JPH08505458A - 循環潤滑の方法と装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は循環潤滑の方法と装置に関するものである。循環潤滑装置は、潤滑オイルタンク（１）と、被潤滑部品へ潤滑オイルを供給する圧力管路と、被潤滑部品からオイルタンク（１）へオイルを戻す戻し管路（５）とを有している。水分により生じる問題を除去するため、本発明により、オイルタンク（１）内へ空気を吹込む送風機（６）と、戻し管路（５）に配置された少なくとも１つの弁装置（７）とが備えられ、この弁装置（７）が、オイルタンク（１）内へ吹込まれた空気と、戻し管路（５）内を流れる、水分及び汚れを含有する空気とを戻し管路（５）から排出し得るように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】 循環潤滑の方法と装置 本発明は循環潤滑の方法、それも循環潤滑装置が潤滑オイルタンクと、被潤滑 部品へのオイル供給用の圧力管路と、被潤滑部品からオイルタンクへオイルを戻 す戻し管と、オイルを圧力管路へ送るポンプ手段と、目標潤滑状態を維持する調 節装置とを有し、この状態で空気が潤滑オイルタンク内へ吹込まれる形式の方法 に関するものである。本発明は、さらに、循環潤滑装置に関するものである。 循環潤滑装置は、現在では、特に、潤滑剤が潤滑を要する部品の冷却に用いら れる場合に、種々の機器の潤滑に広く用いられている。循環潤滑利用の一例は、 抄紙機の乾燥シリンダ軸受の潤滑、又はガスタービンの潤滑である。このいずれ の場合も、軸受は外部からの熱負荷にさらされる。 循環潤滑は、また、被潤滑部品がかなりの散逸力を生じさせる場合にも用いら れる。 更に別の利用例は、被潤滑部品内で潤滑剤が汚れ、汚れた潤滑剤を清浄化して 再使用せねばならない場合である。 循環潤滑装置は、通常は電動モータにより駆動されるポンプを有している。こ のポンプによってオイルが循環せしめられる。ポンプ出力は、通常、バイパス圧 力制御用に十分な作動余力が残されるように、所要流量の１０〜２０％増の値に 選定される。オイルは、交換可能のフィルタを通過するようにされている。フィ ルタは、２つのグループに分けて配置されることが多い。そうすることにより、 一方のフィルタ群が弁により隔離され、装置全体を停止することなくフィルタ交 換が可能である。電気式のヒータ、又は蒸気操作式のヒータが、オイルを更に加 熱するために用いられることが多い。オイルは、水冷装置又は空冷装置を有する 熱交換器により冷却される。冷却力は、オイル供給用に備えられた温度調整器に より調節される。温度調整器の設定値は、典型的には約５５℃であることが多い 。圧力制御は、オイルタンクへ戻すバイパス弁によって行なわれることが多い。 圧力制御の設定値は、装置に応じて、典型的には５〜２０バールの範囲内で変化 さ せる。 オイルは、潤滑を必要とする個所、たとえば抄紙機の異なる部品へ、通常は防 錆材料製の圧力本管を介して供給される。オイルは本管内を層流として流れ、従 って圧力降下は僅かである。オイルは、本管から複数の流量調整ボードへ分配さ れ、これらからいくつかの被潤滑部品へ供給するため、複数の立ち管へ分配され る。オイルは、これら被潤滑部品から戻し管を通り、重力を利用して戻し側の補 集管に集められる。更に、重力の作用により補集管を通過し、循環潤滑装置のタ ンクへ戻される。戻し側の管にはオイルは決して一杯にはならない。管は、装置 のタンクの方向に２〜３％程度傾斜している。タンクの前方で戻りオイルは粗目 のフィルタを通過する。タンクに戻ったオイルは、再びポンプにより吸出されて 循環する。タンクの寸法は、通例、オイルが、粘度に応じて１０分〜５０分の間 タンクに留まるように選定される。 装置内でタンクは、オイルの再循環前にオイルを状態調整するための、いくつ かの機能を有している。その１つの機能は、オイルに含まれている気泡を表面に 浮上させる機能である。気泡は、ポンプがキャビテーションを発生させる傾向を 増大させ、かつまた、潤滑を要する部品上に形成される油膜の質を低下させる。 別の機能は、オイル密度よりかなり高い密度を有する大きな汚れ粒子を、タンク 底部に沈澱させる機能である。オイルに含有される水滴も、ある程度までタンク 内で沈降する。水の密度は、オイルの密度に近いので沈降速度も遅い。