JPH0870866A - 免疫原性が低下された変異体タンパク質 - Google Patents

免疫原性が低下された変異体タンパク質

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JPH0870866A
JPH0870866A JP6235914A JP23591494A JPH0870866A JP H0870866 A JPH0870866 A JP H0870866A JP 6235914 A JP6235914 A JP 6235914A JP 23591494 A JP23591494 A JP 23591494A JP H0870866 A JPH0870866 A JP H0870866A
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修一 上野川
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護 戸塚
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 抗原性を有するタンパク質分子内の少なくと
も1つのアミノ酸残基が置換、欠失又は付加された、免
疫反応の低応答化又は不応答化をもたらす変異体タンパ
ク質。 【効果】 本発明により、免疫原性が低下した変異体タ
ンパク質を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、免疫原性を有するタン
パク質分子内の少なくとも1つのアミノ酸残基が置換、
欠失又は付加された、免疫反応の低応答化又は不応答化
をもたらす変異体タンパク質、特に、変異体β−ラクト
グロブリン及びその遺伝子並びに変異体β−ラクトグロ
ブリンの生産方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体は、異物から身を守るために、いろ
いろな防御機構を進化の過程で獲得してきた。例えば、
毒素タンパク質や病原微生物などの異物が体内に侵入す
ると、生体は、免疫という高度に発達した機能によっ
て、これらを異物と識別して除去しようとする。免疫機
能の本質は、自己と非自己を識別して、非自己成分を排
除する機能であり、個体の恒常性を維持するために寄与
している。
【0003】しかし、本来生体防御のために備わってい
るはずの免疫機能が、逆に害となるような作用をするこ
とがある。アレルギーや自己免疫疾患がその例である。
近年、母乳栄養児の減少、動物性タンパク質の摂取量の
増加、食品添加物の使用などの食生活の変化により、食
品アレルギー患者の数は急激に増加してきた〔上野川修
一;食品アレルギー 講談社ブルーバックス(199
2)〕。それにもかかわらず、根本的な治療法は未だに
確立されておらず、原因食物の摂取を控えるしかないと
いうのが現状である。
【0004】食品アレルギーの原因食物のうち、最も頻
度の高いものは、牛乳、鶏卵、大豆であり、これらは三
大アレルゲンと呼ばれている。これらはいずれも栄養価
の高い食品であるが、食品アレルギーの原因となるた
め、アレルギー患者の中でも特に乳幼児、小児がこれら
の食品の摂取を控えなければならず、深刻な問題であ
る。
【0005】そこで、アレルギーを低減化させる食品の
開発に大きな期待が寄せられている。また、あるタンパ
ク質が欠損している遺伝病の患者に対する治療法とし
て、その欠損タンパク質を遺伝子操作技術を利用して生
産し、投与する方法が考えられる。この場合、そのタン
パク質は患者にとっては非自己成分であるので、複数回
投与した場合にはアレルギー反応の一つであるアナフィ
ラキシーショックが生じる可能性が高い。これを回避す
るためには、そのタンパク質自体の免疫原性を低下、あ
るいは消失させる必要がある。
【0006】これらの問題の解決のため、タンパク質の
免疫原性を低下させる方法の開発が待望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、食品中に含
まれる有用タンパク質でありながら、アレルギーの原因
となるタンパク質の免疫原性(抗原性)を低下させ、ア
レルギー低減化食品として利用可能な変異体タンパク質
を提供すること、及びアナフィラキシーショックを起こ
さないタンパク質性医薬品を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決しようとするための手段】抗体産生、肥満
細胞の脱顆粒、炎症反応等の一連のアレルギー反応は、
抗原提示細胞内で断片化された抗原断片と主要組織適合
抗原(以下「MHC」という)との複合体をT細胞レセ
プターが認識し、T細胞が活性化されて始まることが知
られている。このことから、抗原、MHC分子及びT細
胞レセプターの三者の相互作用を制御することにより、
免疫応答を制御することができると考えられる。
【0009】そこで、本発明者らは、上記課題に基づい
て鋭意研究を行った結果、タンパク質抗原分子中のMH
CクラスII分子及びT細胞レセプターが認識する部位に
少なくとも1残基のアミノ酸残基の置換、欠失又は付加
を行うことにより、タンパク質のタンパク質の免疫原性
が低下することを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】すなわち、本発明は、免疫原性を有するタ
ンパク質分子内の少なくとも1つのアミノ酸残基が置
換、欠失又は付加された、免疫反応の低応答化又は不応
答化をもたらす変異体タンパク質である。ここで、変異
体タンパク質としては、例えば変異体β−ラクトグロブ
リン、変異体α−ラクトアルブミン又は変異体カゼイン
等が挙げられる。このうち、変異体β−ラクトグロブリ
ンは、配列番号1で表されるβ−ラクトグロブリンのア
ミノ酸配列のうち第126番目のプロリンがアラニンで
置換された配列を含むもの、第126番目のプロリンが
フェニルアラニンで置換された配列を含むもの又は第1
28番目のバリンがアスパラギン酸で置換された配列を
含むものである。
【0011】さらに、本発明は、配列番号2〜4で表さ
れるいずれかのアミノ酸配列をコードするDNAを含む
