JPH08508415A - 結合組織疾患の全身的遺伝子治療 - Google Patents

結合組織疾患の全身的遺伝子治療

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JPH08508415A JP7516910A JP51691094A JPH08508415A JP H08508415 A JPH08508415 A JP H08508415A JP 7516910 A JP7516910 A JP 7516910A JP 51691094 A JP51691094 A JP 51691094A JP H08508415 A JPH08508415 A JP H08508415A
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エイチ. エヴァンス,クリストファー
ディー. ロビンズ,ポール
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ユニバーシティー オブ ピッツバーグ オブ ザ コモンウェルス システム オブ ハイヤー エデュケーション
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、核酸配列を哺乳動物宿主に全身的にあるいは局所的に送達することにより、結合組織疾患を治療的あるいは予防的に処置する方法に関する。前記核酸配列の発現により、結合組織疾患に関連する炎症性、肥厚性および侵食性徴候に対抗する作用のある生物学的に活性なタンパク質またはぺプチドを全身的に送達することになる。そのような遺伝子産物の全身的な送達は、リウマチ様関節炎や全身性エリテマトーデスのような結合組織疾患の持続的治療をもたらす。

Description

【発明の詳細な説明】 結合組織疾患の全身的遺伝子治療 1.序論 ある種の結合組織疾患の場合、その疾患に応じて広範な治療及び患者の全身の 長期間にわたる効能を増強するため遺伝子産物を様々な部位に送達する必要性が 生じる。本発明は、核酸配列を局所または全身へ送達し、該配列が、治療用また は予防用の遺伝子産物を発現し、発現した遺伝子産物が患者の身体を通して全身 に送達され、長期間にわたって有効性を呈示することから成る疾患または障害の 治療方法を開示するものである。 2.発明の背景 主要な二つの情況において、その一部にコード部分を有する遺伝子またはDN A配列が治療または予防用に使用され得る。第一の情況は、患者がゲノム中に持 つ遺伝的欠陥により、ゴーシェ病血友病及び骨形成異常症に至るような場合、こ れを補償する事を目的とする場合であり、第二の情況は遺伝的には正常である人 に対して予防を目的として遺伝子が移入される場合である。この場合、その遺伝 子にコードされたタンパク質、アンチセンスRNAリボザイムまたは生物活性を 有する断片を対象とする薬物送達システムとして遺伝子移入が用いられる。 例えば、遺伝子治療に基づく技術を一部に使った関節炎治療について記述され てきた。関節炎の大部分は遺伝病ではないが、遺伝子治療の対象として適した候 補であることが示されていた。関節炎患者の局所治療用のプロトコール向けに、 生体内及び生体外遺伝子治療技術は、いずれも推進されてきた(Bandaraら,199 2, DNA Cell Biol.11:227-231参照)。関節炎に随伴する炎症及び軟骨破壊の治療の ために治療用遺伝子が関節に移入された(米国特許出願第027,750号,Glorioso ら,1993年3月8日出願)。 遺伝子治療は、果敢にも患者に生涯、忍従を強いることさえある関節炎の様な 慢性疾患に対しても適用されており、伝統的な薬剤送達法とは異なり、遺伝子治 療を適用すれば、治療効果の永続性が疾患の持続性と互角に渡り合うことができ る様になる。更に、アンチセンスRNA、リボザイム及びタンパク質もしくは、 これらの生物活性を有する断片に関する限り、経費的にも有利である様にみえる 。DNA配列は、殆ど際限なく産物となって発現されるため、本質的に同族であ るその産物よりも廉価に付くのである。 インターロイキン(IL−1)は、今日、数多くの疾患及び障害、特に炎症を 伴う障害において、その役割を果たすことが知られている。IL−1は滑膜細胞 の成長因子であり、マトリックスの合成を促す。二つの特性が関節炎に伴う滑膜 肥大にIL−1が関与していることを示唆している。IL−1は軟骨基質の破壊 を増強すると同時に、軟骨細胞によるこれの合成をも阻害するが、この作用によ り修復を阻止しつつ、軟骨の損失を招く。IL−1はまた、骨吸収を誘導するの で、リウマチ様関節炎にみられる骨密度の減少に関与している可能性もある。I L−1は炎症性で、リンパ球の成長因子として働くだけでなく、走化性因子でも あり、更に多形核白血球(PMN)の活性化因子である可能性も、多分にある。 充分高濃度で存在する場合、IL−1は発熱、筋肉性消耗及び眠気を引き起こす こともある。それだからこそ、障害の進行中にIL−1が深い関わりを持つ生物 活性に対して拮抗作用を 有する薬剤は治療効果を示すかも知れない。 IL−1の単一ないし複数の作用を阻止することのできる生物学的製剤はこれ 迄に開示されてきたものの(Larrick,1989,Immunol.Today 10:61-66)、活性 の主成分が均一になる迄精製されたり、その特性が決定された例、あるいはこれ ら拮抗物質を薬理学的使用に供する際に必要な前提条件に関して述べられている 例は殆どないのである。アレンド(Arend)ら(1991,J.Clin.Invest.88:144 5-1451)は大食細胞で条件付けされた培養基中におけるIL−1の阻害活性につ いて触れている。ベラボワン(Balavoine)ら(1986,J.Clin.Invest,78:1120 -1124)は、発熱患者の尿中において同様の活性を発見した。引き続いて行われ た研究により、これらの活性は、IL−1がそのレセプターに結合する際に働く 、競争的阻害剤と全く同一のタンパク質によってもたらされた結果であることが 示された。それ以降、このIL−1の拮抗物質をコードしている遺伝子に関して 記述されてきた(Hannumら,1990,Nature 343:336-340;Eisenbergら,1990,N ature 343:341-346:IL-1レセプター拮抗物質[IL-1ra]と称される;及びCarter ら,1990,Nature 344:633-638:IL-1レセプター拮抗タンパク質[IRAP]と称さ れる)。 IL−1ra(以後、“IRAP”と記す)は、最初、活性化された大食細胞類 の産物として同定された。滑膜細胞、ケラチノサイト〔表皮細胞の総称〕、軟骨 細胞及び多形核白血球を含む他の様々な細胞型(タイプ)がこの分子を合成する ことが示された。IRAP産生は、IL−1、IL−3、IL−4、IL−10及 び腫瘍壊死因子α(TNF−α)を含む種々のサイトカイン類、並 びに他の剌激によっても増幅される。これらのサイトカイン類のいくつかは初期 炎症に関わるものであると、一般に考えられている。IRAPはIL−1の生物 活性に対する微弱な阻害物質に過ぎない。これは、ほんの数パーセントのレセプ ターを占拠しただけで、感受性細胞に生物学的反応を誘起させるIL−1の能力 と裏腹の関係にある。即ち、IRAPのレセプターに対する親和力が、IL−1 のそれを越えることがないので、IL−1に対する反応を半減させるためには、 この拮抗物質が10ないし1,000倍過剰モル量で存在する必要がある。この事は、 IRAPを薬理学的に使用するに際して、かなりの障害になる可能性がある。 「生体外」条件下で、IRAPは次のようなIL−1に対する細胞性応答を阻 止する。即ち、マトリックス金属プロティナーゼの誘導、酸化窒素合成酵素の誘 導、プロスタグランディン合成の増幅、軟骨破壊、骨吸収、内皮細胞接着タンパ ク質の発現増幅、インターロイキン6(IL−6)、TNF−α及び他のサイト カイン類の誘導並びに細胞分裂。 IRAPは、生体内において、次のようなIL−1に対する細胞性応答を阻止 する。即ち、IL−6の増加、副腎皮質切除動物の死、低血圧、発熱、徐波睡眠 、軟骨破壊、関節炎、低血糖症、急性相応答及びコルチコステロン増加。さらに 、IRAPは多くの動物を用いた病態モデルにおいても治療効果を示す可能生が ある(概説としては、Dinarello and Thompson,1991,Immunol.Today 12:404- 410参照)。IRAPの生体内投与は充分に許容されている。ヒトを含む正常な 動物に対して、何ら生理的ないし代謝的指標(パラメーター)の変化をきたさず に、このタンパク質 を高用量で静脈注入することができる。例えば、ヒト志願者に、72時間でIL− 1raを133mg/時の速さで注入しても、臨床上または実験上の数値に、一切変化 は認められなかった(Dinarelloら,1993,J.Amer.Med.Assoc,269:1829-1835 )。 IL−4は、Tリンパ球が産生する20Kダルトンの糖タンパク質である。この サイトカインは造血幹細胞、B及びTリンパ球肥満細胞並びに大食細胞表面のレ セプターに結合する。インターロイキン4もまた、IgE産生及びB細胞の表面 抗原を誘導する。エッスナー(Essner)ら(1989,J.Immunol.142:3857-3861) は、IL−4がmRNA転写レベルにおいてIL−1及びTNF−αのダウンレ ギュレーションをつかさどっていることを突き止めた。ヴァニエ(Vannier)ら (1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4076-4080)は、IL−4によるIL− 1のダウンレギュレーションを確認した。更にIL−4はIRAPに対しアップ レギュレーションをも行っていることが示された。 ラズ(Raz)ら(1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:4523-4527)は、マウ スにIL−4をコードしたプラスミドDNAを筋肉内に注入した。総IgGレベ ルは増加し、抗原投与に対する遅延型過敏反応は減衰した。全身性の生体内効果 はIL−4に対して提案されている、TH2リンパ球サブセットにより仲介され る免疫応答を剌激する場合におけるその役割と矛盾したものではなかった。この 研究は更に、IL−2及びTGF−1の筋肉内注入及び生体内発現に関しても開 示している。しかしながら、筋肉内注入及びIL−4遺伝子の生体内発現が、I L−1またはIRAP活性に対して調節的な効果を及ぼすものであるのか否かに つい ては、追跡していない。 IL−10は35−40Kダルトンの酸感受性のサイトカインであり、T細胞、B細 胞、単核球及び大食細胞により産生される。IL−10は「生体外」で、補助細胞 依存的に活性化された場合、サイトカイン産生及びTH1細胞培養クローンの抗 原特異的増殖を抑制する能力を示すことから、免疫抑制性を持っていることが示 されている(総説としては、Howard & O'Garra,1992,Immunol.Today 13(6):1 98-200を参照)。IL−10は、IL−4の場合と同様のやり方で、大食細胞/単 核球によるIL−1β、IL−6、IL−8、GM−CSF、G−CSF及びT NF−αの産生を阻止し、かつ、IRAPのアップレギュレーションを行う(de Waal Malefytら,1991,J.Exp.Med.174:1209-1220;Fiorentinoら,1991,J. Immunol.147:3815-3822;Bogdanら,1991,J.Exp.Med.174:1549-1555)。 腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)は専ら活性化された大食細胞またはリン パ球によって産生されるサイトカインである。このサイトカインは炎症、内毒素 ショック、抗腫瘍及び抗ウイルス活性の様な多数の生物現象に関与している。可 溶性TNF−α結合タンパク質は正常なヒトの尿中(Englemannら,1989,J.Bi ol.Chem.264:11974-11980)とガン患者の血清中(Gatangaら,1990,Lymphokin e Res.9:225-229)において同定された。 TNF−α及びIL−1可溶性レセプターは生体外でそれぞれ対応するサイト カインのレセプター結合及び生物活性を阻止する。しかしながら、生体内の役割 については、依然として未解明のままである。ファンスロウ(Fanslow)ら(199 0,Science 248:739-7 42)は、直接IL−1可溶性レセプターを投与すると、マウスでは同種異系移植 の寿命を長引かせることを開示している。結合組織疾患の要因物質に対する長期 の生物応答を高める能力に関しては、一言も言及されていない。 単層培養された時の結合組織細胞は、低濃度あるいは、検知不能レベルのコラ ゲナーゼ並びに他組織のストロメリシン(stromelysin)及びゼラチン溶解酵素 等の金属プロティナーゼを産生する。しかしながら、これらのプロティナーゼは 、IL−1の存在下(Dayerら,1986,J.Clin.Invest.77:645-648)及びTN F−α存在下(Dayerら,1985,J.Exp.Med.162:2163-2168)では、高レベル で発現される。証拠の示すところでは、これらのタンパク質は骨関節炎、及びリ ウマチ様関節炎に随伴する細胞外マトリックスの構成成分の分解を促進させる。 コラゲナーゼ、ストロメリシン及びゼラチン溶解酵素は、タンパク質TIMP( “Tissue Inhibitor of MetalloProteinases”)によって、それらの作用を阻害 される。TIMPがこれらの金属プロティナーゼを阻害する機序については充分 に理解されていない(Docherty & Murphy,1990,Ann.Rheum.Dis.49:469-479 )。TIMP−1とTIMP−2とをコードしている、2つの異なるTIMP遺 伝子が存在している。 炎症反応中の白血球浸潤時には、これらの細胞が毛細血管内部の辺縁に群がり 、次いで血管内皮細胞に付着する。炎症中に白血球の付着が増大するには、白血 球表面上及び内皮細胞表面上の接着分子間での相互作用が必要である。内皮細胞 表面の接着分子の例としては、ICAM−1及びELAM−1がある。ICAM − 1及びELAM−1の合成はIL−1によって剌激される。ICAM−1は、白 血球接着タンパク質LFA−1に対するレセプターである。抗ICAM−1抗体 は、細胞同志の接着を阻止することでラットのアジュバント性関節炎の発生を抑 制することが分かっている(Ligoら,1991,J.Immunol.147:4167-4171)。他の 白血球局在化タンパク質としては、CR3及びCR4(補体分解産物C3bi結合 性)がある。LFA−1、CR3及びCR4は、ヘテロダイマーのインテグリン レセプタータンパク質であり、これはCD18と命名された全く同一のβポリペ プチドを持つ。更に付け加えなければならないのは、リンパ球ホーミングレセプ ターとしても、グリコサミングリカンであるヒアルロン酸やある種のコラーゲン の様なマトリックス巨大分子に対するレセプターとしても両用の働きをもつCD 44は、白血球が内皮細胞に結合するのを媒介する(Streeterら,1988,Nature ,331:41-46)。CD44はIL−1産生のアップレギュレーションも行う(Den ningら,1989,FASEB J.3:A765)。 炎症シグナルに応答して形成される反応性酸素中間体(ROI)は、ヒアルロ ン酸及びコラーゲンやエラスチンといったプロテオグリカン類の様な細胞外マト リックス成分の破壊にも深く関与している。コラーゲン類は結合組織細胞から分 泌される繊維状タンパク質のファミリーによって構成されている。コラーゲンは 、細胞外マトリックスの主要なタンパク質である。