【発明の詳細な説明】
紙原料懸濁液からの粘着性物質の付着の制御方法
発明の分野
本発明は、紙の製造の際に、紙原料(材料)懸濁液からの粘着性不純物の沈殿
を制御(コントロール)する方法に関する。
従来技術
2世紀において紙が発明されたときでさえも、廃棄物質(waste)を使用する
こと、即ち、少なくとも部分的にリサイクルする技術は、ある一定の役割をなし
ていた。今日においては、生態学的認識が増大したため、リサイクル技術がかな
り重要であるとされている。従って、紙の製造が増加しつつある観点から、原料
物質を供給することおよび無駄を避けることが、ますます重要とされるようにな
っている。
故紙(wastepaper)のリサイクルからの二次繊維材料(secondary fiber stoc
k)を使用することによって、原料物質、廃棄−処理空間および製紙に必要とさ
れるエネルギーに関する節約を今日では行うことができる。残念ながら、この技
術は特定の問題を依然として含んでいる。
従って、故紙の処理において、粘着性物質(stickies)として通常知られる粘
着性不純物(sticky impurities)は、製造プロセスに重大な障害をもたらし、
製造される紙の品質に悪影響を与えることがある。使用される故紙が粘着性の接
着剤結合部、接着テープまたは仕上げ加工された製品、例えば、コートされたま
たはラミネートされた紙ならびに板紙(paperboard)などを含む場合、粘着性物
質が製紙プロセスの中に入り込む。更に、木材中の樹脂(resin)によってなら
びにその樹脂と製紙用助剤との相互作用によって、粘着性不純物が生成すること
もある。
粘着性物質が堅く締まった形態(コンパクトな形態)で存在する場合は、それ
らを仕分け装置(sorting machine)によって機械的に、比較的容易に除去する
ことができる。しかしながら、一般に、粘着性物質は堅く締まった形態で存在し
ていないだけでなく、パルプ材料の中に分散された形態で存在しており、粘着性
物質をこの形態で除去することは非常に困難である。そこで、近年、紙の製造の
際における故紙の使用が増大し、水循環(water circuit)の制限が高まった結
果、循環水中の粘着性物質の含有率がますます高くなっている。
粘着性物質は、紙の製造時においてのみでなく、紙の処理時においても種々の
問題および障害を引き起こす。それらの粘着性のために、機械部品、チューブ壁
、篩(sieve)、湿式フェルト(wet felt)、乾式フェルト、乾燥シリンダー、
平滑ローラ、カレンダー・ローラの上、更に、紙自体の上に付着物が生じて、抄
紙機(papermaking machine(Papiermaschine))においてウェブの破断(tear
)が発生したり、孔、しみおよびきずによる紙の品質の低下が生じたりする(ハ
ー・エル・バウムガルテン(H.L. Baumgarten)、ダス・パピアー(Das Papier
)、1984年、第38巻、第10A号、第V121〜V125頁)。ハー・エ
ル・バウムガルテンによれば、産業的なおよび公的な文献において、粘着性物質
は何年もの間、故紙をリサイクルする上での最も大きな問題であった。粘着性物
質が極微量であっても、抄紙機および印刷機において破断を生じ得るので、清掃
処理(cleaning process)のために機械を停止させなければならない。バウムガ
ルテンは、『抄紙機の肝心の部位に2gの粘着性物質が存在すると、数百kgもの
紙を反故にしてしまうことがある。』(前記文献、第V122頁、右側欄を参照
)と述べている。
粘着性物質は種々の起源を有する。それらは、本質的には、木材中の樹脂から
、紙の製造の際に関連する助剤から、紙および板紙の被覆用のバインダーから、
紙の処理のための接着剤から、印刷インクバインダーから、ならびに紙の処理に
関連する物質から生じる。木材中の樹脂からの、および紙の処理に用いられる接
着剤から生じる粘着性物質は、本発明が解決しようとする課題との関係で、特に
重要である。
ケミカル木材パルプ(chemical wood pulp)および砕木パルプ(mechanical w
oodpulp)は、木材の種類にもよるが、約1〜5重量%のいわゆる有害な樹脂を
含有している。これらの樹脂は、コロイド状の結合していない形態で存在するこ
ともあるし、紙繊維に付着していることもある。ヨット・ヴァイクル(J. Weigl
)らによれば、紙の製造および処理の際に樹脂付着物によって生じる問題は、種
々の
理由から、近年着実に増加している(ヨット・ヴァイクルら、ダス・パピアー、
1986年、第V52〜V62頁、より詳細には第V53頁、左側欄)。
紙の処理において使用される接着剤は、3つの群、即ち:感圧接着剤(触圧接
着剤)、分散液系接着剤およびホットメルト接着剤に分類することができる。
感圧接着剤は持続的な粘着性を有し、持続的に接着可能な物質である。接着は
、結合すべき部分の表面に圧力を加えることによって達成される。主成分のポリ
マーは、種々の重要な化学物質のいずれかを、対応する添加剤、例えば、粘着性
付与樹脂(tackfying resin)、可塑剤または抗酸化剤などと組み合わせたもの
であってよい。典型的な主成分ポリマーは、中でも、天然ゴム、ブチルゴム、ス
チレン/ブタジエンコポリマー(SBRゴム)、アクリロニトリルコポリマー、
ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリビニルエーテル、アクリレート、ポ
リエステル、ポリウレタン、シリコーンである。
分散液系接着剤において、接着剤層の構成に関連するポリマーは、水性分散媒
体中に固体粒子として存在している。製造方法においては、主成分のモノマーが
最初に水相にて乳化され、続いてその中で重合される(乳化重合として知られる
技術)。すると、ポリマーは、分子レベルの分散物から粗い分散物までにわたり
得る種々の粒子寸法を有する小さな粒子の形態で存在する。一般に、ポリマー粒
子の凝集、従って沈殿は、系に保護コロイドまたは乳化剤を加えることによって
防止することができる。
いわゆるホットメルト接着剤は、ホットメルト(hotmelt)としても知られて
おり、熱可塑性樹脂の群に属する。これらの物質は、加熱により軟化する性質を
有しており、従って流体になる。これらは冷却により、再度固化する。ホットメ
ルト接着剤として使用されるポリマーの例には、ポリアミド、コポリアミド、ポ
リアミノアミン、飽和ポリエステルおよびエチレン/酢酸ビニルコポリマーが含
まれる。
粘着性物質は、一次粘着性物質と二次粘着性物質とに分類される。一次粘着性
物質は、湿式微細化(wet size reduction、湿式粉砕)の際に、耐性が高いため
に分散されない粘着性の不純物である。従って、これらは堅く締まった形態で存
在し、容易に除去することができる。
二次粘着性物質の存在は、故紙のリサイクルの間に、粘着性不純物が、熱的、
化学的および機械的作用によってもたらされる粒子寸法の変化を起こすというこ
とによって発生する。このことは、リサイクルの初めに未だ極度に粗い形態で存
在している不純物であっても、リサイクルプロセスにおいて多かれ少なかれかな
りの寸法減少を起こし得るということを意味する。特に、粘着性物質は、故紙の
リサイクルにおいて使用される加熱混練機(hot kneading machine)において行
われる処理によって分散される。例えば、低い融点を有する粘着性物質は液化さ
れ、続いて非常に微細に分散される。砕け易いまたは脆い粘着性物質も非常に小
さな粒子に分解される。分散された粘着性物質の粒子寸法は、このように、粗い
分散物からコロイド状の分散物を経て分子レベルの分散物までにわたる。
換言すれば、多くの粘着性物質が容易に分散され得るために、破砕工程(brea
king step)の後ではそれらは微細に分割された形態で存在しており、仕分け工
程では採取されない。これらの物質は、熱的、機械的または化学的作用下の抄紙
機の中で、二次粘着性物質としても知られている凝集物を形成するおそれがある
。その後の紙の処理において問題を生じるのは、まさにこの二次粘着性物質であ
る。例えば、それらは、紙ウェブによって移送され、抄紙機の中を通って、種々
の部位、特に、プレス・フェルト(press felt)、乾式篩(dry sieve)、乾燥
シリンダー、平滑ローラに到達し、そこで望ましくない付着物を生じる。更に、
それらは、紙自体の中にももちろん存在し、従ってその品質に悪影響を及ぼす。
従って、粒子の凝集を促進するいずれのパラメーターも、基本的に、二次粘着
性物質を生成させるおそれをもたらすということが、以上の概説の状況から明ら
かである。この点に関して、pH値および特定の製紙用助剤の存在が、2つの非
常に重要なパラメーターであると言われている。以下、更に説明する:
互いに接触するかまたは非常に狭い間隙で互いに離れている小さな固体粒子は
、分子間力、いわゆるファンデルワールス力によって互いに引き寄せ合う。しか
しながら、粒子は、同じ電荷を帯びている粒子相互の反発の原因である電気二重
層によって取り囲まれているので、凝集を促進するファンデルワールス力は、ア
ル
カリ性媒体中、即ち、故紙のリサイクルに典型的な媒体中では一般に発現しない
。対照的に、抄紙機は、通常、中性ないし弱酸性の媒体中で操作されるので、反
発する負の力は低下する。
故紙を使用して調製された紙原料懸濁液の水切れ性(drainability)は、一般
に低い。従って、実際には、水切り助剤(drainage aid)または保持助剤(rete
ntion aid)として知られる助剤がしばしば使用される。保持助剤は、微細な繊
