JPH08507438A - T細胞の活性化と増殖を阻害するLO−CD2a抗体およびその用途 - Google Patents

T細胞の活性化と増殖を阻害するLO−CD2a抗体およびその用途

Info

Publication number
JPH08507438A
JPH08507438A JP6519780A JP51978094A JPH08507438A JP H08507438 A JPH08507438 A JP H08507438A JP 6519780 A JP6519780 A JP 6519780A JP 51978094 A JP51978094 A JP 51978094A JP H08507438 A JPH08507438 A JP H08507438A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cd2a
antibody
cells
compound
patient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6519780A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3711143B2 (ja
Inventor
バザン,エルベ
ラタンヌ,ドミニク
Original Assignee
ユニヴェルシテ カトリク ドゥ ルーヴェン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユニヴェルシテ カトリク ドゥ ルーヴェン filed Critical ユニヴェルシテ カトリク ドゥ ルーヴェン
Publication of JPH08507438A publication Critical patent/JPH08507438A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3711143B2 publication Critical patent/JP3711143B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/2803Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against the immunoglobulin superfamily
    • C07K16/2806Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against the immunoglobulin superfamily against CD2
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/06Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/20Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin
    • C07K2317/24Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin containing regions, domains or residues from different species, e.g. chimeric, humanized or veneered
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • C07K2319/01Fusion polypeptide containing a localisation/targetting motif
    • C07K2319/02Fusion polypeptide containing a localisation/targetting motif containing a signal sequence

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 この発明はLO−CD2a抗体およびその抗体あるいは分子を使用する方法に関し、その抗体あるいは分子が、T細胞あるいはナチュラルキラー細胞の活性化および増殖により望ましくは免疫応答が中介されるヒト患者内の免疫応答を予防しまた阻害するために同じエピトープ(あるいはその一部)と結合するLO−CD2a抗体およびそれを使用する方法に関する。LO−CD2a抗体を有効量でヒト患者に投与すると、それは移植片拒絶反応、対宿主性移植片病あるいは自己免疫疾患を予防しあるいは阻害するであろう。

