JPH088274A - 結晶成長方法及びその結晶成長方法を用いた半導体装置の製造方法 - Google Patents

結晶成長方法及びその結晶成長方法を用いた半導体装置の製造方法

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JPH088274A
JPH088274A JP31724494A JP31724494A JPH088274A JP H088274 A JPH088274 A JP H088274A JP 31724494 A JP31724494 A JP 31724494A JP 31724494 A JP31724494 A JP 31724494A JP H088274 A JPH088274 A JP H088274A
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zns
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和宏 大川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】分子線エピタキシ法を用い、ZnMgSSe単
結晶薄膜、ZnSSe単結晶薄膜、ZnCdSe単結晶
薄膜を高い組成再現性および高いキャリア密度再現性お
よび低コストで結晶成長し、これらの材料から構成され
るデバイスを再現性よく、低コストで供給する。 【構成】金属Mg、MgS化合物、MgS化合物のいず
れか一つとZnSe化合物とZnS化合物の3種類を原
料として、または金属Mg、MgS化合物、MgSe化
合物のいずれか一つとZnSSe混晶の2種類を原料と
して、またはZnMgSSe混晶のみを原料として用
い、各分子線強度および蒸発温度を制御し、100℃か
ら400℃に加熱された基板上にZnSSe単結晶薄膜
を成長する。金属Cd、CdSe化合物のいずれか一つ
とZnSe化合物の2種類を原料として、またはZnC
dSe混晶のみを原料として用い、各分子線強度および
蒸発温度を制御し、100℃から400℃に加熱された
基板上にZnCdSe単結晶薄膜を成長する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Zn1-YMgYZSe
1-Z(以下、「ZnMgSSe」と略す)単結晶薄膜、
ZnSXSe1-X(以下、「ZnSSe」と略す)単結晶
薄膜及びZn1- WCdWSe(以下、「ZnCdSe」と
略す)単結晶薄膜の成長方法、ならびにこの成長方法を
用いた半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ZnMgSSe、ZnSSe及びZnC
dSeは、青緑色光を放射するII-V族半導体レーザの材
料として注目されている。これらの材料からなる単結晶
半導体薄膜は、分子線エピタキシー(以下、「MBE」
と略す)法によって形成される。図1は、MBE装置の
概略構成を示している。このMBE装置による結晶成長
には、金属Zn、金属Cd、金属Mg、金属Se、金属
Te、ZnS化合物、ZnCl2化合物、N2ガスを原料と
して使用する。
【0003】ZnMgSSe単結晶薄膜をMBE法で成
長する場合、従来技術によれば、金属Zn、金属Mg、
金属Se、及びZnS化合物(あるいはS単体)の4種
類の原料を独立した4個の加熱蒸発源に充填した後、各
加熱蒸発源から4種類の分子線を基板へ同時に照射す
る。図示されていないが、MBE装置には、排気装置、
基板加熱機構、複数の加熱蒸発源及びプラズマセルが装
備してある。このような単結晶薄膜の成長法は、例え
ば、H.Okuyama et al. Journal of Crystal Growt
h Vol.117、 pp.139-143. そして S.Ito
et al. JapaneseJournal of Applied Physics
Vol.32、pp.L1530-L1532、1993に開示さ
れている。
【0004】ZnSSe単結晶薄膜をMBE法で成長す
る場合は、金属Zn、金属Se、及びZnS化合物の3
種類を独立した3個の加熱蒸発源に充填した後、各加熱
蒸発源から3種類の分子線を基板へ同時に照射する。こ
のような単結晶薄膜の成長法は、例えば、W.Xie et a
l. Applied Physics Letters Vol.60、pp.199
9-2001、1992に開示されている。
【0005】量子井戸を形成するZnCdSe単結晶薄
膜をMBE法で成長する場合は、金属Zn、金属Se、
金属Cdの3種類を独立した3個の加熱蒸発源に充填し
た後、各加熱蒸発源から3種類の分子線を基板へ同時に
照射する。このような単結晶薄膜の成長法は、例えば、
W.Xie et al. Applied Physics Letters Vol.6
0、pp.463-465、1992に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のMBE法は、結
晶成長時に使用する蒸発源の個数が多い。これは、結晶
性に優れた単結晶薄膜を得るためには、その薄膜の各構
成元素の分子線強度を、他の分子線強度とは独立に制御
し、最適な強度比を決定する必要があるからである。分
子線の分子が基板に付着し結晶成長に寄与する割合は、
構成元素毎に異なるため、分子線ごとにその強度を調節
する必要がある。例えば、結晶性に優れたGaAs単結
晶薄膜をMBE法によって得ようとする場合、As分子
線の強度とGa分子線の強度の比(V/III比)は、約
10から20の範囲内にあることが好ましいとされてい
る。従来のMBE法によれば、組成やキャリヤ密度が薄
膜の面内で及び/または深さ方向に変化したり、薄膜成
長工程毎に変化するという問題がある。このため、組成
やキャリヤ密度が均一な単結晶薄膜を高い再現性で得る
ことが困難である。これらの問題は、ZnMgSSe単
結晶薄膜、ZnSSe単結晶薄膜またはZnCdSe単
結晶薄膜を構成要素として含むデバイスを低コストで再
現性良く製造することを阻んでいる。
【0007】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、組成やキャ
リヤ密度が均一な単結晶薄膜を高い再現性で形成できる
結晶成長方法およひその結晶成長方法を用いた半導体装
置の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の結晶成長方法
