JPH088170A - ポリイミド樹脂膜の形成方法及びポリイミド樹脂膜形成装置 - Google Patents

ポリイミド樹脂膜の形成方法及びポリイミド樹脂膜形成装置

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JPH088170A
JPH088170A JP14203594A JP14203594A JPH088170A JP H088170 A JPH088170 A JP H088170A JP 14203594 A JP14203594 A JP 14203594A JP 14203594 A JP14203594 A JP 14203594A JP H088170 A JPH088170 A JP H088170A
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JP
Japan
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film
polyimide precursor
polyimide
humidity
forming
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Withdrawn
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JP14203594A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Hayashi
伸之 林
Motoaki Tani
元昭 谷
Hiroyuki Machida
裕幸 町田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリイミド前駆体を基板上に製膜する際に、
製膜環境を湿度30%以下に設定し、露光、現像後に発
生するクラックを防止し、高品質の絶縁膜を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 ポリイミド前駆体を基板上に製膜する環境
を、容器12で封止し、湿度30%以下の低湿度気体を
容器12内へ導入して、製膜環境を湿度30%以下に設
定する。この容器内部でポリイミド前駆体は、製膜環境
を湿度30%以下でスピンコート法により製膜される

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミド樹脂膜の形
成方法及びポリイミド樹脂膜形成装置に係り特にポリイ
ミド前駆体膜形成時の湿度を制御することを特徴とする
ポリイミド樹脂膜の形成方法及びポリイミド樹脂膜形成
装置に関する。
【0002】一般的に、電子材料用ポリイミドは、多層
プリント基板、液晶の配向膜、LSIのα線保護コー
ト、パッシベーション膜等に使用されている。また、L
SIのパッシベーション膜及び、多層配線用の層間絶縁
膜といったポリイミド樹脂膜上にパターニングを行なう
利用分野の工程を簡素化するために、上記電子材料用ポ
リイミドに感光性を付与した感光性ポリイミド樹脂膜が
開発、製品化されている。この品質の向上のために、製
膜条件を最適化する方法、及び最適条件を実現すること
は、信頼性の高い半導体素子を得るために重要である。
【0003】
【従来の技術】近年、有機物の絶縁膜としてポリイミド
樹脂膜が注目されている。
【0004】しかし、耐熱性、絶縁性、強靱性を持つポ
リイミド樹脂膜はもともと感光性を持たないので、ポリ
イミド樹脂の微細パターン形成プロセスは従来のレジス
トを利用したものであり、煩雑なものであった。
【0005】上記した従来のパターニング工程の具体例
をについて、図4と共に述べる。
【0006】パターニング工程を実施するには、先ず図
4(A)のようにプリント板や、シリコン基板(ウェー
ハ)等のポリイミド樹脂膜を形成する製膜基板2上に感
光性を持たないポリイミド前駆体をスピンコート、スプ
レーコート、ロールコートといった製膜方法を用いて塗
