JPH086725Y2 - 管材成形装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、管材の成形装置に関する。

〔従来の技術〕

管材はその取扱いが容易なように所定本数だけ一束に
結束される。その際、結束形状は、コンパクトでしかも
結束が崩れない形状とされる。かかる形状にするために
成形装置が用いられる。

従来、成形装置として添付図面の第２図に示されるご
とくのものが知られている。第２図において11は、所定
形状、例えば図示の場合管材を正六角形に成形積載する
ためのスタッカーで、正六角形の下側の三辺を有してい
る。かかるスタッカーの上部には、横方向で前進・退動
可能なスライドスキッドが配設されており、その上面に
所定本数の管材Ｐが配列されている。この所定本数は、
スタッカー内に積載される管材の各段により変わって行
く。そして、上記スライドスキッド12が左方に退動する
と、管材はスタッカー11内に滑落して各段が形成され
る。こうして、各段が所定の本数だけ積載されると、管
材はその形態のまま結束装置にもち込まれて結束され、
しかる後、搬出される。

〔考案が解決しようとする課題〕

管材の中には、端部に管継手や管端保護のためのカバ
ーがねじ込みにより取付けられているものが多く存在す
る。かかる管材の場合に、第２図のごとくの従来装置の
スライドスキッドによってスタッカー内に管材を供給す
ると、スライドスキッド12が退動する際に、スライドス
キッドと管材と間の相対移動にもとづく摩擦力によって
管材Ｐは図示の方向に回転を受ける。互に接触している
各管材は接触点では互に反対方向に向くために摩擦が生
じ、管継手のねじ込みが緩むことがある。一旦ねじ込み
が緩むと、その後の取扱い時に一層簡単に緩み、外れて
しまうという事態も生ずる。

本考案は、かかる従来装置の問題を解決し、管継手等
が緩むことのないスライドスキッドをもつ管材の成形を
提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案によれば、上記目的は、 所定本数の管材が互の周面を接触して平行に配列され
たスライドスキッドを、管材の成形積載のためのスタッ
カーの受入底面より上方位置に配設し、上記スライドス
キッドを横方向に退動せしめることにより該スライドス
キッドの先端から管材をスタッカー内に滑落させるもの
において、 スライドスキッド上面には、後端が静止位置に固定さ
れたベルトがスライドスキッドの先端部のローラに巻き
掛けられて張設されて、スライドスキッドの退動時には
ベルトの先端側から引き込まれていくようになってい
る、 ことにより達成される。

〔作用〕

上述のごとくの本考案にあっては、スライドスキッド
が退動する際にはベルトは先端部から引き込まれてゆく
ので、ベルトと該ベルト上の管材との間には相対移動、
すなわちそれにもとづく摩擦力は一切生じない。かくし
て、管材は回転することなく、そのままスタッカー内に
落下して積載されてゆく。

〔実施例〕

以下、添付図面の第１図にもとづいて、本考案の実施
例を説明する。

図において、１はスタッカーである。該スタッカー１
は、管端に管継手が螺着された管材Ｐを正六角形に成形
積載すべく、正六角形の下側三辺を形成する棚状をなし
ている。該スタッカー１は管材の供給を受けると、一段
積載される毎にその分だけ降下するようになっている。

上記スタッカー１の底面よりも上方の位置には、上記
スタッカー１の六角溝部分を横切るようにスライドスキ
ッド２が配設されている。該スライドスキッド２には走
行輪3,3が取付けられていて、レバー４によって右方向
に前進、そして左方向に退動するようになっている。ス
ライドスキッド２の後方（左方）には静止せる固定部６
が設けられ、該固定部６に後端がピン７により固定され
たベルト８が前方（右方）に延びてスライドスキッドの
上面に張設されており、スライドスキッド２の先端部の
ローラに巻き掛けられた後、さらにスライドスキッド２
に設けられたローラ10で巻き掛けられ先端が静止位置で
ピン11によって固定されている。

かかる本実施例装置において、管材の成形装置への供
給は次の要領で行われる。

第１図のごとくの進出状態にあるスライドスキッ
ド２上にはベルト８を介して管材Ｐが所定本数だけ配列
されている。

次に、レバー４の作動によりスライドスキッド２
は左方に後退する。すると、ベルト８はスライドスキッ
ド２に設けられたローラ10によって後方に引き込まれ、
スライドスキッド２の先端部で常に該スライドスキッド
２に追従するようになって張設状態を保つこととなる。

かくして、管材Ｐはベルト８との間に何ら相対動
がなく、すなわち摩擦力を受けない。したがって管材Ｐ
は回転することなく、スライドスキッド２の先端側から
スタッカー１内に落下して、順次積載されてゆく。

なお、本考案では、上記ベルトは他のもの例えばチェ
ーン等の巻掛け体に代えることができる。さらに、ベル
トは、ローラ10の部分に巻き取る形式とすることも可能
である。

〔考案の効果〕

以上のごとく本考案によれば、管材は成形装置のスタ
ッカーに供給される際に、非回転で落下するので、管材
同士の接触に起因する管継手等のゆるみあるいは外れと
いったことがなくなり、ゆみるの点検作業の廃止を可能
としまた不慮の事故の防止が図れるという効果をもたら
す。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例装置の概要構成を示す部分破
断正面図、第２図は従来装置を示す正面図である。 １……スタッカー ２……スライドスキッド ８……ベルト Ｐ……管材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 原田 昌彦 東京都千代田区丸の内１丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 (72)考案者 出井 勝 兵庫県加古川市平岡町中野211―１ 滝川 工業株式会社内 (72)考案者 原 昭光 兵庫県加古川市平岡町中野211―１ 滝川 工業株式会社内 (72)考案者 二木 英二 兵庫県加古川市平岡町中野211―１ 滝川 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−12056（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−78130（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】所定本数の管材が互の周面を接触して平行
   に配列されたスライドスキッドを、管材の成形積載のた
   めのスタッカーの受入底面より上方位置に配設し、上記
   スライドスキッドを横方向に退動せしめることにより該
   スライドスキッドの先端から管材をスタッカー内に滑落
   させるものにおいて、 スライドスキッド上面には、後端が静止位置に固定され
   たベルトがスライドスキッドの先端部のローラに巻き掛
   けられて張設されて、スライドスキッドの退動時にはベ
   ルトの先端側から引き込まれていくようになっている、 ことを特徴とする管材成形装置。