JPH0875863A - トリチウム自動測定装置 - Google Patents

トリチウム自動測定装置

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JPH0875863A
JPH0875863A JP21346994A JP21346994A JPH0875863A JP H0875863 A JPH0875863 A JP H0875863A JP 21346994 A JP21346994 A JP 21346994A JP 21346994 A JP21346994 A JP 21346994A JP H0875863 A JPH0875863 A JP H0875863A
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sampling
tritium
water
container
measuring
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JP21346994A
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Inventor
Mitsuo Ishibashi
三男 石橋
Sadaji Ushigome
定治 牛込
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、測定者の手作業に依存することなく
簡単かつ確実にトリチウム濃度を自動測定することを目
的とする。 【構成】トリチウム捕集部とトリチウム測定部とから構
成されるトリチウム自動測定装置であり、サンプリング
配管1と、サンプリング空気中の水分を凝結すると共に
解凍してサンプリング水を取得する湿分採集部50と、
サンプリング水を取り出すサンプリング水導入管31
と、制御部30とから捕集部を構成し、測定容器30
と、光検出手段36と、光検出手段36から出力される
信号パルスを計数する計数手段38と、サンプリング水
の水量を測定する水量測定手段35と、サンプリング空
気の量を測定する空気量測定手段39と、これら測定値
及び計数値を使用してトリチウム濃度を計算するデータ
処理手段38とから測定部を構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電所等の原子
力施設から放出される空気中のトリチウム濃度を監視す
るのに用いられるトリチウム測定装置に係り、さらに詳
しくはトリチウム濃度の測定を自動化するためのトリチ
ウム自動測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大気中のトリチウムは、ガスの状態を除
いて、空気中の水分子と結合して存在している場合が多
い。そのため、大気中のトリチウムを捕集するために
は、先ず空気中の湿分を氷結し、その後に解凍して水溶
液の状態にしてから液体シンチレータと反応させて検出
している。
【0003】図9は、従来のトリチウム捕集装置の構成
例を示す図である。このトリチウム捕集装置は、施設内
の各所で採集したサンプリング空気をサンプリング配管
1で引き込み、流量指示計2,流量調整弁3を介して湿
分採集部4aへ導入する。湿分採集部4aには冷却器5
a,加熱器6aが付設されており、湿分採集部4aの排
気管に取り付けたサンプリングポンプ7で湿分採集部4
aへ吸引したサンプリング空気中の水分を冷却器5aで
凍結し、その凍結した水分を加熱器6aで解凍する。解
凍により得られたサンプリング水は、湿分採集部4aの
下端部に設けた採集口から採集弁8aを介してサンプリ
ング水容器9に入れられる。
【0004】なお、図9のトリチウム捕集装置は、連続
測定を行うために採集部が2系統に別れており、切換弁
11a,11bを制御部13から切換えることにより交
互に測定,採集を繰り返すことができる。
【0005】図10は、上述したトリチウム捕集装置に
て捕集したトリチウムの濃度測定の工程を示す図であ
る。同図に示すように、サンプリング水容器9に回収し
たサンプリング水と液体シンチレータ21とをバイアル
ビン22に入れて混合させてトリチウムとシンチレータ
とを効率良く接触させる。
【0006】ここで、トリチウムは低エネルギーのβ線
(18.6keV)を放出する核種であるため、シンチレータと
試料とが直接接して高い効率で反応させることのできる
