙が広がることになり、こ
の結果モータの効率が低下することになる。また、この
ロータスリーブ(キャン)においても、渦電流が発生す
るが、このロータスリーブ(キャン)表面を通過する磁
束の周波数は、前記ステータライナ(キャン)表面を通
過する磁束の周波数に比べて数%以下と非常に小さく、
渦電流損失も小さく問題とならないため、無視すること
ができ、従って材質を電気不良導体とする必要がなく、
金属のままとする構成を有するものである。 従って、本
考案によれば、ステータライナを電気不良導体プラスチ
ック材により構成することにより、渦電流の発生を防止
し、これにより渦電流損失(いわゆるキャン損失)を無
くすと共に、その前後にあるバックアップスリーブを金
属とプラスチックとを混合することで、ここでの渦電流
損失を低減することができる。このため、キャン損失は
ロータ側のキャン損失だけに限定されるが、この場合に
ロータスリーブ(キャン)表面を通過する磁束の周波数
は小さいため、渦電流損失は殆ど無視することができ
る。また、ステータ前後のバックアップスリーブ部分に
は、洩れ磁束が通るが、この洩れ磁束は主磁束に比べて
磁力(磁束密度)が低く、このため補強として部分的に
金属を使用していても、渦電流損失は小さく維持するこ
とができる。しかも、補強の金属は、パンチメタルや金
網とすることで、渦電流の流れる部分が限定されて、渦
電流は大きくなり難い。このようにして、本考案におい
ては、渦電流損失が周波数の2乗に比例、すなわち回転
速度の2乗に比例して増加するにも拘らず、前記各部位
での渦電流損失を十分に低い値にすることができる。
する渦電流損失を低減するために、ステータライナ(キ
ャン)を樹脂化することによりキャンの電気抵抗値を上
げると共に、この樹脂化による機械的強度の低下を金属
の補強により防ぐことにより、内圧に対し十分耐えるよ
うに構成することができる。なお、ロータスリーブ(キ
ャン)については、これを樹脂化する場合には、遠心力
やロータ・ステータ間の流体抵抗に対向するため、強度
上の理由よりキャンの肉厚を厚くする必要があり、この
ためロータ・ステータ間の間隙が広がることになり、こ
の結果モータの効率が低下することになる。また、この
ロータスリーブ(キャン)においても、渦電流が発生す
るが、このロータスリーブ(キャン)表面を通過する磁
束の周波数は、前記ステータライナ(キャン)表面を通
過する磁束の周波数に比べて数%以下と非常に小さく、
渦電流損失も小さく問題とならないため、無視すること
ができ、従って材質を電気不良導体とする必要がなく、
金属のままとする構成を有するものである。 従って、本
考案によれば、ステータライナを電気不良導体プラスチ
ック材により構成することにより、渦電流の発生を防止
し、これにより渦電流損失(いわゆるキャン損失)を無
くすと共に、その前後にあるバックアップスリーブを金
属とプラスチックとを混合することで、ここでの渦電流
損失を低減することができる。このため、キャン損失は
ロータ側のキャン損失だけに限定されるが、この場合に
ロータスリーブ(キャン)表面を通過する磁束の周波数
は小さいため、渦電流損失は殆ど無視することができ
る。また、ステータ前後のバックアップスリーブ部分に
は、洩れ磁束が通るが、この洩れ磁束は主磁束に比べて
磁力(磁束密度)が低く、このため補強として部分的に
金属を使用していても、渦電流損失は小さく維持するこ
とができる。しかも、補強の金属は、パンチメタルや金
網とすることで、渦電流の流れる部分が限定されて、渦
電流は大きくなり難い。このようにして、本考案におい
ては、渦電流損失が周波数の2乗に比例、すなわち回転
速度の2乗に比例して増加するにも拘らず、前記各部位
での渦電流損失を十分に低い値にすることができる。
【0010】なお、本考案においては、ステータライナ
はそのステータスペース部を熱硬化性樹脂で注型するこ
とにより、ステータはそのステータコイルの絶縁ならび
に内部耐圧力を充分高く保持することができる。一方、
ロータスリーブは強度の高い金属材で構成することによ
り、殊に大型モータポンプの高速回転に対しても、ロー
タの強度を充分高く保持することができる。
はそのステータスペース部を熱硬化性樹脂で注型するこ
とにより、ステータはそのステータコイルの絶縁ならび
に内部耐圧力を充分高く保持することができる。一方、
ロータスリーブは強度の高い金属材で構成することによ
り、殊に大型モータポンプの高速回転に対しても、ロー
タの強度を充分高く保持することができる。
【0011】
【実施例】次に、本考案に係るキャンドモータポンプの
一実施例につき添付図面を参照しながら以下詳細に説明
する。
一実施例につき添付図面を参照しながら以下詳細に説明
する。
【0012】図1に、本考案の好適な一実施例を示す