エラスチンもまた、結合組織 細胞において発現される細胞外マトリックスタンパク質であり、弾力性と抗張力 のある架橋網状構造(ネットワーク)を形成する。スカレリック(Skaleric)ら (1991,J.Immunol.14 7:2559-2564)の示唆するところでは、炎症の進行中、スーパーオキシドジスム ターゼの様なROI阻害物質となり得るものとの相互作用によって、結合組織疾 患におけるROIの侵食作用を軽減することが可能となるかも知れない。 軟骨は軟骨細胞からできており、その周囲を、主としてコラーゲン原繊維と様 々なプロテオグリカンから成る細胞外マトリックスで隈なく埋め尽くされている 。関節炎の様な結合組織疾患の発生にはプロテオグリカンが侵食を受ける過程が 含まれる。二つの軟骨成長因子、即ちインシュリン様成長因子−1(IGF−1 )及び形質転換成長因子β(TGF−β)は、プロテオグリカン合成に対する正 の制御を行っている(McQuillanら,1986,Biochem,J.240:423-430;Morales & Roberts,1989,J.Biol.Chem.263:12828-12831)。付言するなら、TGF− βは、フィブロネクチン及びフィブロネクチンレセプターの様な接着分子の発現 を調節していることが示されている(Ignotz & Massague,1986,J.Biol.Chem .261:4337-4345;Ignotz & Massague,1987,Cell51:189-197)。 自己免疫疾患は、自己抗体に対する免疫反応によって特徴付けられる。換言す れば、この疾患を持つ人は免疫的自己寛容性を喪失している。自己免疫抗体は、 橋本甲状腺炎において観察される様に一個の細胞または一個の臓器に対して不利 な挙動を示すこともある。それとは逆に、リウマチ様関節炎(RA)や全身性エ リテマトーデス(SLE)の様な全身性自己免疫疾患に罹ると、体内のあちらこ ちらの部位で自己免疫抗体に晒され、これらの影響を被ることになる。 自己免疫疾患の機序には、以下に述べる、数多くの免疫現象の内の一つ、ある いは、それらの中の幾つかの組合わせが関与すると考えられている。即ち (1)Tヘルパー細胞の機能の迂回(バイパス) (2)感染因子との交差反応 (3)B細胞の直接的活性化 (4)イディオタイプ迂回(バイパス)機構、及び (5)Tサプレッサー細胞対Tヘルパー細胞間の機能的不均衡。 結合組織の発病を含む多くの全身性自己免疫疾患及び非自己免疫疾患の場合、 炎症、サイトカインの媒介及び組織破壊が昂進する。従って、こうした疾患に対 して治療または予防処置を施すためには、こうしたプロセスに特異的な媒介物質 に対する拮抗剤を用いることができれば、極めて有益なものとなると考えられる 。 急性症状の際には、患者にタンパク質を注入することは許されるが、慢性疾患 用の薬剤として投与することは難しい。タンパク質の投与を介して持続的な治療 効果を示す反応を促進させることは難しい。経口及び経皮ルートは使えないため 、タンパク質投与は注入に依らなければならない。これらの体内半減期が短い点 を鑑みると、大半の場合、頻繁に投与を繰返さなければならない。全身性疾患治 療時に生じるもう一つの難点は、関節炎の様な局所治療とは対照的に、治療用に せよ、予防用にせよ、拮抗剤は患者の体内の様々な部位に送達されなければなら ないという要件である。従って、全身性結合組織疾患のそれぞれの媒介物質に対 する拮抗剤を患者に適用するだけではなく、あちらこちらの疾患部位 の隅々にまで薬剤が送達される様に、かつ患者の体内で拮抗剤の効能が長期間持 続する様にしてやるならば、これは極めて価値の高いものとなると考えられる。 3.発明の概要 本発明は、治療用または予防用のタンパク質、RNA、リボザイムもしくはそ れらに由来する生物学的活性を有する断片を哺乳動物の体内に、全身的に送達す ることを要する結合組織疾患に対する遺伝子治療法に関するものである。遺伝子 産物の全身的送達(即ち、患者体内の多数の部位への送達)は、治療用または予 防用の遺伝子産物またはその生物学的活性を有する断片をコートしている核酸配 列を全身的または局所的に適用する事を含みうる。 対象としている核酸配列のウイルスを介しての送達または非ウイルス的送達及 び持続的なin vivo発現と、これに続く個々の遺伝子産物の全身にわたる移送の 結果、患者の体内において、永続する全身的薬剤送達システム(DDS)が得ら れるようになる。本発明の開示するところは、結合組織疾患治療用に、治療用ま たは予防用の遺伝子産物またはその生物学的活性を有する断片をコードする核酸 を供給し、これらの核酸配列をウイルスベクターまたは非ウイルスベクター分子 に、組換えDNA技術を使って挿入するストラテジー(戦略)である。従って、 本発明はまた、結合組織の疾患または障害の全身的治療用の種々の組換えベクタ ーに関しても開示するものである。 3.1 治療用または予防用遺伝子産物の全身的送達により治療される結合組織 疾患 本発明の開示するところは、治療用ないし予防用のタンパク質、 RNA、リボザイムまたはこれらに由来する生物学的活性を有する断片を哺乳動 物の体内に全身的に送達することを伴う、病理学上、結合組織に関連した自己免 疫及び非自己免疫疾患に対する治療方法である。 本発明において開示される方法に依って治療される、病理学上結合組織に関連 した全身性自己免疫疾患には、以下のものが含まれるが、それらに限定されるべ きものではない。即ち、リウマチ様関節炎、全身性エリテマトーデス、シェーグ レン症候群、多発性筋炎−皮膚筋炎、全身性硬化症、血管炎症候群、若年性リウ マチ様関節炎、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎及び炎症性腸疾患である。 更に、本発明の治療法において開示される非免疫性で病理学上結合組織に関連 した疾患または障害には以下のものが含まれるが、それらだけに限定されるもの ではない。即ち骨粗鬆症、骨形成不全症及びパジェット病である。 3.2 結合組織疾患治療に用いる核酸配列 本発明の開示するところは、病理学上結合組織に関連した自己免疫病ないし非 自己免疫病を、治療的ないし予防的に軽減する方法を提供するための、特定の遺 伝子産物またはその生物学的活性を有する断片のin vivo発現であり、これらの 措置により、許容水準を満たす抵抗力が生起するものである。本発明は、部分的 には、上記疾患治療に対する広範なアプローチを提供することの可能な核酸配列 の局所的または全身的送達のストラテジーに基づくものである。特に、これらの 核酸配列は、炎症性、肥厚性及び侵食性の疾患要因の一つ以上に対応する遺伝子 産物をコードしてい なければならない。これらの病理学的要因の一つ以上に対して戦う核酸配列は、 本発明を実施する際に利用することができる。 サイトカインまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配列は本発明 を実施するために使用することが可能である。治療用ないし予防用で全身性の炎 症を軽減する本発明のサイトカイン類は以下のものを含むが、決してこれらに限 定されるものではない。即ち(1)IL−1レセプター拮抗物質遺伝子(IL− 1raないしIRAP)またはその生物学的活性を有する断片、(2)IL−4ま たはその生物学的活性を有する断片、及び(3)IL−10またはその生物学的活 性を有する断片。 抗サイトカインまたはその生物学的活性を有する断片をコードする核酸配列を 本発明の実施に使用することもできる。治療ないし予防用の抗サイトカイン類で 、それらの同族のサイトカインに対する拮抗作用をもち、従って、抗炎症作用を もつことになるものには、以下のものが含まれるが決してこれらに限定されるも のではない。即ち(1)IL−1の可溶性レセプターまたはその生物活性をもつ 断片、(2)TNF−αの可溶性レセプターまたはその生物活性をもつ断片、及 び(3)IL−6の可溶性レセプターまたはその生物活性をもつ断片。 金属プロティナーゼ類の阻害剤またはその生物学的活性を有する断片をコード した核酸配列を、本発明の実施に用いることも可能である。金属プロティナーゼ 類に対する治療用ないし予防用の阻害剤は、軟骨破壊を阻止する。即ち本発明に おいて治療の施される疾患の侵食性に対して拮抗する。本発明において有用な金 属プロティナーゼの酵素阻害剤には、TIMPが含まれるが、決し てこれだけに限定されるものではない。 炎症反応の早期に顕著な細胞同志または細胞とマトリックス間で起こる相互作 用を阻止する目的で、抗接着分子をコードしている核酸配列を、本発明の実施に 供することも可能である。細胞同志または細胞とマトリックス間の相互作用のた めの治療用または予防用の阻害剤には以下のものが含まれるが、これだけに限定 されるものではない。即ち、可溶性ICAM−1、可溶性CD44、可溶性CD 18または可溶性ICAM−1、可溶性CD44もしくは可溶性CD18の生物 活性をもつ断片。 抗オキシダント物質をコードしている核酸配列には、下記のものが含まれるが 、必ずしもそれに限定されるものではない。即ち(1)スーパーオキシドジスム ターゼまたはその生物活性を有する断片、及び(2)酸化窒素合成酵素阻害剤ま たはその生物学的活性を有する断片であり、上記の核酸配列は、本発明において 治療される疾患の進行に際して見られるフリーラジカルに対する退行効果を持つ という点で、充分な治療効果をもたらすものである。 治療用ないし予防用の遺伝子産物またはその生物学低活性を有する断片をコー ドする他の核酸配列類も、本発明の実施用に使用可能である。こうした遺伝子産 物としては、軟骨成長因子類が含まれるが、それらに限定されるものではない。 即ち(1)IGF−1またはその生物活性断片、及び(2)TGF−βまたはそ の生物活性断片。これらに加えて、細胞外マトリックスの構成物質であるコラー ゲン(これだけに限定されない)をコードする核酸も、本明細書中に開示されて いる治療法が目標としている一つ以上の疾患を治療によって救済するのを助長す る遺伝子産物を発現 し得るかもしれない。 3.3 ウイルス及び非ウイルスにより媒介される送達システム 本発明は、また、哺乳動物の体内において発現されるべき一つの核酸配列を包含 する組換えベクターを使った遺伝子導入用の様々な系を利用することに基づくも のである。対象の核酸配列は、ウイルスまたは非ウイルスにより媒介される方法 による送達を目的として調製することができる。 本発明において使用されるウイルスベクターには、以下のものが挙げられるが 、これらに限定されるものではない。即ち (a)モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)に由来するベクターを含むがこ れに限らないレトロウイルスベクター、(b)アデノウイルスベクター、(c) アデノ関連ウイルスベクター、(d)単純ヘルペスウイルスベクター、(e)S V40ベクター、(f)ポリオーマウイルスベクター、(g)パピローマウイル スベクター、(h)ピコルナウイルスベクター、(i)ワクシニアウイルスベク ターである。採用するウイルスベクター系に基づいて、当業者に使用可能な諸技 術を使って組換えウイルスベクターを適当な標的細胞に感染させる。 プラスミドDNAの様な非ウイルス系のベクターも、これのみに限る訳ではな いが本発明においては採用可能である。「裸の」DNAを骨格筋に直接注入する 場合の様に、非ウイルスベクターにより媒介される局所的送達システムにおいて は、プラスミドDNAの使用は極めて有益である。 そのために、本発明において用いられる非ウイルス媒介送達システムには、限 定されるものではないが、下記のものが含まれる。 即ち、(a)「裸の」DNAの直接注入、(b)リポソームを介する形質導入、 (c)リン酸カルシウム[Ca3(PO4)2]による細胞トランスフェクション、その 後遺伝子的に形質転換された細胞を哺乳動物の関節外に戻す、(d)エレクトロ ポレーションによる哺乳動物宿主細胞のトランスフェクション、その後形質転換 細胞を哺乳動物宿主の関節外に戻す、(e)DEAE−デキストランを使った細 胞のトランスフェクション、その後形質変換細胞を哺乳動物宿主の関節外に戻す 、(f)ポリブレンを介した送達、(g)プロトプラスト融合、(h)マイクロ インジェクション、(i)ポリリシンを使った形質導入。 3.4 治療用または予防用発現産物の全身的送達 本発明は、治療用または予防用の核酸配列からの発現産物を哺乳動物体内にお いて全身隈なく送達することを促進させる方法にも基づいている。遺伝子産物の 全身的送達を望ましく行うためには、組換えウイルスまたは非ウイルスベクター を使用して、特定の哺乳動物細胞集団をin vitroでトランスフェクトさせ、これ らの中から、トランスフェクトした細胞を回収、精製した後、それを患者に投与 することが必要となる。目的とする核酸配列を包含する組換えベクターによるト ランスフェクションのための目標として利用される特定の細胞集団としては、そ れらに限定されることはないが次のものが可能である。即ち (1)造血前駆細胞を包含する骨髄細胞集団、 (2)末梢血白血球集団、好ましくは、造血細胞に富み、患者に導入された直後 から剥離することなしに、トランスフェクトされた造血細胞の再集団化に利用で きるCD34+白血球集 団、 (3)末梢血リンパ球集団、 (4)目的とする核酸配列のin vitroトランスフェクション後、宿主への移植に より戻される筋芽細胞、及び (5)骨格筋への筋肉内注射による、目的の核酸配列を包含するウイルスまたは 非ウイルス性組換えベクターまたはこの核酸配列自体の移入。 ある特有の疾患を治療するために、これ迄に開示した段階を様々に組み合わせ た方法も使用し得る。治療を施される疾患は、全身的に送達された特定の遺伝子 もしくはその断片の生体内発現に対して、より好ましく反応することがある。こ の遺伝子もしくは遺伝子断片は、ベクター構築および細胞への送達の1以上の方 法により導入が可能であり、その結果この遺伝子が発現され、そして治療用もし くは予防用のタンパク質またはタンパク質断片が哺乳動物の身体を通じて体の隅 々迄行きわたる。本開示を再吟味してみると、効果的治療方法を選択するために 、本発明において開示された治療用遺伝子の中からいずれかを採用し、また送達 手段の中からいかなる手段を選ぶかは、当業者の裁量にかかってくる。種々の組 み合わせ及び好適な実施態様が以下に詳述される。 3.5 リウマチ様関節炎の治療 本発明の一態様として、リウマチ様関節炎を治療的にまたは予防的に処置する ための発現されたIRAP遺伝子産物を全身的に、かつ長期に亘って分配するの を助長するために、IRAPまたはその生物活性を有する部分をコードしている DNA配列を患者に投与する。 リウマチ様関節炎の処置に関わる本発明の別の実施態様として、ウイルスベク ター、非ウイルスベクターまたは目的の核酸配列を標的細胞に送達する方法のい ずれかを用いて、その遺伝子産物またはその生物活性断片を全身的に適用するこ とができる。 リウマチ様関節炎のIRAP誘導治療に関する特定の実施態様として、患者へ の投与に先立ってIRAPまたはその部分をコードするDNA配列がレトロウイ ルスベクターにサブクローニングされる。 リウマチ様関節炎のIRAP誘導治療においてレトロウイルスベクターを使用 する場合に関しては、レトロウイルスベクターはMoMLV(モロニーマウス白 血病ウイルス)レトロウイルスベクターでありうるが、その場合は、MoMLV −IRAP構築物が得られる。 リウマチ様関節炎の治療における組換えMoMLV−IRAP構築物に関する 特定の実施態様においては、組換えMoMLV−IRAP構築物はMFG−IR APになる(MFG−IRAPの構築に利用されるIRAPcDNAクローンに ついては図1及び図2[配列番号3])。 