液体シンチレーション方式がトリチウムの測定に採用さ
れている。
【0007】バイアルビン22内でのシンチレーション
反応による発光を、バイアルビン22に近接配置したフ
ォトマル23で検出し増幅器24を介して計数器25に
入力する。そして、計数器25の計数値を表示部26に
表示し、測定者が表示値から計算にてトリチウム濃度を
計算していた。
【0008】上述したように、トリチウム測定は、サン
プリング周期に基づいてサンプリング終了時にトリチウ
ム捕集装置からサンプリング水を回収し、バイアルビン
22で液体シンチレータ21とサンプリング水とを混合
し、外乱光を遮断した状態でバイアルビン22からの発
光を検出し、計数値に基づいてトリチウム濃度を計算し
ているため、測定者の作業に依存する工程が多く、測定
者に煩雑な作業を強いていた。
【0009】また、サンプリング水の回収量は、高湿度
の夏場と乾燥した冬場とでは大きな違いがあり、従来の
サンプリング周期であれば夏場と冬場とでは天候によっ
て1000cm3 程度の変動があるために作業計画を立
てるのが困難であった。また、シンチレータと測定試料
との調合やバイアルビン22への注入等の作業工程が複
雑であることから、この部分の自動化が困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のト
リチウム測定は、自動化が困難で測定者の作業に依存す
る工程が多く測定者に煩雑な作業を強いるといった問題
があった。本発明は、以上のような実情に鑑みてなされ
たもので、測定者の手作業に依存することなく簡単かつ
確実にトリチウム濃度を自動測定でき、湿度の高低にか
かわりなく安定してトリチウム濃度の監視を行うことの
できるトリチウム自動測定装置を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために以下のような手段を講じた。請求項1に対
応する本発明は、トリチウム捕集部とトリチウム測定部
とからなり、前記トリチウム捕集部は、サンプリング場
所からサンプリング空気を引込むサンプリング配管と、
このサンプリング配管の一端が接続されサンプリング空
気中の水分を凝結すると共に解凍してサンプリング水を
取得する湿分採集部と、この湿分採集部からサンプリン
グ水を取り出すサンプリング水導入管と、当該捕集部の
各部の動作を制御する制御部とを備え、前記トリチウム
測定部は、前記サンプリング水導入管の一端に接続され
プラスチックシンチレータ又は液体シンチレータと前記
サンプリング水とを直接接触させる測定容器と、この測
定容器におけるプラスチックシンチレータ又は液体シン
チレータとサンプリング水中のトリチウムとの反応によ
る発光を検出する光検出手段と、この光検出手段から出
力される信号パルスを計数する計数手段と、前記測定容
器に導入されたサンプリング水の水量を測定する水量測
定手段と、前記湿分採集部に導入されたサンプリング空
気の量を測定する空気量測定手段と、前記計数手段の計
数値と前記水量測定手段の水量測定値と前記空気量測定
手段の空気量測定値とを使用してトリチウム濃度を計算
するデータ処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】請求項2に対応する本発明は、上記構成の
トリチウム自動測定装置において、測定容器をプラスチ
ックシンチレータから構成した。請求項3に対応する本
発明は、上記構成のトリチウム自動測定装置において、
測定容器を、プラスチックシンチレータ又は透明パイプ
から構成し、容器内にサンプリング水との接触面積を増
大させるプラスチックシンチレータからなる面積増大部
材を充填した。
【0013】請求項4に対応する本発明は、上記構成の
トリチウム自動測定装置において、測定容器を、液体シ
ンチレータを注入するノズルが形成された透明パイプか
ら構成した。
【0014】請求項5に対応する本発明は、上記構成の
トリチウム自動測定装置において、湿分採集部に氷結し
た氷の成長度を検知する検知手段を設け、この検知手段
で検知される氷の成長度がある一定値に達したならば前
記制御部から前記湿分採集部に解凍指令を与えることを
特徴とする。
【0015】請求項6に対応する本発明は、上記構成の
トリチウム自動測定装置において、前記サンプリング配
管を流れるサンプリング空気に蒸気を注入する蒸気発生
装置を前記サンプリング配管に付設したことを特徴とす
る。
【0016】請求項7に対応する本発明は、上記構成の