Description

【発明の詳細な説明】 T細胞の活性化と増殖を阻害するLO−CD2a抗体およびその用途 この出願は1993年9月9日に提出された現在未決のアメリカ合衆国特許出 願番号08/119,032を部分継承するものであり、またそれも同じく未決 の1993年3月5日に提出されたアメリカ合衆国特許出願番号08/027, 008を部分継承するものである。 この発明は一つの抗体(あるいは断片もしくはその誘導体)に関し、および望 ましくはこの発明はヒトリンパ球に結合する一つの抗体(あるいは断片もしくは その誘導体)に関する。より詳細には、この発明はそのような抗体(あるいは断 片もしくはその誘導体)の患者への投与を通じて、患者の進行性免疫応答を予防 しおよびもしくは阻害することに関する。望ましくは、この発明はそのような抗 体あるいは断片もしくはその誘導体の患者への投与を通じて、T細胞活性化およ び増殖を予防あるいは阻害することに関する。 従来の技術は、移植片拒絶のためCD2抗原に対し抗体を使用する可能性を開 示した。一般に従来の技術は、移植片拒絶を阻害するのに多分有用であるものと してCD2抗原に結合する抗体の使用を開示する。オーソファーマシューティカ ルズ コーポレイション,アメリカ合衆国特許番号4,364,973;4,6 14,720;4,515,893;4,743,6 81および4,798,806を参照されたい。 このような抗体はヒト患者あるいは動物の移植片拒絶を阻害するのに有用であ るとは知られていなかった。それは以下の引用文献、ジェイ.ヴイ.ジョルジ他 「サル同種異系移植受容体におけるOKT11Aモノクローナル抗体の免疫抑制 効果および免疫原性」移植紀要、15巻、1号、1983年3月、およびピー. ジェイ.サーロー他「モノクローナル抗PAN−T細胞抗体」移植、36巻、3 号、293−298ページで実証される。図面の簡単な説明 図1 ビオチン化LO−CD2aおよびLeu−5bPEによる末梢血単核細胞(P BMC)の2色染色。 図2 ヒトPBMCがLO−CD2a−FITCで染色され、次いでa)フィコエリ トリン(PE)に接合されたT11−PE(CD2に対するコールター抗体)、 あるいはb)フィコエリトリン(PE)に接合されたLeu−5B−PE(CD 2に対するベクトン・ディキンソン抗体)で染色された。いずれの場合もLO− CD2aによる前処理によって、変更される第2抗体による染色はなかった。 図3aおよび3b 膜マーカーに対するLO−CD2aの効果。PBMCが 2×106細胞数/mlでLO−CD2a(200ng/ml)の不在下(ソリ ッドライン)、あるいは存在下(ブロークンライン)で培養された。各図で示し た時点で、細胞は収穫され、細胞蛍光定量分析を受けた。a)およびb);PB MCは抗CD3(Leu−4a−FITC)、抗CD4(T4−RD)mAbs ,抗クラスII抗原(LO−DRa−FITC)あるいは抗CD8(T8−RD )モノクローナル抗体(mAbs)と標識された。商業用マウスmAbsのため の負の対照はFITCあるいはローダミン標識マウスIgGsで染色された同一 細胞のアリコート(部分標本)であった。ラットmAbsのための負の対照は普 通のラット血清で保温され、続いてFITC標識マウス抗ラットmAb(MAR K−FITC)で保温された細胞であった。その結果は正細胞の割合で表示され る。 図4aおよび4b 1×106細胞数/mlのリンパ球培養液が(a)表示された時点で抗CD2 (Leu−5b−FITC)、抗CD4(T4−RD1)mAb、あるいは抗C D8(T8−RD)で標識された。(b)各ドナーの1×106細胞数/mlの 混合リンパ球培養が抗CD2・mAb Leu−5b(FITC標識)で染色さ れた。商業用マウスmAbsに対する負の対照はFITCあるいはローダミン標 識マウスIgGsで染色された同一細胞のアリコートであった。ラットmAbs に対する負の対照は正常な血清で保温され、次いでFITC標識マウス抗ラット mAb(MARK−FITC)により保温された細胞で あった。この結果は正細胞の割合で表示される。 図5aおよび5b CD2発現に関するLO−CD2aおよびLeu−5bの効果。ヒトPBMC が示された各時点でa)LO−CD2a(200ng/ml)、あるいはb)( PBSに対し透析され、1:2で希釈された)Leu−5bで保温され、またa )CD2(Leu−5b−FITCおよびT11−RD1)の発現およびLO− CD2a(MarK−3−FITC)の結合のため、あるいはb)CD2(LO −CD2a−FITC,T11−RD1)およびLeu−5bヤギ抗マウス(G AM−FITC)の結合のために染色された。 図6 MLRに対するLO−CD2の効果。a)0時間に加えられたLO−CD2a の濃度を増加させて6日間培養した混合リンパ球培養におけるMLRの阻害。培 養は6日目に収穫された。b)0時間に加えられたLO−CD2aの異なった濃 度で培養された混合リンパ球培養におけるMLRの阻害。培養は24時間毎に収 穫された。c)LO−CD2a(200ng/ml)の不在下(ソリッドライン )あるいは存在下(ブロークンライン)での混合リンパ球培養による3Hチミジ ン(3H−T)のとり込み(cpm)、d)保温開始後異なった時点で加えられ たLO−CD2aによるMLRの阻害。培養は6日目に収穫された。すべての培 養は200μl/ウエルの最終容量で3個(各ドナーの1×106細胞数/ml )ずつ作成された。3Hチミジンが培養収穫の8時間前に加えられた。c)にお ける結果は示 された各時点で収穫されウエル当りとり込みcpm×10-3で示される。a), b)およびd)の結果は(LO−CD2aのない)対照培養と比較した3個の培 養のMLR阻害割合(平均値標±準偏差)で示される。 図7 末梢血単核細胞が200ng/mlのLO−CD2aを付加したあるいは付加 しない混合リンパ球培養で培養された。示された各時点で、細胞は移され、CD 2に対する抗体(Leu5b−FITC)で染色された後にフロー血球計算で分 析された。芽細胞は前および横の散乱でゲーティングされ、指示されたマーカー の発現は芽細胞について定量された。 図8 ヒトリンパ球がLO−CD2a(200ng/ml)の付加あるいは付加なし で培養された。示された各時点で細胞は移され、CD3(Leu 4a−FIT C)、CD4(T4−RDI)、CD8(T8−RD1)あるいはCD25(L O−TACT−1−FITC)で染色された。休止リンパ球は口径および粒状に よる差別的ゲーティングで確認され、その結果は、指示された抗体で染色された 全休止リンパ球に対するパーセントで表現された。 図9 マイトジェン剌激リンパ球に対するLO−CD2aの効果。OKT3(100 ng/ml)、Con−A(10μg/ml)およびPHA(1μg/ml)の 不在下(平行棒)あるいは存在下(固形棒)で96時間培養された。平行培養に おいて、 LO−CD2a(200ng/ml)はマイトジェンの1時間後(グレー棒)あ るいはマイトジェンの1時間前(空白棒)に追加された。角棒はLO−CD2a のみの存在下で行われた培養を示す。(3個の)培養は保温の最後の8時間に3 Hチミジンでパルス標識された。 図10aおよび10b LO−CD2aの存在下でエフェクター細胞および標的細胞(51CR標識K5 62細胞群)の保温によるNK活性の阻害。3個の濃度のLO−CD2a:5m g/ml,1mg/ml,0.5mg/mlがテストされた。エフェクター細胞 はNK活性の末梢血リンパ球であったが、それは標識された標的細胞の溶解パー セントで表現された。2個の正常な被検体が3種の比率:200/1,100/ 1,50/1でテストされた。 図11 PMBCのマイトジェン駆動活性化に関するLO−CD2aの効果。2人のド ナーから得たPMBCがOKT3(100ng/ml)、CON−A(10μg /ml)およびPHA(1μg/ml)の存在下で96時間培養された。平行培 養において、培養開始0日(0時間)、開始後1日(24時間)、あるいは2日 (48時間)後にLO−CD2a(200ng/ml)が追加された。このグラ フは各ドナーにおけるマイトジェン誘導増殖のLO−CD2aによる阻害割合を 示している。 図12 LO−CD2aを20mg/日で10日間(0日から9日) 受け入れるマカクザルの末梢血のμl当りの全リンパ球。 図13 LO−CD2aを20mg/日で10日間(0日から9日)受け入れるマカク ザルから得たPBMC細胞は、指示された日にCD2(Leu−5b)、CD4 (Leu3a)、CD8(Leu2a)、ナチュラルキラー細胞(CD8および C11b)およびB細胞(抗IgM)に対するモノクローナル細胞で染色され、 次いで、フロー血球計算で分析された。その結果が血液マイクロリッター当りの 全染色細胞数の百分率で提示される。 図14 LO−CD2aを20mg/日で10日間(0日から9日)受け入れるマカク ザルのNK活性。NK活性は11日および22日に検定され、25/1,50/ 1および100/1のE/Tの溶解%で提示された。 図15 抗体を20mg/日で10日間(0日から9日)受け入れるマカクザルのLO −CD−2aの血清濃度。モノクローナル抗体はテキスト記載のエリザで測定さ れ、μg/mlで示された。 図16 LO−CD2aを20mg/日で10日間(0日から9日)受け入れるマカク ザルのLO−CD2aに対するIgG抗体の成長。モノクローナル抗体に対する 抗体は、テキスト記載のサンドイッチエリザにより指示された日に採取された血 清の連続 希釈で測定され、492nmの光学濃度で表わされる。 図17aおよび17b a)指示された日に血液がヒヒから得られ、細胞は、抗CD2抗体T11RD 1およびLeu−5b−FITC,LO−CD2aおよび結合LO−CD2aを 検出するためにフルオレセインに結合したMARK3−FITCマウス抗ラット カルパ1b抗体で染色された。 b)指示された日に採取された血清サンプルがエリザによりLO−CD2aの 水準を評価された。 図18aおよび18b 指示された日に血清が採取され、細胞は結合LO−CD2aを検出するために MARK3−FITCおよびMARK2b−8−ビオチン(PE結合ストレプタ ビジンで検出されるビオチンに結合したマウスモノクローナル抗ラット抗体)で 染色された。 a)細胞の前処理のないもの b)循環抗体に占拠されていないいずれかの部位を検出するための染色に先立 つLO−CD2a,2.5μg/mlを用いた保温。 図19 指示された日に血液サンプルが採取され、T4−RD1(CD4),T8−R D1(CD8)あるいはMARK3−FITC(結合LO−CD2a)で染色さ れた。 図20 同種異系移植拒絶反応のためATG次いでLO−CD2aで 治療される患者#1の白血球、リンパ球およびクレアチニン。 図21 患者#1の治療の間および治療後のLO−CD2aの血清水準。 図22 LO−CD2a治療の間および治療後に先立つ患者#2のクレアチニン。 図23 LO−CD2a治療の間および治療後に先立つ患者#2の白血球およびリンパ 球の計数。 図24 各注射直前および注射2.5時間後に採取された患者#2のLO−CD2aの 血清水準。 図25 肝臓同種異系移植拒絶反応のためLO−CD2aを受け入れる患者#3の白血 球計数、リンパ球計数および血清クレアチニン水準。 図26 LO−CD2aおよびNK細胞のマーカーである(2)Leu5b、(3)L eu4(CD3)、(4)Leu3a(CD4)、(5)Leu2b(CD8) およびLeu11(抗CD16)による二重染色。LO−CD2a結合は、ヤギ 抗ラットIG−FITCで検出された。2個のカラーヒストグラムの上部セット (1−6)は二重染色を示している。下部セット(7−12)は各抗体を使った 単一染色を示してい る。 図27 LO−CD2aのラットイソタイプ対照(ファーミンゲン社、精製ラットIg G2b、カッパ)あるいはLO−CD2aおよびCD4(c,d)、CD8(e ,f)、CD16(g,h)、CD19(i,j)およびCD2(k,l)に対 するフィコエリトリン接合抗体を用いたヒトPBLの2色染色。LO−CD2a およびイソタイプ対照はFITC接合アフィニティー精製F(ab′)2抗ラッ ト免疫グロブリン(サザンバイオテクノロジー社)を用いて検出された。CD抗 原に対する抗体はすべてベクトン・ディキンソン社より得られるフィコエリトリ ン接合抗体[CD4(Leu3a)、CD8(Leu2a)、CD16(Leu 11b)、CD19(Leu12)およびCD2(Leu5b)]であった。そ れぞれのケースにおいて、イソタイプ対照を用いる染色は最初のヒストグラムで 、またLO−CD2aは第2ヒストグラムで示される。ヒストグラムaはイソタ イプ対照を用いたパターンを、またbはLO−CD2aを用いたパターンを示す 。 図28 野生型CD2で形質移入されたCOS細胞染色の細胞蛍光定量分析。左側のパ ネルはCD2を含まない対照ベクターで形質移入されたCOS細胞の染色ヒスト グラムを示し、右側のパネルのセットは完全なCD2分子を含むベクターで一時 的に形質移入されたCOS細胞の染色を示している。各セットで最上部にあるヒ ストグラムは、マウスW632(COS細胞により発 現されるものとして知られるクラスIに対する抗体)および76−2−11(マ ウスW632にとってのイソタイプ対照)での染色を示す。中央部パネルはLe u5b(ベクトン・ディキンソン社より得られる抗CD2)およびLeu5b染 色にとってのイソタイプ適合対照である76−2−11による染色を示し、また 最下部パネルは、LO−CD2aおよびLO−CD2aにとってのラットイソタ イプ適合対照による染色を示す。 図29aおよび29b a)MRCベクターよりのリーダー配列、b)LO−CD2a遺伝子よりのリ ーダー配列、を持つヌクレオチドおよびLO−CD2のVL鎖アミノ酸配列。 図30aおよび30b a)MRCベクターよりのリーダー配列、b)LO−CD2aの遺伝子よりの リーダー配列、を持つヌクレオチドおよびLO−CD2aのVH鎖アミノ酸配列 。詳細な説明 この発明の一つの見地に従って、ATCCデポジット番号HB11423で寄 託された細胞系により生産されたモノクローナル抗体として、ヒトリンパ球の同 じエピトープ(あるいはその一部)に結合する分子(望ましくはモノクローナル 抗体あるいはその断片)が提供される。デポジット細胞系により生産されるこの 抗体は、以下で時々LO−CD2aとして引用 される。「分子」あるいは「LO−CD2aと同じエピトープに結合する抗体」 という用語はLO−CD2aを含む。「LO−CD2a」の用語は、寄託された 細胞系ATCCHB 11423により生産される抗体、および例えば組換え技 術により生産することのできる同一のものを含む。 この発明の分子あるいは抗体は、ヒトT細胞活性化および増殖を阻害し、出願 人は、T細胞活性化を作用薬が剌激する前あるいは後にそれに分子あるいは抗体 を加えることでこのような阻害が有効になり得ることを発見した。 この発明の分子あるいは抗体は、CD2抗原のエピトープ(CD2陽性ヒトT 細胞)に結合するという特性を持つが、しかし、T細胞の活性化あるいは増殖を 阻害するそのような分子あるいは抗体の能力はCD2陽性細胞への結合を通じて 行われることもあり、そうでない場合もあることが理解されねばならない。もっ とも出願人は作用の機構がCD2陽性細胞への分子あるいは抗体の結合を含むも のと考える。 この発明のも一つの見地に従って、LO−CD2a(あるいは断片もしくはそ の誘導体)として以下で引用する一つの抗体、あるいはそのような抗体もしくは その誘導体あるいは断片によく似たいずれかの分子をヒト患者に投与することを 通じて、その患者の進行性免疫応答を予防しおよびもしくは阻害する方法が提供 される。 LO−CD2aを生産する一つの細胞系が、アメリカ合衆国、20852 メ リーランド、ロックヴィル、パークローン ドライブ 12301、アメリカン タイプ カルチャー コレクションに1993年7月28日寄託され、ATCCアクセッション番号A TCC HB11423が与えられた。この抗体はラットモノクローナル抗体で ある。 出願人はこの発明を何らかの理論的推論に限定するものではないが、免疫応答 の発病度を予防しあるいは減少させ、またT細胞の活性化および増殖を阻害する ようにすることをこの発明のモノクローナル抗体が出来る機構であるのは、LO −CD2a抗体がT細胞表面に発現されるCD2の密度を減少させ、かくしてC D2+Tリンパ球の数を減少させる事実があるためであると考える。これらの作 用機構は免疫応答の予防だけでなく、進行性免疫応答の減少の原因となり得るも のと考えられている。加えて以下で実証されるように、LO−CD2の抗体は 体外 でのナチュラルキラー(NK)細胞活性を阻害する。これはこの発明に関連 する。というのはNK細胞活性などの非MHC制限細胞障害機構が、対宿主性移 植片病に関連していると考えられているためである。 この発明の一つの見地に従って、LO−CD2a抗体のようなヒトリンパ球に ある同一のエピトープ(あるいはそのいずれかの部分)に結合する分子(望まし くは抗体)の有効量をヒト患者に投与することによって、ヒト患者にあるT細胞 の初期のあるいはもっと進んだ活性化および増殖を阻害する方法が提供される。 望ましい分子はLO−CD2aあるいはそのキメラおよびもしくはヒト化形態の ものである。