JPH0859154A - エレベータの乗場錠スイッチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エレベータの主電源スイッチを遮断しなくて
も感電の危険がなく、正確、迅速、安全に固定接点の補
修作業を行うことができるようにする。 【構成】 錠スイッチ固定接点本体２０と接点ブロック
２３とを別体にかつ着脱可能に形成し、使用時、錠スイ
ッチ固定接点本体２０と一体化されていた接点ブロック
２３を補修時に本体から抜き出し、エレベータの錠スイ
ッチ固定接点の通電回路を乗場錠スイッチのところで遮
断可能に構成にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、エレベータの乗場ド
アの開閉状態を検出するための乗場錠スイッチに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】図７は、高層の建築物に設置されるエレ
ベータの一例の概略構成を示す説明図であり、１はエレ
ベータの最上部に配置されている機械室であり、機械室
１内には、エレベータの動きを制御するための制御装置
２、制御装置２への電力の供給または遮断を制御する主
電源スイッチ３、制御装置２からの制御信号に基づき、
図示を省略したモータにより回動されるプーリ４が設置
されている。プーリ４にはロープ５が掛けられ、ロープ
５の両端部にかご６とカウンターウエイト７が締結され
ている。建築物の各階床には乗場ドア８が設けられ、乗
場ドア８の上方に乗場ドアの開閉状態を検出するための
錠スイッチ９が設置されている。

【０００３】図８はエレベータの錠スイッチ９の全体構
成を示す図、図９〜図１１は従来の錠スイッチ固定接点
本体の構成を示す図であり、図９は錠スイッチ固定接点
本体の斜視図、図１０は図９に示す錠スイッチ固定接点
本体の平面図、図１１は図１０のＩ−Ｉ線縦断面図であ
る。図８、図９に示すように、錠スイッチ９は、２個の
固定接点部１１を有する錠スイッチ固定接点本体１０
と、乗場ドア８の動きに応じ、乗場ドア８と一体の支持
部材８ａに固定されている可動接点部１２とから構成さ
れる。錠スイッチ固定接点本体１０の固定接点部１１
は、乗場ドア８に固定されている可動接点部１２との電
気的接続と遮断により乗場ドア８の開閉状態を検出可能
となっている。１３は、固定接点部１１と可動接点部１
２とが接触したことを表す信号を制御装置２に伝送する
ためのケーブル線であり、錠スイッチ本体１０に設けら
れた端子１４に接続されている。１５は固定接点部１１
を錠スイッチ固定接点本体１０に固定するためのビスで
ある。

【０００４】以上のように構成された従来のエレベータ
の乗場錠スイッチ９は、乗場ドア８の開閉の度に錠スイ
ッチ９の固定接点部１１と可動接点部１２との間に遮断
電流による火花が発生し、この火花が原因となって固定
接点部１１と可動接点部１２との接触面が荒れ、接触不
良を起す。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】したがって、このよう
な接触面の荒れを随時補修しなければならない。このよ
うな接点部の補修をする場合、通常、固定接点部１１、
端子１４、ビス１５には電圧がかかっているので、その
まま作業したのでは感電事故を起す。そこで事故防止の
ために各階床の補修作業を行う毎に機械室１まで足を運
び、主電源スイッチ３を遮断してから補修作業を行う必
要がある。したがって、上記作業方法により一人で作業
する場合、かご６に乗り、エレベータを手動で作業位置
まで動かした後、機械室１に移動し、主電源スイッチ３
を遮断した後、再度かご６に戻り必要な作業をしなけれ
ばならない。このような従来の作業方法では、各階床の
錠スイッチ９を補修する都度、上記のような主電源スイ
ッチ３の遮断作業を行わなければならず、作業に時間が
かかり非効率であるという問題点があった。

【０００６】また、接点摩耗時、接点部品を交換可能す
るには４本のビス１５を緩めて固定接点部１１を取り外
して交換しなければならないので、部品交換作業に時間
がかかっていた。