トリチウム自動測定装置において、前記サンプリング配
管を流れるサンプリング空気中のHTガスを酸化してH
TOに変換する触媒装置を前記サンプリング配管に付設
したことを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明は、以上のような手段を講じたことによ
り次のような作用を奏する。請求項1に対応する本発明
によれば、湿分採集部で採集されたサンプリング水がサ
ンプリング水導入管を通って測定容器に導入される。こ
の測定容器において、プラスチックシンチレータ又は液
体シンチレータとサンプリング水中のトリチウムとが接
触して効率よく発光する。この測定容器におけるプラス
チックシンチレータ又は液体シンチレータとサンプリン
グ水中のトリチウムとの反応による発光は光検出手段で
検出され、光検出手段から出力される信号パルスが計数
手段にて計数される。また、測定容器に導入されたサン
プリング水の水量が水量測定手段で測定され、湿分採集
部に導入されたサンプリング空気の量が空気量測定手段
で測定される。これら測定値及び計数値がデータ処理手
段に入力されトリチウム濃度計算に使用される。
【0018】請求項2に対応する本発明によれば、測定
容器がプラスチックシンチレータから構成されているた
め、サンプリング水を測定容器へ導入することにより容
器内壁と接してトリチウムが発光する。
【0019】請求項3に対応する本発明によれば、測定
容器がプラスチックシンチレータから構成されており、
かつ容器内にプラスチックシンチレータからなる面積増
大部材が充填されているので、プラスチックシンチレー
タとサンプリング水との接触面積を増大することがで
き、検出効率を向上することができる。
【0020】又は、測定容器が透明パイプから構成され
ている場合も、同様に容器内に面積増大部材が充填され
るので検出効率を向上することができる。請求項4に対
応する本発明によれば、ノズル付きの透明パイプにサン
プリング水が導入され、ノズルから液体シンチレータが
注入される。
【0021】請求項5に対応する本発明によれば、湿分
採集部に氷結した氷の成長度が検知手段で常に監視さ
れ、氷の成長度がある一定値に達したところで制御部か
ら湿分採集部に対して解凍指令が与えられる。従って、
サンプリング水の湿度が大きく変動するような場合であ
っても、湿分採集部を閉塞させることなく、常に適量の
サンプリング水を採集することができる。
【0022】請求項6に対応する本発明によれば、サン
プリング配管を流れるサンプリング空気に蒸気発生装置
から蒸気が注入されるので、サンプリング空気中の水分
量が増加して湿分採集部におけるトリチウムのサンプリ
ング量が増大する。
【0023】請求項7に対応する本発明によれば、サン
プリング配管を流れるサンプリング空気中のHTガスが
触媒により酸化されHTOの水分に変換されるので、湿
分採集部における氷結で採集可能なトリチウムが増大
し、検出効率が向上する。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は、本発明の一実施例に係るトリチウム自動測定装置
の全体構成を示す図である。なお、前述した図9のトリ
チウム捕集装置と同一機能を有する部分には同一符号を
付している。
【0025】本実施例のトリチウム自動測定装置は、プ
ラスチックシンチレータからなる測定容器(以後、「プ
ラスチックシンチレータ容器」と呼ぶ)30に、一端部
が湿分採集部50a,50bの採集弁8a,8bに接続
されたサンプリング水導入管31の他端部が接続されて
いる。プラスチックシンチレータ容器30の下端面には
サンプリング水を排水するための排水配管が接続されて
おり、その排水配管に排水弁32が付設されている。
【0026】また、このトリチウム自動測定装置は、洗
浄水を蓄えた洗浄水タンク33を備えている。洗浄水タ
ンク33は洗浄水注人弁34が設けられた配管を介して
サンプリング水導入管31の一部に接続されている。
【0027】一方、プラスチックシンチレータ容器30
には、容器30内に注入されているサンプリング水の水
量を測定する水量測定器35が付設されている。またプ
ラスチックシンチレータ容器30の側面に対向してフォ
トマル36が設置されており、このフォトマル36の出
力段に増幅器37を介してデータ処理装置38が接続さ
れている。データ処理装置38は、サンプリング配管1