維および充填剤を長い紙原料繊維(長繊維、long fibers)に結合させる物質で
あると当業者に理解されている。短繊維および充填剤の長繊維へのこの結合によ
り、紙原料懸濁液の水切りを困難にする1種のフリース(fleece、ふわふわした
もの)を微細な繊維が生成することが防止される。このようにして、保持助剤は
、微細な繊維を長繊維に結合させることによって、水切れ性を向上させる。
保持助剤は、3つの群、即ち:無機物質、例えば、硫酸アルミニウムまたはア
ルミン酸ナトリウムなど;合成物質、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアミン
またはポリアクリルアミドなど;ならびに変性された天然物質、例えば陽性デン
プン(cationic starch)などに分類される。
保持助剤が作用する方法は、微細繊維および充填剤を紙の繊維に結合させるこ
とに基づいている。この点に関して重要なメカニズムは、適当な鎖長の高分子電
解質が2つの粒子の間隙に橋架けすることができることであって、このようにし
て凝集物の形成が促進される。そこで、ヨット・エル・ヘメス(J. L. Hemmes)
らは、カチオン性高分子電解質、例えば陽性デンプンなどがアニオン系不純物の
脱除剤(scavenger、掃去剤)として適しているということを報告している(ヴ
ォ
pierfabrikation)、1993年、第163〜170頁)。
要約すると、一般的な当業者の知識の現在の状態によれば、一方で中性ないし
酸性媒体が、他方で水切れ性および保持性を改善するためにカチオン性助剤を使
用することが、粒子の凝集を促進する条件を表すと言うことができる。これまで
に述べた粘着性物質の問題に関して、このことは、それらの条件を粘着性物質の
生成に好適であると当業者が論理的に考えるということを意味する。
粘着性物質の制御においてもう1つの重要な役割を果たすのは温度である。そ
の理由は、多くの接着剤が、温度と共に粘着性が増大する熱可塑性樹脂(ホット
メルト)に属するからである。
更に、紙の製造および処理についての粘着性不純物の望ましくない特性の発現
は、いろいろな点でまだよく知られていない種々のパラメーターに依存するとい
うことが指摘されている(ハー・エル・バウムガルテン、前記文献、第V122
頁、左側欄を参照)。通常は害にならない不純物が、製造プロセスの間に機械的
、化学的および熱的影響が協働することによって、粘着性不純物に変化すること
がある(ベー・ブラッツカ(B. Brattka)、ヴォッヘンブラット・フュア・パピ
アーファブリカツィオーン、1990年、第310〜313頁)。
紙を製造するプロセスにとっての粘着性不純物のマイナスの特性の発現を防止
しようとする方法には種々のものが知られている。これに関して、助剤によって
粘着性物質の付着(沈殿)を抑制し、粘着性によって引き起こされる問題を技術
的に許容されるレベルまで低減する処理方法が、当業者の中では特に重要とされ
ている。この処理方法に基づく方法を、以下、SDC(スティッキーズ・デポジ
ション・コントロール(stickies deposition control))法と称する。
米国特許第4,923,566号には、尿素により粘着性物質を制御する方法が
記載されている。
米国特許第3,081,219号の教示によれば、木材の亜硫酸パルプ化におけ
る粘着性物質の制御を、N−ビニル−2−ピロリドンによって行っている。
ベントナイト、珪藻土などを添加することによって粘着性物質を制御すること
も試みられている。このよく知られている処理方法は、表面に粘着性物質を結合
することができる微粒子を導入するという考えに基づいている(米国特許第3,
081,219号、第1欄、第40〜44行参照)。もう1つの方法は、金属イ
オン封鎖剤、例えばポリリン酸塩などを添加することに基づいている(米国特許
第3,081,219号、第1欄、第45〜50行参照)。最後に、種々の分散剤
、例えば、スルホン化ホルムアルデヒド/ナフタレン縮合物のナトリウム塩など
を使用することも試みられているが、これは中性のpH値において問題を生じ、
カ
チオン性助剤との好ましくない相互作用を生じる(米国特許第3,081,219
号、第1欄、第51〜58行参照)。
米国特許第4,744,865号には、メトキシ基を含むポリマーによって粘着
性不純物の凝集が減少すると言われているSDC法が記載されている。
米国特許第4,871,424号は、ヒドロキシル基を含むポリマーを用いるS
DC法に関する。しかしながら、明らかに開示されたポリマーは、セルロース誘
導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースなど、ならびに加水分解また
は部分加水分解によってポリ酢酸ビニルから得られるポリビニルアルコールだけ
である。
最後に、ジー・ガーランド(G. Galland)およびエフ・ジュリエン・セイント
・アマンド(F. Julien Saint Amand)によれば、一次アクリレート粘着性物質
は、石鹸の存在下、アルカリ性媒体中でフローテーションにより除去することが
できる(EUR. Comm. Communities14011、1992年、第235〜243頁
)。しかしながら、その性質のために、この処理方法は、二次粘着性物質の問題
を解決するためには何も寄与することができない。
発明の説明
全体として、この分野における従来技術は極めて雑多であって、粘着性物質を
制御するための十分に満足できる方法を依然として開発する必要がある。ハー・
エル・バウムガルテンの所見:
「故紙における“粘着性不純物”の問題を観察すると、・・・故紙リサイクル・
プラントの製造業者のみでなく、特に、−ほとんどがポリマーを含有する−紙精
製および紙処理助剤の製造業者ならびに原料物質の供給者としての化学産業は、
製紙産業に対して密接なサポート(support)を提供する責任を有する。(ダス
・パピアー、1984年、第10A号、第V124頁)」
は、今日でも適切である。従って、紙の製造の際における粘着性物質の制御の問
題に対する新しい代替方法となり得る解決手段が常に求められている。
従って、本発明が解決しようとする課題は、紙の製造の際に粘着性不純物の付
着を制御し、既知の方法の問題を防止する方法を提供することである。この方法
は、いろいろな種類の粘着性不純物に対して、一般的に適用することができ、特
に、感圧接着剤、分散液系接着剤およびホットメルト接着剤(ホットメルト)に
適用し得るものである。更に、この方法において使用する助剤は、生物学的に安
全である必要があり、従って、今日、紙処理産業において重要性がますます増大
しつつある生態学的要求を満足する必要がある。最後に、本発明が解決しようと
する課題は、特に、二次粘着性物質によって引き起こされる問題を含むものであ
る。
本発明によれば、有効量の天然デンプン(本来のデンプン)の誘導体を紙原料
懸濁液に添加する、紙の製造の際に紙原料懸濁液からの粘着性不純物(粘着性物
質)の付着を制御(コントロール)する方法によって、上述のような問題が解決
された。
従って、本発明は、紙の製造の際に紙原料懸濁液からの粘着性不純物(粘着性
物質)の付着を制御する方法に関するものであって、有効量の天然デンプン誘導
体を紙原料懸濁液に添加することを特徴としている。
本発明の方法は、いろいろな種類の粘着性物質に一般に適用することができる
。しかしながら、特に、触圧接着剤、分散液系接着剤およびホットメルト接着剤
(ホットメルト)によって生じる問題を解決するために最も適している。
1つの好ましい態様において、本発明の方法は、故紙からまたは故紙成分を含
む紙製品から製造された紙原料懸濁液に適用される。
天然デンプン誘導体は、天然デンプンを化学的に誘導体化して得られる生成物
であると理解される。天然デンプンの加熱、加水分解または酵素的アミロリシス
(amylolysis、デンプン分解)からの分解生成物は、この定義の範囲内には含ま
れない。
基本的に、化学的誘導体化の種類は特に限定されないが、天然デンプンのエス
テル化、エーテル化およびアセチル化生成物ならびにカチオンデンプン(cation
ized starch)が好ましいデンプン誘導体である。
基本的に、本発明において用いるのに適する分解生成物をつくるために使用す
る天然デンプンの種類は特に限定されない。例えば、ジャガイモデンプン、コー
ンスターチ(トウモロコシデンプン)、コメデンプンまたはカンナ(canna)デ
ンプンなどを出発物質として使用することができる。もっとも、ジャガイモデン
プンの誘導体を使用することが特に好ましい。
更に、本発明において用いるのに適する天然デンプン誘導体の効果は、プロセ
スをセルロース誘導体の存在下で更に実施することによって向上し得るというこ
とが判った。特に好ましいセルロース誘導体は、カルボキシメチルセルロース、
メチルヒドロキシプロピルセルロースおよびこれらの混合物である。
本発明は、紙の製造の際に紙原料懸濁液からの粘着性不純物(粘着性物質)の
付着を制御するために天然デンプン誘導体を使用することにも関する。
カチオンデンプン(cationic starch)が粘着性物質を制御するために適する
助剤であるということは、ヨット・エル・ヘメスらの上記文献から見ても驚くべ
きことであった。その理由は、当業者にとって、上記文献の教示事項が、カチオ
ンデンプンのような高分子電解質はアニオン性不純物の脱除剤として作用し得る
ということにあるからである。しかしながら、カチオンデンプンがSDC法に適
するであろうということは、ヨット・エル・ヘメスらの文献にはまったく示唆さ
