JPH0855106A - 複合正弦波形を用いた波形データ予測方式 - Google Patents

複合正弦波形を用いた波形データ予測方式

Info

Publication number
JPH0855106A
JPH0855106A JP21533592A JP21533592A JPH0855106A JP H0855106 A JPH0855106 A JP H0855106A JP 21533592 A JP21533592 A JP 21533592A JP 21533592 A JP21533592 A JP 21533592A JP H0855106 A JPH0855106 A JP H0855106A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveform
sine
amplitude
residual
predetermined
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21533592A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayoshi Hirata
能睦 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP21533592A priority Critical patent/JPH0855106A/ja
Publication of JPH0855106A publication Critical patent/JPH0855106A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Complex Calculations (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目 的】与えられた時間変動波形データから、将来の
波形を実際的な要求にかなう範囲で、論理的な手法によ
って予測する方法を提供すること。 【構 成】与えられた波形データに所定周期、一定振幅
の正弦波形と余弦波形をそれぞれ掛けて所定区間にわた
って積分(離散的な値については加算)を行ない、得ら
れた2つの値から波形データに含まれる前記所定周期の
正弦波形成分の振幅と位相を求める。所定周期の変化に
応じて変わる上記振幅の内から、その極大となるものを
求め、これら極大となる周期の正弦波形成分を選択し、
これを合成して複合正弦波形と成し、前記波形データの
最終端以後の波形をこの複合正弦波形によって与える。
これらの手順はコンピュータを用いて行なうことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】コンピュータを用いた情報処理産
業、計測制御の分野。
【0002】
【従来の技術】与えられた波形あるいは現時点までの波
形から、更に時間を経過した時点での波形を予測する方
法の一つは、主観に依る予測である。しかし、この方法
は個人差を伴うものであり、客観性と論理性に欠くこと
は否めない。一方、客観的また論理的な波形予測とし
て、数学的手法を用いる方法がある。例えば、既知波形
上のn点に合致する(n−1)次式を求め、この外挿点
により波形の予測を行なう多項式を用いる予測法があ
る。しかし、この方法は変化のなだらかな場合に予測精
度はよいが、山谷が生じる波形に対しては誤差がかなり
大きなものとなって、変動の多い波形の予測には適さな
い。予測のもう一つの方法は、株価や為替レートや物価
その他の経済変動に関して行われている方法である。そ
こでは一般に変動を表わす時系列(波形データ)を長期
傾向変動(trend)、季節変動(seasonal
ity)、循環変動(circulars)、そして不
規則変動(irregular)の4つの型に分解し、
不規則変動を除いた3つの型に対して、それぞれに適合
すると思われる関数の曲線を当てはめていくものであ
る。長期傾向変動では最小2乗直線(回帰直線)、ロジ
スチック(logistic)曲線、指数曲線などが用
いられ、どの曲線(直線)を用いるかは人間が判断して
いる。季節変動および循環変動では3角関数が用いられ
ているが、その周期は時系列を直接観察したり、時系列
を移動平均して得られる波形を観察したり、あるいは時
系列の自己相関関数(自己相関係数列)を見て求めてい
る。こうして時系列を分解し、分析して得られた関数を
合成し、それを将来へ延長すれば予測値が得られるので
あるが、時系列の分解そして合成においても、それが乗
法型か加法型かを判断することが求められ、予測の対象
となる時系列ごとに、試行錯誤的にその型を決めている
のが現状である。更に、この予測方法においては、上記
4つの型の最後の型、すなわち不規則変動はこれを予測
の対象外とするために、独立した多数の周期波形の和で
表わされるような時系列に対しては予測不可能となる。
上記のように、論理的かつ客観的な手法で変動波形の将
来を実際的な要求にかなう範囲で予測する方法が見い出
されていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】論理的かつ客観的な手
法で変動波形の将来を、実際的な要求にかなう範囲で予
測する方法を提供すること。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、ある値の時間変化を表わす波形データ
に、所定周期の一定振幅正弦波形および一定振幅余弦波
