JPH08511747A - エアバツグを満たすための手段及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、強い減速の際空の可撓性収容体にガスをほぼ瞬間的に満たす装置に関し、ガスを満たされる収容体は力を吸収して負傷を軽減するバツグとして作用する。この装置は、高圧のガスを収容する圧力容器と、特定の最小値を超過する減速力が生ずる場合圧力容器と収容体との間の接続部を開く開放装置と、減速度センサとを含んでいる。容器は２つの圧力容器（１，２）を含み、これら圧力容器の各々は閉鎖手段により閉じられ、かつそれぞれの接続導管（３及び４）に接続され、これらの接続導管は可撓性収容体へ通じる共通な導管へ共に通じている。一方の圧力容器（１）は酸素及び不活性ガスを満たされ、他方の圧力容器（２）は不活性ガス及び水素を満たされ、この不活性ガスはヘリウム、アルゴン及び／又は窒素である。

Description

【発明の詳細な説明】 エアバツグを満たすための手段及び方法 本発明は、空の可撓性収容体を備えた車両の速度が大きく減速される時ほぼ瞬 間的にガスをこの収容体に満たし、それにより例えば衝突の場合車両内の人間の 負傷を防止するか又は負傷の程度を少なくする装置に関する。 特定の自動車は、安全ベルト及び安全ハーネスの代りに又はそれに加えていわ ゆるエアバツグを備えている。これらのバツグは運転者又は乗客の正面で非常に 速く膨らまされて、運転者又は乗客がかじ取りハンドル又は計器盤（仕切り板） へ向かつて投げ飛ばされることによつて生ずる負傷を防止する。 これまでエアバツグは、後部座席の乗客のためには設けられていなかつた。そ の理由は、恐らくガスの動的挙動にのみ関係する問題のため、後都座席には著し く大きいエアバツグが必要であることによるものと思われる。 車両を急激に停止させることになる正面衝突又は別の形の衝突の場合、この衝 突の時点における車両の走行速度でこの車両内を移動し続ける人間が前部用席の 背もたれ又はかじ取りハンドル及び／又は計器盤へ当る前に、収容体が膨らまさ れてガスバツグを形成することが重要である。 適切な保護を行うため、バツグは１／100秒以内で膨らまされねばならない。 衝突の瞬間に車両が110km／hの速度で走行しているものとすれば、車両にすわ つている人間はこの時点に大地に対して約0.3m移動せしめられる。車両の実際の 車体は、車両の正面が10cm以上座屈するため、瞬間的には停止せず、車両の運転 者又は乗客は、0.01秒の時間に恐らく車体に対して10〜20cmだ け車両内で前方へ移動することになり、このことは、この時間が終了する前に、 エアバツグが膨らんで、運転者又は乗客がかじ取りハンドル又は計器盤又は前部 座席の背もたれに当るのを防止する。 この場合ガスがエネルギーの交換なしに（等エンタルピーで膨張すると、いわ ゆるジユール・トムソン効果の結果通常は温度が低下する。 この温度は、400barから２barの圧力まで膨張することができる空気又は窒素 の場合約70〜100度だけ低下する。その結果、エアバツグを膨らますガスが高圧 容器に蓄えられている場合、室温でガスが持つ容積を得るためガスへ熱を供給す るか、圧力容器に約30％多いガスを満たさねばならない。 この温度低下に加えて、空気、窒素又は他のガスが400barで約1.2の圧縮係数 を持つことを、容器の寸法を定める時に考慮せねばならない。なぜならば、圧力 又は容積を理想ガスの場合に比較して同じ程度に増大せねばならないからである 。 すべての重いガスに伴う別の問題は、ガスの流出速度が分子量及び温度に関係 するので、流出するガスが比較的低い速度を持つことである。 本発明の目的は、可撓性取容体を備えた自動車が強い減速力を受けるとほぼ瞬 間的にガスで膨らまされかつ力を吸収して負傷を軽減するバツグとして作用する 空の収容体へガスを満たすため、高圧のガスを満たされている圧力容器と、この 圧力容器を収容体に接続する導管と、車両の減速度が特定の最小値を超過すると 圧力容器と収容体との間の連通を行う開放装置と、減速度センサとを含む、可撓 性収容体へガスを満たす装置を提供することである。 本発明によりこの目的は、後述の請求項１に記載されている特徴を持つ装置に よつて達せられる。本発明による装置の有利な実施態様は従属請求項から明らか になる。 添付図面を参照して本発明を更に詳細に説明するが、その図は空のガスバツグ につながる導管に接続されている２つのガス容器を示している。 図面はまだ満たされてないガスバツグへ延びる主導管５を示している。ガスバ ツグから遠い方にある主導管の端部は、分岐都６を経て２つの接続導管３及び４ に分岐している。分岐導管３及び４はそれぞれ圧縮ガス容器１及び２に接続され ている。ガス容器は、車両が充分な程度に強く減速される（衝突）時に同時に開 く爆発始動破裂板により閉じられている。容器１及び２は共に所要容積のガスを 収容している。 