布してポリイミド前駆体膜30を形成し、更にその上か
ら同様の製膜方法でレジスト膜31を形成する。
【0007】次にポリイミド前駆体膜1及びレジスト膜
31を形成した状態の製膜基板2に対してプリベークを
行なう。
【0008】プリベークによってポリイミド前駆体膜3
0、及びレジスト31膜中の有機溶媒は蒸発し、基板2
上のポリイミド前駆体膜30の上のレジスト膜31は感
光板になる この感光板にフォトマスク32を被せ、上
部から光を当てて、露光する。最上層のレジスト膜31
は、光源となる光に対して反応し、光の当たった領域
と、マスク32の影になり光の当たらなかった領域と
で、溶解度の違いが生じるような分子構造に変化する。
【0009】露光した感光板に現像処理を施すと、上記
溶解度の差異に応じてマスク32のパターンがレジスト
膜31上に転写され、更にレジスト膜31に対するポス
トベークを行なって、露光によるレジスト膜31のパタ
ーニングが終了する。
【0010】上記工程の後、ドライ、或いはウェットエ
ッチングによって、レジスト膜31をマスクとしたポリ
イミド前駆体膜30へのパターニングが行なわれる。
【0011】即ち、レジスト膜31に覆われている領域
へは、エッチング工程において、ポリイミド前駆体膜3
0と化学反応を起こしてエッチングプロセスを進行させ
る物質であるエッチャント(ドライエッチングにおける
プラズマ中のイオンや、ウェットエッチングにおけるエ
ッチング液中のイオン)が届かずに残る。
【0012】しかし、レジスト膜31の無い領域に対し
てはエッチャントがポリイミド前駆体膜30と化学的に
作用して、ポリイミド前駆体膜30を浸食することによ
りレジスト31のパターンが図4(C)のように、ポリ
イミド前駆体膜30からなる膜に転写されるのである。
【0013】その後、図4(D)のようにレジスト膜3
1の剥離と、ポリイミド前駆体膜30をイミド化させる
ための熱処理を施して、ポリイミド樹脂膜33が完成す
る。上記したようにレジストを用いた微細パターンのパ
ターニング工程は複雑で生産効率が悪く、これに伴いコ
スト的にも不利であった。一方、このような煩雑な処理
を削減するために各材料メーカーからレジストの助けを
借りないで、ポリイミドの微細パターンを形成する感光
性ポリイミドなるものが、種々製品化されている。
【0014】この感光性ポリイミドは、ポリイミド自体
の分子内に、感光性の官能基を付与し、露光された部分
だけ光反応させ、未露光部分との溶解性を変え、溶媒処
理で現像することにより、マスク32に従ったパターン
形成が行なえると言うものである。
【0015】元来、ポリイミド前駆体は芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物と、一部にシロキサン結合を持つ全芳
香族ジアミンを原料としている。感光性ポリイミドとい
うのは、各材料メーカーが樹脂の分子内に、共有結合や
イオン結合により感光性の官能基を付与したもの、或い
は前記したポリイミド系樹脂に感光性を付与した部材に
よって構成される複合材料を指す。
【0016】図5は、従来の感光性ポリイミド前駆体膜
を形成する方法、及び装置を示すための概略構成図であ
る。図5記載の装置は、主に製膜基板の搬送系7と、ポ
リイミド前駆体滴下部3と、ポリイミド前駆体タンク4
と、製膜基板ステージ9とから成るポリイミド前駆体1
の塗布部分と、ベーク炉6と、ヒーター用熱源部7とか
ら成るベーク部とから構成される。
【0017】装置全体の寸法は全長150cm、高さ8
0cm、幅60cmで、架台内に廃液タンク8が内挿さ
れており、製膜基板2を複数枚収納する製膜基板キャリ
ア5がついている。製膜基板キャリア5と製膜基板ステ
ージ9の間に製膜基板2を搬送するアームによるステン
レス製の搬送系7で接続される。
【0018】また、同図の装置には、装置上面にベーク
炉6が併設されている、装置上部に設置された樹脂前駆
体のタンク4とポリイミド樹脂前駆体滴下部3はパイプ