が、その全体的構成はこの種のキャンドモータポンプの
それと同一であるので、先ず、これについて簡単に説明
する。キャンドモータポンプは、基本的にはモータ部1
0とポンプ部12とから構成される。モータ部10は、
回転軸14に固定されるロータ16とモータケーシング
18に固定されるステータ20とからなり、これらはそ
れぞれロータスリーブ22ならびにステータライナ24
(これらについては後で詳述する)によって液密に被覆
されている。なお、回転軸14はその両側部を軸受2
6、26で支承し、その自由端部に軸受モニタ28が設
けられている。ポンプ部12は、回転軸14で支持され
たインペラ30と、これを収容するポンプケーシング3
2とから構成されている。そして、このような構成にお
いて、3相交流電流が端子箱34を介してステータ20
に供給されると、ステータ20に回転磁界が発生してロ
ータ16が回転し、これによりインペラ30が回転軸1
4を介して回転駆動して、ポンプ動作が行われる。な
お、このポンプ動作時には、ポンプ吐出液の一部が循環
パイプ36、モータ部10内を通ってポンプ部12へ循
環し、これによりモータ部10の冷却が行われる。
が、その全体的構成はこの種のキャンドモータポンプの
それと同一であるので、先ず、これについて簡単に説明
する。キャンドモータポンプは、基本的にはモータ部1
0とポンプ部12とから構成される。モータ部10は、
回転軸14に固定されるロータ16とモータケーシング
18に固定されるステータ20とからなり、これらはそ
れぞれロータスリーブ22ならびにステータライナ24
(これらについては後で詳述する)によって液密に被覆
されている。なお、回転軸14はその両側部を軸受2
6、26で支承し、その自由端部に軸受モニタ28が設
けられている。ポンプ部12は、回転軸14で支持され
たインペラ30と、これを収容するポンプケーシング3
2とから構成されている。そして、このような構成にお
いて、3相交流電流が端子箱34を介してステータ20
に供給されると、ステータ20に回転磁界が発生してロ
ータ16が回転し、これによりインペラ30が回転軸1
4を介して回転駆動して、ポンプ動作が行われる。な
お、このポンプ動作時には、ポンプ吐出液の一部が循環
パイプ36、モータ部10内を通ってポンプ部12へ循
環し、これによりモータ部10の冷却が行われる。
【0013】しかるに、本考案において、ロータスリー
ブ22は、通常のキャンドモータポンプと同様に、金属
材、但し強度の高い好適にはSUS316或いはハステ
ロイC等から構成され、またステータライナ24は、特
に電気不良導体であるプラスチック材、好適にはPTF
E(ポリテトラフルオロエチレン)製熱膨脹チューブ2
4から構成される。そして、このチューブ24は、ステ
ータ20の内周部および両側スペース部38、38に内
挿した後、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂40を注入し
てこれを硬化させる。
ブ22は、通常のキャンドモータポンプと同様に、金属
材、但し強度の高い好適にはSUS316或いはハステ
ロイC等から構成され、またステータライナ24は、特
に電気不良導体であるプラスチック材、好適にはPTF
E(ポリテトラフルオロエチレン)製熱膨脹チューブ2
4から構成される。そして、このチューブ24は、ステ
ータ20の内周部および両側スペース部38、38に内
挿した後、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂40を注入し
てこれを硬化させる。
【0014】この場合、チューブすなわちステータライ
ナ24のステータスペース部38に対応する部分には、
バックアップスリーブ42を設けて、前記ステータライ
ナ24を補強する。このバックアップスリーブ42とし
ては、例えばパンチメタルもしくは金網を好適に使用す
ることができる。すなわち、これらパンチメタルや金網
は、それらを構成するパンチ孔や金属線の網目によっ
て、これらを通過する洩れ磁束によって発生する渦電流
の動ける方向を限定して、渦電流の大きさを制限するこ
とができる。この結果、渦電流損失の発生を充分に低減
することができる。
ナ24のステータスペース部38に対応する部分には、
バックアップスリーブ42を設けて、前記ステータライ
ナ24を補強する。このバックアップスリーブ42とし
ては、例えばパンチメタルもしくは金網を好適に使用す
ることができる。すなわち、これらパンチメタルや金網
は、それらを構成するパンチ孔や金属線の網目によっ
て、これらを通過する洩れ磁束によって発生する渦電流
の動ける方向を限定して、渦電流の大きさを制限するこ
とができる。この結果、渦電流損失の発生を充分に低減
