JPH0874646A - エンジンの吸・排気系温度算出方法及び同装置並びにエンジン設計方法 - Google Patents

エンジンの吸・排気系温度算出方法及び同装置並びにエンジン設計方法

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JPH0874646A
JPH0874646A JP6213696A JP21369694A JPH0874646A JP H0874646 A JPH0874646 A JP H0874646A JP 6213696 A JP6213696 A JP 6213696A JP 21369694 A JP21369694 A JP 21369694A JP H0874646 A JPH0874646 A JP H0874646A
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JP
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temperature
gas
pipe system
pipe
state quantity
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JP6213696A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Tateishi
哲也 立石
Tadashi Nakagawa
正 中川
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスが流通する管系、例えば排気系につい
て、その各部のガス温度及び管系の温度を、一次元シミ
ュレーションモデルを用いて容易に、しかも精度良く算
出することができるようにし、非定常時の温度の計算も
可能とする。 【構成】 排気系への流入ガスの状態量の演算(ステッ
プS3)と、その演算値を用いた排気系のガスの状態量
の演算(ステップS4)と、排気系各部の温度の演算
(ステップS5)とを一定の設定時間毎に繰返し行な
い、かつ、排気系ガス状態量の演算においては、触媒コ
ンバータの容器モデルを含む一次元シミュレーションモ
デルを用いてガスの状態量を演算し、上記管系温度演算
処理においては、伝熱モデルを用いて管系温度を演算す
ることにより、上記容積部を含む排気系のガス温度及び
管系温度を、一次元解析で求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの吸気系もし
くは排気系のガスの温度や管系の温度をシミュレーショ
ンモデルを用いた計算により予測する吸・排気系温度算
出方法と、この方法を実行する装置と、この方法に基づ
く設計方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車のエンジン等の開発段階で
の性能評価、設計等のため、コンピュータシミュレーシ
ョンにより状態量を算出するような方法が提案されてい
る。例えば、特開平3−95681号公報には、エンジ
ンとスタータとをバネ要素と振動要素とからなる振動系
に置き換え、振動系をモデル化して、固有振動数の解
析、モーダル質量等の演算、既に知られている振動系の
単体特性の利用などにより、振動特性を求めるようにし
たシミュレーション方法が示されている。
【0003】また、排気温度を予測するものとしては、
例えば特開平6−33810号公報に示されるように、
エンジン運転中に、運転状態を示す各種パラメータに基
づいて燃焼室から排気系に流れる排気ガスの温度を予測
し、その温度と排気系伝熱要素情報とに基づいて排気系
温度(排気マニホールドの壁温)を予測し、この排気系
温度の予測値に応じて、排気系温度に関係する空燃比等
を制御するようにした装置が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジンの
開発段階での吸気系や排気系の設計に際しては、管系の
各部の温度を調べ、これに基づいて信頼性や排気ガス浄
化性能(排気系の場合)等の判定を行うことが必要であ
るが、このような場合に、試作機につき各種運転状態で
温度等を実測して試行錯誤的にテストを繰り返すという
ような手法では多大の労力及び時間が費やされるため、
計算により温度等を予測することが望まれる。なお、上
記特開平6−33810号公報に示された装置は、実際
のエンジン運転中に排気系温度を予測してそれに応じた
制御を行なうもので、開発段階で運転条件等を種々想定
して計算を行なうようなものではない。また、上記特開
平3−95681号公報に示されたものは、エンジン及
びスタータの振動系のモデルについて振動特性を調べる
もので、エンジンの吸・排気系に適用されるものではな
い。
【0005】そこで、近年、吸気系や排気系のガスが流
通する管系の各部の温度をコンピュータシミュレーショ
ン解析による演算で予測することが考えられている。例
えば、排気管及び触媒コンバータ等からなる排気系につ
いて三次元シミュレーションモデルを作成し、このモデ
ルを用いた三次元熱流体解析により排気系の各部におけ
るガス温度及び排気管、触媒コンバータ等の温度を計算
することが考えられている。しかし。このような三次元
解析によると、その三次元モデルの作成及びこれを用い
た計算が非常に複雑なものとなり、計算時間が長くなる
とともに、三次元モデルの作成に長期間を要し、しか
も、解析、計算の過程で誤差が生じ易い等の問題があ
る。
【0006】また、排気系を一次元モデルに置き換え、
一次元解析により温度を計算することも試みられている
が、この場合に、排気系に含まれる触媒コンバータ等の
放熱容量が大きい容積部の適切なモデル化が従来では十
分に果たされていない。また、従来のこの種の手法では
運転状態や周囲温度条件等を一定に設定して、定常状態
の場合の温度を計算しているが、排気ガス浄化性能等の
予測を行うには、冷間始動時等の非定常時の排気ガス温
度や排気管、触媒コンバータ等の温度を求めることが要
求され、従来の手法ではこのような要求を満足すること
ができなかった。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑み、吸気系もし
くは排気系の各部のガス温度及び管系の温度を、一次元
シミュレーションモデルを用いて容易に、しかも精度良
く算出することができ、非定常時の温度の計算も可能な
吸・排気系温度算出方法及び同装置を提供し、またこの
吸・排気系温度算出方法を利用して吸・排気系の設計を
簡単に行なうことができる設計方法を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
吸気系もしくは排気系のガスが流通する管系及び燃焼室
を管モデル、容器モデル等のサブモデルの組合せとして
モデル化し、このモデルに基づいてガスの温度、管系の
温度を算出する方法であって、エンジン運転状態の各種
パラメータに基づいて上記管系の入口側におけるガスの
状態量を演算する管系入口側ガス状態量演算処理と、こ
の管系入口側ガス状態量及び管系の温度に基づいて上記
管系内のガスの状態量を演算する管系内ガス状態量演算
処理と、この管系内のガスの状態量及び管系の伝熱条件
のパラメータに基づいて管系の固体部分の温度を演算す
る管系温度演算処理とを、上記管系内ガス状態量の演算
結果と管系温度の演算結果とを相互に反映させつつ、一
定の設定時間毎に繰返し行ない、かつ、上記管系内ガス
状態量演算処理においては、上記管系に含まれる放熱容
量の大きい容積部を入口側、出口側の2つの容器とその
間の絞り及び管とにモデル化して、この容積部のモデル
を含む管系の一次元シミュレーションモデルを用いてガ
スの状態量を演算し、上記管系温度演算処理において
は、上記容積部の比熱容量等の固体物性値を加味した伝
熱モデルを用いて管系の固体部分の温度を演算するもの
である。
【0009】この方法において、排気系のガスの温度及
び管系の温度を算出する場合は、上記管系入口側ガス状
態量演算処理では燃焼室から排気系に流入するガスの状
態量を演算し、上記管系内ガス状態量演算処理では放熱
容量の大きい容積部としての触媒コンバータを含む排気
系の内部のガスの状態量を演算し、上記管系温度演算処
理では排気管及び上記触媒コンバータの容器等の排気系
固体部分の温度を演算する(請求項2)。
【0010】上記管系入口側ガス状態量演算処理は、エ
ンジン諸元と、実験に基づいて設定される非定常時のエ
ンジンの燃焼状態に関する特性のデータと、実験に基づ
いて定められる非定常時の燃焼ガスからの放熱量とに基
づいて、非定常時に燃焼室から排気系に流入するガスの