は、金属Mg、MgS化合物及びMgSe化合物からな
る群から選択された何れか一つの材料と、ZnSe化合
物と、ZnS化合物とを別々の加熱蒸発源にそれぞれ充
填する工程と、該加熱蒸発源の温度及び分子線強度を制
御することによって、加熱した基板上にZn1-YMgY
ZSe1-Z(0<Y<1かつ0<Z<1)単結晶薄膜を結晶成長
させる工程と、を包含しており、そのことにより上記目
的が達成される。
【0009】本発明の他の結晶成長方法は、金属Mg、
MgS化合物及びMgSe化合物からなる群から選択さ
れた何れか一つの材料と、ZnSX'Se1-X'(0<X'<
1)混晶とを別々の加熱蒸発源にそれぞれ充填する工程
と、該加熱蒸発源の温度及び分子線強度を制御すること
によって、加熱した基板上にZn1-YMgYZSe
1-Z(0<Y<1かつ0<Z<1)単結晶薄膜を結晶成長させ
る工程と、を包含しており、そのことにより上記目的が
達成される。
【0010】本発明の他の結晶成長方法は、Zn1-Y'
Y'Z'Se1-Z'(0<Y'<1かつ0<Z'<1)混晶を加熱
蒸発源に充填する工程と、該加熱蒸発源の温度及び分子
線強度を制御することによって、加熱した基板上にZn
1-YMgYZSe1-Z(0<Y<1かつ0<Z<1)単結晶薄膜
を結晶成長させる工程と、を包含しており、そのことに
より上記目的が達成される。
【0011】好ましくは、Zn1-Y'MgY'Z'Se1-Z'
(0.02≦Y'≦0.08かつ0.30≦Z'≦0.60の混
晶を前記加熱蒸発源に充填し、Zn1-YMgYZSe1-Z
(0.05≦Y≦0.15かつ0.10≦Z≦0.25)単結
晶薄膜を結晶成長させる。
【0012】本発明の他の結晶成長方法は、ZnSe化
合物およびZnS化合物を別々の加熱蒸発源に充填する
工程と、該加熱蒸発源の温度及び分子線強度を制御する
ことによって、加熱した基板上にZnSXSe1-X(0<X
<1)単結晶薄膜を結晶成長させる工程と、を包含して
おり、そのことにより上記目的が達成される。
【0013】本発明の他の結晶成長方法は、ZnSX'
1-X'(0<X'<1)混晶を加熱蒸発源に充填する工程
と、該加熱蒸発源の温度及び分子線強度を制御すること
によって、加熱した基板上にZnSXSe1-X(0<X<
1)単結晶薄膜を結晶成長させる工程と、を包含してお
り、そのことにより上記目的が達成される。
【0014】好ましくは、ZnSX'Se1-X'(0.08
≦X'≦0.40)混晶を加熱蒸発源に充填し、加熱した
基板上にZnSXSe1-X(0.03≦X≦0.10)単結
晶薄膜を結晶成長させる。
【0015】本発明の他の結晶成長方法は、金属Cd、
CdSe化合物からなる群から選択した何れか一つの材
料と、ZnSe化合とを別々の加熱蒸発源にそれぞれ充
填する工程と、該加熱蒸発源の温度及び分子線強度を制
御することによって、加熱した基板上にZn1-WCdW
e(0<W<1)単結晶薄膜を結晶成長させる工程とを包
含しており、そのことにより上記目的が達成される。
【0016】Zn1-W'CdW'Se(0<W'<1)混晶を加
熱蒸発源に充填する工程と、該加熱蒸発源の温度及び分
子線強度を制御することによって、加熱した基板上にZ
1- WCdWSe(0<W<1)単結晶薄膜を結晶成長させ
る工程と、を包含しており、そのことにより上記目的が
達成される。
【0017】好ましくは、前記加熱した基板の温度を1
00℃から400℃の範囲内に設定する。
【0018】本発明の半導体装置の製造方法は、前記結
晶成長方法を用いて単結晶薄膜を形成する工程を包含す
る。
【0019】本発明の他の半導体装置の製造方法は、前
記結晶成長方法を用いて、Zn1-WCdWSe(0<W<
1)単結晶薄膜からなる量子井戸層を形成し、前記結晶
成長方法を用いて、ZnSXSe1-X(0<X<1)単結晶
薄膜からなる障壁層を形成し、それによって量子井戸活
性層を形成する。
【0020】
【作用】MBE法によりZnMgSSe単結晶薄膜を結
晶成長するに際し、本発明では、下記(1)〜(3)に示す
原料の組み合わせの何れかを採用する。
【0021】(1) 金属Mg、MgS化合物及びMgS
e化合物からなる群から選択されたいずれか一つ、Zn
Se化合物、及びZnS化合物の3種類。
【0022】(2) 金属Mg、MgS化合物及びMgS
e化合物からなる群から選択されたいずれか一つ、及び
ZnSSe混晶の2種類。
【0023】(3) ZnMgSSe混晶。
【0024】従来のMBE成長法では、4種類(Zn、
Se、Mg、ZnSあるいはS)の原料が必要であると
考えられていたが、本発明では、1〜3種類の原料を使
用する。従来、成長させるべき単結晶薄膜に含まれる構
成元素の数に近い数の原料を別個の加熱蒸発源に充填
し、各原料の分子線強度を個別に調整する必要があると
考えられていた。しかし、本発明の結晶成長法によれ
ば、構成元素の化合物を分子線の原料として使用して
も、優れた結晶性が得られる。その理由は、ZnMgS
Seや、後述するZnSSe及びZnCdSeは、Ga
As等と異なり、II族元素の分子線強度とVI族元素分子
線強度との比が大きくは違わなくとも、結晶性に優れた
薄膜に成長し得る性質を持っているからである。本発明
は、本願発明者によるこのような新しい知見に基づいて
完成された。
【0025】本発明によれば、MBE装置の各加熱蒸発
源に充填される原料の数が低減される結果、得られた単
結晶組薄膜の組成再現性に優れる。すなわち、成長した
単結晶薄膜の面内均一性、膜厚方向の均一性、及びロッ
ト毎の再現性が優れている。また、原料数が少ないこと
と、原料の多くにII-VI族化合物を用いていることのた
めに、VI/II比は空間的かつ時間的に1(金属Mgを用
いた場合は1よりも小さい値)に固定される。その結
果、n型あるいはp型キャリヤ密度の再現性が向上して
いる。Mgの原料として、金属Mgを用いた場合には金
属Mgの酸化が問題となるが、MgS化合物またはMg
Se化合物を原料として用いることにより、そのような
酸化の問題を低減できる。
【0026】ZnSSe単結晶薄膜を結晶成長するに際
し、本発明では、下記(1)及び(2)に示す原料の組み合
わせの何れかを採用する。
【0027】(1) ZnSe化合物とZnS化合物の2
種類。
【0028】(2) ZnSSe混晶のみ 従来は3種類(Zn、Se、ZnS)の原料が必要であ
ると考えられていたが、本発明では、1〜2種類の原料
