JPH08508519A - ポリケトンポリマー、ポリケトン製品及びこれらの調製法 - Google Patents

ポリケトンポリマー、ポリケトン製品及びこれらの調製法

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JPH08508519A JP6519549A JP51954994A JPH08508519A JP H08508519 A JPH08508519 A JP H08508519A JP 6519549 A JP6519549 A JP 6519549A JP 51954994 A JP51954994 A JP 51954994A JP H08508519 A JPH08508519 A JP H08508519A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、240℃を超える融点及び0.3〜2.5dl/gの固有粘度を持つ、エテン単位と一酸化炭素単位から成る交互するポリケトンポリマーに関し、ポリマーは、融点を超えて加熱され、そして室温まで冷却された後に、ポリマー中の結晶相の少なくとも40%がα構造を持つように、添加剤なしで安定であることが分かった。好ましくは、そのようなポリマーは、メタノールの存在下、パラジウム錯体含有触媒を使用することにより得られ、そして得られたポリマーはメタノール及び/又は2,4‐ペンタンジオン中で洗浄され、そして/又はポリマーに対して不活性である溶媒中で結晶形態に転換される。好ましくは、反応物は、反応器の内容物の下側半分、とりわけ反応器の底部付近又は底部に加えられる。とりわけ、本発明に従うポリマーは、溶融加工により製品を作るために大いに適している。本発明は従って、結晶相の少なくとも40%がα形を持つところのポリケトンポリマーの溶融加工されたフィルム及び繊維、及びそのようなフィルム及び繊維を用いて製造された製品に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリケトンポリマー、ポリケトン製品及び これらの調製法 本発明は、240℃より高い融点及び0.3〜2.5dl/gの固有粘度を持 つ、一酸化炭素単位とエテン単位から成る交互するポリケトンポリマー、その製 造法、それから作られた製品、及び溶融加工によりそのような製品を作るための 方法に関する。 上記のようなポリマー、製品及び方法は、米国特許第4,892,697号明 細書から公知であり、該明細書中において、一酸化炭素及びエテンの交互するコ ポリマーは270℃に真空下で加熱され、そして成形されてフィルムを形成する 。実験の記載中に、ポリマーフィルムが、劣化を減じることを試みて、真空下で 作業することにより形成されることが言及されている。 欧州特許第310,171号公報は、一酸化炭素単位とエテン単位から成る交 互するポリケトンポリマーを溶融紡糸する方法を開示するが、そのような方法の 実行について何等の情報をも提供していない。 欧州特許第360,358号公報は、エテン/一酸化炭素コポリマーから溶融 紡糸されたところの繊維を開示している。しかし、ポリマー、その調製法、繊維 の製造及び結果についての情報は、全く欠けている。 ポリマーの純粋な形態において、その融点と285℃の 間の温度にさらされるとき、単に僅かな劣化を受けるか又は全く劣化を受けず、 また加えて、溶融加工により製造された製品が非常に好ましい性質を持つであろ うような分子構造を持つところの、交互する一酸化炭素単位とエテン単位から成 るポリマーが今、発見された。 この交互する一酸化炭素単位とエテン単位のポリマーは、240℃を超える融 点及び0.3〜2.5dl/gの固有粘度値を持ち、そして、少なくとも257 ℃に60秒間加熱し、次いで室温まで冷却した後に、純粋なポリマーにおいて結 晶相の構造の少なくとも40%がα形を持つことを特徴とする。 ポリケトン‐c2のα形は、ビー.ジェー.ロメーツ(B.J.Lommerts)、イー .エー.クロップ(E.A.Klop)とジェー.エールツ(J.Aerts)著、ジャーナル オブ ポリマー サイエンス(Journal of Polymer Science)、パートB、第 31巻、第1319〜1330頁、1993年に開示されている。 請求項の前段に示されたタイプのポリマーは、以下においてポリケトン‐c2 と言われる。本発明のポリマーは、添加剤、例えば安定剤、充填剤等を有利に含 むことができるけれども、それがそのような添加剤をどれも含まないとき、そし て従って、それがその純粋な形態であるとき、それはその結晶相中に少なくとも 40%のα構造を示す。ポリマー調製から残存するポリマーに対する異物、例え ば残存する触媒又は溶媒が、本明細書中で述べられる純粋なポ リケトン‐c2中になお存在し得るけれども、純粋なポリマーという言葉は本明 細書中で、添加剤、例えば安定剤又は他のポリマーを含まないところのポリケト ン‐c2を意味する。一般に、そのような物質は、非常に微小な量、即ち100 ppmより少ない量で存在し、好ましくは、それらは全く存在しない。なんらか の溶媒がポリマー中になお存在し得る。好ましくは、2重量%より少なく又は1 重量%より少なく存在し、あるいは全く溶媒が存在しない。 従って、ポリマーは、その純粋な形態において次の方法に従って試験される。 結晶相中のα構造の割合は、純粋なポリマーのX線分析により測定される。この 目的で、二つのホットプレートが、ポリマーが加熱されるべき温度(少なくとも 257℃)を約5度超える温度に加熱される。