状態量を演算するものであることが好ましい(請求項
3)。
【0011】さらに、実験に基づいて定めた非定常時の
周囲温度及び温度分布から非定常時における排気系から
の放熱量を求め、この放熱量のデータを用いて上記管系
温度演算処理を行うことが好ましい(請求項4)。
【0012】請求項5に係る発明は、吸気系もしくは排
気系のガスが流通する管系及び燃焼室を管モデル、容器
モデル等のサブモデルの組合せとしてモデル化し、この
モデルに基づいてガスの温度、管系の温度を算出する方
法であって、上記管系入口側のガス状態量の運転状態に
応じた値を調べた実験データに基づいて管系入口側のガ
ス状態量を設定する管系入口側ガス状態量設定処理と、
この管系入口側ガス状態量及び管系の温度に基づいて上
記管系内のガスの状態量を演算する管系内ガス状態量演
算処理と、この管系内のガスの状態量及び管系の伝熱条
件のパラメータに基づいて管系の固体部分の温度を演算
する管系温度演算処理とを、上記管系内ガス状態量の演
算結果と管系温度の演算結果とを相互に反映させつつ、
一定の設定時間毎に繰返し行ない、かつ、上記管系内ガ
ス状態量演算処理においては、上記管系に含まれる放熱
容量の大きい容積部を入口側、出口側の2つの容器とそ
の間の絞り及び管とにモデル化して、この容積部のモデ
ルを含む管系の一次元シミュレーションモデルを用いて
ガスの状態量を演算し、上記管系温度演算処理において
は、上記容積部の比熱容量等の固体物性値を加味した伝
熱モデルを用いて管系の固体部分の温度を演算するもの
である。
【0013】請求項6に係る発明は、放熱容量の大きい
容積部を含む吸気系もしくは排気系の、少なくとも上記
容積部をモデル化し、このモデルに基づいて少なくとも
上記容積部の温度を算出する方法であって、上記容積部
を入口側、出口側の2つの容器とその間の絞り及び管と
からなる一次元シミュレーションモデルと、上記容積部
の比熱容量等の固体物性値を加味した伝熱モデルとを設
定し、これらのモデルを用いて、上記容積部の流入側及
び流出側のガスの状態量及び伝熱条件のデータに基づき
少なくとも上記容積部を流通するガスの状態量の演算及
び容積部の固体部分の温度の演算を、一定の設定時間毎
に繰返し行なうものである。
【0014】請求項7に係る発明は、吸気系もしくは排
気系のガスが流通する管系及び燃焼室を管モデル、容器
モデル等のサブモデルの組合せとしてモデル化し、この
モデルに基づいてガスの温度、管系の温度を算出する方
法に使用する装置であって、上記管系の入口側における
ガスの状態量に関係するエンジン運転状態の各種パラメ
ータを設定するパラメータ設定手段と、一定の設定時間
毎に上記パラメータ設定手段からのデータに基づいて上
記管系の入口側におけるガスの状態量を演算する管系入
口側ガス状態量演算手段と、上記管系に含まれる放熱容
量の大きい容積部を入口側、出口側の2つの容器とその
間の絞り及び管とにモデル化した容積部のモデルを含む
上記管系の一次元シミュレーションモデルを設定する一
次元モデル設定手段と、上記設定時間毎に、管系入口側
ガス状態量の演算データ及び管系の固体部分の温度の演
算データに基づき上記一次元シミュレーションモデルを
用いて上記管系内のガスの状態量を演算する管系内ガス
状態量演算手段と、上記容積部の比熱容量等の固体物性
値を加味した伝熱モデルを設定するとともに管系の伝熱
条件を設定する伝熱条件設定手段と、上記設定時間毎
に、上記管系内ガス状態量の演算データ及び管系の伝熱
条件に基づき上記伝熱モデルを用いて管系の固体部分の
温度を演算する管系温度演算手段とを備えたものであ
る。
【0015】請求項8に係る発明は、請求項1乃至5の
いずれかに記載の温度算出方法に基づいて吸・排気系を
設計する方法であって、上記温度算出方法によって算出
された吸・排気系温度に基づいて吸気系もしくは排気系
の信頼性を予測し、その予測結果が所定の信頼性判定条
件を満足しない場合は吸気系もしくは排気系の諸元ない
しエンジンの運転条件を変更した上で改めて上記算出方
法を実行して、信頼性判定条件を満足する吸気系もしく
は排気系の諸元ないしエンジンの運転条件を選び出すも
のである。
【0016】また、請求項9に係る発明は、請求項2乃
至5のいずれかに記載の温度算出方法に基づいて排気系
を設計する方法であって、上記温度算出方法によって算
出された排気系温度に基づいて排気浄化性能を予測し、
その予測結果が所定の排気浄化性能判定条件を満足しな
い場合は排気系の諸元ないしエンジンの運転条件を変更
した上で改めて上記温度算出方法を実行して、排気浄化
性能判定条件を満足する排気系の諸元ないしエンジンの
運転条件を選び出すものである。
【0017】
【作用】請求項1に記載の温度算出方法によると、上記
管系入口側ガス状態量演算処理、管系内ガス状態量演算
処理及び管系温度演算処理が設定時間毎に行われること
により、管系内のガスの温度及び管系の固体部分のガス
の温度が算出される。この場合、上記管系内ガス状態量
演算処理においては、管系に含まれる放熱容量の大きい
容積部が一次元解析に適した形にモデル化されて、この
モデルを含む管系の一次元シミュレーションモデルを用
いたガス状態量の演算が行われ、上記管系温度演算処理
においては上記伝熱モデルを用いた管系温度の演算が行
われることにより、上記ガス温度や管系温度が一次元解
析で比較的容易に求められる。そして、管系内ガス状態
量演算処理と管系温度演算処理とが相互に反映されつ
つ、上記各演算処理が設定時間毎に行われることによ
り、ガス温度や管系温度が精度よく求められる。
【0018】請求項2に記載の温度算出方法によると、
排気系の温度の算出に効果的に適用され、触媒コンバー
タを含む排気系のガス温度や排気管、触媒コンバータ等
の温度が、一次元解析で比較的簡単に、かつ精度よく求
められる。
【0019】請求項3に記載の温度算出方法によると、
管系入口側ガス状態量演算処理で非定常時に排気系に流
入するガスの状態量が演算されることにより、これに基
づいて非定常時の排気系のガス温度や管系温度を求める
ことが可能となる。
【0020】請求項4に記載の温度算出方法によると、
非定常時の放熱量のデータを用いて、非定常時の排気系
のガス温度や管系温度を求めることが可能となる。
【0021】請求項5に記載の温度算出方法によると、
上記管系入口側ガス状態量設定処理、管系内ガス状態量
演算処理及び管系温度演算処理が設定時間毎に行われ、
かつ、上記管系内ガス状態量演算処理においては、管系
に含まれる放熱容量の大きい容積部のモデルを含む管系
の一次元シミュレーションモデルを用いたガス状態量の
演算が行われ、上記管系温度演算処理においては上記伝
熱モデルを用いた管系温度の演算が行われることによ
り、上記ガス温度や管系温度が一次元解析で比較的容易
に、しかも精度よく求められる。
【0022】請求項6に記載の温度算出方法によると、
放熱容量の大きい容積部を含む吸気系もしくは排気系
の、少なくとも上記容積部におけるガスの状態量及び固
定部分の温度が、一次元解析で比較的容易に、しかも精
度よく求められる。
【0023】請求項7に記載の温度算出装置によると、
上記のような温度算出方法が有効に実行される。
【0024】請求項8に記載の設計方法によると、上記
のような温度算出方法に基づき、信頼性を満足する吸気
系もしくは排気系の諸元ないしエンジンの運転条件の設
計が容易に行われる。
【0025】請求項9に記載の設計方法によると、上記
のような温度算出方法に基づき、排気浄化性能を満足す
る吸気系もしくは排気系の諸元ないしエンジンの運転条
件の設計が容易に行われる。
【0026】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
なお、図に示す実施例では、本発明を排気系の温度算出
とそれに基づく排気系の設計に適用している。
【0027】図1はエンジン本体及び排気系を概略的に
示している。この図において、エンジン本体1の各気筒
は燃焼室2を有し、燃焼室2には排気ポート3が開口し
ている。また、排気系は、上記排気ポート3に通じる排
気マニホールド30と、その下流側の排気管5と、排気
管5に介設された触媒コンバータ10,20及びサイレ
ンサ6等で構成されている。この図に示す例では、触媒
コンバータ(以下、キャタと呼ぶ)として、排気マニホ
ールド4の近傍に位置するプリキャタ10及びその下流
に位置するメインキャタ20が配設されている。上記プ
リキャタ10は、排気管に連結されたキャタ容器11
と、その内部に収容された触媒12及び断熱材13から
なっており、メインキャタ20は、排気管に連結された
キャタ容器21と、その内部に収容された酸化、還元用