を使用する。
【0029】本発明は、原料数が従来よりも少ないた
め、組成再現性に優れている。原料数が少なく、しか
も、原料全てにII-VI族化合物を用いているため、VI/II
比は空間的時間的に1に固定され、n型あるいはp型キ
ャリヤ密度の再現性が向上する。ZnCdSe単結晶薄
膜を結晶成長するに際し、本発明では、下記(1)及び
(2)に示す原料の組み合わせの何れかを採用する。
【0030】(1) 金属CdあるいはCdSe化合物の
いずれか一つ、ZnSe化合物の2種類。
【0031】(2) ZnCdSe混晶のみ。
【0032】従来は3種類(Zn、Se、ZnS)の原
料が必要であると考えられていたが、本発明では、1〜
2種類の原料を使用する。本発明は、原料数が従来より
も少ないため、組成再現性に優れている。
【0033】
【実施例】図2は、本発明による半導体薄膜の形成に使
用するMBE装置の概略構成を示している。図2のMB
E装置では、原料として、ZnSe化合物、CdSe化
合物、金属Mg、ZnTe化合物、ZnS化合物、ZnC
2化合物、N2ガスが使用される。N2ガス以外の原料
は、MBE装置内に設けた別々の加熱蒸発源1〜6に充
填される。窒素ガスは、ボンベ81から供給され、p型
ドーピング用の活性窒素を生成するために用いられる。
活性窒素は、プラズマセル8によって窒素ガスを放電す
ることにより得られる(例えばK.Ohkawa et al. Japa
nese Journal of Applied Physics Vol.30、p
p.L152-L155、1991.)。MBE装置内には、
基板10を所定の温度に加熱し維持するための基板加熱
機構9が設けられている。MBE装置の背圧は、真空ポ
ンプによって、10-8〜10ー1 0Torr台になるが、
p型ドーピングを行なっている時は、窒素ガスを導入し
ているため、MBE装置内の真空度は、1x10-5To
rrから1x10-8Torrの範囲にある。
【0034】簡単化のためにZnSe単結晶薄膜の成長
を例に取り、まず、本発明による結晶成長の基本的なメ
カニズムを説明する。
【0035】本発明の結晶成長方法では、ZnSe化合
物を原料としてZnSe単結晶薄膜を成長する。このた
め、Znの分子線強度(JZn;1秒間に1cm2に飛来する
Zn原子数)とSeの分子線強度(JSe;1秒間に1cm2
に飛来するSe原子数)の比(JSe/JZn; Flux Rati
o)は1に固定される。これに対して、金属Zn及び金
属Seを別々の加熱蒸発源に充填し、各分子線の強度を
任意に調整できるようにすれば、Znの分子線強度とS
eの分子線強度の比(JSe/JZn)は任意の値に設定され
得る。
【0036】図9は、金属Zn及び金属Seを別々の加
熱蒸発源に充填した場合において、薄膜の結晶性が、比
JSe/JZn、及び基板温度に対してどのように変化するか
を示している。図9のグラフは、K.Menda et al. Jap
anese Journal of Applied Physics Vol.26、L
1326、1987に報告されている。
【0037】図9において、○印は、Reflection High
-Energy Electron Diffraction(RHEED)パターンがc
(2x2)となる条件を表し、●印はRHEEDパターンが
(1×2)となる条件を表している。領域I及びIIIで
は、RHEEDパターンはストリーク状となり、領域IIで
は、RHEEDパターンは成長初期にストリーク状となるが
成長を継続していくとスポッティとなる。スポッティあ
るいはV字のパターンは、成長中の表面に凹凸があるこ
とを意味している。分子線強度比が1で基板温度150
℃から320℃の領域では、c(2x2)のスポッティな
RHEEDパターンが得られることを示している。このよう
な領域では、II族安定化面で荒れた表面しか得られな
い。レーザ構造等のデバイス構造は単結晶で平坦な薄膜
を必要とする。また、P型の抵抗率を低くする観点か
ら、基板温度が相対的に低い状態での成長が好ましい
(R.Park, Jurnal of Vacuum Science and Technology
A Vol.10, pp.701-704, 1992)。
【0038】以上のことから、領域Iの条件での成長が
好ましいことがわかる。領域Iの条件での成長を実現す
るには、比(JSe/JZn)を1よりも大きく設定し、しか
も基板温度を200℃から400℃までの範囲内にする
必要がある。図9のグラフに基づけば、ZnSe化合物
を原料としてZnSe単結晶薄膜を成長することが好ま
しくないと予測される。なぜなら、ZnSe化合物を原
料として使用する場合、分子線強度比JSe/JZnが1に固
定されてしまうからである。従来、このような予測のも
とで、薄膜の原料を各構成元素毎に別々の加熱蒸発源に
充填し、個々の分子線強度を調整し、上記したような範
囲に強度比を設定することが行われてきた。しかしなが
ら、本発明者の実験によれば、ZnSe化合物を用いた
場合でも、(2x1)のストリークなRHEEDパターンが観
測され、VI族安定化面で平坦な結晶成長が実現すること
がわかった。図10は、その実験結果の概略を示してい
る。このようにZnSe化合物を用いた場合、分子線強
度比JSe/JZnが1に固定されているにも関わらず、基板
温度150℃から100℃で、(2x1)のストリーク
なRHEEDパターンが観測された。なお、実験から、本発
明の方法の成長温度は、スポッティあるいはV字のパタ
ーンが観測されない100℃から400℃の範囲が適し
ていることも判明した。
【0039】なぜ、従来の予測からはずれた実験結果が
得られたか、その理由は、次のように考えられる。ただ
し、本発明による成長メカニズムはまだ解明されたわけ
ではない。
【0040】従来の方法において、通常使用される温度
付近である196℃では、金属Seからの分子線成分
が、Se6:Se5:Se7:Se2:Se8=1:0.66:0.2
8:0.11:0.04なる比率で構成されている。このこ
とは、例えば H.Cheng et al. Journal of Vacuu
m Science Technology B Vol.8、pp.181-18
6、1990.に報告されている。
【0041】しかし、VI族元素Bを含有する多結晶化合
物ABをMBEの原料として用いた場合、この化合物
は、下式に示すように昇華し、分子線を形成する。
