JPH08586A - 信号分析装置 - Google Patents

信号分析装置

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JPH08586A
JPH08586A JP6144893A JP14489394A JPH08586A JP H08586 A JPH08586 A JP H08586A JP 6144893 A JP6144893 A JP 6144893A JP 14489394 A JP14489394 A JP 14489394A JP H08586 A JPH08586 A JP H08586A
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Shin Mizutani
伸 水谷
Akira Hiraiwa
明 平岩
Noboru Sonehara
曽根原  登
Masatoshi Horiguchi
真寿 堀口
Takuya Sano
▲琢▼哉 佐野
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゆらぎを含んだ周期信号の分析を高精度に行
う。 【構成】 脳波のような生体信号をA/D変換回路2で
ディジタル信号とし、これを埋め込み操作回路3で所定
周期でサンプリングして時系列データをつくり、これを
所定次元の空間上の点列へ埋め込んで、アトラクタを再
構成し、リアプノフ指数計算回路4で前記点列をもとに
アトラクタの軌道上の一点から他の軌道上の各点への距
離に応じて重み付けをして平均距離を求め、該平均距離
をもとに最小自乗法を用いて、アトラクタの力学系関数
の近似行列からリアプノフ指数を求め、分析手段5にお
いて求められたリアプノフ指数から生体信号の診断を行
う構成を特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、医療診断補助
に有効なものであり、人間の酩酊度を判断する生理状態
測定や、てんかん患者の長時間の脳波データからのてん
かんの検出等、医療診断装置などのゆらぎが含まれた周
期信号を対象とする産業分野に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】本発明が対象とする被測定信号の一つと
して脳波の場合を例にして説明する。
【0003】従来のてんかん脳波検出は、脳波からてん
かんに特有の性質を見いだせる医療専門家によって目で
見て判断されていた。図7に示すように、患者の脳波1
1や患者の状態12をカメラ13や図示しない脳波計に
よって常時測定し、一旦そのデータをビデオテープ14
等の何等かの記憶媒体に記憶して、後にそのビデオテー
プ14を見た臨床検査技師15等の専門家によっててん
かんの部位や性質、治療状況などのカルテ16を作成し
ていた。患者一人一人を医療専門家が各々常時観察出来
なかったため、そのように一旦記憶したものから医師1
7が患者18の状態を判断していた。酩酊度など、他の
生理状態測定でも同様であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の信
号分析手段では、専門家が記憶媒体の長時間の生理状態
データ、例えば脳波データを見て判断しカルテを作成す
るのは、非常に時間と労力がかかっていた。他の生理状
態測定でも同様の課題を有していた。
【0005】本発明の目的は、リアプノフ指数を信号分
析に用い、しかもリアプノフ指数の精度を高めた信号分
析装置を提供することを目的とする。また、リアプノフ
指数を用いて酩酊度,てんかん脳波等を測定,検出でき
る信号分析装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はリアプノフ指数
という、力学系の軌道の安定性、又は発散の程度といっ
た物理的意味を表す指数の概念を用いたものである。リ
アプノフ指数の性質は、この指数が大のとき、軌道の安
定性が小さく、小のとき、安定性は大きい。
【0007】この指数の概念を、生理状態測定等に用い
る信号分析装置の一部手段に応用して組み合わせること
により、本発明を構成している。つまり、一般論的にい
えば、健康なときはこの指数が大で、不健康なときは小
になる。
【0008】本発明にかかる第1の発明は、被測定信号
をA/D変換するA/D変換回路と、このA/D変換回