の一対の触媒22A,22B及び断熱材23からなって
いる。
【0028】図1中の実線矢印は排気ガスの流れを示し
ており、燃焼室2から排気ポート3に流出する排気ガス
は、排気マニホールド4を通って排気管5に流れ、上記
プリキャタ10、メインキャタ20及びサイレンサ6を
通過するようになっている。また、破線矢印は排気系か
らの熱の放出を示している。
【0029】図2は排気系の温度を算出するためのシミ
ュレーションモデルであり、このモデルは、燃焼室2及
び排気系を管モデル、容器モデル等のサブモデルの組合
せとしてモデル化し、排気流通方向各部位の排気ガス状
態量を一次元解析で計算することができるような一次元
モデルとしたものである。すなわち、排気系のシミュレ
ーションモデルは、排気マニホールド4及び排気管5を
表す管モデルと、プリキャタ10及びメインキャタ20
を表すモデルと、サイレンサー6を表すモデル等で構成
されている。
【0030】放熱容量の大きい容積部であるプリキャタ
10及びメインキャタ20は、例えば図3及び図4のよ
うにモデル化されている。すなわち、図3は、排気系内
の排気ガス状態量の演算に用いるキャタ容器モデル30
を示し、このモデル30は、キャタの入口側及び出口側
をそれぞれ容器とした2つの容器31a,31bと、こ
れらの容器31a,31bの間に位置する管31c及び
絞り31dとにモデル化され、これが排気系のモデルに
組み込まれている。そして、このように容器、管、絞り
からなるモデルとすることにより、後に詳述するような
管モデル、容器モデル及び境界モデルの解析演算手法を
適用して、一次元計算が可能となるようにしている。
【0031】また、図4は、排気系の温度の演算に用い
るキャタ伝熱モデル40を示している。このモデル40
は、キャタの容器、触媒、断熱材を伝熱要素41,4
2,43としてモデル化したものである。
【0032】上記キャタ容器モデル30及びキャタ伝熱
モデル40は、同一のキャタを排気ガス状態量の計算に
適合する形と容器、触媒の温度の計算に適合する形とに
それぞれモデル化したものである。上記プリキャタ10
及びメインキャタ20は、いずれも、このようなキャタ
容器モデル30及とキャタ伝熱モデル40とにモデル化
される。
【0033】なお、上記キャタ容器モデル30とキャタ
伝熱モデル40とを、図5に示すような1つのキャタモ
デル50で構成することもできる。すなわち、このキャ
タモデル50は、入口側及び出口側の2つの容器51
a,51bとその間の管51c及び絞り51dとを有す
るとともに、触媒及び断熱剤に相当する伝熱要素52,
53を含むようにモデル化され、排気ガス状態量の計算
とキャタ容器、触媒の温度の計算のいずれにも適用でき
るようになっている。
【0034】図6は排気系温度算出方法及びそれに基づ
く排気系設計方法の概略手順を示す説明図である。この
図に示すように、演算処理にあたっては、先ずステップ
S1で、エンジン諸元(シリンダボア径、圧縮比等)、
排気系諸元(排気管の径、長さ、キャタ容量等)、運転
モード(始動時、高負荷時、加減速時等)、運転条件
(回転数、空燃比、点火時期等)、ガス温度や排気系温
度等についての初期条件などを設定する。
【0035】次に、ステップS2で時間経過を想定する
ための時間設定を行なった上で、ステップS3での排気
系への流入ガスの状態量の演算処理(管径入口側ガス状
態量演算処理)と、ステップS4での排気系のガスの状
態量の計算(管系内ガス状態量演算処理)と、ステップ
S5での排気系各部の温度の計算(管系温度演算処理)
とを順次行なう。そして、ステップS2で時間tを一定
の微少な設定時間Δtずつ更新しつつ、ステップS3〜
ステップS5の処理を繰り返す。
【0036】上記ステップS3では、エンジン運転状態
の各種パラメータに基づき、燃焼室から排気系に流入す
る排気ガスの温度及び流量を演算し、例えば、実験等に
よって求められた指圧特性のデータ及び燃焼室放熱条件
(水温、油温、エンジン本体温度等)に基づいて演算を
行なう。
【0037】また、ステップS4では、上記ステップS
3で演算された排気系への流入ガスの状態量と、排気系
各部の温度(ステップS5の演算データが反映される)
とに基づき、図2に示すような一次元シミュレーション
モデルを用いて、後に詳述するような一次元解析によ
り、排気系内の各部における排気ガスの温度及び流量を
算出する。この場合、排気系に含まれる放熱容量の大き
い容積部であるプリキャタやメインキャタについては、
予め設定された図3のようなキャタ容器モデル30(ま
たは図5のようなキャタモデル50)を用いて一次元解
析を行なう。
【0038】さらにステップS5では、排気系内の排気
ガスの状態量(ステップS4の演算データが反映され
る)と排気系の放熱条件等の伝熱条件とに基づき、排気
管の温度、キャタにおけるキャタ容器温度及び触媒温
度、排気マニホールドの管温度等を算出する。この場
合、上記キャタについては、予め設定された図4のよう
なキャタ伝熱モデル40(または図5のようなキャタモ
デル50)を用いて一次元解析を行なう。
【0039】なお、上記指圧特性、燃焼室放熱条件及び
排気系放熱条件は、予め実験等に基づいて運転状態に応
じた値が求められ、エンジン始動時等の非定常時につい
ても後述のように指圧特性や放熱量のデータが求められ
る。そして、運転状態及び設定時間に応じたデータが逐
次与えられつつ上記各演算処理(ステップS3〜ステッ
プS5)が繰り返されることにより、非定常時における
排気ガスの状態量を求めることもできるようになってい
る。
【0040】上記各演算処理(ステップS3〜ステップ
S5)は、一定時間が経過し、あるいは演算値が収束す
る等の所定の演算終了条件が成立するまで繰り返され
る。
【0041】また、このような演算により得られる排気
系の温度の演算データは、例えばエミッションの判定
(ステップS6)や排気系の信頼性の判定(ステップS
7)、及びこれらの判定に基づく排気系の設定(ステッ
プS8)等に用いられる。すなわち、ステップS6で
は、上記ステップS5の演算処理により得られるキャタ
の触媒温度と予め実験的調べられた排気浄化率特性等に
基づいてエンジン始動時等におけるエミッション性能を
予測し、そのエミッション性能の良否を判定する。ま
た、ステップS7では、上記ステップS5の演算処理に
より得られる排気管、キャタ等の排気系各部の温度と、
排気系各部の材料の熱的強度等についてのパラメータと
に基づいて排気系の信頼性を予測し、その信頼性の良好
を判定する。そして、ステップS8では、上記ステップ
S6,S7での判定に基づき、上記エミッション性能や
信頼性が要求を満足しない場合に排気系諸元、運転条件
等を再設定する。
【0042】図6に概略的に示した演算等の処理の具体
例を、以下に説明する。
【0043】図7は、排気系への流入ガスの状態量を演
算するためのルーチンを示しており、この図の中のステ
ップS1,S2は図5中の同一符号のステップと同じで
ある。このルーチンでは、諸元、条件等の設定(ステッ
プS1)の後、演算処理を繰り返すための時間設定(ス
テップS2)を行なった上で、図4中のステップS3に
相当するステップS31〜S36の処理を行なう。
【0044】すなわち、先ずステップS31でエンジン
指圧データを設定する。この場合、予め種々のエンジン
回転数、負荷における指圧特性を実験的に調べておき、
そのデータをコンピュータ内に記憶させておく。そし
て、演算処理の際には設定された条件に基づいて運転状
態に応じた指圧特性が設定されるようにし、例えば、エ
ンジン始動時について演算を行なう場合であれば、始動
からの運転状態(回転数等)の変化に基づいて、設定時
間毎の運転状態が想定され、それに応じた指圧特性が上
記実験データから設定されるようにする。
【0045】続いてステップS32で、上記エンジン指
圧データ及びエンジン諸元に基づいて燃焼期間、燃焼時
間及び最大圧力を設定し、これらステップS31,S3
2での設定に基づき、ステップS33で燃焼による熱発
生量を計算する。さらにステップS34で、後述の図6
のルーチンでの演算によってエンジン本体温度を設定す
る。
【0046】次にステップS35で、エンジン本体への
放熱量QE を演算する。この放熱量QE は、燃焼ガスか
らヘッド、ライナー壁、ピストン壁へ放出される熱量で
あって、燃焼ガス温度をTG 、エンジン本体温度をT
E 、伝熱面積をAE 、熱伝達係数をαE とすると、
【0047】
【数1】QE=αE・(TG−TE)・AE・Δt となる。
【0048】続いてステップS36で、燃焼室から排気
系へ流入するガスの状態量(温度及び流量)を、一次元
ガスシミュレーションにより演算する。この演算は従来