【0042】 AB → A + 1/2B2 (1) ここで A=Zn、Cd、Mg、Hg(II族元素)、B
=S、Se、Te(VI族元素)である。このことは、例
えば、T. Yao, Researches of the Electrotechnical L
aboratory No. 854, 1985, p.23に報告されている。従
って、本発明の結晶成長方法によれば、VI族元素は2原
子分子となる。本発明で使用するVI族元素の分子は、従
来の分子線の分子と比較して小さい分子であるため、反
応性が高まる。そのため、分子線強度比が1でも、図1
0の如くSe安定化面が観測されたものと考えられる。
【0043】金属Seを原料に用いた場合に、金属Se
用の加熱蒸発源の温度を600℃まで上げると、分子線
成分は多い順に、Se5、Se2、Se6、Se7、及びS
3となる(例えば H.Cheng et al. Journal of
Vacuum Science Technology B Vol.8、pp.181
-186、1990)。しかし、ZnSe化合物を原料
に用いた場合のようにSe2が主成分になるまでには至
らない。金属Znも金属Seも加熱蒸発源を高温にして
ZnSeを成長すると、100℃までの成長温度の低温
化が可能となるが(例えば M.Ohishi et al. Journ
al of Crystal Growth Vol.117、pp.125-1
28、1992.)、化合物を原料とする本発明の方法
では50℃程度までの更なる低温化が可能となった。化
合物多結晶の使用温度は、金属原料に比べて数百度高
く、しかも分子線に含まれるVI族元素は、2原子分子が
主成分であることが理由であると考えられる。
【0044】単結晶半導体薄膜の組成やキャリヤ密度は
分子線強度の変動に敏感であるため、複数の蒸発源の内
一つでも分子線強度が変動すると、その変動に対応して
組成が変化してしまう。さらにVI族元素であるS及びS
eの分子線強度とII族元素であるZn及びMgの分子線
強度の比(VI/II比)の変動によって、ドナー性あるい
はアクセプタ性不純物元素の取り込みは影響を受け、キ
ャリヤ密度が変化してしまうという問題点がある。この
ため、蒸発源の数は、少ないほど組成やキャリヤ密度の
再現性が向上し、歩留まりが改善され、デバイス製造コ
ストが低減できる。
【0045】従来の方法では、多くの加熱蒸発源を要し
ていたため、MBE装置は巨大になり、高コストになる
という問題点もあった。加熱蒸発源の数が減らせれば、
簡便かつ小型のMBE装置で対応することができ、さら
に製造コストを下げることが可能となる。
【0046】以下、ZnMgSSe単結晶薄膜、ZnS
Se単結晶薄膜およびZnCdSe単結晶薄膜の結晶成
長法の実施例を詳細に述べる。以下の実施例では、図2
のMBE装置を用い、GaAs(100)基板上に各単
結晶薄膜を成長させた。結晶成長時の典型的な基板温度
は、280℃とした。
【0047】(実施例1)ZnSe化合物、ZnS化合
物及び金属Mgを原料として、n型ZnMgSSe単結
晶薄膜を成長した。n型ドーパントは、ZnCl2原料
からの塩素を用いた(例えば K.Ohkawa et al. Jou
rnal of Applied Physics Vol.62、pp.3216
-3221、1987.)。
【0048】図3は、こうして得られたn型ZnMgS
Se単結晶薄膜から測定されたフォトルミネッセンス
(PL)スペクトルを示している。測定は、12Kで行
われた。12KでのPL測定では、420nmに強いバン
ド端発光が観測された。発光の起源は、中性塩素ドナー
に束縛された励起子発光(I2)と考えられる。図3に
示されるZnMgSSe薄膜のバンドギャップエネルギ
ーは、12Kでは2.95eVであり、室温では約2.85e
Vである。なお、本願明細書では、ZnMgSSe混晶
のバンドギャップエネルギーを、バンド端発光の光子エ
ネルギーで定義するものとする。
【0049】Zn1-YMgYZSe1-Z薄膜の格子定数
は、GaAsの格子定数に一致しており、奥山らのグラ
フ(H.Okuyama et al. Journal of Crystal Grow
th Vol.117、pp.139-143、(1992)中の
図1及び図3)から求められた組成は、Y=0.07およ
びZ=0.18である。この組成のZn1-YMgYZSe
1-Z薄膜を成長温度280℃で得るため、分子線強度
を、P(ZnSe)=1.75x10-6Torr、P(Z
nS)=9.0x10-7Torr、P(Mg)=2.5x10
-8Torrとした。この分子線強度は、フラックス・ゲ
ージで測定された値である。ZnMgSSe薄膜の成長
の間、各分子線強度が一定になるように蒸発源の温度を
制御した。本実施例の条件では、ZnMgSSe薄膜の
成長速度は、0.63μm/hであった。
【0050】成長中のRHEEDパターンは、(2x1)とc
(2x2)とが混在しており、成長初期より厚み1μm
成長の最後まできれいなストリークを呈していた。スト
リークなRHEEDは表面の平坦性を示すものであり、薄膜
が鏡面を呈していたことを裏付けるものである。単結晶
のZnMgSSe薄膜は成長温度が100℃から400
℃の範囲で可能であった。また低い基板では高い基板温
度の場合に比べて成長速度を下げる必要があった。
【0051】(実施例2)本実施例では、ZnSe化合
物、ZnS化合物およびMgS化合物を原料として、Z
1-YMgYZSe1-Z単結晶薄膜を成長した。
【0052】得られたZn1-YMgYZSe1-Z単結晶薄
膜の格子定数は、GaAsに対して0.12%大きいが、
結晶性は二結晶X線回折法における半値全幅(FWHM)は
64秒と良好なものであった。単結晶薄膜のバンドギャ
ップは、12Kで2.98eVであった。その組成は、Y=
0.10およびZ=0.20であった。成長温度280℃で
この組成を得るための分子線強度は、P(ZnSe)=
1.25x10-6Torr、P(ZnS)=9.4x10-7
Torr、P(MgS)=2.8x10-8Torrであ
り、成長速度は0.40μm/hであった。
【0053】成長中のRHEEDパターンは、(2x1)とc
(2x2)とが混在したきれいなストリークパターンで
あった。薄膜表面は、鏡面を呈していた。また、上記分
子線強度を得るためのMgS原料の使用温度(1240
℃)は、金属Mgの使用温度(250℃)に比べて約1
000℃高温である。このため、加熱蒸発源の温度を変