路の出力の時系列データを、所定次元の空間上の点列へ
埋め込んで、アトラクタを再構成する埋め込み操作回路
と、前記点列をもとに前記アトラクタの軌道上の一点か
ら他の軌道上の各点への距離に応じて重み付けをして平
均距離を求め、該平均距離をもとに最小自乗法を用い
て、アトラクタの力学系関数の近似行列を求めるよう構
成されたリアプノフ指数を求めるリアプノフ指数計算回
路と、前記リアプノフ指数をもとに信号を分析する分析
手段を有するものである。
【0009】第2の発明は、被測定者の重心位置の変化
を計測して重心位置変化信号を得る重心位置測定回路
と、前記重心位置変化信号をA/D変換するA/D変換
回路と、このA/D変換回路の出力の時系列データを所
定次元の空間上の点列へ埋め込んでアトラクタを再構成
する埋め込み操作回路と、前記点列をもとにリアプノフ
指数を求めるリアプノフ指数計算回路と、前記リアプノ
フ指数をもとに酩酊度を分析する酩酊度分析部とを有す
るものである。
【0010】第3の発明は、脳波を計測して脳波信号を
得る脳波計と、前記脳波信号をA/D変換するA/D変
換回路と、このA/D変換回路の出力の時系列データを
所定次元の空間上の点列へ埋め込んでアトラクタを再構
成する埋め込み操作回路と、前記点列をもとにリアプノ
フ指数を求めるリアプノフ指数計算回路と、前記リアプ
ノフ指数をもとにてんかん脳波を分析するてんかん分析
部とを有するものである。
【0011】
【作用】本発明にかかる第1の発明は、リアプノフ指数
計算回路において、再構成されたアトラクタの軌道上の
一点からの他の軌道上の一点への距離に応じて重み付け
し、その重み付けした平均距離から最小自乗法を用い
て、再構成されたアトラクタの力学系の関数を近似した
行列を求めるので、通常の最小自乗法より精度よくリア
プノフ指数を求めることができる。
【0012】また、第2の発明は重心位置信号のゆらぎ
の程度を示すリアプノフ指数から酩酊度を求めることが
できる。
【0013】さらに、第3の発明は脳波のゆらぎの程度
を示すリアプノフ指数からてんかん脳波を検出すること
ができる。
【0014】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の一実施例を以下に述べる。
【0015】図1に本発明の一実施例の全体構成のブロ
ック図を示す。
【0016】図1において、1は被測定信号が印加され
る入力端子、2はA/D変換回路で、被測定信号をある
周期でサンプリングし、ディジタルデータに変換するも
のである。3は埋め込み操作回路で、被測定信号の変化
をd次元の力学系に従うと仮定し、そのアトラクタを再
構成するための処理を行うもので、この埋め込み操作回
路3自体は公知のものである。4はリアプノフ指数計算
回路で、後述するように従来のリアプノフ指数計算回路
より精度よくリアプノフ指数を求めることができるもの
である。5は分析手段で、リアプノフ指数計算回路4の
出力を分析してその値に基づいた判断を行う。6は表示
装置で、必要に応じ設けられる。表示が不必要であれば
分析結果を直接メモリやCPUに送るようにしてもよ
い。
【0017】図2は後述する図1の実施例の動作説明の
ためのもので、変移ベクトルy(i)とz(i)の関数
z(i)=Aty(i)を示している。
【0018】図3に本発明の図1の実施例の動作説明の
ためのフローチャートを示す。なお、S1〜S7は各ス
テップを示す。
【0019】以下、図1の実施例の動作を図2,図3を
参照して説明する。
【0020】まず、時系列データx(t)がd次元の力学系
に従うと仮定し(S1)、アトラクタを埋め込みの方法
により再構成する。これは、従来公知の技術である。時
系列データx(t)からd次元の再構成状態空間へ総数Nの
データの集合を以下のようにを作成する。時間遅れをτ
とするデータの集合は、
【0021】
【数1】 X(1){x(1),x(1+ τ),x(1+2 τ),…,x(1+(d-1)τ)} X(2){x(2),x(2+ τ),x(2+2 τ),…,x(2+(d-1)τ)} …… X(t){x(t),x(t+ τ),x(t+2 τ),…,x(t+(d-1)τ)} …… X( N){x(N),x(N+ τ),x(N+2τ),…,x( N+(d-1)
τ)} これでd次元のアトラクタ軌道上の点X(t) がN個得ら