れていない。欧州特許出願公開(EP−A2)第335575号も文献としては
同じ方向を示している。この出願には、カチオンデンプンが製紙における標準的
な水切り助剤であること、および水切り助剤および/または保持助剤としてカチ
オンポリマーがきわめて一般的に使用されていること:「水切り性および/また
は保持性を向上させるために、水切りすべき原料中にカチオンポリマーを含有さ
せることは標準的に行われている(第2頁、第12〜13行)」が教示されてい
る。水切りの準備のために、粘着性物質に関係する問題を最少にし得る無機物質
、例えば酸化アルミニウム、タルクまたはベントナイトなどをしばしば加えると
いうこと:「・・・水切りを準備する通常の方法は、パルプ化または濃厚原料段
階において、無機物質、例えばミョウバン(alum)、タルクまたはベントナイト
などを加えることによるものである。これらの処理は、ピッチや他の粘着性物質
による問題を最少にする効果を有することがある。(第2頁、第6〜9行)」も
述べられている。
原則として、本発明の方法は、いろいろな種類の、即ち、その化学的および物
理化学的性質の異なる粘着性物質の付着および粘着性を制御するのに適している
。しかし、本発明の方法の有利な点は、特に感圧接着剤およびホットメルト接着
剤(ホットメルト)系の粘着性物質に適用できることである。
原則として、本発明の天然デンプン誘導体は、製紙工程全体の任意の部分で添
加することができる。これらは、固体粒子または水溶液もしくは分散液のいずれ
かの形態で添加される。必要とされる天然デンプン誘導体の特定の有効量は、処
理すべき故紙または故紙成分を含む紙製品が粘着性不純物を含有する程度に依存
する。しかしながら、一般に、本発明の天然デンプン誘導体は、パルプ原料を基
準として、0.001〜5.0重量%の量、好ましくは0.1〜1.0重量%の量で
使用される。
本発明を以下の実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものでな
い。
実施例
1.使用する物質および材料
1.1.ポリマー
a)MHPC:メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC50、アクアロ
ン(Aqualon)の製品)
b)AcKS:アセチル化デンプン(コロフィルム(Collofilm)−AC、バッ
セルマン(Bassermann & Co.)社製品)
c)SKS:弱くカチオン化されたデンプン(フィブラフィン(Fibraffin)K
d)HKS:高度にカチオン化されたデンプン(エムカット(Emcat)C50、
エムスラント・シュテルケ(Emsland Starke)社製品)
1.2.感圧接着剤
a)スチレン/ブタジエン
b)ビニルエステル
c)アクリレート
2.変性試験
2.1.方法の原理
適用した変性試験は、米国特許第4,886,575号および上記引用したベー
・ブラッツカによる文献(引用文献の第311頁)から、当業者に原則的に知ら
れている。この試験では、試験すべき物質を含有する水溶液中に、選択された接
着テープを浸漬する。続いて、テープを一定の条件下で互いに付着させて、残存
している接着力を万能材料試験機にて測定する。
2.2.試験手順の詳細
種々のポリマーの溶液を200mlの量で調製し、200mlのガラスビーカ
ーに入れた。続いて、種々の接着テープを溶液中に正確に30秒間浸漬した。次
に、23±1℃の温度にてテープを4時間乾燥した。それから、同じように処理
した2つのテープを互いに付着させた。適用した圧力は、プレスによって、1N
/mm2の一定値に調節した。2つの剥離紙を挿入することによって一端を離して
おいた接着テープを、(ドイツ工業規格(DIN)53282による「アングル
・ピール・テスト(Angle Peel Test)」と同様に)ユニバーサル試験機内でク
ランプし、250mm/分の割合で互いに引き剥がした。ポリマーの選択した濃度
に応じて測定した剥離力(peel force)を、以下の表に示している。剥離力は、
粘着性物質の形成に与える制御された影響を及ぼす特定のポリマーの能力を示す
ものであると考えることができる:測定される力が弱い程、テープが相互にくっ
つくこと、従って、(究極的に粘着性物質の問題の原因である)接着剤粒子が凝
集することをポリマーがより有効に防止する。表に示す値は、5回の測定の平均
値を示している。
比較例1
実施例1
実施例2
実施例3
2.3.結果の検討
上記の表から、(従来技術から知られる天然ポリマーに構造的に非常に近い)
MHPCによるよりも、本発明の天然デンプン誘導体による方が、良好な結果が
得られるということが明らかである。
本発明のポリマーによって得られる利点は、程度に関して予見し得なかったも
のであり、変性させたデンプンが変性させたセルロースとはまったく異なる挙動
をすることが明らかになっている。FIELD OF THE INVENTION The present invention relates to the production of sticky impurities from a paper stock (material) suspension during the manufacture of paper. It relates to a method of controlling precipitation. PRIOR ART Even when paper was invented in the 2nd century, the use of waste, ie the technique of at least partial recycling, played a certain role. Today, recycling technology is of considerable importance due to increased ecological awareness. Therefore, in view of the increasing production of paper, it is becoming more and more important to supply raw materials and avoid waste. By using secondary fiber stokes from wastepaper recycling, savings can now be made on raw materials, waste-treatment space and the energy required for papermaking. Unfortunately, this technique still contains certain problems. Therefore, in the treatment of waste paper, sticky impurities, commonly known as stickies, can seriously impair the manufacturing process and adversely affect the quality of the paper produced. If the waste paper used comprises tacky adhesive joints, adhesive tapes or finished products such as coated or laminated paper as well as paperboard, etc. Get in. In addition, sticky impurities may be produced by the resin in the wood and by the interaction of the resin with the papermaking aids. If the sticky substances are present in a tightly packed form (compact form), they can be removed relatively easily mechanically by a sorting machine. However, in general, sticky substances are not only present in a tightly packed form, but are also present in a dispersed form in the pulp material, which makes it very difficult to remove sticky substances in this form. Is. Therefore, in recent years, the use of waste paper in the production of paper has increased, and the restrictions on the water circuit have increased. As a result, the content of adhesive substances in circulating water has become higher and higher. Sticky substances cause various problems and obstacles not only during the production of paper, but also during the processing of paper. Due to their