えると、分子線強度もすばやく追随して変化する。ゆえ
にZnS及びMgSの分子線強度を共に変化させること
により、GaAsに格子整合させつつバンドギャップを
徐々に変化させたGrin構造を実現することが可能とな
る。
【0054】酸化されやすい金属Mgを使用する場合、
真空中でも残留した水分等で金属Mgの表面酸化が起
き、分子線が得られ難くなるなどの問題が生じ得る。し
かし、本実施例の場合、金属Mgの代わりにMgS化合
物を用いるため、そのような問題がない。
【0055】(実施例3)本実施例では、ZnSe化合
物、ZnS化合物及びMgSe化合物を原料として、Z
1-YMgYZSe1-Z単結晶薄膜を成長した。
【0056】得られたZn1-YMgYZSe1-Z単結晶薄
膜の格子定数は、GaAsの格子定数に一致し、結晶性
も良好なものであった。バンドギャップエネルギは、1
2Kで2.96eVであった。薄膜の組成は、Y=0.08お
よびZ=0.19であった。この組成を成長温度280℃
で得るための分子線強度は、P(ZnSe)=1.55x
10-6Torr、P(ZnS)=9.0x10-7Tor
r、P(MgSe)=2.5x10-8Torrであり、成
長速度は0.50μm/hであった。
【0057】成長中のRHEEDパターンは、(2x1)とc
(2x2)とが混在したきれいなストリークパターンで
あった。薄膜表面は、鏡面を呈していた。
【0058】MgSe原料の使用温度(1100℃)
は、金属Mgの使用温度(250℃)に比べて約850
℃高温であるため、加熱蒸発源の温度を変えると、分子
線強度もすばやく追随して変化する。ゆえにZnSとM
gSeの分子線強度を共に変化させることにより、Ga
Asに格子整合させつつ、バンドギャップエネルギが徐
々に変化するGrin構造の作製が可能となる。
【0059】金属Mg、MgS化合物及びMgSe化合
物からなる群から選択されたいずれか一つの源流のMg
に関する分子線強度を強くすることにより、Zn1-Y
YZSe1-Z単結晶薄膜中の組成Yを大きくすること
ができた。加えて、ZnSの分子線強度を強くすること
により、組成Zを大きくすることができた。ゆえに、M
gとSの組成を、0<Y<1、0<Z<1の範囲で変化させる
ことができた。
【0060】また、ZnS化合物、金属Mg、MgS化
合物及びMgSe化合物の各原料を入れたそれぞれの加
熱蒸発源の温度を固定することによって、各分子線強度
を一定にすることができた。しかし、ZnSeを入れた
加熱蒸発源の温度は一定温度では分子線強度が一定にな
らなかったため、0.01℃/分の勾配で加熱蒸発源の
温度を上昇させることによって分子線強度を一定に保っ
た。
【0061】(実施例4)本実施例では、金属Mgおよ
びZnSX'Se1-X'(X'=0.50)混晶を原料として、
Zn1-YMgYZSe1-Z単結晶薄膜を成長した。
【0062】格子定数はGaAsに一致し、結晶性も良
好なものであった。そしてバンドギャップは12Kで2.
94eVであった。その組成はY=0.065およびZ=0.1
7である。成長温度280℃でこの組成を得るための分
子線強度はP(ZnSSe)=2.50x10-6Tor
r、 P(Mg)=2.3x10-8Torrであり、成長
速度は0.55μm/hであった。成長中のRHEEDパターン
は(2x1)とc(2x2)の混在できれいなストリーク
であった。薄膜表面は鏡面を呈していた。得られるZn
1-YMgYZSe1-Z単結晶薄膜の組成Yは 成長温度お
よび分子線強度比P(Mg)/(P(ZnSSe)+P
(Mg))に依存する。そのため一概に規定し難いが、
組成Yを大きくするためには高い成長温度あるいは大き
な前記分子線強度比を採用することによって可能とな
る。組成Yを小さくするためには成長温度を低く設定す
るかあるいは前記分子線強度比を小さくすれば良い。さ
らに得られるZn1-YMgYZSe1-Z単結晶薄膜の組成
Zは 成長温度およびZnSX'Se1-X'混晶原料の組成
X'に依存する。そのため一概に規定し難いが、組成Zを
大きくするためには低い成長温度あるいは組成X'が大き
な混晶原料を使用することによって可能となる。組成Z
を小さくするためには成長温度を高く設定するかあるい
は原料組成X'を小さくすれば良い。このように成長温度
および分子線強度比および混晶原料の組成X'を変化させ
ることにより、得られるZn1-YMgYZSe1 -Z単結晶
薄膜の組成Y、Zは0<Y<1、0<Z<1の範囲を制御する
ことが可能である。
【0063】また前記実施例の金属Mg原料をMgS化
合物あるいはMgSe化合物に置き換え、ZnSX'Se
1-X'(0<X'<1)混晶原料と組み合わせることによって
Zn1-YMgYZSe1-Z単結晶薄膜の成長が可能であ
る。組成Y、Zは成長温度および分子線強度比および混
晶原料の組成X'を変化させることにより0<Y<1、0<Z<
1の範囲で制御することが可能である。
【0064】(実施例5)本実施例では、Zn1-Y'Mg
Y'Z'Se1-Z'(0<Y'<1かつ0<Z'<1)混晶を原料と
して、Zn1-YMgYZSe1-Z(0<Y<1かつ0<Z<1)
単結晶薄膜を作製することができる。
【0065】組成Y、Zは基板温度に依存するため一概に
規定し難いが、Y>Y’およびZ<Z’なる関係とな
る。基板温度100℃から400℃の範囲ではMgの付
着係数はZnに比べて高いことおよびSの付着係数はS
eに比べて小さいためである。Zn1-Y'MgY'Z'Se
1-Z'(0.02≦Y'≦0.08かつ0.30≦Z'≦0.6
0)混晶を原料として用い、かつ200℃から350℃
に加熱された基板上に成長した。Zn1-YMgYZSe
1-Z単結晶薄膜の組成は基板温度に依存するため一概に
規定し難いが、0.05≦Y≦0.15かつ0.10≦Z≦
0.25の範囲になる。この組成のZnMgSSe薄膜
は77Kでのバンドギャップが2.85eVから3.10eV
の範囲にあり、不純物添加によって低抵抗化が可能であ
る。さらに得られた膜の格子定数はGaAsやZnSe
に近く結晶性も優れたものとなる。ゆえにこの組成のZ
nMgSSe薄膜は、デバイス構成材料として極めて重
要である。そして本発明ではZnMgSSe混晶薄膜を
一つの原料で作製できるため、極めて再現性が高くまた
簡便な方法である。
【0066】(実施例6)本実施例では、ZnSe化合
物およびZnS化合物を用いて無添加ZnSSe単結晶