形をそれぞれ掛けて所定区間にわたって加算して得られ
る2つの値を少なくとも用いて、前記波形データの前記
所定区間に含まれている前記所定周期の正弦波形の振幅
および位相を求め、前記所定周期の値を変えて得られる
前記振幅が最大あるいは極大となるところの周期と振幅
および位相を持った第1の正弦波形を求め、前記波形デ
ータから前記第1の正弦波形を除いて第1の残差波形を
求め、前記第1の残差波形に所定周期の一定振幅正弦波
形および一定振幅余弦波形をそれぞれ掛けて所定区間に
わたって加算して得られる2つの値を少なくとも用い
て、前記第1の残差波形の前記所定区間に含まれている
前記所定周期の正弦波形の振幅および位相を求め、前記
所定周期の値を変えて得られる前記振幅が最大あるいは
極大となるところの周期と振幅および位相を持った第2
の正弦波形を求め、前記第1の残差波形から前記第2の
正弦波形を除いて第2の残差波形を求め、以下同様にし
て、一般にnを1より大きい整数とすると、第nの残差
波形から第(n+1)の正弦波形を除いて第(n+1)
の残差波形を求め、前記第(n+1)の残差波形に所定
周期の一定振幅正弦波形および一定振幅余弦波形をそれ
ぞれ掛けて所定区間にわたって加算して得られる2つの
値を少なくとも用いて、前記第(n+1)の残差波形の
前記所定区間に含まれている前記所定周期の正弦波形の
振幅および位相を求め、前記所定周期の値を変えて得ら
れる前記振幅が最大あるいは極大となるところの周期と
振幅および位相を持った第(n+2)の正弦波形を求
め、前記第(n+1)の残差波形から前記第(n+2)
の正弦波形を除いた第(n+2)の残差波形が所定区間
において収束するとき、あるいは所定区間において収束
したとみなされるとき、前記第1ないし第(n+2)の
正弦波形の和で与えられる複合正弦波形を求め、前記あ
る値の時間変化を表す波形データの前記所定区間以後の
予測値を前記複合正弦波形を少なくとも用いて与えるこ
とを特徴とする複合正弦波形を用いた波形データ予測方
式をその手段とするもので、更に詳しく述べるならば、
前記波形データは、原波形データから直流成分もしくは
直線成分もしくは周期波形の一部を成す波形成分を除い
たもの、あるいは原波形データから直流成分および直線
成分と周期波形の一部を成す波形成分の加算平均で与え
られる波形を除いたものである予測方式を手段とするも
のである。
【0005】
【作用】以下、本発明の作用を数式を用いて説明する。 形S(m)および一定振幅余弦波形C(m)、すなわち
【数1】 をそれぞれ掛けて所定区間、たとえばm=M−Lからm
=Mまで積分した値をそれぞれれA(T)およびB
(T)とすれば、
【数2】 で与えられる。ここで積分は離散的な数値系列で示され
るW(m),S(m),C(m)の積について、和(サ
ムメーション)の形で表わされている。W(m)を振幅
V、周期T、位相Pをもった正弦波形として、L=nT
(n=1,2,3,…)とすれば、A(T)およびB
(T)はそれぞれ、
【数3】 となる。従ってW(m)がこのような正弦波形ならば
(数3)により振幅Vと位相Pが2つの値A(T)およ
びB(T)で与えられることになる。すなわち
【数4】 次に、上記W(m)に所定周期(T+d)、振幅1の一
定振幅正弦波形および一定振幅余弦波形を掛けて、m=
M−nTからm=Mまで積分した値をそれぞれA(T+
d)およびB(T+d)とすると、dの絶対値がTより
十分小さい場合、近似式を用いて
【数5】 と表わされる。従って振幅V(d)は
【数6】 と表わされる。ただし、Eは積分の計算に第1平均値定
理を用いたときに使用した値で、0<E<1である。こ
れより、掛け合わせる正弦波形の周期と波形データに含
まれる正弦波形の周期が一致したとき(d=0)、振幅
は極大となることがわかる。従って、Tを変化させて前
記振幅を求め、その値が極大となるときの周期および位
相を求めれば、波形データW(m)に含まれている正弦
波形を確定することができる。W(m)から確定した正
弦波形を除いた残差波形についても同様にして分析を行
ない、新たな正弦波形を求めるという作業をくり返し、
このようにして確定(分析)された正弦波形を加え合わ
せれば、複合正弦波形D(m)が得られ、分析され合成
された正弦波形の数が十分であれば、少なくとも所定区
間の一部で、W(m)はD(m)で近似できることにな
る。この近似が十分でないと見なされた場合は、W
(m)からD(m)を差し引いた残差波形に関してW
(m)に施した場合と同じような分析を行なって、更に
複合正弦波形を求め、これを最初の複合正弦波形に加え
合わせれば、この加算された複合正弦波形は最初の複合
正弦波形よりも更によいW(m)の近似波形になる。と
ころで複合正弦波形D(m)が所定区間において波形デ
ータW(m)に十分近似したものになるかどうかは、波
形データ固有の特性に依存する。すなわちW(m)がラ
ンダム(規則性無し、あるいは予測不可能)に近づくほ
ど、D(m)で近似できる区間が短くなる。そこで所定
区間(m=Jからm=M)において、D(m)がW
(m)に最も近くなったものとみなされるときを決定す
るために、残差波形の収束を調べる。W(m)から第1
ないし第nの正弦波形を除いた第nの残差波形と、更に
第(n+1)の正弦波形を除いた第(n+1)の残差波
形について、その平均的な振幅を比較して収束を見る。
第nおよび第(n+1)の残差波形の絶対値をそれぞれ
所定区間m=Jからm=Mまで積分(加算)した値をI
(n)およびI(n+1)とする。一般には、n=1,