tackiness, deposits on machine parts, tube walls, sieves, wet felts, dry felts, drying cylinders, smooth rollers, calender rollers and even the paper itself. Occurs, which causes tearing of the web in a papermaking machine (Papiermaschine) and deterioration of the paper quality due to holes, stains and scratches (HL Baumgarten). ), Das Papier, 1984, Vol. 38, No. 10A, pages V121-V125). According to Har El Baumgarten, in the industrial and official literature, sticky substances have been the biggest problem in recycling waste paper for many years. Even trace amounts of tacky material can cause breaks in paper machines and printing machines, so the machine must be stopped for the cleaning process. Baumgarten said, "If 2 g of a sticky substance is present at the core of a paper machine, hundreds of kilograms of paper may be destroyed. (See the above-mentioned document, page V122, right column). Sticky substances have various origins. They are essentially from resins in wood, from the auxiliaries involved in the production of paper, from binders for the coating of paper and board, from adhesives for the treatment of paper, from printing ink binders. , As well as substances related to the processing of paper. The tacky material resulting from the resins in wood and from the adhesives used to treat paper is of particular importance in connection with the problem to be solved by the present invention. Chemical wood pulp and mechanical wood pulp contain about 1 to 5% by weight of so-called harmful resin, depending on the type of wood. These resins may be present in colloidal, unbound form or may be attached to paper fibers. According to Y. Weigl et al., The problems caused by resin deposits in the production and processing of paper have been steadily increasing in recent years (Yacht Vickle et al., Das Papier). , 1986, pages V52-V62, more specifically page V53, left column). Adhesives used in the processing of paper can be classified into three groups: pressure sensitive adhesives (touch adhesives), dispersion based adhesives and hot melt adhesives. A pressure sensitive adhesive is a material that has persistent tackiness and is capable of persistent adhesion. Adhesion is achieved by applying pressure to the surfaces of the parts to be joined. The base polymer may be any of a variety of important chemicals combined with the corresponding additives, such as tackfying resins, plasticizers or antioxidants. Typical main component polymers are, among others, natural rubber, butyl rubber, styrene / butadiene copolymer (SBR rubber), acrylonitrile copolymer, polychloroprene, polyisobutylene, polyvinyl ethers, acrylates, polyesters, polyurethanes, silicones. In dispersion adhesives, the polymer associated with the composition of the adhesive layer is present as solid particles in the aqueous dispersion medium. In the method of manufacture, the main constituent monomers are first emulsified in the aqueous phase and subsequently polymerized therein (a technique known as emulsion polymerization). The polymer is then present in the form of small particles with various particle sizes that can range from molecular level dispersions to coarse dispersions. In general, agglomeration of polymer particles and thus precipitation can be prevented by adding protective colloids or emulsifiers to the system. So-called hot melt adhesives, also known as hot melts, belong to the group of thermoplastics. These substances have the property of softening by heating and thus become fluid. These are solidified again by cooling. Examples of polymers used as hot melt adhesives include polyamides, copolyamides, polyaminoamines, saturated polyesters and ethylene / vinyl acetate copolymers. The adhesive substance is classified into a primary adhesive substance and a secondary adhesive substance. The primary sticky substance is a sticky impurity that is not dispersed due to its high resistance during wet size reduction (wet grinding). Therefore, they exist in a tightly closed form and can be easily removed. The presence of secondary tacky substances is caused by the fact that, during recycling of waste paper, tacky impurities cause changes in particle size caused by thermal, chemical and