のガスシミュレーションにおいても行なわれているもの
であるため、詳細については省略する。
【0049】このようにして、排気系への流入ガスの状
態量演算処理が行なわれる。なお、図7に示す演算処理
は、これだけを独立して行なうこともできるもので、こ
のようにする場合は、上記ステップS36に続いてステ
ップS37で終了条件成立(例えば所定時間経過)か否
かを判定し、終了条件が成立するまでステップS2及び
ステップS31〜S36を繰返し、終了条件が成立すれ
ば、ガス温度データをアウトプットする(ステップS3
8)。このガス温度データは、エンジンの燃焼条件等に
ついての判定、設計に利用することができる。
【0050】図6に示した全体手順の中で排気系への流
入ガスの状態量演算処理を行なう場合には、図7のルー
チンにおける上記ステップ36から、排気系ガスの状態
量演算処理(図6中のステップS4)に移る。
【0051】上記の図7のルーチンでの演算処理に関連
するエンジン本体温度の演算処理(ステップS300)
は、図8のルーチンで行なう。
【0052】このルーチンでは、先ずステップ301で
冷却水温及び潤滑油温を設定する。この場合、エンジン
始動時等の非定常時における冷却水温TW は、
【0053】
【数2】 TW=TW1−(TW1−TW0)・exp(H・t) となる(図9参照)。ここで、TW0は冷間時初期温度、
W1は定常時の温度、Hは冷却水の熱容量及び流量によ
って定まる定数であり、これらを予め実験等で調べてお
くことにより、非定常時にも設定時間毎に冷却水温TW
を求めることができる。潤滑油温についても同様であ
る。
【0054】続いてステップS302で、エンジン本体
のヘッド、ライナーから冷却水への熱伝達及びピストン
から潤滑油への熱伝達を設定する。これらの熱伝達は、
図10のようにエンジン回転数によって定まるものであ
り、これを予め実験的に調べておくことにより、始動時
等の非定常時にも、時間経過に応じたエンジン回転数の
変化に基づき、設定時間毎に熱伝達を求めることができ
る。
【0055】上記ステップS301,302での設定に
基づいてステップS303で、エンジン本体から冷却
水、潤滑油への放熱量QE′を演算する。つまり、エン
ジン本体から冷却水への放熱量QW は、エンジン本体の
温度TE と、冷却水温TW と、熱伝達αW と、伝熱面積
E′ とから、
【0056】
【数3】QW=αW・(TE−TW)・AE′・Δt と演算し、エンジン本体から潤滑油への放熱量も同様に
演算して、これらを加えることにより、放熱量QE′を
求める。
【0057】そしてステップS304で、燃焼ガスから
エンジン本体への放熱量QE(前記のステップS35で
求められる)と上記放熱量QE′との差をもって、エン
ジン本体に蓄積する熱量ΔQE を求める。さらにステッ
プS36で、エンジン本体の温度TE を計算する。この
場合、エンジン本体の比熱をCPE、密度をρE 、固体部
体積をVE 、エンジン温度上昇分をΔTE 、エンジン本
体温度の前回値をTE(n-1)として、次のように演算す
る。
【0058】
【数4】ΔTE=ΔQE/(CPE・ρE・VE) TE=TE(n-1)+ΔTE 図11は、図4に示した手順において、特に排気系にお
けるガスの状態量の計算(ステップS4)及び排気系各
部の温度計算(ステップS5)を具体的に示している。
この図において、諸元、条件等の設定(ステップS1)
の後、演算処理を繰り返すための時間設定(ステップS
2)を行なった上で、ステップS3での流入ガス状態量
演算処理(図5中のステップS31〜S36の処理)に
続き、ステップS4で、図2の排気系モデルに図3(も
しくは図5)のキャタ容器モデルを組み込んだ一次元モ
デルによる排気系のガスの状態量の計算を行なう。さら
に、排気系各部の温度計算(ステップS5)の処理とし
て、ステップS51で排気系の放熱条件を設定し、ステ
ップS52,S53で排気管温度の計算及びキャタ容
器、触媒の温度の計算を行なう。そして、終了条件成立
(例えば所定時間経過)か否かを判定し(ステップS5
4)、終了条件が成立するまでステップS2〜S4及び
ステップS51〜S53を繰返し、終了条件が成立すれ
ば、排気管、キャタの温度を出力する(ステップS5
5)。
【0059】上記ステップS4及びステップS51〜S
53の処理は、具体的には次のとおりである。
【0060】[1]排気系のガスの状態量の計算(ステッ
プS4) 排気系、キャタ容器モデルのうちの管モデル、容器モデ
ル、管と容器との管の境界モデルにつき、次のような演
算を行なう。なお、キャタ容器モデルは、入口側及び出
口側が容器モデル、中間部が管モデル、これらの間が境
界モデルとして計算される。
【0061】管モデルについての演算 管モデルには、壁面摩擦係数、曲がり損失、管壁との熱
交換を考慮して、次のような質量、運動量、エネルギー
の各保存式を適用する。
【0062】
【数5】
【0063】上記(1)〜(3)式を変形することによ
り、次のような状態量変化を表す特性方程式を得る。
【0064】
【数6】
【0065】上記(4)式は圧力伝播の軌跡、(5)式
は(4)式に沿っての変化、(6)式は粒子の移動軌
跡、(7)式は(6)式に沿っての変化である。
【0066】そして、管を等分割し、ある時刻における
各分割点での状態量(P,ρ,u,T)が既知であると
すれば、上記(4)〜(7)を差分近似した後、連立さ
せて解くことにより、微少時間後の各状態量を求めるこ
とができる。
【0067】容器モデルの演算 容器内では、次のエネルギー平衡式が成り立つ。
【0068】
【数7】
【0069】この式において、Σ(CpTdG/dt)
は容器に流入するガスのエネルギー、dQ/dtは壁面
からの伝達熱量や燃焼による発熱量等、d(CvGT)
/dtは内部エネルギーの変化、APdV/dtは外部
から受ける仕事量である。
【0070】この式を解くことにより、容器内の状態量
の変化を求めることができる。
【0071】境界モデルの演算 境界モデルについては、容器から管に気体が流出する場
合と、管から容器に気体が流入する場合とを説明する。
なお、境界モデルにおいては、容器内の圧力をPv、同
温度をTv、絞り(容器の管との間)の圧力をPt、同温
度をTt、同流速をut、同断面積をAt、管端の圧力を
p、同温度をTp、同流速をup、同断面積をApとす
る。
【0072】容器から管に気体が流出する場合において
は、次のエネルギー、質量の各保存式が成り立つ。
【0073】
【数8】
【0074】容器から絞りへは断熱変化を仮定すると、
次式が成り立つ。
【0075】
【数9】
【0076】管端が亜音速の場合は前記(5)式を適用
し、音速の場合は次式を適用する。
【0077】
【数10】
【0078】また、絞りにおいて亜音速の場合は次の
(12)式、音速の場合は(13)式が成り立つ。
【0079】
【数11】
【0080】上記(8)〜(13)式と(4)〜(7)
式を連立して解くことにより、管端における状態量(P
p,Tp,up)を求めることができる。
【0081】また、管から容器に気体が流入する場合に
おいては、次のエネルギー、質量の各保存式が成り立
つ。
【0082】
【数12】
【0083】管から絞りへは断熱変化を仮定すると、次
式が成り立つ。
【0084】
【数13】
【0085】また、絞りにおいて亜音速の場合は次の
(17)式、音速の場合は(18)式が成り立つ。
【0086】
【数14】
【0087】上記(14)〜(18)式と(4)〜
(7)式を連立して解くことにより、管端における状態
量(Pp,Tp,up)を求めることができる。
【0088】これら〜のような演算を、相互に演算
結果を反映させつつ設定時間毎に行なう。
【0089】[2]排気系各部の温度計算 [2-1]排気系の放熱条件の設定 排気管から大気への放熱量Qaは、次式のようになる。
【0090】
【数15】 Qa=αp・(Tp−Ta)・Ap・Δt …(19) αp:排気管から周囲への熱伝達 Tp:排気管温度(t時間後の) Ta:周囲温度 Ap:排気管の伝熱表面積 この放熱量Qaを定めるには、周囲温度Taと熱伝達α
pを定めなければならない。
【0091】周囲温度Taは実験に基づいて定めること
ができ、非定常時、例えば始動時の場合であれば、始動
前と始動後の周囲温度Ta0,Ta1を実験で調べておき、
その値をもとに始動開始からt秒後の周囲温度Taを次
式のように求める(図9参照)。
【0092】
【数16】 Ta=Ta1−(Ta1−Ta0)exp(A・t) A:エンジン諸元によって定まる定数 なお、始動前、始動後の周囲温度Ta0,Ta1を調べる場
合、排気ポート部分3については水温を調べ、排気マニ