2,3,…となるに従ってI(n)は小さくなるが、
【数7】 となったとき、そのnが収束点になる。すなわち第nの
正弦波形を除いた残差波形から、更に分析した得た第
(n+1)の正弦波形を除いた場合、その残差波形の振
幅は増加し、W(m)に対する複合正弦波形D(m)の
近似は所定区間において劣下することになる。従って
(数7)で示されるnまでの正弦波形の和でD(m)を
与えるならば、D(m)は所定区間(m=Jからm=
M)においてW(m)に最も近いものとみなすことがで
きる。W(m)から直流成分を除去した波形データに対
して上記分析がなされた場合は、上記複合正弦波形にそ
の直流成分を加えたものがW(m)の近似波形となる。
また、W(m)から直線成分を除去した波形データに対
して上記分析がなされた場合は、上記複合正弦波形にそ
の直線成分を加えたものがW(m)の近似波形となる。
更に、W(m)から、直流成分、直線成分あるいは波形
成分等を除いた波形データに対して上記分析がなされた
場合は、上記複合正弦波形にそれら成分を加えたものが
W(m)の近似波形となる。波形データW(m)は、m
に関して1からMまでしか与えられておらず、m>Mに
おける値を直接的にW(m)から与えることはできな
い。それで本発明の予測法ではD(m)をW(m)の最
終端近傍を含む区間の近似式とし、D(m)のm>Mに
おける値をもってW(m)の予測値とするものである。
なお、波形データW(m)の直流成分Bは
【数8】 で与えられ、直線成分F(m)は
【数9】 で与えられる。また、波形成分は波形データの長さより
長い周期を持った正弦波形で与えられ、通常正弦波形の
一部分が波形データのうねりに適合するものとなるが、
このような波形成分と直線成分を加算平均して得た波形
を波形成分として用いてもよい。上記のようにしてW
(m)から例えば直線成分F(m)を除去し、m=Mを
含む区間からW(m)の正弦波形成分として振幅、周
期、位相がそれぞれV,V,…,VとT
,…,TとP,P,…,Pなる値で求めら
れたとすれば、直線成分と複合正弦波形の和は、
【数10】 で与えられる。従って、このD(m)を用いてm>Mの
値を計算して求めれば、その値はW(m)のm>Mにお
ける予測値となる。
【0006】
【実施例】500個の数値系列からなる波形データW
(m)について、m>500の値を予測する実施例。 (1) 所定区間を所定周期の1周期分、m=500−
Tからm=500までとした場合。T=500に対して
A(500)はW(0)=0とし、W(1)S(1),
W(2)S(2),…,W(500)S(500)の和
で与えられ、B(500)はW(1)C(1),W
(2)C(2),…,W(500)C(500)の和で
与えられる。このときの振幅と位相は(数4)でn=
1,T=500として与えられる。同様にして、T=4
99に対してA(499)がW(m)S(m)の積和
で、B(499)がW(m)C(m)の積和で与えら
れ、(数4)でn=1,T=499として振幅と位相が
与えられる。以下同様である。ただし各周期Tにおける
S(m),C(m)は(数1)においてそのTの値を代
入して求める。振幅Vが極大となる周期は、ある周期に
おける振幅がその前後の周期の振幅よりも大きくなるも
のを選択することによって求められるが、次のようにす
ることもできる。所定周期Tを500から1までとした
場合これらを分割して例えば第1の周期帯域をT=50
0から400、第2の周期帯域をT=401から30
0、第3の周期帯域をT=301から200、第4の周
期帯域をT=201から100、第5の周期帯域をT=
101から1として、各周期帯域毎に振幅Vが最大とな
る周期を求め、その中から各帯域において帯域の端に当
たるものを除けばよい。 (2) 所定区間を所定周期の2周期分、m=500−
2Tからm=500までとした場合。T=250に対し
てA(250)はW(0)=0として、W(1)S
(1),W(2)S(2),…,W(500)S(50
0)の和で与えられ、B(250)はW(1)C
(1),W(2)C(2),…,W(500)C(50
0)の和で与えられる。振幅と位相は(数4)で、n=
2,T=250として与えられる。同様にしてT=24
9に対してA(249)がm=2から500までのW
(m)S(m)の積和で、B(249)が同じくW
(m)C(m)の積和で与えられ、振幅と位相は(数
4)でn=2,T=249として与えられる。以下同様
である。ただし各周期TにおけるS(m),C(m)は
(数1)においてそのTの値を代入して求める。振幅の
極大となる周期の求め方は上記(1)で説明された方法
を用いることができる。 (3) 所定区間を所定周期の3周期分、m=500−
3Tからm=500までとした場合。T=166に対し
てA(166)はW(2)S(2),W(3)S
(3),…,W(500)S(500)の和で与えら
れ、B(166)はW(2)C(2),W(3)C
(3),…,W(500)C(500)の和で与えられ
る。振幅と位相は(数4)で、n=3,T=166とし
て与えられる。同様にしてT=165に対してA(16
5)がm=5から500までのW(m)S(m)の積和
で、B(165)が同じくW(m)C(m)の積和で与
えられ、振幅と位相は(数4)でn=3,T=165と
して与えられる。以下同様である。ただし各周期Tにお
けるS(m),C(m)は(数1)においてそのTの値
を代入して求める。振幅の極大となる周期の求め方は上
