JPH085641A - 探針先端形状評価用試料 - Google Patents
探針先端形状評価用試料Info
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- JPH085641A JPH085641A JP13611394A JP13611394A JPH085641A JP H085641 A JPH085641 A JP H085641A JP 13611394 A JP13611394 A JP 13611394A JP 13611394 A JP13611394 A JP 13611394A JP H085641 A JPH085641 A JP H085641A
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- Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 触針式粗さ計、走査型トンネル顕微鏡、原子
間力顕微鏡等に用いられる探針の先端形状を精度良く評
価することができる試料を提供する。 【構成】 本発明は、直径が2nm以上100nm以下であ
る微粒子を平滑基板上に付着させることにより上記目的
の試料を提供するものである。前記微粒子としては、
金、シリカ、ポリスチレンラテックスのいずれかから選
択して良い。また、前記平滑基板としてはへき開した単
結晶、鏡面研磨した単結晶、鏡面研磨したガラスのいず
れかから選択して良い。本発明試料を用い、その微粒子
付着部位を原子間力顕微鏡や走査型トンネル顕微鏡等の
方法で計測することによって得られるデータを所定の方
法で解析することにより探針の先端形状をnmレベルの精
度で正確に評価することができる。
間力顕微鏡等に用いられる探針の先端形状を精度良く評
価することができる試料を提供する。 【構成】 本発明は、直径が2nm以上100nm以下であ
る微粒子を平滑基板上に付着させることにより上記目的
の試料を提供するものである。前記微粒子としては、
金、シリカ、ポリスチレンラテックスのいずれかから選
択して良い。また、前記平滑基板としてはへき開した単
結晶、鏡面研磨した単結晶、鏡面研磨したガラスのいず
れかから選択して良い。本発明試料を用い、その微粒子
付着部位を原子間力顕微鏡や走査型トンネル顕微鏡等の
方法で計測することによって得られるデータを所定の方
法で解析することにより探針の先端形状をnmレベルの精
度で正確に評価することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は触針式粗さ計、走査型ト
ンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡等に用いる探針の先端形
状評価用試料に関する。
ンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡等に用いる探針の先端形
状評価用試料に関する。
【0002】
【従来の技術】表面の凹凸を観察する手法として触針式
粗さ計、走査型トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡等があ
る。これらの手法は探針(プローブ)と呼ばれる針を測
定試料表面に近づけ、接触またははわずかに離した状態
で測定試料または探針を走査することによって表面の凹
凸情報を得るものである。走査型トンネル顕微鏡、原子
間力顕微鏡では表面の凹凸情報の他に表面電子雲密度分
布や摩擦力分布等の別の情報を得ることも可能である。
いずれの測定手法においても用いる探針はその先端が鋭
く尖ったものが良いとされている。また、精密な測定に
は先端が鋭い探針を用いるとともにその針先の形状を正
確に知っておく必要がある。従来、探針先端形状の評価
には走査型電子顕微鏡で観察する方法が一般に用いられ
ている(例えば、I. H. Musselman and P. E. Russell,
J. Vac. Sci. Technol., A8. p3558, (1990))。また比
較的特殊であるが、別の方法として、微細加工したシリ
コンウェハの表面凹凸を前記手法により測定して探針先
端形状を算出するという方法がある(S. Y. Hong. ASME
PED. vol. 62, p63(1992)) 。
粗さ計、走査型トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡等があ
る。これらの手法は探針(プローブ)と呼ばれる針を測