薄膜を成長した。図4は、無添加ZnSSe単結晶薄膜
から測定されたフォトルミネッセンス(PL)スペクト
ルである。12KでのPL測定では、436.5nmに自由
励起子発光(EX)および437.3nmにI2発光が観測
される。EX発光が支配的であることは、得られたZn
SSe薄膜、ならびに原料であるZnSe化合物および
ZnS化合物が高純度であることを意味している。
【0067】得られたZnSXSe1-X薄膜の組成は、X=
0.065であり、この組成を得るための一つの成長条
件は、基板温度280℃で分子線強度がP(ZnSe)
=1.75x10-6TorrかつP(ZnS)=3.5x10
-7Torrである。組成Xは、基板温度および分子線強
度比 P(ZnS)/(P(ZnSe)+P(Zn
S))に依存する。基板温度が高くなると組成Xは小さ
くなる。また前記分子線強度比が大きくなると組成Xは
大きくなる。すなわち280℃よりも低い成長温度で
は、前記分子線強度例のP(ZnS)をより小さくする
必要がある。塩素または窒素を成長中のZnSSeにド
ーピングすることによって、n型またはp型伝導を制御
することができる。
【0068】(実施例7)本実施例では、ZnSX'Se
1-X'(0<X'<1)混晶を原料として用いて、ZnSX
1-X(0<X<1)単結晶薄膜を成長した。
【0069】組成Xは基板温度に依存するため一概に規
定し難いが、X<X’なる関係となる。基板温度100
℃から400℃の範囲ではSの付着係数はSeに比べて
小さいためである。
【0070】(実施例8)本実施例では、ZnSX'Se
1-X'(0.08≦X'≦0.40)混晶を原料として用い、
かつ分子線強度P(ZnSSe)=2.0x10-6Tor
rで200℃から350℃に加熱された基板上にZnS
XSe1-X単結晶薄膜を成長した、得られたZnSXSe
1-X単結晶薄膜の組成は、基板温度に依存するため一概
に規定し難いが、本実施例では、0.03≦X≦0.10
の範囲になった。この組成を有するZnSSe薄膜の格
子定数は、GaAsの格子定数に近く、優れた結晶性を
有するため、デバイス構成材料として極めて重要であ
る。本実施例によれば、ZnSSe混晶薄膜を一つの原
料から作製できるため、極めて再現性が高くまた簡便で
ある。
【0071】(実施例9)本実施例では、ZnMgSS
eクラッド層(厚さ:1μm)、ZnSSe光ガイド層
(厚さ:0.1μm)、ZnCdSe活性層(厚さ:約
20nm以下)、ZnSSe光ガイド層(厚さ:0.1
μm)、及びZnMgSSeクラッド層(厚さ:1μ
m)を連続的に成長させ、レーザ構造を形成した。
【0072】得られたZnSSe薄膜及びZnMgSS
e薄膜はGaAs基板に格子整合しているが、ZnCd
Se活性層は、GaAsよりも格子定数が大きく、Ga
As基板に格子整合していない。欠陥がZnCdSe薄
膜に導入されない程度に、ZnCdSe薄膜の厚みを薄
く設定している。欠陥が入らないZn1-WCdWSe薄膜
の厚みは、組成Wに依存し一概に規定し難いが、およそ
20nm以下である。
【0073】組成WとZnCdSe薄膜の室温バンドギ
ャップ(Eg)は、下式で規定される。
【0074】 Eg(W)/[eV]=2.635−1.235W+0.30W2 −(1.07+W)(0.04+W)/(7.22−W)/(14.89+W) (2) Egの値は、レーザ発振波長のエネルギーに等しくしてい
る。式(2)では、ZnCdSe薄膜の厚さは5nm以上
と仮定し、量子効果によるレーザ発振のブルーシフトを
考慮していない。組成Wは、図5の如く、Cd関連分子
線とZnSe化合物の分子線との強度比に依存する。本
実施例では、ZnSeの分子線強度をP(ZnSe)=
1.75x10-6Torrに、基板温度を280℃に、そ
れぞれ固定して成長を行った。
【0075】金属CdとZnSe化合物とを用いた場
合、分子線強度比がP(Cd)/(P(Cd)+P(Z
nSe))≦0.2の領域で、組成Wは直線的に変化す
る。しかし、分子線強度比が0.2以上の領域では、II
族サイトに位置しようとする競合がCdとZnとの間で
起こるため、組成Wは飽和傾向を示す。従って、W=0.
2付近の組成を有するZnCdSe薄膜を得る場合、本
実施例の方法によれば、各加熱蒸発源の分子線強度が変
動しても組成再現性良いZnCdSe薄膜が得られる。
【0076】CdSe化合物とZnSe化合物とを用い
た場合、任意の分子線強度比P(CdSe)/(P(C
dSe)+P(ZnSe))において、組成Wは直線的
に変化する。CdSe原料によってSeが十分に供給さ
れているため、CdとZn間との間で競合が起こらず、
組成Wは飽和傾向を示さない。本実施例の方法を用いる
と、前記分子線強度比でZnCdSe薄膜の組成Wを自
由に制御することができる。またCdSe化合物からの
分子線強度は、図6の如くセルシャッターの開閉で起こ
るバーストが安定強度に対して1%程度と小さくしかも
1分以内に安定化する。そのため同一組成のZnCdS
e薄膜を活性層に複数導入する多重量子井戸(MQW)構
造を作製することに適している。
【0077】さらに、Zn1-W'CdW'Se(0<W'<1)
混晶を原料として用いた場合、基板温度100℃から4
00℃の範囲でZn1-WCdWSe(0<W<1)単結晶薄
膜を作できた。組成Wは組成W'の値にほぼ等しい値を
示した。
【0078】図7は、金属Zn、金属SeおよびZnS
化合物を原料にして作製したn型ZnSXSe1-X(0.
05<X<0.08)単結晶薄膜と、金属Zn、金属Se、
金属MgおよびZnS化合物を原料にして作製したn型
Zn1-YMgYZSe1-Z(0.05<Y<0.08かつ0.1
3<Z<0.20)単結晶薄膜におけるキャリヤ密度のドー
ピング条件依存性を示している。ここで、ドーピング条
件とは、ZnCl2が充填された蒸発源の温度(TCl
を意味している。
【0079】一方、図8は、ZnSe化合物およびZn
S化合物を原料にして作製したn型ZnSXSe
1-X(0.05<X<0.08)単結晶薄膜と、ZnSe結
晶、金属MgおよびZnS結晶を原料にして作製したn
型Zn1-YMgYZSe1-Z(0.05<Y<0.08かつ0.
15<Z<0.18)単結晶薄膜におけるキャリヤ密度のド
ーピング条件依存性を示している。
【0080】図7の薄膜に比べ、図8の薄膜のキャリヤ
密度のバラツキは小さく、再現性が高いことが判る。
【0081】また、図7の薄膜の場合、格子不整が-0.