リウマチ様関節炎治療において、MFG−IRAP構築物の全 身的送達を促進することに関しては、標準的レトロウイルスパッケージング用細 胞株にこのレトロウイルスベクターが導入され、回収されたウイルス粒子は哺乳 動物細胞株集団をトランスフェクトするのに用いられたが、本方法に供される該 細胞株集団には、それらに限定されるものではないが、以下のものが含まれる。 (1)造血前駆細胞を包含する骨髄細胞集団、(2)末梢血白血球集団、好まし くは造血細胞に富むCD34+白血球集団、(3)末梢血リンパ球集団、及び( 4)「in vitro」トランスフェクション後宿主への移植により戻されうる筋芽細 胞。「in vitro」でトランスフェクトされた細胞集団(1),(2)及び(3) は、引き続き静脈内に注入することで患者の循環系に導入される。 リウマチ様関節炎治療用のMFG−IRAP構築物の全身的送達に関する本発 明の好ましい実施態様として、このレトロウイルスベクターがレトロウイルスパ ッケージング用の標準細胞株に導入され、回収されたウイルス粒子は造血前駆細 胞を含む骨髄細胞集団にトランスフェクトされた後、これらの「in vitro」トラ ンスフェクトされた細胞集団は患者の循環系に静脈注射で導入される。 リウマチ様関節炎治療に関する他の実施態様では、ウイルスベクターまたは非 ウイルス系組換えベクター分子を筋肉内注射によって、骨格筋内に直接、導入す ることができる。この技法の推奨される方式は、組換えベクター分子がプラスミ ドで、IRAP遺伝子またはこれに由来する遺伝子断片が調節配列の下流にサブ クローニングされ、その結果IRAP遺伝子またはその遺伝子断片の発現が筋肉 内注入後にも持続的に促進されるようにする。 リウマチ様関節炎治療に関する他の実施態様では、明細書中に開示されている ストラテジー(戦略)の中のいずれかを使用して、治療剤の発現を助長するよう に適格な細胞型に目的の核酸をターゲッティングすることができるが、この場合 に使用される核酸配列がコードしているものとしては、それらに限られる訳では ないが、以下のものが含まれる。即ち(1)可溶性IL−1レセプターまたは生 物活性をもつその断片、(2)IL−4または生物活性をもつその断片、(3) IL−10または生物活性をもつその断片、(4)可溶性TNF−αレセプターま たは生物活性をもつその断片、(5)TIMPのような金属プロティナーゼ阻害 剤または生物活性をもつその断片をコードしている核酸配列、(6)可溶性IC AM−1、可溶性CD44、可溶性CD18または生物活性を持つ可溶性ICA M−1、可溶性CD44または可溶性CD18の断片の様な抗接着分子をコード する核酸配列、(7)スーパーオキシドジスムターゼまたはその生物活性断片及 び酸化窒素合成酵素阻害剤またはその生物活性断片のような抗オキシダントをコ ードする核酸配列、(8)IGF−1またはその生物活性断片及びTGF−βま たはその生物活性断片をコードする核酸配列、並びに(9)コラーゲンの様な細 胞外マトリックスの構成要素をコードする核酸配列。 3.6 全身性エリテマトーデスの治療 本発明の別の実施態様において、IRAPまたは、生物活性を有するその部分 をコードするDNA配列が、全身性エリテマトーデスの治療的または予防的処置 のために、発現されたIRAP遺伝子産物の全身的かつ持続的分配を促進させる 目的で患者に投与 される。 全身性エリテマトーデス治療に関連する本発明の別の実施態様においては、ウ イルスベクター、非ウイルスベクターまたは目的の核酸配列を標的細胞に導入す るための方法の中のいずれかを用いて、治療用遺伝子産物またはその生物活性を もつ断片が全身的に適用される。 全身性エリテマトーデスのIRAP誘導治療に関する特定の実施態様は、IR APまたは、その一部分をコードするDNA配列が、患者への投与に先立って、 レトロウイルスベクターにサブクローニングされる。 全身性エリテマトーデスのIRAP誘導治療においてレトロウイルスベクター を使用する場合、レトロウイルスベクターはMoMLVレトロウイルスベクター でありうるが、その際には、MoMLV−IRAP構築物が得られる。 全身性エリテマトーデス治療における組換えMoMLV−IRAP構築物に関 する特定の実施態様では、組換えMoMLV−IRAP構築物がMFG−IRA Pとなる(図1)。 全身性エリテマトーデス治療におけるMFG−IRAP構築物の全身的送達を 助長する点に関しては、このレトロウイルスベクターは標準的なレトロウイルス パッケージング用細胞株に導入した後、回収されたウイルス粒子を用いて哺乳動 物細胞株集団に導入するが、この時の細胞株としては、それらに限定されるもの ではないが、以下のものが含まれる。即ち(1)造血前駆細胞を包含する骨髄細 胞集団、(2)末梢血白血球集団、好ましくは造血細胞に富んだCD34+白血 球集団、(3)末梢血リンパ球集団 、及び(4)in vitroトランスフェクション後、宿主への移植により戻されうる 筋芽細胞。in vitroでトランスフェクトされた細胞集団(1)及び(3)はその 後、静脈注射で患者の循環系に戻される。 全身性エリテマトーデス治療におけるMFG−IRAP構築物の全身的送達に 関する本発明の推奨される実施態様としては、このレトロウイルスベクターが標 準的なレトロウイルスパッケージング用細胞株に導入された後、回収されたウイ ルス粒子を使って造血前駆細胞を含む骨髄細胞集団にトランスフェクトされ、次 にこれらのin vitroでトランスフェクトされた細胞集団は、患者の循環系に戻さ れる。 全身性エリテマトーデス治療に関する他の実施態様においては、ウイルスまた は非ウイルス組換えベクター分子を筋肉内直接注入法によって骨格筋に局所的に 移入することも可能である。この技術の好ましい方法としては、組換えベクター 分子はプラスミドであり、IRAP遺伝子またはその遺伝子断片は、IRAP遺 伝子またはその遺伝子断片の持続的発現が移入された組織内で生じるように調節 配列の下流部分にサブクローニングされる。 全身性エリテマトーデス治療に関する別の実施態様においては、治療剤の発現 を促進させる目的で明細書中に開示されているストラテジーのいずれかを用いて 目的の核酸を適格な細胞型にターゲッティングすることが可能であり、それらに 限定されるものではないが、以下のものをコードしている核酸配列が含まれる。 (1)IL−1の可溶性レセプターまたはその生物活性を有する断片、(2)イ ンターロイキン4または、その生物活性を有する 断片、(3)インターロイキン10またはその生物活性を有する断片、(4)可溶 性TNF−αレセプターまたはその生物活性を有する断片、(5)金属プロティ ナーゼ阻害剤またはその生物活性を有する断片をコードする核酸配列、(6)可 溶性ICAM−1、可溶性CD44、可溶性CD18または可溶性ICAM−1 、可溶性CD44、可溶性CD18の生物学的活性を有する断片のような抗接着 分子をコードする核酸配列、(7)スーパーオキシドジスムターゼまたはその生 物活性を有する断片及び酸化窒素合成酵素阻害剤またはその生物活性を有する断 片の様な抗オキシダントをコードしている核酸配列、(8)IGF−1またはそ の生物活性を有する断片及びTGF−βまたはその生物活性を有する断片をコー ドしている核酸配列、並びに(9)コラーゲンの様な細胞外マトリックスの構成 要素をコードしている核酸断片。 3.7 他の結合組織疾患の治療 本発明の他の実施態様としては、結合組織に影響を及ぼす以下の様な自己免疫 疾患の治療があるが、それらに限定されるものではない。即ち、シェーグレン症 候群、多発性筋炎−皮膚筋炎、全身性硬化症、血管炎症候群、若年性リウマチ様 関節炎、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎及び炎症性腸疾患である。本発明における 治療(法)として開示されている、病理上結合組織に関連した他の非免疫疾患ま たは障害としては、それらに限定される訳ではないが、下記のものが含まれる。 即ち骨粗鬆症、骨形成不全症及びパジェット病である。これらの疾患の治療は以 下に列挙するが、単にそれだけに止まらない核酸配列によりコードされる治療用 ないし予防用の発現産物が接続的かつ全身的に送達されることを伴う ものである。即ち(1)IRAPまたはその生物活性断片、(2)可溶性IL− 1レセプターまたはその生物活性断片、(3)IL−4またはその生物活性断片 、(4)IL−10またはその生物活性断片、(5)可溶性TNF−αレセプター またはその生物活性断片、(6)TIMPのような金属プロティナーゼ類の阻害 剤またはその生物活性断片をコードする核酸配列、(7)可溶性ICAM−1及 び可溶性CD44または可溶性ICAM−1または可溶性CD44の様な抗接着 分子をコードする核酸配列、(8)スーパーオキシドジスムターゼまたはその生 物活性断片及び酸化窒素合成酵素阻害剤またはその生物活性断片の様な抗オキシ ダントをコードする核酸配列、(9)IGF−1またはその生物活性断片及びT GF−βまたはその生物活性断片をコードする核酸配列、(10)コラーゲンの様 な細胞外マトリックスの構成要素をコードする核酸断片、及び(11)可溶性IL −6レセプターまたはその生物活性断片。前述した疾患の治療を施す際に明細書 中に開示されているストラテジーのいずれかを用いて、哺乳動物にこれらのDN A配列を全身的に送達することができる。 本発明の目的は、治療用または予防用の用量のタンパク質、タンパク質の断片 、アンチセンスRNAまたはリボザイムを哺乳動物宿主の体内に全身的に送達す ることに依って、結合組織に影響を及ぼす自己免疫疾患及び非自己免疫疾患を長 期的に救済することである。即ち、核酸配列によりコードされる遺伝子産物が局 所的または全身的に哺乳動物宿主に送達されるのである。 本発明の他の目的は、結合組織の病理学的分解を誘起する様々な自己免疫性及 び非自己免疫性疾患を全身的に軽減させるために 、持続的発現能を有するIRAP遺伝子または遺伝子断片を、哺乳動物宿主に局 所的または全身的に送達することである。 本発明のもう一つの目的は、リウマチ様関節炎または全身性エリテマトーデス を全身的に軽減するために、持続的発現能を有するIRAP遺伝子または生物活 性を有する遺伝子断片を哺乳動物宿主に局所的または全身的に送達することであ る。 本発明の特定の目的は、IRAPでトランスフェクトした造血細胞を用いて哺 乳動物の体内で再集団化させるように、造血細胞を含む細胞集団をトランスフェ クトすることによってIRAP遺伝子または生物活性を有する遺伝子断片を哺乳 動物宿主に局所的または全身的に送達することである。即ち、リウマチ様関節炎 または、全身性エリテマトーデスを含むがこれらに限定されるものではない結合 組織に影響を及ぼす自己免疫疾患、並びに前述の結合組織に影響を及ぼす非自己 免疫性疾患の治療を可能なものにする。 本発明の上に述べた諸目的やそれ以外の目的に関しては、結合組織に影響を及 ぼす自己免疫疾患及び非自己免疫疾患の遺伝子治療に関する以下の説明から、添 付の図面及び請求の範囲を参照することにより、より詳細に理解されるであろう 。 3.8 定義 以下にリストした用語は、本明細書中において使用されているものであり、表 記の意味を有する。 IRAP − インターロイキン−1 レセプター拮抗タンパク質 IL−1ra − インターロイキン1 レセプター拮抗タンパ ク質 RNA − リボ核酸 DNA − デオキシリボ核酸 LTR − ロングターミナルリピート IL−1 − インターロイキン−1 IL−2 − インターロイキン−2 IL−3 − インターロイキン−3 IL−4 − インターロイキン−4 IL−6 − インターロイキン−6 IL−10 − インターロイキン−10 TNF−α − 腫瘍壊死因子−アルファ MoMLV − モロニーマウス白血病ウイルス PDGF − 血小板由来増殖因子 SSc − 全身性硬化症 SLE − 全身性エリテマトーデス RA − リウマチ様関節炎 NSAID − 非ステロイド抗炎症剤 TIMP − 金属プロティナーゼに対する組織阻害剤 TGB−β − β型形質転換増殖因子 本明細書中の用語「患者」は、ヒトも含むがこれだけに限定されない動物界の メンバーを含む。 本明細書中の用語「哺乳動物宿主」はヒトを含むが、これだけに限定されない 動物界のメンバーを含む。 本明細書中の用語「治療」は、結合組織の疾患または障害の発生期間中、炎症 性または侵食性反応を誘発させるタンパク質、ペ プチドまたは化学物質に対する、治療すべき特定の結合組織疾患または障害に応 じた、治療による緩和もしくは予防的抵抗力の増進を含む。 本明細書中の用語「生物活性を有する断片」とは、対応する野生型分子の誘導 体の一部分で、結合組織疾患または障害の発生期間中、炎症性または侵食性反応 を誘発させるタンパク質、ペプチドまたは化学物質に対する治療による緩和もし くは予防的抵抗力を増進させることによって生物活性を示すもののことを指す。 4.図面の簡単な説明 図1はレトロウイルスベクターの構築に用いられるモロニーマウス白血病ウイ ルス(MoMLV)のプロウイルス形態を模式的に表わしたものである。MFG レトロウイルスベクターは単純化されたMoMVLレトロウイルスベクターであ り、ここではpol及びenvタンパク質をコードしているDNA配列が欠失されてい る。ヒトIRAPをコードしているcDNA(図2)がレトロウイルスベクター MFGのNcol及びBamHIクローニング部位に挿入された。詳細には、IRAP c DNA由来のPstlからBamHI断片が、NcoI部位(IRAPの翻訳開始部位)からP stl部位(NcoI部位から約12bp下流)迄の合成オリゴヌクレオチドアダプター及 びNcoI及びBamHI部位で切断されたMFGのバックボーンに3部連結反応により 連結された。矢印付き直線及び矢印付き折れ線は、それぞれスプライスされてい ない及びスプライスされたメッセンジャーRNAを表わす。IRAPはスプライ スされたメッセンジャーRNAによりコードされている。BAGベクターはMF Gの誘導体である。BAGにおいては、β−gal遺伝子は未スプライ スLTR駆動性メッセンジャーRNAから発現されるのに対し、neo遺伝子はS V40プロモーターから発現される。MFG−IRAPもBAGも共に組換えR NAをウイルス粒子にパッケージするのに必要なpsi部位を持っている。 図2は、MFG−IRAPの構築に使われるクローン化IRAPcDNA配列 (配列番号3及び4)即ち、第6.1.1節に詳述されるようなヒトIRAPの 全コード領域を含むHindIII断片を表わす。 5.発明の詳細な説明 本発明は、治療用もしくは予防用のタンパク質またはタンパク質断片、アンチ センスRNA、リボザイムまたはその他の生物活性断片を発現する核酸配列を哺 乳動物宿主に局所的または全身的に送達することを含む遺伝子治療の方法に関す るものである。ウイルス性または非ウイルス性組換えベクターが構築されて利用 され、組換えベクター内の核酸配列が哺乳動物宿主に局所的または全身的に送達 されて、その発現が持続されるならば、これは永続的な全身性薬剤送達システム であると言っても過言ではない。本発明の開示するところは、治療または予防処 置が緊急とされる結合組織疾患または障害、哺乳動物の体内に送達させ得るDN A配列、生物学的に活性な産物の発現および効能を最適化する様にDNA配列を 調製し送達するストラテジー、並びに全身性結合組織疾患の治療におけるこれら ストラテジーの好適な組合せについてである。本発明は、更に明細書全体を通し て論じられてきた結合組織疾患の治療において使用されるウイルス性ないし非ウ イルス性ベクターに関しても開示している。 5.1 結合組織疾患治療に使用される核酸配列 本発明の開示するところは、病理学上、結合組織と関連した自己免疫性または 非自己免疫性疾患を、局所的ないし全身的に軽減させることを目的とした、特定 遺伝子産物または、その生物活性断片を生体内で発現させる事であり、これによ り、有効水準の抵抗力を生起させることが可能となる。