次いで、ポリマーの5gが、二つ のホットプレートの間で60秒間(一度に、あるいは30秒間と30秒間の間で 脱気を可能にするために30秒間を二度で)加熱される。該加熱後、ポリマーは 空気中で室温まで冷却される。このようにして得られた生成物は、以下に述べる 方法で測定されるそのX線パターンを持つ。もし、ポリマーに対する異物、例え ば溶媒が存在するなら、調べられるべき物質のX線パターンが測定され、その後 、ポリマーに対する異物のX線パターンが、調べられるべき物質のX線パターン からそれ自体公知の方法で差し引かれる。残ったパターンはポリマーのものであ る。 X線パターンを述べるために、エッチ.エム.ヒューベ ル(H.M.Heuvel)及びアール.フイズマン(R.Huisman)著「ナイロン6糸のラ ジアルX線回折計スキャンの記述のための5線モデル(Five-Line Model for th e Description of Radial X-Ray Diffractometer Scans of Nylon 6 Yarns)」 、ジヤーナル オブ ポリマー サイエンス(Journal of Polymer Science): ポリマー フィジックス エディッション(Polymer Physics Edition)、第1 9巻、第121〜134頁、1981年において述べられた5線ピアソン(five -line Pearson)VIIモデルが使用される。 次に、ポリマーの結晶部分がα構造を持つかどうか、そしてもし持つなら、ど の程度持つかが調べられる。 本明細書で言われるα構造は、21.43〜21.73度(110反射)、2 5.30〜26.00度(200反射)、及び30.75〜31.55度(21 0反射)の範囲で2θ値を持つピーク強度から得られる。α形を持つ百分率は、 α及びβ構造の200及び210反射に対応するピークの下の面積の合計に対し てα構造の200及び210反射に対応するピークの下の面積の百分率を決定す ることにより計算され得る。 このβ構造は、21.50〜21.80度(110反射)、21.60〜23 .00度(200反射)、及び28.60〜29.70度(210反射)の範囲 内で2θ値を持つピーク強度から得られる。 ポリマーの結晶相のより大きい百分率がα構造を持つとき、それはポリマー製 品に加工されるためにより適してい る。好ましくは、ポリマーの結晶相の少なくとも55%がα形を持つであろう。 より好ましくは少なくとも65%、そして最も好ましくは90%超がα形を持つ であろう。 ポリケトンポリマーが、60秒間少なくとも270℃に、とりわけ少なくとも 275℃に加熱され、そして室温まで冷却された後、有利には、ポリケトンポリ マーは、少なくとも40%、とりわけ少なくとも65%又は90%を超るα形結 晶相構造をなお示す。 この新規なポリマーは、その融点以上に加熱されるとき殆ど劣化を受けず、そ してそれ故、溶融加工により製品を造るためにおおいに適している。今発見され たポリマーは、その融点以上に加熱され、そして次いで、その溶融状態において 、鋳込み、圧縮成形、押出し加工、カレンダー加工、及びポリマー加工分野にお いて公知の他の成形技術により成形されることにより製品に変えられ得る。 α構造が結晶相の少なくとも40%まで示さないところの交互するポリケトン は、その機械的及び他の性質が使用されるべきそのようなポリマーの製品を可能 にすべく十分には高くないので、製品に溶融加工するために余り適していないこ とが分かった。 本発明に従うポリマーは、なかんずく、欧州特許第121,965号公報、欧 州特許第181,014号公報、及び欧州特許第391,579号公報中に述べ られたようなパラジウム含有触媒の存在下において一酸化炭素とエテンの混合物 を重合することにより調製され得る。ポリマーを 調製するための適切な触媒は、パラジウム、ニッケル又はコバルトの金属塩、好 ましくはパラジウム塩例えば酢酸パラジウムを、2より小さいpKaを持つ酸の アニオン及び二座のホスフィンと反応させることにより得られる錯体を包含する 。1,3‐ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン及び1,3‐ビス[ジ(2‐ メトキシフェニル)ホスフィノ]プロパンから選ばれる二座配位子及び該酸のア ニオンとしてパラ‐トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、又は例えば欧州特 許第314,309号公報中に述べられたようなホウ酸誘導体のいずれかを含む それら触媒が、本発明に従うポリケトン‐c2の製造のために特に適することが 分かった。 好ましくは、しかし、何らかの強力なブレンシュテッド酸の使用は避けられる 。ポリマーを調製することに使用される溶媒がメタノール又は酢酸であるとき、 本発明に従う非常に好ましいポリマーが得られる。 重合方法は、1000〜7000kPa、更に特には2000〜6000kP aの圧力、及び20〜120℃、より特には50〜100℃の温度で好ましく実 行される。反応の速度は圧力を上昇することにより改善され得るけれども、非常 に高い圧力での操作はコストの増加に鑑みて余り経済的ではないことが分かる。 もし、エテンと一酸化炭素ガスが反応器中の内容物の下側半分に加えられる方 法が使用されるなら、反応収率の重大な改善が見出される。もし、反応物のため の入口が反応 器の底部近辺あるいは底部にあるなら、最適な結果が得られる。その方法により 、エテンと一酸化炭素ガスの気泡は、反応器中に存在するポリマー及び触媒を含 むスラリーを通って渦を巻き、そしてガスは更に、強力な攪拌によりスラリー全 体に分配され得る。