mechanical actions. This means that even impurities that are still present in extremely coarse form at the beginning of recycling can cause more or less significant size reduction in the recycling process. In particular, the sticky substance is dispersed by the treatment carried out in the hot kneading machine used in recycling waste paper. For example, a sticky substance with a low melting point is liquefied and subsequently very finely dispersed. A friable or brittle sticky material also breaks down into very small particles. The particle size of the dispersed tacky material thus ranges from coarse dispersions to colloidal dispersions to molecular level dispersions. In other words, since many sticky substances can be easily dispersed, they are present in finely divided form after the breaking step and are not collected in the sorting step. These materials can form agglomerates, also known as secondary tacky materials, in the paper machine under thermal, mechanical or chemical action. It is precisely this secondary tacky material that causes problems in the subsequent processing of the paper. For example, they are transported by a paper web and pass through a paper machine to various parts, in particular a press felt, a dry sieve, a drying cylinder, a smoothing roller, where This produces undesirable deposits. Moreover, they are, of course, also present in the paper itself, thus adversely affecting its quality. Therefore, it is clear from the context of the above reviews that any parameter that promotes agglomeration of particles basically results in the risk of forming a secondary sticky substance. In this respect, the pH value and the presence of certain papermaking auxiliaries are said to be two very important parameters. Further description is given below: Small solid particles that are in contact with each other or separated from each other by a very narrow gap attract each other by intermolecular forces, so-called Van der Waals forces. However, since the particles are surrounded by an electric double layer that causes repulsion of the particles with the same charge, the van der Waals forces that promote aggregation are typical in alkaline media, that is, for recycling waste paper. In general, it does not occur in the medium. In contrast, paper machines are usually operated in neutral to weakly acidic media, so the negative force of repulsion is reduced. Drainability of paper stock suspensions prepared using waste paper is generally low. Therefore, in practice, auxiliaries known as drainage aids or retention aids are often used. Retention aids are understood by the person skilled in the art to be substances which bind fine fibers and fillers to long paper raw fibers (long fibers). This binding of the short fibers and the filler to the long fibers prevents the fine fibers from forming one type of fleece which makes draining the paper stock suspension difficult. In this way, the retention aid improves drainage by binding fine fibers to long fibers. Retention aids are of three groups: inorganic substances such as aluminum sulphate or sodium aluminate; synthetic substances such as polyethyleneimine, polyamines or polyacrylamides; and modified natural substances such as positive starch (cationic). starch) etc. The way in which retention aids work is based on binding fine fibers and fillers to the fibers of the paper. An important mechanism in this regard is that a polyelectrolyte of suitable chain length can bridge the gap between the two particles, thus promoting the formation of aggregates. Therefore, JL Hemmes et al. Reported that cationic polyelectrolytes, such as positive starch, are suitable as scavengers for scavengers of anionic impurities. (Vo pierfabrikation), 1993, pp. 163-170). In summary, according to the current state of general knowledge of a person skilled in the art, the use of cationic auxiliaries on the one hand to improve neutrality and acidity medium, on the other hand to improve drainage and retention results in Can be said to represent the conditions that promote the aggregation of With respect to the sticky substance problem mentioned above, this means that those skilled in the art logically consider those conditions