に設けたサンプリング空気量測定器39からサンプリン
グ空気量Vが入力され、水量測定器35からサンプリン
グ水量測定値が入力される。これらデータの取り込みタ
イミングが制御部40からデータ処理装置38に与えら
れる。また、制御部40は、装置全体の動作を管理して
おり、図3に示すようなタイムスケジュールに従って各
種弁,その他の構成要素に指示を与える。なお、データ
処理装置38の演算結果は表示部41に表示されるよう
になっている。
【0028】図2(a)〜(c)は、プラスチックシン
チレータ容器30の構成例を示す断面図である。図2
(a)は、プラスチックシンチレータ容器を、円筒状ま
たは多角筒状のプラスチックシンチレータで構成した例
である。このプラスチックシンチレータ容器30−1で
は、その直径が小さくなるほど単位当りのサンプリング
水が容器内壁に接する面積が大きくなり検出効率が高く
なる。
【0029】図2(b)は、円筒状または多角筒状のプ
ラスチックシンチレータからなるプラスチックシンチレ
ータ容器30−2に、同じくプラスチックシンチレータ
からなる多数の球体42を詰めている例である。このプ
ラスチックシンチレータ容器30−2では、容器内壁及
び球体42表面が反応面となることからサンプリング水
との接触面積を増大することができ、検出効率を上げら
れる。
【0030】図2(c)は、円筒状または多角筒状のプ
ラスチックシンチレータからなるプラスチックシンチレ
ータ容器30−3に、同じくプラスチックシンチレータ
からなる多数のファイバー43を挿入した例である。こ
のプラスチックシンチレータ容器30−3では、容器内
壁及びファイバー43表面が反応面となることからサン
プリング水との接触面積を増大することができ、検出効
率を上げられる。
【0031】なお、図2(d)(e)は、プラスチック
シンチレータ容器ではなく透明容器に上記球体,ファイ
バーを充填した例である。図2(d)は、円筒状または
多角筒状の透明パイプ30−4に、上記したプラスチッ
クシンチレータからなる多数の球体42を詰めた例であ
る。この例では、図2(b)の場合に比べて容器内壁の
分だけ反応面が減るが、球体42表面での発光を容器壁
面で遮光されずにフォトマル36に入射させることがで
きる。
【0032】図2(e)は、円筒状または多角筒状の透
明パイプ30−5に、上記したプラスチックシンチレー
タからなる多数のファイバー43を挿入した例である。
この例では、図2(c)の場合に比べて容器内壁の分だ
け反応面が減るが、ファイバー43表面での発光を容器
壁面で遮光されずにフォトマル36に入射させることが
できる。
【0033】図4は、湿分採集部50a,50b及び採
集口側の配管構造を示す図である。なお、湿分採集部5
0aと50bとは同じ構成をしているので、両者を区別
しない場合は湿分採集部50と呼称する。
【0034】湿分採集部50は、深さ方向に所定の長さ
を有し胴部が円筒状をなすとともに上端部及び下端部に
向けてそれぞれ直径が徐々に小さくなりテーパ部を形成
している。この湿分採集部50の胴部下端から採集部下
端にかけてのテーパ部分に投光器51が設けられ、胴部
上端から採集部上端にかけてのテーパ部であって投光器
51に対向する部分に受光器52が設けられている。投
光器51及び受光器52は制御部40に接続されてい
る。
【0035】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。先ず、図3に示すようにサンプ
リングラインAが選択されている場合は、湿分採集部5
0aで収集が行われるため切換弁11aが開けられ、切
換弁11bが閉じられる。また、冷却器5aが動作せし
められ湿分採集部50aに導入されるサンプリング空気
中の水分を凝結させる。
【0036】凝結開始からある時間が経過すると、図4
に示すように湿分採集部50aの内壁に氷結した氷が成
長してくる。ある程度まで氷が成長すると、氷が投光器
51と受光器52との間の光路を遮るようになる。制御
部40は、図5に示すように一定の周期で投光器51を
点灯させて受光器52での受光状態をチェックする。受
光器52で光線を検知できなくなったならば、切換弁1
1bを開けると共に11aを閉じ、冷却器5bを動作さ
せると共に冷却器5aの動作を停止させ、加熱器6aを
動作させる。これにより湿分採集部50aの内壁に氷結
した氷が解凍されると共に、もう一方の湿分採集部50
bでのサンプリング空気中の水分の凝結が開始される。