することができる。
【0015】また、このようにバックアップスリーブ4
2として、パンチメタルや金網を使用した場合、前述し
たように、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を注入してこ
れを硬化させれば、前記パンチメタルや金網の隙間に熱
硬化性樹脂が注型されて、ステータの内圧に対し充分補
強することができる。
2として、パンチメタルや金網を使用した場合、前述し
たように、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を注入してこ
れを硬化させれば、前記パンチメタルや金網の隙間に熱
硬化性樹脂が注型されて、ステータの内圧に対し充分補
強することができる。
【0016】このように、本考案によれば、ステータラ
イナは電気不良半導体であるプラスチックチューブから
構成されるので、ステータライナには渦電流が発生せ
ず、これによって渦電流損失(いわゆるキャン損失)は
発生しない。従って、本考案においては、キャン損失は
ロータ側のキャン損失に限定されるが、このキャン損失
は前述したように、すなわち図2に曲線Bで示されるよ
うに、極めて小さくかつ周波数(ポンプ回転速度)にも
殆ど関与されないので、キャン損失はポンプ回転速度に
関係なく充分低い値に抑制することができる。そして、
これによる効果は、ポンプ回転速度が5000rpm以
上である場合に、殊に顕著に発揮されることが理解され
るであろう。
イナは電気不良半導体であるプラスチックチューブから
構成されるので、ステータライナには渦電流が発生せ
ず、これによって渦電流損失(いわゆるキャン損失)は
発生しない。従って、本考案においては、キャン損失は
ロータ側のキャン損失に限定されるが、このキャン損失
は前述したように、すなわち図2に曲線Bで示されるよ
うに、極めて小さくかつ周波数(ポンプ回転速度)にも
殆ど関与されないので、キャン損失はポンプ回転速度に
関係なく充分低い値に抑制することができる。そして、
これによる効果は、ポンプ回転速度が5000rpm以
上である場合に、殊に顕著に発揮されることが理解され
るであろう。
【0017】また、本考案によれば、ステータライナは
そのステータスペース部が熱硬化性樹脂で注型すること
により、ステータはそのステータコイルの絶縁ならびに
内部耐圧力を充分高く保持することができる。一方、ロ
ータスリーブは強度の高い金属材により形成することに
より、殊に大型モータポンプの高速回転に対しても、ロ
ータの強度を充分高く保持することができる。
そのステータスペース部が熱硬化性樹脂で注型すること
により、ステータはそのステータコイルの絶縁ならびに
内部耐圧力を充分高く保持することができる。一方、ロ
ータスリーブは強度の高い金属材により形成することに
より、殊に大型モータポンプの高速回転に対しても、ロ
ータの強度を充分高く保持することができる。
【0018】以上、本考案を好適な実施例について説明
したが、本考案は前記実施例に限定されることなく、そ
の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更が可
能である。
したが、本考案は前記実施例に限定されることなく、そ
の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更が可
能である。
【0019】
【考案の効果】前述した実施例から明らかなように、本
考案に係るキャンドモータポンプにおいては、ロータス
リーブは強度の高い金属材により形成し、ステータライ
ナは電気不良導体プラスチック材により形成すると共
に、そのステータスペース部を熱硬化性樹脂で注型する
ことにより、殊に電源周波数(ポンプ回転速度)の高い
領域において、ステータ側で発生するキャン損失(渦電
流損失)を有効に低減することができる。また、前記ス
テータライナのステータスペース部に対応する部分に
は、パンチメタルもしくは金網からなるバックアップス
リーブを設けて補強することにより、機械的強度を高め
るばかりでなく、前記パンチメタルや金網を構成するパ
ンチ孔や金属線の網目によって、これらを通過する洩れ
磁束によって発生する渦電流の動ける方向を限定して、
渦電流の大きさを制限すると共に、キャン損失の発生を
充分に低減することができる。従って、本考案を高速回
転のキャンドモータポンプに適用した場合には、キャン
損失を大きく抑制し、エネルギ効率を大幅に向上するこ
とができる。
考案に係るキャンドモータポンプにおいては、ロータス
リーブは強度の高い金属材により形成し、ステータライ
ナは電気不良導体プラスチック材により形成すると共
に、そのステータスペース部を熱硬化性樹脂で注型する
ことにより、殊に電源周波数(ポンプ回転速度)の高い