変異体β−ラクトグロブリン遺伝子である。さらに、本
発明は、前記変異体β−ラクトグロブリン遺伝子が組み
込まれた組換え体DNAである。さらに、本発明は、前
記組換え体DNAにより形質転換された形質転換体であ
る。
【0012】さらに、本発明は、前記形質転換体を培養
し、得られる培養物から上記変異体β−ラクトグロブリ
ンを分離することを特徴とする変異体β−ラクトグロブ
リンの生産方法である。以下、本発明を詳細に説明す
る。本発明は、タンパク質抗原のうちT細胞応答を誘起
するのはT細胞抗原決定基と呼ばれるいくつかの限られ
た領域のみである点に鑑み、あるタンパク質抗原のうち
最も強くT細胞応答を誘起する領域、即ち最も優勢なT
細胞抗原決定基について、MHCクラスII分子との結合
に関与しているアミノ酸残基を同定したのち、そのアミ
ノ酸残基を置換、欠失又は付加した変異体タンパク質を
作製し、その免疫原性が低下しているかを調べることに
よって行われる。
【0013】本発明において用いるタンパク質として
は、β−ラクトグロブリン、α−ラクトアルブミン又は
カゼイン等が挙げられるが、β−ラクトグロブリンが牛
乳中の主要な、そして最も強力なアレルゲンである点で
好ましい。以下、β−ラクトグロブリン(以下「β−L
G」とする)を一例として説明する。
【0014】β−LGのT細胞抗原決定基、即ちT細胞
応答を誘起する領域に関しては既に明らかにされてお
り、このうち、C57BL/6マウスにおいて最も強くT細胞
応答を誘起する領域(最も優勢なT細胞抗原決定基)
は、天然型β−LGのアミノ酸配列(配列番号1)のう
ち、第119〜133番目に相当するペプチドであり、なかで
も、第122〜129番目のアミノ酸残基がその機能に重要で
あることが知られている〔戸塚護,飴谷章夫,後藤恭
子,上野川修一;日本農芸化学会誌 1992年度大会講演
要旨集66,276 (1992)〕。
【0015】そこで本発明では、まず天然型β−LGの
第119〜133番目のアミノ酸残基領域を用い、該領域のど
の部分のアミノ酸残基を置換、欠失又は付加すれば、β
−LGの免疫原性が低下又は消失するのかを検討するた
め、β−LG由来ペプチドのMHCクラスII分子との結
合に関与する残基の同定を行い、さらに、それらの残基
を置換等した前記ペプチドのアナログを得、どのアナロ
グペプチドにおいて免疫原性が消失又は低下しているか
を調べることにした。
【0016】次に、同定されたアミノ酸残基をコードす
る塩基配列を変換することにより置換等が施された遺伝
子組換え型β−LGを用いて該β−LGが免疫原性を有
するか否かについて試験を行うことにした。 (1)MHCクラスII分子との結合に関与するアミノ酸
残基の同定。 まず、本発明に用いるペプチドの合成を行う。即
ち、天然型β−LGのアミノ酸配列(配列番号1)中、
第119〜133番目までの15個のアミノ酸残基に相当するペ
プチド、及び、前記第119〜133番目までのアミノ酸残基
のうち、第122〜129番目の位置にそれぞれ1か所のアミ
ノ酸残基が置換されたアナログペプチドを合成する。合
成方法は、通常の方法により行い、例えば、自動ペプチ
ド合成装置等を用いることができる。
【0017】合成されたペプチドの精製は、例えば高速
液体クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー等の
通常の精製手段を用いて精製する。続いて、得られるペ
プチドのアミノ酸分析、アミノ酸配列の確認を行う。 上記のようにして合成、精製したペプチドを以下の
MHCクラスII分子結合試験に使用する。
【0018】C57BL/6マウスにおいては、MHCクラスI
I分子に相当するのはI−Ab分子である。従って、MH
CクラスII分子との結合に関与する残基の同定には、ビ
オチン標識したペプチドのI−Ab分子に対する結合
を、上記アナログペプチドがどの程度阻害するかを指標
とすることができる。MHCクラスII分子結合試験は、
後述する実施例で示すとおり、Jensenの方法に従って行
う〔Jensen,P.E.,J.Exp.Med.174,1111-1120(1991) 〕。
【0019】尚、C57BL/6マウスにおけるβ−LGのT
細胞抗原決定基の構造は、他のマウス(BALB/C、C3H/He
等)と比較して最も単純であり、しかも、MHCクラス
II分子としてI−Ab分子のみを持つことから、免疫反
応を単純な系で行うことができる点でC57BL/6マウスを
免疫用、MHCクラスII分子の供給用として用いるのが
好ましい。
【0020】(2)MHCクラスII分子との結合に関与
する残基を置換したアナログペプチドの免疫原性 上記により、C57BL/6マウスにおいて、β−LGの
最も優勢なT細胞抗原決定基であるアミノ酸残基領域中
の、クラスII分子との結合に関与するアミノ酸残基を同
定することができる。そして、本発明では、MHCクラ
スII分子との結合性が低かったペプチドに対する免疫応
答を調べることにより、そのペプチドが免疫原性を有す
るか否かがわかる。
【0021】 免疫原性が低いと考えられるペプチド
を用いてマウスを免疫し、リンパ節細胞増殖試験を行
い、そのペプチドに対するT細胞応答を調べる。マウス
の免疫は、免疫原性が低いと考えられるペプチドをアジ
ュバントとともにマウスの後ろ足裏側の皮下に投与す
る。免疫7日後に、リンパ節細胞を調製し、免疫に用い
たペプチドに対する増殖応答を調べる。リンパ節細胞増
殖試験は、後述する実施例で示すとおり、Kurisakiらの
方法に従って行う(Kurisaki,J.,et al.,Eur.J.Immuno
l.,16,236-240(1986)) 。
【0022】 また、前記ペプチドを用いてマウスを
免疫し、そのペプチドに対する抗体産生応答を調べる。
マウスの免疫は、ペプチドをアジュバントとともにマウ
スの腹腔に投与する。最初の免疫後、2週ごとに同量の
ペプチドで免疫し、最初の免疫の前、及び各免疫の1週
間後にマウスの尾部から採血する。得られた抗血清中の
特異抗体量は、通常の方法、例えば、酵素免疫測定法
(ELISA)等により測定することができる。