【0037】湿分採集部50aでの解凍が終了すると、
採集弁8aが開けられて解凍されたサンプリング水がサ
ンプリング水導入配管31を通ってプラスチックシンチ
レータ容器30に注入される。
【0038】ここで、プラスチックシンチレータ容器3
0が図2(a)に示す構成のものであれば、プラスチッ
クシンチレータ容器30−1にサンプリング水が注入さ
れると、サンプリング水に含まれるトリチウムから放出
されるβ線がプラスチックシンチレータ容器30の容器
内壁に入射して発光する。
【0039】また、図2(b)に示す構成のプラスチッ
クシンチレータ容器30−2の場合は、容器内壁及び球
体42の表面に接触することにより発光する。図2
(c)に示す構成のプラスチックシンチレータ容器30
−3の場合は、容器内壁及びファイバー43の表面に接
触することにより発光する。さらに、図2(d)(e)
の場合であれば球体42又はファイバー43の表面に接
することによりそれぞれ発光する。
【0040】プラスチックシンチレータ容器30での発
光による光はフォトマル36で電気パルスに変換され、
その電気パルスが増幅器37で増幅された後、データ処
理装置38に入力して計数される。ここでデータ処理装
置38は、計数値から換算係数(計数効率)を使用して
サンプリング水の濃度を求め、サンプリング水量測定器
35で検出したサンプリング水量とサンプリンン空気量
測定器39で検出したサンプリンン空気量とからサンプ
リング空気中のトリチウム濃度を計算する。トリチウム
濃度の計算式を以下に示す。サンプリング水中のトリチ
ウム濃度算出式: C′=n/η …(1) サンプリング空気中のトリチウム濃度の算出式: C=(Vw×C′)/(V×ηc) …(2) C=(Vw×n)/(V×ηc×η) …(3) 尚、C′はサンプリング水中のトリチウム濃度(Bq/
cm3 )、nは正味計数率(cps)、ηは検出効率
(cps/Bq/cm3 )、Cはサンプリング空気中の
トリチウム濃度(Bq/cm3 )、Vwはサンプリング
水量(cm3 )、Vはサンプリング空気量(cm3 )、
ηcは水分採集効率(=〜0.9)である。
【0041】次に、プラスチックシンチレータ容器30
での測定が終了すると、排水弁32が開かれサンプリン
グ水が排出される。そして、排水弁32を開いた状態
で、洗浄タンク33の洗浄水注入弁34が開かれる。洗
浄タンク33の洗浄水がサンプリング水導入管31を通
ってプラスチックシンチレータ容器30に導入され、プ
ラスチックシンチレータ容器30が洗浄される。その洗
浄水は開状態の排水弁32を通って排水される。
【0042】以上の動作を湿分採集部50a,50bで
の氷結状態に応じて交互に繰り返し実行する。このよう
に本実施例によれば、湿分採集部50a,50bで採集
されたサンプリング水を取り出すための採集弁8a,8
bに、サンプリング水導入管31を介してプラスチック
シンチレータ容器30を接続し、そのプラスチックシン
チレータ容器30にフォトマル36を対向配置してトリ
チウムによる発光を検出するようにしたので、従来は手
作業で行われていたサンプリング水の回収作業や液体シ
ンチレータとの混合作業を削減することができ、トリチ
ウム測定の自動化を図ることができる。
【0043】本実施例によれば、プラスチックシンチレ
ータ容器30を、図2(a)〜(c)に示すようにサン
プリング水とシンチレータとの接触面積を増大させる構
造としたので、トリチウムの検出効率を上げることがで
き、低濃度のトリチウムまで監視することができる。ま
た、容器30自体は透明容器であるが、その内部にサン
プリング水とシンチレータとの接触面積を増大させるシ
ンチレータからなる球体42又はファイバー43を充填
するようにしたのでトリチウムの検出効率を上げること
ができる。
【0044】本実施例によれば、装置本体の各所に設け
た検出器35,36,39でトリチウム濃度の演算に必
要なデータを収集してデータ処理装置38に入力するよ
うにしたので、従来は手計算していたトリチウム濃度の
計算をコンピュータを使って行うことができる。
【0045】本実施例によれば、湿分採集部50a,5
0bに氷結状態を検出する投光器51及び受光器52を
設け、内壁に氷結した氷がある程度まで成長したならば
自動的に解凍作業を実施するようにしたので、サンプリ
ング空気の湿度の高低に影響を受けることなく常に適量
のサンプリング水を回収することができる。