懸濁物の粘度が高い水準まで増加するけれども、この方法に より重合速度の減少が生じないことが分かった。 ポリマー製品の安定性、及びポリマー中のα構造の量の安定性は、もし、この 方法が使用されるなら、明らかに改善されることが分かった。また、得られたポ リマーの分子量分布は、ガスが反応器の頂部に、あるいは反応器中の懸濁物の液 面のすぐ下にのみ添加されるところの普通の方法と比較して減じられる。更に、 ポリマーの分子量は、改善された方法の使用により著しく増加され得る。方法の 更なる改善及びそれから得られる利点は、スラリーを通して連続的にエテン及び 一酸化炭素を循環することにより得られうる。この目的で、ガス混合物は、反応 器の頂部から、例えばポンピングにより除去され、そして続いて反応器の底部に 送り込まれる。循環方法において、スラリーを通してポンプ移送される全ガス流 量は、重合反応により消費されるガス量の少なくとも5倍であることが好ましい 。 反応器中の圧力を維持するために、エテン及び/又は一酸化炭素又は連鎖移動 反応を起すガス又は反応混合物に対して不活性なガス又はそれらの混合物が、循 環ガス混合物とは別に又は一緒に加えられ得る。反応器中のスラリーを 通過するガスの分散がより良好になればなるほど、上記の改善がより大きくなる であろう。 ポリマーの分子量が0.5dl/gの固有粘度を超えることを所望するなら、 好ましくは、エテンガスの僅かな過剰が使用される。 他の好ましい実施態様において、反応方法は、連続方法として実行される。そ の実例は、管状反応器手段、ループ式反応器手段、カスケード式連続攪拌槽型反 応器、又は他の手段の使用において見出される。もし、反応器の底部付近又は底 部にガス入口配管を持つところのカスケード式反応器手段より成る連続方法が使 用されるなら、60秒間265℃の温度に加熱されそして室温まで冷却された後 に、結晶相中にα構造の非常に高い割合を含む非常に安定なポリマーが得られる ことが分かった。 本発明に従うポリマーを調製するための方法の好ましい実施態様によれば、ポ リマーがオートクレーブから取出された後、ポリマーから汚染物を除去する最大 の可能性がある。この目的で、0〜80℃、好ましくは0〜40℃のメタノール 、あるいは80〜140℃、好ましくは80〜120℃の2,4−ペンタンジオ ンでポリマーは十分に洗浄され得る。あるいは、洗浄剤の組成に依存して、0〜 120℃の温度においてこれらの化合物の混合物で洗浄され得る。該洗浄液のい ずれか一つ又は組合せを使用して数段階の洗浄が実行されるとき、より好ましい 結果が更に得られうる。ポリマーが反応から得られた後、直ちに又はもっと 後の時点に、洗浄がなされ得る。 他の方法によれば、ポリマーが洗浄された後、又は洗浄されずに、ポリマーが 、ポリマーに対して不活性な適切な媒体、例えばベンジルアルコール又はプロピ レンカーボネートから再結晶されるとき、良好な結果が得られる。この方法は、 安定性が特定の目的のために所望される程高くないところの本発明のポリマー物 質のため、例えば55%より少ないα形を持つポリマー物質のためにとりわけ適 している。 洗浄及び/又は再結晶の後、あるいはもし、洗浄が行われないなら、反応器か ら濾過して取り出した後、ポリマーは、好ましくは真空下又は窒素ガス下におい て乾燥される。ポリマーは、0〜80℃、好ましくは0〜40℃の温度で有利に 乾燥され得る。最適な乾燥温度は乾燥されるべきポリマーの純度に依存すること が分かった。 採用されるポリケトンの固有粘度は、0.3〜2.5dl/g、より特には0 .5〜2.3dl/g、好ましくは0.8〜2.0dl/gである。 [η]としてまた示されるポリマーの固有粘度は、下記式 により決定され、そして従って、流過時間tとt0の比を示し、ここで、t0及び tは、25℃でのキャピラリー粘 度計中における溶媒及びポリマー含有溶液の夫々の流過時間を表す。この決定に おいてcは、1デシリットル当りのグラムで表現されたメタ‐クレゾール中のポ リマー濃度を表す。 先行技術に従うエテン単位と一酸化炭素単位から成る交互するポリケトンに関 して、ポリマーの結晶部分の0〜100%がα構造を示すことができるが、該α 構造(存在する場合)は、ポリマーがその融点以上に加熱された後に冷却される と再び現れない。分子鎖が欠陥を示すとき、ポリマーが室温まで冷却されるとα 構造はもはや形成されないことが分かった。そのような欠陥は、ポリマーの融点 以上に加熱することによるポリマーの劣化から生じ、ここでポリケトン‐c2の 融点は一般に、240℃を超え、そして通常252〜260℃の範囲である。従 来技術に従うポリマーに関して、そのような劣化は、良好な安定剤が存在してさ え、生ずることが分かった。 殆どの場合に、加熱そして室温までの冷却後にポリマーの軽い劣化があるとき に見出されるポリマーの結晶相の好ましくない構造は、β構造であろう。同様に 、鎖の結晶構造は、溶融結晶化した後にそれがα構造を形成できないように、エ テン/一酸化炭素以外の単位、例えばプロペン/一酸化炭素単位の存在により乱 されるであろう。本発明に従うポリケトン‐c2は、ポリマー中に存在するエテ ン単位の量に基いて計算して2〜3%より多いプロペン単位を含まないであろう 。ポリマー中のプロペン単位のより多い 量の存在は、ポリマー構造がα形をもはや殆ど含まないであろうように分子鎖を 乱す。 明らかに、ポリマーがその融点以上に加熱されるとき、適切な安定剤の添加は 、生じる劣化を更に少なくするであろう。