【0023】(3)遺伝子工学的手法による変異体β−
LGの発現及び免疫原性試験。 本発明において、遺伝子工学的手法による変異体β−L
Gの作製は以下のようにして行う。即ち、天然型β−L
GのcDNAの目的とするアミノ酸残基の該当する箇所
(上記(1)及び(2)の記載から明らかになった、抗
原決定基として関与するアミノ酸残基)を部位特異的に
変異導入法により変換し、これを発現ベクターに挿入
し、発現プラスミドを構築する。変換とは、アミノ酸の
置換に限らず、欠失、付加させてもよいことを意味す
る。
【0024】変異導入法等により変換して得られたcD
NA断片については、例えば、アガロースゲル電気泳
動、ポリアクリルアミド電気泳動等によって精製するこ
とができる。次に、β−LGをコードするDNAの全部
又は一部を適当な制限酵素(例えば、EcoRI、SalI
等)によって切り出し、これを適当なプロモーター、エ
ンハンサー等の下流につないだ後、又は、プロモーター
等とターミネーターとの間に挿入した後、これを形質転
換可能な宿主に導入することにより形質転換させる。
【0025】ここで使用されるベクターDNAとして
は、プラスミドベクター、ウイルスベクター等が用いら
れる。プラスミドベクターとしては、pYG100、pKK223-3
等が好ましく、ウイルスベクターとしては、pSV2gpt 等
が好ましい。宿主としては、酵母、大腸菌、動物細胞、
昆虫細胞等が挙げられるが、酵母が好ましい。
【0026】尚、β−LGをコードするDNAの塩基配
列は公知であり(L.J.Alexander,etal.,Nucl.Acids Re
s.17,6739 (1989))、合成によっても得ることができ
る。本発明の遺伝子組換え型変異体β−LG得るには、
前記形質転換体を一般に使用されている培地で培養し、
その培養上清を集め、通常行われている方法によって精
製する。
【0027】培地としては、例えばYMM培地(酵母用
最小培地)、LB培地(大腸菌培養用)、RPMI1640
培地(動物細胞培養用)等が挙げられる。培養は通常30
℃あるいは37℃で48時間〜120時間行い、必要により通
気や攪拌を行うこともできる。培養後、遠心分離等によ
り形質転換体を除き培養上清を得る。あるいは、集めた
形質転換体を、例えば緩衝液に懸濁させた後、凍結、融
解処理、煮沸処理等を行った後、遠心分離により上清液
を得る。
【0028】得られた培養上清、あるいは前記上清液か
らの遺伝子組換え型変異体β−LGの分離、精製は、通
常知られている蛋白質の精製方法に従えばよい。例え
ば、塩析法、遠心分離法、各種クロマトグラフィー、電
気泳動等を適当に組み合わせて精製が行われる。各種ク
ロマトグラフィーとしては、ゲルろ過、イオン交換クロ
マトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、アフィニテ
ィークロマトグラフィー等が挙げられる。また、精製品
の純度及びおよその分子量の確認はSDS(ラウリル硫
酸ナトリウム)ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ウ
エスタンブロット法等を用いて行われる。
【0029】本発明の遺伝子組換え型変異体β−LGを
用いて抗変異体β−LG抗体を検出するには、次のよう
にして行われる。即ち、天然型β−LG、遺伝子組換え
型変異体β−LGの各抗原をアジュバントとともにマウ
スに腹腔内投与し、その2週間後追加免疫を行う。その
1週間後に採血し、その血清中の特異抗体価をELIS
A法により測定する。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されない。 〔実施例1〕β−LG由来ペプチドのMHCクラスII分
子との結合に関与する残基の同定 (1) β−LG部分ペプチド及びそのアナログペプチドの
合成及び精製 天然型β−LGの第119〜133番目のアミノ酸残基領域に
相当するペプチド (p119-133) 及び、この領域に相当
し、第122〜129 番目の位置にそれぞれ1カ所のアミノ
酸残基の置換をもつアナログペプチドの合成及び精製を
行った。
【0031】以下、単に数字で「m−n」と記載されて
いる場合は、β−LGのアミノ酸配列において、m番目
からn番目までの位置であることを意味する。また、
「pm−n」と記載されている場合は、β−LGのm番
目からn番目までのアミノ酸残基を有するペプチドであ
ることを意味する。例えば、「p119-133」と記載されて
いる場合は、β−LGの第119 〜133 番目までの15個の
アミノ酸残基を有するペプチドであることを意味する。
【0032】各ペプチドのアミノ酸配列を表示した模式
図を図1に示す。図1中、数字がアルファベットで挟ま
れた記号は、β−LGの119-133 のアミノ酸残基領域
中、122-130 までのアミノ酸を1個ずつずらしながら数
字の左側に記載したアミノ酸(一文字標記法に従ったア
ミノ酸の記号)を、数字の右側に記載したアミノ酸に置
換していることを示している。例えば、「L122A 」とあ
るのは、122 番目(15個のアミノ酸残基のうち、第4番
目)のロイシンをアラニンに置換したペプチドであるこ
とを意味する。
【0033】ここに示した定義は、以下同様に用いるこ
とにする。 (2) β−LG部分ペプチドの合成 β−LGの 119-133 アミノ酸残基領域に相当するペプ
チドをペプチドシンセサイザー430A (Applied Biosyste
ms Inc., Foster City, CA) を用いて、F-moc法により
合成した。合成後、以下のような方法でレジン及びアミ
ノ酸側鎖の保護基を切断した。
【0034】i)レジン付きペプチドをナス型フラスコ
に入れ、氷冷した。 ii) あらかじめ氷冷しておいた切り出し試薬〔0.75g フ
ェノール(和光純薬)、0.25ml 1,2-エタンジチオール
(ナカライテスク)、0.5ml チオアニソール(東京化成
工業)、0.5ml 脱イオン水、10mlトリフルオロ酢酸 (tr
ifuluoroaceticacid; TFA Applied Biosystems Inc.)