本発明は、部分的に、こ の様な疾患の治療に対する広範なアプローチを提供することの可能な核酸配列の 局所的または全身的送達のストラテジーに基づくものである。特に、これらの核 酸配列は炎症性、肥厚性かつ侵食性疾患の構成要素の一つ以上に対して作用する 遺伝子産物をコードしていなければならない。これらの病理学的要因の一つ以上 と戦う核酸配列を本発明の実施に供することが可能である。本明細書を検討すれ ば、個々の結合組織疾患の全身的治療を促進させるため、患者に1より多い核酸 配列を同時に投与しうることが明らかになるであろう。 本発明を実施するため、サイトカインまたはその生物活性を有する断片をコー ドする核酸配列を使うことも可能である。本発明における全身的炎症緩和のため の治療用または予防用サイトカイン類には、決してそれらに限定されるものでは ないが以下のものが含まれる。即ち(1)IL−1レセプター拮抗物質遺伝子( IL−1raまたはIRAP)またはその生物活性を有する断片、(2)IL−4 またはその生物活性を有する断片、及び(3)IL−10またはその生物活性を有 する断片。 抗サイトカインまたはその生物活性を有する断片をコードする核酸配列を、本 発明の実施に供することもできる。 それらの同族サイトカインに拮抗し、従って抗炎症性作用を呈する治療用また は予防用の抗サイトカイン類には、決してそれらに限定されることはないが、以 下のものが含まれる。即ち(1)可溶性IL−1レセプターまたはその生物活性 を有する断片、及び(2)可溶性TNF−αレセプターまたはその生物活性を有 する断片。 金属プロティナーゼ阻害剤またはその生物活性を有する断片をコードする核酸 配列を、本発明の実施に供することも可能である。治療用または予防用の金属プ ロティナーゼ阻害剤は、軟骨分解を阻止し、従って、本発明で治療される侵食性 疾患に対する拮抗作用を行う。本発明において有益な、金属プロティナーゼに対 する酵素阻害剤としては、TIMPが含まれるが、決してこれに限るものではな い。 炎症反応の早期に顕著な細胞同志または細胞とマトリックス間の相互作用を阻 止するための抗接着分子をコードする核酸配列を本発明の実施に供することがで きる。細胞同志または細胞とマトリックス間の相互作用を、治療的もしくは予防 的に阻止する阻害物質には、以下のものが含まれるが、これらに限定されるもの ではない。即ち、可溶性ICAM−1、可溶性CD44、可溶性CD18または 可溶性ICAM−1、可溶性CD44もしくは可溶性CD18の生物活性を有す る断片である。 (1)スーパーオキシドジスムターゼまたはその生物活性を有する断片、及び (2)酸化窒素合成酵素阻害剤またはその生物活性を有する断片等で、必ずしも 上記の(1)及び(2)に限定されることのない抗オキシダントをコードする核 酸配列は、本発明 で治療される疾患の進行に伴って生じるフリーラジカルによる分解作用に関する 広範な治療法をもたらすであろう。 治療用ないし予防用の遺伝子産物またはそれらの生物活性を有する断片類をコ ードする他の核酸配列も、本発明の実施に供し得る。この様な遺伝子産物には、 それらに限定されるものではないが、次の(1)及び(2)を含む軟骨成長因子 が含まれる。即ち(1)IGF−1または、その生物活性を有する断片、及び( 2)TGF−βまたは、その生物活性を有する断片。さらに、コラーゲンがそう であるが、これが唯一のものではない、細胞外マトリックスの構成要素も、本明 細書中に開示されている通り、治療を要する一つ以上の疾患から患者を救済する ことができる。 5.2 ウイルス及び非ウイルス媒介送達システム 本発明はまた、哺乳動物宿主内で発現される核酸配列を含む組換え体ベクター の遺伝子移送のための種々のシステムの使用にも基づいている。対象となる核酸 配列は、ウイルスまたは非ウイルス媒介方法による送達のために調製することが できる。 本発明において使用されるウイルスベクターとしては、限定するものではない が、(a)限定するものではないが、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)か ら誘導されたベクターを含むレトロウイルスベクター、(b)アデノウイルスベ クター、(c)アデノ関連ベクター、(d)単純ヘルペスウイルスベクター、(e )SV40ベクター、(f)ポリオーマウイルスベクター、(g)パピローマウイルス ベクター、(h)ピコルナウイルスベクター、及び(i)ワクシニアウイルスベク ターが挙げられる。選択したウイルスベクター系に応じて、当業者が使用できる 技術を使用して選択された標的細胞に組換え体ウイルスベクターを感染させる。 本発明の特定の態様においては、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)レ トロウイルスベクターを使用して、哺乳動物細胞のトランスフェクションのため の構築物を生成する。MoMLVはRNAウイルスであるが、宿主細胞のゲノムに安定に 組み込むものからのDNA中間物を有する。このウイルスは、ウイルスのライフサ イクルに必要なプロモーター、ポリアデニル化、及び組込み配列を含むプロウイ ルスDNAの5'及び3'末端に2つの長い末端反復(LTR)を有する。psiと指称され るパッケージ配列はまた、感染性ウイルスの製造のためにはシス型である必要が ある。このウイルスは3つのタンパク質、gag、pol及びenvをコードし、これら はウイルスの複製のためにはトランス型である必要がある。gag及びpolタンパク 質はスプライシングされていないメッセージから発現されるが、envタンパク質 は図1に示した5'及び3'スプライシング部位を使用して生成されたスプライシン グされたメッセージから発現される。組換え体レトロウイルスベクターを生成す るために、gag、pol及びenv遺伝子を除去し、IRAPをコードするcDNA(MFG-IRAP )またはβ-gal及びneo(BAG)の遺伝子を挿入する。MFG-IRAPにおいては、遺伝 子はLTR誘導のスプライシングされたメッセージから発現される。BAGにおいては 、β-gal遺伝子はスプライシングされていないLTR誘導メッセージから発現され るが、neo遺伝子はSV40プロモーターから発現される。MFG-IRAP及びBAGは両方と も組換え体RNAのビリオン中へのパッケージに必要なpsi部位を有する。感染性ウ イルスを生成するために、gag、pol及びenvタンパク質を構造的に生成するパッ ケージ系にプロウイルスDNAをトランスフェクトする。図1は、レトロウイルス ベクターMFGのNcoI及びBamHIクローニング部位に挿入された、ヒトインターロイ キン-1レセプター拮抗タンパク質(IRAP)遺伝子をコードするcDNAの構造を示し ている(レトロウイルスベクターに関する記載については、Miller,1992,Curr ent Topics in Microbiology and Immunology 158:1-24参照)。 任意の非ウイルスベクターを本発明に使用することができ、限定するものでは ないが、例えばプラスミドDNAである。プラスミドDNAを使用することは、非ウイ ルスベクター媒介による全身的な送達システム、例えばそのままのDNAを骨格筋 に直接注射するような場合において特に有用である。対象の核酸の発現をアップ レギュレート(up-regulate)することが知られている当業者に利用可能な任意 の真核生物プロモーター及び/またはエンハンサー配列をプラスミドベクター構 築物中に使用することができ、これらには、限定するものではないが、サイトメ ガロウイルス(CMV)プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、 マウス白血病ウイルス(MLV)プロモーター、β-アクチンプロモーター、並びに 形質導入のために標的とされる細胞中で活性であることが知られている、任意の 細胞特異性真核生物プロモーター配列が含まれる。この目的のために本発明で使 用される非ウイルス媒介送達システムには、限定するものではないが、(a)そ のままの(naked)DNAの直接の注射、(b)リポソーム媒介形質導入、(c)リン 酸カルシウム[Ca3(PO4)2]媒介細胞トランスフェクション(遺伝的に形質転換 された細胞はその後哺乳動物宿主に関節外から戻される)、(d)エレクトロポ レーションによる哺乳動物宿主細胞トランスフェクション(遺伝的に形質転換さ れた細胞はその後哺乳動物宿主に関節外から戻される)、(e)DEAE-デキストラ ン媒介細胞トランスフェクション(遺伝的に形質転換された細胞はその後哺乳動 物宿主に関節外から戻される)、(f)ポリブレン媒介送達、(g)プロトプラス ト融合、(h)マイクロインジェクション、及び(i)ポリリシン媒介形質転換が 含まれる。 5.3 治療的または予防的発現産物の全身的送達 本発明はさらに、哺乳動物宿主内での核酸配列の治療的または予防的発現産物 の全身的な送達を促進することに基づく。遺伝子産物の好ましい全身的送達は、 組換え体ウイルスまたは非ウイル スベクターの使用と、その後の特定の哺乳動物細胞集団のインビトロでのトラン スフェクション、トランスフェクトされた細胞の回収と精製、及び患者への投与 を必要とする。対象の核酸配列を含む組換え体ベクターによるトランスフェクシ ョンの標的として使用される特異的な細胞集団には、限定するものではないが、 (1)造血前駆細胞を含む骨髄細胞集団、(2)末梢血白血球集団、好ましくはCD 34+血液白血球集団で、造血細胞に富んでおり、切開することなく患者へ導入す るにあたりトランスフェクトされた造血細胞を再集団化できるもの、(3)末梢 血リンパ球集団、(4)筋芽細胞で、対象の核酸配列のインビトロでのトランス フェクションの後に宿主に移植して戻すことができるもの、及び(5)筋肉注射 による、対象の核酸配列を含む組換え体ウイルスもしくは非ウイルス、または核 酸配列それ自体の送達が含まれる。 造血前駆細胞を含む骨髄の使用については実施例の第6節に詳細に記載する。 簡単にいうと、骨髄細胞を取り出し、組換え体ウイルスを感染させ、哺乳動物宿 主に再導入して戻すものである。従って、遺伝子または遺伝子断片は哺乳動物宿 主中で全身的に分布させられ、このDNA配列の発現は、哺乳動物宿主内での遺伝 子産物の全身的な送達を生じる。 末梢血は、ウイルス媒介ベクターによる感染のための哺乳動物細胞源である。 より具体的には、血液白血球、特に循環造血幹細胞を含むCD34+集団であり、ウ イルス感染の標的細胞として使用することができ、その後切開することなく哺乳 動物宿主骨髄の再集団化を行うことができる(Karlsson,et al.,1993,Bone M arrow Transplant.11(supp.1):124-127)。さらに、リンパ球を標 的細胞として使用して、対象の核酸配列の全身的送達を促進することもできる。 リンパ球は、宿主の末梢血から分離し、公知の方法により培養し、対象の核酸配 列を含むウイルスベクターによる感染のための標的細胞集団として使用できる。 感染されたリンパ球はその後哺乳動物宿主に注射することができる(例えば、An derson,et al.,1990,Human Gene Therapy 1:331-361を参照)。 別の標的細胞集団は筋芽細胞である。骨格筋の比較的大きな塊への血流は、こ の組織を対象の核酸配列の局所的な貯蔵所とさせる。従って、筋芽細胞のインビ トロ感染とその哺乳動物宿主への再導入は宿主中の局所標的を与え、治療的生成 物の全身的送達を生じる。筋芽細胞培養、感染、及び宿主への再導入は公知の方 法により行うことができる(例えば、Dai,et al.,1992,Proc.Natl.Acad.S ci.USA 89:10892-10895参照)。 この目的で、骨格筋への直接の注射は前記ベクター分子の局所的送達のもう1 つの方法である。直接の注射は、遺伝子産物の発現により、最終的に哺乳動物宿 主内での治療的生成物の全身的送達を生じる(Wolff,et al.,1990,Science 2 47:1465-1468;Raz,et al.,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:4523-4527 )。そのままのDNA、好ましくはプラスミドDNAのような非ウイルスベクターの直 接の注射は局所的な送達のこの方法において使用される。対象の核酸の発現をア ップレギュレートすることが知られている、当業者に使用できる任意の真核生物 プロモーター及び/またはエンハンサー配列を、プラスミドベクター構築物中に 使用することができ、これらには、限定するものではないが、サイト メガロウイルス(CMV)プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター 、マウス白血病ウイルス(MLV)プロモーター、β-アクチンプロモーター、並び に形質導入のために標的とされた細胞中で活性であることが知られている任意の 細胞特異性真核生物プロモーター配列が含まれる。 5.4 結合組織疾患の治療 5.4.1 リウマチ様関節炎の全身的治療 リウマチ様関節炎は、自己免疫疾患であることが広く支持されている多器官系 慢性疾患である。患者の約80%はリウマチ因子(RF)と指称される自己抗体につ いて陽性である。リウマチ因子は自己由来のIgGのFc部分について生成される。 核成分、コラーゲン及び細胞骨格フィラメント状タンパク質に対する別の自己抗 体も検出されることがある。リウマチ様関節炎は慢性滑膜炎の重篤な形態を取る ことが最も多い。この滑膜組織の慢性的炎症に加え、細胞媒介免疫も活性化され 、軟骨の破壊を生じる。何が自己免疫反応の引き金を引くのかは知られていない が、IL-1はリウマチ様関節炎の主要な媒介物であり得る。第1に、IL-1は滑液細 胞を活性化し軟骨破壊を促進することが知られている。第2に、IL-1は、リウマ チ様関節炎の病理発生において主要な役割を果たすことが知られている、リンパ 球及びマクロファージの化学誘因物質として作用する。 本発明は、IL-1に拮抗するタンパク質またはタンパク質断片(例えば、IRAPま たはIL-1に対する可溶性レセプター)、IL-1をダウンレギュレート(downregula te)するタンパク質またはタンパ ク質断片(IL-4及びIL-10)、あるいはインビボでIRAPを誘導するように作用す るタンパク質またはタンパク質断片(IL-4及びIL-10)をコードするDNA配列の使 用を含む、最も重要な全身的防御を開示し教示するものである。さらに、炎症及 び軟骨破壊を撲滅するのに利用され得る別の核酸配列は、(1)TNF-αの可溶性 レセプターまたはその生物学的に活性な断片、(2)金属プロテイナーゼの阻害 剤またはその生物学的に活性な断片、例えばTIMPをコードする核酸配列、(3) 抗接着分子、例えば可溶性ICAM-1、可溶性CD44、可溶性CD18、または可溶性ICAM -1、可溶性CD44もしくは可溶性CD18の生物学的に活性な断片をコードする核酸配 列、(4)抗酸化剤、例えばスーパーオキシドジスムターゼ、またはその生物学 的に活性な断片、及び一酸化窒素シンターゼの阻害剤、またはその生物学的に活 性な断片をコードする核酸配列、(5)IGF-1またはその生物学的に活性な断片、 及びTGF-βまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、並びに(6 )細胞外マトリックスの構成物、例えばコラーゲンをコードする核酸断片を含む 。これらのそれぞれの核酸配列の投与及び送達は本明細書を通して開示されたウ イルスまたは非ウイルス媒介方法により行うことができる。 本発明の1つの態様は、IRAPまたはその生物学的に活性なタンパク質断片をコ ードするDNA配列の送達を教示する。対象のDNA配列の送達及び連続的な発現は、 リウマチ様関節炎からの治療的苦痛軽減のための発現IRAPタンパク質またはタン パク質断片の長期間の分布を促進する。 