安定剤、例えば酸化防止剤、酸捕捉剤 、何らかの他の適切な安定剤、又はそれらの混合物が添加されたポリマーに関し て、ポリマーがその融点を超えて加熱された後、より多くの百分率がその結果、 α形を持つであろう。 一般式M10(PO46(OH)2に従うもの(ここで、Mはバリウム、スチロ ンチウム又はカルシウムを表す)、酸化防止剤及び/又は他の酸捕捉剤が安定剤 として適切である。 本発明に従うポリマーのための適切な安定剤の例は、少なくとも一つ以上の酸 捕捉剤及び/又は一つ以上の酸化防止剤が少量添加されているカルシウムヒドロ キシアパタイト(Ca10(PO46(OH)2)である。適切な安定剤の例は、 カルシウムヒドロキシアパタイトに加えて、エポキシ化合物のような酸捕捉剤、 例えばシェル社(Shell)からのエポン レジン(Epon Resin)DPS‐14又 はダウケミカル社(Dow Chemical)からのDEN 444のような樹脂、及び/ 又はヒンダードフェノールの酸化防止剤、例えばイルガノックス(Irganox)1 010、エタノックス(Ethanox)330又はエタノックス398;ヒンダード フェノールとホスファイトの組合せ、例えばイルガノックスB 215(チバ‐ ガイギー社(Ciba-Geigy)製);又は ヒンダードフェノール、ホスファイト及びエポキシ化合物の組合せ;アルキル化 ジフェニルアミン、例えばユニロイアル ケミカル社(Uniroyal Chemical)か らのナウガード(Naugard)445又は芳香族ポリカーボジイミド、例えばレイ ン ヘミー コーポレーション(Rhein Chemie Corp.)からのスタボキソール( Staboxol)Pを含む。非常に好ましい結果は、0.5〜4重量%のカルシウムヒ ドロキシアパタイト、0〜1重量%のイルガノックス B 215、及び0〜1 重量%のDEN 444の添加により得られうる。 加えて、特定の性質を改善するために、他の補助剤がポリマーに添加され得る 。好ましくは、ポリマーは、非重合体物質を10重量%より少なく、より特には 5重量%より少なく含む。 本発明に従うポリマーを使用することにより、任意的に安定剤の存在下におい て、265℃以上の温度でポリマーを成形することにより製品を作ることができ 、得られた製品が室温まで冷却された後、ポリマーの結晶相の少なくとも40% がα形を保有する。好ましくは、製品は270℃以上の温度で溶融加工され、こ こで製品が作られたところのポリマーの結晶相の少なくとも40%がα形を持つ 。265℃、より特には270℃の温度にポリマーを加熱することは、とりわけ 剪断応力が加えられるとき、結晶化のための存在する何らかのポリマー核を実質 上消滅させるであろうことが分かった。これは、とりわけ固体状態における 製品、例えばポリマーから作られた繊維の引張特性に関して有利であることが分 かる。 もし、ポリマーが、少なくとも60秒間270℃に加熱された後に、少なくと も80%のα形を持つなら、最も所望されるポリマーが見出される。ここで、加 熱手段は、該温度を5℃超える出発温度を持つ。 本発明に従うポリケトン‐c2ポリマーは良好な物性を持つ製品に溶融加工さ れ得る故に、ポリマーは少なくとも一つの寸法が非常に小さい大きさである製品 に溶融加工されるために特に適している。そのような製品の例は、フィルム、テ ープ、中空繊維及び繊維を含む。 例えば、強度及びモジュラスに関して、少なくとも一つの方向における寸法が 200μmより小さく、また結晶相の少なくとも40%がα形であるところの溶 融加工されたポリケトン‐c2製品は、より低い百分率のα構造を持つ製品より 明らかに優れていることが分かった。 従って、本発明はまた、少なくとも一つの方向における寸法が200μmより 小さく、かつ0.3〜2.5dl/gの固有粘度を持つ、交互する一酸化炭素単 位とエテン単位のポリケトンポリマーの製品に関し、ポリマーはその融点以上の 温度で成形されることにより得られたものであって、そしてポリマーの結晶相の 少なくとも40%がα形であることを特徴とする。 結晶相の少なくとも40%がα形であるポリマーから溶融加工されるところの 、二つの方向において60μmより 小さい寸法を持つ製品、例えば繊維は、とりわけ重要である。溶融加工により作 られるそのような寸法の製品に対する明らかな需要があったけれども、今までそ れらを作ることはできなかった。 その融点以上でかつ285℃未満の温度、好ましくは約270℃に適切なポリ ケトン‐c2ポリマーを加熱すること、紡糸ポンプを使用して多数の小さなオリ フィスを備えたプレートを通してポリマーを押出すこと、そして任意的に延伸さ れる前又は後に、得られた押出し物を冷却することにより、そのような製品を作 ることが今可能である。多くの場合において、α構造にあるポリマーの割合が、 延伸の結果としてβ構造にあるポリマーを失って増加するであろう。 延伸された製品は好ましくは、0.2%より小さい伸度において、1.10〜 26.5N/tex、より特には3.8〜19N/texの初期モジュラスを持 ち、そして250〜1500mN/tex、より特には500〜1500mN/ texの引張強度を持つ。好ましい実施態様において、製品は、少なくとも60 0mN/texの強度を持つ繊維フィラメントであり、とりわけ少なくとも5. 5N/texあるいは少なくとも6.9N/texの初期モジュラスを持つ繊維 である。 優れた方法は更に、上記方法の実施から得られた製品をその元の長さの少なく とも3倍にまで延伸することにより達成される。延伸は好ましくは、第一延伸段 階のために好 ましくは180〜250℃の温度に設定されている延伸中の熱伝達媒体を用いて 、高められた温度で実行される。