【０００７】したがって、この発明が解決しようとする
課題は、通電状態にあるエレベータの乗場錠スイッチの
固定接点の補修を行う場合にその都度機械室に行き主電
源スイッチを遮断するという作業を無くし、補修作業の
所要時間を短縮し、かつ、部品交換作業の効率を向上さ
せることである。

【０００８】この発明は、上記課題を解決するためにな
されたもので、固定接点の補修作業時に、エレベータの
主電源スイッチを遮断しなくても感電の危険がなく、手
元で正確、迅速、容易に補修作業を行うことができるエ
レベータの乗場錠スイッチを得ることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明に係わるエレベ
ータの乗場錠スイッチは、可動接点部と接触して電気的
接続を行う固定接点部を有する接点ブロックと、前記接
点ブロックを保持するための接点ブロック保持手段と前
記接点ブロックの固定接点部を信号伝送用のケーブル線
に電気的に接続する電気的接続手段とを有する錠スイッ
チ固定接点本体とを備えている。そして、使用時に前記
錠スイッチ固定接点本体に合体されている前記接点ブロ
ックを補修作業時に前記錠スイッチ固定接点本体から抜
き出し、錠スイッチ固定接点の通電回路を遮断できるよ
うに形成する。

【００１０】また、前記錠スイッチ固定接点本体の電気
的接続手段は一対の板ばね式プラグからなり、前記接点
ブロックを前記錠スイッチ固定接点本体に合体させる時
前記接点ブロックの固定接点部の一端を挟み込むことに
より電気的接続を行う。

【００１１】さらに、接点ブロックの両側面に指かけ用
の突起を設ける。

【００１２】また、前記錠スイッチ固定接点本体の接点
ブロック保持手段と接点ブロックとにそれぞれ互いに係
合するガイド手段を設ける。

【００１３】さらに、接点ブロックに掛け金部を設け、
錠スイッチ固定接点本体の接点ブロック保持手段として
設けられる穴部の内面上部に前記掛け金部が係合する結
合部を設け、前記掛け金部と結合部とを係合させること
により、接点ブロックを錠スイッチ固定接点本体に固定
する。

【００１４】

【作用】この発明に係わるエレベータの乗場錠スイッチ
は、錠スイッチ固定接点本体と別体に、かつ、着脱可能
に形成された接点ブロックを補修時に錠スイッチ固定接
点本体から抜き出し、通電回路を乗場錠スイッチのとこ
ろで遮断することにより、固定接点の補修作業時に、エ
レベータの主電源スイッチを遮断しなくても感電の危険
がなく、接点の清掃や部品交換などの補修作業を手元で
正確、迅速、容易に行うことができる。

【００１５】また、接点ブロックと錠スイッチ固定接点
本体との電気的接続手段として一対の板ばね式プラグを
有し、前記接点ブロックを前記錠スイッチ固定接点本体
に合体させる時前記接点ブロックの固定接点部の一端を
挟み込むことにより着脱自在に電気的接続を行うことが
できる。

【００１６】さらに、接点ブロックの両側面に指かけ用
の突起を設けたり、前記錠スイッチ固定接点本体の接点
ブロック保持手段と接点ブロックとにそれぞれ互いに嵌
合するガイド手段を設けることにより、接点ブロックの
着脱操作を容易化できる。

【００１７】また、接点ブロックに設けられた掛け金部
と、錠スイッチ固定接点本体に設けられる結合部とを係
合させることにより、接点ブロックを錠スイッチ固定接
点本体にワンタッチで固定することができる。

【００１８】

【実施例】

実施例１．以下、この発明の一実施例を図１〜図４を参
照して説明する。図において、錠スイッチ固定接点本体
２０には、穴部２１と貫通穴２２と合わせ穴２０ａが設
けられている。穴部２１には、ねじ穴２３ａが設けられ
ると共に固定接点２４を一体成形した樹脂製の接点ブロ
ック２３が装着されており、接点ブロック２３を保持す
るための接点ブロック保持手段としての役割をするもの
である。錠スイッチ固定接点本体２０の貫通穴２２には
２枚１対の板ばね式プラグ２５が配設されており、この
板ばね式プラグ２５の一端に電気的に接続された端子１
４にはケーブル線１３が接続されている。また、板ばね
式プラグ２５の他端には、固定接点２４の接点後端部２
４ａが挟み込まれ、錠スイッチ固定接点本体２０と接点
ブロック２３との電気的接続手段としての役割を果たし
ている。