【0046】次に、上述した一実施例における各部の変
形例について説明する。図6(a)に示す変形例は、プ
ラスチックシンチレータ容器30の代わりに、透明パイ
プ44を使用し、その透明パイプ44に液体シンチレー
タを注入するノズル45を設けている。上記した清浄水
の導入機構と同様に、ノズル45に配管を介して接続さ
れた液体シンチレータタンクを装備して、そこから測定
時に適量の液体シンチレータを注入するように構成す
る。
【0047】図6(b)に示す変形例は、プラスチック
シンチレータ容器30の代わりに、液体シンチレータで
満たされた透明パイプ44を使用し、その透明パイプ4
4にサンプリング水を注入するノズル45を設けてい
る。
【0048】また、上述した一実施例におけるサンプリ
ング配管1に、図7に示す蒸気発生装置を付設した構成
とすることができる。図7の蒸気発生装置は、貯水槽6
1と、この貯水槽61から水を取り出す注水弁62と、
この注水弁62を介して水が供給される蒸気発生部63
と、この蒸気発生部63を加熱して蒸気を発生させ加熱
器64と、蒸気発生部63で発生させた蒸気をサンプリ
ング配管1へ導く配管65等から構成されている。な
お、注水弁62,加熱器64は制御部40に接続されて
おり、制御部40からスケジュールに応じたタイミング
又は任意のタイミングで制御可能になっている。
【0049】ここで、トリチウムは、空気中にHTのガ
スとHTOの水分の2種類の状態で存在している。HT
ガスとHTO水分との割合に応じて平衡状態が保たれて
いるので、水分量を増大させることにより結果としてト
リチウムのサンプリング量を増加させることができる。
【0050】図7に示す変形例によれば、湿分採集部5
0a,50bに導入されるサンプリング空気に蒸気発生
装置から水蒸気が加えられ、サンプリング空気中の水分
量が増加するので、湿分採集部50a,50bにおける
トリチウムのサンプリング量が増大する効果がある。
【0051】また、この変形例によれば、湿分採集部5
0a,50bにおけるサンプリング速度が速くなること
から、次工程のトリチウム濃度の測定頻度を上げること
ができ、トリチウム濃度の監視能力を向上することがで
きる。
【0052】図8に示す変形例は、サンプリング配管1
に図7に示す上記水蒸気発生装置を付設し、さらに触媒
装置を付設した例である。この触媒装置は、水蒸気発生
装置から水蒸気が加えられたサンプリング空気が通過す
る触媒容器71と、この触媒容器71を加熱する加熱器
72とを備えている。加熱器72は、注水弁62,加熱
器64と同様に、制御部40に接続されており、制御部
40からスケジュールに応じたタイミング又は任意のタ
イミングで制御可能になっている。
【0053】触媒容器71は、白金,パラジウム若しく
はマンガン等の触媒が入っており、サンプリング空気中
のHTガスを酸化してHTOにする機能を備えている。
このように構成された変形例では、湿分採集部50a,
50bに導入されるサンプリング空気に蒸気発生装置か
ら水蒸気が加えられサンプリング空気中の水分量が増加
する。このサンプリング空気が触媒容器71を通過する
際にサンプリング空気中のHTガスがHTOに酸化され
る。このようにし水分量が増加されると共にHTOの濃
度が高くなったサンプリング空気が湿分採集部50a,
50bに導入される。
【0054】従って、サンプリング空気中の水分量の増
加とHTO濃度の増加の二重効果により、トリチウムの
捕集効率が大きく改善される。本発明は上記実施例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内で種々変形実施可能である。
【0055】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、
測定者の手作業に依存することなく簡単かつ確実にトリ
チウム濃度を自動測定でき、湿度の高低にかかわりなく
安定してトリチウム濃度の監視を行うことのできるトリ
チウム自動測定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るトリチウム自動測定装
置の構成図である。
【図2】図1のトリチウム自動測定装置に備えた測定容
器の種々の構成例を示す図である。
【図3】図1のトリチウム自動測定装置の動作を示すタ
イムチャートである。
【図4】図1のトリチウム自動測定装置に備えた湿分採
集部の構成図である。
【図5】受光器動作と加熱動作との関係を示すタイムチ