as suitable for the production of a sticky substance. Temperature plays another important role in controlling sticky substances. The reason is that many adhesives belong to a thermoplastic resin (hot melt) whose tackiness increases with temperature. Furthermore, it has been pointed out that the development of undesired properties of sticky impurities in the production and processing of paper depends in many respects on various parameters which are not yet well known (Her el Baumgarten). , See the aforementioned article, page V122, left column). Impurities that are not normally harmful can be transformed into sticky impurities by the cooperation of mechanical, chemical and thermal influences during the manufacturing process (B. Brattka, Volk Henbratt Fuhr Papier Fabrika Zion, 1990, pp. 310-313). Various methods are known to prevent the development of the negative properties of sticky impurities for the process of making paper. In this regard, treatment methods which suppress the sticking (precipitation) of sticky substances with auxiliaries and reduce the problems caused by stickiness to technically acceptable levels are of particular importance to the person skilled in the art. . Hereinafter, a method based on this processing method will be referred to as an SDC (stickies deposition control) method. U.S. Pat. No. 4,923,566 describes a method of controlling sticky substances with urea. According to the teaching of U.S. Pat. No. 3,081,219, control of sticky material in sulfite pulping of wood is accomplished with N-vinyl-2-pyrrolidone. Attempts have also been made to control sticky substances by adding bentonite, diatomaceous earth, and the like. This well-known treatment method is based on the idea of introducing into the surface microparticles capable of binding tacky substances (US Pat. No. 3,081,219, column 1, columns 40-44). See line). Another method is based on the addition of sequestering agents such as polyphosphates (see US Pat. No. 3,081,219, column 1, lines 45-50). Finally, it has also been attempted to use various dispersants, such as the sodium salts of sulfonated formaldehyde / naphthalene condensates, but this gives rise to problems at neutral pH values and, with cationic auxiliaries, This results in unfavorable interactions (see US Pat. No. 3,081,219, column 1, lines 51-58). U.S. Pat. No. 4,744,865 describes the SDC process, which is said to reduce sticky impurity agglomeration by polymers containing methoxy groups. U.S. Pat. No. 4,871,424 relates to the SDC method using polymers containing hydroxyl groups. However, the only polymers explicitly disclosed are cellulose derivatives, such as hydroxypropylmethylcellulose, and polyvinyl alcohol obtained from polyvinyl acetate by hydrolysis or partial hydrolysis. Finally, according to G. Galland and F. Julien Saint Amand, the primary acrylate sticky material was removed by flotation in an alkaline medium in the presence of soap. (EUR. Comm. Communities 14011, 1992, pp. 235-243). However, due to its nature, this treatment method cannot contribute anything to solve the problem of secondary tacky material. DESCRIPTION OF THE INVENTION Overall, the prior art in this field is extremely heterogeneous and there is still a need to develop fully satisfactory methods for controlling sticky substances. Observations by Herr Baumgarten: "Observing the problem of" sticky impurities "in wastepaper ... not only the manufacturers of wastepaper recycling plants, but especially-mostly containing polymers-paper refining and The chemical industry, as a manufacturer of paper processing aids and a supplier of raw materials, is responsible for providing close support to the paper industry (Das Pappier, 1984, No. 10A). V 124) ”is still relevant today. Therefore, there is always a need for a solution that can be a new alternative to the problem of controlling sticky substances in the production of paper. Therefore, the problem to be solved by the present invention is to provide a method for controlling the adhesion of sticky impurities during the production of paper and avoiding the problems of known methods. This method can be generally applied to various kinds of tacky impurities, and in particular to