れたことになる(S2)。また、従来方法と同じよう
に、一般の力学系を
【0022】
【数2】X(t+1)=F( X(t)) と置く。X(t) の微小な変化をδX(t) とすると、
【0023】
【数3】X(t+1)+δX(t+1)=F( X(t)+δX(t)) より左辺をテーラー展開して、
【0024】
【数4】δX(t+1)=DF( X(t))δX(t) となる。ここで
【0025】
【数5】DF( X(t))= ∂F /∂X はFのt におけるヤコビアン行列である。このDF( X
(t))を埋め込み操作で得られたd次元の点N個から推定
する。軌道上のある点X(t) を選び、その点を中心とす
る半径εの超球内に入る同じく軌道上の点X(k(i)),(i=
1,2,…, M) をM個選び出す。するとX(t) から見た半
径εの超球内の各点の変位ベクトルは
【0026】
【数6】y(i)=X(k(i))- X(t) となる。mだけ時間が経過したとき、X(t) はX(t+
m) に、X(k(i))はX(k(i)+m) となる。よって時刻t+
mでの変位ベクトルz(i) は
【0027】
【数7】z(i)=X(k(i)+m)-X(t+ m) となる(S3)。εを小さい値にとれば、線形で近似し
【0028】
【数8】z(i)=Aty(i) となる(図2参照)。このAt はDF( X(t))と近似的
に等しくなり、At を求める方法を考える。ここで各々
の変位ベクトルのノルムに応じた重み付けした平均距離
Sを最小にするような最小自乗法によりAt を求める
(S4),(S5)。
【0029】
【数9】 S=(1/M) Σ(min| y(j)|/|y(i)|)(z(i)-Aty(i)) ここで、min|y(j)|は| y(i)|,(i=1,2,…, M) の中で
最小値であり、i でインデックスされたj 番目のもので
ある。At の(k,l) 成分をa(k,l)とすると∂S/ ∂a(k,
l)=0より
【0030】
【数10】At V= C V(k,l)=(l/ M) Σy(i,k) y(i,l) C(k,l)=(1/ M) Σz(i,k) y(i,l) 但し、y(i,k),z(i,k) は、各々ベクトルy(i),z(i)
の第k 成分を表す。M>=nで縮退がなければAt を一
意に決めることが出来る。リアプノフ指数の全ての次元
スペクトラムを求めるには、δX(t) をd次元の直交基
底ベクトルu1(t),u2(t),…,ui(t), …,ud(t)として、そ
の変化を見る。まず
【0031】
【数11】ei(t+1)=Atui(t) によりei(t+1) を求め、その後グラムシュミット法によ
り新しい直交基底ベクトルを構成する(S6)。
【0032】
【数12】 ei(t+1)*=ei(t+1)- Σ<ei(t+1),ui(t+1)>ui(t+1) ui(t+1)=ei(t+1)*/|ei(t+1)*| <>は内積である。このui(t+1) を直交基底ベクトルとし
て上記の変換を繰り返す。このとき、リアプノフスペク
トラムλi(i=1,2,…,d) は
【0033】
【数13】λi=lim(1/N) Σlog|ei(t+1)*| として求められる。
【0034】このように、各々の変位ベクトルのノルム
に応じた重み付けした平均距離Sを最小にするような最
小自乗法によりAt を求めれば、従来の最小自乗法で求
めたリアプノフスペクトラムより正確なものが求められ
る(S7)。 〔実施例2〕図4は本発明の第2の実施例を示すもの
で、図1の入力端子1の前に重心位置計測回路7を設
け、図1の分析手段5に代えて酩酊度分析部5Aを設け
たものである。なお、8は入力端子、4Aはリアプノフ
指数計算回路であるが、これは図1のリアプノフ指数計
算回路4と異なるもので、従来公知のものを用いてい
る。もちろん、図1と同じリアプノフ指数計算回路4を
用いれば、精度はより向上するが、従来のリアプノフ指
数計算回路4Aでも十分に目的を達することができる。
【0035】次に図4の第2の実施例の動作を図2,図
8を用いて説明する。なお、図8のフローチャートは従
来技術のリアプノフ指数の求め方を説明するものであ
り、S11〜S16は各ステップを示す。
【0036】重心位置計測回路7は、被測定者の重心の
位置の変化を計測するものである。なお、重心の求め方
は種々公知であるのでその説明は省略する。