タンクは 、また、戻し管内を流れる湿気をタンク壁に凝縮させ、壁部に沿ってその凝縮水 を排出し、タンク底部に集める。また、タンクは壁部を介してオイルを冷却する 。更に、タンクは、装置の停止時に管路を空にするための空間をも形成しており 、かつまた、管漏れ時にはオイル溜めとして役立ち、それにより被潤滑部品を制 御可能に停止することができる。更に別の機能は、ポンプの吸込み装置内には常 にオイルが存在するようにして、空気が吸込まれることがないようにする機能で ある。タンク内は、バクテリアが生育できるように、水分と適温が維持されてい る。 タンクには、また、サーモスタットにより制御されるオイルヒータが組合され ている。これらのヒータは、電気式又は蒸気操作式のヒータでよい。これらのヒ ータは、ポンプの始動前に、オイルタンク内の大量のオイルを４〜８時間以内に 、 典型的には約５５℃に加熱するために用いられる。スクリューポンプでは、キャ ビテーションの危険なしに全力で高粘度の常温オイルをポンピングが不可能だか らである。 原理的には、前記装置は良好に作動する。しかし、実際には幾つかの欠点があ り、その結果、装置の作業は最良とはいえない。１つの欠点は、被潤滑部品から オイルと一緒に空気が吸込まれるため、戻し管を介してタンク内へ水分が飛沫同 伴され、空気と一緒に汚れや水分が運ばれて来ることである。この欠点は、抄紙 機の場合、乾燥区域のフード下に多くの埃りと水分とが溜まるため、特に明らか となる。加えて、乾燥シリンダの蒸気式加熱によりフード下が高温になることに 留意する必要がある。空気中の水分含量は、紙のウエブから蒸発する水分のため 、高い値となる。水分を含んだ空気が流れる結果、タンク内には可なりの量の水 が凝縮する。このため、タンク内で問題が生じる。 本発明の目的は、この先行技術の欠点を除去し得る方法と装置を提供すること にある。本発明によれば、この目的は、先ず次の特徴を有する方法により達成さ れた。すなわち、オイルタンク内に吹込まれた空気が、オイルタンク内へ通じる オイル戻し管を介してオイルタンクから放出されるようにし、かつまたオイルタ ンク内へ吹込まれた空気と、戻し管内を流れる、水分及び埃を含む空気とが、オ イル戻し管からオイルタンク外へ排出されるようにするのである。更に、本発明 の別の目的は、次の特徴を有する装置により達成された。すなわち、オイル戻し 管の途中に少なくとも１つの弁装置が配置され、この弁装置が、オイルタンク内 へ吹込まれた空気と、戻し管内を流れる、水分と埃りとを含んだ空気とを、オイ ル戻し管から排出し得るようにしたのである。 本発明の利点は、主として次の点に存する。すなわち、オイルタンク内への水 分含有空気の流入が防止され、この結果、タンク内での水分凝縮に起因する問題 が除去される。本発明の別の利点は、方法及び装置が簡単であるため、操作の信 頼性が高く、経済的に使用できる点である。本発明によれば、また、オイルの質 を従来より高く維持できるため、循環潤滑装置の作動が改善される。この改善が 可能な理由は、オイルに含有される水分の凝縮が、従来ほど多くないためであり 、その結果、水の分離に要する時間及び空間を先行技術に比べて縮小できる等々 の ためである。 以下で、本発明を添付図面に記載の好適実施例につき説明する。 第１図は抄紙機用の循環潤滑装置の全体図、 第２図は本発明の第１実施例を利用した循環潤滑装置の一部の全体図、 第３図は本発明の第２実施例を利用した循環潤滑装置の一部の全体図、 第４図から第６図は第３図の一部の別の実施例を示した全体図である。 第１図は、抄紙機用の循環潤滑装置の全体図である。符号１はオイルタンクを 示し、符号２は、ポンプと、フィルタと、その他類似部品とを備えた組立体を、 全体として示している。符号３は、潤滑剤として用いられるオイルを被潤滑部品 ４へ供給する圧力管路を示している。この実施例の場合、この部品４は抄紙機の 乾燥シリンダである。更に、第１図には、符号５により、オイルを被潤滑部品か らオイルタンク１へ戻す戻し管路が示されている。第１図に示した装置の構成と 操作は、当業者には明らかなことなので、これ以上の説明は省略する。 本発明は、特に、循環潤滑装置の戻し管路５に関するものである。第２図は、 本発明による装置の第１実施例の全体図である。本発明の重要な思想によれば、 送風機６がオイルタンク１内へ空気を送るために備えられている。