領域において、ステータ側で発生するキャン損失(渦電
流損失)を有効に低減することができる。また、前記ス
テータライナのステータスペース部に対応する部分に
は、パンチメタルもしくは金網からなるバックアップス
リーブを設けて補強することにより、機械的強度を高め
るばかりでなく、前記パンチメタルや金網を構成するパ
ンチ孔や金属線の網目によって、これらを通過する洩れ
磁束によって発生する渦電流の動ける方向を限定して、
渦電流の大きさを制限すると共に、キャン損失の発生を
充分に低減することができる。従って、本考案を高速回
転のキャンドモータポンプに適用した場合には、キャン
損失を大きく抑制し、エネルギ効率を大幅に向上するこ
とができる。
【0020】しかも、本考案においては、ステータのコ
イル絶縁および内部耐圧力、ならびにロータの構造的強
度を充分高く保持することができるので、殊に大型かつ
高速のキャンドモータポンプに対して安全かつ好適に適
用し得る利点を有する。
イル絶縁および内部耐圧力、ならびにロータの構造的強
度を充分高く保持することができるので、殊に大型かつ
高速のキャンドモータポンプに対して安全かつ好適に適
用し得る利点を有する。
【図1】本考案に係るキャンドモータポンプの一実施例
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図2】従来のキャンドモータポンプにおけるキャン損
失を示すグラフである。
失を示すグラフである。
10 モータ部 12 ポンプ部 14 回転軸 16 ロータ 18 モータケージング 20 ステータ 22 ロータスリーブ 24 ステータライ
ナ(プラスチックチューブ) 26 軸受 28 軸受モニタ 30 インペラ 32 ポンプケーシ
ング 34 端子箱 36 循環パイプ 38 ステータスペース部 40 熱硬化性樹脂 42 バックアップスリーブ
ナ(プラスチックチューブ) 26 軸受 28 軸受モニタ 30 インペラ 32 ポンプケーシ
ング 34 端子箱 36 循環パイプ 38 ステータスペース部 40 熱硬化性樹脂 42 バックアップスリーブ
Claims (1)
- 【請求項1】 ロータの外周部を液密に被覆するロータ
スリーブを高強度の金属材により形成し、ステータの内
周部および両側スペース部を液密に被覆するステータラ
イナを電気不良導体プラスチック材により形成すると共
に、ステータライナのステータスペース部に対応する部
分に、パンチメタルもしくは金網からなるバックアップ
スリーブを設けて、ステータスペース部を熱硬化性樹脂
で注型し、ロータの回転数を5000rpm以上に設定
したことを特徴とするキャンドモータポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991079658U JPH088317Y2 (ja) | 1991-10-01 | 1991-10-01 | キャンドモータポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991079658U JPH088317Y2 (ja) | 1991-10-01 | 1991-10-01 | キャンドモータポンプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0532789U JPH0532789U (ja) | 1993-04-30 |
JPH088317Y2 true JPH088317Y2 (ja) | 1996-03-06 |
Family
ID=13696248
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991079658U Expired - Lifetime JPH088317Y2 (ja) | 1991-10-01 | 1991-10-01 | キャンドモータポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH088317Y2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH01166792U (ja) * | 1988-05-16 | 1989-11-22 | ||
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-
1991
- 1991-10-01 JP JP1991079658U patent/JPH088317Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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