【００１９】錠スイッチ固定接点本体２０に接点ブロッ
ク２３を合体させた後、ビス２６をねじ穴２３ａにねじ
込み、ビス２６の先端を錠スイッチ固定接点本体２０の
合わせ穴２０ａに挿入し締め付けることにより、接点ブ
ロック２３の取り付け位置がずれないようにしっかりと
固定される。

【００２０】次に、本実施例においてエレベータの乗場
錠スイッチの固定接点を補修する手順について説明す
る。まず、ビス２６を取り外し、接点ブロック２３を指
でつまんで錠スイッチ固定接点本体２０から抜き出す。
すると、図３に示される電気的接続手段としての板ばね
式プラグ２５から固定接点２４が切り離され、電気的導
通が断たれる。したがって、機械室１まで登っていって
主電源スイッチ３を遮断しなくても感電の危険なく固定
接点２４の補修を行うことができる。

【００２１】また、補修が完了した接点ブロック２３を
錠スイッチ固定接点本体２０に再装着するには、接点ブ
ロック２３を指で摘み、錠スイッチ固定接点本体２０の
穴部２１に差し込み、ねじ穴２３ａと合わせ穴２０ａと
を合わせてビス２６をねじ穴２３ａにねじ込んで固定す
る。接点ブロック２３が錠スイッチ固定接点本体２０に
装着された状態においては、固定接点２４の接点後端部
２４ａが板ばね式プラグ２５に挟み込まれ、電気的に接
続される。

【００２２】本実施例によれば、エレベータの乗場錠ス
イッチの固定接点を補修する際、接点ブロック２３を指
でつまんで錠スイッチ固定接点本体２０から抜き出すこ
とにより、板ばね式プラグ２５から固定接点２４が切り
離され、電気的導通が断たれる。したがって、機械室１
まで行き主電源スイッチ３を遮断しなくても感電の危険
がなく、固定接点２４の補修作業を安全に行うことがで
きる。したがって、作業時間を短縮することができる。
さらに、接点摩耗時、ブロック化された接点部品を簡単
な操作で交換可能であり、部品交換作業の効率を向上す
ることができる。

【００２３】実施例２．上記実施例１においては、接点
ブロック２３を指でつまんで錠スイッチ固定接点本体２
０から抜き出すに当り、指が滑り易く作業しにくいとい
う欠点があった。この点を改良するため、図５に示すよ
うに、接点ブロック２３の両側面に指かけ用の突起２８
を設けるようにしてもよい。

【００２４】この場合、接点ブロック２３を引き抜くと
きに指を掛け滑りにくくすることにより、引き抜き作業
を迅速に行うことができる。

【００２５】実施例３．また、図５に示すように、錠ス
イッチ固定接点本体２０の穴部２１と接点ブロック２３
とにガイド手段としての凹凸部２９Ａ、２９Ｂを設ける
ようにしてもよい。

【００２６】この場合、接点ブロック２３が案内される
ので、接点ブロック２３を錠スイッチ固定接点本体２０
に差し込みやすくなり、補修作業を短時間に行うことが
できる。

【００２７】実施例４．さらに、実施例１では、錠スイ
ッチ固定接点本体２０と接点ブロック２３との位置合わ
せと固定をビス２６により行っているが、図５に示すよ
うに、接点ブロック２３に掛け金部３０を設け、また、
錠スイッチ固定接点本体２０の穴部２１の内面上部に、
接点ブロック２３が挿入されたときに掛け金部３０と係
合し結合される結合凹部３１を設けるようにしてもよ
い。掛け金部３０は、図６に示すように、板ばね式フッ
ク状になっており、後端部３０ａを押えつけることによ
り、結合凹部３１から外すことができる。なお、掛け金
部３０と結合凹部３１の係合部の形状の凹凸関係は図と
逆の関係であっても差し支えない。