タンク１内へ 送られた空気は、タンク１からオイル戻し管５を介して送出される。そのさい、 この送入空気と、戻し管５内を流れている、水分及びごみを含む空気とが、タン ク１の外へ戻し管５を通って排出される。第１図の実施例の場合、送風機６から 吹込まれる空気と、戻し管５内の水分及びごみを含む空気とは、オイル流れ方向 でオイルタンク１の少し前方の個所で戻し管５から排出される。戻し管５からの 空気の、周囲空気内への排出は、弁装置７を介して行なわれる。戻し管５内の水 分及びごみを含む空気流は、矢印Ｎで示されている。送風機６によりタンク１内 へ吹込まれる空気流は、矢印Ｍで示されている。更に、第１図には、戻し管５か ら周囲空気中へ排出される空気流は矢印Ｋで示されている。空気流Ｋは空気流Ｎ と空気流Ｍとから成っている。オイルは戻し管５内をタンク１の方向へ流れる。 タンク１は気密であるから、戻し管５を通ってタンクヘ空気が入ることは不可能 である。送風機６により吸込まれる空気は、タンク壁を清掃し、かつ乾燥させる 。前述のように、この空気が流れるようにすることで、水分がタンク及び戻し管 の 双方から除去される。 第３図は本発明による装置の第２実施例を示したものである。第３図の実施例 は、第２図の実施例と実質的には変らない。したがって、対応部分には同じ符号 が用いられている。異なる点は、第３図の実施例の場合、送風機６によりタンク １へ吸込まれる空気が、オイル戻し管５の戻し分岐管内へ均等に分配される点で ある。オイルタンク１内へ吸込まれた空気流Mと、潤滑された部品からの、水分 及び汚れを含む空気とが、オイル流れ方向で見て戻し分岐管入口端部に設けられ た弁装置７を介して、戻し管から排出される。第３図には、この排出流が矢印Ｋ で示されている。 第３図の実施例の場合、重要な細部は空気流制御手段８である。この制御装置 ８はオイルの流れ方向への空気の流れを防止し、他方、オイルの流れとは逆方向 に空気が流れるようにする。制御装置８は、送風機６により供給される空気を、 戻し分岐管内へ均等に分配する。第３図には、戻し管５の分岐管内の制御装置８ の位置が符号Ｆで示されている。この位置に配置した目的は、オイル流方向へは 空気が流れないようにし、かつまたオイル流と反対の方向へは、僅かの空気流が 戻し管５内に生じるようにすることにある。このことは、送風機６と制御装置８ とにより造出される空気流Ｍにより可能となる。 空気流制御装置８は、たとえば、第３図及び第４図に示されているインペラ装 置８ａである。インペラ装置８ａは、戻し管底部を流れるオイルにより回転する ように構成されている。第４図には、その原理が示されている。管内のオイル流 の表面レベルは符号Ｆ₁で示されている。インペラ装置８ａの部分Ｆ₂，Ｆ₃は、 空気のポンピングには加わらない。これらの部分は互いに相殺し合うからである 。すなわち、部分Ｆ₂はオイル流方向に空気を運ぶのに対し、部分Ｆ₃はオイル流 と反対方向に空気を運ぶ。部分Ｆ₄は、オイル表面レベルにより決められる部分 Ｆ₁と等しい寸法である。部分Ｆ₄はオイル流と反対方向に空気が流れるよう強制 する。第４図には、流れ方向が矢印にて示されている。 第５図には、空気流制御装置８の別の実施例が示されている。この装置８はプ レート部材８ｂを有している。この装置８は、また、経過をモニタする覗き窓９ を有している。プレート部材８ｂが垂直方向に移動するにつれて、空気流路が絞 られたり拡大されたりする。部材８ｂは、たとえば止めねじ１０により所定位置 にロックされる。部材８ｂの端部に備えられた可とう的なストリップ１１は管内 の空気流方向を示している。第５図には、空気及びオイルの流れ方向が矢印で示 されている。第５図に示された状態では、空気流は左方へ、オイル流は右方へ向 っている。各戻し分岐管内の個所Fに備えられたプレート部材８ｂにより、送風 機６から送られる空気量が各分岐管間に均等に分配される。 第６図は空気流制御装置８の第３実施例を示したものである。この実施例は、 オイル流表面に浮遊する部材８ｃを有している。部材８ｃの上端は管に可動にヒ ンジ結合されている。部材８ｃは、少量の漏れ流は除き、空気流を遮断している 。部材８ｃのところでの管横断面は、好ましくは正方形である。送風機６は、タ ンク１内と、戻し管の個所Fの下流側とで僅かな過圧を維持し、これにより個所 Ｆを水分含有空気が、迂回すること、言いかえると部材８ｃの漏れによりタンク １内へ入ることを防止する。第６図には、オイル流の方向が矢印により示されて いる。 既述の複数実施例は、本発明を限定するものではなく、クレイムの枠内で所望 のように変更可能である。したがって、本発明による構成、又はその細部は、図 示のものと必しも類似している必要はなく、別の解決策も、同様に可能である。 たとえば、何らかの適当な装置を、戻し管から空気を除去する弁装置として用い ることもできる。また、送風機も何らかの適当な送風機等を用いることができる 。