【0037】A/D変換回路2は、重心位置計測回路7
で測定した時系列データをある周期でサンプリングし、
デジタルデータに変換するもので、通常に使われている
ものである。
【0038】埋め込み操作回路3は、重心の位置の変化
をd次元の力学系に従うと仮定し、そのアトラクタを再
構成するための処理で、サンプリングされた時系列デー
タx(t)からd次元の再構成状態空間へ総数Nのデータの
集合を作成する(S11)。時間遅れをτとするデータ
の集合は以下のようになる。
【0039】
【数14】 X(1){x(1),x(1+ τ),x(1+2 τ),…,x(1+(d-1)τ)} X(2){x(2),x(2+ τ),x(2+2 τ),…,x(2+(d-1)τ)} …… X(t){x(t),x(t+ τ),x(t+2 τ),…,x(t+(d-1)τ)} …… X( N){x(N),x(N+ τ),x(N+2τ),…,x( N+(d-1)
τ)} これでd次元の点X(t) がN個得られたことになる(S
12)。
【0040】リアプノフ指数計算回路4Aは、得られた
時系列データがd次元の力学系に従うと仮定し、その軌
道不安定性、又は、発散の度合を示すリアプノフ指数を
求める回路である。一般の力学系を
【0041】
【数15】X(t+1)=F( X(t)) とする。X(t) の微小な変化をδX(t) とすると、
【0042】
【数16】X(t+1)+δX(t+1)=F( X(t)+δX(t)) より左辺をテーラー展開して、
【0043】
【数17】δX(t+1)=DF( X(t))δX(t) となる。ここで
【0044】
【数18】DF( X(t))= ∂F /∂X はFのt におけるヤコビアン行列である。このDF( X
(t))を埋め込み操作で得られたd次元の点N個から推定
する。軌道上のある点X(t) を選び、その点を中心とす
る半径εの超球内に入る同じく軌道上の点X(k(i)),(i=
1,2,…, M) をM個選び出す。するとX(t) から見た半
径εの超球内の各点の変位ベクトルは
【0045】
【数19】y(i)=X(k(i))- X(t) となる。mだけ時間が経過したとき、X(t) はX(t+
m) に、X(k(i))はX(k(i)+m) となる。よって時刻t+
mでの変位ベクトルz(i) は
【0046】
【数20】z(i)=X(k(i)+m)-X(t+ m) となる(S13)。εを小さい値にとれば、線形で近似
して
【0047】
【数21】z(i)=Aty(i) となる(図2参照)。このAt はDF( X(t))と近似的
に等しくなり、At を求める方法を考える。ここで最小
自乗法により平均距離Sを最小にするようにAtを求め
る(S14)。
【0048】
【数22】S=(1/M) Σ( z(i)-Aty(i)) At の(k,l) 成分をa(k,l)とすると∂S/ ∂a(k,l)=0
より
【0049】
【数23】At V= C V(k,l)=(l/ M) Σy(i,k) y(i,l) C(k,l)=(1/ M) Σz(i,k) y(i,l) 但し、y(i,k),z(i,k) は、各々ベクトルy(i),z(i)
の第k 成分を表す。M>=nで縮退がなければAt を一
意に決めることが出来る。リアプノフ指数の全ての次元
スペクトラムを求めるには、δX(t) をd次元の直交基
底ベクトルu1(t),u2(t),…,ui(t), …,ud(t)として、そ
の変化を見る。まず
【0050】
【数24】ei(t+1)=Atui(t) によりei(t+1) を求め、その後グラムシュミット法によ
り新しい直交基底ベクトルを構成する(S15)。
【0051】
【数25】 ei(t+1)*=ei(t+1)- Σ<ei(t+1),ui(t+1)>ui(t+1) ui(t+1)=ei(t+1)*/|ei(t+1)*| <>は内積である。このui(t+1) を直交基底ベクトルとし
て上記の変換を繰り返す。このとき、リアプノフスペク
トラムλi(i=1,2,…,d) は
【0052】
【数26】λi=lim(1/N) Σlog|ei(t+1)*| として求められる(S16)。
【0053】酩酊度分析部5Aは、このリアプノフスペ
クトラムλi の内の最大リアプノフ指数の値により酩酊
度を判断するものである。すなわち、最大リアプノフ指
数が大きいときは酩酊度が低く、小さいときは酩酊度が
高くなるので適宜の数値を対応させておけば、数値の大