IRAPにより誘導されるリウマチ様関節炎の全身的治療に関する 別の態様においては、IRAPまたはその部分をコードするDNA配列を、患者に全身 的送達する前にMoMLVレトロウイルスベクター中にサブクローン化する。具体的 には、リウマチ様関節炎の治療に使用し得る組換え体MoMLV-IRAP構築物はMFG-IR AP(図1)であり、これにおいてはIRAPまたはその部分をコードするDNA配列は 配列番号3である(図2)。 リウマチ様関節炎の治療においてMFG-IRAP構築物の全身的送達を促進すること に関し、このレトロウイルスベクターは、標準的なレトロウイルスパッケージ化 細胞系に移され、回収されたウイルス粒子が哺乳動物細胞集団系をトランスフェ クトするのに使用され、そのような細胞系には、限定するものではないが、(1 )造血前駆細胞を含む骨髄細胞集団、(2)末梢血白血球集団、好ましくはCD34+ 血液白血球集団で、造血細胞に富んでいるもの、(3)末梢血リンパ球集団(こ れはその後患者の循環系に静脈から再導入される)、及び(4)筋芽細胞であっ て、対象の核酸配列をインビトロ形質導入した後に宿主に移植して戻すことがで きるものが含まれる。 リウマチ様関節炎の治療のためのMFG-IRAP構築物の全身的送達に関する本発明 の好ましい態様においては、このレトロウイルスベクターは標準的なレトロウイ ルスパッケージ化細胞系に移され、回収されたウイルス粒子は造血前駆細胞を含 む骨髄細胞集団をトランスフェクトするのに使用される。これらのインビトロで トランスフェクトされた細胞集団はその後、実施例の第6節に記載したようにし て患者の循環系に再導入される。 5.4.2 全身性エリテマトーデスの全身的治療 全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus,SLE)は、皮膚、 関節、腎臓及び漿液膜の損傷を特徴とする自己免疫疾患である。広範な種類の自 己抗体、特に抗核抗体がSLEの患者に存在する。SLEの病理発生には、自己抗体及 び免疫複合体の沈積による組織及び細胞の損傷が含まれる。SLEの病理発生にお ける主要な免疫因子は、B-細胞の過剰活性であると考えられている。現在のとこ ろ治療法はなく、SLEの処置は通常、サリチル酸エステル、NSAIDあるいはステロ イドの投与による炎症の制御に向けられてきた。 本発明は、その一部として、IL-1拮抗剤をコードするDNA配列の患者内での全 身的または局所的な送達、長期間の露出及び発現による、SLEにより誘導された 炎症及び組織の損傷を制御し実質的に減じる能力を開示するものである。リウマ チ様関節炎の治療に関して先に記載したように、そのようなIL-1拮抗剤には、限 定するものではないが、IRAP、IL-1、IL-4、IL-10の可溶性レセプターまたはそ の生物学的に活性なタンパク質断片をコードするDNA配列が含まれる。 リウマチ様関節炎の治療について開示したように、SLEにより生じた炎症及び 軟骨破壊を撲滅するのに利用され得る別の核酸配列には、限定するものではない が、(1)TNF-βの可溶性レセプターまたはその生物学的に活性な断片、(2)金 属プロテイナーゼの阻害剤またはその生物学的に活性な断片、例えばTIMPをコー ドする核酸配列、(3)抗接着分子、例えば可溶性ICAM-1、可溶性CD44、可溶性C D18、または可溶性ICAM-1、可溶性CD44もしくは可溶性CD 18の生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、(4)抗酸化剤、例えばスー パーオキシドジスムターゼ、またはその生物学的に活性な断片、及び一酸化窒素 シンターゼの阻害剤、またはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、 (5)IGF-1またはその生物学的に活性な断片、及びTGF-βまたはその生物学的に 活性な断片をコードする核酸配列、並びに(6)細胞外マトリックスの構成物、 例えばコラーゲンをコードする核酸断片が含まれる。これらのそれぞれの核酸配 列の送達及び適用は本明細書を通して開示されたウイルスまたは非ウイルス媒介 方法により行うことができる。 本発明の1つの態様は、IRAPまたはその生物学的に活性なタンパク質断片をコ ードするDNA配列の送達を教示する。対象のDNA配列の送達及び連続的な発現は、 SLEからの治療的苦痛軽減のための発現IRAPタンパク質またはタンパク質断片の 長期間の分布を促進する。 IRAPにより誘導されるリウマチ様関節炎の全身的治療に関する別の態様におい ては、IRAPまたはその部分をコードするDNA配列を、患者に全身的送達する前にM oMLVレトロウイルスベクター中にサブクローン化する。具体的には、SLEの治療 に使用し得る組換え体MoMLV-IRAP構築物はMFG-IRAP(図1)であり、これにおい てはIRAPまたはその部分をコードするDNA配列は配列番号3である(図2)。 SLEの治療においてMFG-IRAP構築物の全身的送達を促進することに関し、この レトロウイルスベクターは、標準的なレトロウイルスパッケージ化細胞系に移さ れ、回収されたウイルス粒子が細 胞集団系をトランスフェクトするのに使用され、そのような細胞系には、限定す るものではないが、(1)造血前駆細胞を含む骨髄細胞集団、(2)末梢血白血球 集団、好ましくはCD34+血液白血球集団で、造血細胞に富んでいるもの(これは その後患者の循環系に静脈から再導入される)、(3)末梢血リンパ球集団(こ れはその後患者の循環系に静脈から再導入される)、(4)筋芽細胞であって、 対象の核酸のインビトロトランスフェクションの後に宿主に移植して戻すことが できるものが含まれる。SLEの治療におけるMFG-IRAP構築物の全身的送達に関す る本発明の好ましい態様においては、このレトロウイルスベクターは標準的なレ トロウイルスパッケージ化細胞系に移され、回収されたウイルス粒子は造血前駆 細胞を含む骨髄細胞集団をトランスフェクトするのに使用され、これらのインビ トロトランスフェクト細胞集団はその後患者の骨髄に再導入される。 5.4.3. 全身性硬化症の治療 全身性硬化症(systemic sclerosis,SSc)は、多器官系障害を特徴とする炎 症に基づく疾患である。原発的な病原事象は内皮細胞の損傷であり、その後つい に増殖、過剰な繊維形成、及び血管閉塞が起こる。SScの原因は不明である。し かしこの疾患は種々の免疫学的事象に関連している。最終的に繊維形成の原因と なる繊維芽細胞活性化は、IL-1、TNF-α、TGF-β、PDGF、繊維芽細胞増殖因子及 びその他のサイトカインによる剌激が関与していると考えられている。 全身性硬化症の治療に関しては、本明細書に記載した任意の方 法を使用して対象となる核酸を適当な細胞種中へ導入し、治療剤の発現を促進す ることができ、そのような核酸としては、必ずしも限定するものではないが、( 1)IRAPまたはその生物学的に活性な断片、(2)IL-1の可溶性レセプターまたは その生物学的に活性な断片、(3)IL-4またはその生物学的に活性な断片、(4) IL-10またはその生物学的に活性な断片、(5)TNF-αの可溶性レセプターまたは その生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、(6)金属プロテイナーゼの 阻害剤またはその生物学的に活性な断片、例えばTIMPをコードする核酸配列、( 7)抗接着分子、例えば可溶性ICAM-1、可溶性CD44、可溶性CD18、または可溶性I CAM-1、可溶性CD44もしくは可溶性CD18の生物学的に活性な断片をコードする核 酸配列、並びに(8)抗酸化剤、例えばスーパーオキシドジスムターゼ、または その生物学的に活性な断片、及び一酸化窒素シンターゼの阻害剤、またはその生 物学的に活性な断片をコードする核酸配列が挙げられる。 5.4.4. 多発性筋炎−皮膚筋炎の全身的治療 多発性筋炎(polymyositis)は、当初筋肉の衰弱を特徴とし、結局は運動障害 を引き起こす慢性炎症性筋障害である。この疾患は、約50%のケースにおいて皮 膚筋炎(dermatomyositis)を伴う。この疾患の原因は明らかでないが、患者はt RNAシンターゼに対する自己抗体を蓄積する傾向にある。また、CD4+及びCD8+T- リンパ球の活性化を介した細胞媒介免疫損傷がこの疾患の進行に関与しているこ とも報告されている。 インターロイキン-1はT-細胞活性化に関与する。従って、本発 明の別の態様は、多発性筋炎−皮膚筋炎の局所的及び全身的の両方の治療方法を 包含する。本明細書中に上記したようなIL-1の拮抗剤を発現するDNA配列を、筋 障害の部位に、全身的に(例えば、骨髄またはCD34+細胞集団をインビトロトラ ンスフェクションし、その後トランスフェクトされた細胞を患者に投与すること により)、または局所的に(筋肉内注射または宿主筋芽細胞集団のインビトロト ランスフェクション及び再導入)送達する。 多発性筋炎−皮膚筋炎の治療に関しては、本明細書に記載した任意の方法を使 用して対象となる核酸を適当な細胞種中に導入し、治療剤の発現を促進すること ができ、そのような核酸としては、必ずしも限定するものではないが、(1)IRA Pまたはその生物学的に活性な断片、(2)IL-1の可溶性レセプターまたはその生 物学的に活性な断片、(3)IL-4またはその生物学的に活性な断片、(4)IL-10 またはその生物学的に活性な断片、(5)TNF-αの可溶性レセプターまたはその 生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、(6)金属プロテイナーゼの阻害 剤またはその生物学的に活性な断片、例えばTIMPをコードする核酸配列、(7) 抗接着分子、例えば可溶性ICAM-1、可溶性CD44、可溶性CD18、または可溶性ICAM -1、可溶性CD44もしくは可溶性CD18の生物学的に活性な断片をコードする核酸配 列、(8)抗酸化剤、例えばスーパーオキシドジスムターゼ、またはその生物学 的に活性な断片、及び一酸化窒素シンターゼの阻害剤またはその生物学的に活性 な断片をコードする核酸配列、(9)IGF-1またはその生物学的に活性な断片、及 びTGF-βまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、並びに(10) 細胞外マトリックスの構成物、例えばコラーゲンをコードす る核酸配列が挙げられる。 5.4.5. シェーグレン症候群の全身的治療 シェーグレン症候群(Sjoegren's syndrome)は、リンパ球性浸潤並びに涙腺 及び唾液腺の破壊から起こる乾燥眼及び口内乾燥により臨床的に特定される。シ ェーグレン症候群の病理発生の間には多くの自己抗体が検出されているが、最も 優勢なものはリボヌクレオタンパク質抗原に対する自己抗体である。浸潤免疫細 胞の殆どはIL-1により剌激されるCD4+T-細胞である。 従って、本発明の別の態様は、本明細書中にこれまで開示し教示したようなIL -1拮抗剤をコードするDNA配列を生成させ送達することによるシェーグレン症候 群の治療に関する。 シェーグレン症候群の治療における全身的な送達の好ましい方法は、形質導入 した骨髄細胞、白血球またはリンパ球を再導入することである。局所的な送達の 好ましい形態は筋肉内注射である。 シェーグレン症候群の治療に関する別の態様においては、本明細書に記載した 任意の方法を使用して対象となる核酸を適当な細胞種中に導入し、治療剤の発現 を促進することができ、そのような核酸としては、必ずしも限定するものではな いが、(1)IRAPまたはその生物学的に活性な断片、(2)IL-1の可溶性レセプタ ーまたはその生物学的に活性な断片、(3)IL-4またはその生物学的に活性な断 片、(4)IL-10またはその生物学的に活性な断片、(5)TNF-αの可溶性レセプ ターまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、(6)金属プロテ イナーゼの阻害剤またはその生物学的に活性な断片、例えばTIMPをコードする核 酸配列、(7) 抗接着分子、例えば可溶性ICAM-1、可溶性CD44、可溶性CD18、または可溶性ICAM -1、可溶性CD44もしくは可溶性CD18の生物学的に活性な断片をコードする核酸配 列、(8)抗酸化剤、例えばスーパーオキシドジスムターゼ、またはその生物学 的に活性な断片、及び一酸化窒素シンターゼの阻害剤、またはその生物学的に活 性な断片をコードする核酸配列、(9)IGF-1またはその生物学的に活性な断片、 及びTGF-βまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、並びに(10 )細胞外マトリックスの構成物、例えばコラーゲンをコードする核酸断片が挙げ られる。 5.4.6. 血管炎症候群の全身的治療 血管炎症候群(vasculitis syndromes)は、血管の炎症及び最終的な損傷、そ の後の虚血により特徴付けられる。血管炎症候群における免疫複合体媒介メカニ ズムの病理発生における関与とともに、細胞媒介免疫損傷が主要な役割を果し得 ることの証拠が存在する。具体的には、血管内皮細胞がIL-1を分泌し、これがT リンパ球を活性化し血管内の炎症を促進し得るものである。 従って本発明は、種々の血管症候群の治療にも係わり、これらには、限定する ものではないが、結節性多発動脈炎、アレルギー性血管炎、多発性血管炎オーバ ーラップ症候群及び巨細胞性動脈炎(一過性動脈炎及び高安動脈炎)を含む。治 療には、本明細書においてリウマチ様関節炎及び全身性エリテマトーデスの治療 について先に記載したようなIL-1拮抗剤をコードするDNA配列の全身的な送達を 使用する。 血管症候群の治療に関する別の態様においては、本明細書に記載した任意の方 法を使用して対象となる核酸を適当な細胞種中に導入し、治療剤の発現を促進す ることができ、そのような核酸としては、必ずしも限定するものではないが、( 1)IRAPまたはその生物学的に活性な断片、(2)IL-1の可溶性レセプターまたは その生物学的に活性な断片、(3)IL-4またはその生物学的に活性な断片、(4) IL-10またはその生物学的に活性な断片、(5)TNF-αの可溶性レセプターまたは その生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、(6)金属プロテイナーゼの 阻害剤またはその生物学的に活性な断片、例えばTIMPをコードする核酸配列、( 7)抗接着分子、例えば可溶性ICAM-1、可溶性CD44、可溶性CD18、または可溶 性ICAM-1、可溶性CD44もしくは可溶性CD18の生物学的に活性な断片をコードする 核酸配列、(8)抗酸化剤、例えばスーパーオキシドジスムターゼ、またはその 生物学的に活性な断片、及び一酸化窒素シンターゼの阻害剤、またはその生物学 的に活性な断片をコードする核酸配列、(9)IGF-1またはその生物学的に活性な 断片、及びTGF-βまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、並び に(10)細胞外マトリックスの構成物、例えばコラーゲンをコードする核酸断片 が挙げられる。 5.4.7. 強直性脊椎炎の全身的治療 強直性脊椎炎(ankylosing spondylytis)は、体軸骨格及び大きな末梢関節の 炎症を特徴とする全身性リウマチ疾患である。本発明の別の態様は、リウマチ様 関節炎について開示したのと同じ方法による、この種の炎症性関節炎の治療を示 すものである。 