記(1)で説明された方法を用いることができる。振幅
が極大となる正弦波形を除いて残差波形を求めるごと
に、収束状態を判断するために残差波形の絶対値を所定
区間にわたって積分(加算)し、(数7)を用いて収束
点を求めるが、前述のように帯域を分割して行なう場
合、実施例(1)について述べるならば、積分(加算)
の区間は第1の周期帯域ではm=1から500まで、第
2の周期帯域ではm=100から500まで、第3の周
期帯域ではm=200から500まで、第4の周期帯域
ではm=300から500まで、第5の周期帯域ではm
=400から500までとなる。実施例(2)について
述べるならば、第1から第3の周期帯域は実施例(1)
と同じで、第4の周期帯域ではm=100から500ま
で、第5の周期帯域ではm=300から500までとな
る。同様に実施例(3)の場合、第5の周期帯域ではm
=200から500までとなり、他の周期帯域は実施例
(1)に準ずる。複合正弦波形は、求められた極大周期
とその振幅および位相で定まる正弦波形の和で与えられ
るので、上記(1)ないし(3)のいずれの方法を用い
ても、複合正弦波形を得ることができるが、例えば上記
(1)ないし(3)の各々の方法で複合正弦波形を求め
たとすると、これら複合正弦波形を構成する正弦波形の
同じ周波数成分で同じ位相の振幅は、それらの算術平均
で与えることもできる。また、上記の1つの方法で得ら
れた複合正弦波形を、波形データW(m)から差し引い
て残差波形を求め、上記のもう1つの方法でその残差波
形に対する複合正弦波形を求め、これら複合正弦波形を
加え合わせた波形を予測に用いることもできる。図1
は、実線で示された波形データに本予測法を適用して得
られた複合正弦波形(予測波形)を、点線で示したもの
である。
【0007】
【発明の効果】ラグランジュ内挿法をディジタルオーデ
ィオ信号の誤り補正に用いる場合の補正誤差は、電子通
信学会研究会資料(EA77−58)に示されており、
一般に周波数が大きい信号になるほど誤差が増大する
が、これを予測へ拡張した場合には更に誤差が大きくな
る。予測特性は任意周波数正弦波に対して、ある時点以
後の値をそれ以前の値から求めたところの予測値と真値
との差の特性として表されるが、本発明に基づく予測法
の場合、各正弦波ごとに、位相と周期および振幅を一致
させることができるので、その予測特性は原理的に周期
信号に対して誤差がない。従って、波形データが周期的
波形から成っている場合、本発明の効果は特に顕著であ
る。本発明は、これまで説明してきたように波形の分析
と合成をその手段としているが、従来から知られている
波形分析の手法との違いを以下説明する。波形分析に関
する数学的手法はフーリエによって西暦1801年に明
らかにされており、一般的な波形(周期的でない波形を
含む)はフーリエ積分によって、その周波数成分が求め
られる。この手法を前記波形データW(m)に適用する
と、波形データの与えられていない部分の値は0として
計算されるために、分析(解析)結果から波形を合成す
ると、m>Mの値は0もしくは0に漸近し、従って予測
にはならない。コンピュータを用いた波形分析として知
られているFFT(高速フーリエ変換)の場合は、分析
の対象とする波形を、その与えられた波形の長さを1周
期とする周期的波形と見なして、フーリエ積分の特殊な
場合、すなわちフーリエ級数で表される波形に置き換え
るために、分析結果から逆変換によって波形を合成する
と、m>Mの波形は与えられた波形W(m)の再現波形
となり、これも予測にはならない。図2は、図1の波形
データにFFTを適用してm>Mの波形を与えたとした
場合の予測波形の概略を示したものである。この場合、
予測波形は波形データの最初の部分からのくり返し波形
になる。波形データW(m)が概周期関数(almos
t periodic function)である場
合、すなわちW(m)が互いに独立な周期を持つ有限個
の周期関数の和で表わされる場合、一般にW(m)は周
期関数にはならず複雑な波形となるが、少なくともW
(m)が含んでいる最大周期波形の周期長相当の波形デ
ータがあれば、本発明による方法でD(m)をW(m)
に収束させることができる。この場合m>MにおけるW
(m)の値をD(m)によって正確に与えることが可能
である。これはその効果において本発明と従来法との違
いを最も端的に示すものである。波形データW(m)が
概周期関数でない場合は、一般に波形データの分析に用
いる所定区間を変えると複合正弦波形D(m)も変化す
ることになる。そこで所定区間を変えて分析を行ない、
複数の複合正弦波形を得て、これらの加重平均によって
予測波形を与えてもよい。このようにした場合、予測波
形を構成するところの各正弦波形は複数の複合正弦波形
を構成するところの正弦波形の合成となるために、定常
的な成分は強められ、そうでない成分は弱められ、結果
として予測波形の信頼度が増加するという効果がある。
なお、本予測法における波形データの処理はコンピュー
タを用いて行なうことができるものであり、その手順は
実施例に示されている。本発明による予測法の対象とな
る波形データの具体例を以下に示す。 1.自然界において観測される物理的変動量 (例)気温、雨量、水位、太陽活動 2.人間社会における諸活動に関する変動量 (例)エネルギー消費、株価、為替レート また、本発明による予測方式を原子力発電所や石油コン
ビナート等における時定数の大きな計測制御に用いるな