【００２８】本実施例によれば、掛け金部３０と結合凹
部３１との係合による固定により、ビス止めと同様の固
定効果を期待することができる。そして、接点を補修す
るときは、錠スイッチ固定接点本体２０にマイナスドラ
イバを差し込み、ストッパを外して接点部分を抜き取
り、作業を行えばよいので、接点ブロック２３の取り付
けと取り外しを容易に行うことができる。

【００２９】

【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
エレベータの乗場錠スイッチの固定接点部分を補修する
際、接点ブロックを錠スイッチ固定接点本体から取り外
して作業できるので、感電事故を防止でき安全であると
ともに、従来必要であった主電源スイッチの遮断操作が
不要となり、作業時間を短縮し、手元で正確、迅速、容
易に補修作業を実施することができる。

【００３０】また、接点摩耗時、ブロック化された接点
部品を簡単な操作で交換可能であり、部品交換作業の効
率を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例の斜視図である。

【図２】図１に示す実施例の平面図である。

【図３】図２のII−II線断面図である。

【図４】図３において接点ブロックを抜き出した状態を
示す断面図である。

【図５】実施例２〜４を示す斜視図である。

【図６】図５において接点ブロックを錠スイッチ固定接
点本体から抜き出した状態の断面図である。

【図７】従来のエレベータの乗場錠スイッチの配置を示
す説明図である。

【図８】従来のエレベータの乗場錠スイッチの構成を示
す説明図である。

【図９】従来のエレベータの乗場錠スイッチ固定接点の
斜視図である。

【図１０】図９に示す固定接点の平面図である。

【図１１】図１０のＩ−Ｉ線断面図である。

【符号の説明】

１ 機械室 ２ 制御装置 ３ 主電源スイッチ ６ かご ８ 乗場ドア １２ 可動接点部 １４ 端子 ２０ 錠スイッチ固定接点本体 ２１ 穴部 ２２ 貫通穴 ２３ 接点ブロック ２４ 固定接点 ２５ 板ばね式プラグ ２６ ビス

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 可動接点部と接触して電気的接続を行う
   固定接点部を有する接点ブロックと、前記接点ブロック
   を保持するための接点ブロック保持手段と前記接点ブロ
   ックの固定接点部を信号伝送用のケーブル線に電気的に
   接続する電気的接続手段とを有する錠スイッチ固定接点
   本体とを備え、使用時に前記錠スイッチ固定接点本体に
   合体されている前記接点ブロックを補修作業時に前記錠
   スイッチ固定接点本体から抜き出し、錠スイッチ固定接
   点の通電回路を遮断できるように形成することを特徴と
   するエレベータの乗場錠スイッチ。
2. 【請求項２】 前記錠スイッチ固定接点本体の電気的接
   続手段は一対の板ばね式プラグからなり、前記接点ブロ
   ックを前記錠スイッチ固定接点本体に合体させる時前記
   接点ブロックの固定接点部の一端を挟み込むことにより
   電気的接続を行うことを特徴とする請求項１記載のエレ
   ベータの乗場錠スイッチ。
3. 【請求項３】 前記接点ブロックの両側面に指かけ用の
   突起を設けることを特徴とする請求項１または２記載の
   エレベータの乗場錠スイッチ。
4. 【請求項４】 前記錠スイッチ固定接点本体の接点ブロ
   ック保持手段と接点ブロックとにそれぞれ互いに係合す
   るガイド手段を設けることを特徴とする請求項１または
   ２記載のエレベータの乗場錠スイッチ。
5. 【請求項５】 接点ブロックに掛け金部を設け、錠スイ
   ッチ固定接点本体の接点ブロック保持手段として設けら
   れる穴部の内面上部に前記掛け金部が係合する結合部を
   設け、前記掛け金部と結合部とを係合させることによ
   り、接点ブロックを錠スイッチ固定接点本体に固定する
   ことを特徴とする請求項１記載のエレベータの乗場錠ス
   イッチ。