リウマチ様関節炎の治療に関する態様において記載したように、強直性脊椎炎 の治療のために本明細書に記載した任意の方法を使用して対象となる核酸を適当 な細胞種中に導入し、治療剤の発現を促進することができ、そのような核酸とし ては、必ずしも限定するものではないが、(1)IRAPまたはその生物学的に活性 な断片、(2)IL-1の可溶性レセプターまたはその生物学的に活性な断片、(3) IL-4またはその生物学的に活性な断片、(4)IL-10またはその生物学的に活性な 断片、(5)TNF-αの可溶性レセプターまたはその生物学的に活性な断片をコー ドする核酸配列、(6)金属プロテイナーゼの阻害剤またはその生物学的に活性 な断片、例えばTIMPをコードする核酸配列、(7)抗接着分子、例えば可溶性ICA M-1、 可溶性CD44、可溶性CD18、または可溶性ICAM-1、可溶性CD44もしくは可溶性CD18 の生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、(8)抗酸化剤、例えばスーパ ーオキシドジスムターゼ、またはその生物学的に活性な断片、及び一酸化窒素シ ンターゼの阻害剤、またはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、( 9)IGF-1またはその生物学的に活性な断片、及びTGF-βまたはその生物学的に活 性な断片をコードする核酸配列、並びに(10)細胞外マトリックスの構成物、例 えばコラーゲンをコードする核酸断片が挙げられる。 5.4.8. 若年性リウマチ様関節炎の全身的治療 若年性リウマチ様関節炎は、16才より早い年齢で発症するリウマチ様関節炎の 形態である。3つのサブタイプ(全身性、少数関節、及び多関節)が指摘されて いる。この疾病はより大きな関節に影響を与える傾向があり、これは成長及び発 達を阻害する。 本発明のこの態様は、この疾患の治療としての抗関節炎タンパク質またはタン パク質断片の送達の全身的な形態の使用を示すものである。上記に強直性脊椎炎 について開示したように、リウマチ様関節炎について開示したのと同じ方法によ る若年性リウマチ様関節炎の治療が本発明に包含される。 リウマチ様関節炎の治療に関する態様において記載したように、若年性リウマ チ様関節炎の治療のために本明細書に記載した任意の方法を使用して対象となる 核酸を適当な細胞種中に導入し、治療剤の発現を促進することができ、そのよう な核酸としては、必ずしも限定するものではないが、(1)IRAPまたはその生物 学的に 活性な断片、(2)IL-1の可溶性レセプターまたはその生物学的に活性な断片、 (3)IL-4またはその生物学的に活性な断片、(4)IL-10またはその生物学的に 活性な断片、(5)TNF-αの可溶性レセプターまたはその生物学的に活性な断片 をコードする核酸配列、(6)金属プロテイナーゼの阻害剤またはその生物学的 に活性な断片、例えばTIMPをコードする核酸配列、(7)抗接着分子、例えば可 溶性ICAM-1、可溶性CD44、可溶性CD18、または可溶性ICAM-1、可溶性CD44もしく は可溶性CD18の生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、(8)抗酸化剤、 例えばスーパーオキシドジスムターゼ、またはその生物学的に活性な断片、及び 一酸化窒素シンターゼの阻害剤、またはその生物学的に活性な断片をコードする 核酸配列、(9)IGF-1またはその生物学的に活性な断片、及びTGF-βまたはその 生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、並びに(10)細胞外マトリックス の構成物、例えばコラーゲンをコードする核酸断片が挙げられる。 5.4.9. 乾癬性関節炎の全身的治療 乾癬性関節炎(psoriatic arthritis)は、皮膚または爪の乾癬を伴うリウマ チ様関節炎である。患者の大部分は2〜3の関節において、または全身的な形態 で罹病する。現在の治療の形態は炎症治療のためのNSAIDまたはステロイド注射 を使用するものである。 従って、本明細書中においてリウマチ様関節炎について上記した治療方法の1 以上により乾癬性関節炎を罹患する患者を全身的に治療することは、本発明の別 の態様である。 リウマチ様関節炎の治療に関する態様において記載したように、乾癬性関節炎 の治療のために本明細書に記載した任意の方法を使用して対象となる核酸を適当 な細胞種中に導入し、治療剤の発現を促進することができ、そのような核酸とし ては、必ずしも限定するものではないが、(1)IRAPまたはその生物学的に活性 な断片、(2)IL-1の可溶性レセプターまたはその生物学的に活性な断片、(3) IL-4またはその生物学的に活性な断片、(4)IL-10またはその生物学的に活性な 断片、(5)TNF-αの可溶性レセプターまたはその生物学的に活性な断片をコー ドする核酸配列、(6)金属プロテイナーゼの阻害剤またはその生物学的に活性 な断片、例えばTIMPをコードする核酸配列、(7)抗接着分子、例えば可溶性ICA M-1、可溶性CD44、可溶性CD18、または可溶性ICAM-1、可溶性CD44もしくは可溶 性CD18の生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、(8)抗酸化剤、例えば スーパーオキシドジスムターゼ、またはその生物学的に活性な断片、及び一酸化 窒素シンターゼの阻害剤、またはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配 列、(9)IGF-1またはその生物学的に活性な断片、及びTGF-βまたはその生物学 的に活性な断片をコードする核酸配列、並びに(10)細胞外マトリックスの構成 物、例えばコラーゲンをコードする核酸断片が挙げられる。 5.4.10. 骨形成不全症の全身的治療 骨形成不全症(osteogenesis imperfecta)は、骨マトリックスの約90%を構成 するI型コラーゲンの合成における欠陥を特徴とする関連する遺伝疾患のグルー プを包含する。この疾患は、臨床 的な表現型により、4つのサブタイプに分けられる(OI I,OI II,OI III及びO I IV)。コラーゲン小繊維の組み立ては、プロコラーゲンを形成するプロ−α鎖 の合成と3重ヘリックスの形成とを含み、このプロコラーゲンは細胞外マトリッ クスに分泌され、タンパク質分解により切断されてコラーゲン分子を形成する。 I型コラーゲンは2つの種類のα−鎖、α-1及びα-2からなる。コラーゲンの成 熟形態はコラーゲン小繊維に組み立てられる。 骨形成不全症の治療は、α-1及びα-2コラーゲン遺伝子の1つまたは両方の全 身的または局所的送達により特異的なOIサブタイプ欠陥を補償することを包含す る。本明細書においてこれまで記載した任意の送達法を使用して、α-1またはα -2のいずれかをコードする遺伝子またはその生物学的に活性な断片をコードする 遺伝子断片を送達することができる。 好ましい態様においては、所望の核酸配列を、例えばMFGをベースとしたMoMLV レトロウィルスベクターのようなウィルスベクターに連結し、このレトロウィル スベクターを標準的なレトロウィルスパッケージ化細胞系に移し、回収されたウ ィルス粒子を造血前駆細胞を含む骨髄細胞集団をトランスフェクトするのに使用 する。これらのインビトロトランスフェクトされた細胞集団をその後実施例の第 6節に記載したようにして患者の骨髄に再導入する。 5.4.11. 骨粗鬆症の全身的治療 骨粗鬆症は、骨の質量が減少し、骨格が脆くなり、従って骨折しやすくなるこ とを特徴とする疾患である。この疾病の病理発生 は、増加した骨破壊再吸収と、それと同時に減少した骨形成に基づくものであり 、結果として骨の質量の減少を生じる。再吸収の増加は全身的因子(例えばエス トロゲン及びカルシトシンの減少、及びPTHの増加)及び局所的な因子(例えば マクロファージ及び破骨細胞により局所的に生成されるIL-1、IL-6及びTNF-α) により促進される。 骨粗鬆症の治療処置は、リウマチ様関節炎の治療に関する態様を包含し、必ず しも限定するものではないが、(1)IRAPまたはその生物学的に活性な断片、(2 )IL-1、IL-6の可溶性レセプターまたはその生物学的に活性な断片、(3)IL-4 またはその生物学的に活性な断片、(4)IL-10またはその生物学的に活性な断片 、(5)TNF-αの可溶性レセプターまたはその生物学的に活性な断片をコードす る核酸配列、(6)金属プロテイナーゼの阻害剤またはその生物学的に活性な断 片、例えばTIMPをコードする核酸配列、(7)抗接着分子、例えば可溶性ICAM-1 、可溶性CD44、可溶性CD18、または可溶性ICAM-1、可溶性CD44もしくは可溶性CD 18の生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、(8)抗酸化剤、例えばスー パーオキシドジスムターゼ、またはその生物学的に活性な断片、及び一酸化窒素 シンターゼの阻害剤、またはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、 (9)IGF-1またはその生物学的に活性な断片、及びTGF-βまたはその生物学的に 活性な断片をコードする核酸配列、並びに(10)細胞外マトリックスの構成物、 例えばコラーゲンをコードする核酸断片を含む。 IL-1及び/またはTGF-1の局所的濃度を減少させる抗炎症治療遺伝子産物また はその生物学的に活性な断片をコードする核酸配 列が骨粗鬆症の治療に好ましい。所望の核酸配列の送達は、本明細書に記載した 局所的または全身的な送達のための任意の方法、好ましくは例えば骨髄細胞のよ うな造血幹細胞集団またはCD34+細胞集団のレトロウィルス媒介感染による全身 的送達を使用する方法を含み得る。 5.4.12. ページェット病の全身的治療 ページェット病(Peget's disease)(奇形性骨炎[Osteitis deformans]) は、当初破骨細胞性骨再吸収により示され、次いでこれが正常な骨髄の血管繊維 結合組織による置換を引き起こす。従って、再吸収された骨は、無秩序な形態で 配置された層状繊維からなる緻密な小柱骨に置き換えられる。ページェット病は ウィルス感染により十分起こり得る。可能な原因ウィルス剤は、パラミクソウィ ルス、はしかウィルス、呼吸系発疹ウィルス、または犬歯ウィルスによる緩やか なウィルス感染である。従って、異なる患者におけるページェット病については 異なるウィルスが原因であることがあり得る。 現在の治療処方は、アスピリン、NSAID及びグルココルチコイド、カルシトニ ン、プリカマイシン及びダクチノマイシンのような細胞毒性薬剤、並びにジホス ホネート化合物のエチドロネートを含む。 リウマチ様関節炎の治療に関する態様において記載したように、ページェット 病の治療のためにこれらの任意の方法を使用して対象となる核酸を適当な細胞種 中に導入し、治療剤の発現を促進することができ、そのような核酸としては、必 ずしも限定するもの ではないが、(1)IRAPまたはその生物学的に活性な断片、(2)IL-1、IL-6の可 溶性レセプターまたはその生物学的に活性な断片、(3)IL-4またはその生物学 的に活性な断片、(4)IL-10またはその生物学的に活性な断片、(5)TNF-αの 可溶性レセプターまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、(6 )金属プロテイナーゼの阻害剤またはその生物学的に活性な断片、例えばTIMPを コードする核酸配列、(7)抗接着分子、例えば可溶性ICAM-1可溶性CD44、可溶 性CD18、または可溶性ICAM-IN可溶性CD44もしくは可溶性CD18の生物学的に活性 な断片をコードする核酸配列、(8)抗酸化剤、例えばスーパーオキシドジスム ターゼ、またはその生物学的に活性な断片、及び一酸化窒素シンターゼの阻害剤 、またはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、(9)IGF-1またはそ の生物学的に活性な断片、及びTGF-βまたはその生物学的に活性な断片をコード する核酸配列、並びに(10)細胞外マトリックスの構成物、例えばコラーゲンを コードする核酸断片が挙げられる。 抗炎症治療遺伝子産物またはその生物学的に活性な断片をコードする核酸配列 で、例えば骨髄細胞のような造血幹細胞集団またはCD34+細胞集団のレトロウィ ルス媒介感染により全身的に送達されたものがページェット病の治療に好ましい 。 5.4.13. 炎症性腸疾患の全身的治療 炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease)は、胃腸管における知られてい ない病原の慢性炎症性疾患の群を指す一般的な用語である。慢性炎症性腸疾患は 2つの主要なグループ、潰瘍性大腸 炎及びクローン病に分けられる。炎症性腸疾患の原因は知られていないが、可能 性のある病原因子としては、感染性因子、免疫学的因子、家族性因子及び心理的 因子がある。2次的な腸管外発症、例えば関節炎及び胆管周囲炎が慢性炎症性腸 疾患の間に起こることが多い。炎症性腸疾患の薬剤治療には、抗炎症薬、スルフ ァサラジン(5-アミノサリチレートと考えられる活性化合物、プロスタグラン ジン合成を阻害することにより活性である可能性が最も高い)及びグルココルチ コイドの投与が含まれる。 従って、本発明は炎症性腸疾患の全身的治療処置に係わり、これはリウマチ様 関節炎について記載した態様を含み、それらには、限定するものではないが、( 1)IRAPまたはその生物学的に活性な断片、(2)IL-1の可溶性レセプターまたは その生物学的に活性な断片、(3)IL-4またはその生物学的に活性な断片、(4) IL-10またはその生物学的に活性な断片、(5)TNF-αの可溶性レセプターまたは その生物学的に活性な断片、(6)金属プロテイナーゼの阻害剤またはその生物 学的に活性な断片、例えばTIMPをコードする核酸配列、(7)抗接着分子、例え ば可溶性ICAM-1、可溶性CD44、可溶性CD18、または可溶性ICAM-1、可溶性CD44も しくは可溶性CD18の生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、(8)抗酸化 剤、例えばスーパーオキシドジスムターゼ、またはその生物学的に活性な断片、 及び一酸化窒素シンターゼの阻害剤、またはその生物学的に活性な断片をコード する核酸配列、(9)IGF-1またはその生物学的に活性な断片、及びTGF-βまたは その生物学的に活性な断片をコードする核酸配列、並びに(10)細胞外マトリッ クスの構成物、例えばコラーゲンをコードする核酸断片が含まれる。抗炎 症治療剤として作用する治療遺伝子産物またはその生物学的に活性な断片をコー ドする核酸配列が炎症性腸疾患の治療に好ましく、本明細書に開示した方法の任 意のものにより送達され得る。 以下の実施例は本発明の例示のために示すものであって、限定のためのもので はない。 6.実施例:マウスにおけるMFG-IRAPの効率的な全身的移送及び長時間の発現 6.1. 材料及び方法 6.1.1. IRAP cDNAの単離及びレトロウィルスベクターの構築 MFGベクターは簡略化されたMoMVLベクターであり、これにおいてはpol及びenv タンパク質をコードするDNA配列は削除されており、複製欠陥を有するようにし たものである。塩基1035までのgag遺伝子中の配列を使用して、スプライシング されていない転写物のパッケージ効率を増加させた。ヒトインターロイキン-1レ セプター拮抗剤(IRAP)をコードするcDNAを、図1に示したレトロウィルスベク ターMFGのNcoI及びBamHIクローニング部位に挿入した。 λgt10中のヒト単球cDNAライブラリーはClontechから購入した(カタログNo. HL1036a)。cDNAライブラリーは、mRNA単離の前に10nMホルボール12-ミリステー ト13-アセテートで48時間剌激した、ヒト単球細胞系U937から誘導した。