らば、問題を早期に予測して制御を行なうことが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】波形データ(実線)と本予測法によって得られ
た複合正弦波形(点線)。
【図2】波形データ(実線)とFFTを適用した場合に
得られる予測波形(点線)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ある値の時間変化を表わす波形データに、
    所定周期の一定振幅正弦波形および一定振幅余弦波形を
    それぞれ掛けて所定区間にわたって加算して得られる2
    つの値を少なくとも用いて、前記波形データの前記所定
    区間に含まれている前記所定周期の正弦波形の振幅およ
    び位相を求め、前記所定周期の値を変えて得られる前記
    振幅が最大あるいは極大となるところの周期と振幅およ
    び位相を持った第1の正弦波形を求め、前記波形データ
    から前記第1の正弦波形を除いて第1の残差波形を求
    め、前記第1の残差波形に所定周期の一定振幅正弦波形
    および一定振幅余弦波形をそれぞれ掛けて所定区間にわ
    たって加算して得られる2つの値を少なくとも用いて、
    前記第1の残差波形の前記所定区間に含まれている前記
    所定周期の正弦波形の振幅および位相を求め、前記所定
    周期の値を変えて得られる前記振幅が最大あるいは極大
    となるところの周期と振幅および位相を持った第2の正
    弦波形を求め、前記第1の残差波形から前記第2の正弦
    波形を除いて第2の残差波形を求め、以下同様にして、
    一般にnを1より大きい整数とすると、第nの残差波形
    から第(n+1)の正弦波形を除いて第(n+1)の残
    差波形を求め、前記第(n+1)の残差波形に所定周期
    の一定振幅正弦波形および一定振幅余弦波形をそれぞれ
    掛けて所定区間にわたって加算して得られる2つの値を
    少なくとも用いて、前記第(n+1)の残差波形の前記
    所定区間に含まれている前記所定周期の正弦波形の振幅
    および位相を求め、前記所定周期の値を変えて得られる
    前記振幅が最大あるいは極大となるところの周期と振幅
    および位相を持った第(n+2)の正弦波形を求め、前
    記第(n+1)の残差波形から前記第(n+2)の正弦
    波形を除いた第(n+2)の残差波形が所定区間におい
    て収束するとき、あるいは所定区間において収束したと
    みなされるとき、前記第1ないし第(n+2)の正弦波
    形の和で与えられる複合正弦波形を求め、前記ある値の
    時間変化を表す波形データの前記所定区間以後の予測値
    を前記複合正弦波形を少なくとも用いて与えることを特
    徴とする複合正弦波形を用いた波形データ予測方式。
  2. 【請求項2】前記波形データは、原波形データから直流
    成分もしくは直線成分もしくは周期波形の一部を成す波
    形成分を除いたもの、あるいは原波形データから直流成
    分および直線成分と周期波形の一部を成す波形成分の加
    算平均で与えられる波形を除いたものである特許請求の
    範囲請求項1記載の複合正弦波形を用いた波形データ予
    測方式。
JP21533592A 1992-07-06 1992-07-06 複合正弦波形を用いた波形データ予測方式 Pending JPH0855106A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21533592A JPH0855106A (ja) 1992-07-06 1992-07-06 複合正弦波形を用いた波形データ予測方式

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21533592A JPH0855106A (ja) 1992-07-06 1992-07-06 複合正弦波形を用いた波形データ予測方式

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0855106A true JPH0855106A (ja) 1996-02-27

Family

ID=16670596

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21533592A Pending JPH0855106A (ja) 1992-07-06 1992-07-06 複合正弦波形を用いた波形データ予測方式

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0855106A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015523639A (ja) * 2012-05-23 2015-08-13 ビージーシー パートナーズ インコーポレイテッド 注文マッチングのための方法およびシステム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015523639A (ja) * 2012-05-23 2015-08-13 ビージーシー パートナーズ インコーポレイテッド 注文マッチングのための方法およびシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Xie et al. A hybrid adaptive time-delay neural network model for multi-step-ahead prediction of sunspot activity