〕を加えた。
【0035】iii)フラスコを室温にもどしてから、1.5
時間攪拌した。 iv) フラスコ中のものを13番のガラスフィルターを通し
て、冷やしておいた30mlのメチル-t-ブチルエーテル (M
TBE; 東京化成工業)中へ移した。 v)フィルター上に残ったレジンを1mlのTFAで洗い、iv)
と同様にしてペプチドをMTBE中へ移した。
【0036】vi) ペプチドが懸濁されているMTBEを遠心
管に移し、1300×gで10分間遠心した。 vii)上清を吸引して除き、沈殿に30mlのMTBEを加えて懸
濁し、vi)と同様にして遠心分離した。 viii) vii)をさらに2回繰り返した。 iX) ペプチドを水に溶解し、凍結乾燥した。
【0037】(3) 合成ペプチド119-133のHPLCによる精
製 上記のようにして合成したβ−LG部分ペプチド119-13
3をODSカラムを用いた逆相HPLCにより精製した。HPLC
は、LC-4A(島津製作所)を使用し、カラムは Lichroso
rb RP-18 (E. Merck, Darmstadt, F. R. Germany)を用
いた。溶出条件は、流速3ml/minとし、0.1% TFA (App
lied Biosystems Inc.)水溶液にアセトニトリル(和光
純薬)の直線濃度勾配(50分で10%から50%)をかけて
行った。溶出ピークを分取し、凍結乾燥して後の実験に
用いた。
【0038】(4) 合成ペプチド119-133のアミノ酸分析 HPLCの溶出ピークを分取し、凍結乾燥した試料を塩酸蒸
気中で 130℃、3時間加水分解した。この後、0.02N 塩
酸に溶解して835高速アミノ酸分析計(日立製作所)で
分析し、β−LGの119-133領域に相当するペプチドの
アミノ酸組成であることを確認した。
【0039】(5) 合成ペプチド119-133のアミノ酸配列
の確認 合成ペプチドのアミノ酸配列をプロテインシークエンサ
ー PSQ-1(島津製作所)を用いて確認した。 (6) ペプチド119-133のビオチン化 上記の方法で合成、精製したペプチド119-133と NHS-LC
-Biotin (Pierce) を50mM炭素水素ナトリウム水溶液 (p
H8.5)中に、1:2.5 のモル比になるように溶解し、4
℃で2時間振とうした。その後、(3) に記載したのと同
様の方法で逆相HPLCを用いて精製した。さらに、(4) と
同様のアミノ酸分析により定量を行った。
【0040】(7) αS1−カゼイン部分ペプチド αS1−カゼインの136-155アミノ酸残基領域に相当する
ペプチド(P10)を合成し、(3) と同様の方法で精製して
用いた。また、31-50 領域に相当するペプチド(P3)も、
同様にして合成、精製した。 (8) I−Ab 分子 I−Ab 分子は、NP-40で可溶化したC57BL/6マウス脾臓
細胞より、抗I−Abモノクローナル抗体 M5/114.15.2
(Bhattacharya,A.,et al.,J.Immunol.127,2488(1981))
を固定化したアフィニティーカラムを用いて精製したも
のを用いた。
【0041】(9) I−Ab 分子結合試験 I−Ab 分子結合試験をJensenの方法(Jensen,P.E.,J.E
xp.Med.,174,1111-1120(1991))に従い、以下のように行
った。その概要を図2に示す。 2μM のビオチン化ペプチド及び、0〜400μM の
ビオチン標識していないペプチドを 0.2% NP-40(ナカ
ライテスク)、1mM フェニルメチルスルホニルフルオ
リド(和光純薬)、2mM エチレンジアミン四酢酸四ナ
トリウム (EDTA;和光純薬)、5mM N-エチルマレイミド
(半井化学薬品)を含む30μLの50mM クエン酸/リン酸
緩衝液 (pH5.0)中で、40nM のI−Ab 分子とともに37
℃にて48時間静置した。
【0042】 イムノプレート(Nunc)に、50μg/mlの
アフィニティ精製ヤギ抗ラットイムノグロブリン抗体
(Cappel) を含む 0.11M リン酸緩衝食塩水(PBS; リン
酸水素二ナトリウム・12水 26.2g、リン酸二水素カリウ
ム 5.0g 、塩化ナトリウム 2.34g/脱イオン水 1L 、p
H 7.2) を1ウェルあたり100 μl加え、室温で2時間静
置した。
【0043】 各ウェルを PBS-tween (tween 20; 和
光純薬を 0.5ml/L含む PBS) で3回洗浄し、120μg/ml
のラット抗I−Ab モノクローナル抗体 M5/114.15.2を
100μl加え、室温で2時間静置した。 と同様に洗浄後、5%スキムミルク、0.1% ウシ
血清アルブミン (BSA;armour pharmaceutical compan
y)、0.1%Tween 20を含む、50mM トリス塩酸緩衝液 (pH
7.5) 125μl を加え、室温で2時間静置した。
【0044】 と同様に洗浄後、5%スキムミル
ク、0.1% BSA、0.1% Tween20 0.5%NP-40を含む200mM
トリス塩酸緩衝液 (pH7.5)を用いてを200μl に希釈
したものを加え、37℃で1時間静置した。 と同様に洗浄後、PBS-tween で 150倍希釈したア
ルカリホスファターゼ標識したストレプトアビジン(Zym
ed)を 100μl 加え、25℃で1時間静置した。
【0045】 と同様に洗浄後、1mg/ml p-ニトロ
フェニルリン酸二ナトリウム(東京化成工業)/ジエタ
ノールアミン−塩酸緩衝液 (pH9.8) 100μl を基質とし
て加え、室温で反応させ、405nm の吸光値を測定した。
結果を以下に示す。C57BL/6 マウスにおいては、MHC
クラスII分子に相当するのはI−Ab 分子である。I−
b 分子結合試験の結果を図3に示す。
【0046】図3において、 p119-133 (図3a,bと
もに「●」)は、濃度依存的にビオチン化 p119-133 の
I−Ab 分子への結合を阻害した。これは、I−Ab
子への結合に対する競合が起こっていることを示してい
る。これに対して、126 番目のプロリンをアラニンに置
換したペプチド P126A(図3aの「△」)及び、126番
目のプロリンをフェニルアラニンに置換したペプチド P
126F(図3bの「△」)は、p119-133と比較して阻害の
程度が弱かった。128番目のバリン(以下「128Val」と
表示する。他のアミノ酸についても同様である)をアス
パラギン酸に置換したペプチド V128D(図3bの
「○」)はさらに阻害の程度が弱かった。