ホールド4からプリキャタ10に至るまでの範囲につい
てはエンジンルーム内の温度を調べ、これより下流側の
部分については車外温度を調べればよい。
【0093】また、排気管から周囲への熱伝達αpも実
験に基づいて定めることができる。例えば、自動車の床
下に位置する部分では、走行風の影響を加味した熱伝達
の周方向の分布が図12のようになり、このような熱伝
達の分布を実験的に調べ、その平均値を求めることによ
り、熱伝達αpの値が得られる。
【0094】より具体的には、無風状態での周方向各位
値の熱伝達αpo及びその平均値と、走行風での熱伝達α
pv及びその平均値は、次のようになる。
【0095】
【数17】
【0096】ここで、Eは排気管位置による補正係数
(図13参照)であって、実験により定められる。そし
て、排気管から周囲への熱伝達は、
【0097】
【数18】
【0098】となる。
【0099】[2-2]排気管の温度の計算 排気管の温度は、後に述べるキャタ容器温度の計算に準
じて行なえばよい。つまり、 [2-3]キャタ容器、触媒温度の計算 キャタ容器温度の計算 前記の図3中に示すように、排気ガスから排気管への伝
熱量をQCY、触媒からキャタ容器への伝熱量をQCTY
排気管から大気への伝熱量をQCTA 、キャタ容器から排
気ガスへ還流する熱量をQCTG 、とする。
【0100】排気ガスから排気管への伝熱量QCYは次の
ように求められる。
【0101】
【数19】
【0102】触媒からキャタ容器への伝熱量QCTY は、
後記(28)式で求められる。
【0103】排気管から大気への伝熱量QCTA は、前述
のように熱伝達αpが定められている場合は前記(19)式
(放熱量Qaに相当)で求められるが、熱伝達αpが定
められていない場合には次のように求められる。
【0104】
【数20】
【0105】キャタ容器から排気ガスへ還流する熱量Q
CTG は次のように求められる。
【0106】
【数21】
【0107】上記各熱量QCY,QCTY ,QCTA ,QCTG
から、Δt時間にキャタ容器に蓄積される熱量Qcは、
次のように求められる。
【0108】
【数22】Qc=QCY+QCTY−QCTA−QCTG そして、この熱量Qcから、非定常時のキャタ容器温度
が求められる。すなわち、Δt時間当りの上昇温度ΔT
CAT は、
【0109】
【数23】 ΔTCAT=Qc/(CPC・ρC・VC) …(23) CPC:キャタ容器比熱、ρC:キャタ容器比重、VC:キ
ャタ容器固体部体積となり、キャタ容器温度TCAT は、
【0110】
【数24】TCAT=TCAT(n-1)+ΔTCAT (24) TCAT(n-1):キャタ容器温度の前回値 となる。
【0111】触媒温度の計算 前記の図3中に示すように、触媒前面より流入する熱量
をQCTF 、触媒格子内から流入する熱量をQCTI 、触媒
内の伝熱量をQCTX 、触媒側面からキャタ容器への伝熱
量をQCTY 、触媒から排気ガスへ還流する熱量をQCTR
とすると、これらの値は次のようになる。
【0112】
【数25】
【0113】上記各熱量QCTF ,QCTI ,QCTX ,Q
CTY ,QCTR から、Δt時間に触媒に蓄積される熱量Q
CTは、次のように求められる。
【0114】
【数26】 QCT=QCTF+QCTI+〔QCTX〕−QCTY−QCTR そして、Δt時間当りの上昇温度ΔTCTは、
【0115】
【数27】ΔTCT=QCT/(CCT・ρCT・VCT) CCT:触媒比熱、ρCT:触媒比重、VCT:触媒容量 となり、触媒温度TCTは、
【0116】
【数28】TCT=TCT(n-1)+ΔTCTCAT(n-1):触媒温度の前回値 となる。
【0117】以上のような温度算出方法によると、図6
中のステップS3の処理、具体的には図7中のステップ
S31〜S36の処理により、排気系への流入ガスの温
度及び流量が演算され、その演算データに基づいて、ス
テップS4の処理で排気系の各部におけるガスの温度及
び流量が演算されるとともに、ステップS5(具体的に
は図11中のステップS51〜S53)の処理により排
気系の各部の温度が演算され、これらの演算処理が設定
時間毎に繰り返される。この場合に、図2に示すような
排気系の一次元シミュレーションモデルが作成され、キ
ヤタについては一次元解析に適合する図3のようなキャ
タ容器モデル30及び図4のようなキャタ伝熱モデル4
0、あるいは図5のようなキヤタモデル50が作成さ
れ、これらのモデルを用いた一次元解析により排気系の
ガス温度及び排気系温度が算出される。従って、三次元
解析による場合と比べて計算が簡単になるとともに、モ
デルの作成も容易になり、しかも上記ガス温度及び排気
系温度が精度良く求められる。
【0118】また、エンジン始動時等の非定常時につい
ても、その非定常時の指圧データや放熱条件等が与えら
れつつ、設定時間毎にガス温度、排気系温度が算出され
る。従って、非定常時の温度も容易に、かつ精度良く求
められる。
【0119】図14は、上記の温度算出方法により得ら
れる演算データとして、キャタ前のガス温度、キャタの
ガス温度、触媒温度(モノリス温度)及び排気管温度の
それぞれにつき、エンジン始動からの経過時間に応じた
計算値を示している。また、上記の温度算出方法により
得られる演算データとして、図15は、排気系の各部に
おける排気ガスと排気管、キャタ容器及び触媒の各温度
の計算値(始動後60秒の時点での値)を示している。
これらの図に示すように、排気ガスの温度及び排気系の
固体部分の温度は排気系の各部においてそれぞれ異な
り、かつ、これらの温度が時間経過に伴って変化する
が、上記の温度算出方法により、このような非定常時の
排気系各部の温度の、時間経過に応じた値が求められる
こととなる。
【0120】そして、当発明者において試作機につき実
測により排気系各部の温度を調べ、その実験値と上記の
温度算出方法により求めた計算値とを比較したところ、
極めて高い精度で実験値と計算値とが近似する結果が得
られた。
【0121】なお、上記実施例では、後に詳述するよう
な信頼性の判定及びエミッション性能の判定とそれに基
づく排気系の設計のため、排気系の各部におけるガス温
度及び排気系温度を演算しているが、キャタ単体につい
ての信頼性及び性能の判定、設計等を行なうような場合
には、上記のような各演算処理のうちでキャタ内のガス
の状態量の演算及びキャタ容器、触媒の温度の演算を独
立して行なうようにすることもできる。この場合、図
3,図4のようなモデル30,40あるいは図5のよう
なモデル50を用い、かつ、キャタ入口側及び出口側の
ガスの状態量及び伝熱条件についてのデータを実験等に
基づいて定めておき、そのデータを設定時間毎に与えて
演算を行なうようにすればよい。
【0122】図16は、温度算出方法の別の実施例を示
している。この図に示す実施例では、諸元、条件等の設
定(ステップS1)の後、演算処理を繰り返すための時
間設定(ステップS2)に続き、前記の実施例における
流入ガス状態量演算処理(ステップS3)に代えて、実
験データによる排気ガスデータの入力、設定を行なう
(ステップS3′)。つまりこの実施例は、運転中にお
ける燃焼室から排気系への流入ガスの温度、流量の時間
的変化が予め実験によって既知となっている場合のもの
であって、Δt時間毎の流入ガスの温度、流量の実験デ
ータを入力するようにしている。
【0123】ステップS3′に続く排気系のガスの状態
量計算(ステップS4)、排気系放熱条件の設定(ステ
ップS51)、排気管温度の計算(ステップS52)及
びキャタ容器、触媒温度の計算(ステップS53)は、
前記の図11中に示すものと同様である。
【0124】このように、運転中における流入ガスの状
態量の時間的変化が予め既知の場合にそのデータを利用
して設定時間毎の流入ガス状態量の設定を行なうように
すれば、計算の簡略化が図られる。一方、運転中におけ
る流入ガスの状態量の時間的変化を予め実件的に調べて
おくことが困難な場合は、前記の実施例によればよい。
【0125】次に、排気系の温度の算出に基づき、その
演算データを利用して行なうエミッション性能、信頼性
の判定とそれに応じた排気系設計(図6中のステップS
6〜S8の処理)の具体例を説明する。
【0126】図17は、排気系温度を算出する処理に加
えてEM(エミッション)性能の判定とそれに応じた排
気系設計を行なう場合の一例を示している。
【0127】この図に示す手順としては、諸元、条件等
の設定(ステップS1)の後、演算処理を繰り返すため
の時間設定(ステップS2)に続き、設定時間毎に運転
状態の設定(ステップS60)を行なう。この場合、E