Horvatic et al. Detrended cross-correlation analysis for non-stationary time series with periodic trends
US5493516A (en) Dynamical system analyzer
Sfetsos A novel approach for the forecasting of mean hourly wind speed time series
US5828983A (en) Method and apparatus for processing a sampled waveform
Söderström et al. Performance evaluation of methods for identifying continuous-time autoregressive processes
Ahmed et al. Handling imprecision and uncertainty in software development effort prediction: A type-2 fuzzy logic based framework
Chen et al. Analysing and forecasting China containerized freight index with a hybrid decomposition–ensemble method based on EMD, grey wave and ARMA
Krasheninnikov et al. Modelling and forecasting of quasi-periodic processes in technical objects based on cylindrical image models
Yan et al. Forecasting uranium resource price prediction by extreme learning machine with empirical mode decomposition and phase space reconstruction
JPH0855106A (ja) 複合正弦波形を用いた波形データ予測方式
Fung et al. Using ARMA models to forecast workpiece roundness error in a turning operation
Huang et al. Forecasting container throughputs with domain knowledge
Safari et al. Analysis of empirical mode decomposition-based load and renewable time series forecasting
Beckman et al. Continuous lags and the stability of market equilibrium
Teodorescu Coordinate Fuzzy Transforms and Fuzzy Tent Maps–Properties and Applications
Yang Economic statistical design of S control charts using Taguchi loss function
Feijoó et al. Methods for quarterly disaggregation without indicators; a comparative study using simulation
Desikan et al. Time series analysis and forecasting methods for temporal mining of interlinked documents
Jere et al. Univariate Time-Series analysis of second-hand car importation in Zambia
Heath et al. Detecting nonlinearity in psychological data: Techniques and applications
Yahya et al. A genetic algorithm-based Grey model combined with Fourier series for forecasting tourism arrivals in Langkawi Island Malaysia
Singh et al. Bidirectional filtering approach for the improved protein coding region identification in eukaryotes
Khan et al. Signal reconstruction using evolvable recurrent neural networks
Abd Hamid et al. Extended cubic B-spline interpolation method applied to linear two-point boundary value problems