このような分子は、例えばLO−CD2a抗体として同じ相補性決 定領域(CDR)を含む。 出願人が意図してここで使用している「阻害する」という用語は、移植拒絶反 応の予防、あるいは阻害、もしくは発病の減少、あるいは免疫寛容の誘導、もし くは逆転を意味するように意図される。この出願の目的のためにここで使用され ている「移植(graft)」という用語は、必ずしもそれに限定されないが、同種 移植および異種移植を含むいずれかすべての移植(transplantation)を含む。 このような移植は実施例によって必ずしもそれに限定されないが細胞、骨髄、組 織、固体器官、骨などの移植を含む。 ここで使用される「免疫応答」という用語は細胞作用およびT細胞依存型抗体 を両方とも含むT細胞活性化および増殖に依存する免疫応答を意味し、ここで、 前者の細胞作用およびT細胞依存型抗体は、その例として必ずしもそれに限定さ れないが、(i)移植、(ii)対宿主性移植片病および(iii)自己免疫疾患よ り生じる自己抗原等に応答して誘発される。自己免疫疾患の例としては必ずしも それに限定されないが、慢性関節リウマチ、全身性狼瘡、多発性硬化、糖尿病、 頬炎などがある。 この発明で使用される分子は、LO−CD2aのモノクローナル抗体と同じエ ピトープ(あるいはそのエピトープの一部分)に結合する分子である。「LO− CD2aモノクローナル抗体と同じエピトープに結合する」という用語は、LO −CD2aモノクローナル抗体を説明するだけではなく、LO−CD2aモノク ローナル抗体と同じようにエピトープに結合する他の抗体、断片あるいはその誘 導体もしくは分子を説明することを意図したものである。 このような他の抗体は、例によって必ずしもそれに限定されないが、ラット、 マウス、ブタ、ウシ、ヒト、キメラ、ヒト化抗体、あるいは断片もしくはその誘 導体を含む。 ここで使用される「誘導体」という用語は、キメラあるいはヒト化抗体、一本 鎖抗体、二重特異性抗体、あるいはLO−CD2aモノクローナル抗体により認 識されるものと同じエピトープ(あるいはその一部分)と結合するような他の抗 体を意味する。 ここで使用される「断片」という用語は、一つの抗体の一部分を意味し、抗体 のそのような部分はその例として必ずしもそれに限定されないが、CDR、Fa b、あるいはLO−CD2aにより認識されるのと同じエピトープあるいはその いずれかの部分に結合する他の部分を含む。 ここで使用される「抗体」という用語は、ポリクローナル、モノクローナル抗 体、抗体断片、誘導体、およびモノクローナル抗体LO−CD2aにより認識さ れるのと同じエピトープあるいはその部分に結合するキメラあるいはヒト化抗体 、一本鎖あるいは二重特異性抗体などのような組換え方法により調製された抗体 を含む。「分子」という用語は、その例によって必ずしもそれに限定されないが 、ペプチド、オリゴヌクレオチド、あるいは抗体に類似するもしくは抗体断片も しくはその誘導体のように同じエピトープあるいはその部分に結合するいずれか の源から誘導された他の化合物を含む。 この発明のも一つの実施例は、LO−CD2a抗体、あるいは一つの抗体、も しくはその誘導体あるいは断片、もしくは LO−CD2aと同じエピトープ(あるいはその一部分)に結合する分子よりな るグループから選択される少なくとも一つのメンバーの有効量を使って移植組織 を受け人れるべき、あるいは既に受け入れている患者の治療方法を提供する。治 療は全体のあるいは完全なLO−CD2a抗体を用いて行われることが望ましい 。 ここで説明されるこの発明のモノクローナル抗体は、ケーラーおよびミルシュ タイン(ネイチャー、256巻、495−497ページ、1975)で説明され たような従来の技術およびここで開示される技術で生産することが出来る。モノ クローナルLO−CD2a抗体の調製はこの出願の実施例1でより詳細に説明さ れる。ここで示されるように、LO−CD2a抗体は更に従来知られる手法を用 いた組換え技術でも生産出来る。組換え抗体はキメラ抗体の形をとることも出来 、ここではLO−CD2aラット抗体の可変領域あるいはCDR領域が他の種の 抗体の定常部に結合する。かくして例えばモノクローナル抗体はラットLO−C D2モノクローナル抗体の可変あるいはCOR領域をヒト抗体の定常部を結合し てキメラヒトラットモノクローナル抗体を提供することでヒト化することが出来 る。 この発明の抗体あるいは分子は、望ましくは(i)フロー血球計算で分析され る白血球の2色染色で示されるように、すべてのT細胞およびヌル細胞と結合す るがBリンパ球とは結合せず(図26および27)、(ii)(抗CD3抗体Le u4による染色で確認されるように)すべてのT細胞、Leu3aと Leu2b抗体それぞれで定義されるようにすべてのCD4およびCD8陽性細 胞、またCD3陰性(ヌル細胞)と結合し、(iv)NK細胞のマーカーであるL eu11で検出されるCD16陽性細胞の染色により確証されるようにヌル細胞 と結合する(図26)。抗CD19結合で定義されるように、B細胞の染色はL O−CD2aを使っては見られなかった(図27)。LO−CD2a抗体はまた 望ましくは、抗体がヒトヌル細胞に結合し、両方がCD2+およびCD16+であ るヒト細胞よりも両方がCD2+およびCD14+であるヒト細胞への染色強度が 高く、また両方がCD2+およびCD16+であるヒト細胞よりも両方がCD2+ +CD8+であるヒト細胞の染色強度が高いという特性を持っている。 LO−CD2aがCD2に結合することはCOS細胞内でCD2が一時的に発 現することで確認された。 ピータースン,エイ.およびシード,ビー.,ネイチャー,329巻, 10 /29/87,842−846ページに記述されるように、COS細胞は全CD 2分子をエンコードする遺伝子を含むCDMプラスミドで一時的に形質移入され た。 形質移入はDEAEデキストラン法により行われた。細胞は抗CD2モノクロ ーナル抗体Leu5b(ベクトン−ディキンソン)およびLO−CD2aで、染 色のための正の対照としてのMHCクラスIに対する抗体であるマウスW632 で、また対応するイソタイプ適合対照で染色された。反応性の特異性は無関係の プラスミドで形質移入されたCOS細胞に同一パネルのモノクローナル抗体を結 合させたものを評価して確認され た。 一時的に発現された天然CD2上のこれらモノクローナル抗体の染色パターン (図28)は、CD2による形質移入がCD2に結合するLO−CD2aの性能 を支援して両抗体の結合に導くことを示している。 この発明の目的に適したLO−CD2aモノクローナル抗体の調製はここで示 される教訓から当業者にとっては明らかである。 ここで説明されるタイプの抗体あるいは断片もしくはその誘導体あるいは分子 は、T細胞の活性化および増殖を阻害し、細胞表面のCD2発現の密度を減少し 、従ってCD2+Tリンパ球を少なくするため、この発明に従って生体内に投与 することが出来る。 かくして例えば生体内処理において、このようなLO−CD2a抗体は免疫応 答を予防しおよびもしくは阻害し、こうしてT細胞活性化および増殖を阻害する ために投与される。 前記記載のタイプの抗体あるいは断片もしくはその誘導体あるいは分子は、細 胞表面にあるCD2+発現の密度を減少させ、ドナー細胞のCD2+細胞数を少な くさせるためにこの発明に従って半ビボで投与される。半ビボ処置においてその 例として必ずしもそれに限定されないが、そのような抗体あるいは断片もしくは その誘導体あるいは分子は、移植に際して対宿主性移植片病の発病を予防するた めに、移植に先立ちドナーの骨髄に注入されるであろう。 このような生体内あるいは半ビボ手法において、抗体あるい は断片もしくはその誘導体あるいは分子は薬理的に許容出来る担体(キャリア) で投与される。このような担体の代表例として、標準食塩水、緩衝液などが言及 される。この薬理的担体は従来の技術で周知であり、適切な担体の選択はここに 含まれる教訓から当業者の範囲内にあるものと見做される。 この発明のLO−CD2a抗体あるいは他の分子は静脈内あるいは筋肉投与な どにより生体内投与される。 前記記載の通り、この発明のLO−CD2aの抗体あるいは他の分子は移植片 拒絶反応を阻害するための有効量で生体内に投与される。この出願の目的のため 「有効量」という用語は、望ましい効果、すなわち移植片拒絶の阻害あるいはT 細胞活性化の阻害を作り出すことの出来るモノクローナル抗体量を意味する。一 般にこのような抗体少なくとも1mgの量で投与される。それより少ない量で使 用出来ることも理解されねばならない。加えて最初の投与後に、前記記載の量が もし必要とあれば続く治療の際には少なくされることもある。かくしてこの発明 の範囲はこのような量で限定されることはない。 この発明の実施例に従って、T細胞活性化および移植片拒絶の阻害を継続する ためにこのような抗体が繰返して投与される。かくしてその例として必ずしもそ れに限定されないが、抗体は1時間から2時間にわたり約1mg/用量から約5 0mg/用量で薬理的許容担体懸濁液として1日1乃至2回、必要に応じて約8 日間からそれ以上にわたり静脈内注入により投与することが出来る。このような 移植片拒絶の治療は、移植に先立ちあるいはその直後、もしくは移植片拒絶が生 じた直後に 開始される。この治療は、移植に対する選択的反応不全状態を誘導するために、 移植が開始した時1,2日の出来るだけ少ない日時に1日1〜2回行うことが出 来た。この発明に従って、抗体あるいは断片もしくはその誘導体あるいは分子を 投与することに関連する自己免疫疾患のこのような治療は、病理的免疫応答を阻 害することが望ましいと所属医師が決定した時点で開始される。 T細胞の活性化を阻害するこの発明の手法は、T細胞活性化を阻害し、あるい は移植片拒絶もしくは対宿主性移植片病を阻害するために単独で、あるいは他の 手法、薬剤あるいは化合物と併用して用いることが出来る。 この発明は後述する実施例に関連して詳細に説明され、これは実証的ではある がこの発明の範囲を限定するものではない。 実施例で使用される細胞、培養、mAbおよびマイトジェンは従来の当業者に 周知で実施されてきた方法および処置により調製され、使用することが出来る。 以下はその後に続く各実施例で使用される細胞、培養、mAbおよびマイトジェ ンの調製および使用に利用することの出来る一つの方法あるいは処置についての 一つの実施例である。 細胞および培養 PBMCは当地の血液ドナーセンターで得られたヘパリン添加血液を沈降させ たフィコールーハイパック(スエーデン,ファルマチア社)より得られた。分離 されたPBMCは冨化培地:ペニシリン10U/ml、ストレプトマイシン10 0 μg/ml、L−グルタミン20mM、20%のヒトABプール血清あるいは1 5%の熱不活性化牛胎児血清を補充したRPMI1640培地(ベルギー、ジブ コ社)内で再懸濁された。PBMCは1×105細胞数/ウエルで96個のU型 ウエルマイクロプレート(ファルコン社)内で培養培地/ウエルの最終容量20 0μlにして培養された。両方向MLCは前記の培養培地と同量で各ドナー/ウ エルの1×105細胞数で行われた。すべての培養は3個ずつ作られた。結果に 示した時点の8時間前に3H−T(ベルギー,アメルサム社;247.9GBq /mmol;6.7Ci/mmlo)2.0μCi/ウエルでパルス標識され、 培養にとり込まれた放射性同位元素はベータカウンター(ベックマン社、L5 6000 SE)内で液体シンチレーションにより定量された。阻害の割合は以 下のように計算された:阻害パーセント=[1−(検定培地の平均cpm/対照 培地の平均cpm)]×100。すべての結果は3個の独立培地の平均値で表現 される。標準偏差はこれらの値がグラフに示されているものを除きいつも平均値 の15%以下であった。 細胞蛍光定量分析がコンソート30プログラムを装備したヒューレットパッカ ードハードウェアと共にファクスキャン細胞蛍光グラフ(ベクトン・ディキンソ ン社)を用いて行われた。リンパ球および芽細胞染色の独自分析はサイズおよび 粒状度を決めて差動ゲーティングを用いることが出来た。各サンプルに対し25 ,000事象が分析された。これらの実験でLO−CD2a最終濃度は特に示さ れたものを除き200ng/ml であった。 mAbおよびマイトジェン LO−DRAおよびLO−Tact−1(いずれもFITC標識)は出願人の 研究所で生産されたラットmAbである(見解引用、アッシュ.バザン(編集) ,1990,287ページ)。LO−Tact−1はIL−2レセプターのp5 5鎖に向けられる(見解引用文献、アッシュ.バザン「免疫学」、1984,お よびジャンツェン,エム,バック,デ.およびメイノー,ヴェ.セ.,「白血球 タイピングIV白細胞差動化抗原」ドゥブルヴェ.ナップ(編集),オクスフォー ド・ユニバーシティ・プレス,1989,403ページ)。マウス抗ヒトCD2 および抗CD3mAb(Leu−5bおよびLeu−4a−FITC標識)はベ クトン・ディキンソン(ベルギー)から得た。マウス抗ヒトCD4あるいは抗ヒ トCD8mAb(フィコエリトリン標識)およびマウスIgG FITCあるい はフィコエリトリン標識(陰性対照)はコールターから得た。OKT3(ベルギ ー,オルト−シラーグ)は100ng/mlの最終濃度で使用された。フィトヘ マグルチニンA(PHA:英国,ウエルカム・ラブス)およびコンカナバリンA (ConA:アメリカ合衆国,カルビオケム社)は1μg/mlおよび10μg /mlの最終濃度でそれぞれ使用された。 LO−CD2aのビオチン化 精製LO−CD2aの濃度はpH8.4の重炭酸ソーダ緩衝液0.1M内で1 mg/mlで調節された。NHSビオチン (ベーリンガーマンハイム1008960)が1.5mg/mlの濃度でDMS Oに溶解された。各MABに対しNHSビオチン溶液が加えられた。混合物は大 気温度で2時間回転された。抗体各mlに対してpH8.0の2MトリスHCl ,0.1mlを加え(大気温度で10分間)、次いで抗体各mlに対しリン酸緩 衝食塩水(PBS)にBSA1%の1mlを加えることによりこの反応は行われ た。遊離ビオチンを除去するために、溶液はPBS1000容量で4℃で一晩透 析された。ビオチン化反応および接合mAbはアルミニウムホイルでおおい一晩 明かりから保護された。 赤血球(RBC)の溶解 RBCは全血液から塩化アンモニウムによる溶解で取り出された。100ml の容量に対しNH4Cl 90g、KHCO3 10g、EDTA 370mg、 および水からなる10×保存溶液が調製された。1×塩化アンモニウム40ml sが血液の各10mlに加えられ10分間室温で保温された。混合物は次いで1 20rpmで10分間遠心分離され、ペレットはアジ化物0.1%のPBS10 mlで再懸濁された。 末梢血の染色 染色は円底の96個のウエルクラスタープレート(コスター#3790)で4 ℃で行われた。単一色染色のために、mAb10μlがヒト免疫グロブリン0. 2mgを含むPBSで適切に希釈され、各ウエルに加えられた。赤血球除去血液 はウエル当り90μgの量でプレートに配分された。細胞およびmAbはおだや かに軽打して混合され、30分保温された。冷却 BPS50μlが各ウエルに加えられ、プレートは1900rpmで2分遠心分 離された。上澄みがプレートの逆転およびプレートの軽打で捨てられた。細胞は プレートをカウンターで軽打して分散された。洗浄処置は冷却PBS200μl を加えて2回繰返された。ヤギF(ab′)。抗ラット1g−FITCの1/2 0希釈液10μlが各液の分散細胞に加えられ、暗がりで30分保温された。細 胞は各ウエルに冷却PBS180μlを追加して洗浄され次いで1900rpm で2分遠心分離された。上澄みは捨てられ、細胞は分散され、冷却0.5%のパ ラホルムアルデヒド200μlが各ウエルに加えられた。細胞は管(ファルコン #2054)に移され、0.5%パラホルムアルデヒドで約0.5mlに希釈さ れた。サンプルはリシスIIソフトウェアを用いてベクトン−ディキンソン・フ ァクスキャン機で評価された。 二重染色が同様の実験記録により実施された。細胞は第一次mAbおよびFI TC接合抗ラット試薬で保温された後、標準マウス血清の1/5希釈液が抗ラッ ト試薬にあるいずれかの残存部位を遮断するために加えられた。15分の保温( 洗浄なし)の後、既知のCD決定因子に特異的なPE標識mAb20μlが加え られ30分保温された。細胞は洗浄され単一染色で説明した通りに固定された。 実施例1 LO−CD2aはラット(IgG2b−カッパ)抗CD2モノクローナル抗体 で、出願人の研究所で生産され特性が明らかにされており、別途示されている( 下記引用文献参照:ズィー ア,エイチ.,ラヴェット,エイ.エム.,ラタンヌ,デ.,ニナンヌ,ジ.,ドブリュ イエール,エム.,ソーカル,ジェ.,およびバザン,アッシュ.「ラットハイブリ ドーマおよびラットモノクローナル抗体」アッシュ.バザン編、シーアールシー プレス社,ボカレイトン,フロリダ,1990,309ページ。およびラヴェ ット,エイ.エム.,ラタンヌ,デ.,セゲール,ジ.,マヌーヴリーエ,ペ.,ニナン ヌ,ジ.,ドブリュイエール,エム.,バザン,アッシュ.およびソーカル,ジェ, 「ラットハイブリドーマおよびラットモノクローナル抗体」アッシュ.バザン編 、シーアールシー プレス社,ボカレイトン,フロリダ,1990,287ペー ジ)。