きさで酩酊度を知ることができる。
【0054】このように重心の位置の変化を測定し、そ
の信号をA/D変換する。ある時間長さのサンプリング
測定データからその時間長さの個数の多次元の1点を作
成し、この操作をある一定の時間遅れで繰り返すことに
より埋め込み操作を施す。その埋め込まれたデータから
リアプノフ指数を求め、その指数に基づいて酩酊度を判
断することが出来る。 〔実施例3〕本発明の第3の実施例を図5により以下に
述べる。
【0055】図5において、9は脳波計で、10は入力
端子であり、2,3,4A,6は図4の第2の実施例と
同じであり、5Bはてんかん分析部である。脳波計9
は、通常に使われている頭部の皮膚電位を測定するもの
で、図5は基本構成を示しており、より実際的には図6
に示すように多チャンネルの構成となる。
【0056】A/D変換回路2は、脳波計9で測定した
時系列データをある周期でサンプリングし、デジタルデ
ータに変換するもので、これも通常に使われているもの
である。
【0057】これらの操作を測定している時系列のチャ
ンネル全てについて行ない、各々のチャンネルにおける
リアプノフスペクトラムを求める。その求め方は図4の
第2の実施例で述べたリアプノフ指数計算回路4Aと同
じであるので、説明は省略する。また、リアプノフスペ
クトラムを求める際に使用するm個のデータはある程度
の数であり、リアプノフスペクトラムは、その時間平均
であるが、このmの値をてんかんの起こっている時間程
度にとり、リアプノフスペクトラムの時系列を求める。
【0058】てんかん分析部5B、このリアプノフスペ
クトラムλi の内の最大リアプノフ指数の値により脳波
を通常の部分とてんかんの部分とに分離し、てんかん脳
波のみを検出するものである。一般に、脳波は、最大リ
アプノフ指数が正の値になるカオスとして知られている
が、てんかん脳波は通常の脳波と比べ、最大リアプノフ
指数が小さくなり、軌道が通常より不安定でなく、アト
ラクタの構造も単純化する。そこで、脳波の最大リアプ
ノフ指数がある値より小さくなればてんかん脳波と予測
される。測定している全てのチャンネルについて、最大
リアプノフ指数が小さくなるような変化が起こったとき
をてんかん状態として検出し、その時刻を記録してお
く。
【0059】脳波計9より脳波を多チャンネルで計測
し、その信号をA/D変換回路2でA/D変換する。埋
め込み操作回路3により、1チャンネル分のある時間長
さのサンプリング測定データからその時間長さの個数の
多次元の1点を作成し、この操作をある一定の時間遅れ
で繰り返すことにより埋め込みを行なう。リアプノフ指
数計算回路4Aにより、その埋め込まれたデータからリ
アプノフ指数を求める。
【0060】次に、てんかん分析部5Bにより、これら
を多チャンネル全てに行なったリアプノフ指数のデータ
群からてんかん脳波に特異な部分を検出する。これによ
り長時間の脳波データからてんかんが起こっている部分
だけを検出することが出来る。
【0061】なお、図5,図6に示す第3の実施例にお
いても、図5に示す第2の実施例と同様にリアプノフ指
数計算回路4Aとして図1の第1の実施例に用いたリア
プノフ指数計算回路4を用いれば、より精度が上がるこ
とは言うまでもない。
【0062】
【発明の効果】本発明にかかる第1の発明は、被測定信
号をA/D変換するA/D変換回路と、このA/D変換
回路の出力の時系列データを、所定次元の空間上の点列
へ埋め込んで、アトラクタを再構成する埋め込み操作回
路と、前記点列をもとに前記アトラクタの軌道上の一点
から他の軌道上の各点への距離に応じて重み付けをして
平均距離を求め、該平均距離をもとに最小自乗法を用い
て、アトラクタの力学系関数の近似行列を求めるよう構
成されたリアプノフ指数を求めるリアプノフ指数計算回
路と、前記リアプノフ指数をもとに信号を分析する分析
手段を有するので、ゆらぎが含まれた周期信号、例えば
生理状態信号や地表震波信号等のゆらぎの成分の検出を
高精度で測定することができる。
【0063】また、第2の発明は、被測定者の重心位置
の変化を計測して重心位置変化信号を得る重心位置測定
回路と、前記重心位置変化信号をA/D変換するA/D
変換回路と、このA/D変換回路の出力の時系列データ
を所定次元の空間上の点列へ埋め込んでアトラクタを再
構成する埋め込み操作回路と、前記点列をもとにリアプ