ャートである。
【図6】測定容器の変形例を示す図である。
【図7】図1のトリチウム自動測定装置に備えた水蒸気
発生装置の構成図である。
【図8】図1のトリチウム自動測定装置に備えた水蒸気
発生装置及び触媒装置の構成図である。
【図9】従来のトリチウム捕集装置の構成図である。
【図10】従来のトリチウム濃度の測定工程を示す図で
ある。
【符号の説明】 1…サンプリング配管、5a,5b…冷却器、6a,6
b…加熱器、7…サンプリングポンプ、8a,8b…採
集弁、11a,11b…切換弁、30…プラスチックシ
ンチレータ容器、31…サンプリング水導入管、32…
排水弁、33…洗浄水タンク、34…洗浄水注人弁、3
5…水量測定器、36…フォトマル、38…データ処理
装置、39…サンプリング空気量測定器、40…制御
部、42…プラスチックシンチレータ球体、43…プラ
スチックシンチレータファイバー、44…透明パイプ、
45…ノズル、50a,50b…湿分採集部、51…投
光器、52…受光器、61…貯水槽、62…注水弁、6
3…蒸気発生部、64…加熱器、71…触媒容器。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリチウム捕集部とトリチウム測定部と
    からなり、 前記トリチウム捕集部は、サンプリング場所からサンプ
    リング空気を引込むサンプリング配管と、このサンプリ
    ング配管の一端が接続されサンプリング空気中の水分を
    凝結すると共に解凍してサンプリング水を取得する湿分
    採集部と、この湿分採集部からサンプリング水を取り出
    すサンプリング水導入管と、当該捕集部の各部の動作を
    制御する制御部とを備え、 前記トリチウム測定部は、前記サンプリング水導入管の
    一端に接続されプラスチックシンチレータ又は液体シン
    チレータと前記サンプリング水とを直接接触させる測定
    容器と、この測定容器におけるプラスチックシンチレー
    タ又は液体シンチレータとサンプリング水中のトリチウ
    ムとの反応による発光を検出する光検出手段と、この光
    検出手段から出力される信号パルスを計数する計数手段
    と、前記測定容器に導入されたサンプリング水の水量を
    測定する水量測定手段と、前記湿分採集部に導入された
    サンプリング空気の量を測定する空気量測定手段と、前
    記計数手段の計数値と前記水量測定手段の水量測定値と
    前記空気量測定手段の空気量測定値とを使用してトリチ
    ウム濃度を計算するデータ処理手段とを備えたことを特
    徴とするトリチウム自動測定装置。
  2. 【請求項2】 前記測定容器は、プラスチックシンチレ
    ータから構成されたことを特徴とする請求項1記載のト
    リチウム自動測定装置。
  3. 【請求項3】 前記測定容器は、プラスチックシンチレ
    ータ又は透明パイプから構成され、容器内にサンプリン
    グ水との接触面積を増大させるプラスチックシンチレー
    タからなる面積増大部材を充填したことを特徴とする請
    求項1記載のトリチウム自動測定装置。
  4. 【請求項4】 前記測定容器は、液体シンチレータを注
    入するノズルが形成された透明パイプから構成されたこ
    とを特徴とする請求項1記載のトリチウム自動測定装
    置。
  5. 【請求項5】 前記湿分採集部に氷結した氷の成長度を
    検知する検知手段を設け、この検知手段で検知される氷
    の成長度がある一定値に達したならば前記制御部から前
    記湿分採集部に解凍指令を与えることを特徴とする請求
    項1〜請求項4のいずれかに記載のトリチウム自動測定
    装置。
  6. 【請求項6】 前記サンプリング配管を流れるサンプリ
    ング空気に蒸気を注入する蒸気発生装置を前記サンプリ
    ング配管に付設したことを特徴とする請求項1〜請求項
    5のいずれかに記載のトリチウム自動測定装置。
  7. 【請求項7】 前記サンプリング配管を流れるサンプリ
    ング空気中のHTガスを酸化してHTOに変換する触媒
    装置を前記サンプリング配管に付設したことを特徴とす
    る請求項1〜請求項6のいずれかに記載のトリチウム自
    動測定装置。
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