LO−CD2aは免疫親和性クロマトグラフィーにより腹水症液から精製 されたが、これは生じるハイブリドーマを受け入れるラットの免疫グロブリンと ハイブリドーマより分泌されるmAbとの間に存在するアロタイプの差異を利用 するものであった(バザン,アッシュ.,コルモン,エフ.およびデクラーク,エ ル.,「免疫学方法論ジャーナル」1984,71巻、9ページ)。これは図1に あるマウスmAb Leu−5b(FITC標識)により染色された全集団、お よびマウスT11(ローダミン標識)mAb((データは示されていない)(図 1参照))により標識された約90%の集団を認識する。CD−2分子上のLO −CD2aにより認識されたエピトープは、抗CD2マウスmAb Leu−5 bおよびT11により認識されたエピトープとは異なる。 実施例2 LO−CD2aはPBMCに対してマイトジェン作用ではな く調節作用を示す。 ラットmAb LO−CD2aの休止リンパ球に対する作用を測定するために 、PBMCがこのmAbの濃度を次第に増加させる状態で保温された。表1で見 ることが出来るように、LO−CD2aの存在下で6日間保温されたPBMCは 、対照培養と比較して3H−T取り込みの割合に著しい変化を示してはいない。 この期間の終りの時点での細胞生存度は変化するが、トリパンブルー排除法で評 価されるように平均約80%であった。休止PBMCがLO−CD2aの存在下 で保温された時、フロー血球計算で評価されるようにいくつかの膜マーカーの表 現型発現に著しい変化はなかった。休止成熟T細胞の細胞マーカー(CD3,C D4およびCD8など)はLO−CD2aの存在下あるいは不在下での培養6日 間で同じような変化のパターンを示し、またCD25(IL−2R/p55)な どのような活性分子はこれらの実験条件では発現されず、あるいはDR抗原決定 因子の場合がそうであるようにLO−CD2aにより修飾されない。 LO−CD2aの存在下でPBMCが6日間保温された時、Leu−5b+ゲ ートリンパ球の割合に著しい減少が観察された(図4)。CD4およびCD8リ ンパ球の割合はLO−CD2aの存在下で6日間培養しても影響されないが、こ れは観察されたCD2帯同リンパ球の減少がこれら細胞の排除に原因するもので はなく、むしろCD2分子の消失あるいはLO−CD2aの結合により生じる糖 タンパク質の立体配座変化に起因するものであることを示している。 観察されたLeu−5bリンパ球の減少がCD2の立体配座変化あるいはLO −CD2aの結合後この分子の消失(インターナリゼーションあるいは放出)に よるものかどうかを立証するために、PMBCがLO−CD2a 500ng/ mlの存在下で培養され、Len−5b(FITC標識)、T11−RD1(ロ ーダミン標識)およびMARK−3(FITC標識)を用いて6日間フロー血球 計算で分析された。図5aに示されるように、Leu−5bあるいはT11mA bは、LO−CD2aの存在下で2〜4日間の培養後PBMCに結合出来ない。 この条件下では、培養6日目のマウス抗ラットカッパ鎖mAbMARK−3標識 された50%の細胞は、もとのCD2帯同細胞の35%だけがその表面にLO− CD2aの存在を示さず、しかもLeu5b−FITCおよびT11−RD1染 色のものが2日目で著しく減少したことを示している。これは結合に利用出来な いLeu5bおよびT11のエピトープを与えるCD2の立体配座変更がLO− CD2aに応じて発生することを示唆している。 CD2+細胞の平均蛍光分析は、このマーカーの発現密度がLO−CD2aの 存在下で時間と共に減少したことを示した。Leu−5b FITC標識あるい はLO−CD2a(MARK−1 FITC標識で明らかにされたもの)がCD 2+リンパ球を検出するため使用されるかどうかという際にも同じ現象が観察さ れた。同一PBMCのアリコートがLeu−5b(商業的に利用出来るmAbで PBSに対し透析され、培養培地で1:2に最終希釈されたもの)の存在 下で平行して培養された。図6bで示されるようにこれらの実験条件下では、す べてのCD2帯同細胞は(ヤギ抗マウスFITCで明らかにされたように)Le u−5b mAbで被覆される。T11−RD1による染色は著しく減少し、一 方LO−CD2a−FITC mAbを認識するエピトープを提示する細胞の割 合は少しかつゆっくりと減少することが観察された。これらの結果を考慮して、 CD2分子はLO−CD2aに対応してその立体配座を部分的に変更し、また、 CD2/LO−CD2aのゆっくりした調節が起こるということが示される。フ ロー血球計算で測定されたように、培養の0日目に未剌激PBMCに存在する芽 細胞数は変化せず(25,000事象に対し芽細胞200〜300個)、あるい は研究期間中(ラットmAbの存在下あるいは不在下で)減少したが、これは芽 体形成でLO−CD2aの存在によっては誘発されなかったことを示している。 LO−CD2aはMLRを阻害する MLCが(6日間にわたり)ラットmAbの濃度増加の存在下で行われた時、 (3Hチミジン(3H−T)取り込みで測定されるように)MLRの著しい阻害が 125ng/mlもしくはそれ以下のmAb濃度で観察された。図6aにおいて 、LO−CD2aによるMLR阻害の用量応答曲線の典型的な例が示される。こ の図6aで見られるように、LO−CD2aは250ng/mlで(6日培養の )MLRの80%阻害を誘導し、この阻害率は広範囲の濃度(mAb,0.25 −5.0μg/ml)にわたり殆ど一定であり、場合によっては80%以上に なるものもある。図6bは培養の0日から6日までのMLRに対するLO−CD 2aの異なった濃度の阻害作用を時間進行で表わしている。(LO−CD2aの 存在下あるいは不在下での)MLCの3H−T取り込みの典型的な例は図6cで 示され、ここでLO−CD2aは200ng/mlの最終濃度で加えられた。 図6dで(200ng/mlで)MLCの開始後このmAbが異なった時間で 加えられる時のMLRに対するLO−CD2aの作用が示される。このmAbが 0日で加えられる時(3H−T取り込みで測定されるように)MLRの90%以 上の阻害が得られ、MLCの開始4日後にLO−CD2aが加えられる時、この 阻害作用は未だ存在(この実施例では45%の阻害が存在)している。(ここで は示されていないが)同じような結果が(0.20から5.0μg/mlまでの )LO−CD2aにより高い濃度で得られた。 LO−CD2aはIL−2R発現の経路を遮断する 細胞蛍光定量分析がMLCのリンパ芽球サブセットについて行われた時(図7 aおよびc)下記の観察が行われた。a)MLCの開始の際に既に存在していた 芽細胞(分析される25000事象の約300−500芽細胞)の数が対照培養 の中で4日から6日までに急激に上昇(分析される25000事象から芽細胞1 200以上)した。b)LO−CD2aの存在下で行われるMLCにおいて、培 養の全期間にわたり、芽細胞の数には著しい変化は見られなかった。また6日目 に芽細胞数は0日における最初の芽細胞数を常に下まわるかあ るいは殆ど同じである(図7a)。c)CD25芽細胞の割合はLO−CD2a なしで保温された細胞内で急激に上昇した(図7b)。d)この割合はmAb存 在下で保温されたMLCからの少ない芽細胞数で20%以下に留まり(図7b) 、また(CD25発現の尺度としての)平均蛍光は(結果は提示されていないが )対照培養に存在する芽細胞と比較すると75%減少した。e)mAbの不在下 で、CD3芽細胞の割合は培養の最初の4日間一定に留まり(図7b)、6日目 にCD3細胞の割合は90%に達し、一方LO−CD2aの存在下でCD3の割 合はゆっくり上昇して6日目にようやく約45%に達する。これらの結果は、L O−CD2aの存在が、IL−2レゼプター(CD25)の発現により特性付け られる活性化の経路でこれら細胞の入れ込みを阻害することを示す。CD2+芽 細胞数はLO−CD2aの存在下で一定に留まるかあるいは減少し、この膜マー カーの発現密度は(データは示されていないが)これらの条件下で大きく減少す る。 MLCの休止非芽細胞)リンパ球サブセットについて表現型分析が6日間行 われた時、図3で説明されたものと同様の結果が得られた。LO−CD2aの存 在下では、CD3+,CD4+あるいはCD8+リンパ球の割合は、対照培養と比 べて著しい変化が検出出来なかった(図8)。6日間培養でLO−CD2aの存 在下あるいは不在下を問わずCD25発現(活性化マーカー)は見られなかった 。これらの結果は、MLCにおけるTリンパ球の休止サブセットに対し、すなわ ち活性化の過程に入っていないT細胞においてはLO−CD2aがもしある としても非常に弱い作用しか持たないことを示している。同時に図4bで示され るように、LO−CD2aはMLCの期間にCD2+リンパ球の割合を著しく減 少させる。この現象はLeu−5b mAbにより検出されるように平均蛍光の 著しい減少を伴うものとなる。 LO−CD2aはTcR/CD3複合体あるいはマイトジェンレセプターに依 存するT細胞活性化の経路を遮断することが出来る。 LO−CD2aがマイトジェン活性化PBMCに加えられた時、3H−T取り 込みの著しい阻害が観察された。培養開始0時間あるいは1時間後のいずれかに 加えられるLO−CD2a存在下あるいは不在化で、マイトジェン(OKT3, ConAおよびPHA)を使ってPBMCの3個の実験が行われた。最初の場合 、マイトジェンは1時間後に加えられた。培養の開始1時間後にLO−CD2a が加えられた時、マイトジェンは0時間で加えられた。これは、マイトジェンあ るいはLO−CD2aを用いるPBMCの前保温が第2の試薬の追加により影響 を受ける事象を誘発出来るかどうかを知るために行われた。培養は96時間後に3 H−Tでパルス標識(6時間)をした後に収穫された。LO−CD2aがマイ トジェンの前あるいは後に加えられたかを問わず3H−T取り込みの阻害率が5 0%以上になることが観察された(図9)。MLCの開始4日後に細胞が収穫さ れマイトジェンに曝された時同じ作用が観察された(結果は示されていない)。 マイトジェンのみを受け入れた同じ培養と比較して、マイトジェンおよびLO− CD2aの両方を受け入れた培養でMLCの開始2日後に3H−T取り込みの著 しい減少が見られた(結果は示されていない)。マイトジェン追加の前にLO− CD2aを用いるMLCの前保温はOKT3の無いMLCと比較出来る値にまで3 H−T取り込みを下げた。 LO−CD2aはマイトジェン誘導増殖の開始1日前に加えられた場合には、 それはマイトジェン誘導増殖を阻害することも出来た。2人のドナーで行われた 実験結果は図10で示される。PMBCはマイトジェン(OKT3,ConAお よびPHA)と一緒に保温された。これらの実験で、LO−CD2aは培養の開 始後0時間(0日)、24時間(1日)あるいは48時間(2日)で加えられた 。LO−CD2aによりOKT3およびConAに応答する増殖の阻害は、0時 間でのマイトジェン追加の24時間後に加えられた場合に著しいものがあった。 実施例3 ナチュラルキラー(NK)細胞活性の阻害 PBMCはフィコルハイパック沈降法によりヘパリン添加血液から分離された 。洗浄の後、富化培地に懸濁されたエフェクター細胞は単核細胞を(付着により )除去するためにファルコンプレート内で1×106/mlの濃度で1晩保温さ れた。 標的細胞(K562細胞系)は51クロム51Cr(アメルサム、3×106/m lでの細胞懸濁液0.9ml+5mCi/ml51Cr溶液0.02ml)で一晩 保温されて標識された。 16時間保温後、エフェクター細胞および標的細胞は4回 洗浄され、計数され、異なったE/T(エフェクター細胞/標的細胞)比率:2 00/1(エフェクター細胞4×106/mlの懸濁液100ul対標的細胞2 ×104/mlの100ul)、100/1,50/1および25/lで96個の V底マイクロプレートで保温された。 4時間保温の後、51Cr放出がガンマカウンターで各ウエルからの上澄み10 0μlを計数することで測定された。 最大値(標的細胞+HCLIN)および自然放出(標的細胞+富化培地)は特 異細胞溶解率を計算して用いられた。 2個の正常ドナーでのNK検定においてLO−CD2aを5,1および0.5 ug/mlを含めたもの(図10aおよび10b)は、抗体のすべての試験濃度 のものおよびすべての試験E/T比率にわたり約50%の細胞毒性の阻害をもた らした。これは0.25ug/mlあるいはそれ以上での用量でのMLRにおい て基本的に完全な増殖阻害を行うものと比較される。 実施例4 非ヒト霊長類における生体内研究 材料および方法 モノクローナル抗体 MARK3−FITCはFITCで結合されたラット1gカッパ1bアロタイ プに指向するマウスmAbである。 MARG2b−ビオチンはビオチンで接合されたマウス抗ラット1gG2b免疫 グロブリンmAbである。これら2個のmAbは出願人の研究所で生産され標識 された。免疫蛍光法テストで、これらのmAbは2.5μg/mlの最終濃度で 使用された。Leu−5b−FITC(ベクトン−ディキンソン)およびT11 ローダミン(コールター)は、2個のマウス抗ヒトCD2 mAbである。T4 −およびT8−ローダミン標識(コールター)はそれぞれマウス抗ヒトCD4お よびCD8mAbである。 表現型分析 抗ヒトT細胞mAb(抗CD2、抗CD4、抗CD8、前記参照)が全血液の サンプル100μlに加えられ、4℃で45分保温された。赤血球細胞はトリス 緩衝塩化アンモニウム溶菌緩衝液(NH4CL1 144mM、トリス17mM 、pH7.2)で溶菌され、リンパ球はPBS/FCS2%/NaN3 0.2 %で洗浄された。非標識mAbの検出に対して、第2のmAb(FITC−ある いはビオチン接合体)が2.5μg/mlの最終濃度に加えられた。4℃で45 分間保温後、細胞はPBS/FCS/NaN3で洗浄された。ビオチン追加mA bに対しては、更にストレプトアビジン−フィコエリトリン接合体を使って保温 (15分)が行われた。標識ヒトあるいはサルリンパ球はホルマリン溶液2%で 再懸濁され、溶菌IIプログラムを備えたファクサン細胞血球蛍光光度計(ベク トン−ディキンソン)でサイズ対粒度の計数としてリンパ球のゲーティングを分 析された。非特異的染色のための対 照として、細胞のアリコートがFITCあるいはフィコエリトリン接合マウス1 gs(コールター)で保温された。 循環Absの水準 血清中のLO−CD2aは、第1層(被覆物)としてマウス抗ラットIgG2 b mAb(出願人の研究所で生産されたMARG2b−8)および検出のため のワサビダイコンペルオキシダーゼに共役された抗ラットカッパ鎖(MARK− 3)mAbを使ってエリザで定量された。要約すると、マイクロタイタプレート (ファルコン)はMARG2b−8(5μg/ml)の100μL/ウエルで一 晩保温され、プラスチックの占拠されていない部位は粉ミルク(ウシ)5%を含 むPBSで飽和された。室温で1時間保温した後、プレートはとウィーン−20 ,0.1%を含むPBSで洗浄され、希釈サル血清あるいはヒト血清100μl /ウエルで1時間保温された。未結合材料を洗い落とした後、プレートはMAR K3−ペルオキシダーゼ(PBS 2μg/ml)100μl/ウエルで1時間 保温された。再び洗浄した後、プレートはH22,0.03%を含むクエン酸塩 −りん酸塩緩衝液内でOPD(o−フェニレンジアミンジヒドロクロライド、0 .4mg/ml、シグマケミカルズ)を使って保温された。染色反応製品は49 2nmで検出された。標準曲線は対照サル血清あるいはヒト血清のプールで連続 的に希釈された精製LO−CD2aの既知の濃度で平行にされた。 サルあるいはヒト抗LO−CD2抗体の検出は、LO−CD2a(5μg/m l)で被覆された96個のウエルマイク ロプレートを用いてエリザで行われた。プレートに結合した抗LO−CD2aヒ トあるいはサル抗体は、ラット抗ヒト1gM(LO−HM−7)あるいは1gG (HO−HG−22)mAbで標識されたワサビダイコンペルオキシダーゼによ り明らかにされた。 A.マカクザル 1匹のマカクザルがLO−CD2a,10mg/日を3回連続して受け入れた 。モノクローナル抗体は十分に寛容化された。 リンパ球の失血状態は最初の注射の後観察されたが、第2および第3の注射の 後、追加の失血状態は非常に低かった。 第2のサルは20mg/日を10日間受け入れた。mAbは同じく十分に寛容 化された。吐気あるいは胃腸障害の何らの徴候もなく、動物は活性で、敏活で十 分に食事をしており、服用後には副作用は観察されなかった。 第2のサルのリンパ球計数および細胞集団が図19および20で要約される。 NK活性は注射10回の後僅かに減少した(図21)。mAbの循環水準は非常 に高く(図22)、免疫化は治療の終りで発生した(図23)。 ヒヒ ここで説明される実験は、LO−CD2aに対するヒヒの寛容性を測定し、ヒ ヒリンパ球の膜マーカーのいくつかに対するこのmAbの作用を分析し、また血 清にあるLO−CD2aの半減期を測定するために行われた。 LO−CD2aでヒヒ細胞を染色すると、ヒヒ細胞と穏当な 交差感受性で一致するヒト細胞を染色した場合に比べて著しく低い平均蛍光強度 で陽性細胞20%以下を生じる。 この研究は重さ8.8kgのオスヒヒ(papio mormon)について行われた。