pressure-sensitive adhesives, dispersion adhesives and hot melt adhesives (hot melts). Is. In addition, the auxiliaries used in this process must be biologically safe and therefore meet the ever increasing importance of ecological requirements in the paper processing industry today. Finally, the problems to be solved by the present invention include, inter alia, the problems caused by secondary tacky substances. According to the invention, an effective amount of a derivative of natural starch (original starch) is added to the paper stock suspension, which is used to remove sticky impurities (sticky substances) from the paper stock suspension during the production of paper. The above-mentioned problems have been solved by the method of controlling the adhesion. Accordingly, the present invention relates to a method for controlling the adhesion of sticky impurities (sticky substances) from a paper stock suspension during the manufacture of paper, wherein an effective amount of a natural starch derivative is suspended in the paper stock. It is characterized by being added to the liquid. The method of the present invention is generally applicable to various types of tacky materials. However, it is particularly suitable for solving the problems caused by pressure-sensitive adhesives, dispersion-based adhesives and hot melt adhesives (hot melts). In one preferred embodiment, the method of the present invention is applied to a paper stock suspension made from waste paper or from a paper product containing waste paper components. Natural starch derivatives are understood to be the products obtained by chemically derivatizing natural starch. Degradation products from heating, hydrolysis or enzymatic amylolysis (starch degradation) of native starch are not included within the scope of this definition. Basically, the type of chemical derivatization is not particularly limited, but esterification, etherification and acetylation products of natural starch and cationized starch are preferred starch derivatives. Basically, the type of natural starch used to make the degradation products suitable for use in the present invention is not particularly limited. For example, potato starch, corn starch (corn starch), rice starch or canna starch and the like can be used as starting materials. However, it is particularly preferred to use derivatives of potato starch. Furthermore, it has been found that the effectiveness of natural starch derivatives suitable for use in the present invention can be improved by further carrying out the process in the presence of cellulose derivatives. Particularly preferred cellulose derivatives are carboxymethyl cellulose, methyl hydroxypropyl cellulose and mixtures thereof. The invention also relates to the use of natural starch derivatives for controlling the deposition of sticky impurities (sticky substances) from paper stock suspensions during the manufacture of paper. The fact that cationic starch is a suitable auxiliary for controlling sticky substances was also surprising from the above-mentioned reference by Yacht El Hemes. The reason is that for the person skilled in the art, the teaching of the above-mentioned document is that polyelectrolytes such as cationic starches can act as scavengers of anionic impurities. However, there is no suggestion in the literature of Yacht El Hemes et al. That cationic starch would be suitable for the SDC method. European Patent Application Publication (EP-A2) 335575 shows the same direction as a document. In this application, cationic starch is the standard drainage aid in papermaking and that cationic polymers are very commonly used as drainage and / or retention aids: "Drainage and / or It is standard practice to incorporate a cationic polymer into the raw material to be drained in order to improve the retention (page 2, lines 12-13). In order to prepare the drainer, we often add inorganic substances, such as aluminum oxide, talc or bentonite, which can minimize the problems associated with sticky substances: "... the usual method of preparing drainers is pulping. Or by adding inorganic substances, such as alum, talc or bentonite, in the concentrated raw material stage, which treatment may