【0047】これら3つのアナログペプチドは、ビオチ
ン化 p119-133 のI−Ab 分子への結合を p119-133 と
同程度阻害するには10倍以上の濃度を必要とした。した
がって、P126A 、P126F、V128D は、p119-133に比べて
I−Ab 分子との結合性が10倍以上低いことが明らかに
なった。
【0048】〔実施例2〕MHCクラスII分子との結合
に関与する残基を置換したアナログペプチドの免疫原性 実施例1においてMHCクラスII分子との結合性が低か
ったペプチドP126A 及びV128Dの免疫原性を解析した。
まず、これらのアナログペプチドのT細胞応答誘起能を
P119-133のT細胞応答誘起能と比較した。次に、これら
のアナログペプチドの抗体産生誘導能の解析を行い、P1
19-133の場合と比較した。
【0049】(1) マウスの免疫 C57BL/6 マウス(メス、8週令;日本チャールスリバ
ー)の各後ろ足の裏の皮下に、p119-133、P126A、V128D
を含むエマルジョンを50μL ずつ、ペプチド量として一
匹あたり10μg又は100μgとなるように投与した。そ
れぞれのペプチドを滅菌PBSに0.2mg/ml又は2mg/mlとな
るように溶かし、等量の結核死菌H37Ra を含むフロイン
トの完全アジュバント(CFA; Difco)を加え、水/油型
のエマルジョンとした。
【0050】(2) リンパ節細胞増殖試験 (1) の方法でマウスを免疫してから一週間後、鼠けい部
及び膝下部のリンパ節を摘出し、リンパ球単細胞懸濁液
を調製した。培地は、実施例1に記したものと同様、R
PMI1640に同系マウスの正常血清を1%添加したもの
を用いた。細胞懸濁液を4×106 個/ml の濃度に希釈
し、抗原存在下で96ウェルのプレートで培養した。3日
後に、 3H−チミジンを1μCi/ウェル添加し、18〜22
時間後にセルハーベスター(アベ科学)で細胞をフィル
ター上に濾過した。細胞中に取り込まれた 3H−チミジ
ンをTRICARB1500 型液体シンチレーションカウンター
(Packard)により測定した。シンチレーションカクテ
ルには、トルエン(和光純薬)4g及び1,4-ビス[2-(5-
フェニルオキサゾリル)]−ベンゼン(和光純薬)0.1g
を溶解したものを用いた。
【0051】(3) マウスの免疫及び採血 C57BL/6 マウス(メス、8週令;日本チャールスリバ
ー)の腹腔に、p119-133、P126A、V128Dをそれぞれ一匹
あたり10μg投与した。さらに、二週間ごとに、同量の
ペプチドでマウスを免疫した。各ペプチドは、滅菌PB
Sに200μg/mlとなるように溶解し、同体積のアジュバ
ントを加えて水/油型のエマルジョンとした。最初の免
疫の際には、CFA(Difco)を用い、二度目以降の免疫のと
きには、フロイントの不完全アジュバント(IFA; Difc
o)を用いた。最初の免疫の前、及び各免疫の一週間後
にマウスの尾部から採血を行った。免疫及び採血のタイ
ムスケジュールを図4に示す。
【0052】(4) 血清中の特異抗体量の測定 (3) で得た抗血清中の特異抗体量を酵素免疫測定法(E
LISA)により測定した。以下、その方法を記す。 96ウェルのポリスチレン製マイクロタイタープレー
ト(Nunc)の各ウェルに、抗原ペプチドを10μg/mlの
濃度になるようにPBSに溶解したものを100μl加え
て、4℃で一晩静置した。
【0053】 各ウェルをPBSで洗浄した後、1%
のBSA(armour pharmacerticalcompany)を0.1Mク
エン酸緩衝液(pH6.4)に溶解したもの200 μlを加
え、室温で2時間静置した。 各ウェルをPBS−tween で洗浄後、1%のBSA
及び5mMのEDTAを含むPBS−tween(PBSTB)で希釈し
た抗血清100μL を加えて、室温で2時間静置した。
【0054】 各ウェルをPBS−tween で洗浄後、
PBSTB で希釈した、アルカリホスファターゼ標識した抗
マウスイムノグロブリンG,A,M抗体(Cappel)100
μlを加え、遮光して室温で2時間静置した。 各ウェルをPBS−tween で洗浄後、1mg/ml p-ニ
トロフェニルリン酸二ナトリウム(東京化成工業)/ジ
エタノールアミン一塩酸緩衝液(pH9.8)100μl を加え
て室温で反応させ、405nmの吸光値を測定した。
【0055】結果を以下に示す。まず、P126A またはV1
26D で免疫したマウスのリンパ節細胞増殖試験結果を図
5に示す。尚、図5は各ペプチドを一匹あたり10μg投
与したときの図である。図5中、aはp119-133で免疫、
bはP126A で免疫、cはV128Dで免疫したものである。
【0056】p119-133で免疫したときには、p119-133に
対する増殖応答が強く誘起された(図5a)。これに対
して、P126A で免疫したときには、P126Aに対する増殖
応答はほとんど観察されなかった(図5b)。また、V1
28Dで免疫した場合は、V128Dに対するT細胞応答が誘起
された(図5c)。しかし、V128Dで免疫した場合に
は、p119-133で免疫した場合よりも、in vitroで加えた
免疫原の濃度が低いところでそれぞれの免疫原に対する
増殖応答は顕著に低かった。この現象を確認するため
に、抗原濃度をさらに細かくとって同様の実験を行った
ところ、やはり、上述のような傾向が認められた(図
6)。
【0057】また、ペプチドを一匹あたり100 μg投与
した場合にも、同様の結果が得られた(図7)。尚、図
7中のS.I.値は、4匹のマウスを用いて行った結果の平
均値である。次に、p119-133、P126A 、V128D を抗原と
して用いたときの、マウスに対する抗体産生誘起能の比
較を行った試験結果をそれぞれ図8〜10に示す。
【0058】p119-133で免疫したときには、二回目の免
疫後に血清中の特異抗体量が大きく上昇した。これに対
して、P126Aで免疫した場合には、二回の免疫では、血
清中の特異抗体量の上昇はほとんど観察されなかった。
V128D で免疫した場合も同様であった。126A、V128D に
ついては、さらにもう一度免疫を行い、血清中の特異抗
体量を測定したが、三回目の免疫後にも特異抗体の産生
はほとんど観察されなかった。
【0059】以上より、MHCクラスII分子との結合性
が低かったペプチドP126A及びV128Dを抗原として用いた
ときのT細胞応答誘起能及び抗体産生誘起能は、p119-1
33に比べて低下していることから、両ペプチドの免疫原