L O−CD2aの各注射の前にサルは麻酔された。最初はケテラーKetaler(2m l)およびプレイジンPrazine(0.5ml)で、2回目はケテラーのみでまた それ以降はケテラーおよびプレイジン(0.3ml)で行われた。LO−CD2 aは生理血清100mlで希釈して静脈内(i.v.10分間)注射された。リ ンパ球の表現型分析および(LO−CD2aが注射され抗LO−CD2a抗体が 新しく形成され、交差感受性ヒヒ抗LO−CD2a抗体が前もって存在している )循環抗体の測定のために、血液サンプル(10ml)が2個の管に採取された 。リンパ球型別の管はEDTAを含んでいた。基線水準を決定する最初の処置に 先立ちサンプルが採取された。 LO−CD2aの最初の用量(10mg)がこの研究の0日に投与された。続 いて4個の用量(10mg/用量)が7日、8日、9日および10日目に投与さ れた。各LO−CD2aの用量投与数分後に血液サンプルが採取された。7日お よび9日には(EDTΛ含有管に)補充血液サンプルがLO−CD2a注射の前 に採取された。血液サンプルは1,2,11,12,13,16および24日に 採取された。 LO−CD2a注射の期間あるいは研究の時期を通じて活性あるいは摂食習性 に異常な応働は観察されなかった。動物の重さは0日で測定された約8.8kg を維持していた(下記表参 照)。 表現型および循環mAbの分析 このヒヒの末梢血リンパ球の蛍光染色はいくつかの興味深い特徴を明らかにし た。 a)LO−CD2aの作用の下で、リンパ球のCD2陽性サブセットは、血液 中のmAbの最大蓄積時点であるLO−CD2aの第5回用量の末端で(2個の 異なった抗CD2mAbにより明らかにされたように)著しく減少した(図17 aおよび17b参照)。リンパ球のDC4+およびDC8+サブセットがこの期間 に減少しない(図19)条件下で、またDC+およびDC8+細胞が殆どのCD2 帯同リンパ球を含んでいるため、DC2+細胞の減少はリンパ球が減少している のではなく、膜マーカー発現が減少していることを示している。 図17aで見ることが出来るように、DC2+(Leu−5b+あるいはT11+ )陽性リンパ球の僅かな減少はLO−CD2aの最初の投与の後で観察される 。個の最初の投与の2日後、CD2陽性細胞(Leu−5b+あるいはT11+) の水準は開始時の値に上昇した。 LO−CD2aを24時間間隔で4回投与(7〜10日目)した時点で、CD 2陽性細胞(Leu−5b+あるいはT11+)の割合は急激に減少し、LO−C D2aの投与終了の3日後に徐々に上昇を開始した。 b)同時にLO−CD2a陽性細胞の割合、すなわち循環mAbにより結合さ れる細胞の割合は、抗CD2mAb,Leu5およびT11により明らかにされ たCD2+で行ったのと同じように、LO−CD2aの第2回投与(7日目)の 後22%上昇し、次いで減少した(図17)。LO−CD2a+細胞の減少はM ARK−3FITCにより明らかにされた(図18)。 LO−CD2a+細胞の減少は、MARK−3FITCあるいはMARG2b −8ビオチン接合mAbにより検出されたように、細胞に存在するLO−CD2 aの検出で測定された(図18a)。循環mAbにより占拠されていないすべて の部位を飽和するために細胞が2.5mg/mlのLO−CD2aでまず保温さ れた場合にも、同じ現象が観察された。LO−CD2aはMARK3−FITC あるいはMARG2b−8ビオチンにより検出された(図18)。 c)図19で見られるように、ヒヒリンパ球T4陽性サブセットは、T4+リ ンパ球の割合がその当初の水準に戻った時から9〜12日間におだやかな上昇を 示した。T4+細胞の上昇に付随して、T8陽性リンパ球の割合は9日から11 日目まで上昇した。その日以後、この割合は当初の値にまで戻った。 循環mAb LO−CD2aの水準は最初の注射の3日後にバックグランドの 値にまで減少した(図17b参照)。LO−CD2aが(7日から10日にかけ て)4回短時間間隔で投与される時、血清LO−CD2aの水準(この期間の最 大 値約3.7mg/ml)は最終投与(10日から16日)後ゆるやかに減少し、 これはこの動物モデルにおけるmAbの半減期が相対的に長いことを示している 。ヒヒ抗LO−CD2a抗体は11,12,13,16および24日に採取され た血液サンプルでは検出されなかった。 結論 LO−CD2aはマカクザルヒヒで明白な反応がないことにより示されるよう に、非ヒト霊長類により十分に寛容化されているように見える。LO−CD2a はヒヒにおいては相対的に長い半減期を持つように見える。LO−CD2aの最 初の投与より24時間後(図24bの1日目)、mAbの最大検出水準の50% が未だに血清中に存在していた。LO−CD2aの最終投与から3日後(図24 bの13日目)、mAbの最大検出水準の50%が未だに血清中に存在していた 。 一方、CD2陽性リンパ球の割合の減少およびそれに続くこの細胞の割合のゆ るやかな上昇は、LO−CD2aの存在下に培養されたヒトPMBC単核細胞で 観察されるのと同じような反応の起こる機構(キネティクス)を示している。 実施例5 LO−CD2a治療患者 特別条件でのLO−CD2a治療患者 患者#1(Mb.E.) これは慢性腎孟腎炎の女性患者であり、腎臓不全の終期に腎臓同種異系移植の 治療を受けた。拒絶反応発症が起こり、OKT3で10日間治療された。クレア チニン水準は2から 1.4mg/dlまで低下した。拒絶反応発症の約4ケ月後それは2mg/dl のクレアチニン水準および生検により診断され、適度の拒絶反応を示した。患者 はソルメドロール1.5gおよび続く8日間ATGコースで治療されたが、8日 目のクレアチニン水準は1.65mg/dlであった。治療7日後生検が実施さ れ、それは細胞拒絶反応および適度の血管拒絶反応を示した。生検(0日)の2 日後、患者は無尿症となりクレアチニン水準は2.4mg/dlとなった。同日 患者はLO−CD2a10mg、ソルメドロール1.5g、プラス、ポラリミン (抗ヒスタミンの一種)1g、およびダファルガン(アセトアミノフェン)1g を受けた。副作用は見られなかった。23時間後患者は700mlの尿を出し、 クレアチニンは2.72mg/dlであった。次の9日間彼女はLO−CD2a 、10mg/日を受けた。患者は11日にその時点で追跡生検を受けずに退院し た。 ATG治療期間および続くLO−CD2a治療期間の血清クレアチニン水準の 測定は、ATG治療にも拘らずクレアチニン水準が上昇し、LO−CD2aを使 ってそれが降下し安定した(図27)。 白血球数はLO−CD2aの治療期間に10,000の高水準から2,000 にまで低下し、21日目の最後の測定まで降下を続けた(図20)。リンパ球数 は観察期間中に低水準にあり変動した。 LO−CD2a血清水準は各治療の直後2.0−3.0μg/mlの最高値に まで上昇し、各治療の間に約1.0μg/ mlの最低水準に低下した(図21)。9日目の最終治療により、この水準は2 4時間後の50%から14日目の0まで低下した。この患者は40日目に病院に 戻った。 患者のクレアチニン水準は40日目に2.27となり、50日には2.48と なり、また66日には3.11にまで上昇し、その時点で生検が得られ、重症細 胞拒絶反応および間隙出血と一致する最初の報告があった。患者は腎臓への放射 線15OR、ソルメドロール3×125mgで治療され、一方シクロスポリン プラス、ステロイド12.5mg/日の維持治療も続けられた。クレアチニン水 準は続く期間中にも上昇を続けた。70日にクレアチニン水準は3.3、80日 には5.63、84日には8.35となった。85日までにはクレアチニン水準 は10.8となり、移植腎摘出が88日目に行われた。彼女の10日目の退院か ら66日目の生検までの期間のこの患者の維持免疫抑制への応諾は問題であり、 明らかに成功する救助であるにも拘らず腎臓の欠損は不確定な応諾の因子として 行動することになる。 (ii)患者#2 患者はC+肝炎の38才の男性であった。彼は慢性間隙ネフロパシーによる末 期腎臓不全の治療のために腎臓同種異系移植を受けた。1年3ケ月後彼はOKT 3コースに耐性の急性細胞および血管拒絶反応のため移植腎摘出を受けた。 移植腎摘出から1年10ケ月後、彼は2回目の腎同種異系移植を受けた。3日 後の彼のクレアチニン水準は1.4mg/dlであった。3日後彼はソルメドロ ール500mgを受け た。その日以後患者のクレアチニン水準は1.8mg/dlであった。次の日彼 はソルメドロール500mgを受けた。クレアチニンは3.25mg/dlであ った。その翌日彼はソルメドロール500mgを受け、彼のクレアチニンは2. 95mg/dlであった。3日後彼のクレアチニン水準は2.3mg/dlであ り、彼は生検を受けたがそれは3プラス細胞拒絶反応を示した。3日後彼はLO −CD2a、10mg、プラスソルメドロール200mg、ポララミンならびに ダルファガンを与えられた。副作用としては眠気だけであり、過温症や高血圧は みられなかった。次の9日間彼は毎日CO−CD2a10mgの治療を受けた。 この治療の終続に続く日に生検は拒絶反応の徴候を示さなかった。 患者はどの用量でも発熱あるいは高血圧のない状態を含めて治療副作用の証拠 のないようにLO−CD2aのコースで十分に寛容化された。治療のコースの間 に得られた(LFTを含む)従来の血液学治療化学実験テストは、抗体の投与に 起因する何らの変化も示さなかった。ただ例外としては、リンパ球数が290/ 立方mmから10/立方mmの低水準に減少し、また拒絶反応発症の消炎に関連する クレアチニン水準の減少(LO−CD2aによる治療開始時2.7mg/dlか らコース終期の1.10までの減少)がみられた。 図22はこの患者の血清クレアチニン水準を示し、2.5からLO−CD2a による治療を続けた日に約1.5まで低下したことが示される。患者は治療前お よび治療期間中はリンパ球減少症であり、白血球数は治療によって大幅な変化を 示さな かった(図23)。この患者においては、LO−CD2aの血清水準は各治療後 2.0μg/ml以上には上昇せず、1.0から0.25μg/ml以下の低水 準にまで降下した(図24)。LO−CD2aによる最初の治療の8ケ月後、こ の患者は正常な腎臓機能を示し、再発性拒絶反応の証拠はなかった。 患者2−生検#1−診断:不確定性 生検は約20個の糸球体を含み、これは目立たない数であった。また低い程度 の間隙性水腫を伴う希薄な単核浸潤物があった。程度の軽い管状浸潤が見られた が、血管の病変はなかった。これらの研究成果は急性細胞拒絶反応の診断には不 十分であった。小動脈には単核細胞は殆どなかったが、これは疑わしくはあった が、拒絶反応の診断の判断基準には合致しなかった。 患者2−生検#2,最初の生検の2週間後−診断異常なし この生検は従来の生検に類似しているようにみえ、約10個の糸球体を含んで いた。浸潤物は情に希薄で血管病変は確認されなかった。 (iii)患者#3 患者はフォン・ヴィレブランド病の19才の人で、慢性腎孟腎炎による末期腎 臓不全の治療で腎臓同種異系移植を受けた。OKT3、6日コースの不全の後、 続発性高血圧を伴う急性血管拒絶反応が生じたため、17日後に移植は取除かれ た。 5ケ月半後、彼は第2回目の腎臓同種異系移植を受けた。10日目には彼のク レアチニン水準は6mg/dlであった。そ の次の日クレアチニン水準は7mg/dlであり、生検は3プラス細胞拒絶反応 および血管拒絶反応(壊死あるいは血栓症のない増殖性動脈内膜炎)を示した。 その同じ日に彼はLO−CD2a10mg、ソルメドロール40mg、ポララミ ンおよびダファルガンを受けた。副作用はみられなかった。治療終了2日後、彼 のクレアチニン水準は1.75mg/dlであり、生検は間隙性壊死および1個 の慢性拒絶反応の病巣点を持っていたが急性拒絶反応の徴候を示さなかった。 治療上の副作用(BPあるいは温度)は観察されなかった。従来の血液学およ び(LFTを含む)診療化学実験テストは抗体の投与に起因する変化を示さなか ったが、例外として拒絶反応発症の消炎に関連するクレアチニン水準の減少(L O−CD2aの治療の開始時の7.10mg/dlから10日コースの終りの1 .75mg/dlまでの減少)がみられた。リンパ球数は治療前340/立方mm であり、治療中に220/立方mmの低水準にまで降下し、LO−CD2aによる 治療の中止後、9日目に690/立方mmとなり、治療終結23日後には1000 /立方mmにまで上昇した。 この患者の白血球数は治療による著しい変化を示さなかった(図25)。LO −CD2aによる最初の治療から7ケ月後、患者は正常な腎臓機能でうまくやっ ており、再発性拒絶反応の証拠はなかった。 患者3−生検#1−診断:小動脈および程度は低いが間質および糸球体に影響 する激しい細胞拒絶反応 アーチ形状動脈は弾性繊維の分断により内膜の著しい単核浸 潤を示した。そこにはしばしば細管に浸潤する間質の希薄な浸潤物があった。間 質はび慢性で軽い間隙水腫を示した。約7個糸球体がそこに存在していた。これ らは単核細胞の過剰細胞充実度および内皮腫脹を示している。全体としてのこの パターンは激しい急性細胞拒絶反応の症状を示していた。 患者3−生検#2,最初の生検から約2週間後−診断:治療拒絶反応に一致 生検は2、3の小動脈を示し、これは時には粘液状物質を伴うが細胞浸潤物が 非常に少ない内膜繊維症を示している。間質は微細なび慢性繊維症および最小単 核浸潤物を示した。細管は局所的には萎縮していたが他はあまり目立たなかった 。活性細胞拒絶反応の証拠はなかった。 (iv)患者#4 激しい対宿主性移植片病(高容量のプレドニソンに耐性の激しい皮膚、消化管 、腎臓および中枢神経系毒性)を患う患者が、同種異系骨髄移植を受けた後、1 2日間10mg/日でLO−CD2aを受け入れた。彼の症候は改善され、腎機 能は正常に戻り、下痢はとまり、皮膚も良くなり、錯乱も解決した。4日後抗体 は停止し、症候が再発し抗体の第2コースが開始されたにも拘らず患者は死亡し た。 LO−CD2aはかくして外来性組織に対する進行性免疫応答を逆転するため に使用することが出来る(外来性組織は同種異系および異種を含む。というのは LO−CD2aは同種MLRと同じように異種MLRを阻害するためである)。 抗体は1日に1回乃至2回で10日から14日静脈内注入により与 えられることになろう。それはまた器官移植の直後に誘導記録の一部としてT細 胞活性化を予防するために使用することが出来る。 この発明は望ましい実施例において移植拒絶の阻害を目的としているけれども 、発明の範囲はそれだけに限定されるものではなく、いずれかあらゆる目的でT 細胞活性化を阻害するために一般に有用であることは理解されねばならない。 実施例6 キメラ抗体の構築および発現 A.LO−CD2aのVHおよびVLのクローニングと配列化 チャーグイン(「生化学」18巻。5294ページ、1979)方法に従って 、全RNAがLO−CD2a細胞系(ATCC HB11423)から分離され た。mRNAは次いでオリゴテックス−dT mRNAキット(カリフォルニア 、チャッツワース、キアゲン)を用いて調製された。mRNA約200〜300 ngがパーキン−エルマー・シータス(コネチカット、ノーウォーク)のRNA −PCRキットを用いて逆転写された。この反応は42℃で1時間行われた。VH およびVL遺伝子の増幅に必要なオリゴヌクレオチドプライマーは下記の引用文 献を用いて選択された。1)「免疫学的関心のタンパク質の配列」カバット他、 第5版、1991。2)オーランディ他「全米科学アカデミー紀要」(アメリカ 合衆国)、86巻、3833−3837ページ(1989)。 数字はカバット他、1991年で示されているように、アミノ酸残基を指す。 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が次のような条件:94℃で1分、60℃で 2分、また72℃で2分よりなる30サイクル、94℃で5分の条件を用いてパ ーキンエルマーDNAサーマルサイクラー480内で実施された。DNA断片は キエックスゲル精製キット(カリフォルニア、チェッツワース、キアゲン)を用 いてアガロース1%からゲル精製された。断片は次いでカヌンゴおよびパンディ の方法「バイオテクニク」14巻、912〜913ページ(1993)に従って 平滑末端化され、ブルースクリプトKSII+(カリフォルニア、ラホーラ、ス トラータジェン)のSma I部位に結合された。多重クローンはシークエナー ゼTMT7ポリメラーゼキット(オハイオ、クリーブランド,ユー.エス.バイオ ケミカル)を用いてジデオキシ鎖終結法により配列された。 PCRに固有の潜在的な誤差率のために、少なくとも3回反 応が行われた。LO−CD2aVLおよびVH遺伝子のもっとも普通に観察された 配列は、図29aおよび図30aおよびbで示されており、ここで図29aはM RCベクターhcmv−v11ys−kr−neoからのリーダー配列を含むL O−CD2a VL鎖のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を示し、図29bはL O−CD2aの遺伝子からのリーダー配列を含むLO−CD2a VL鎖のヌク レオチドおよびアミノ酸配列を示し、また図30aはMRCベクターhcmv− Vh−Lys−gammal−neoからのリーダー配列を含むLO−CD2a VH鎖のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を示し、図30bはLO−CD2a 遺伝子からのリーダー配列を含むLO−CD2a VH鎖のヌクレオチドおよび アミノ酸配列を示す。 