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Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．循環潤滑の方法であって、循環潤滑装置が潤滑オイルタンク（１）と、被 潤滑部品（４）へオイルを供給する圧力管路（３）と、オイルを被潤滑部品から オイルタンク（１）へ戻す戻し管路（５）と、オイルを圧力管路内へポンピング する装置と、目標潤滑状態を維持するための調節装置とを備えており、また、潤 滑オイルタンク（１）内へ空気が吹込まれる形式のものにおいて、タンク（１） 内へ吹込まれる空気が、タンク（１）へ通じるオイル戻し管路（５）を介してオ イルタンク（１）から排出され、更に、オイルタンク（１）内へ吹込まれた空気 と、戻し管路（５）内を流れる、水分及び汚れを含んだ空気とが、オイルタンク （１）の外部へオイル戻し管路（５）から排出されることを特徴とする、循環潤 滑の方法。 ２．請求項１記載の循環潤滑の方法において、オイルタンク（１）内へ吸込ま れる空気と、戻し管路（５）内を流れる、水分及び汚れを含んだ空気とが、オイ ル流れ方向でオイルタンク（１）の少し前方の個所で戻し管路（５）から排出さ れることを特徴とする方法。 ３．請求項１記載の循環潤滑の方法において、オイルタンク（１）内へ吹込ま れた空気が戻し管路（５）の複数戻し分岐管内へ均等に分配され、かつまた、オ イルタンク（１）内へ吹込まれた空気と、水分及び汚れを含んだ空気とが、オイ ル流れ方向で見て戻し分岐管入口端部のところで戻し管路（５）から排出される ことを特徴とする方法。 ４．循環潤滑装置であって、潤滑オイルタンク（１）と、被潤滑部品（４）へ 潤滑オイルを供給する圧力管路（３）と、被潤滑部品からオイルタンク（１）へ オイルを戻す戻し管路（５）と、圧力管路（３）内へオイルをポンピングする装 置と、目標潤滑状態を維持する調節装置と、オイルタンク内へ空気を吹込む送風 機（６）とを有する形式のものにおいて、オイル戻し管路（５）に配置された少 なくとも１つの弁装置（７）が備えられており、この弁装置（７）が、オイルタ ンク（１）内へ吹込まれた空気と、戻し管路（５）内を流れる、水分及び汚れを 含んだ空気とを、オイル戻し管路（５）から排出し得るように構成されているこ とを特徴とする循環潤滑装置。 ５．請求項４記載の循環潤滑装置において、弁装置（７）が、オイル戻し管路 （５）に、それも、オイル流れ方向で見てオイルタンク（１）の少し前方の個所 に配置されていることを特徴とする装置。 ６．請求項４記載の循環潤滑装置において、空気流制御装置（８，８ａ，８ｂ ，８ｃ）がオイル戻し管路（５）の各戻し分岐管に備えられ、この制御装置によ り、空気流がオイル流れ方向に流れることが防止され、かつオイル流れ方向と逆 方向に流れることが可能にされ、更に、前記弁装置（７）が、オイル流れ方向で 見て各戻し分岐管入口端部のところに配置されていることを特徴とする装置。 ７．請求項６記載の循環潤滑装置において、空気流制御装置がインペラ装置（ ８ａ）であり、このインペラ装置（８ａ）が戻し分岐管内を流れるオイル流によ り回転せしめられるように構成されていることを特徴とする装置。 ８．請求項６記載の循環潤滑装置において、空気流制御装置がプレート部材（ ８ｂ）であり、このプレート部材により空気流スペースを調節可能であることを 特徴とする装置。 ９．請求項６記載の循環潤滑装置において、空気流制御装置が浮遊装置（８ｃ ）であり、この浮遊装置が、戻し分岐管内を流れるオイル表面に浮遊し、かつ一 端を管に可動に取り付けられており、更に、僅かの漏れ流を除いて、空気流空間 を遮断するように構成されていることを特徴とする装置。