性が低下していることがわかった。
【0060】〔実施例3〕遺伝子工学的手法により得た
変異体β−LGの免疫原性 126Proは、実施例1においてMHCクラスII分子との結
合に関与することが明らかとなり、実施例2においてそ
れをアラニンに置換することによりペプチドの免疫原性
が低下することが明らかとなった。本発明では、126Pro
をアラニンに置換した変異体β−LG(以下「P126Amu
t」と表示する)と、同じT細胞抗原決定基内にある
が、MHCクラスII分子との結合には関与していない残
基である129Aspをアラニンに置換した変異体β−LG
(以下「D129Amut」と表示する)とを、すでに確立した
β−LGの酵母分泌発現系〔Totsuka,M.,Katakura,Y.,S
himizu,M.,Kumagai,I.,Miura,K.and Kaminogawa,S.,Agr
ic.Biol.Chem. 54,3111-3116(1990)〕を用いて作製し、
これら変異体β−LGに対する抗体産生応答を天然型β
−LGに対するそれと比較した。
【0061】(1) オリゴヌクレオチドの合成 変異の導入のため作製した合成DNAは、P126Amut作製
用として配列番号5、D129Amut作製用として配列番号6
に記載したそれぞれの配列をもつオリゴヌクレオチド
を、自動DNA合成機(Cyclone、ミリポア)を用いて
合成した。合成したオリゴヌクレオチドは、27%アンモ
ニア溶液1mlを用いて合成カラムから切り出し、オリゴ
パックEXカートリッジ(ミリポア)を用いて精製し
た。
【0062】(2) 部位特異的変異導入 ウシβ−LGcDNAを制限酵素SacIとSmaIで切断
し、DNA平滑末端化キット(宝酒造)を用い、T4D
NAポリメラーゼの5’→3’ポリメラーゼ活性を利用
して、cDNA断片を平滑末端化した。その断片の両端
にSalIリンカーをつけ、プラスミドベクターpUC118の
SalIサイトに挿入し、pBAML を得た。これを大腸菌JM
109 株に導入し、さらにヘルパーファージM13KO7を感染
させることにより一重鎖DNAを調製した。これを鋳型
としてスカルプターインビトロミュータジェネシスシス
テム(アマシャム)を用いて、目的とするアミノ酸残基
の該当する箇所に変異導入を行い、各変異体β−LGの
cDNAを作製した。すなわち、合成したオリゴヌクレ
オチドの5’末端をポリヌクレオチドキナーゼでリン酸
化した。このリン酸化合成オリゴヌクレオチドを、鋳型
となる一重鎖DNAにアニールさせた。dCTPαS を含む
溶液中でクレノー断片、T4DNAリガーゼによりDN
A鎖の延長とライゲーションを行った。制限酵素NclI
により鋳型側の鎖に切れ目を入れた。エキソヌクレアー
ゼIIIで切れ目の入った鎖を部分的に消化した。DNA
ポリメラーゼI及びT4DNAリガーゼで消化された鋳
型側の鎖を、変異型の鎖を元に再合成した。得られたプ
ラスミドで大腸菌TG1株を形質転換した。得られた形
質転換体からプラスミドを調製した後、Dye Deoxy Cycl
e シーケンシングキット(アプライドバイオシステム
ズ)、蛍光DNAシークエンサー(373A, アプライドバ
イオシステムズ)を用いて塩基配列を決定することによ
り、目的とする配列に変換されたものを選択し、全塩基
配列が正しい配列であることを確認した。
【0063】(3) 発現プラスミドの構築 酵母の発現ベクターpYG100〔Kumagai,I. and Miura,K.,
J.Biochem.,105,946(1989)〕を東京大学工学部、熊谷
泉 博士より譲り受けた。pYG100がもつグリセルアルデ
ヒド3リン酸脱水素酵素(GAPD)のプロモーターと
ターミネーターとの間のクローニングサイトを制限酵素
SalIで切断した後、フェノール抽出、エタノール沈殿
によってDNAを回収した。これに対し、大腸菌アルカ
リフォスファターゼを用いて両5’末端の脱リン酸化を
行った。
【0064】(2)で得たプラスミドを制限酵素SalIで
処理することにより変異型β−LGcDNA断片を得
た。このcDNA断片と前記のように処理したpYG100と
をT4DNAリガーゼを用いて結合し、大腸菌DH5α株
を形質転換した。得られた形質転換体からプラスミドD
NAを抽出し、制限酵素HindIII、又はHindIII及びP
stIで分解し、アガロース電気泳動で各断片の大きさを
調べることによって、発現ベクターpYG100にcDNA断
片が正しい方向で、1コピーだけ挿入されたものを選択
した。得られたP126Amut発現プラスミドをpYP126A、D12
9Amut発現プラスミドをpYD129Aとした(図11)。
【0065】(4) 酵母及びその培地 酵母Saccharomyces cerevisiae AH22 株(a、leu2-3、
leu2-112、his4-519、can1)を用いた。AH22株は東京大
学工学部、熊谷 泉 博士より譲り受けた。酵母培養用の
選択培地としては、YMM培地(0.7% Yeast Nitrogen
base w/o Amino Acids(ディフコ)、2%グルコー
ス)に20mg/ml のL−ヒスチジンを加えたもの(以下
「YMM(+His)培地」と表示する)、及びYMM培地のグ
ルコース濃度を10%とし、20mg/ml のL−ヒスチジン、
5g/l の硫酸アンモニウム、1g/l のリン酸二カリウ
ム、0.6g/lの塩化カリウム、0.5g/lの硫酸マグネシウ
ム、0.02g/l の硫酸第一鉄を含む培地(以下「10GM-YMM
(+His)培地」と表示する)を用いた。
【0066】(5) 酵母の形質転換とその培養 酵母の形質転換は、アルカリ金属法[Ito,H.,Fukuda,Y.,
Murata,K. and Kimura,A.,J.Bacteriol.,153,163(198
3)] で行った。形質転換後30℃で5〜7日培養して現れ
たコロニーを2mlのYMM(+His)培地に植菌し、30℃で48
〜72時間振盪培養した。これを各段階50倍量のYMM(+Hi
s)培地に植菌し、最終的に10GM-YMM(+His)培地15L で96
〜120時間、30℃で培養を行った。
【0067】(6) 変異体β−LGの精製 培養液を10,000×gで10分間遠心し、その上清を0.8μm
次いで0.45μmのメンブレンフィルターで濾過すること
により、菌体を完全に除いた。その培養上清を限外濾過
(分子量カット:10000)にかけることにより500mlまで
濃縮した。これに50mMイミダゾール−塩酸緩衝液(pH6.