定試料表面に近づけ、接触またははわずかに離した状態
で測定試料または探針を走査することによって表面の凹
凸情報を得るものである。走査型トンネル顕微鏡、原子
間力顕微鏡では表面の凹凸情報の他に表面電子雲密度分
布や摩擦力分布等の別の情報を得ることも可能である。
いずれの測定手法においても用いる探針はその先端が鋭
く尖ったものが良いとされている。また、精密な測定に
は先端が鋭い探針を用いるとともにその針先の形状を正
確に知っておく必要がある。従来、探針先端形状の評価
には走査型電子顕微鏡で観察する方法が一般に用いられ
ている(例えば、I. H. Musselman and P. E. Russell,
J. Vac. Sci. Technol., A8. p3558, (1990))。また比
較的特殊であるが、別の方法として、微細加工したシリ
コンウェハの表面凹凸を前記手法により測定して探針先
端形状を算出するという方法がある(S. Y. Hong. ASME
PED. vol. 62, p63(1992)) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の中で、走査
型電子顕微鏡を用いて探針の先端形状を評価する方法の
場合、探針先端の大きさが100nmより小さくなると電
子顕微鏡の分解能が不十分なため形状測定ができなくな
るという問題があった。また、微細加工したシリコンウ
ェハを用いる方法の場合、探針先端付近のコーン角につ
いては測定できるが、先端形状そのものについては微細
加工による寸法ばらつきが大きいためにnmレベルの精度
を得ることができないという問題があった。加えて、微
細加工には特殊な高額設備が必要なため一般には利用し
難いという点も大きな問題であった。
型電子顕微鏡を用いて探針の先端形状を評価する方法の
場合、探針先端の大きさが100nmより小さくなると電
子顕微鏡の分解能が不十分なため形状測定ができなくな
るという問題があった。また、微細加工したシリコンウ
ェハを用いる方法の場合、探針先端付近のコーン角につ
いては測定できるが、先端形状そのものについては微細
加工による寸法ばらつきが大きいためにnmレベルの精度
を得ることができないという問題があった。加えて、微
細加工には特殊な高額設備が必要なため一般には利用し
難いという点も大きな問題であった。
【0004】本発明は、このような従来技術の不都合を
解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、
触針式粗さ計、走査型トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡
等に用いられる探針の先端形状を精度良く評価すること
ができる試料を提供することにある。
解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、
触針式粗さ計、走査型トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡
等に用いられる探針の先端形状を精度良く評価すること
ができる試料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、直径が2nm以
上100nm以下である微粒子を平滑基板上に付着させる
ことにより上記目的の試料を提供するものである。前記
微粒子としては、金、シリカ、ポリスチレンラテックス
のいずれかから選択して良い。また、前記平滑基板とし
てはへき開した単結晶、鏡面研磨した単結晶、鏡面研磨
したガラスのいずれかから選択して良い。
上100nm以下である微粒子を平滑基板上に付着させる
ことにより上記目的の試料を提供するものである。前記
微粒子としては、金、シリカ、ポリスチレンラテックス
のいずれかから選択して良い。また、前記平滑基板とし
てはへき開した単結晶、鏡面研磨した単結晶、鏡面研磨
したガラスのいずれかから選択して良い。
【0006】
【作用】すでに述べたように、触針式粗さ計、走査型ト
ンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡等の方法により実試料の
計測データを正確に求めたり評価したりする場合には、
鋭い探針の先端形状を正確に把握する必要がある。本発
明の試料は平滑基板上に直径2nm以上100nm以下の微
粒子を付着させたものであり、この試料上の微粒子付着
部位を前記手法で計測することにより得られるデータを
所定の方法で解析することにより探針の先端形状をnmレ