M性能の判定を行なうべき運転条件における走行パター
ンが予め実験により定められ、例えば図19中に示すよ
うな運転時間経過に応じた車速の変化が定められてその
データがコンピュータ内に記憶されており、この走行パ
ターンのデータから、設定時間毎にその時点の運転状態
を求めてこれを入力する。そしてこの運転状態のもとで
のガス状態量、排気系温度の計算(図6中のステップS
3〜S5に相当する処理)を行なう。
【0128】続いてステップS61で、図18に示すよ
うな触媒温度と触媒の浄化率との関係を示す触媒浄化率
特性のデータを入力する。そして、ステップS62で、
上記触媒浄化率特性に基づき、触媒温度の計算値に応じ
た浄化率を求め、ステップS63で、この浄化率と排気
ガス流量の計算値とから、設定時間毎のEM排出量(排
気ガス中の有害成分の排出量)を計算する。さらにステ
ップS64で、今回までのEM排出量の累積値であるE
M総排出量を積算する。なお、設定時間毎のEM排出量
が図19中に示すようになる場合、同図中にハッチング
を付した部分の面積がEM総排出量に相当する。
【0129】上記ステップS2からステップS64まで
の処理を、指定時間経過の判定(ステップS65)に基
づいて指定時間が経過するまで繰返し、指定時間が経過
すると、ステップS66で、上記EM総排出量が基準値
以下か否かによりEM性能が良好か否かを判定する。
【0130】この判定結果が良(OK)であればそのま
ま終了するが、不良(NG)の場合は、排気系諸元や運
転条件を再設定し(ステップS67)、時間設定のリセ
ット(ステップS68)を行なった上でステップS2に
戻ってそれ以下の処理を繰り返す。そして、ステップS
66の判定が良となるまで、排気系諸元や運転条件の再
設定を繰り返す。
【0131】上記ステップS67で再設定を行なう場合
に、排気系諸元としては排気管肉厚、熱容量、触媒容
量、排気管断熱材料、排気管材料、外部ヒーター等を再
設定し、運転条件としては点火時期、エンジン回転数、
空燃比、EGR、二次エアー等を再設定すればよい。
【0132】このように排気系温度演算データを用いた
EM性能の判定に基づいて排気系諸元や運転状態の設計
を行なうようにすると、EM性能の良好な排気系の設計
を机上で容易に行なうことができる。
【0133】なお、EM性能判定の具体的手法は上記実
施例以外にも考えられ、例えば、始動から所定時間経過
までの期間について温度計算の処理(図6中のステップ
S2〜S5)を行なってから、排気浄化率特性のデータ
に基づき、上記所定時間経過時点の触媒温度の計算値に
応じた浄化性能を求め、この浄化性能が基準値以上か否
かを調べるようにしてもよい。
【0134】図20は、排気系温度を算出する処理に加
えて信頼性判定とそれに応じた排気系設計を行なう場合
の一例を示している。
【0135】この図に示す手順としては、諸元、条件等
の設定(ステップS1)の後、演算処理を繰り返すため
の時間設定(ステップS2)に続き、設定時間毎に運転
状態の設定(ステップS70)を行なう。この場合、信
頼性判定を行なうべき運転条件における走行パターンが
予め実験により定められ、例えば図21に示すような高
負荷での熱サイクル耐久テストモードによる時間経過に
応じた運転状態(回転数、負荷)の変化のパターンと、
図22に示すような加減速評価テストモードによる時間
経過に応じた車速の変化のパターンの2種類のパターン
が予め定められて、そのデータがコンピュータ内に記憶
されている。そして、ステップS1で運転モードが設定
されるとともに、上記ステップS70で、その運転モー
ドによるパターンのデータから、設定時間毎にその時点
の運転状態を求めてこれを入力する。そしてこの運転状
態のもとでのガス状態量、排気系温度の計算(図6中の
ステップS3〜S5に相当する処理)を行なう。
【0136】続いてステップS71で、排気系材料の熱
的強度を示すパラメータ(材料物性値により定まる耐熱
限界温度等)を入力する。そしてステップS72で、排
気系(排気管やキャタ)の温度が耐熱限界温度の限度内
にあるか否かを判定し、限度内になければ即座に警報を
表示して設計者に知らせる(ステップS78)。
【0137】ステップS72で限度内にあることを判定
したときには、ステップS73で温度の安全率を設定
し、続いてステップS74で、排気系各部位により設定
した設計基準値である設計限界温度と排気系の温度の計
算値との比が上記安全率以上か否かにより、信頼性が良
か否かを判定する。そして、信頼性が良(OK)であれ
ば、指定時間経過の判定(ステップS75)に基づいて
指定時間が経過するまでステップS2からの処理を繰り
返し、信頼性良の状態が指定時間中持続すれば終了す
る。
【0138】ステップS74で不良(NG)と判定され
た場合は、排気系諸元や運転条件を再設定し(ステップ
S76)、時間設定のリセット(ステップS77)を行
なった上でステップS2に戻ってそれ以下の処理を繰り
返す。そして、ステップS74の判定が良となるまで、
排気系諸元や運転条件の再設定を繰り返す。
【0139】上記ステップS76で再設定を行なう場合
に、排気系諸元としては排気管位置、排気管材質、排気
管断熱材料等を再設定し、運転条件としては空燃比、E
GR、二次エアー等を再設定すればよい。
【0140】このように排気系温度演算データを用いた
信頼性判定に基づいて排気系諸元や運転状態の設計を行
なうようにすると、信頼性の良好な排気系の設計を机上
で容易に行なうことができる。
【0141】なお、図17及び図20では、EM性能の
判定に基づく排気系の設計と、信頼性の判定に基づく排
気系の設計とを個別に示しているが、これらの処理を相
互に関連づけて行なうようにすることが望ましい。例え
ば、EM性能の判定とこれが不良の場合の再設定等の処
理(図17参照)によりEM性能を満足するように排気
系諸元及び運転条件を設定すれば、次いで信頼性判定と
これが不良の場合の再設定等の処理(図20参照)を行
なうとともに、ここで再設定が行なわれるとEM性能に
影響する可能性があることから改めてEM性能の判定と
それに応じた処理を行なうというようにして、EM性能
及び信頼性を共に満足するように設計すればよい。
【0142】図23は、前記の温度算出方法(図6参
照)を実行するための温度算出装置の一例を示してい
る。この装置は、パラメータ設定手段61、管系入口側
ガス状態量演算手段62、一次元モデル設定手段63、
管系内ガス状態量演算手段64、伝達条件設定手段6
5、管系温度演算手段66及び性能予測手段67を有し
ており、これらの手段はコンピュータで構成されてい
る。
【0143】上記パラメータ設定手段61は、前記の温
度算出方法における管系入口側ガス状態量演算処理(ス
テップS3)に用いる運転状態の各種パラメータを設定
し、例えば燃焼室放熱条件、指圧データ等を設定する。
また、上記管系入口側ガス状態量演算手段62は、管系
入口側ガス状態量演算処理を実行し、例えば、上記燃焼
室放熱条件、指圧データ等に基づいて設定時間毎に排気
系への流入ガスの状態量を演算する。
【0144】上記一次元モデル設定手段63は、管系内
ガス状態量演算処理に用いる一次元シミュレーションモ
デルを設定し、例えば、図2のような排気系の一次元モ
デル及びこれに組み込まれる図3のようなキャタ容器モ
デル30等を設定する。また、管系内ガス状態量演算手
段64は、管系内ガス状態量演算処理を実行し、具体的
には、上記管系入口側ガス状態量演算手段62から出力
される排気系への流入ガスの状態量と、管系温度演算手
段66から与えられる排気系の温度とに基づき、上記一
次元シミュレーションモデルを用いて、設定時間毎に排
気系内のガスの状態量を演算する。
【0145】上記伝達条件設定手段65は、管系温度演
算処理に用いる伝熱条件を設定し、例えば、排気系放熱
条件を設定するとともに、図4のようなキャタ伝熱モデ
ル等を設定する。また、上記管系温度演算手段66は、
管系温度演算処理を実行し、具体的には、上記管系内ガ
ス状態量演算手段64から出力される排気系内のガスの
状態量と排気系放熱条件とに基づき、キャタ伝熱モデル
等を用いて、設定時間毎に排気系の温度を演算する。
【0146】また、上記性能予測手段67は、上記管系
温度演算手段66から出力される演算データを入力し、
さらに必要に応じて管系内ガス状態量演算手段64から
出力される演算データを入力して、そのデータに基づき
EM性能や信頼性を予測する。
【0147】図24は、上記の図23に示す温度算出装
置を構成するコンピュータシステムの一例を示し、この
例では、ネットワークで接続された第1乃至第4の4つ
のツール(コンピュータ端末)71〜74によって温度
算出装置を構成している。