得られた製品の融点は、延伸の結果として増加 される。任意的な更なる延伸段階のための温度は、更に延伸されるべき製品の融 点により決定され、そして好ましくは180℃から延伸されるべき製品の融点マ イナス10℃の範囲であろう。最大延伸温度が265℃を超えないことが好まし い。好ましくは、製品は、少なくとも3段階で延伸される。少なくとも5回、そ して好ましくは9回より多くポリマーを延伸することにより、工業的用途のため に更により良い性質を持つ繊維が得られる。そのような繊維が主として構成され ているポリマーの結晶相が分析されるとき、その少なくとも55%、より特には 70%、更により特には80%、及び好ましくは94%を超える量がα‐構造を 示す。 非常に小さな大きさの一つ又は二つの寸法を持つポリケトン‐c2製品、例え ば繊維、フィルム又はテープであって、これら製品が作られるポリマーは全てα 構造を持つところの製品は、自体公知である。そのような製品は、ポリマーがそ の融点以上の温度に加熱されることなしに、交互するエテン単位と一酸化炭素単 位のポリマーを適当な溶媒に溶解することにより作られた。しかし、採用される 湿式紡糸又は湿式注型方法は、得られた製品が多くの主要な工業的利用分野にと って非常に高価であることをもたらすところの支配的な経済性の欠点を伴う。 好ましい性質、例えばゴム及びポリ塩化ビニルに対する ポリケトン‐c2ポリマーの優れた接着性、及び経済的に有利な製造法の組合せ の故に、少なくとも一つの方向において200μmより小さい寸法を持つ本発明 に従う製品は、例えば積層品中の、及びより特には柔軟な複合体、なかんずく機 械的ゴム製品、例えば自動車タイヤ、コンベアーベルト及びゴムホース、及び例 えば塩化ビニルを含む複合体のための強化物質として使用するためにとりわけ適 していることが分かった。強化物質の非常に好ましい価格/性能比はまた、その ように強化された機械的ゴム製品、例えば自動車タイヤの改善された価格/性能 比に寄与する。 本発明は、下記の実施例に関して更に説明される。これらの実施例において、 引張強度、初期モジュラス(IM)及び最大モジュラス(MM)は、インストロ ン(Instron)型試験機において単一のフィラメントを破壊することにより得ら れた。単一の破壊されたフィラメントに関してゲージ長さは約100mmであっ た。試験伸び速度は、10%/分であった。1988年4月に出版されたAST M D 2256‐88中に定義されているような引張強度、伸び及び初期モジ ュラスは、荷重‐伸び曲線から得られた。最大接線モジュラスは、0.2%を超 える伸びに関して応力‐歪曲線の勾配の最大角度として決定される。延伸速度が 示される場合に、100%/分は、延伸が30mm/分の速度で起ることを意味 する。 実施例I 触媒混合物は、室温で、そして連続して振とうすること により100ミリリットルのメタノール中に36.8mgの酢酸パラジウム(II )、68.8mgの1,3‐ビス‐ジフェニル‐ホスフィノ‐プロパン及び63 .4mgのパラ‐トルエン‐スルホン酸を溶解することにより調製された。 交互するポリケトンコポリマーの調製は下記のようであった。即ち、 触媒混合物が、6.4リットルオートクレーブに仕込まれ、その上で、340 0ミリリットルのメタノールが加えられた。反応器は、500kPaの窒素圧力 及び大気圧とを交互に持つことにより3回フラッシュされた。最後のフラッシン グの後、反応器圧力は、一酸化炭素とエテンの混合物(モル比1:1)を加える ことにより約4100kPaにされた。次に、反応器内容物は85℃まで加熱さ れ、そして16時間83℃で保持され、その時間の間、攪拌を伴って、一酸化炭 素とエテンの間の反応が起った。反応器内圧力は、反応の最初において4730 kPa、そしてその終結において約3510kPaであった。反応器中の圧力は 、加えられる一酸化炭素とエテン混合物の量を制御することにより調節された。 混合物中の一酸化炭素とエテンのモル比は、常に1:1であった。 反応の終結において、反応器の内容物は、約30℃に冷却された。そして、気 体シールドが放出された。反応器は、窒素で3回フラッシュされた。そして、そ の白濁した内容物がビーカーに移され、そして次いで、直ちに濾過された。 フィルター上に残ったフィルターケーキは次に、ほぼ室温のメタノールの約3リ ットルで洗浄された。次に、フィルターケーキは、約70℃で真空下に乾燥され た。乾燥時間は、60時間であった。 ポリマーの一部が、12時間、室温で、エレンマイヤー(Erlenmeyer)中にお いて重量比10でメタノールとポリマーをすすぐことにより、メタノールで再び 洗浄された。ポリマーは、フィルター上で脱液され、そして続いて6時間、65 ℃で真空下に乾燥された。 0.57dl/gの固有粘度及び380kg/m3のかさ密度を持つポリケト ン‐c2ポリマーの600gがこの方法において得られた。 このように得られ、洗浄され、しかし安定化されていないポリケトン‐c2ポ リマーは、二つの257℃のホットプレートの間で成形された。次に、成形され たフィルムは、プレートからはずされ、そしてゆっくりと空気中で冷却された。 得られた製品は乳白色であり、これは、ポリマーの劣化がないことを示している と考えられる。 得られたフィルムは、120μmの厚みを持っていた。このフィルムは、幅3 mm、長さ60mmの細片に裁断され、それは次いでX線分析にかけられた。 上記で明示したようなX線分析は、次のピークを与えた。 α形を持つポリマーの結晶相の割合は従って0.435であり、それは43. 