JPH08512242A - 成型されたエンドキャップを有するフィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 フィルタエレメントは、一対の両端部を有し、円周上に延在する濾過媒体（４８）を含む。エンドキャップ組立体（５８）は濾過媒体（４８）の端部を閉塞し、円周上に延在するトラフ（６８）を構成する環状の杯形部材（６０）からなる。円周上に延在するシーラント（７０）の帯はトラフ（６８）に施される。媒体（４８）と媒体（４８）の内径を支持する中央管は、トラフ（６８）中のシーラント（７０）に取付けられている。シーラント（７０）はプラスチゾルまたは光反応型重合体のいずれでもよい。エンドキャップ（５８）は紫外線を透過するように作られるので、紫外線をエンドキャップを通過させることによって光反応型重合体を硬化させ、そして上記エンドキャップ（５８）は、繊維を不規則に分布させた不織布配列と接着樹脂とから作られる。

Description

【発明の詳細な説明】 成型されたエンドキャップを有するフィルタ 本発明は、内燃機関の潤滑油を濾過するための液体フィルタに関するものであ るが、燃料フィルタや内燃機関の燃焼空気を濾過するために使用される他のタイ プのフィルタにも同様に適用できる。 内燃機関の潤滑油を濾過するための液体フィルタは、金属製のハウジングと、 このハウジングに内設されたフィルタエレメントとから成る。フィルタエレメン トは一般に、円周上に延在しているひだのついた濾過紙の円筒状の配列から成る 。フィルタエレメントの両端部は、紙か金属製のエンドキャップのいずれかに施 された商業的にプラスチゾルとして一般的に知られているシーラントによってシ ールされている。これらフィルタエレメントの製造には目下、多くの手作業を必 要とする。一般に、プラスチゾルシーラントがエンドキャップの一方に施され、 それから作業者がひだのついたフィルタペーパーの配列をまとめ、そしてそれを プラスチゾル中に取り付ける。半組立品はそれから手で反転され、同様の工程を 繰り返して反対側のエンドキャップをひだのついたフィルタペーパーの配列の反 対側の端部にあてがう。それからプラスチゾルは熱硬化されなければならない。 より最近では、生産ラインのスピード化を図るために、紫外線硬化型のシーラン トを使用することが米国特許第５，０２８，３３０号で提案されている。紫外線 硬化型の材料は廉価な先行技術であるプラスチゾル化合物に較べて相対的に高価 である。それゆえ、そのような高価な化合物の使用を最少とするのが望ましい。 本発明は、シーラント化合物を施すトラフを形成する、輪郭に合わせて成型され たエンドキャップを使用する。トラフは化合物を含み、それによって、必要とさ れる化合物の総量を最少とし、そしてまたエンドキャップそれ自体が金型の役割 を果たすように、先行技術の装置内で紫外線硬化化合物を成型するために要求さ れる金型を置換する。エンドキャップは、本発明によれば、先行技術であるプラ スチゾル化合物と一緒に用いてもよい。さらに、プラスチゾルの総量は最少とな る。 本発明の上記のそして他の利点は添付図面に関する以下の記載から明らかにな るであろう。 図１は先行技術の教示に従って作られた液体フィルタを組み込んだオイルフィ ルタ組立品の断面図であり； 図２は図１の液体フィルタに使用されるフィルタエレメントの、部分的に断面 図である図であり、その部品はフィルタエレメントの端部がエンドキャップに押 し付けられる直前の相対的な位置関係で示されており； 図３は図２に類似しているが、完成したフィルタエレメント組立体を示してお り；そして、 図４は図２から図３において示されたフィルタエレメントに使用されるエンド キャップの透視図である。 図面を参照して、従来の回転型エンジンの潤滑油フィルタが、図１の１０に示 される。フィルタ１０は、数字１４によって概略的に示されるフィルタエレメン トを内装するための空洞を内部に形成する金属製の缶形状のハウジングを含む。 メタルハウジング１２の開口端部はタッピングプレート１６で閉じられている。 タッピングプレート１６はねじ山を設けた出口開口部１８を有し、該出口開口部 １８は車のエンジンの取付面の取付け用スタッド（図示せず）に螺合するように なっている。