第１の容器１はヘリウムと最大50容積％の他の不活性ガス例えばアルゴン及び ／又は窒素とを満たされている。容器１は酸素も取容している。存在する酸素の 量は、容器１及び２の全ガス容積の2.5ないし20容積％である。第２の容器２も 、ヘリウムと最大50容積％の他の不活性ガス例えばアルゴン及び／又は窒素とを 満たされ、容器１及び２の全ガス容積の３〜15容積％に相当する量の水素も収容 している。容器１及び２は同じ不活性ガス又は不活性ガス混合物を収容している のがよい。最も好ましい不活性ガスは、存在する不活性ガスの少なくとも殆ど全 部を構成するヘリウムである。 両方の容器１及び２にある破裂板を破裂させる強い減速の場合、２つの容器に 収容されているガスが主導管５へ流入する。破裂板を破裂させた爆発は、酸素− 水素混合物を点火し、その結果化学反応により水を形成する。この反応の結果温 度が著し く上昇せしめられて、窒素及びアルゴンの自由膨張により生ずる冷却効果を適当 に補償する。これは、エアバツグを満たすのに必要なガスの容積の減少も可能に する。 安全上の理由から１つの同じ容器に酸素−水素混合物を収容するのは不可能な ので、これらのガスは同時に開かれる別個の容器に別々に収容され、それにより これらのガスはエアバツグへ達する前に化合する。 衝突の際始動せしめられるエアバツグを満たすのに使用される圧力容器が漏れ ることはなく、ガスの収容後多年の間必要な圧力のままであることは、極めて重 要である。高感度のヘリウム漏れ検出器が利用可能なので、使用されるガスの成 分としてヘリウムを使用するのが便利である。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９４年１０月６日 【補正内容】 請求の範囲 １ 強い減速力が生ずるとほぼ瞬間的にガスを満たされる空の可撓性収容体が、 力を吸取して負傷を軽減するバツグを形成し、収容体にガスを満たす装置が、高 圧のガスを満たされている容器（１，２）と、この容器（１，２）を収容体に接 続する導管（５）と、特定の最小値を超過する減速方の発生の際容器（１，２） と収容体との間の連通路を開く開放装置と、減速度センサとを含んでいるものに おいて、容器が２つの圧力容器（１，２）を含み、これらの圧力容器がそれぞれ 閉鎖手段により閉じられ、かつ接続導管（３及び４）にそれぞれ接続され、これ らの接続導管（３及び４）が一緒に共通な導管（５）へ通じ、この共通な導管（ ５）が中間の燃焼室なしに可撓性収容体まで延びており、一方の圧力容器（１） が酸素及び不活性ガスを満たされ、他方の圧力容器（２）が不活性ガス及び水素 を満たされ、不活性ガスがヘリウムと最大50容積％のアルゴン及び／又は窒素と を含んでいることを特徴とする、空の可撓性収容体にガスを満たす装置。 ２ 存在する水素の量が、２つの圧力容器に収容されるガスの全容積の３〜15容 積％であることを特徴とする、請求項１に記載の装置。 ３ 存在する酸素の容積が、２つの圧力容器に存在するガスの全容積の2.5〜20 容積％であることを特徴とする、請求項１又は２に記載の装置。 ４ 圧力容器が同じ容積を持つていることを特徴とする、請求項１ないし３の１ つに記載の装置。 ５ 不活性ガスがヘリウムであることを特徴とする、請求項１ないし４の１つに 記載の装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 強い減速力が生ずる際力を吸収して負傷を軽減するバツグを形成するため空 の可撓性収容体にガスをほぼ瞬間的に満たす装置が、ガスを満たされる高圧容器 （１，２）と、この容器（１，２）を収容体に接続する導管（５）と、特定の最 小値を超過する減速力が生ずる場合に容器（１，２）と収容体との間の連通路を 開く開放装置とを含んでいるものにおいて、容器が２つの圧力容器（１，２）を 含み、これらの圧力容器の各々がそれぞれの閉鎖手段により閉じられ、かつそれ ぞれの接続導管（３及び４）に接続され、これらの接続導管が一緒に共通な導管 （５）へ通じ、この導管が中間の燃焼室なしに可撓性収容体まで延びており、一 方の圧力容器（１）が酸素と不活性ガスとを満たされ、他方の容器が不活性ガス と水素とを満たされ、不活性ガスがヘリウムと最大５０容積％のアルゴン及び／ 又は窒素を含んでいることを特徴とする、空の可撓性収容体にガスを満たす装置 。 ２ 存在する水素の量が２つの容器に収容されているガスの全容積の３〜15容積 ％であることを特徴とする、請求項１に記載の装置。 ３ 存在する酸素の量が２つの容器に存在するガスの全容積の2.5〜20容積％で あることを特徴とする、請求項１又は２に記載の装置。 ４ 圧力容器が互いに同じ容積を持つていることを特徴とする、請求項１ないし ３の１つに記載の装置。 ５ 不活性ガスがヘリウムであることを特徴とする、請求項１ないし４の１つに 記載の装置。 ６ 圧力容器（１，２）がヘリウムを収容していることを特徴と する、請求項１ないし３の１つに記載の装置。