B.一過性発現のためのベクターへの挿入 LO−CD2aのキメラ軽鎖および重鎖それぞれの発現のために2個のベクタ ーがロンドンにあるメディカル・リサーチカウンシル(MRC)から許可された 。9.2キロベース軽鎖ベクター(hcmv−v11ys−kr−neo)はヒ トカッパ定常部のゲノムクローンおよびHind III−Bam HI断片とし て抗リゾチームのヒト化VLドメインを含む。8.6キロベース重鎖ベクター( hcmv−VhLys−gammal−neo)はヒトγ1定常部のゲノムクロ ーンおよびHind III−Bam HI断片として抗リゾチームの新形態VHド メインを含む。これらベクターは前田他、「ヒト抗体ハイブリドーマ」2巻、1 24−134ページ (1991)でより詳細に説明される。 天然シグナルペプチドを含有するDNA断片が利用出来なかったため、LO− CD2aのV領域がMRCベクターに既に存在しているシグナル背後にクローン された。シグナル断片と共に軽鎖V領域は以下に述べる独自のPCR反応から別 個に誘導される2個の断片から構築された。 反応1:DNA鋳型はMRC軽鎖ベクターであった。増幅された断片はシグナ ルペプチドに加えフレームワーク(FR)1の一部を含有していた。使用された 2個のヌクレオチドは下記のものであった。 アンチセンスプライマーは、抗リゾチームに対するMRCベクターでは見られ なかったLO−CD2aのFR1配列を含んでいた。PCR反応はHindIII −TthIII断片0.15キロベースを生産した。 反応2:DNA鋳型はブルースクリプト内のLO−CD2a、VLクローンで あった。増幅された断片は(TthIII部位から)FR4末端までLO−CD2 a、FR1を含んでいた。MRC軽鎖ベクターで見出される3′未翻訳領域は、 アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いてLO−CD2aの3′末端に付加され た。使用された2個のオリゴヌクレオチドは下記のも のであった。 この反応はTth III−Bam HI断片0.35キロベースを産出した。両 PCR製晶はキエックスQiaexを用いてゲル精製され、適切な酵素を用いて 制限された。Hind III−Tth III断片プラスTth III−Bam HI 断片は次いで3系連続でブルースクリプトのHind IIIおよびBam HI 断片の間で連結された。LO−CD2aの全VL領域に加えてMRCシグナルペ プチドを含有するこの構築物は次いで配列化された。 重鎖LO−CD2a、V領域構築物はその5′末端にMRCシグナル配列を、 またその3′末端に同じくMRC H鎖ベクターから誘導される長3′未翻訳領 域を含む。最終構築物は3個の別個のPCR反応から以下のようにして作られる 。 反応1:DNA鋳型はMRC H鎖ベクターであった。抗リゾチームのVLお よびVH遺伝子が同じシグナルを使用するため、センスプライマーはLO−CD 2a構築物に使用されたもの、すなわち5′V1lyssiqと同じであった。 アンチセンスプライマーは3′VHlyssiqであった。 この反応はMRCシグナルに加えてLO−CD2aのFR1の一部を含むHin d III−Pst I断片0.16キロベースを生産した。この断片はゲル精製さ れ、制限され、かつ配列化のためHindIII−Pst I切断ブルースクリプ トに連続された。 反応2:DNA鋳型はブルースクリプトのLO−CD2aVH領域であった。 この反応はVH領域の殆どを含むPstI −Sty I断片0.3キロベース を産出した。LO−CD2aのFR3には内部Pst Iが存在していたために 、Pst I−Sty I断片は下記のように2個のPCR反応から際構築され ねばならなかった。 前記の鋳型DNAはクローン82−8、ブルースクリプトにあるLO−CD2a VHであった。 反応A:オリゴヌクレオチド、以下オリゴ1および2として引用する、をプラ イマーとして使用し、断片0.2キロベースを産出する。 反応B:オリゴ3および4をプライマーとして使用し断片0.1キロベースを 産出する 前記オリゴ2および3はヌクレオチド配列内での変化を含み、それは、LO− CD2aのアミノ酸配列を変化させることなく内部Pst I部位を移動させる 。前記反応AおよびBのオーバーラップ生成物のアリコート(2−5μl)は、 組合され、第3PCR反応のための鋳型として役立つ。この反応のオリゴヌクレ オチドプライマーは前の図表の番号1および4であった。生成物0.3キロベー スはキアックスで精製され、Pst IおよびSty Iで制限された。断片が そのまま残ったために、内部Pst I部位は成功裡に突然変異された。 反応3:最終VH断片はMRC重鎖ベクターを鋳型とて使用し生産された。こ のSty I−Bam HI断片0.23キロベースは、LO−CD2aのFR 4の一部およびMRCベクターからの全3′未翻訳領域を含有していた。使用さ れたプラ イマーは以下のものであった。 生成する断片はゲル精製され、Sty IおよびBam HIで制限された。P st I−Sty IおよびSty I−Bam HI断片は次いで配列化のた めPst I−Bam HI切断ブルースクリプトに連続された。 すべてのヌクレオチドはアプライド・バイオシステム合成機で合成された。す べての配列化反応はシークエナーゼTMT7ポリメラーゼキット(オハイオ州、ク リーブランド、ユー.エス.バイオケミカル)を用いて実行された。すべてのP CRは下記の実験記録を使って実施された。94℃ 1分、50℃ 1分、72 ℃ 2分、最終延長72℃ 5分よりなる35サイクル、95℃ 5分。 正しい配列を含むLO−CD2aVLおよびVH断片はブルースクリプトから移 され、それぞれMRC軽鎖および重鎖のHind IIIおよびBam HI部位 の間にクローンされた。H鎖にとって、5′Hind III−Pst I断片は まずブルースクリプトにある構築物(Pst I−Bam HI)の残渣に結合 され、全Hind III−Bam HI断片は次いでMRCベクターにクローン された。 C.VHおよびVLのN末端アミノ酸配列化 N末端アミノ酸配列分析がマサチューセッツ、ケンブリッジ、ハーバード・マ イクロケミストリー・ラボラトリーによりRNA−PCRを用いて得られる配列 を確認するためにLO−CD2aの重鎖および軽鎖のサンプルについて行われた 。サンプルは下記の通り用意された。 LO−CD2aの200μgがBメルカプトエタノールの存在化でSDSポリ アクリルアミドゲル流量12%を通して適用された。電気泳動に続き、タンパク 質はウエスタン移転器を用いてPVDF膜に移転された。膜はポンソーSで短時 間染色され、酢酸1%で着色を取り除かれ、軽鎖および重鎖バンドは真空中で乾 燥されアミノ酸分析およびN末端配列化を求められた。 LO−CD2aVHの最初の20残基のアミノ酸配列はクローン配列と完全に 一致した。しかしVLの配列はFR1にある2、3および7の残基がクローン遺 伝子によりコードされたものとは異なることを示した。これらの差異は、すべて 前に引用され文献から得られる最良の推量配列に基づいてクローニング目的に使 用されるPCRプライマーに存在する。 D.N末端アミノ酸配列のDNA配列確認とその補正 この配列を補正し同時にLO−CD2aのVLおよびVH双方の天然シグナルペ プチドをクローンするために、RACE−PCRが用いられた(Rapid Amplific ation of cDNA Ends;cDNA末端の急速増幅):LO−CD2a細胞からのm RNAは逆転写され、生成するcDNAはdGTPの存在下で末端 トランスフェラーゼを用いて3′末端でG尾部結合された。cDNAは次いでG 尾部に相補的な3′オリゴヌクレオチドおよび5′オリゴヌクレオチドを使って 増幅された。サブクローニングを単純化するために、適切な制限部位が各オリゴ ヌクレオチドの5′末端に加えられた。 cDNAの調製のために使用されるオリゴヌクレオチドは下記の通りであった 。 RACE−PCRのためのオリゴヌクレオチドは下記の通りであった。 RACE−PCR反応は下記の実験記録を用いて行われた:94℃ 30秒、 50℃ 30秒、72℃ 50秒、次いで72℃で5分延長を含む40サイクル 、94℃ 5分。 LO−CD2aVLおよびVHのために得られたPCR製品はキアエックスを用 いてゲル抽出された。VH断片はXhoIおよびStu Iで制限され、Xho I−Sma I切断 ブルースクリプトに結合された。VL断片は平滑末端化されSma I切断ブル ースクリプトに連結された。多数のクローンが軽鎖および重鎖V領域のために配 列化され、シグナル配列が確認された。 免疫グロブリンで見出されるシグナル配列は一般にイントロンを有しているた め、これらの配列は発現に重要となる。 VLおよびVHリーダー配列を含むゲノムクローンは同様に確認された。ゲノムD NAは次のように調製された:4×107LO−CD2a細胞は撚りをかけられ 、冷却PBSで洗浄され、撚りをかけられ、再びPBSで洗浄された。細胞は新 鮮な追加プロティナーゼと共に消化緩衝液0.4ml内で再び撚りをかけられた 。この混合物は50℃で12〜15時間振られながら保温され、フェノール/ク ロロホルム/イソアミルアルコールの等量で抽出され、17000xgで撚りを かけられた。水相のものは清潔な管に移され、7.5Mアンモニウムの1/2量 およびエタノール95%の2量が付加された。DNAは2分間1700xgの撚 りかけによりペレット化された。このペレットはエタノール70%を使って洗浄 され空気乾燥された。ペレットは80mlのTE、pH8.0で再懸濁された。 鋳型として細胞系LO−CD2aから得られたゲノムDNAを使用して、VL およびVH双方のゲノムリーダー配列、同じくユニーク制限部位(VLにとっては Sph I、VHにはpst I)で終結するフレームワーク領域の一部を増幅 するために、下記のオリゴヌクレオチドが指名された。 PCR反応は下記のように実施された:LO−CD2a細胞からのゲノムDN A100ng、オリゴLVLおよびBKA(VL断片用)それぞれ200pmo lあるいはLVHおよびPVHA(VH断片用)それぞれ200pmol、1mm dNTP100μl、10XPfu緩衝液10μl。pfu、DNAポリメラー ゼ(カリフォルニア、ラホーラ、ストラータジェン)1ml(2.5ユニット) 、100μlまでの脱イオン水。pfuはタックポリメラーゼよりその精度が大 きいために使用された。 反応条件は以下の通りであった:94℃ 5分、50℃ 5分、94℃ 1分 の35サイクル、50℃ 1分、72℃ 1分、続けて72℃ 5分。PCR製 晶はゲル精製され、制限され、配列化のためブルースクリプトに連結された。正 しい配列を含むクローンが一度確認されると、これらクローンを含むブルースク リプトベクターはHind IIIおよびSph I(VL)であるいはHind IIIおよびpst I(VH)で切断され、断片はゲル精製された。Hind II I−Sph I断片0.75キロベースは次いでHind III−Sph I断片 が除去されたもとのLO−CD2aVL構築物を含むブルースクリプトに連結さ れた。新しい構築物は天然のLO−CD2aシグナルに加えてイントロンおよび (N末端配列と一致する)補正されたFR1配列を含んでいた。Hind III −Pst I断片は、Hind III−Pst I断片が除去されたもとのLO −CD2aVHを含むブルースクリプトに連結された。新しい構築物は天然シグ ナル+イントロンを含んでいた。新しく構築されたVLおよびVH断片は、次いで Hind IIIおよびBam HIでの消化によりブルースクリプトから除去さ れ、COS細胞の発現のためにそれぞれMRC軽鎖および重鎖ベクターにクロー ンされた。 E、COS細胞における一過性発現 COS7細胞は、ATCCより入手され、胎仔ウシ血清(FBS)を使ってダ ルベッコ最少必要培地(DMEM)で成長した。最適の形質移入は粘着細胞の密 集度約50%で達成された。形質移入を用意するために、プラスミドDNAがヌ ーセラム(NuSerum)およびDEAE−デキストラン/二リン酸クロロキ ンを含むDMEMに付加された。COS細胞培地は除去され、DNA混合物は付 加され、細胞は3時間37℃で保温された。この培地は次いで除去され、PBS 内でDMSO10%が細胞に2分間加えられた後、除去された。FBS10%の DMEMが細胞に付加された。一晩保温の後、培地は取替えられ細胞は2日間3 7℃で保温された。上澄みはキメラ抗体の分泌のためエリザ検定用として採取さ れた。 F.エリザによる分泌キメラの検出 キメラ抗体の分泌は、ヒト抗体(あるいはその一部)の存在を検出するように 設計されたエリザにある形質移入COS細胞からの上澄みの検定により確認され た。ヤギ抗ヒトIgG(H+L)はリン酸緩衝食塩水(PBS)で5μg/ml の濃度にまで希釈され、一晩4℃での保温によりエリザマイクロタイタプレート のウエルに結合された。プレートはエリザプレートウォッシャーを使って3回洗 浄された。 残存遊離部位は30分間室温でウシ血清アルブミン1%を含むPBS(PBS −BSA)200μlを付加することによって遮断された。上澄みおよび陽性対 照参照標準(精製ヒトIgG1K)の2倍希釈液がPBS−BSAで用意された 。培地のみおよびもしくはPBS−BSAのみが陰性対照を構成した。抗体希釈 液および対照がウエルに付加され、室温で1.5時間保温された。プレートは次 いでトウィーン20、0.05%を含むPBSのプレートウォッシャーで3回洗 浄された。ヤギ抗ヒトIgG(ガンマ鎖特異性)−ワサビダイコンペルオキシダ ーゼ(HRP)接合抗体あるいはヤギ抗ヒトカッパ軽鎖HRP接合抗体の適切な 希釈液が各ウエルに付加され、室温で1時間保温された。プレートは前記PBS −トウィーン20で洗浄され、その後過酸化水素を含む発育中の基質が付加され た。結合抗体は405nmの波長での吸光度を読み取ることで検出された。 G.分泌キメラ抗体の結合特異性 キメラの結合特異性はCD2発現突然変異株ジャーカット細胞系JRT3−T 3−5に結合する抗体のフロー血球計算分析 により評価された。キメラ抗体(ヒトIgG1)の結合プロフィールは、無関係 (非CD−2)結合特性を示す天然ラット抗体(IgG2b)およびイソタイプ 照合対照MAB(ヒトIgG1およびラットIgG2b)のプロフィールと比較 された。 JRT3−T3−5(ジャーカット)細胞系の調製。ジャーカット細胞系はA TCC( )から得られ、ウシ胎仔血清(FBS)10%、アミノ酸補足物 (NCTC)10%、およびLグルタミン(完全培地)6mMを含むDMEMで 繁殖された。細胞は37℃でCD2 10%の下で保持され、1:4の比率で週 3回通過された(通過時の細胞濃度は約3×106/mlであった)。ジャーカ ット細胞は収穫され、消費培地を除去するために遠心分離され、DMEMで洗浄 された。細胞は次いでアジドナトリウム(NaAz)0.1%を持つリン酸緩衝 食塩水(PBS)に再懸濁され、細胞定量のためアリコートが移された。成育可 能細胞数はトリパンブルー排除法により測定された。 ジャーカット細胞の間接染色。細胞表面染色が96個ウエルU底マイクロタイ タプレートで行われた。90μlの量で約6×105細胞がマイクロタイタプレ ートの各ウエルに配分された。検定される抗体の希釈はNaAz0.1%を持つ PBSで用意され、10μlの量で適切なウエルに配分された。細胞は抗体と共 に15分室温で保温され、その後細胞は各ウエルにNaAz0.1%のPBSを 付加して洗浄され、また2分間1900rpm(ソーヴァルRT6000D)で 遠心分離され た。プレートを軽く打って細胞の再懸濁が行われた。最適なフルオレセイン−イ ソチオシアネート(FITC)接合二次抗体(抗ヒトIgあるいは抗ラットIg )の10μlアリコートが適切なウエルに付加され、暗がりで15分室温で保温 された。プレートは前記のNaAz0.1%を含むPBSで3回洗浄された。染 色細胞はPBSにパラホルムアルデヒド0.5%の200μlを付加して固定さ れ、4℃で(1週間まで)貯蔵された。 染色ジャーカット細胞のフロー血球計算分析。染色細胞はベクトン−ディキン ソン社のファクスキャンを使用するデータを獲得するために12×17mmのポリ スチレン管に移された。データの獲得および分析はリシスIIソフトウエアを使っ て実施された。CD2発現ジャーカット細胞はLO−CD2a(ラットIgG2 b)MAB、LO−CD2a(ヒトIgG1)、および対応するイソタイプ照合 対照と共に保温された。結合抗体は前記記載の実験記録に従って適切なFITC 接合二次抗体を用いて検出された。分析は天然ラットLO−CD2aおよびキメ ラヒト−ラットLO−CD2aと類似の結合パターンを示している。 この発明について数多くの修飾および変形が前記技術に照らして可能であり、 従って添付する請求の範囲の範囲内でこの発明は特に説明されるもの以外にも実 施することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,FI,JP,K R,NO,NZ,US