タッピングプレート１６はさらに円周方向において間隔を置いた入 口開口部２０を有し、該入口開口部２０はハウジング１２と従来からの円筒状配 列のひだ付きのフィルタペーパー２４の外端部との間で画成される入口チャンバ ー２２への潤滑油の流入を可能にする。ひだ付きペーパーの配列２４の内側への 潰れは、配列２４を包含するひだの内端部に接する金属製で孔あきの中央管２６ によって阻止される。中央管２６は略円筒形状で、出口開口部１８に連通する出 口チャンバーを形成する。中央管の貫通孔は２８に示される。エンジンが停止し た時に潤滑油が入口開口部２０を逆流して空間２２から排出してしまうことを防 止する逆排出防止弁３０と、概略的に数字３２によって示されてエレメント１４ にかかる圧力が過大レベルに達したときに潤滑油をフィルタエレメント１４の周 囲に迂回させることを可能にするバイパス弁とがさらに備わっている。 配列２４の下端（図１に図示する）は、数字３４によって概略的に示されてほ ぼ平たい環状のエンドキャップ３６に支持された円周方向に延在するプラスチゾ ルの帯によってシールされている。エンドキャップ３６の外周は、ハウジング１ ２の壁に係合してハウジング１２の内部でフィルタエレメント１４を適切に方向 決めする。配列２４の上端は、上部エンドキャップ４０に施された数字３８で概 略的に示されるプラスチゾルでシールされ、該上部エンドキャップ４０は、下部 エンドキャップ３６と同様に環状で、ほぼ平たく、中央管から配列２４の頂上部 を横切って放射方向外向きに延在したペーパーである。中央管２６の頂上部は、 ハウジング１２の端部に係合する板ばね４４を組み入れた従来からの設計の中央 管キャップ４２によって密閉され、それによって、フィルタエレメントを図にお ける下方へ荷重している。 図２ないし図４を参照して、フィルタエレメント４６は本発明によって作られ 、図１のフィルタエレメント１４と置換する。フィルタエレメント１４と同様の フィルタエレメント４６は４８にて概略的に示されて、円周上に延在する放射状 に先細りのひだの円筒状配列から構成される。ひだの各々は外側の先端５０から これに対応する内側の先端５２まで放射状に先細形である。金属チューブ５４は 、５６で示す貫通孔を有し、内側の先端５２のあたりの円周上に存在し、配列４ ８の内方向への潰れを阻止する。 配列４８の両端部は数字５８で示されるエンドキャップ組立体によって密閉さ れている。エンドキャップ組立体５８は、数字６０で概略的に示される弾力性は あるが実質的には堅い環状の杯形の部材６０から構成されている。杯形の部材６ ０は中央管５２と共軸の開口部６２に接する。杯形の部材６０は、円周上に延在 し軸線方向に突出した外側の縁６４と、円周上に延在し軸線方向に先細りとなっ た内側の縁６６との間に延在する。縁６４と縁６６とが互いに協働してそれらの 間に円周上に形成されるトラフ６８を構成する。数字７０で概略的に示される円 周上に延在するシーラントの帯はトラフ６８に施される。シーラント材７０は前 述したように、従来からのプラスチゾル化合物でもよいし、同様に前述したよう に、紫外線の照射によって硬化する重合体材料でもよい。紫外線化合物は数個の 供給源から商業的に入手することができ、チバ−ガイギー（Ｃｉｂａ−Ｇｅｉｇ ｙ）の化合物ＸＭＨ−８７４４かもしれない。この化合物はほぼ透明で、紫外 光に露光されると２〜３秒の時間で硬化する。 トラフ６８は配列４８の幅を完全に受入れかつ中央管を受入れるにも十分な幅 を有しているので、シール化合物７０はひだの端部をシールするとともに、ひだ の端部やエンドキャップ５８の組立体に当接した中央管をシールする。同様に注 意すべき点として、杯形の部材６６は軸線方向において、開口部６２から外側の 縁６４に向かって図２における角度Ａの先細形を有する点である。杯形の部材６ ０は、配列４８と中央管５２をトラフ６８に嵌め込んだ時、角度Ａだけ軸線方向 に偏向するに十分な弾力性があり、その結果、図２に示すように配列４８と中央 管５２を下方に押圧することにより、トラフ６８の中に配列４８と中央管５２を 嵌めると、杯形の部材６０は角度Ａだけ偏向し、杯形の部材６０の弾性力がシー ラントをひだの中に装填する。