塩基対3 09-391を含む32P-末端標識オリゴヌクレオチドを使用して、IRAP cDNAクローン についてライブラリーをスクリーニングした(Carter,et al.,1990,Nature 3 44:633-638により示されるようにして行った[p. 634の図1参照])。プローブはアンチセンスであった。陽性のクローンを寒天 プレートからニトロセルロースフィルターへプラーク精製した。EcoRIフランキ ング部位を有する2つの陽性ファージクローンを単離し、pUC18のEcoRI部位にサ ブクローン化したが、これらは同一の制限地図を有することが示された。次いで クローンの一方の配列決定を行った。陽性cDNAの5'末端はbp 93で切断されてお り、81 bpのナンセンスDNA(クローニングによる人為的なものである可能性が高 い)で置き換えられていた。bp 110付近から下流のDNAも失われていた。失われ ている5'配列を2回の連続的なPCR反応により置換した。最初の反応においては 、5'センスプライマーはbp 43-199をカバーした。3'アンチセンスプライマーはb p 553-577をカバーし、HindIII部位を3'末端に付加した。この反応の生成物を、 同じ3'プライマーとやはり5'末端にHindIII部位を付加するbp 1-67をカバーする 5'プライマーを使用する第2のPCR反応のために取った。第2のPCR生成物をHind IIIで消化し、pUC18中にサブクローン化し、配列決定した。得られたIRAPインサ ートは(配列番号3及び4、及び図2に示したように)、以下の構造、5'HindII I部位、直後に続くbp 1(やはりCarter,et al.,1990,Nature 344:633-638の ナンバリングを使用する)全IRAPコード配列、bp 543-577からの3'フランキング DNA、その後の3'HindIII部位、を有していた。このインサートをpSV2catのHindI II部位にサブクローン化した。当業者であれば、MFG-IRAPの構築のこの段階にお いて、任意の大きさのベクター分子、特に単一のHindIII部位を有するDNAプラス ミドベクター分子によりpSV2catを置き換えることができることを理解す るであろう。このヒトIRAPについてのcDNA(pSV2cat中にサブクローン化した配 列番号3)を、最初にIRAP遺伝子の停止コドンの下流の3'HindIII部位にBamHIリ ンカーを付すことによりMFG中に挿入し、次いでPstI及びBamHIにより消化した。 このPstI/BamHI IRAP断片を、NcoI部位(IRAPの翻訳の開始部位を示す[下線を 付した開始Met])からPstI部位(NcoI部位から約12塩基対下流)までの合成オ リゴヌクレオチドアダプター、 5'−CATGGAAATCTGCA−3'(配列番号1) 3'-CTTTAG-5' (配列番号2) を付加することにより、3部分連結反応によりNcoI/BamHI消化MFGに連結し、MFG -IRAPを得た(図1)。IRAPの開始コドンは配列番号1中で下線を付した。MFG-I RAPと指称する得られたプラスミドは、IRAPの全コード領域を含む。合成オリゴ 及び2つのDNA断片を使用する3部分連結はクローニングの分野の技術者に周知 のものである。図1におけるまっすぐな矢印及び曲がった矢印は、それぞれスプ ライシングされていないメッセンジャーRNAとスプライシングされたメッセンジ ャーRNAとを示す。IRAPはスプライシングされたメッセージによりコードされる 。 6.1.2. ウィルス生成細胞の単離 標準的なCaPO4トランスフェクション手順を用いて、IRAP遺伝子を有するレト ロウィルスベクター(MFG-IRAP)をCRIP細胞パッケージ系(Danos and Mulligan ,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6460-6464)にトランスフェクトする とともに、pSVneo(ネオマイシン耐性を与える)をNIH 3T3細胞にトランスフェ クトす る。NIH 3T3トランスフェクト細胞は、抗生物質G418に対する耐性に基づいて選 択する。ネオマイシン耐性物(neo-r)遺伝子を含むウィルスベクターは、細胞 系にG418に対する耐性を与えることができる。CRIP細胞系は、ベクターウィルス RNAを感染粒子中にパッケージするために必要な3種のウィルスタンパク質を発 現する。さらに、CRIP細胞系により生成されたウィルス粒子はヒト細胞を含む広 範な種類の哺乳動物細胞種に効率的に感染することができる。この細胞系により 生成されたレトロウィルス粒子は全て複製欠陥を有しているが、哺乳動物細胞中 に安定に一体化する能力は保持しており、これによりこれらの細胞の遺伝可能な 特性となる。この方法により製造したウィルスストックは、実質的にヘルパーウ ィルス粒子による汚染がなく、また非病原性である。 6.1.3. 造血幹細胞との共培養 骨髄細胞を集め、本質的にOhashi,et al.,(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8 9:11332-11336)により記載されたようにMFG-IRAP含有ウィルス製造細胞と共に 培養した。簡単にいうと、5-フルオロウラシルの注射(150mg/kg体重)の3日後 に、C57 BL/6J-Gpi-1a-Gpi-1a-Hbbd-Hbbd雌性マウスの肢から骨髄細胞を集めた 。骨髄細胞を、15%胎児ウシ血清、2mM L-グルタミン、100単位/mlのペニシリ ン、100g/mlのストレプトマイシン、及びサイトカインを補充したフィッシャー 培地中で2日間前培養した。組換え体ラット幹細胞因子(Amgen Biologicals) を100ng/mlで前培養及び共培養の両方に使用した。サイトカインの濃度は100単 位のIL-3及び100ngの組換え体IL-6であった。前培養の後、10% ウシ血清、抗生物質、ポリブレン(8μg/ml)及びサイトカインを補充したDMEM 中で20Gy-照射ウィルス製造体細胞とともに2日間共培養した。共培養の後、長 期間造血系再構成実験のために、致死量照射された(9.5Gy)B6-(Gpi-1b)/(Gpi-1b )マウスに2x106骨髄細胞を注射した。 前のパラグラフに記載した技術を使用して、大腸菌LacZ(β-ガラクトシダー ゼ)遺伝子を、対照として使用するためのマウスの骨髄に移した。LacZ遺伝子は ウィルスgag遺伝子及びネオマイシン耐性遺伝子neoに挿入し、BAGを生じた(図 1)。 6.1.4. 造血系再構成マウス中のIRAP活性についてのアッセイ 再構成マウス中のIRAP活性を、ヒトIRAPイムノアッセイ(定量的サンドイッチ ELISA)により、製造者の説明書に従って測定した(Research & Diagnostic Sys tem,Minneapolis,MNよりQuantikineの商品名で販売)。 6.2. 結果 表1は、マウスにおける4つの別々の長期間造血系再構成実験の結果を示すも のである。全ての場合において、高いレベルのIRAP発現が得られた。さらに、こ れらの発現のレベルは少なくとも13カ月維持された。従って、これらの実験によ り、哺乳動物宿主中における全身的なかたちでのIL-1拮抗剤の長期間の利用可能 性が得られることについての証拠が与えられるものである。 表2に記載したように、4匹のIRAP+マウス及び4匹の対照マウス(LacZ+)に ヒト組換え体IL-1βの10ngを皮下注射した。 3時間後、マウスから採血し、市販のELISAキット(Endogen,Boston,MA)を使 用して、血清をネズミIL-6の存在について分析した。対照マウスにおいては、IL -1βは血清IL-6の大きな増加を誘導した(生理食塩水を注射したマウスにおける 20pg/mlから、LacZ+マウスにおける28,721±11,090pg/mlまで)。IRAP+マウスに おいては、IL-6レベルは8,553±3,785pg/mlにしか達せず、70%の阻害であった( p<0.05)。これらのデータは、開示した方法によりマウス中で全身的に製造され たヒトIRAPが生物学的に活性であり、IL-1により誘導された生物学的反応を抑制 することができることを示している。 上述したように、その他のIL-1拮抗剤、所望の核酸配列を製造するためのウィ ルスまたは非ウィルス的な方法、及び哺乳動物宿主への全身的送達の形態を、開 示した発明を実施するのに使用することができる。従って、説明の目的のために 本発明の特定の態様をこれまで記載したが、添付の請求の範囲に定義された本発 明を逸脱することなく、本発明の詳細についての無数の変形を行い得ることは、 当業者に明らかであろう。 配列表 (2)配列番号1の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:14塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:オリゴヌクレオチド (xi)配列: (2)配列番号2の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:6塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:オリゴヌクレオチド (xi)配列: (2)配列番号3の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:589塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (vi)起源: (G)細胞の種類:ヒト単核細胞 (H)セルライン:U937 (vii)直接の起源: (A)ライブラリー名:Clontech(HL1036a) (B)クローン名:ヒトIRAP (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位置:15..548 (xi)配列: (2)配列番号4の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:177アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (xi)配列:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI // A61K 38/00 ABJ A61K 37/02 ABJ (C12N 5/10 C12R 1:91) (72)発明者 ロビンズ,ポール ディー. アメリカ合衆国 15232 ペンシルバニア 州 ピッツバーグ,エルマー ストリート 5816番地

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.DNA配列を哺乳動物宿主内に送達することを含むリウマチ様関節炎の治療 方法であって、前記DNA配列が、リウマチ様関節炎を全身的に軽減する生物学 的に活性な遺伝子産物を発現するものである前記の治療方法。 2.DNA配列が哺乳動物宿主内に全身的に送達される請求の範囲第1項記載の 方法。 3.DNA配列が哺乳動物宿主内に局所的に送達される請求の範囲第1項記載の 方法。 4.DNA配列がインターロイキン−1レセプター拮抗タンパク質または生物学 的に活性なその断片をコードする請求の範囲第2項記載の方法。 5.DNA配列が造血細胞含有集団にトランスフェクションされる請求の範囲第 4項記載の方法。 6.造血細胞含有集団が骨髄細胞を含む請求の範囲第5項記載の方法。 7.造血細胞含有集団がCD34+血液白血球を含む請求の範囲第5項記載の方 法。 8.DNA配列が末梢血細胞に形質導入される請求の範囲第4項記載の方法。 9.末梢血細胞がリンパ球である請求の範囲第8項記載の方法。 10.DNA配列が、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデ ノ関連性ベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、SV40ベクター、ポリオ ーマウイルスベクター、乳頭腫ウイルスベクター、ピコルナウイルスベクター、 およびワクシニア ウイルスベクターから成る群より選択されるウイルスベクターにサブクローニン グされる請求の範囲第4項記載の方法。 11.DNA配列が造血細胞含有集団に形質導入される請求の範囲第10項記載 の方法。 12.造血細胞含有集団が骨髄細胞を含む請求の範囲第11項記載の方法。 13.造血細胞含有集団がCD34+血液白血球を含む請求の範囲第11項記載 の方法。 14.DNA配列が末梢血細胞に形質導入される請求の範囲第10項記載の方法 。 15.末梢血細胞がリンパ球である請求の範囲第14項記載の方法。 16.ウイルスベクターがレトロウイルスベクターである請求の範囲第10項記 載の方法。 17.レトロウイルスベクターが造血細胞含有集団に形質導入される請求の範囲 第16項記載の方法。 18.造血細胞含有集団が骨髄細胞を含む請求の範囲第17項記載の方法。 19.造血細胞含有集団がCD34+血液白血球を含む請求の範囲第17項記載 の方法。 20.DNA配列が末梢血細胞に形質導入される請求の範囲第16項記載の方法 。 21.末梢血細胞がリンパ球である請求の範囲第20項記載の方法。 22.レトロウイルスベクターがMFG−IRAPである請求の 範囲第16項記載の方法。 23.MFG−IRAPを用いて造血細胞含有集団を形質導入する請求の範囲第 22項記載の方法。 24.造血細胞含有集団が骨髄細胞を含む請求の範囲第23項記載の方法。 25.造血細胞含有集団がCD34+血液白血球を含む請求の範囲第23項記載 の方法。 26.DNA配列が末梢血細胞に形質導入される請求の範囲第22項記載の方法 。 27.末梢血細胞がリンパ球である請求の範囲第26項記載の方法。 28.DNA配列がインターロイキン−1レセプター拮抗タンパク質または生物 学的に活性なその断片をコードする請求の範囲第3項記載の方法。 29.DNA配列がインビトロで培養された筋芽細胞にトランスフェクションさ れ、哺乳動物宿主に移植される請求の範囲第28項記載の方法。 30.DNA配列が非ウイルスベクターにサブクローニングされる請求の範囲第 29項記載の方法。 31.非ウイルスベクターがプラスミドDNAベクターである請求の範囲第30 項記載の方法。 32.DNA配列がウイルスベクターにサブクローニングされる請求の範囲第2 9項記載の方法。 33.DNA配列がレトロウイルスベクターにサブクローニングされる請求の範 囲第32項記載の方法。 34.レトロウイルスベクターがMFG−IRAPである請求の範囲第33項記 載の方法。 35.DNA配列が哺乳動物宿主の骨格筋に直接注入される請求の範囲第28項 記載の方法。 36.DNA配列が非ウイルスベクターにサブクローニングされる請求の範囲第 35項記載の方法。 37.非ウイルスベクターがプラスミドDNAベクターである請求の範囲第36 項記載の方法。 38.DNA配列がウイルスベクターにサブクローニングされる請求の範囲第3 5項記載の方法。 39.DNA配列がレトロウイルスベクターにサブクローニングされる請求の範 囲第38項記載の方法。 40.レトロウイルスベクターがMFG−IRAPである請求の範囲第39項記 載の方法。 41.DNA配列が、インターロイキン−4およびインターロイキン−10から 成る群より選択されるサイトカインまたは生物学的に活性なその断片をコードす る請求の範囲第2項記載の方法。 42.DNA配列が、可溶性インターロイキン−1レセプターおよび腫瘍壊死因 子−α可溶性レセプターから成る群より選択される可溶性サイトカインレセプタ ーまたは生物学的に活性なその断片をコードする請求の範囲第2項記載の方法。 43.DNA配列がTIMPまたは生物学的に活性なその断片をコードする請求 の範囲第2項記載の方法。 