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ATCC HB11423として寄託された細胞系により生産されるモノク ローナル抗体と同じヒトリンパ球上のエピトープあるいはその一部と結合する一 つの化合物。 2.前記化合物がモノクローナル抗体あるいはその断片であることを特徴とする 特許請求の範囲第1項記載の一つの化合物。 3.前記化合物が前記寄託細胞系により生産されるモノクローナル抗体と同一で あるモノクローナル抗体であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の一 つの化合物。 4.前記化合物が前記寄託細胞系により生産される抗体と同じCDRを持つモノ クローナル抗体であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の化合物。 5.前記化合物が前記寄託細胞系により生産されるモノクローナル抗体のヒト化 形態であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の化合物。 6.前記エピトープがCD2陽性ヒトT細胞のCD2エピトープであることを特 徴とする特許請求の範囲第1項記載の化合物。 7.エピトープが立体配座エピトープであることを特徴とする特許請求の範囲第 1項記載の化合物。 8.前記化合物がモノクローナル抗体であり、前記抗体がヒトCD2+NK細胞 の少なくとも一部に結合することにより更に特性付けられることを特徴とする特 許請求の範囲第1項記載の化合物。 9.特許請求の範囲第2項記載の抗体の有効量を投与することにより患者を治療 することを含むヒト患者にある免疫応答を阻害することを特徴とする一つの方法 。 10.前記免疫応答がT細胞活性化および増殖により中介されることを特徴とす る特許請求の範囲第9項に記載されるような一つの方法。 11.前記T細胞活性化および増殖が移植片移植から生じることを特徴とする特 許請求の範囲第10項に記載されるような一つの方法。 12.前記移植片移植が同種異系移植であることを特徴とする特許請求の範囲第 11項記載の方法。 13.前記移植片移植が異種移植であることを特徴とする特許請求の範囲第12 項記載の方法。 14.前記T細胞活性化および増殖が自己免疫疾患より生じることを特徴とする 特許請求の範囲第10項記載の方法。 15.抗体が生体内で患者の血液と接触することを特徴とする特許請求の範囲第 10項記載の方法。 16.前記抗体が生体内で静脈内投与により患者の血液と接触することを特徴と する特許請求の範囲第15項記載の方法。 17.前記抗体が移植に先立ちドナーの移植片と接触することを特徴とする特許 請求の範囲第10項記載の方法。 18.前記免疫応答がナチュラルキラー細胞により中介されることを特徴とする 特許請求の範囲第9項記載の方法。 19.抗体が生体内で患者の血液と接触することを特徴とする特許請求の範囲第 18項記載の方法。 20.前記抗体が生体内で静脈内投与により患者の血液と接触することを特徴と する特許請求の範囲第19項記載の方法。 21.前記抗体が移植に先立ちドナーの移植片と接触することを特徴とする特許 請求の範囲第18項記載の方法。 22.前記免疫応答が対宿主性移植片病により生じることを特徴とする特許請求 の範囲第18項記載の方法。 23.前記免疫応答が移植片拒絶反応より生じることを特徴とする特許請求の範 囲第18項記載の方法。 24.前記移植片拒絶反応が同種異系移植から生じることを特徴とする特許請求 の範囲第23項記載の方法。 25.前記移植片拒絶反応が異種移植から生じることを特徴とする特許請求の範 囲第23項記載の方法。 26.ヒト患者の移植片拒絶反応を阻害する一つの方法であって、 一つの化合物を用いて移植片の拒絶反応を阻害してヒト患者を治療し、この化 合物はATCC HB11423として寄託された細胞系により生産されるモノ クローナル抗体と同じヒトリンパ球状のエピトープの少なくとも一部と結合し、 拒絶反応を阻害するための有効量で治療することよりなることを特徴とする一つ の方法。 27.化合物がLO−CD2a抗体であることを特徴とする特許請求の範囲第2 6項記載の方法。 28.移植片が一つの器官であることを特徴とする特許請求の範囲第26項記載 の方法。 29.前記抗体が図29Aで示されるアミノ酸配列を持つVL鎖を含むことを特 徴とする特許請求の範囲第5項記載の化合物。 30.前記抗体が図30Aで示されるアミノ酸配列を持つVH鎖を含むことを特 徴とする特許請求の範囲第5項記載の化合物。 31.前記抗体が図29Bで示されるアミノ酸配列を持つVL鎖を含むことを特 徴とする特許請求の範囲第2項記載の化合物。 32.前記抗体が図30Bで示されるアミノ酸配列を持つVH鎖を含むことを特 徴とする特許請求の範囲第2項記載の化合物。
JP51978094A 1993-03-05 1994-03-04 T細胞の活性化と増殖を阻害するLO−CD2a抗体およびその用途 Expired - Fee Related JP3711143B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US2700893A 1993-03-05 1993-03-05
US08/027,008 1993-03-05
US11903293A 1993-09-09 1993-09-09
US08/119,032 1993-09-09
PCT/IB1994/000043 WO1994020619A1 (en) 1993-03-05 1994-03-04 LO-CD2a ANTIBODY AND USES THEREOF FOR INHIBITING T-CELL ACTIVATION AND PROLIFERATION