ベルの精度で正確に評価することができる。
ンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡等の方法により実試料の
計測データを正確に求めたり評価したりする場合には、
鋭い探針の先端形状を正確に把握する必要がある。本発
明の試料は平滑基板上に直径2nm以上100nm以下の微
粒子を付着させたものであり、この試料上の微粒子付着
部位を前記手法で計測することにより得られるデータを
所定の方法で解析することにより探針の先端形状をnmレ
ベルの精度で正確に評価することができる。
【0007】以下、実施例に示した原子間力顕微鏡の場
合を例にとり詳細に説明する。原子間力顕微鏡の概略を
図1に示す。カンチレバー1を試料2に極めて近接させ
ると両者の間に原子間力が発生する。原子間力の大きさ
が一定になるように試料2を上下(z軸方向)させ、そ
の変位を測定する。試料2をx軸およびy軸(水平)方
向に走査させながら前記測定値を記録することにより試
料1の表面凹凸を評価する。この方法により本発明の試
料用の平滑基板を測定した例(x−z断面プロファイ
ル)を図2に示す。図2から明らかなように、この平滑
基板はnmオーダーで平滑である。本発明では、本発明の
試料に利用される平滑基板のマイクロラフネスについて
はその許容値が測定者の望む測定精度により異なるので
特に規定しない。
合を例にとり詳細に説明する。原子間力顕微鏡の概略を
図1に示す。カンチレバー1を試料2に極めて近接させ
ると両者の間に原子間力が発生する。原子間力の大きさ
が一定になるように試料2を上下(z軸方向)させ、そ
の変位を測定する。試料2をx軸およびy軸(水平)方
向に走査させながら前記測定値を記録することにより試
料1の表面凹凸を評価する。この方法により本発明の試
料用の平滑基板を測定した例(x−z断面プロファイ
ル)を図2に示す。図2から明らかなように、この平滑
基板はnmオーダーで平滑である。本発明では、本発明の
試料に利用される平滑基板のマイクロラフネスについて
はその許容値が測定者の望む測定精度により異なるので
特に規定しない。
【0008】本発明者らの経験に基づき、平滑基板に必
要なマイクロラフネスの許容値に関する一般的目安を示
せば、評価しようとする探針先端直径と本発明試料上の
付着微粒子直径との和をLとした場合、1辺がLの正方
形の領域内におけるz軸の値(基板表面の凹凸)の最大
値と最小値との差Mが測定しようとする付着微粒子直径
の30%以下、好ましくは10%以下であれば比較的精
度の良い結果が得られる。探針の先端直径が25nm、付
着微粒子の直径が15nmの場合、Lは40nmであり、M
は4.5nm以下、好ましくは1.5nm以下となる。図2
に示した基板の場合、Mの大きさは0.5nm以下であっ
た。本発明の請求項3において前記平滑基板が、へき開
した単結晶、鏡面研磨した単結晶、鏡面研磨したガラス
のいずれかからなるとしたのは、実施例の表1に示した
ように、これらの基板の場合にM値が0.5nm以下のも
のが容易に得られるからである。
要なマイクロラフネスの許容値に関する一般的目安を示
せば、評価しようとする探針先端直径と本発明試料上の
付着微粒子直径との和をLとした場合、1辺がLの正方
形の領域内におけるz軸の値(基板表面の凹凸)の最大
値と最小値との差Mが測定しようとする付着微粒子直径
の30%以下、好ましくは10%以下であれば比較的精
度の良い結果が得られる。探針の先端直径が25nm、付
着微粒子の直径が15nmの場合、Lは40nmであり、M
は4.5nm以下、好ましくは1.5nm以下となる。図2
に示した基板の場合、Mの大きさは0.5nm以下であっ
た。本発明の請求項3において前記平滑基板が、へき開
した単結晶、鏡面研磨した単結晶、鏡面研磨したガラス
のいずれかからなるとしたのは、実施例の表1に示した
ように、これらの基板の場合にM値が0.5nm以下のも
のが容易に得られるからである。
【0009】次に、直径13.2nmの多数の金コロイド
粒子を前記平滑基板上に付着させた試料(本発明の試料
の一例)を先と同様の方法および装置で測定した結果を
図3に示す。なお、図3のプロファイルは金コロイド粒
子の中心を通るx−z断面図である。このプロファイル
は真のプロファイルとは明らかに異なる。探針の先端が
ある形状を有するために必然的に異なるものである。な
お、通常、探針先端の形状は半球形で近似して良いとさ
れている。
粒子を前記平滑基板上に付着させた試料(本発明の試料