ノフ指数を求めるリアプノフ指数計算回路と、前記リア
プノフ指数をもとに酩酊度を分析する酩酊度分析部とを
有するので、これまで、人の見た目で判断されていた酩
酊度をリアプノフ指数により客観的に表すことが可能と
なった。
【0064】さらに、第3の発明は、脳波を計測して脳
波信号を得る脳波計と、前記脳波信号をA/D変換する
A/D変換回路と、このA/D変換回路の出力の時系列
データを所定次元の空間上の点列へ埋め込んでアトラク
タを再構成する埋め込み操作回路と、前記点列をもとに
リアプノフ指数を求めるリアプノフ指数計算回路と、前
記リアプノフ指数をもとにてんかん脳波を分析するてん
かん分析部とを有するので、従来、医療専門家によって
なされていたてんかん脳波の検出が最大リアプノフ指数
のデータ群からてんかん脳波に特異な部分を自動的に検
出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図2】図1の実施例における埋め込み操作回路の動作
説明のための変位ベクトル間の関係図である。
【図3】図1の実施例の動作説明のためのフローチャー
トである。
【図4】本発明の第2の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図5】本発明の第3の実施例の基本構成を示すブロッ
ク図である。
【図6】本発明の第3の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図7】従来のてんかん脳波検出の処理手順の説明図で
ある。
【図8】従来用いられているリアプノフ指数の検出方法
を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 入力端子 2 A/D変換回路 3 埋め込み操作回路 4 リアプノフ指数計算回路 4A リアプノフ指数計算回路 5 分析手段 5A 酩酊度分析部 5B てんかん分析部 6 表示装置 7 重心位置計測回路 8 入力端子 9 脳波計 10 入力端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀口 真寿 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 佐野 ▲琢▼哉 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定信号をA/D変換するA/D変換
    回路と、このA/D変換回路の出力の時系列データを、
    所定次元の空間上の点列へ埋め込んで、アトラクタを再
    構成する埋め込み操作回路と、前記点列をもとに前記ア
    トラクタの軌道上の一点から他の軌道上の各点への距離
    に応じて重み付けをして平均距離を求め、該平均距離を
    もとに最小自乗法を用いて、アトラクタの力学系関数の
    近似行列を求めるよう構成されたリアプノフ指数を求め
    るリアプノフ指数計算回路と、前記リアプノフ指数をも
    とに信号を分析する分析手段を有することを特徴とする
    信号分析装置。
  2. 【請求項2】 被測定者の重心位置の変化を計測して重
    心位置変化信号を得る重心位置測定回路と、前記重心位
    置変化信号をA/D変換するA/D変換回路と、このA
    /D変換回路の出力の時系列データを所定次元の空間上
    の点列へ埋め込んでアトラクタを再構成する埋め込み操
    作回路と、前記点列をもとにリアプノフ指数を求めるリ
    アプノフ指数計算回路と、前記リアプノフ指数をもとに
    酩酊度を分析する酩酊度分析部とを有することを特徴と
    する信号分析装置。
  3. 【請求項3】 脳波を計測して脳波信号を得る脳波計
    と、前記脳波信号をA/D変換するA/D変換回路と、
    このA/D変換回路の出力の時系列データを所定次元の
    空間上の点列へ埋め込んでアトラクタを再構成する埋め
    込み操作回路と、前記点列をもとにリアプノフ指数を求
    めるリアプノフ指数計算回路と、前記リアプノフ指数を
    もとにてんかん脳波を分析するてんかん分析部とを有す
    ることを特徴とする信号分析装置。
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