これは、例えば、手作業により、もしくは米国特 許第５,０２８,３３０号で開示されたように配列をつかみ下方に押し下げる把持 アームを有する目盛表示装置のような組立機器を用いて、配列をつかみ、該配列 を下方に押しつけることによって達成することができる。縁６４から外周に向か って放射状に突出している外周の縁７２は、金属ハウジング１２内にフィルタエ レメント４６が組み込む際に該フィルタエレメント４６を適切に方向決めする平 坦部７４が終了している。 杯形の部材６０は、繊維を不規則に分布した不織布配列と接着樹脂とから成り 、当該技術分野の熟練者に周知の従来からのペーパーの製造方法によって作られ る。繊維の大部分は、コストを最小限にするためには、通常のセルロース繊維で あるが、少なくとも繊維のあるものは、張力や曲げに対する疲労強度そして同様 に弾性力や成形のし易さを与えるために、ポリエステル繊維のような人工的な繊 維やガラス繊維のような無機性の繊維が好ましい。同様に、フェノール樹脂やラ テックス、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコールのような接着樹 脂を使用することが必要である。代表的な材料は５０〜９０％のセルロース繊維 と、５〜２０％の人工的な繊維と、残りの樹脂とから成るであろう。樹脂は物品 に可撓性を与え、型による成型または他の成形工程によってトラフが成形される のを可能にする。もし、プラスチゾルシーラントを使用するのであれば、コスト を最小限にするために繊維混合物と樹脂を選択することができる。しかしながら 、紫 外線硬化型重合体がシーラントとして使われる場合は、各樹脂や繊維が各々同化 したり反発したり、異なる周波数の放射を吸収、反射、通過させるので、樹脂と 繊維の混合物の選択は慎重に行わなければならない。紫外線によって反応を開始 する重合体がシーラントとして使用されるならば、ポリビニルアルコール樹脂は 紫外線域の波長のほぼかなりの割合を通過させ、好ましい樹脂であるということ が判明した。適切な材料は、ジェームスリバー会社のカスタムペーパーズグルー プから入手可能である。前記パーセントは全て重量パーセントである。もし、エ ンドキャップを紫外線硬化型シーラントを使用して紫外線が通過するように作る と、光反応型重合体は紫外線をエンドキャップを透過させることにより硬化する ことができる。理想的には、フィルタエレメントは上述した米国特許第５,０２ ８ ３３０号に述べられたように製造され、エンドキャップ組立体５８がガラス トレイ上で搬送され、紫外線がトレイとエンドキャップを通過してシーラントを 硬化する。

【手続補正書】 【提出日】１９９６年４月１９日 【補正内容】 （１）請求の範囲の記載を別紙の通り訂正する。 （２）明細書第１頁第２５行ないし第２６行の“先行技術で・・・用いてもよい 。”を「バイアス力を軸線方向に変えてかつ媒体の端部に作用させてシーラント を媒体に圧入するに十分な弾性を有する材料からなり、後に光をエンドキャップ を通過させることによって、シーラントを硬化させると、一様なシールが達成さ れる。」に訂正する。 （３）明細書第４頁第７行の“中央管５２”を「中央管５４」に訂正する。 （４）明細書第４頁第８行ないし第９行の“中央管５２”を「中央管５４」に訂 正する。 （５）明細書第４頁第９行の“中央管５２”を「中央管５４」に訂正する。 請求の範囲 １．円筒の端部によって形成される一対の両端部を有する略円筒形で環状に形作 られた円周上に延在する濾過媒体（４８）と、上記媒体（４８）によって形成さ れた上記円筒の内周面に接する中央管（５４）と、媒体の対応する端部を閉塞し てシールするための第一および第二のエンドキャップ組立体（５８）とを包含し 、上記エンドキャップ組立体（５８）の上記第一および第二の各々は、軸線の周 囲に開口部（６２）と、上記開口部（６２）の周囲円周上に延在して上記媒体（ ４８）の端部を受け入れるためのトラフ（６８）と、上記トラフ（６８）に施さ れ、媒体（４８）の端部と杯形の環状部材（６０）間にシールを供給するために 上記端部が上記トラフ（６８）に受け入れられた時、媒体（４８）の端部に密着 