7)を等量加え、500mlまで濃縮した。これを4回繰り返
した。この試料を50mMイミダゾール−塩酸緩衝液(pH6.
7)であらかじめ平衡化させておいたDEAE-Sephacel(フ
ァルマシア)を用いた陰イオン交換カラムに供した。溶
出は、0〜0.5Mまでの塩化ナトリウムの直線濃度勾配に
よって行った。変異体β−LGを含む画分を、脱イオン
水に対して透析し凍結乾燥した。この試料を0.15M 重炭
酸アンモニウム水溶液に溶解したのちゲル濾過FPLCカラ
ム (Superose12、ファルマシア)で分画し、β−LGに
相当する部分の画分を凍結乾燥して精製変異体β−LG
を得た。各操作段階で変異体β−LGの検出は、(7)に
述べるサンドイッチELISA法により行った。
【0068】(7) サンドイッチELISA法 96ウェルのポリスチレン製マイクロタイタープレー
ト(ヌンク)の各ウェルに、2μg/mlの抗β−LGモノ
クローナル抗体(以下「mAb」と表示する)62A6[Kamin
ogawa, S., Shimizu, M., Ametani, A., Hattori, M.,
Ando, O., Hachimura, S., Nakamura, Y., Totsuka, M.
and Yamauchi, K. (1989) Biochim. Biophys., Acta,
998, 50 (1989)]を含むPBS を100 μl 加え、4℃で一
晩静置した。
【0069】 各ウェルをPBS-tweenで3回洗浄した
のち、PBSで希釈した試料溶液100μlを加え、室温で2
時間静置した。 と同様に洗浄した後、アルカリフォスファターゼ
で標識した抗β−LGmAb61C1を含むPBS-tween 100μl
を加え、遮光して室温で2時間静置した。mAb61C1のア
ルカリフォスファターゼ標識はワンステップグルタルア
ルデヒド法[田坂捷雄、浜島義博、免疫実験操作法X、
日本免疫学会編 p.3165 1981]によって行った。使用の
際の希釈倍率は、調製する度に予備実験を行ない求め
た。 と同様に洗浄した後、1mg/ml p-ニトロフェニ
ルリン酸二ナトリウム/ジエタノールアミン−塩酸緩衝
液(pH9.8) 100μl を加えて室温で反応させ、405nm で
の吸光値を測定した。
【0070】(8) SDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動 精製した変異体β−LGの電気泳動は、Laemmli の方法
[Laemmli, U.K., Nature 227, 680 (1970) ]に基づ
き、1% SDSを含む15%ポリアクリルアミドゲルを用い
て還元条件下で行った。泳動後、これを染色液(0.25%
クマシーブリリアントブルー、10%酢酸、10%メタノー
ル)を用いて染色した。脱色は、(7%酢酸、10%メタ
ノール)に浸し、振盪して行った。
【0071】(9) ウェスタンブロット解析 (8) の方法で、電気泳動を行い、プロッティング装置
(ミリブロット−SDE 、ミリポア)を用いて、ゲル中の
タンパク質をPVDF膜(イモピロン、ミリポア)へ吸着さ
せた。すなわち、PVDF膜をメタノールに20秒、陽極緩衝
液#2(25mMトリス、20%メタノール、pH10.4)に5分
間浸し、濾紙を1枚づつ陽極緩衝液#1(0.3Mトリス、
20%メタノール、pH10.4)、#2そして陰極緩衝液(25
mMトリス、40mM 6−アミノヘキサン酸、20%メタノー
ル、pH9.4 )に浸しておいた。陽極緩衝液#1に浸した
濾紙、陽極緩衝液#2に浸した濾紙、PVDF膜、ゲル、陰
極緩衝液に浸した濾紙の順番にかさね、装置を組み立て
た。ゲル領域に、25mA/cm2の初期電流がかかるように
電流を調整し、30分間転写を行なった。
【0072】タンパク質のPVDF膜への転写が完了後、一
次抗体として抗β−LGmAb21B3を用い、ECL ウェスタ
ンプロッティング検出キット(アマシャム)を用いて抗
体染色した。変異体β−LG作製の結果を以下に示す
(図12)。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動パタ
ーンの結果から、精製した変異体β−LGは天然型β−
LGと同じ移動度のシングルバンドを示し、正しい分子
量をもつものであることが明らかとなった。また、ウェ
スタンブロット解析の結果、電気泳動で見られたこのバ
ンドは抗β−LGmAbの結合部位をもつことが明らかと
なり、β−LGの変異体であることが確認された(ウェ
スタンブロット解析の結果でそれぞれのレーンでβ−L
Gを示すバンドの左下に見られる影は、露光の際に生じ
た非特異的なものである。)
【0073】(10) 天然型β−LGの精製 β−LGの遺伝変異型AAのホルスタイン種より得た乳よ
り、Aschaffenburg らの方法[Aschaffenburg. R. and
Drewry, J., Biochem. J. 65, 273 (1957) ]にしたが
って、粗β−LG Aを調製し、これをDEAE-Sephacel
によるイオン交換クロマトグラフィーに供して精製し
た。
【0074】(11) マウスの免疫及び採血 C57BL/6 マウス(雌・8週令)は日本チャールズリバー
社より購入した。精製した変異体β−LGをCFA ととも
に40μg/匹となるように、C57BL/6 マウスの腹腔内に
投与した。その2週間後に同量の変異体をIFA とともに
腹腔内投与した。2回目の免疫の1週間後に採血し、そ
の血清を得た。P126A 変異体については、さらにその1
週間後にもう一度追加免疫を行い、その1週間後に採血
した。
【0075】(12) 血清中の特異抗体量の測定 血清中の特異抗体量をELISA 法により測定した。測定
は、実施例2の(4) に示した方法にしたがって行った。
ただし、の操作段階では、マイクロタイタープレート
に吸着させる天然型及び変異体β−LGの濃度は 100μ
g /mlとした。変異体β−LGに対する抗体産生試験の
結果を以下に示す(図13)。
【0076】天然型β−LGで免疫した場合には、天然