【0148】第1のツール71は、燃焼室から排気系へ
の流入ガスの状態量の予測を行なうもので、図23中の
パラメータ設定手段61及び管系入口側ガス状態量演算
手段62を含む。そして、エンジン回転数、負荷、点火
時期、空燃比等の運転条件及びシリンダボア径、圧縮
比、ポート径等のエンジン諸元を入力し、指圧特性など
のデータを有し、燃焼室から排気系への流入ガスの状態
量を出力するようになっている。
【0149】第2のツール72は、排気系のガス状態量
の予測を行なうもので、図23中の一次元モデル設定手
段63及び管系内ガス状態量演算手段64を含んでい
る。そして、第1のツール71から出力されるデータ及
び排気系の諸元を入力し、排気系の放熱条件等のデータ
及び上記一次元シミュレーションモデルを有し、排気系
各部のガスの状態量を出力するようになっている。
【0150】第3のツール73は、排気系温度の予測を
行なうもので、図23中の伝達条件設定手段65及び管
系温度演算手段66を含んでいる。そして、第2のツー
ル72から出力されるデータ及び排気系の熱容量等を入
力し、排気径及びエンジン本体の比熱、熱伝達率、重量
等のデータ及び伝熱モデルを有し、排気系各部の温度を
出力するようになっている。
【0151】第4のツール73は、EM性能や信頼性を
予測するもので、図23中の性能予測手段67を含んで
いる。そして、第3のツール73から出力されるデータ
(及び必要に応じて第2のツール72から出力されるデ
ータ)を入力し、触媒の浄化率特性等のデータを有し、
EM性能や信頼性の予測データを出力するようになって
いる。
【0152】このような温度算出装置によると、前述の
ような温度算出方法が有効に行なわれる。また、図24
に示すように複数のツール71〜74で装置を構成して
おけば、各ツール71〜74による処理を異なる場所で
行なうこともでき、また、例えば第1のツール71によ
る流入ガスの状態量の予測だけを独立して行なうという
ような使い方も可能で、処理の融通性に富む。
【0153】もっとも、図23に示すような装置を1台
のコンピュータで構成することも勿論可能である。
【0154】なお、以上に説明した実施例では、本発明
を排気系の温度算出等に適用した場合を示したが、本発
明は吸気系の温度算出及びそれに基づく吸気系の設計等
に適用することもできる。
【0155】また、吸・排気系に含まれる放熱容量の大
きい容積部のモデルとして、上記実施例ではキャタのモ
デルを示したが、このほかに、排気系ではサイレンサ、
吸気系では過給機、インタークーラ等も同様にモデル化
することができる。
【0156】このほかにも、本発明の方法、装置の具体
的構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更し
て差し支えない。
【0157】
【発明の効果】請求項1に記載の温度算出方法は、管系
入口側のガスの状態量の演算と、その演算データを用い
た管系内のガスの状態量の演算と、管系の固体部分の温
度の演算とを一定の設定時間毎に繰返し行ない、かつ、
管系内ガス状態量演算処理においては、放熱容量の大き
い容積部を一次元解析に適合するようにモデル化した容
積部のモデルを含む一次元シミュレーションモデルを用
いてガスの状態量を演算し、管系温度演算処理において
は、上記容積部の伝熱モデルを用いて管系温度を演算す
ることにより、上記容積部を含む吸気系もしくは排気系
のガス温度及び管系温度を、一次元解析で求めるように
している。従って、三次元解析による場合と比べて演算
が簡単になるとともにモデルの作成が容易になり、しか
もガス温度や管系温度を精度よく求めることができる。
【0158】請求項2に記載のように上記方法を排気系
の温度算出に適用した場合は、放熱容量の大きい容積部
としての触媒コンバータを含む排気系のガス温度や排気
管、触媒コンバータ等の温度を、比較的簡単に、かつ精
度よく求めることができる。
【0159】この発明において、とくに、請求項3に記
載のように、エンジン諸元と、非定常時のエンジンの燃
焼状態に関する特性のデータと、非定常時の燃焼ガスか
らの放熱量とに基づいて、管系入口側ガス状態量演算処
理を行ない、また、請求項4に記載のように、非定常時
の周囲温度及び温度分布から求められる非定常時の排気
系からの放熱量のデータを用いて上記管系温度演算処理
を行うようにすることにより、非定常時のガス温度や管
系温度を算出することができる。
【0160】また、請求項5に記載のように、実験デー
タに基づいて設定時間毎の管系入口側のガス状態量を設
定し、その他は請求項1に記載の方法と同様にして管系
内のガスの状態量及び管系内の固体部分の温度を演算す
るようにしても、ガス温度や管系温度輪一次元解析で比
較的容易に、しかも精度よく求めることができる。
【0161】また、請求項6に記載のように、吸気系も
しくは排気系に含まれる放熱容量の大きい容積部につい
て、入口側、出口側の2つの容器とその間の絞り及び管
とにモデル化した一次元モデルと、上記容積部の比熱容
量等の固体物性値を加味した伝熱モデルとを設定し、こ
れらのモデルを用いて少なくとも上記容積部におけるガ
スの状態量及び固体部分の温度の演算を一定の設定時間
毎に繰返し行なうようにすると、上記容積部の温度を一
次元解析で比較的容易に、しかも精度よく求めることが
できる。
【0162】請求項7に記載の温度算出装置によると、
放熱容量の大きい容積部を含む吸気系もしくは排気系の
ガス温度や管系温度を一次元解析により算出する方法
を、効果的に実行することができる。
【0163】請求項8に記載の設計方法によると、請求
項1乃至5のいずれかに記載の温度算出方法によって算
出された吸・排気系温度に基づいて吸気系もしくは排気
系の信頼性を予測し、それに応じて吸気系もしくは排気
系の諸元ないしエンジンの運転条件を設定するようにし
ているため、上記温度算出方法を利用して信頼性を満足
するような設計を容易に行なうことができる。
【0164】また、請求項9に係る発明は、請求項2乃
至5のいずれかに記載の温度算出方法によって算出され
た排気系温度に基づいて排気浄化性能を予測し、それに
応じて吸気系もしくは排気系の諸元ないしエンジンの運
転条件を設定するようにしているため、上記温度算出方
法を利用して排気浄化性能を満足するような設計を容易
に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】排気系の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の方法の一実施例に用いる排気系の一次
元シミュレーションモデルを示す図である。
【図3】触媒コンバータの一次元シミュレーション用の
容器モデルを示す図である。
【図4】触媒コンバータの伝熱モデルを示す図である。
【図5】触媒コンバータの容器モデル及び伝熱モデルを
合体させたモデルを示す図である。
【図6】本発明の方法の一実施例の概略手順を示すフロ
ーチャートである。
【図7】排気系への流入ガス状態量演算処理の具体例を
示すフローチャートである。
【図8】エンジン本体温度計算のためのルーチンを示す
フローチャートである。
【図9】周囲温度の変化を示す図である。
【図10】エンジンのヘッド、ライナーから冷却水への
熱伝達及びピストンから潤滑油への熱伝達の、エンジン
回転数に応じた値を示す図である。
【図11】排気系におけるガス状態量及び排気系各部の
温度の演算の具体例を示すフローチャートである。
【図12】排気管から周囲への熱伝達の分布を示す説明
図である。
【図13】排気管周囲位置に応じた伝熱補正係数を示す
説明図である。
【図14】キャタ前排気ガス温度、触媒温度、キャタ後
排気ガス温度及び排気管温度の、経過時間に応じた値の
演算データを示す図である。
【図15】排気系各部における排気ガス温度、排気管温
度、キャタ温度、触媒温度の演算データを示す図であ
る。
【図16】本発明の温度算出方法の別の実施例を示すフ
ローチャートである。
【図17】温度算出に基づくエミッション性能の判定と
それに応じた排気系の設計の方法の一例を示すフローチ
ャートである。
【図18】触媒浄化率の特性を示す図である。
【図19】所定の運転モードによる運転時間経過に応じ
た車速の変化の一例を示す図である。
【図20】温度算出に基づく信頼性の判定とそれに応じ
た排気系の設計の方法の一例を示すフローチャートであ
る。
【図21】熱サイクル耐久テスト用の運転モードによる
エンジン運転状態の時間的変化を示す図である。
【図22】加減速評価用の運転モードによるエンジン運
転状態の時間的変化を示す図である。
【図23】本発明の温度算出方法を行なう温度算出装置