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005062737A Division JP4195453B2 (ja) 1993-03-05 2005-03-07 T細胞の活性化と増殖を阻害するLO−CD2a抗体およびその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08507438A true JPH08507438A (ja) 1996-08-13
JP3711143B2 JP3711143B2 (ja) 2005-10-26

Family

ID=26701922

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51978094A Expired - Fee Related JP3711143B2 (ja) 1993-03-05 1994-03-04 T細胞の活性化と増殖を阻害するLO−CD2a抗体およびその用途
JP2005062737A Expired - Lifetime JP4195453B2 (ja) 1993-03-05 2005-03-07 T細胞の活性化と増殖を阻害するLO−CD2a抗体およびその用途

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005062737A Expired - Lifetime JP4195453B2 (ja) 1993-03-05 2005-03-07 T細胞の活性化と増殖を阻害するLO−CD2a抗体およびその用途

Country Status (10)

Country Link
EP (1) EP0687300B1 (ja)
JP (2) JP3711143B2 (ja)
AT (1) ATE205531T1 (ja)
AU (1) AU686600B2 (ja)
CA (1) CA2157500C (ja)
DE (1) DE69428272T2 (ja)
DK (1) DK0687300T3 (ja)
ES (1) ES2164699T3 (ja)
PT (1) PT687300E (ja)
WO (1) WO1994020619A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001510027A (ja) * 1997-07-18 2001-07-31 バイオトランスプラント,インコーポレイテッド T細胞活性化および増殖を阻害するLO−CD2a抗体およびその用途
JP2021504414A (ja) * 2017-11-29 2021-02-15 マジェンタ セラピューティクス インコーポレイテッドMagenta Therapeutics, Inc. Cd2+細胞の枯渇のための組成物および方法

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5817311A (en) * 1993-03-05 1998-10-06 Universite Catholique De Louvain Methods of inhibiting T-cell medicated immune responses with LO-CD2a-specific antibodies
DK0959899T3 (da) * 1996-08-16 2009-09-07 Biotransplant Inc LO-CD2a-antistof samt dets anvendelse til h mning af T-celleaktivering og -proliferation
AU750891B2 (en) 1996-12-06 2002-08-01 Aventis Pharmaceuticals Inc. Polypeptides encoded by a human lipase-like gene, compositions and methods
US7008776B1 (en) 1996-12-06 2006-03-07 Aventis Pharmaceuticals Inc. Compositions and methods for effecting the levels of high density lipoprotein (HDL) cholesterol and apolipoprotein AI very low density lipoprotein (VLDL) cholesterol and low density lipoprotein (LDL) cholesterol
US6558662B2 (en) 1997-11-14 2003-05-06 The General Hospital Corporation Treatment of hematologic disorders
CA2497628A1 (en) * 2002-09-05 2004-03-18 Medimmune, Inc. Methods of preventing or treating cell malignancies by administering cd2 antagonists
KR101240206B1 (ko) 2010-10-05 2013-03-06 고려대학교 산학협력단 자연살상 세포-매개 면역반응 억제용 조성물
WO2020216947A1 (en) 2019-04-24 2020-10-29 Heidelberg Pharma Research Gmbh Amatoxin antibody-drug conjugates and uses thereof

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4381292A (en) * 1980-11-14 1983-04-26 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Jr. University Anti-human T-lymphocyte monoclonal antibody

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001510027A (ja) * 1997-07-18 2001-07-31 バイオトランスプラント,インコーポレイテッド T細胞活性化および増殖を阻害するLO−CD2a抗体およびその用途
JP4808841B2 (ja) * 1997-07-18 2011-11-02 バイオトランスプラント,インコーポレイテッド T細胞活性化および増殖を阻害するLO−CD2a抗体およびその使用法
JP2021504414A (ja) * 2017-11-29 2021-02-15 マジェンタ セラピューティクス インコーポレイテッドMagenta Therapeutics, Inc. Cd2+細胞の枯渇のための組成物および方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4195453B2 (ja) 2008-12-10
ES2164699T3 (es) 2002-03-01
AU6218194A (en) 1994-09-26
CA2157500C (en) 2005-08-16
CA2157500A1 (en) 1994-09-15
AU686600B2 (en) 1998-02-12
DK0687300T3 (da) 2001-12-31
WO1994020619A1 (en) 1994-09-15
PT687300E (pt) 2002-03-28
ATE205531T1 (de) 2001-09-15
DE69428272T2 (de) 2002-06-27
JP2005239725A (ja) 2005-09-08
EP0687300B1 (en) 2001-09-12
JP3711143B2 (ja) 2005-10-26
DE69428272D1 (de) 2001-10-18
EP0687300A1 (en) 1995-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4195453B2 (ja) T細胞の活性化と増殖を阻害するLO−CD2a抗体およびその用途
US5817311A (en) Methods of inhibiting T-cell medicated immune responses with LO-CD2a-specific antibodies
US5730979A (en) LO-CD2a antibody and uses thereof for inhibiting T cell activation and proliferation
Bogen et al. Clonal deletion of specific thymocytes by an immunoglobulin idiotype.
EP2289534B1 (en) NKG2D antibodies for use in the treatment of rheumatoid arthritis or Crohn's disease
US5951983A (en) Methods of inhibiting T cell mediated immune responses with humanized LO-CD2A-specific antibodies
JP2001501607A (ja) 免疫調節のためのcd45r白血球抗原に対する抗体の利用
AU9565298A (en) Humanized antibodies to human gp39, compositions containing and therapeutic use thereof
US5480974A (en) Antibodies to human C5a receptor
US20050282223A1 (en) TR3-specific binding agents and methods for their use
US6994976B1 (en) Tr3-specific binding agents and methods for their use
US6849258B1 (en) LO-CD2a antibody and uses thereof for inhibiting T cell activation and proliferation
EP0959899B1 (en) LO-CD2a ANTIBODY AND USES THEREOF FOR INHIBITING T CELL ACTIVATION AND PROLIFERATION
US7592006B1 (en) Composition comprising the LO-CD2a antibody
JP4808841B2 (ja) T細胞活性化および増殖を阻害するLO−CD2a抗体およびその使用法
CA2483630A1 (en) Compositions and methods for modulation of effects on phagocyte and lymphoid cell populations

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040602

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040907

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20041207

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20050124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050812

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090819

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090819

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090819

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090819

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090819

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100819

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100819

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100819

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100819

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110819

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees