JPH0873650A - 黒色樹脂着色剤 - Google Patents
黒色樹脂着色剤Info
- Publication number
- JPH0873650A JPH0873650A JP6215909A JP21590994A JPH0873650A JP H0873650 A JPH0873650 A JP H0873650A JP 6215909 A JP6215909 A JP 6215909A JP 21590994 A JP21590994 A JP 21590994A JP H0873650 A JPH0873650 A JP H0873650A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- colorant
- resin
- powder
- black
- graphite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 原料樹脂に配合して、曲げ弾性率等の物性低
下を引き起こさずに、少量の配合量で樹脂を十分な黒色
に着色することができる黒色樹脂着色剤を提供する。 【構成】 本発明の着色剤は黒鉛(グラファイト)材料
の加工によって生じた廃黒鉛の粉末からなる樹脂着色剤
である。好ましくは、黒鉛粉末の粒径は1,000 μm以下
である。
下を引き起こさずに、少量の配合量で樹脂を十分な黒色
に着色することができる黒色樹脂着色剤を提供する。 【構成】 本発明の着色剤は黒鉛(グラファイト)材料
の加工によって生じた廃黒鉛の粉末からなる樹脂着色剤
である。好ましくは、黒鉛粉末の粒径は1,000 μm以下
である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂類の着色に使用す
る黒色着色剤に関する。
る黒色着色剤に関する。
【0002】
【従来の技術】成形体等の製造に使用される樹脂類の着
色は、一般に顔料を配合してなされている。樹脂の黒色
着色には、古くからカーボンブラックが用いられてい
る。カーボンブラックなどは樹脂への分散性が著しく悪
く、この分散性の向上のために多大の努力が払われてい
る。また、カーボンブラックは高価である上に、樹脂に
配合して着色した際に曲げ弾性率の低下を招くという問
題がある。そのため、カーボンブラックに代わる安価で
且つ有用な黒色着色剤の開発が望まれていた。
色は、一般に顔料を配合してなされている。樹脂の黒色
着色には、古くからカーボンブラックが用いられてい
る。カーボンブラックなどは樹脂への分散性が著しく悪
く、この分散性の向上のために多大の努力が払われてい
る。また、カーボンブラックは高価である上に、樹脂に
配合して着色した際に曲げ弾性率の低下を招くという問
題がある。そのため、カーボンブラックに代わる安価で
且つ有用な黒色着色剤の開発が望まれていた。
【0003】最近の技術として、特開平4-272943号公報
は、可燃性産業廃棄物の燃焼灰を黒色樹脂着色剤として
利用することを開示している。これによれば、重量平均
粒径が1〜20μmで且つ比表面積が9×103cm2/g以上で
あり、カーボンを2〜30重量%含み、TiO2とFe2O3 との
重量総和が10重量%以下の燃焼灰を黒色着色剤として使
用する。この燃焼灰の黒色着色剤は、樹脂への混合や分
散性の点で優れている一方で、炭素分以外の成分(TiO2
やFe2O3 等)を含有しているため所定の着色を得るのに
高含有量で樹脂に配合しなくてはならないという不都合
がある。樹脂に燃焼灰の黒色着色剤を多量に配合する
と、樹脂の比重が増加し、そのため特に軽量化を求めら
れる製品を製造するのには不向きである。また、一般の
可燃性産業廃棄物は様々の物質を含むため、それらから
得られる燃焼灰の成分には変動があり、従ってこのよう
な燃焼灰を着色剤とした製品の着色にはムラが生じやす
い。
は、可燃性産業廃棄物の燃焼灰を黒色樹脂着色剤として
利用することを開示している。これによれば、重量平均
粒径が1〜20μmで且つ比表面積が9×103cm2/g以上で
あり、カーボンを2〜30重量%含み、TiO2とFe2O3 との
重量総和が10重量%以下の燃焼灰を黒色着色剤として使
用する。この燃焼灰の黒色着色剤は、樹脂への混合や分
散性の点で優れている一方で、炭素分以外の成分(TiO2
やFe2O3 等)を含有しているため所定の着色を得るのに
高含有量で樹脂に配合しなくてはならないという不都合
がある。樹脂に燃焼灰の黒色着色剤を多量に配合する
と、樹脂の比重が増加し、そのため特に軽量化を求めら
れる製品を製造するのには不向きである。また、一般の
可燃性産業廃棄物は様々の物質を含むため、それらから
得られる燃焼灰の成分には変動があり、従ってこのよう
な燃焼灰を着色剤とした製品の着色にはムラが生じやす
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の不都合を解消しようとするものであって、カーボ
ンブラック着色剤のように曲げ弾性率等の物性低下を起
こさず、且つ、燃焼灰着色剤とは違って、少量の配合で
十分に着色することができ、着色ムラを生じることがな
く安定で、しかも安価な黒色樹脂着色剤を提供すること
を目的とする。
技術の不都合を解消しようとするものであって、カーボ
ンブラック着色剤のように曲げ弾性率等の物性低下を起
こさず、且つ、燃焼灰着色剤とは違って、少量の配合で
十分に着色することができ、着色ムラを生じることがな
く安定で、しかも安価な黒色樹脂着色剤を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の黒色樹脂着色剤
は、黒鉛(グラファイト)材料の加工によって生じた廃
黒鉛の粉末からなる着色剤である。好ましくは、黒鉛粉
末は1,000 μm以下の大きさのものである。1,000 μm
を超える大きさの黒鉛粉末を使用すると、着色剤を配合
した樹脂から製造された成形品の表面に浮き出た黒鉛粉
末がその表面の感触をざらざらしたものにする上に、成
形品の耐衝撃性が低下するため好ましくない。粒径が細
かくなるほど樹脂に分散しやすくなるので、より粒径の
細かいものを使用するのが好ましい。特に好ましいの
は、平均粒径が100 μm以下の黒鉛粉末であり、これら
は発色性にも優れている。
は、黒鉛(グラファイト)材料の加工によって生じた廃
黒鉛の粉末からなる着色剤である。好ましくは、黒鉛粉
末は1,000 μm以下の大きさのものである。1,000 μm
を超える大きさの黒鉛粉末を使用すると、着色剤を配合
した樹脂から製造された成形品の表面に浮き出た黒鉛粉
末がその表面の感触をざらざらしたものにする上に、成
形品の耐衝撃性が低下するため好ましくない。粒径が細
かくなるほど樹脂に分散しやすくなるので、より粒径の
細かいものを使用するのが好ましい。特に好ましいの
は、平均粒径が100 μm以下の黒鉛粉末であり、これら
は発色性にも優れている。
【0006】廃黒鉛粉末は、黒鉛材料を加工している業
者(例えば、黒鉛から金型の放電加工用の電極、ルツ
ボ、半導体製造用の治具等を加工している業者)から、
加工の際の切削粉や研摩粉として発生した廃棄物として
容易に入手することができる。このような業者が使用し
ている黒鉛材料は一般に高純度であり、不純物含有量が
100ppmもしくはそれ以下であり、燃焼灰の黒色着色剤と
比べて純度の点で非常に有利である。また、黒鉛加工業
者から入手した粉末には一般にいろいろな粒径のものが
混じっているが、これは分級して所定の粒径のものを集
めて使用することができる。場合によっては、入手した
黒鉛粉末を粉砕してから使用することもできる。
者(例えば、黒鉛から金型の放電加工用の電極、ルツ
ボ、半導体製造用の治具等を加工している業者)から、
加工の際の切削粉や研摩粉として発生した廃棄物として
容易に入手することができる。このような業者が使用し
ている黒鉛材料は一般に高純度であり、不純物含有量が
100ppmもしくはそれ以下であり、燃焼灰の黒色着色剤と
比べて純度の点で非常に有利である。また、黒鉛加工業
者から入手した粉末には一般にいろいろな粒径のものが
混じっているが、これは分級して所定の粒径のものを集
めて使用することができる。場合によっては、入手した
黒鉛粉末を粉砕してから使用することもできる。
【0007】本発明の着色剤を配合して黒色にすること
ができる樹脂は、特定のものに限定されず、どのような
樹脂でもよい。代表例として、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、AB
S等の樹脂類を挙げることができる。このほかにも、例
えばポリスチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリ
カーボネート、ポリブチレンテレフタレート、またこれ
らのポリマーアロイ、更にまたフェノール系、エポキシ
系、メラミン系、不飽和ポリエステル系の熱可塑性樹脂
等の樹脂の黒色着色に使用可能である。樹脂類への本発
明の黒色着色剤の配合量は、樹脂100 重量部当たり一般
には0.5 〜20重量部でよい。好ましくは、黒色着色剤の
配合量は樹脂100 重量部当たり0.5 〜10重量部であり、
より好ましくは2〜5重量部である。
ができる樹脂は、特定のものに限定されず、どのような
樹脂でもよい。代表例として、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、AB
S等の樹脂類を挙げることができる。このほかにも、例
えばポリスチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリ
カーボネート、ポリブチレンテレフタレート、またこれ
らのポリマーアロイ、更にまたフェノール系、エポキシ
系、メラミン系、不飽和ポリエステル系の熱可塑性樹脂
等の樹脂の黒色着色に使用可能である。樹脂類への本発
明の黒色着色剤の配合量は、樹脂100 重量部当たり一般
には0.5 〜20重量部でよい。好ましくは、黒色着色剤の
配合量は樹脂100 重量部当たり0.5 〜10重量部であり、
より好ましくは2〜5重量部である。
【0008】樹脂へは、本発明の着色剤のほかに、所望
により任意の通常の添加剤、例えば可塑剤、安定剤、滑
剤、分散剤等を配合することができる。また、一般の充
填剤(例として、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維
等)を配合することもできる。
により任意の通常の添加剤、例えば可塑剤、安定剤、滑
剤、分散剤等を配合することができる。また、一般の充
填剤(例として、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維
等)を配合することもできる。
【0009】本発明の黒色着色剤を使って樹脂を着色す
るのには、樹脂に着色剤を単に配合するだけでよい。樹
脂への着色剤の配合は、一般的な方法を利用して行うこ
とができる。最も一般的なのは、溶融樹脂に着色剤を混
合するものである。このためには、例えば、V型ミキサ
ー、W型ミキサー、円筒型ミキサー、ヘンシェルミキサ
ー等を使って、樹脂に着色剤を混合し更に押出機で押出
すか、樹脂を押出機などで混練しながらこれに本発明の
黒色着色剤を混合することもできる。本発明の黒色着色
剤は、これらの方法で樹脂に十分に分散することができ
る。
るのには、樹脂に着色剤を単に配合するだけでよい。樹
脂への着色剤の配合は、一般的な方法を利用して行うこ
とができる。最も一般的なのは、溶融樹脂に着色剤を混
合するものである。このためには、例えば、V型ミキサ
ー、W型ミキサー、円筒型ミキサー、ヘンシェルミキサ
ー等を使って、樹脂に着色剤を混合し更に押出機で押出
すか、樹脂を押出機などで混練しながらこれに本発明の
黒色着色剤を混合することもできる。本発明の黒色着色
剤は、これらの方法で樹脂に十分に分散することができ
る。
【0010】
【作用】本発明の黒色樹脂着色剤は、従来のカーボンブ
ラック着色剤と比較して、着色剤を配合した樹脂から成
形した成形品の曲げ弾性率を向上させる。本発明の黒色
樹脂着色剤は、黒鉛であり、これは層状構造をなしてい
る。それに対して、従来の黒色着色剤のカーボンブラッ
クは、炭素の粉末であり、黒鉛とはその構造が異なる。
このため、本発明の着色剤には従来のカーボンブラック
着色剤に比べて弾性があり、従ってこれを樹脂に混合す
ると、カーボンブラックを配合した場合に比べて弾性率
が向上するものと考えられる。
ラック着色剤と比較して、着色剤を配合した樹脂から成
形した成形品の曲げ弾性率を向上させる。本発明の黒色
樹脂着色剤は、黒鉛であり、これは層状構造をなしてい
る。それに対して、従来の黒色着色剤のカーボンブラッ
クは、炭素の粉末であり、黒鉛とはその構造が異なる。
このため、本発明の着色剤には従来のカーボンブラック
着色剤に比べて弾性があり、従ってこれを樹脂に混合す
ると、カーボンブラックを配合した場合に比べて弾性率
が向上するものと考えられる。
【0011】また、本発明の着色剤は黒鉛材料の加工に
よって生じた廃黒鉛の粉末であり、このような黒鉛材料
は一般に高純度であるため、炭素分以外の成分をかなり
含む燃焼灰の着色剤を使用する場合に比べてその配合量
を少なくするのを可能にする。例えば、燃焼灰の着色剤
は樹脂100 重量部に対して60重量部まで(特開平4-2729
43号公報)の高配合量で使用されるのに対し、本発明の
着色剤は100 重量部の樹脂に対し1〜5重量部程度の配
合量で十分に効果を発揮する。しかも、本発明の着色剤
は純度が安定しているため、このような少量でも着色ム
ラの発生を抑制する。
よって生じた廃黒鉛の粉末であり、このような黒鉛材料
は一般に高純度であるため、炭素分以外の成分をかなり
含む燃焼灰の着色剤を使用する場合に比べてその配合量
を少なくするのを可能にする。例えば、燃焼灰の着色剤
は樹脂100 重量部に対して60重量部まで(特開平4-2729
43号公報)の高配合量で使用されるのに対し、本発明の
着色剤は100 重量部の樹脂に対し1〜5重量部程度の配
合量で十分に効果を発揮する。しかも、本発明の着色剤
は純度が安定しているため、このような少量でも着色ム
ラの発生を抑制する。
【0012】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に説明する。
【0013】実施例1〜5 平均粒径約30μmの黒鉛Aと、平均粒径約125 μmの黒
鉛Bの2種類の黒鉛着色剤を用意した。これらは、いず
れも黒鉛加工業者(イビデン(株))から入手したもの
で、金型の放電加工用の電極製作時に排出された切削粉
や研摩粉を集めたものであった。入手した黒鉛を篩分け
して、所定の平均粒径の黒色着色剤を調製した。
鉛Bの2種類の黒鉛着色剤を用意した。これらは、いず
れも黒鉛加工業者(イビデン(株))から入手したもの
で、金型の放電加工用の電極製作時に排出された切削粉
や研摩粉を集めたものであった。入手した黒鉛を篩分け
して、所定の平均粒径の黒色着色剤を調製した。
【0014】樹脂として、ポリプロピレン−ポリエチレ
ン共重合体(出光石油化学(株)製J-2003M)を使用
し、この樹脂79重量%とタルク充填剤(日本タルク製 J
R-12)21重量%を混合して原料を調製した。そして、こ
の原料100 重量部に、表1に示した種類及び量の黒鉛を
添加し、混練して、ペレットを作製した。次いで、この
ペレットから作製した成形品の試料について曲げ弾性率
(JIS K 7203)を測定した。また、目視により黒色の着
色具合を判定した。これらの結果をまとめて表1に示
す。なお、着色の判定は、製品として適当な黒色のもの
を丸印で示し、不適当なものをばつ印で示している。
ン共重合体(出光石油化学(株)製J-2003M)を使用
し、この樹脂79重量%とタルク充填剤(日本タルク製 J
R-12)21重量%を混合して原料を調製した。そして、こ
の原料100 重量部に、表1に示した種類及び量の黒鉛を
添加し、混練して、ペレットを作製した。次いで、この
ペレットから作製した成形品の試料について曲げ弾性率
(JIS K 7203)を測定した。また、目視により黒色の着
色具合を判定した。これらの結果をまとめて表1に示
す。なお、着色の判定は、製品として適当な黒色のもの
を丸印で示し、不適当なものをばつ印で示している。
【0015】比較例1〜2 上記の各実施例で使用したのと同じ原料100 重量部に2
部のカーボンブラック着色剤を添加し、上記の実施例と
同様に調製したペレットから得られた成形品の試料(比
較例1)と、着色剤を配合していない同じ原料からペレ
ットを作ってこれから作製した成形品の試料(比較例
2)について実施例1〜5と同様に曲げ弾性率を測定
し、また着色の判定を行った。これらの結果を表1に示
す。
部のカーボンブラック着色剤を添加し、上記の実施例と
同様に調製したペレットから得られた成形品の試料(比
較例1)と、着色剤を配合していない同じ原料からペレ
ットを作ってこれから作製した成形品の試料(比較例
2)について実施例1〜5と同様に曲げ弾性率を測定
し、また着色の判定を行った。これらの結果を表1に示
す。
【0016】
【表1】
【0017】表1から明らかなように、通常、ポリプロ
ピレン−ポリエチレン共重合体樹脂を一般のカーボンブ
ラック黒色着色剤で着色すると(比較例1)、未着色の
もの(比較例2)に比べて曲げ弾性率が大幅に低下す
る。ところが、本発明の黒鉛粉末着色剤を配合すれば、
従来のカーボンブラックと同じ量の場合(実施例2)で
比較して、曲げ弾性率は未着色の場合とほとんど同じ
で、しかもカーボンブラックと同様の黒色を出すことが
できる。更に、曲げ弾性率については、使用した黒鉛の
種類と量にかかわらず、カーボンブラック着色剤を使用
した比較例1よりもずっと良好な結果が得られたことが
分かる。
ピレン−ポリエチレン共重合体樹脂を一般のカーボンブ
ラック黒色着色剤で着色すると(比較例1)、未着色の
もの(比較例2)に比べて曲げ弾性率が大幅に低下す
る。ところが、本発明の黒鉛粉末着色剤を配合すれば、
従来のカーボンブラックと同じ量の場合(実施例2)で
比較して、曲げ弾性率は未着色の場合とほとんど同じ
で、しかもカーボンブラックと同様の黒色を出すことが
できる。更に、曲げ弾性率については、使用した黒鉛の
種類と量にかかわらず、カーボンブラック着色剤を使用
した比較例1よりもずっと良好な結果が得られたことが
分かる。
【0018】本発明の黒色着色剤の樹脂への必要配合量
は、燃焼灰の着色剤に比べて明らかに少ない。燃焼灰着
色剤を記載している特開平4-272943号公報の実施例によ
れば、燃焼灰着色剤の添加量は20部であるのに対し、本
発明の黒鉛着色剤は従来のカーボンブラック着色剤の添
加量と同等の1〜5部程度で十分な黒色を出している。
これは、燃焼灰には黒色を発する炭素分以外に、他の色
調を発する不純物(酸化チタンや酸化鉄等)が含まれて
いるからである。
は、燃焼灰の着色剤に比べて明らかに少ない。燃焼灰着
色剤を記載している特開平4-272943号公報の実施例によ
れば、燃焼灰着色剤の添加量は20部であるのに対し、本
発明の黒鉛着色剤は従来のカーボンブラック着色剤の添
加量と同等の1〜5部程度で十分な黒色を出している。
これは、燃焼灰には黒色を発する炭素分以外に、他の色
調を発する不純物(酸化チタンや酸化鉄等)が含まれて
いるからである。
【0019】実施例6〜7 使用樹脂を、ポリプロピレン−ポリエチレン共重合体か
らABS樹脂(実施例6)及び低密度ポリエチレン(実
施例7)に替えて、充填剤を配合せずに、実施例1〜5
と同様の試料を作製して試験を行った。これらの実施例
で使用した着色剤は黒鉛Aであり、樹脂100 重量部に対
して2重量部を配合した。得られた曲げ弾性率の測定値
を表2に示す。なお、これらの例の試料の黒色化は良好
であった。
らABS樹脂(実施例6)及び低密度ポリエチレン(実
施例7)に替えて、充填剤を配合せずに、実施例1〜5
と同様の試料を作製して試験を行った。これらの実施例
で使用した着色剤は黒鉛Aであり、樹脂100 重量部に対
して2重量部を配合した。得られた曲げ弾性率の測定値
を表2に示す。なお、これらの例の試料の黒色化は良好
であった。
【0020】比較例3〜4 着色剤をカーボンブラック(配合量2部)に替えたこと
を除き、実施例6〜7と同様に試料を作製し、試験を行
った。得られた結果を表2に示す。なお、これらの例の
試料の黒色化も良好であった。
を除き、実施例6〜7と同様に試料を作製し、試験を行
った。得られた結果を表2に示す。なお、これらの例の
試料の黒色化も良好であった。
【0021】
【表2】
【0022】これらの結果から明らかなように、樹脂と
してポリプロピレン−ポリエチレン共重合体を使用した
場合と同様に、ABS樹脂あるいは低密度ポリエチレン
樹脂を使用した場合にも、カーボンブラック着色剤を使
用したよりも曲げ弾性率が向上していることが確認でき
る。
してポリプロピレン−ポリエチレン共重合体を使用した
場合と同様に、ABS樹脂あるいは低密度ポリエチレン
樹脂を使用した場合にも、カーボンブラック着色剤を使
用したよりも曲げ弾性率が向上していることが確認でき
る。
【0023】
【発明の効果】本発明の黒色樹脂着色剤を使用すること
で、従来の一般的な黒色着色剤であるカーボンブラック
を使って黒色に着色した樹脂成形品と比較して曲げ弾性
率の向上した成形品を得ることが可能になる。
で、従来の一般的な黒色着色剤であるカーボンブラック
を使って黒色に着色した樹脂成形品と比較して曲げ弾性
率の向上した成形品を得ることが可能になる。
【0024】また、本発明の着色剤は高純度の黒鉛であ
るため、カーボンブラック着色剤と同等の配合量でこれ
と同等の着色をすることができる。このことは、炭素分
以外の成分をかなり含む燃焼灰の着色剤と比べて非常に
有利な点であり、軽量化が要求される成形品用の樹脂の
着色に特に有利である。更に、本発明の着色剤は純度が
安定しているため、このような少量でも着色ムラの発生
を抑制し、安定した着色を保証することができる。
るため、カーボンブラック着色剤と同等の配合量でこれ
と同等の着色をすることができる。このことは、炭素分
以外の成分をかなり含む燃焼灰の着色剤と比べて非常に
有利な点であり、軽量化が要求される成形品用の樹脂の
着色に特に有利である。更に、本発明の着色剤は純度が
安定しているため、このような少量でも着色ムラの発生
を抑制し、安定した着色を保証することができる。
【0025】しかも、本発明の着色剤である黒鉛粉末
は、黒鉛材料の加工で生じた切削粉や研摩粉のような産
業廃棄物から得られるものである。このような産業廃棄
物の黒鉛粉末は、従来はほとんどが埋立等に使用されて
いた。本発明は、この産業廃棄物の有効利用を可能にす
るものであり、従来のカーボンブラック着色剤に比べて
ずっと安価で、しかも着色性の安定した(燃焼灰着色剤
に比べて)黒色着色剤の提供を可能にするものである。
は、黒鉛材料の加工で生じた切削粉や研摩粉のような産
業廃棄物から得られるものである。このような産業廃棄
物の黒鉛粉末は、従来はほとんどが埋立等に使用されて
いた。本発明は、この産業廃棄物の有効利用を可能にす
るものであり、従来のカーボンブラック着色剤に比べて
ずっと安価で、しかも着色性の安定した(燃焼灰着色剤
に比べて)黒色着色剤の提供を可能にするものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 黒鉛材料の加工によって生じた廃黒鉛の
粉末からなることを特徴とする黒色樹脂着色剤。 - 【請求項2】 前記黒鉛材料が放電加工用の電極であ
る、請求項1記載の着色剤。 - 【請求項3】 前記黒鉛粉末の粒径が1,000 μm以下で
ある、請求項1又は2記載の着色剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6215909A JPH0873650A (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 黒色樹脂着色剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6215909A JPH0873650A (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 黒色樹脂着色剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0873650A true JPH0873650A (ja) | 1996-03-19 |
Family
ID=16680265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6215909A Pending JPH0873650A (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 黒色樹脂着色剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0873650A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190073711A (ko) * | 2017-12-19 | 2019-06-27 | 주식회사 티씨케이 | 폐 흑연 물질의 재활용 방법, 폐 흑연 물질 및 이를 포함하는 제품 |
-
1994
- 1994-09-09 JP JP6215909A patent/JPH0873650A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190073711A (ko) * | 2017-12-19 | 2019-06-27 | 주식회사 티씨케이 | 폐 흑연 물질의 재활용 방법, 폐 흑연 물질 및 이를 포함하는 제품 |
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