の一例)を先と同様の方法および装置で測定した結果を
図3に示す。なお、図3のプロファイルは金コロイド粒
子の中心を通るx−z断面図である。このプロファイル
は真のプロファイルとは明らかに異なる。探針の先端が
ある形状を有するために必然的に異なるものである。な
お、通常、探針先端の形状は半球形で近似して良いとさ
れている。
【0010】図4によりその理由を説明する。探針6先
端の半径をA、金コロイド粒子7の半径をBとし、Aが
Bと同じ大きさないしBより大きい場合、探針の軌跡1
0すなわち図3のプロファイルは水平線に接触する半径
Bの円または水平線に対し、半径Aの円を接触させなが
らx−z平面内で移動させた時に半径Aの円の中心が描
く軌跡9に等しく、図4の水平線上に示した線分aa′
の長さは2(4AB)0.5 で表される。したがって、平
滑な基板上にBが既知の微粒子を付着させた試料につい
て図3の測定を行ってaa′の長さを求めれば、Aが計
算により簡単に求められる。AがBに対しやや大きい時
には探針先端半球全体の形状を、Bが小さくなるにした
がい半球のより先端側の一部分を評価することになる。
測定精度には、平滑基板に付着させる微粒子のサイズ均
一性(直径の均一性)が大きく影響する。本発明の請求
項2において平滑基板に付着させる微粒子が、金、シリ
カ、ポリスチレンラテックスのいずれかからなるとした
のは、これらの微粒子の場合にサイズ均一性の優れたも
のが容易に得られるからである。
端の半径をA、金コロイド粒子7の半径をBとし、Aが
Bと同じ大きさないしBより大きい場合、探針の軌跡1
0すなわち図3のプロファイルは水平線に接触する半径
Bの円または水平線に対し、半径Aの円を接触させなが
らx−z平面内で移動させた時に半径Aの円の中心が描
く軌跡9に等しく、図4の水平線上に示した線分aa′
の長さは2(4AB)0.5 で表される。したがって、平
滑な基板上にBが既知の微粒子を付着させた試料につい
て図3の測定を行ってaa′の長さを求めれば、Aが計
算により簡単に求められる。AがBに対しやや大きい時
には探針先端半球全体の形状を、Bが小さくなるにした
がい半球のより先端側の一部分を評価することになる。
測定精度には、平滑基板に付着させる微粒子のサイズ均
一性(直径の均一性)が大きく影響する。本発明の請求
項2において平滑基板に付着させる微粒子が、金、シリ
カ、ポリスチレンラテックスのいずれかからなるとした
のは、これらの微粒子の場合にサイズ均一性の優れたも
のが容易に得られるからである。
【0011】本発明ではサイズ均一性について特に規定
しないが、微粒子直径の標準偏差は30%以下であるこ
とが好ましい。ただし、微粒子直径の標準偏差が大きい
場合でも、図3の測定を多数回行うことにより精度を向
上させることが可能である。なお、微粒子の直径は透過
型電子顕微鏡等の方法によりあらかじめ正確に知ること
ができる。
しないが、微粒子直径の標準偏差は30%以下であるこ
とが好ましい。ただし、微粒子直径の標準偏差が大きい
場合でも、図3の測定を多数回行うことにより精度を向
上させることが可能である。なお、微粒子の直径は透過
型電子顕微鏡等の方法によりあらかじめ正確に知ること
ができる。
【0012】AがBより小さい場合にも、前記の方法に
比較して解析は複雑になるが、図3のようなプロファイ
ルから針先の形状を求めることができる。解析が簡単な
例としてAがBよりずっと小さくて円錐形で近似できる
場合を考える。この場合には図5に示すように探針6の
コーン角θはθ1 とθ2 の和に等しく、プロファイルの
頂点と水平線との距離が付着粒子7の直径2Bに等しく
なる。ただし、コーン角については従来の走査型電子顕
微鏡法によっても評価可能なことが多い。
比較して解析は複雑になるが、図3のようなプロファイ
ルから針先の形状を求めることができる。解析が簡単な
例としてAがBよりずっと小さくて円錐形で近似できる
場合を考える。この場合には図5に示すように探針6の
コーン角θはθ1 とθ2 の和に等しく、プロファイルの
頂点と水平線との距離が付着粒子7の直径2Bに等しく
なる。ただし、コーン角については従来の走査型電子顕
微鏡法によっても評価可能なことが多い。
【0013】本発明の請求項1において、平滑基板上に
付着させる微粒子の直径を2nm以上100nm以下と限定
した理由は以下の通りである。前記直径が2nm未満の場
合、基板上での微粒子の凝集が激しくなり正しい測定が
困難となる。前記直径が100nm超では、探針の先端径
を評価するにしろコーン角を評価するにしろ評価すべき