の構成の一例を示す図である。
【図24】温度算出装置を構成するコンピュータシステ
ムの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体 2 燃焼室 4 排気マニホールド 5 排気管 10,20 触媒コンバータ 30 キャタ容器モデル 40 キャタ伝熱モデル 50 キャタモデル

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気系もしくは排気系のガスが流通する
    管系及び燃焼室を管モデル、容器モデル等のサブモデル
    の組合せとしてモデル化し、このモデルに基づいてガス
    の温度、管系の温度を算出する方法であって、エンジン
    運転状態の各種パラメータに基づいて上記管系の入口側
    におけるガスの状態量を演算する管系入口側ガス状態量
    演算処理と、この管系入口側ガス状態量及び管系の温度
    に基づいて上記管系内のガスの状態量を演算する管系内
    ガス状態量演算処理と、この管系内のガスの状態量及び
    管系の伝熱条件のパラメータに基づいて管系の固体部分
    の温度を演算する管系温度演算処理とを、上記管系内ガ
    ス状態量の演算結果と管系温度の演算結果とを相互に反
    映させつつ、一定の設定時間毎に繰返し行ない、かつ、
    上記管系内ガス状態量演算処理においては、上記管系に
    含まれる放熱容量の大きい容積部を入口側、出口側の2
    つの容器とその間の絞り及び管とにモデル化して、この
    容積部のモデルを含む管系の一次元シミュレーションモ
    デルを用いてガスの状態量を演算し、上記管系温度演算
    処理においては、上記容積部の比熱容量等の固体物性値
    を加味した伝熱モデルを用いて管系の固体部分の温度を
    演算することを特徴とするエンジンの吸・排気系温度算
    出方法。
  2. 【請求項2】 排気系のガスの温度及び管系の温度を算
    出する方法であって、上記管系入口側ガス状態量演算処
    理では燃焼室から排気系に流入するガスの状態量を演算
    し、上記管系内ガス状態量演算処理では放熱容量の大き
    い容積部としての触媒コンバータを含む排気系の内部の
    ガスの状態量を演算し、上記管系温度演算処理では排気
    管及び上記触媒コンバータの容器等の排気系固体部分の
    温度を演算することを特徴とする請求項1記載のエンジ
    ンの吸・排気系温度算出方法。
  3. 【請求項3】 上記管系入口側ガス状態量演算処理は、
    エンジン諸元と、実験に基づいて設定される非定常時の
    エンジンの燃焼状態に関する特性のデータと、実験に基
    づいて定められる非定常時の燃焼ガスからの放熱量とに
    基づいて、非定常時に燃焼室から排気系に流入するガス
    の状態量を演算するものであることを特徴とする請求項
    2記載のエンジンの吸・排気系温度算出方法。
  4. 【請求項4】 実験に基づいて定めた非定常時の周囲温
    度及び温度分布から非定常時における排気系からの放熱
    量を求め、この放熱量のデータを用いて上記管系温度演
    算処理を行うことを特徴とする請求項2または3に記載
    のエンジンの吸・排気系温度算出方法。
  5. 【請求項5】 吸気系もしくは排気系のガスが流通する
    管系及び燃焼室を管モデル、容器モデル等のサブモデル
    の組合せとしてモデル化し、このモデルに基づいてガス
    の温度、管系の温度を算出する方法であって、上記管系
    入口側のガス状態量の運転状態に応じた値を調べた実験
    データに基づいて管系入口側のガス状態量を設定する管
    系入口側ガス状態量設定処理と、この管系入口側ガス状
    態量及び管系の温度に基づいて上記管系内のガスの状態
    量を演算する管系内ガス状態量演算処理と、この管系内
    のガスの状態量及び管系の伝熱条件のパラメータに基づ
    いて管系の固体部分の温度を演算する管系温度演算処理
    とを、上記管系内ガス状態量の演算結果と管系温度の演
    算結果とを相互に反映させつつ、一定の設定時間毎に繰
    返し行ない、かつ、上記管系内ガス状態量演算処理にお
    いては、上記管系に含まれる放熱容量の大きい容積部を
    入口側、出口側の2つの容器とその間の絞り及び管とに
    モデル化して、この容積部のモデルを含む管系の一次元
    シミュレーションモデルを用いてガスの状態量を演算
    し、上記管系温度演算処理においては、上記容積部の比
    熱容量等の固体物性値を加味した伝熱モデルを用いて管
    系の固体部分の温度を演算することを特徴とするエンジ
    ンの吸・排気系温度算出方法。
  6. 【請求項6】 放熱容量の大きい容積部を含む吸気系も
    しくは排気系の、少なくとも上記容積部をモデル化し、
    このモデルに基づいて少なくとも上記容積部の温度を算
    出する方法であって、上記容積部を入口側、出口側の2
    つの容器とその間の絞り及び管とからなる一次元シミュ
    レーションモデルと、上記容積部の比熱容量等の固体物
    性値を加味した伝熱モデルとを設定し、これらのモデル
    を用いて、上記容積部の流入側及び流出側のガスの状態
    量の及び伝熱条件のデータに基づき少なくとも上記容積
    部を流通するガスの状態量の演算及び容積部の固体部分
    の温度の演算を、一定の設定時間毎に繰返し行なうこと
    を特徴とするエンジンの吸・排気系温度算出方法。
  7. 【請求項7】 吸気系もしくは排気系のガスが流通する
    管系及び燃焼室を管モデル、容器モデル等のサブモデル
    の組合せとしてモデル化し、このモデルに基づいてガス
    の温度、管系の温度を算出する方法に使用する装置であ
    って、上記管系の入口側におけるガスの状態量に関係す
    るエンジン運転状態の各種パラメータを設定するパラメ
    ータ設定手段と、一定の設定時間毎に上記パラメータ設
    定手段からのデータに基づいて上記管系の入口側におけ
    るガスの状態量を演算する管系入口側ガス状態量演算手
    段と、上記管系に含まれる放熱容量の大きい容積部を入
    口側、出口側の2つの容器とその間の絞り及び管とにモ
    デル化した容積部のモデルを含む上記管系の一次元シミ
    ュレーションモデルを設定する一次元モデル設定手段
    と、上記設定時間毎に、管系入口側ガス状態量の演算デ
    ータ及び管系の固体部分の温度の演算データに基づき上
    記一次元シミュレーションモデルを用いて上記管系内の
    ガスの状態量を演算する管系内ガス状態量演算手段と、
    上記容積部の比熱容量等の固体物性値を加味した伝熱モ
    デルを設定するとともに管系の伝熱条件を設定する伝熱
    条件設定手段と、上記設定時間毎に、上記管系内ガス状
    態量の演算データ及び管系の伝熱条件に基づき上記伝熱
    モデルを用いて管系の固体部分の温度を演算する管系温
    度演算手段とを備えたことを特徴とするエンジンの吸・
    排気系温度算出装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至5のいずれかに記載の温度
    算出方法に基づいてエンジンの吸・排気系を設計する方
    法であって、上記温度算出方法によって算出された吸・
    排気系温度に基づいて吸気系もしくは排気系の信頼性を
    予測し、その予測結果が所定の信頼性判定条件を満足し
    ない場合は吸気系もしくは排気系の諸元ないしエンジン
    の運転条件を変更した上で改めて上記算出方法を実行し
    て、信頼性判定条件を満足する吸気系もしくは排気系の
    諸元ないしエンジンの運転条件を選び出すことを特徴と
    するエンジン設計方法。
  9. 【請求項9】 請求項2乃至5のいずれかに記載の温度
    算出方法に基づいてエンジンの排気系を設計する方法で
    あって、上記温度算出方法によって算出された排気系温
    度に基づいて排気浄化性能を予測し、その予測結果が所
    定の排気浄化性能判定条件を満足しない場合は排気系の
    諸元ないしエンジンの運転条件を変更した上で改めて上
    記温度算出方法を実行して、排気浄化性能判定条件を満
    足する排気系の諸元ないしエンジンの運転条件を選び出
    すことを特徴とするエンジン設計方法。
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