have the effect of minimizing problems with pitch and other sticky substances. (Page 2, lines 6-9) ". In principle, the method according to the invention is suitable for controlling the adhesion and tackiness of different types of sticky substances, ie sticky substances differing in their chemical and physicochemical properties. However, an advantage of the method of the present invention is that it is particularly applicable to pressure sensitive adhesives and hot melt adhesive (hot melt) adhesive materials. In principle, the native starch derivative of the present invention can be added at any part of the overall papermaking process. These are added in the form of either solid particles or an aqueous solution or dispersion. The particular effective amount of natural starch derivative required depends on the extent to which the waste paper or paper product containing the waste paper component to be treated contains tacky impurities. However, in general, the natural starch derivatives of the present invention are used in an amount of 0.001 to 5.0% by weight, preferably 0.1 to 1.0% by weight, based on the pulp raw material. The present invention is illustrated by the following examples, but the present invention is not limited thereto. Example 1. Substances and materials used 1.1. Polymer a) MHPC: methyl hydroxypropyl cellulose (MHPC50, a product of Aqualon) b) AcKS: acetylated starch (Collofilm-AC, a product of Bassermann & Co.) c) SKS: Weakly cationized starch (Fibraffin K) d) HKS: highly cationized starch (Emcat C50, product of Emsland Starke) 1.2. 1. Pressure sensitive adhesive a) styrene / butadiene b) vinyl ester c) acrylate 2. Denaturation test 2.1. Method Principle The applied denaturation test is known in principle to the person skilled in the art from US Pat. No. 4,886,575 and the above cited reference by B. Bratzka (cited reference page 311). In this test, the selected adhesive tape is immersed in an aqueous solution containing the substance to be tested. Subsequently, the tapes are attached to each other under certain conditions, and the remaining adhesive force is measured with a universal material testing machine. 2.2. Detailed Test Procedures Solutions of various polymers were prepared in 200 ml volumes and placed in 200 ml glass beakers. Subsequently, the various adhesive tapes were immersed in the solution for exactly 30 seconds. The tape was then dried for 4 hours at a temperature of 23 ± 1 ° C. Then two tapes treated in the same way were attached to each other. The applied pressure was adjusted by the press to a constant value of 1 N / mm 2 . The adhesive tape, which has been separated at one end by inserting two release papers, is clamped in a universal tester (similar to the "Angle Peel Test" according to German Industrial Standard (DIN) 53282). , At a rate of 250 mm / min. The peel force measured as a function of the selected concentration of polymer is shown in the table below. Peel force can be thought of as an indication of the ability of a particular polymer to have a controlled effect on the formation of a tacky substance: the weaker the force measured, the more the tapes stick to each other, and The polymer more effectively prevents the agglomeration of the adhesive particles (which ultimately causes the sticky material problem). The values shown in the table represent average values of 5 measurements. Comparative Example 1 Example 1 Example 2 Example 3 2.3. Examination of Results From the above table it is clear that better results are obtained with the native starch derivatives of the present invention than with MHPC (which is structurally very close to the natural polymers known from the prior art). is there. The advantages afforded by the polymers of the present invention were unforeseeable in extent, and it has been shown that modified starch behaves quite differently from modified cellulose.
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(72)発明者 カープス、ディーター
ドイツ連邦共和国 デー―51375 レーヴ
ァークーゼン、ジュルダーシュトラアセ
15番─────────────────────────────────────────────────── ───
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(72) Inventor Carps, Dieter
Federal Republic of Germany Day 51375 Rave
Arksen, Jürder Straße
No. 15