5%に相当する。 ポリケトン‐c2細片は、245℃でそれらの元の長さの約8倍に延伸された 。得られた製品において測定された引張強度は620mN/texであることが 分かり、初期モジュラスは6.8N/texであり、そして破断時の伸びは14 %であった。 製品は変色を受けていなかった。 延伸した繊維のX線分析は、次のピークを与えた。 α形を持つポリマーの結晶相の割合は従って0.83であり、それは83%に 相当する。 換言すれば、α形を持つ結晶相を持つポリマーの百分率は、延伸の結果として 43.5%から83%まで増加した。 実施例II 触媒混合物は、室温でそして連続して振とうすることにより、20ミリリット ルのメタノール中に12.8mgの酢酸パラジウム(II)、24.6mgの1, 3‐ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン及び25.0mgのパラ‐トルエン ‐スルホン酸を溶解することにより調製された。 交互するポリケトンコポリマーの調製は下記の通りであった。即ち、 1.8リットルステンレス鋼製反応器中に、99〜100%の酢酸の660g が仕込まれた。次に、攪拌しながら、窒素を使用して500kPaまで反応器中 の圧力を上昇す ること、そして次いで真空にすることを繰返すことにより、存在する酸素が除去 された。この手順が二度繰り返された。 触媒溶液が、反応器の真空の助けにより反応器に仕込まれた。次に、反応器内 の圧力は、モル比1:1の一酸化炭素とエテンの混合物を加えることにより約2 000kPaまで上げられた。反応器内容物は次に80℃に加熱され、その後、 圧力が一酸化炭素とエテンの1:1のガス混合物を使用して5400kPaに設 定された。2時間後、反応器圧力は、3800kPaに減少したことが分かった 。そして反応器は冷却された。 過剰な圧力は抜かれた。そして、反応器の内容物は濾過され、そして1リット ルの水で洗浄された。次に、フィルター内容物はできる限り多くの水を除去され 、そして次に、48時間、50℃で真空下に乾燥された。この方法において、2 .3dl/gの固有粘度を持つポリマーの27gが得られた。 このポリマーの5.46gが次に、窒素雰囲気下においてそしてオイルバスを 使用することにより206℃で100ミリリットルのプロピレンカーボネート中 に溶解された。得られた溶液は、僅かに曇っており、そして灰色がかった/ベー ジュ色を持っていた。 次に、攪拌しながら、溶液は冷却され、ポリマーの結晶化が生じた。混合物は フィルターを通され、そして200ミリリットルのメタノールがフィルター内容 物に加えられた。この混合物は激しく攪拌され、そして次に濾過された。 メタノールを用いたそのような洗浄は、更に2回繰返された。ここで、3回目の 洗浄の間に、濾過されることに先立って、ポリマーは約14時間メタノール中に そのままにされた。ポリマーは次いで、11ミリバールの圧力で1時間40℃で 乾燥され、そして続いて4時間、40℃で真空下において追加の乾燥を受けた。 得られたポリマーは、257℃の融点を持っていた。 この様にして得られた安定化されていないポリマーの一部は次に、5分間、二 つの260℃のホットプレートの間で成形された。次に、成形されたフィルムは 、プレートからはずされ、そして空気中でゆっくりと冷却された。得られた製品 は透明であり、そして非常に淡い茶色がかった/緑色を持っていた。いかなるガ ス放出もなかったことが分かった。 得られたフィルムは160μmの厚みを持っていた。このフィルムは、幅2m m、長さ60mmの細片に裁断され、それは次いでX線分析にかけられた。 上記で明示したようなX線分析は、次のピークを与えた。 α形を持つポリマーの結晶相の割合は、210反射に相当するピークの下の面 積に基いて計算して0.50(α:(α+β))であった。それ故、これはα構 造の50%より成る。このデータから、長い期間、ポリマーの融点を超える温度 にさらしてさえ、ポリマーの結晶相の実質的な部分がなおα構造を持っていたこ とが明らかである。 ポリケトン‐c2細片は、245℃の温度で延伸された。細片のいくつかはそ れらの元の長さの約4.5倍に延伸され、他はそれらの元の長さの約9.5倍に 延伸された。4.5倍に延伸された製品について測定された引張強度は、300 mN/texであることが分かり、初期モジュラスは2.27N/texであり 、そして破断時の伸びは18.4%であった。 9.5倍に延伸された製品について測定された引張強度は、590mN/te xであることが分かり、初期モジュ ラスは8.33N/texであり、そして破断時の伸びは7.2%であった。 製品は透明であり、そして色彩に関しては、事実上透明ないし非常に淡い茶色 がかった/緑色であった。 重合の顕微鏡検査は明らかな小球体状構造を示すことに失敗した故に、永続す る核は全く存在しないか、又は非常に僅かな量で存在するに過ぎないことが結論 され得る。 4.5倍に延伸された繊維のX線分析は、次のピークを与えた。 α形を持つポリマーの結晶相の割合は従って0.58でり、それは58%に相 当する。 10倍に延伸された製品のX線分析は、次のピークを与えた。 α形を持つポリマーの結晶相の割合は従って0.38でり、それは38%に相 当する。 実施例III ポリマーの調製 交互するポリケトンコポリマーの調製は次の通りであった。即ち、 170リットルのステンレス鋼製反応器は、反応器の底部にガス、なかんずく エテン及び一酸化炭素が反応器に加えられる入口を、及びガス循環システムを備 えていた。