して係合する円周上に延在する紫外線反応型重合体（７０）の帯とを包含するフ ィルタエレメントにおいて、 各々の杯形の環状部材（６０）は、セルロース繊維と、人工的なおよび／ま たは無機的な繊維と、接着樹脂との混合物から作られ、上記杯形の環状部材（６ ０）は、バイアス力を軸線方向へ偏向させかつ媒体の端部へ作用させ重合体（７ ０）を上記媒体（４８）に圧入するために十分な合成の弾性を有しており、上記 混合物は光に対して透明であり、光を杯形の環状部材（６０）を通して伝達する ことによって上記重合体（７０）をその端部に対抗して付勢した後、上記重合体 （７０）を硬化して上記シールを達成することを特徴とするフィルタエレメント 。 ２．上記樹脂はポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項１記載のフ ィルタエレメント。 ３．上記ひだは、内側端部（５２）と外側端部（５０）との間で先細形であり、 上記内側端部（５２）は上記媒体（４８）の上記環状配列の上記内周を形成し、 上記トラフ（６８）内に位置した上記中央管（５４）は、上記配列を支持し、上 記媒体（４８）を上記杯形の環状部材（６０）によってシールするための上記重 合体（７０）と係合することを特徴とする請求項１記載のフィルタエレメント。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 コート エドモンド ヘクター ジュニア アメリカ合衆国 ロードアイランド州 02885 ウォーレン フランクリン スト リート 210

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．円筒の端部によって形成される一対の対向する端部を有する略円筒形で環状 に形作られた円周上に延在する濾過媒体（４８）と、媒体（４８）の対応する端 部を閉塞してシールするためのエンドキャップ組立体（４０，５８）とを包含し 、上記エンドキャップ組立体（４０，５８）の少なくとも一方は媒体（４８）の 端部を受け入れるための円周上に延在したトラフ（６８）を形成する杯形の環状 部材（６０）と、上記トラフ（６８）に施され、媒体（４８）の端部をシールす るための上記トラフ（６８）に上記端部が受入れられた時に媒体（４８）の端部 に密着して係合する円周上に延在するシーラント（７０）の帯とを包含するフィ ルタエレメントにおいて、 上記杯形の環状部材（６０）は不規則に分布した不織繊維の配列と接着樹脂 とで作られることを特徴とするフィルタエレメント。 ２．上記シーラント（７０）は、光反応型重合体であることを特徴とする請求項 １記載のフィルタエレメント。 ３．上記杯形の環状部材（６０）が光を透過する材料で作られ、上記濾過媒体（ ４８）を上記杯形の部材（６０）の中に取り付けた後に、光を上記杯形の部材（ ６０）を通過させることにより、上記重合体を硬化させることを特徴とする請求 項２記載のフィルタエレメント。 ４．上記樹脂は、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項２記載の フィルタエレメント。 ５．上記シーラント（７０）は、プラスチゾルであることを特徴とする請求項１ 記載のフィルタエレメント。 ６．上記繊維は、セルロース繊維と人工的な繊維および／または無機的な繊維と の混合物であることを特徴とする請求項１記載のフィルタエレメント。 ７．上記媒体（４８）は、放射状に先細形で軸線方向に延び両端部を有するひだ 付きのフィルタペーパーの円周方向に延びた配列を包含し、上記ひだの一方の端 部は上記トラフ内に受入れられてシーラント（７０）が上記ひだの端部をシール することを特徴とする請求項１記載のフィルタエレメント。 ８．上記ひだは、内側端部（５２）と外側端部（５０）との間で先細形であり、 上記内側端部（５２）は協働して配列の内側境界線を形成し、支持用孔あき中央 管５４は上記配列の内側境界と接して上記ひだの内側端部を支持し、上記中央管 （５４）は両端部を有し、上記中央管（５４）の一方の端部は上記トラフ（６８ ）に受入れられ上記シーラント（７０）と係合することを特徴とする請求項７記 載のフィルタエレメント。