2%から+0.2%の範囲にあったが、図8の薄膜の場
合、格子不整は-0.12%から+0.12%の範囲にあ
った。格子定数のバラツキが小さいことは、組成のバラ
ツキが小さいことを示している。本発明の結晶成長方法
によれば、組成のバラツキを小さくできるため、格子定
数やキャリヤ密度の再現性が極めて高いことが判明し
た。ただし、分子線強度の変動による組成のズレの幅
は、MBE装置によって異なる。そのため一概にその改
善の程度は特定できないが、同一装置であれば本発明の
結晶成長方法を用いることによって、従来の方法よりも
再現性が向上することが期待できる。
【0082】本実施例では、Clをドーピングしたn型
半導体のみついて述べたが、Ga、In、Al、Br、I
等の他のドナー性不純物についてもキャリヤ密度の再現
性が向上することは明らかである。またN、As、Pに
よるアクセプタ性不純物添加によるp型半導体において
もキャリヤ密度の再現性が向上することは明らかであ
る。
【0083】(実施例10)次に、図11を参照しなが
ら、本発明による結晶成長方法を用いて半導体レーザを
製造する方法を説明する。図11は、半導体レーザ素子
のクラッド層および光ガイド層および活性層にそれぞれ
ZnMgSSe単結晶薄膜、ZnSSe単結晶薄膜、Z
nCdSe単結晶薄膜を利用している。
【0084】本実施例では、図2に示すMBE装置に類
似するMBE装置を使用した。従来の方法によれば、使
用する原料は、金属Zn、金属Se、金属Cd、金属M
g、金属Te、ZnS結晶、窒素ガス、塩化亜鉛(ZnC
2)であった(例えば S.Itoh et al. Japanese
Journal of Applied Physics Vol.32、pp.L1
530-L1532、1993.)。このように、従来方
法では、8種類の原料が必要である。しかし、本実施例
の方法によれば、図2から明らかなように、7種類の原
料で済む。n型およびp型のキャリヤ密度は、それぞれ
ZnCl2によるClドーピングそして窒素プラズマに
よるNドーピングにより制御している。
【0085】まず、n型GaAs基板11上に、n型G
aAs:Siバッファー層(膜厚0.45μm、Nd-Na=2x
1018cm-3)12、n型ZnSe:Clコンタクト層
(膜厚30nm、Nd-Na=6x1017cm-3)13、n型Zn
MgSSe:Clクラッド層(膜厚0.8μm、Nd-Na=4x
1017cm-3)14、n型ZnSSe:Cl光ガイド層
(膜厚85nm、Nd-Na=1x1017cm-3)15、量子井戸
活性層(Zn0.65Cd0.35Se量子井戸層(井戸幅2.
4nm、4層)、ZnSSe障壁層(幅3.4nm、3
層))16、p型ZnSSe:N光ガイド層(膜厚85n
m、Na-Nd=1x1017cm-3)17、p型ZnMgSSe:N
クラッド層(膜厚0.8μm、Na-Nd=3x1017cm-3)1
8、p型ZnSe:Nコンタクト層(膜厚40nm、Na-Nd=
7x1017cm-3)19、p型ZnSe:N/ZnTe:N超格
子コンタクト層(各膜厚2nm、20周期、Na-Nd=1x1
18cm- 3)20、p型ZnTe:Nコンタクト層(膜厚37
nm、Na-Nd=2x1019cm-3)21を順次エピタキシャル
成長する。好ましくは、これらのエピタキシャル成長
は、GaAsバッフィ層を成長するためのMBE装置
と、II-VI族半導体層を成長させるMBE装置とが真空
チューブで連結されたシステム内で連続して実行され
る。
【0086】本実施例では、各半導体層の原料として次
のような原料を用いた。すなわち、ZnSe層の原料
は、ZnSe多結晶化合物である。ZnMgSSe層の
原料は、ZnSe多結晶化合物、ZnS多結晶化合物及
び金属Mgである。ZnSSe層の原料は、ZnSe多
結晶化合物及びZnS多結晶化合物である。ZnCdS
e層の原料は、ZnSe多結晶化合物及びCdSe多結
晶化合物である。
【0087】こうして形成したZnMgSSe薄膜およ
びZnSSe薄膜は、GaAs基板1に格子整合してい
る。ZnMgSSe薄膜のバンドギャップは室温で2.
83eVである。
【0088】次に、ホトリソグラフィー技術により、p
型コンタクト層19〜21をストライプ状にエッチング
する。エッチングにより形成した凹部を絶縁体で埋めた
後。Au電極22を蒸着する。基板21の裏面には、I
n電極23を形成する。こうして、電極ストライプ型の
半導体レーザが得られる。半導体レーザの共振器は、へ
き開によって形成される。
【0089】図11に示される半導体レーザのAu電極2
2とIn電極2との間に約13Vの電圧をパルス状に印加
すると、約88mAの電流が流れ、波長約518nmの
レーザ光を得ることができた。測定温度は室温である。
光出力は図12の如く片端面で100mWを越えた。レ
ーザ発振にはZnMgSSeクラッド層およびZnSS
e光ガイド層およびZnCdSe活性層の結晶性が十分
であることが要求されるが、本発明の方法において そ
の結晶性が得られていることが判る。また同様の構造を
いくつか作製したが、しきい電流はほぼ同一の値を示し
再現性が高いことを確認している。なお、活性層のCd
組成は、W=0.35であり。式(2)より期待される
波長555nmよりも短波長の518nmでレーザ発振
している。その理由は、井戸層の厚さが2.4nmと非
常に薄く、量子効果によるブルーシフトが生じたためで
ある。
【0090】本実施例では、主原料としてZnSe化合
物、ZnTe化合物、ZnS化合物、CdSe化合物、金
属Mgを用いたが、本発明はこれらの原料に限定されな
い。すなわちZnMgSSe単結晶薄膜は、MgS化合
物あるいはMgSe化合物のいずれか一つとZnSe化
合物とZnS化合物の3種類を原料として、または金属
MgあるいはMgS化合物あるいはMgSe化合物のい
ずれか一つとZnSSe混晶の2種類を原料として、ま
たはZnMgSSe混晶のみを原料として用いても再現
性良く成長することができる。ZnSSe単結晶薄膜
は、ZnSSe化合物を原料として用いても再現性良く
成長することができる。ZnCdSe単結晶薄膜は、金
属CdおよびZnSe化合物を原料として、あるいはZ
nCdSe化合物のみを原料として用いても再現性良く
成長することができる。
【0091】
【発明の効果】以上のように、本発明はZnMgSSe
単結晶薄膜、ZnSSe単結晶薄膜、ZnCdSe単結
晶薄膜を高い組成再現性および高いキャリヤ密度再現性
および低コストで結晶成長を実現することを可能とする
ものであり、これらの材料から構成されるデバイスを再
現性良く、低コストに供給するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のMBE装置の構造断面図模式図。
【図2】本発明で使用するMBE装置の構造断面図模式
図。
【図3】12KにおけるClドープZnMgSSe薄膜
のPLスペクトルを示すグラフ。
【図4】12Kにおける無添加ZnSSe薄膜のPLス
ペクトルを示すグラフ。
【図5】Zn1-WCdWSe薄膜の組成Wと分子線強度比
(P(Cd)/(P(Cd)+P(ZnSe))、 P
(CdSe)/(P(CdSe)+P(ZnSe))の
関係を示すグラフ。
【図6】シャッター開閉によるCdSe分子線強度の変
化を示す図。
【図7】従来方法により作製したn型ZnSSe薄膜
(白丸)およびn型ZnMgSSe薄膜(黒丸)のキャ
リヤ密度のドーピング条件依存性を示すグラフ。
【図8】本発明の方法により作製したn型ZnSSe薄
膜(白丸)およびn型ZnMgSSe薄膜(黒丸)のキ
ャリヤ密度のドーピング条件依存性を示すグラフ。
【図9】従来の方法で成長中のZnSe薄膜表面から得
られたRHEEDパターンの分子線強度比(JSe/JZn)と
基板温度とに対する依存性を示すグラフ。
【図10】本発明の方法で成長中のZnSe薄膜表面か
ら得られたRHEEDパターンの基板温度依存性を示す図。
【図11】本発明の方法を用いて製造した半導体レーザ
の構造断面図。
【図12】図11の半導体レーザの光出力−電流特性を
示すグラフ。
【符号の説明】
1〜6 加熱蒸発源 8 プラズマセル 9 基板加熱機構 10 基板 11 n型GaAs基板 12 n型GaAs:Siバッファー層 13 n型ZnSe:Clコンタクト層 14 n型ZnMgSSe:Clクラッド層 15 n型ZnSSe:Cl光ガイド層 16 量子井戸活性層 17 p型ZnSSe:N光ガイド層 18 p型ZnMgSSe:Nクラッド層 19 p型ZnSe:Nコンタクト層 20 p型ZnSe:N/ZnTe:N超格子コンタクト層 21 p型ZnTe:Nコンタクト層 81 窒素ガスホンベ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属Mg、MgS化合物及びMgSe化
    合物からなる群から選択された何れか一つの材料と、Z
    nSe化合物と、ZnS化合物とを別々の加熱蒸発源に
    それぞれ充填する工程と、 該加熱蒸発源の温度及び分子線強度を制御することによ
    って、加熱した基板上にZn1-YMgYZSe1-Z(0<Y
    <1かつ0<Z<1)単結晶薄膜を結晶成長させる工程と、
    を包含する結晶成長方法。
  2. 【請求項2】 金属Mg、MgS化合物及びMgSe化
    合物からなる群から選択された何れか一つの材料と、Z
    nSX'Se1-X'(0<X'<1)混晶とを別々の加熱蒸発源
    にそれぞれ充填する工程と、 該加熱蒸発源の温度及び分子線強度を制御することによ
    って、加熱した基板上にZn1-YMgYZSe1-Z(0<Y
    <1かつ0<Z<1)単結晶薄膜を結晶成長させる工程と、
    を包含する結晶成長方法。
  3. 【請求項3】 Zn1-Y'MgY'Z'Se1-Z'(0<Y'<1
    かつ0<Z'<1)混晶を加熱蒸発源に充填する工程と、 該加熱蒸発源の温度及び分子線強度を制御することによ
    って、加熱した基板上にZn1-YMgYZSe1-Z(0<Y
    <1かつ0<Z<1)単結晶薄膜を結晶成長させる工程と、
    を包含する結晶成長方法。
  4. 【請求項4】 Zn1-Y'MgY'Z'Se1-Z'(0.02
    ≦Y'≦0.08かつ0.30≦Z'≦0.60の混晶を前記
    加熱蒸発源に充填し、Zn1-YMgYZSe1-Z(0.0
    5≦Y≦0.15かつ0.10≦Z≦0.25)単結晶薄膜
    を結晶成長させる請求項3に記載の結晶成長方法。
  5. 【請求項5】 ZnSe化合物およびZnS化合物を別
    々の加熱蒸発源に充填する工程と、 該加熱蒸発源の温度及び分子線強度を制御することによ
    って、加熱した基板上にZnSXSe1-X(0<X<1)単
    結晶薄膜を結晶成長させる工程と、を包含する結晶成長
    方法。
  6. 【請求項6】 ZnSX'Se1-X'(0<X'<1)混晶を加
    熱蒸発源に充填する工程と、 該加熱蒸発源の温度及び分子線強度を制御することによ
    って、加熱した基板上にZnSXSe1-X(0<X<1)単
    結晶薄膜を結晶成長させる工程と、を包含する結晶成長
    方法。
  7. 【請求項7】 ZnSX'Se1-X'(0.08≦X'≦0.4
    0)混晶を加熱蒸発源に充填し、加熱した基板上にZn
    XSe1-X(0.03≦X≦0.10)単結晶薄膜を結晶
    成長させる請求項6に記載の結晶成長方法。
  8. 【請求項8】 金属Cd、CdSe化合物からなる群か
    ら選択した何れか一つの材料と、ZnSe化合とを別々
    の加熱蒸発源にそれぞれ充填する工程と、 該加熱蒸発源の温度及び分子線強度を制御することによ
    って、加熱した基板上にZn1-WCdWSe(0<W<1)
    単結晶薄膜を結晶成長させる結晶成長方法。
  9. 【請求項9】 Zn1-W'CdW'Se(0<W'<1)混晶を
    加熱蒸発源に充填する工程と、 該加熱蒸発源の温度及び分子線強度を制御することによ
    って、加熱した基板上にZn1-WCdWSe(0<W<1)
    単結晶薄膜を結晶成長させる工程と、を包含する結晶成
    長方法。
  10. 【請求項10】 前記加熱した基板の温度を100℃か
    ら400℃の範囲内に設定する請求項1から請求項9の
    何れかに記載の結晶成長方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9に記載の結晶成長方法を
    用いて単結晶薄膜を形成する工程を包含する半導体装置
    の製造法。
  12. 【請求項12】 請求項8または9に記載の結晶成長方
    法を用いて、Zn1- WCdWSe(0<W<1)単結晶薄膜
    からなる量子井戸層を形成し、請求項5または6に記載
    の結晶成長方法を用いて、ZnSXSe1-X(0<X<1)
    単結晶薄膜からなる障壁層を形成し、それによって量子
    井戸活性層を形成する半導体装置の製造方法。
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