125リットルのメタノール及び1.1dl/gの固有粘度を持つ5 00gのポリケトン‐c2が反応器中に仕込まれた。次に、交互に、窒素を用い て500kPaまで反応器中の圧力を上げること、そして次に、真空にすること により、存在する酸素が除去された。この手順が3回繰返された。 反応器は、圧力が50kPaとなるように、入口を経て一酸化炭素を加えるこ とにより加圧された。反応器内のこの減圧を用いて、500ミリリットルのトリ フルオロエタノール中の0.645gの酢酸パラジウム(II)、1.503gの 1,3‐ビス‐ジフェニルホスフィノ‐プロパン及び1.510gのパラ‐トル エン‐スルホン酸の触媒溶液が加えられた。3.2kgを超えるエテンが入口を 経て反応器内に加えられ、そして反応器中の圧力が約1500kPaに上げられ るように、一酸化炭素及びエテンが加えられた。反応器内容物は次に、60℃に 加熱され、圧力は一酸化炭素及びエテンの1:1のガス混合物を使用して210 0kPaに保たれた。この圧力及び温度は、72時間保持された。ガス循環シス テムを使用することにより、反応器の頂部からのガスは、底部にある入口を経て 反応器中にスラリーを通して循環された。1時間当り加えられそして反応された 100〜150m3のガスを含めて、1時間当り17000m3が循環された。反 応器中の懸濁物の増加した粘度にもかかわらず、反応器における生産性の増加が あったことが分かった。 続いて、反応器の内容物は、1mの直径を持つフィルターを用いて濾過され、 そして次いで、125リットルのメタノールで洗浄された。フィルターからの生 成物は、60℃の温度及び0.10kPaの圧力で約70時間、ナウタ(Nauta )ミキサー中で乾燥された。 1.82dl/gの固有粘度及び250℃の融点を持つ 約14kgのポリケトン‐c2生成物が得られた。ポリマーは22ppmより少 ない量のパラジウムを含んでいた。 繊維の調製 このようにして得られ安定化されていないポリマーの一部が次いで、50kN の力の使用により60秒間二つのホットプレートの間で成形された。ポリマーが ホットプレートに加えられたとき、ホットプレートの温度は、試料IIIAのために 270℃、そして試料IIIBのために275℃であった。加圧中、ポリマー及びポ リマー支持プレートがプレートの熱を吸収するために、プレートは少しの熱を失 い、温度降下が約5℃より大きくなかった。次に、成形されたフィルムは、支持 プレートからはずされ、そして空気中で冷却された。得られた製品は透明で、か つ澄んだ白色であり、変色は見られなかった。 そのように得られたフィルムは、約100μmの厚みを持ち、そしていくつか の小さな細片に裁断された。これらの細片は次に、X線分析にかけられた。未延 伸形態におけるIIIA試料は、ポリマーの結晶相の67%がα構造を持つことを示 した。未延伸形態におけるIIIB試料は、54%がα構造を持つことを示した。 次に、試料は、表VI中にλとして示された延伸比に、225℃の温度で1分当 り100%の初期延伸速度で延伸され、そしてα構造を示す結晶相の百分率がX 線分析により決定された。試料IIIAは、8.0のλまで延伸され、そして結晶相 の48%がα構造を示した。試料IIIBのフィル ム細片は、同じ条件で延伸され、結果としてλが5.7であり、かつ得られた繊 維の結晶相の63%がα構造を示した。結果は、以下に示される。 実施例IV ポリマーの調製 交互するポリケトンコポリマーの調製は次の通りであった。即ち、 170リットルのステンレス鋼製反応器に、125リットルのメタノール及び 1.1dl/gの固有粘度を持つ500gのポリケトン‐c2が仕込まれた。反 応器は、反応器の底部にガス、なかんずくエテン及び一酸化炭素が反応器に加え られる入口が備えられていた。次に、交互に、窒素を用いて500kPaまで反 応器中の圧力を上げること、そして次に、真空にすることにより、存在する酸素 が除去された。この手順が3回繰返された。 反応器は、圧力が50kPaとなるように、入口を経て一酸化炭素を加えるこ とにより加圧された。反応器内のこの減圧を用いて、500ミリリットルのトリ フルオロエタノール中の0.645gの酢酸パラジウム(II)、1.5 10gの1,3‐ビス‐ジフェニル‐ホスフィノ‐プロパン及び1.512gの パラ‐トルエン‐スルホン酸の触媒溶液が加えられた。1.6kgを超えるエテ ンが入口を経て反応器内に加えられ、そして反応器中の圧力が約1500kPa に上げられるように、一酸化炭素及びエテンが加えられた。反応器内容物は次に 、60℃に加熱され、圧力は一酸化炭素及びエテンの1:1のガス混合物を使用 して2100kPaに保たれた。この圧力及び温度は、72時間保持された。反 応後、圧力はエテンを使用することにより4時間一定水準に保たれた。その後、 ガス入口が閉じられた。 更に65時間後、反応器の内容物は1mの直径を持つフィルターを用いて濾過 され、そして次いで、100リットルのメタノールで洗浄された。78.8kg のスラリーが、フィルターから得られた。フィルターからの生成物の約52.5 kgが、60℃の温度及び0.15kPaの圧力で約70時間、ナウタミキサー 中で乾燥された。1.49dl/gの固有粘度及び253℃の融点を持つ約10 .5kgのポリケトン‐c2生成物が得られた。得られたポリマーの約20%が α構造を持っていた。反応器中において、生産量における明らかな増加があった ことが分かった。約800分後、1時間当りパラジウムの1グラム当りに得られ るポリマーのグラム数として示される約400のポリマー生成速度に対応するガ ス消費が観察された。