探針先端のサイズが100nmのオーダーないしそれ以上
であるので、従来の走査型電子顕微鏡法でも評価可能と
なり、本発明の目的に合致しない。以上の理由により、
本発明の請求項1において、平滑基板上に付着させる微
粒子の直径を2nm以上100nm以下と限定した。本発明
の請求項2において平滑基板に付着させる微粒子が、
金、シリカ、ポリスチレンラテックスのいずれかからな
るとしたのは、これらの微粒子の場合にサイズ均一性の
優れたものが容易に得られるからである。また、本発明
の請求項3において平滑基板が、へき開した単結晶、鏡
面研磨した単結晶、鏡面研磨したガラスのいずれかから
なるとしたのは、これらの基板の場合に表面がnmオーダ
ーで平滑なものが容易に得られるからである。
付着させる微粒子の直径を2nm以上100nm以下と限定
した理由は以下の通りである。前記直径が2nm未満の場
合、基板上での微粒子の凝集が激しくなり正しい測定が
困難となる。前記直径が100nm超では、探針の先端径
を評価するにしろコーン角を評価するにしろ評価すべき
探針先端のサイズが100nmのオーダーないしそれ以上
であるので、従来の走査型電子顕微鏡法でも評価可能と
なり、本発明の目的に合致しない。以上の理由により、
本発明の請求項1において、平滑基板上に付着させる微
粒子の直径を2nm以上100nm以下と限定した。本発明
の請求項2において平滑基板に付着させる微粒子が、
金、シリカ、ポリスチレンラテックスのいずれかからな
るとしたのは、これらの微粒子の場合にサイズ均一性の
優れたものが容易に得られるからである。また、本発明
の請求項3において平滑基板が、へき開した単結晶、鏡
面研磨した単結晶、鏡面研磨したガラスのいずれかから
なるとしたのは、これらの基板の場合に表面がnmオーダ
ーで平滑なものが容易に得られるからである。
【0014】
【実施例】表面が平滑なサファイア単結晶基板上に平均
直径13.2nm(標準偏差率10%以下)の金コロイド
粒子を多数付着させて本発明の試料を作製し、その表面
凹凸を原子間力顕微鏡で調べた。基板自体の平滑性を図
2に示す。金のコロイド粒子が付着している部位の凹凸
の断面図(コロイド粒子の中心を通るx−z断面図)を
図3に示す。探針先端が直径17.0nmの半球形、金コ
ロイドが直径13.2nmのゆがみのない球形であるとし
た時に計算で求められる凹凸断面図は図3のプロファイ
ル(実測値)と非常に良く一致した。また、線分aa′
の長さも2(4AB)0.5 に等しかった。
直径13.2nm(標準偏差率10%以下)の金コロイド
粒子を多数付着させて本発明の試料を作製し、その表面
凹凸を原子間力顕微鏡で調べた。基板自体の平滑性を図
2に示す。金のコロイド粒子が付着している部位の凹凸
の断面図(コロイド粒子の中心を通るx−z断面図)を
図3に示す。探針先端が直径17.0nmの半球形、金コ
ロイドが直径13.2nmのゆがみのない球形であるとし
た時に計算で求められる凹凸断面図は図3のプロファイ
ル(実測値)と非常に良く一致した。また、線分aa′
の長さも2(4AB)0.5 に等しかった。
【0015】次に、基板の種類、付着させる微粒子の種
類やサイズを変えて探針の先端形状を調べた結果を表1
にまとめて示す。いずれの場合も探針が同じ場合にはほ
ぼ同一の先端径の大きさを与えており、本発明の試料に
より探針先端形状が精度良く評価できることがわかっ
た。
類やサイズを変えて探針の先端形状を調べた結果を表1
にまとめて示す。いずれの場合も探針が同じ場合にはほ
ぼ同一の先端径の大きさを与えており、本発明の試料に
より探針先端形状が精度良く評価できることがわかっ
た。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の試料によ
り探針先端の形状を高精度で計測・評価することができ
る。したがって、原子間力顕微鏡や走査型トンネル顕微
鏡等、探針の先端形状が測定値に影響する評価・観察技
術の分野において本発明が利用されれば、測定精度の正
確な把握が可能となり、ひいては測定精度の大幅向上に
つながる。
り探針先端の形状を高精度で計測・評価することができ
る。したがって、原子間力顕微鏡や走査型トンネル顕微
鏡等、探針の先端形状が測定値に影響する評価・観察技
術の分野において本発明が利用されれば、測定精度の正
確な把握が可能となり、ひいては測定精度の大幅向上に
つながる。
【図1】原子間力顕微鏡の概略図である。
【図2】本発明試料に供されたサファイア単結晶基板の
平滑性を示す、表面凹凸のx−z断面プロファイルであ
る。
平滑性を示す、表面凹凸のx−z断面プロファイルであ
る。
【図3】本発明試料の微粒子付着部位における表面凹凸
のx−z断面プロファイルである。
のx−z断面プロファイルである。
【図4】平滑基板上の球形粒子が付着している部位を先
端が半球形の探針が移動する場合に探針の先端または先
端半球の中心が示す軌跡のx−z断面プロファイルを示
したもので、前記プロファイルから探針先端径を算出す
る方法に関する説明図である。
端が半球形の探針が移動する場合に探針の先端または先
端半球の中心が示す軌跡のx−z断面プロファイルを示
したもので、前記プロファイルから探針先端径を算出す
る方法に関する説明図である。
【図5】図4に類似の説明図であるが、付着粒子のサイ
ズが探針先端サイズよりずっと大きい場合である。
ズが探針先端サイズよりずっと大きい場合である。
1 カンチレバー 2 試料 3 レーザー(光源) 4 レーザー光 5 受光器 6 探針先端部 7 付着粒子 8 基板 9 探針先端半球の中心の軌跡 10 探針最先端(下端)の軌跡 a,a′ 探針が微粒子に接触すると同時に基板にも接
触している状態の時の測定値 A 探針先端の半径 B 付着粒子の半径 θ 探針のコーン角
触している状態の時の測定値 A 探針先端の半径 B 付着粒子の半径 θ 探針のコーン角
Claims (3)
- 【請求項1】 直径が2nm以上100nm以下である微粒
子を平滑基板上に付着させたことを特徴とする探針先端
形状評価用試料。 - 【請求項2】 微粒子が金、シリカ、ポリスチレンラテ
ックスのいずれかからなることを特徴とする請求項1に
記載の探針先端形状評価用試料。 - 【請求項3】 平滑基板がへき開した単結晶、鏡面研磨
した単結晶、鏡面研磨したガラスのいずれかからなるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の探針先端形状
評価用試料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13611394A JPH085641A (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 探針先端形状評価用試料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13611394A JPH085641A (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 探針先端形状評価用試料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH085641A true JPH085641A (ja) | 1996-01-12 |
Family
ID=15167606
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13611394A Pending JPH085641A (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 探針先端形状評価用試料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH085641A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5576052A (en) * | 1978-12-06 | 1980-06-07 | Fujikura Ltd | Hot dipping method for wire rod |
JPH08220108A (ja) * | 1995-02-16 | 1996-08-30 | Natl Res Inst For Metals | Spm画像用の探針形状の決定方法と、これを用いた画 像補正法 |
JP2004191298A (ja) * | 2002-12-13 | 2004-07-08 | Konica Minolta Holdings Inc | 着色微粒子の形状測定方法と着色微粒子分散体、それを用いた水性インク及び画像形成方法 |
-
1994
- 1994-06-17 JP JP13611394A patent/JPH085641A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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