44.DNA配列が、可溶性ICAM−1、可溶性CD44、および可溶性CD 18から成る群より選択される抗接着分子または 生物学的に活性なその断片をコードする請求の範囲第2項記載の方法。 45.DNA配列がスーパーオキシドジスムターゼまたは生物学的に活性なその 断片をコードする請求の範囲第2項記載の方法。 46.DNA配列が、IGF−αおよびTGF−βから成る群より選択される軟 骨成長因子または生物学的に活性なその断片をコードする請求の範囲第2項記載 の方法。 47.DNA配列がコラーゲンまたは生物学的に活性なその断片をコードする請 求の範囲第2項記載の方法。 48.DNA配列が、インターロイキン−4およびインターロイキン−10から 成る群より選択されるサイトカインまたは生物学的に活性なその断片をコードす る請求の範囲第3項記載の方法。 49.DNA配列が、可溶性インターロイキン−1レセプターおよび腫瘍壊死因 子−α可溶性レセプターから成る群より選択される可溶性サイトカインレセプタ ーまたは生物学的に活性なその断片をコードする請求の範囲第3項記載の方法。 50.DNA配列がTIMPまたは生物学的に活性なその断片をコードする請求 の範囲第3項記載の方法。 51.DNA配列が、可溶性ICAM−1、可溶性CD44、および可溶性CD 18から成る群より選択される抗接着分子または生物学的に活性なその断片をコ ードする請求の範囲第3項記載の方法。 52.DNA配列がスーパーオキシドジスムターゼまたは生物学的に活性なその 断片をコードする請求の範囲第3項記載の方法。 53.DNA配列が、IGF−αおよびTGF−βから成る群よ り選択される軟骨成長因子または生物学的に活性なその断片をコードする請求の 範囲第3項記載の方法。 54.DNA配列がコラーゲンまたは生物学的に活性なその断片をコードする請 求の範囲第3項記載の方法。 55.DNA配列を哺乳動物宿主内に送達することを含む全身性エリテマトーデ スの治療方法であって、前記DNA配列が、全身性エリテマトーデスを全身的に 軽減する生物学的に活性な遺伝子産物を発現するものである前記の治療方法。 56.DNA配列が哺乳動物宿主内に全身的に送達される請求の範囲第55項記 載の方法。 57.DNA配列が哺乳動物宿主内に局所的に送達される請求の範囲第55項記 載の方法。 58.DNA配列がインターロイキン−1レセプター拮抗タンパク質または生物 学的に活性なその断片をコードする請求の範囲第56項記載の方法。 59.DNA配列が造血細胞含有集団に形質導入される請求の範囲第58項記載 の方法。 60.造血細胞含有集団が骨髄細胞である請求の範囲第59項記載の方法。 61.造血細胞含有集団がCD34+血液白血球を含む請求の範囲第59項記載 の方法。 62.DNA配列が末梢血細胞に形質導入される請求の範囲第58項記載の方法 。 63.末梢血細胞がリンパ球である請求の範囲第62項記載の方法。 64.DNA配列が、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデ ノ関連性ベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、SV40ベクター、ポリオ ーマウイルスベクター、乳頭腫ウイルスベクター、ピコルナウイルスベクター、 およびワクシニアウイルスベクターから成る群より選択されるウイルスベクター にサブクローニングされる請求の範囲第58項記載の方法。 65.DNA配列が造血細胞含有集団に形質導入される請求の範囲第64項記載 の方法。 66.造血細胞含有集団が骨髄細胞を含む請求の範囲第65項記載の方法。 67.造血細胞含有集団がCD34+血液白血球を含む請求の範囲第65項記載 の方法。 68.DNA配列が末梢血細胞に形質導入される請求の範囲第64項記載の方法 。 69.末梢血細胞がリンパ球である請求の範囲第68項記載の方法。 70.ウイルスベクターがレトロウイルスベクターである請求の範囲第64項記 載の方法。 71.レトロウイルスベクターが造血細胞含有集団にトランスフェクションされ る請求の範囲第70項記載の方法。 72.造血細胞含有集団が骨髄細胞を含む請求の範囲第71項記載の方法。 73.造血細胞含有集団がCD34+血液白血球を含む請求の範囲第71項記載 の方法。 74.DNA配列が末梢血細胞に形質導入される請求の範囲第7 0項記載の方法。 75.末梢血細胞がリンパ球である請求の範囲第74項記載の方法。 76.レトロウイルスベクターがMFG−IRAPである請求の範囲第70項記 載の方法。 77.MFG−IRAPを用いて造血細胞含有集団を形質導入する請求の範囲第 76項記載の方法。 78.造血細胞含有集団が骨髄細胞を含む請求の範囲第77項記載の方法。 79.造血細胞含有集団がCD34+血液白血球を含む請求の範囲第77項記載 の方法。 80.DNA配列が末梢血細胞にトランスフェクションされる請求の範囲第76 項記載の方法。 81.末梢血細胞がリンパ球である請求の範囲第80項記載の方法。 82.DNA配列がインターロイキン−1レセプター拮抗タンパク質または生物 学的に活性なその断片をコードする請求の範囲第57項記載の方法。 83.DNA配列がインビトロで培養された筋芽細胞にトランスフェクションさ れ、哺乳動物宿主に移植される請求の範囲第82項記載の方法。 84.DNA配列が非ウイルスベクターにサブクローニングされる請求の範囲第 83項記載の方法。 85.非ウイルスベクターがプラスミドDNAベクターである請求の範囲第84 項記載の方法。 86.DNA配列が、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデ ノ関連性ベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、SV40ベクター、ポリオ ーマウイルスベクター、乳頭腫ウイルスベクター、ピコルナウイルスベクター、 およびワクシニアウイルスベクターから成る群より選択されるウイルスベクター にサブクローニングされる請求の範囲第83項記載の方法。 87.DNA配列がレトロウイルスベクターにサブクローニングされる請求の範 囲第86項記載の方法。 88.レトロウイルスベクターがMFG−IRAPである請求の範囲第87項記 載の方法。 89.DNA配列が哺乳動物宿主の骨格筋に直接注入される請求の範囲第82項 記載の方法。 90.DNA配列が非ウイルスベクターにサブクローニングされる請求の範囲第 89項記載の方法。 91.非ウイルスベクターがプラスミドDNAベクターである請求の範囲第90 項記載の方法。 92.DNA配列が、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデ ノ関連性ベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、SV40ベクター、ポリオ ーマウイルスベクター、乳頭腫ウイルスベクター、ピコルナウイルスベクター、 およびワクシニアウイルスベクターから成る群より選択されるウイルスベクター にサブクローニングされる請求の範囲第89項記載の方法。 93.DNA配列がレトロウイルスベクターにサブクローニングされる請求の範 囲第92項記載の方法。 94.レトロウイルスベクターがMFG−IRAPである請求の 範囲第93項記載の方法。 95.DNA配列が、インターロイキン−4およびインターロイキン−10から 成る群より選択されるサイトカインまたは生物学的に活性なその断片をコードす る請求の範囲第56項記載の方法。 96.DNA配列が、可溶性インターロイキン−1レセプターおよび腫瘍壊死因 子−α可溶性レセプターから成る群より選択される可溶性サイトカインレセプタ ーまたは生物学的に活性なその断片をコードする請求の範囲第56項記載の方法 。 97.DNA配列がTIMPまたは生物学的に活性なその断片をコードする請求 の範囲第56項記載の方法。 98.DNA配列が、可溶性ICAM−1、可溶性CD44、および可溶性CD 18から成る群より選択される抗接着分子または生物学的に活性なその断片をコ ードする請求の範囲第56項記載の方法。 99.DNA配列がスーパーオキシドジスムターゼまたは生物学的に活性なその 断片をコードする請求の範囲第56項記載の方法。 100.DNA配列が、IGF−αおよびTGF−βから成る群より選択される 軟骨成長因子または生物学的に活性なその断片をコードする請求の範囲第56項 記載の方法。 101.DNA配列がコラーゲンまたは生物学的に活性なその断片をコードする 請求の範囲第56項記載の方法。 102.DNA配列が、インターロイキン−4およびインターロイキン−10か ら成る群より選択されるサイトカインまたは生物学的に活性なその断片をコード する請求の範囲第57項記載の方法。 103.DNA配列が、可溶性インターロイキン−1レセプターおよび腫瘍壊死 因子−α可溶性レセプターから成る群より選択される可溶性サイトカインレセプ ターまたは生物学的に活性なその断片をコードする請求の範囲第57項記載の方 法。 104.DNA配列がTIMPまたは生物学的に活性なその断片をコードする請 求の範囲第57項記載の方法。 105.DNA配列が、可溶性ICAM−1、可溶性CD44、および可溶性C D18から成る群より選択される抗接着分子または生物学的に活性なその断片を コードする請求の範囲第57項記載の方法。 106.DNA配列がスーパーオキシドジスムターゼまたは生物学的に活性なそ の断片をコードする請求の範囲第57項記載の方法。 107.DNA配列が、IGF−αおよびTGF−βから成る群より選択される 軟骨成長因子または生物学的に活性なその断片をコードする請求の範囲第57項 記載の方法。 108.DNA配列がコラーゲンまたは生物学的に活性なその断片をコードする 請求の範囲第57項記載の方法。 109.骨形成不全症の治療的軽減を促進するように、コラーゲンまたは生物学 的に活性なその断片をコードするDNA配列を哺乳動物宿主内に送達することを 含む骨形成不全症の治療方法。 110.DNA配列が哺乳動物宿主内に全身的に送達される請求の範囲第109 項記載の方法。 111.DNA配列が、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、ア デノ関連性ベクター、単純ヘルペスウイルスベク ター、SV40ベクター、ポリオーマウイルスベクター、乳頭腫ウイルスベクタ ー、ピコルナウイルスベクター、およびワクシニアウイルスベクターから成る群 より選択されるウイルスベクターにサブクローニングされる請求の範囲第110 項記載の方法。 112.ウイルスベクターがレトロウイルスベクターである請求の範囲第111 項記載の方法。 113.DNA配列を哺乳動物宿主内に送達することを含む骨粗鬆症の治療方法 であって、前記DNA配列が、骨粗鬆症を全身的に軽減する生物学的に活性な遺 伝子産物を発現するものである前記の治療方法。 114.DNA配列が哺乳動物宿主内に全身的に送達される請求の範囲第113 項記載の方法。 115.DNA配列が、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、ア デノ関連性ベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、SV40ベクター、ポリ オーマウイルスベクター、乳頭腫ウイルスベクター、ピコルナウイルスベクター 、およびワクシニアウイルスベクターから成る群より選択されるウイルスベクタ ーにサブクローニングされる請求の範囲第114項記載の方法。 116.ウイルスベクターがレトロウイルスベクターである請求の範囲第115 項記載の方法。 117.DNA配列が、インターロイキン−1レセプター拮抗物質、インターロ イキン−4およびインターロイキン−10から成る群より選択されるサイトカイ ンまたは生物学的に活性なその断片をコードする請求の範囲第116項記載の方 法。 118.DNA配列が、可溶性インターロイキン−1レセプター、 腫瘍壊死因子−α可溶性レセプターおよび可溶性インターロイキン−6レセプタ ーから成る群より選択される可溶性サイトカインレセプターまたは生物学的に活 性なその断片をコードする請求の範囲第116項記載の方法。 119.DNA配列がTIMPまたは生物学的に活性なその断片をコードする請 求の範囲第116項記載の方法。 120.DNA配列が、可溶性ICAM−1、可溶性CD44、および可溶性C D18から成る群より選択される抗接着分子または生物学的に活性なその断片を コードする請求の範囲第116項記載の方法。 121.DNA配列がスーパーオキシドジスムターゼまたは生物学的に活性なそ の断片をコードする請求の範囲第116項記載の方法。 122.DNA配列を哺乳動物宿主内に送達することを含む、シェーグレン症候 群、多発性筋炎−皮膚筋炎、全身性硬化症、血管炎症候群、若年性リウマチ様関 節炎、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、骨粗鬆症、骨形成不全症、パジェット病お よび炎症性腸疾患から成る群より選択される結合組織疾患または障害の治療方法 であって、前記DNA配列が、結合組織疾患または障害を全身的に軽減する生物 学的に活性な遺伝子産物を発現するものである前記の治療方法。 123.ウイルスベクターがレトロウイルスベクターである請求の範囲第122 項記載の方法。 124.DNA配列が、インターロイキン−1レセプター拮抗物質、インターロ イキン−4およびインターロイキン−10から成 る群より選択されるサイトカインまたは生物学的に活性なその断片をコードする 請求の範囲第123項記載の方法。 125.DNA配列が、可溶性インターロイキン−1レセプター、腫瘍壊死因子 −α可溶性レセプターおよび可溶性インターロイキン−6レセプターから成る群 より選択される可溶性サイトカインレセプターまたは生物学的に活性なその断片 をコードする請求の範囲第123項記載の方法。 126.DNA配列がTIMPまたは生物学的に活性なその断片をコードする請 求の範囲第123項記載の方法。 127.DNA配列が、可溶性ICAM−1、可溶性CD44、および可溶性C D18から成る群より選択される抗接着分子または生物学的に活性なその断片を コードする請求の範囲第123項記載の方法。 128.DNA配列がスーパーオキシドジスムターゼまたは生物学的に活性なそ の断片をコードする請求の範囲第123項記載の方法。 129.DNA配列が、IGF−αおよびTGF−βから成る群より選択される 軟骨成長因子または生物学的に活性なその断片をコードする請求の範囲第123 項記載の方法。 130.DNA配列がコラーゲンまたは生物学的に活性なその断片をコードする 請求の範囲第123項記載の方法。 131.IRAPまたは生物学的に活性なその断片をコードするDNA配列を含 む組換えレトロウイルスベクターを含む哺乳動物細胞。 132.組換えレトロウイルスベクターがモロニーマウス白血病 ウイルスに由来する請求の範囲第131項記載の哺乳動物細胞。 133.IRAPまたは生物学的に活性なその断片をコードするDNA配列が、 本質的に配列番号2から成る請求の範囲第132項記載の哺乳動物細胞。 134.組換えレトロウイルスベクターがMFG−IRAPである請求の範囲第 133項記載の哺乳動物細胞。 135.造血細胞である請求の範囲第131項記載の哺乳動物細胞。 136.造血細胞である請求の範囲第132項記載の哺乳動物細胞。 137.造血細胞である請求の範囲第133項記載の哺乳動物細胞。 138.造血細胞である請求の範囲第134項記載の哺乳動物細胞。 139.骨髄細胞である請求の範囲第135項記載の造血細胞。 140.骨髄細胞である請求の範囲第136項記載の造血細胞。 141.骨髄細胞である請求の範囲第137項記載の造血細胞。 142.骨髄細胞である請求の範囲第138項記載の造血細胞。
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