それ故、形成されたメタノール及びポリマーを含むスラリ ーの粘度 が著しく増加しても、反応速度は経時的に増加した。約4200分後、約110 0のポリマー生成速度に対応するガス消費が観察された。 繊維の調製 このようにして得られ安定化されていないポリマーの一部が次いで、60秒間 二つのホットプレートの間で成形された。ポリマーがホットプレートに加えられ たとき、ホットプレートの温度は、下記の表中に示されている。加圧中、ポリマ ー及び支持プレートがプレートの熱を吸収するために、プレートは少しの熱を失 い、温度降下が約5℃より大きくなかった。次に、成形されたフィルムは支持プ レートからはずされ、そして空気中で冷却された。得られた製品は澄んだ白色で あり、変色は見られなかった。 そのように得られたフィルムは、以下に示すような線密度を持ついくつかの細 片に裁断された。該細片は次いで、X線分析にかけられた。結果は下記に示され る。 得られた試料は、それらの物性のために分析された。結 果は次のようである。 繊維は次いで、示されたような延伸比λまで1分当り100%の初期延伸比で 延伸された。そして延伸された繊維の物性が測定され、そして表IX中に示されて いる。 試料IIIA、B及びCの他の繊維がまた、1分当り250%の初期延伸速度で延伸 された。そして延伸された繊維の物性が測定され、そして表Xに示されている。 試料IIIA及びCの他の繊維が、1分当り700%の初期延伸速度で延伸された 。そして延伸された繊維の物性が測定され、そして表XIに示されている。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.240℃を超える融点及び0.3〜2.5dl/gの固有粘度を持つ、一酸 化炭素単位とエテン単位から成る交互するポリケトンポリマーにおいて、60秒 間少なくとも257℃に加熱し、次いで室温まで冷却した後、純粋なポリマーに おいて結晶相の構造の少なくとも40%がα形を持つことを特徴とする交互する ポリケトンポリマー。 2.60秒間少なくとも270℃に加熱し、次いで室温まで冷却した後、純粋な ポリマーにおいて結晶相の構造の少なくとも40%がα形を持つことを特徴とす る請求項1記載の交互するポリケトンポリマー。 3.構造の少なくとも65%がα形を持つことを特徴とする請求項1又は2記載 の交互するポリケトンポリマー。 4.構造の少なくとも90%がα形を持つことを特徴とする請求項3記載の交互 するポリケトンポリマー。 5.ポリマーがメタノールの存在下においてパラジウム錯体含有触媒を用いて作 られ、そして得られたポリマーがメタノール及び/又は2,4−ペンタンジオン 中で洗浄されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つ に記載の交互するポリケトンポリマー。 6.ポリマーがメタノールの存在下においてパラジウム錯体含有触媒を用いて作 られ、そして得られたポリマーがポリマーに対して不活性な適切な溶媒中に溶解 され、そして続いて結晶化されることにより結晶形態に転換されることを特徴と する請求項1〜3のいずれか一つに記載の交互するポリケトンポリマー。 7.触媒及び溶媒の存在下における一酸化炭素とエテンの反応により一酸化炭素 単位とエテン単位の交互するポリケトンポリマーを製造する方法において、方法 が反応器中の内容物の下側半分に一酸化炭素ガス及びエテンガスを加えることに より実行されることを特徴とする方法。 8.一酸化炭素ガス及びエテンガスが反応容器の底部付近又は底部に加えられる ことを特徴とする請求項7記載の方法。 9.一酸化炭素単位とエテン単位から成る交互するポリケトンポリマーから作ら れる製品において、製品が請求項1〜6のいずれか一つのポリマーから作られて いることを特徴とする製品。 10.ポリマーの融点より高い温度でポリマーを成形す ることにより得られる、一酸化炭素単位とエテン単位から成る交互するポリケト ンポリマーから作られる製品において、製品が少なくとも265℃の温度で成形 されることにより作られ、そして室温までポリマー製品を冷却した後に、結晶相 の少なくとも40%がα形を持つことを特徴とする製品。 11.製品が少なくとも270℃の温度で成形されることにより作られ、そして 室温までポリマー製品を冷却した後に、結晶相の少なくとも40%がα形を持つ ことを特徴とする請求項10記載の製品。 12.製品が少なくとも一つの方向において200μmより小さい寸法を持つこ とを特徴とする請求項9〜11のいずれか一つに記載の製品。 13.製品が二つの方向において60μmより小さい寸法を持つことを特徴とす る請求項12記載の製品。 14.製品が少なくとも600mN/texの引張強度を持つところの繊維フィ ラメントであることを特徴とする請求項13記載の製品。 15.製品が少なくとも5.5N/texの初期モジュラスを持つところの繊維 フィラメントであることを特徴 とする請求項13又は14記載の製品。 16.繊維フィラメントが少なくとも6.9N/texの初期モジュラスを持つ ことを特徴とする請求項15記載の製品。 17.ポリケトンポリマーを紡糸するための方法において、紡糸されるべきポリ マーが請求項1〜6のいずれか一つに記載のポリマーであり、かつ繊維がポリマ ーの融点以上でかつ285℃以下の温度で紡糸されることを特徴とする方法。 18.請求項12〜16のいずれか一つに記載の製品を強化物質として含むとこ ろの、自動車タイヤのような強化された機械的ゴム製品。
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