型、組換え体β−LGに結合する特異抗体が産生され、
p119-133に対する抗体もわずかながら産生された。D129
Amutで免疫した場合にも、天然型β−LG、及び免疫原
であるD129Amutに対して、天然型β−LG免疫の場合と
ほぼ同等の特異抗体の産生が認められた。しかしなが
ら、P126Amutで免疫した場合には、天然型β−LG、及
び免疫原であるP126Amutに結合する特異抗体の産生はほ
とんど認められなかった。この結果より、タンパク質抗
原の少なくとも1アミノ酸残基の変換、特にこの実施例
ではMHCクラスIIとの結合に関与する残基の1残基の
置換により、そのタンパク質の免疫原性を低下させるこ
とができることが示された。
【0077】
【発明の効果】本発明により、免疫原性が低下した変異
体タンパク質を提供することができる。本発明は、低ア
レルゲン化食品、抗アレルギー食品等に利用することが
可能であり、また、アナフィラキシーショックを起こす
危険性の少ない安全なタンパク質性医薬品にも利用でき
ることから、産業上極めて有用である。
【0078】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:162 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列:
【0079】配列番号:2 配列の長さ:162 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列:
【0080】配列番号:3 配列の長さ:162 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列:
【0081】配列番号:4 配列の長さ:162 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列:
【0082】配列番号:5 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GTCCACCTCA GCGGTCCTGA C 21
【0083】配列番号:6 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CAGGGCCTCG TCAGCCACCT CCGGGG 26
【図面の簡単な説明】
【図1】アナログペプチドのアミノ酸配列を示す図であ
る。
【図2】I−Ab分子結合試験方法の模式図を示す図で
ある。
【図3】I−Ab分子結合試験結果を示す図である。
【図4】マウスの免疫及び採血のスケジュールを示す図
である。
【図5】マウスのリンパ節細胞増殖試験の結果を示す図
である。
【図6】マウスのリンパ節細胞増殖試験の結果を示す図
である。
【図7】マウスのリンパ節細胞増殖試験の結果を示す図
である。
【図8】マウスに対する抗体産生誘起能の比較試験結果
を示す図である。
【図9】マウスに対する抗体産生誘起能の比較試験結果
を示す図である。
【図10】マウスに対する抗体産生誘起能の比較試験結果
を示す図である。
【図11】変異体β−LGの発現プラスミドの構築を示す
図である。
【図12】精製した変異体β−LGの電気泳動及びウエス
タンブロット解析の結果を示す図である。
【図13】精製した変異体β−LGのマウスに対する抗体
産生誘起能の比較試験結果を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 1/19 8828−4B C12P 21/02 ZNA C 9282−4B // A23J 3/08 A61K 38/16 ABF (C12N 1/19 C12R 1:865) (C12P 21/02 C12R 1:865)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 免疫原性を有するタンパク質分子内の少
    なくとも1つのアミノ酸残基が置換、欠失又は付加され
    た、免疫反応の低応答化又は不応答化をもたらす変異体
    タンパク質。
  2. 【請求項2】 免疫原性を有するタンパク質分子内の少
    なくとも1つのアミノ酸残基が置換された、免疫反応の
    低応答化又は不応答化をもたらす変異体タンパク質。
  3. 【請求項3】 変異体タンパク質が変異体β−ラクトグ
    ロブリン、変異体α−ラクトアルブミン又は変異体カゼ
    インから選ばれるいずれか一つである請求項1又は2記
    載の変異体タンパク質。
  4. 【請求項4】 変異体β−ラクトグロブリンが、配列番
    号1で表されるβ−ラクトグロブリンのアミノ酸配列の
    うち第126番目のプロリンがアラニンで置換された配
    列を含むもの、第126番目のプロリンがフェニルアラ
    ニンで置換された配列を含むもの又は第128番目のバ
    リンがアスパラギン酸で置換された配列を含むものであ
    る、請求項3記載の変異体タンパク質。
  5. 【請求項5】 配列番号2〜4で表されるいずれかのア
    ミノ酸配列をコードするDNAを含む変異体β−ラクト
    グロブリン遺伝子。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の変異体β−ラクトグロブ
    リン遺伝子が組み込まれた組換え体DNA。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の組換え体DNAにより形
    質転換された形質転換体。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の形質転換体を培養し、得
    られる培養物から変異体β−ラクトグロブリンを分離す
    ることを特徴とする変異体β−ラクトグロブリンの生産
    方法。
JP23591494A 1994-09-05 1994-09-05 免疫原性が低下された変異体タンパク質 Expired - Lifetime JP3475221B2 (ja)

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