で接続されている。ポリイミド樹脂前駆体滴下部3は、
先端がノズル状になっており、この直下に製膜基板ステ
ージ9が配置され、製膜基板ステージ9の中央には真空
チャック11用の孔が設けてある。
【0019】製膜基板2は搬送系7によって製膜基板キ
ャリア5から1枚ずつ搬出されて、製膜基板ステージ9
上に導かれ、真空チャック11で製膜基板ステージ9に
固定される。
【0020】続いて、ポリイミド前駆体タンク4が装置
上部に設置されていることによる落差でポリイミド前駆
体1がポリイミド前駆体滴下部3ヘ輸送されてくる。輸
送されてきたポリイミド前駆体1は、ポリイミド前駆体
の滴下部3を介して、予め回転しはじめた製膜基板ステ
ージ9上の製膜基板2上に滴下される。
【0021】製膜基板ステージ9、及び製膜基板2が回
転する遠心力と、ポリイミド前駆体1の粘性とで、形成
されるポリイミド前駆体膜30の厚さが決定する。
【0022】尚、製膜基板に塗布されなかったポリイミ
ド前駆体1は、廃液タンク8に集められ、後ほど回収さ
れる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかし、感光性ポリイ
ミドは、現像後の膜にクラックが発生することが問題に
なる。クラックの発生は、特に湿度50%以上でコーテ
イ ングした際顕著になり膜の絶縁性を低下させ、これを
用いた半導体装置の歩留りや信頼性をも低下させる。
【0024】また、クラックを避けるために、従来の感
光性を持たないポリイミド部材を使うと、レジストの塗
布、剥離、ポリイミド膜のエッチングと言った工程を追
加することが必要になり、工程の複雑化及びこれに伴う
コストの上昇が生じてしまうことは前記した通りであ
る。
【0025】本発明は、以上の点を鑑みて行われたもの
であり、感光性ポリイミド樹脂膜を形成する工程でポリ
イミド前駆体膜を湿度30%以下の環境で形成する事に
より、クラックの発生の無い信頼性の高いポリイミド樹
脂膜の形成方法及びポリイミド樹脂膜形成装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1からなる発明
は、ポリイミド前駆体を基板上に被膜形成した後、該ポ
リイミド前駆体膜に対して熱処理を行なうことにより、
ポリイミド樹脂膜を形成するポリイミド樹脂膜の形成方
法において、上記ポリイミド前駆体を基板上に被膜形成
する際、少なくともポリイミド前駆体膜を形成する膜形
成領域の湿度を制御してポリイミド前駆体膜を形成する
ことを特徴とする。
【0027】請求項2からなる発明は、上記したポリイ
ミド前駆体膜形成領域の湿度を制御する際、少なくとも
ポリイミド前駆体膜を形成する領域内に、湿度30%以
下の乾燥気体を導入することを特徴とする。
【0028】請求項3からなる発明は、ポリイミド前駆
体が、感光性ポリイミドであることを特徴とする。
【0029】請求項4からなる発明は、上記したポリイ
ミド前駆体膜から成る膜を基板上に被膜形成するポリイ
ミド前駆体膜形成装置において、少なくともポリイミド
前駆体膜を形成する領域の湿度を制御する温度制御装置
を設けたことを特徴とする。
【0030】
【作用】請求項1及び4の発明においては、少なくとも
ポリイミド前駆体からなる膜を形成する領域の湿度を制
御することができるため、ポリイミド樹脂膜の形成に望
ましいポリイミド前駆体膜の形成条件を設定することが
可能となる。
【0031】請求項2の発明においては、少なくともポ
リイミド前駆体を形成する領域内に、湿度30%以下の
乾燥気体を導入することにより、ポリイミド樹脂膜のク
ラック発生を防止することができる。図6は本発明者が
実施したクラック発生率とポリイミド前駆体膜を形成す
る領域の湿度との関係を示している。
【0032】同図に示されるようにポリイミド樹脂膜の
クラック発生率は上記領域の湿度が30%を越えると急
激に増大する。よって、湿度30%以下の乾燥気体を上
記領域内に導入することによりポリイミド樹脂膜におけ
るクラックの発生を防止することができる。
【0033】
【実施例】続いて、本発明の実施例を図面と共に説明す
る。
【0034】図1は、本発明の第1実施例の概略構成図
である。本実施例は請求項4に対応するものである。
【0035】本発明の装置の構成を述べる。装置上部に
は感光性のポリイミド前駆体が装填されたタンク4が設
置され、パイプ4aでポリイミド樹脂前駆体滴下部3と
接続されている。ポリイミド前駆体滴下部3は先端がノ
ズル状になっており、この直下に製膜基板ステージ9が
配置され、製膜基板ステージ9の中央には真空チャック
11用の孔が設けてある。
【0036】更に上記装置において、ポリイミド前駆体
滴下部3と、製膜基板ステージ9を含む樹脂前駆体膜の
製膜領域は、厚さ2mmのアクリル板より成る容器12
aに封止された構成とされている。
【0037】容器12aには湿度30%以下の乾燥気体
を供給する低湿度気体供給装置16が導入口13を介し
て接続されている。また容器12aには、容器12a内
の気体を含む気体を排出する排出口14も設けられてい
る。
【0038】導入配管13と、排出口14の両者のコン
ダクタンスには差異が有り、両者の比は、排出された気
体の容器12aへの逆流を防ぐように設計している。ま
た、容器12aには、ウェハーの出し入れを行なうため
の開閉口15が設けられている。続いて本発明によるポ
リイミド前駆体膜の形成方法について上記した装置の動
作と共に述べる。
【0039】ポリイミド前駆体膜を形成するには先ず開
閉口15を介して製膜基板2をステージ9上に設置した
上で開閉口15を閉める。続いて低湿度気体供給装置1
6を作動させ導入配管13を介して、湿度30%以下の
乾燥気体を容器12aに導入すると同時に排出口14を
開放する。
【0040】これにより容器12a内の気体が、湿度3
0%以下の乾燥気体に置換され始める。上記したように
導入配管13と排出口14との間にはコンダクタンスの
差が設けられているため、排出口14から排出された気
体が逆流する事はなくやがて容器12a内は湿度30%
以下の低湿度状態になる。
【0041】この状態でポリイミド前駆体1は装置外部
のポリイミド前駆体タンク4より、ポリイミド前駆体の
滴下部3を介して、予め回転しはじめた製膜基板ステー
ジ9上に固定された製膜基板2上に滴下される。
【0042】尚、製膜基板2が回転する遠心力と、ポリ
イミド前駆体1の粘性とで、製膜される樹脂前駆体膜の
厚さが決定される。
【0043】上記のように、図1に示した装置によれば
ポリイミド前駆体1の滴下、コーテイ ングが湿度30%
以下の環境下で実現される。
【0044】ポリイミド前駆体膜を形成された製膜基板
2は、図1には示されていないベーク炉によりプリベー
クを施され、溶媒を蒸発させた後に、図3(B)に示す
ように、光露光と現像処理を経て、図3(C)のポスト
ベークによりイミド化され、ポリイミド樹脂膜34とな
る。
【0045】また、製膜中に製膜環境に気体を導入させ
て、且つ排出させることで製膜環境の空中で浮遊してい
るパーテイ クルが形成される膜上に落下して、膜中に混
入されることが無くなり製膜されるポリイミド前駆体膜
の膜質が向上するという効果も付与された。
【0046】第2図は、本発明の第2実施例の概略構成
図である。
【0047】先ず装置の構成を述べる、図2記載の装置
は、主に製膜基板の搬送系7と、ポリイミド前駆体滴下
部3と、ポリイミド前駆体タンク4と、製膜基板ステー
ジ9とから成るポリイミド前駆体1の塗布部分20と、
ベーク炉6と、ヒーター用熱源部10とから成るベーク
部21と、容器12b、気体の導入配管13と、気体の
排出口14及び低湿度気体供給装置16とからなる湿度
の制御部24とから構成される。
【0048】装置全体の寸法は全長150cm、高さ8
0cm,幅60cmで、架台内に廃液タンク8が内挿さ
れており、製膜基板2を複数枚収納する製膜基板キャリ
ア5がついている。製膜基板キャリア5と製膜基板ステ
ージ9の間に製膜基板2を搬送するアームによるステン
レス製の搬送系7で接続される。
【0049】また、同図の装置には、装置上面にベーク
炉6が併設されている、装置上部に設置された樹脂前駆
体のタンク4とポリイミド樹脂前駆体滴下部3はパイプ
で接続されている。ポリイミド樹脂前駆体滴下部3は先
端がノズル状になっており、この直下に製膜基板ステー
ジ9が配置され、製膜基板ステージ9の中央には真空チ
ャック11用の孔が設けてある。
【0050】更に上記装置全体を厚さ2mmのアクリル
板より成る容器12bが封止するような構成になってい
る。容器12bには低湿度気体供給装置16で生成され
る湿度30%以下の乾燥気体を導入する導入配管13
と、湿度30%以上の高湿度気体を含む気体を排出する
排出口14が設けられている。
【0051】導入配管13と、排出口14との両者のコ
ンダクタンスには差異が有るように構成されており、両
者の比は、排出気体が容器12bへ逆流するのを防ぐよ
うに設計されている。尚、容器12bには操作者が出入
りするための開閉口15が設けられている。
【0052】続いて、上記した第2実施例に係る装置を
用いたポリイミド前駆体膜の形成方法を述べる。
【0053】製膜基板2は搬送系7によって製膜基板キ
ャリア5から1枚ずつ搬出されて、製膜基板ステージ9
上に導かれ、真空チャック11で製膜基板ステージ9に
固定される。
【0054】気体の導入配管13を介して低湿度気体供
給装置16より、容器b内に湿度30%以下の乾燥気体
を導入すると同時に排出口14を開放すると、湿度30
%以上の高湿度気体が、湿度30%以下の乾燥気体に置
換され始め、やがて容器12b内は湿度30%以下の低
湿度状態になる。
【0055】続いて、ポリイミド前駆体タンク4が装置
上部に設置されていることによる落差でポリイミド前駆
体1がポリイミド前駆体滴下部3ヘ輸送されてくる。輸
送されてきたポリイミド前駆体1は、ポリイミド前駆体
の滴下部3を介して、予め回転している製膜基板ステー
ジ9上の製膜基板2上に滴下される。尚、製膜基板に塗
布されなかったポリイミド前駆体1は、廃液タンク8に
回収される。
【0056】ポリイミド前駆体膜1を形成された製膜基
板2は、湿度30%以下の低湿度状態である容器12b
の内部で、再び搬送系7によって露光のプリベークを行
うためにベーク炉6に入る。ベーク炉6でプリベークを
施されたポリイミド前駆体膜16、及び製膜基板2は、
搬送系7によって製膜基板キャリア5に収納される。第
2実施例の場合、搬送系から、ベーク炉6でのプリベー
クまでの、全ての工程が湿度30%以下の環境下で行わ
れるので、製膜されたばかりの樹脂膜が再び水分を吸収
する危険が小さい。さらに製膜基板キャリア5に格納し
た製膜基板を自動的に処理することが出来、効率的な処
理を行えるという点で有利である。
【0057】また、製膜中に製膜環境に気体を導入させ
て、且つ排出させることで製膜環境の空中で浮遊してい
るパーテイ クルが形成される膜上に落下して膜中に混入
されることが無くなり製膜されるポリイミド前駆体膜の
膜質が向上するという効果も付与された。
【0058】以下に、本発明の効果を実証するために本
発明者が行った実験について説明する。
【0059】第1実施例に沿って行った実験では、ポリ
イミド樹脂部材1に、ポリイミド前駆体ワニス:感光性
ポリイミド前駆体(樹脂分18.0wt%)、製膜基板
2に3インチのポリッシュSiウェハーを使った。導入
配管13より湿度30%以下の窒素を導入しながら、排
出口14を開放し、湿度30%以下の窒素と容器12a
内に在った気体とを10分間置換した後、湿度30%を
保持したままスピナーの回転数1300rpmにて60
secの条件で塗布を行った。
【0060】容器12aより、ウェハー2を出して、プ
リベークを100℃、1時間の条件にて行い、更に、紫
外線による露光、現像処理を施してパターニングを完了
した。前記、パターニングを完了した感光性ポリイミド
前駆体膜を、顕微鏡で観察し、クラックの皆無である良
好な膜であることを確認して350℃、1時間のポスト
ベーク処理をしてイミド化させ、ポリイミド樹脂膜を得
た。
【0061】この実験によって得られたポリイミド前駆
体膜の、クラックの発生量率と製膜環境の湿度との関係
を調べ、図6に示す。
【0062】尚図6に結果を示した実験結果は、1ロッ
ト24枚のウェハーに対して第1実施例に示した製膜方
法でポリイミド前駆体膜の形成を各湿度の雰囲気中で行
い、顕微鏡による目視検査でクラックが発生したと認め
られるウェハーの割合をクラック発生率とした。
【0063】同図から明らかなように、クラックの発生
率は湿度が30%を超える領域において急激に増大して
いる。従って上記したように容器12a、12b内を3
0%以下の湿度に維持してポリイミド前駆体膜を形成す
ることにより、ポリイミド樹脂膜のクラックを低減する
ことができる。
【0064】また、湿度30%以下の気体にアルゴンを
用いて、同様な実験を行ったところこの実験においても
パターニングを完了した感光性ポリイミド前駆体膜が、
顕微鏡で観察し、クラックの皆無である良好な膜である
ことを確認した。
【0065】第2実施例に沿って行った実験において
も、第1実施例に対する実験同様、ポリイミド樹脂部材
1に、ポリイミド前駆体ワニス:感光性ポリイミド前駆
体(樹脂分18.0wt%)、製膜基板2に3インチの
ポリッシュSiウェハーを使った。
【0066】スピンコーター全体をドライボッス容器1
2bに収め、湿度30%以下の気体として乾燥空気を使
用し、気体の導入配管13から乾燥空気を吹き込み、排
出口14を開放し、湿度30%の環境下で感光性ポリイ
ミド前駆体を第1実施例に対する実験同様、スピナーの
回転数1300rpm、60secの条件で塗布を行っ
た。プロセス、及び、装置は第1実施例と同じである
が、湿度30%の環境下でポリイミド前駆体塗布、から
プリベークまで行なわれたことになる。
【0067】上記感光性ポリイミド前駆体膜にプリベー
ク、露光、現像処理した後顕微鏡観察すると、クラック
の皆無である良好な膜であることを観察できた。
【0068】比較のために、図5の装置で行った、ポリ
イミド前駆体の製膜の結果について述べる。 上記し
た、すべての実験と同様にポリイミド樹脂部材1に、ポ
リイミド前駆体ワニス:感光性ポリイミド前駆体(樹脂
分18.0wt%)、製膜基板2に3インチのポリッシ
ュSiウェハーを使い、スピナーの回転数1300rp
mにて60secの条件で塗布を行った。
【0069】以下、プリベーク、露光、現像、ポストベ
ークのプロセス条件はすべて先の、実施例に沿った実験
と同じである。先の湿度30%以下の環境下でスピンコ
ートした実験の例で、いずれもクラック皆無の良質な膜
を得たのに対し、この場合には、目視でクラックが確認
された。
【0070】通常のクリーンルーム内の湿度は50%以
上であると考えられる。よって、従来の装置を使って形
成したポリイミド前駆体膜のクラック発生はポリイミド
前駆体膜の形成を50%以上の湿度の環境下で行なった
ことに起因すると考える。
【0071】
【発明の効果】上述したように、請求項1及び4の発明
においては、ポリイミド前駆体に対して熱処理を行なう
ことにより、ポリイミド樹脂膜を形成する、ポリイミド
樹脂膜の形成方法及びポリイミド樹脂膜形成装置におい
て、少なくともポリイミド前駆体からなる膜を形成する
領域の湿度を制御することにより、クラックが皆無であ
るポリイミド樹脂膜を形成することが可能である。
【0072】請求項2の発明においては、少なくともポ
リイミド前駆体1を形成する領域内に、湿度30%以下
の乾燥気体を導入することにより、ポリイミド前駆体膜
形成時に取り込まれる湿度を低減することができ、これ
により現像処理時に発生するクラックの低減を図ること
ができ信頼性の高いポリイミド樹脂膜を形成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に使用した製膜装置の概略
構成図。
【図2】本発明の第2実施例に使用した製膜装置の概略
構成図。
【図3】(A)は、感光性を持つポリイミド前駆体にお
ける、パターニング工程の内、ポリイミド前駆体を、製
膜基板状に塗布した状態を示す図。(B)は、感光性を
持つポリイミド前駆体における、パターニング工程の
内、ポリイミド前駆体にに対して露光、現像処理を施し
て、パターニングを完了した状態を示した図。(C)
は、感光性を持つポリイミド前駆体における、パターニ
ング工程の後、熱処理を行いポリイミド樹脂膜を形成し
た状態を示した図。
【図4】(A)は、感光性を持たないポリイミド前駆体
における、パターニング工程の内、ポリイミド前駆体上
に、レジストを塗布した状態を示す図。(B)は、感光
性を持たないポリイミド前駆体における、パターニング
工程の内、ポリイミド前駆体上に、塗布したレジストに
対して露光、パターニングを完了した状態を示した図。
(C)は、感光性を持たないポリイミド前駆体におけ
る、パターニング工程の内、パターニングを完了したレ
ジストをマスクにしてエッチングを行い、ポリイミド前
駆体をパターニング完了した状態を示した図。(D)
は、感光性を持たないポリイミド前駆体における、パタ
ーニング工程の後、レジストの剥離と熱処理を行いポリ
イミド樹脂膜を形成した状態を示した図。
【図5】低湿度の環境を設定しない構造の製膜装置の概
略構成図。
【図6】第1実施例の実験によってで調査した、クラッ
ク発生量と製膜環境の湿度の関係を示す図。
【符号の説明】
1 感光性を持つポリイミド前駆体 2 製膜基板 3 ポリイミド前駆体滴下部 4 ポリイミド前駆体タンク 5 ウェハーキャリア 6 ベーク炉 7 搬送系 8 廃液タンク 9 製膜基板ステージ 10ヒーター用熱源 11真空チャック 12a、12b 低湿度環境の容器 13 低湿度気体の導入配管 14 容器内気体の排出口 15 容器の開閉口 16 低湿度気体供給装置 20 ポリイミド前駆体膜の塗布部 21 前駆体膜のプリベーク部 22 湿度制御部 30 感光性を持たないポリイミド前駆体 31 レジスト膜 32 マスク 33 感光性を持たない前駆体から形成されたポリイミ
ド樹脂膜 34 感光性を持つ前駆体から形成されたポリイミド樹
脂膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド前駆体を基板上に被膜形成し
    た後、該ポリイミド前駆体膜に対して熱処理を行なうこ
    とにより、ポリイミド樹脂膜を形成するポリイミド樹脂
    膜の形成方法において、 上記ポリイミド前駆体を基板上に被膜形成する際、少な
    くとも該ポリイミド前駆体膜を形成する膜形成領域の湿
    度を制御して、該ポリイミド前駆体膜を形成することを
    特徴とするポリイミド樹脂膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 該膜形成領域の湿度を制御する際、少な
    くとも該ポリイミド前駆体膜を形成する領域内に、湿度
    30%以下の乾燥気体を導入することを特徴とする請求
    項1記載のポリイミド樹脂膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 該ポリイミド前駆体は、感光性ポリイミ
    ドであることを特徴とする請求項1または2記載のポリ
    イミド樹脂膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 該ポリイミド前駆体膜から成る膜を基板
    上に、被膜形成するポリイミド前駆体膜形成装置におい
    て、 少なくとも該ポリイミド前駆体膜を形成する領域の湿度
    を制御する温度制御装置を設けたことを特徴とするポリ
    イミド樹脂膜形成装置。
JP14203594A 1994-06-23 1994-06-23 ポリイミド樹脂膜の形成方法及びポリイミド樹脂膜形成装置 Withdrawn JPH088170A (ja)

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